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理美容市場に関する調査を実施(2016 年)
2016 年 4 月 26 日 プレスリリース 理美容市場に関する調査を実施(2016 年) 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内における理美容市場の調査を実施した。 1.調査期間:2016 年 1 月~3 月 2.調査対象:理美容チェーン、理美容商社・卸、理美容化粧品メーカー、理美容機器メーカー等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに郵送アンケート調査併用 【調査結果サマリー】 2015 年度の理美容市場は、前年度比 99.5%の 2 兆 1,658 億円と微減 2015 年度の理美容市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比 99.5%の 2 兆 1,658 億円になった。 消費税増税から一年が経ち、消費マインドの緩やかな回復に伴い、理容市場では客単価下落の改善 がみられた。また、美容市場では、ヘアケアカテゴリーを中心としたヘアケア・スカルプ系の施術とホー ムケア商品の物販の売上げは伸長している。2016 年度の理美容市場(同ベース)を前年度比 99.5%の 2 兆 1,550 億円と予測する。 大手サロンチェーンは多方面へのブランド戦略で顧客ターゲット層を拡大 美的感覚や生活スタイルの合致、費用対効果、スタッフとのコミュニケーションや居心地の重視など、 サロンに対する顧客ニーズは多様化している。そのため、大手サロンチェーンでは、今まで以上にブラ ンドと顧客階層を細分化し、施術の質と量の最適化や想定顧客毎のクラス分類によるブランディングを 進行させている。また、中・高価格帯で付加価値サービスの提供に重点を置いてきたサロンチェーンで は、成長を続ける低価格サロンチェーンの市場からも顧客を獲得する戦略が求められており、持続的 な事業成長のための重要な取り組みとなっている。 ◆ 資料体裁 資料名:「理美容マーケティング総鑑 2016 年版」 発刊日:2016 年 4 月 7 日 体 裁:A4 判 994 頁 定 価:110,000 円(税別) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 4 月 26 日 プレスリリース 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況 2015 年度の理美容市場規模(事業者売上高ベース)を前年度比 99.5%の 2 兆 1,658 億円と推計し た。このうち、理容市場が 6,438 億円(前年度比 99.5%)、美容市場が 1 兆 5,220 億円(前年度比 99.6%)である。 2015 年度の理容市場の内訳は、理髪市場が 4,535 億円(前年度比 99.5%)、理容のその他市場が 1,903 億円(前年度比 99.3%)となった。理容市場は、理容店舗数の減少、来店サイクルの長期化、低 価格サロンの台頭による客単価下落などが危惧されるが、身だしなみを整える習慣は根強く、小中学 生からサラリーマン、中高年世代にまで幅広く利用されている。消費税増税を契機とした施術価格の改 訂時には、多くの理容店が施術内容の充実とセットメニュー化によるお得感の訴求をしており、理容市 場規模の落ち込みは軽微にとどまった。 2015 年度の美容市場の内訳は、パーマネント市場が 3,695 億円(前年度比 99.1%)、セット市場が 580 億円(前年度比 99.5%)、カット市場が 2,930 億円(前年度比 99.8%)、美容のその他市場が 8,015 億円(前年度比 99.8%)であった。美容市場も、来店サイクルの長期化、誘客目的の割引クーポンを導 入するサロン増加による実勢価格の低下など、客単価の下落による微減推移が続いている。施術価格 の改訂に踏み切るサロンもみられるが、顧客獲得競争が激しさを増す中で、固定客離れを起こす可能 性も少なくないため、価格改訂に踏み切れないサロンが多いのが現状である。一方で、ヘアケアカテゴ リーを中心とした、ヘアケア・スカルプ系の施術とホームケア商品の店頭での物販の売上げは伸長して いる。 消費税増税後の緩やかな消費マインドの回復が進み、減少幅は改善されており、2016 年度の理美 容市場(同ベース)を前年度比 99.5%の 2 兆 1,550 億円と予測する。 2. 注目すべき動向 2-1. 大手サロンチェーンは多方面へのブランド戦略で顧客ターゲット層を拡大 美的感覚や生活スタイルの合致、費用対効果、スタッフとのコミュニケーションや居心地の重視な ど、サロンに対する顧客ニーズは多様化している。そのため、大手サロンチェーンでは、今まで以上 にブランドと顧客階層を細分化し、施術の質と量の最適化や想定顧客毎のクラス分類によるブランデ ィングを進行させている。また、中・高価格帯で付加価値サービスの提供に重点を置いてきたサロン チェーンでは、成長を続ける低価格サロンチェーンの市場からも顧客を獲得する戦略が求められて おり、持続的な事業成長のための重要な取り組みとなっている。 2-2. 理容師法施行規則及び美容師法施行規則の一部改正による業界活性化 2015 年に理美容業の規制改革について政府の規制改革会議が提言をまとめ、理容師法施行規 則及び美容師法施行規則の一部が改正され 2016 年 4 月に施行されることが決定した。今回の法改 正により、条件を満たす場合に限り、理容所及び美容所を同一の場所で開設することが認められる など理美容業界の規制が大幅に緩和される見通しとなり、理美容業界の活性化につながるものと期 待される。今後、施術やサービスの多様化により、顧客の利益が拡大すると考える。 2-3. 訪日外国人客によるインバウンド需要を取り込む動きが活発化 理美容業界も訪日外国人客によるインバウンド需要をビジネスチャンスと捉え、誘客への取り組み を進めている。業界ではスタッフ向けの英語研修を提案・導入する等のサポートや教育、観光スポッ ト・ショッピングモール・主要ターミナルでのチラシ配布や宿泊施設での紹介営業、旅行業界に対す る観光メニュー化への営業・コラボレーション活動など多岐に亘る。その他にも、クレジットカード決済 が習慣化している訪日外国人客、とりわけ中国人観光客を想定した「銀聯(ぎんれん)カード」導入を 行う動きもある。 2-4. サロンチェーンによる海外進出は業態・ビジネスモデルが多様化 国内理美容市場が縮小する中で、海外での事業展開を本格的に進める動きが続いている。アジ ア諸国での低価格の直営サロンチェーン展開や、名義貸しによるライセンス契約で現地企業と提携 するサロンチェーンもみられる。海外進出はリアル店舗の出店にとどまらず、技術や接客、人材育成 といったソフト面でのアプローチも進んでいる。インストラクターなど技術スタッフの派遣や常駐サー ビス、自社ブランドでの理美容化粧品の輸出など、海外市場参入の在り方は多岐に亘っており、今 後も様々なビジネスモデルでの海外市場への参入が注目される。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 4 月 26 日 プレスリリース 図 1. 施術別理容市場規模推移と予測 (単位:百万円) 理髪 800,000 676,000 600,000 その他 669,000 660,000 647,300 643,800 640,400 200,000 198,000 195,000 191,600 190,300 189,000 476,000 471,000 465,000 455,700 453,500 451,400 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度(予) 400,000 200,000 0 矢野経済研究所推計 注 1:事業者売上高ベース 注 2:(予)は予測値 図 2. 施術別美容市場規模推移と予測 (単位:百万円) 1,565,000 その他 パーマネント セット 1,557,500 1,548,700 1,528,500 1,522,000 1,514,600 301,000 300,000 298,500 293,700 293,000 291,700 60,000 59,500 59,200 58,300 58,000 57,700 392,000 387,000 382,000 373,000 369,500 365,500 812,000 811,000 809,000 803,500 801,500 799,700 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度(予) 1,500,000 1,000,000 カット 500,000 0 矢野経済研究所推計 注 3:事業者売上高ベース 注 4:(予)は予測値 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.