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スマートデバイスの活用で 営業品質を向上させる
ビジネス・コミュニケーション変革フォーラム.................................................................................................................... Osaka スマートデバイスの活用で 営業品質を向上させる KDDIはスマートフォンやタブレット端末を販売する一方、自らも営業活動にスマートデバイスを使っている。営業品質の向 上、ペーパーレス化、コミュニケーション変革など、スマートデバイスの活用によって得た成果はさまざま。そうした自らの 成功体験も生かしながらKDDIは、スマートデバイスを活用して顧客の問題解決に向けた提案を行っている。スマートデバイ スの活用がコミュニケーションを変え、ビジネスを変えるという新しいモデルが、そこから垣間見えてくる。 常に最新情報を持って 営業に出られる 従来でしたらそういう場合、社に戻っ 「お客様にタブレット端末をお見せ てから本社の担当部署に問い合わせて すると、たいていまず『おっ、何こ いましたので、お客様に回答をフィー れ! ?』という反応が返ってきます。そ ドバックできるまでに時間がかかるケ こで動画をお見せすると、お客様はさ KDDIがタブレット端末を営業活動 ースもありました。しかしタブレット らに驚く。これでツカミはOK。別の に使うようになったのは2年前――。 を導入してからは、ご訪問先にタブレ 商品の営業に行ったのに、お客様がタ 現在、ソリューションの営業部隊は全 ットを持ち込み、テレビ会議のような ブレット端末のほうに関心を持たれる 員がタブレットを携帯しているという。 使い方をすることにより、専門スタッ ので、タブレットの営業に転換するこ 同社ソリューション関西支社ソリュー フが即時対応できるようになりまし ともあるくらいです」 。 ション1部部長の岡本浩之氏は、それ た」 。 によって大きく変わった点が三つある この仕組みを使えば、北海道から九 州・沖縄まで、どの地域でも本社が対 と指摘する。 「見せるカタログ」から 「魅せるカタログ」へ 一つ目は、営業品質の向上、二つ目 応できる。的確な回答がリアルタイム は、商談のスピードアップ、三つ目は、 に提供できるので、商談の内容も深ま こうした手法で、これまでの「見せ 顧客に与える印象の強化だ。 り、提案のクオリティも向上する。商 るカタログ」が「魅せるカタログ」に進 「個別のサービスや商品を専門に担 談がクローズし、成約するまでの時間 化したと岡本氏は言う。商品やサービ 当する部署は本社にあり、それぞれの も短くなった。その分、営業活動の効 スの性質にもよるが、動画なら、顧客 細かいところまで精通している社員も 率が良くなり、営業部隊の時間当たり が理解しやすいので、これも商談のス その多くが本社にいます。それに対し 訪問件数も増やすことができる。 ピードアップ、営業品質の向上、成約 て支社の営業は一人で多様なサービス 同社は、インフォテリアが提供する 率のアップなどに結び付きやすい。加 や商品を扱いますから、どちらかと言 スマートデバイス向けクラウドサービ えてペーパーレス化による営業経費の えば広く浅く知っているのが実情で、 スの「Handbook」も導入している。こ 削減も生まれる。 お客様から細かい点について質問され のサービスを利用すると、タブレット このように同社は自社の営業活動に ると、即答できないこともあります。 端末上で動画も再生ができるようにな スマートデバイスを活用し、成果を上 る。 げている。同時に、同社の営業部隊は 「そこを評価してHandbookを採用し こうした活動でスマートデバイスのセ ました」という岡本氏によれば、同社 ールスに必要なノウハウも蓄積するこ の営業は携帯電話などのカタログをタ とになる。それを踏まえ岡本氏は言 ブレット端末に入れている。Handbook う。 を利用すれば、製品情報などが更新さ 「スマートデバイスの導入を検討す れたときには、営業が持つタブレット るときに、必ず話題になることがあり の情報もボタン一つで更新することが ます。セキュリティと利便性のバラン できる。つねに最新の情報を持ち歩く スをどうとるかです。一般的にいう ことができるというわけだ。しかも動 と、お客様の営業部門は利便性、シス 画を再生できるので、顧客に与えるイ テム部門はセキュリティをそれぞれ重 ンパクトは今まで以上に強くなった。 視する傾向があります。もちろん当社 KDDI ソリューション関西支社 ソリューション 1 部部長 岡本 浩之氏 ◉「見せる」カタログから、 「魅せる」カタログへ 今まで これから ペーパレス会議 カタログの3D化 カタログの電子化 その場にいながら 実物/現地がわかる オフィスから 最新情報を送信 お客様への 強い印象を残す 制作・東洋経済メディア制作部 はセキュリティを守りながら利便性も かを明確にしないまま、漠然と導入を ト端末を渡し、行政などが必要な情報 確保するさまざまな商品やサービスを 考えている企業も少なくないのが実情 を配信するということも考えられる。 用意していますし、Handbookもセキ だ。メールやスケジュール管理にしか これは独居高齢者の安否確認にも応用 ュリティ面はしっかりしています。た 使わないのであれば、携帯電話で事足 展開が可能になりそうだ。 だ、どうバランスをとるかはお客様が りる。携帯電話にないプラスアルファ タブレット端末の良さは、軽くてモ スマートデバイスで何をしたいのか、 の機能をいかに活用するかが導入のポ バイル性に優れているうえに、PC並 業務のどこを変えたいのかという目的 イントになってくる。 みの機能を持っている点だ。オフィス 情報配信型の利用が 増えていく は、タブレット端末でも十分可能なの によっても違ってきます。したがって 最初にそこをしっかり、お客様と話し 合っておくことが大切になります」 。 また、岡本氏はタブレット端末の登 場により、携帯端末に求められるセキ でPCを使って行う業務の7割か8割 ではないだろうか。その良さを生かせ ば、BCP(事業継続計画)対応にも使 その点について岡本氏は「これから はプッシュ型の活用が主流になってい 携帯電話の場合、紛失したり盗まれた きそうです」と示唆する。 えると岡本氏はいう。 「災害などで出社できなくなった社 員も、タブレット端末があれば在宅勤 りしたときに問題になるのはアドレス 携帯電話の場合、外出先から社内サ 務に切り替えられます。通信ラインが ーバに情報をとりに行く使い方が多か 生きていれば、会社のサーバにアクセ った。それに対してタブレット端末の スしてオフィスにいるのとほぼ同等の 差ない多様なデータを入れておくこと 場合、社内サーバからタブレット端末 仕事ができますし、Handbookなどの Osaka 帳とメールデータの流失だった。だ が、タブレット端末の場合、PCと大 forum in ュリティの質が変わったと指摘する。 ができる。ケータイに入っているアド に情報を配信する使い方が増えるとい サービスを活用すれば、あらかじめデ レス帳も顧客情報だ。しかもスマート うのである。ポイントはタブレットの ータやコンテンツをダウンロードして デバイスを使うのは、外出中が多い。 ユーザーが何も操作しなくても情報が おくことで、オフライン環境でも使え それだけに紛失などが発生するリスク 配信される点だ。 ます。タブレット端末は非常時にも有 は高くなる。つまり、携帯電話とタブ 「あくまでもアイデアレベルの話」と 用なツールと言えますし、スマートデ レット端末とでは、守るべきものの量 いう前提で、岡本氏はこんな使い方も バイスの登場で在宅勤務が増えるな が大きく違うというわけだ。 考えられると話した。 ど、これからワークスタイルが本格的 に変化していくかもしれません」 。 「情報資産の重要性に軽重はありま 「タクシーにタブレット端末を搭載 せん。それだけに何を守るのか、しっ し、カーナビの地図画面を表示しま KDDIが自社の営業活動にタブレッ かり認識しておくことが重要になりま す。そこに鉄道の××線で事故が起 ト端末を使うようになって2年。同社 すが、これもお客様がスマートデバイ き、○駅と□駅の間が不通になってい の営業部隊は、自分たちが使って有用 スをどう使うかによって決まってきま るという情報をセンターから送信する だと評価したものを顧客に推奨してい す。その目的、用途に応じた利便性を と、ドライバーは何もしなくてもその る。だから「Handbookなども自信を持 実現しながら、セキュリティをしっか 情報が地図上に表示される。そして、 って提案できます」と岡本氏はいう。 り確保することが大切です」 。 タクシーを待つ客がたくさんいると予 タブレット端末が本格的に普及する ただ、スマートデバイスはまだ本格 想される○駅に向かい、効率的に売上 のはこれから。ならばコミュニケーシ 的な普及段階とは言えない。業界や企 げ増を達成できる、という具合です」 。 ョンが変わり、ビジネスが変わってい 業による差も大きく、何のために使う あまり外出しない高齢者にタブレッ くのは、これからが本番である。 【お問い合わせ】インフォテリア株式会社 東京都品川区大井1丁目47番1号 NTビル10F TEL:03-5718-1250