「プレゼント」 蟹江中学校1年 鈴木瑛斗 みなさんは，いじめと聞きどう感じ

「プレゼント」
蟹江中学校１年
鈴木瑛斗
みなさんは，いじめと聞きどう感じますか。悪い事，汚い事，してはいけない事，と良
くないイメージを持ち，自分とは離れた所の出来事だと感じたり，悲しいニュースとして
見聞きしたとてもひどい「いじめ」という言葉におきかえられた犯罪に心を痛める人も多
いと思います。
僕が通っていた小学校は各学年の人数も二十人にもならない小さな所だったので，六年
間クラス替えもありません。そのかわり，大きな家族のように学年関係なく仲良く楽しい
学校でした。僕は小さな頃から持病をもっていて学校を休む事も多くありました。そのク
ラスでは，運動が出来ない時もある僕でも一緒に楽しめるようにと，
「僕らの特別ルール」
を作ってくれたり，病気をかわいそうと見るのではなく個性として当たり前に仲良くして
くれる仲間でした。けれど四年生の頃突然僕へのいじめは始まったのです。
最初は，話しかけた時や，あいさつをしても無視されたり僕の発言や行動を笑い，いや
みを言われたりする事が急に多くなった感じがして，気のせいかな？と思いましたが，休
み時間にクラスの男子みんなで遊ぶ時に，「君だけは一緒に遊んではダメだ。」ときっぱり
言われた時の相手のニヤニヤした笑顔で，あぁやっぱり嫌われたんだなあと気が付きまし
た。ただそれまでずっと仲良くしてきた子に，急に嫌われるような事を自分がしてしまっ
たのか…といくら考えても理由が分からず，不安になりました。家族に大切で大好きな仲
間に嫌われ無視されてとても悲しい事，理由がわからず不安な事を相談しました。家族も
一緒に考え，もう一度仲良くなれるように笑顔でいようとはげましてくれました。
けれど，学年が上がるうちに状況はどんどん悪くなり，無視や仲間外れは増えていき，
最初は先生のいない時などひそかに行われていたのに，先生や女子が居る時にもやられる
ようになりました。
先生にも話したり日記で辛い気持ちを聞いていただき，いじめる人たちに話して下さり
ました。その事と，先生たちに勇気をいただいて学級委員に立候補し無事に就任した事で，
その後一ヶ月程いじめはなくなりました。
しかし，すぐにまた再開し，今度は，一見仲直りした様に周囲に見せかけて行われまし
た。休み時間に一緒にサッカーやドッヂボールに誘われ，嬉しくて参加すると僕だけ激し
くぶつかられたり，けられたり，ボールを集中的に当てられたりしたため，僕の体にはた
くさんのアザができてしまいました。
でも，体の痛みよりずっと辛かったのは，珍らしく放課後に一緒に遊ぼうと笑顔で誘わ
れてすごく嬉しくて，母も「良かったね，楽しんできてね。」と送り出してくれましたが，
待ち合わせの時間を過ぎ何時間待っても誰も来ず寂しくて帰宅後，涙が出ました。翌日学
校で遊ぶ約束をしていた子達が「昨日は楽しかったな。」と笑っていたので，そんな男子
の中でも少し話してくれる子に「昨日遊んだの。」と聞いてみたら，待ち合せ場所が僕が
言われていた所とは違った事を知りました。僕はいじわるをされていてもクラスのリーダ
ーだと思って信頼していた子にだまされたのです。
その時から僕はクラスで居場所がなくなった気がして，他の学年の子達と休み時間を過
ごすことにしました。クラスの女子や先生，そして，離れてもまだ嫌味を言ったり仲間外
れにするなどのいじめをする中心的な人達に反感を持ち話してくれる男子も何人か出てき
て，そんな優しい人が見守ってくれました。体の痛みや言葉の暴力も辛いけど，何より孤
独は恐怖でした。だからいじめのリーダーを怖れず話してくれた友人にはとても助けられ
ました。その友人から僕がいじめられたきっかけが，リーダーの一番仲が良かった子が苦
手な勉強，あいつは学校を休んでいても出来たから「ムカツク」「病気のくせに」という
事だと聞き，「何て彼らはかわいそうなんだろう。」と思うようになりました。自分より弱
い人をいじめないとやっていけないんだなぁと思ったら不安を感じていた自分が急にばか
らしくなったのです。
自分より弱いから，出来ない事があるから，病気や障害があるから，お年寄りだからと
いう理由で人を傷つける事は絶対にあってはならないことだと思います。最低な考え方だ
と思うのです。人は誰でも年を重ねますし，病気や障害を持って生きるのかもしれません。
もし自分がその状況になったら…と考え相手の事を考えられる心のよゆうは絶対に大切な
事だと思います。
自分の病気は神様が「君ならどうやって生きるのか」と与えた試練でありプレゼントだ
と思っています。もしかしたらもっとたくさん試練は増えて行くのかもしれません。けれ
ど，人を傷つけるような選択をするよりも，人を支え自分にも出来る事を見つけて人に敬
意を持ち行動できる人でいたいと思います。