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NM441の イ ヌ 腸 内細 菌 叢 に及 ぼ す 影 響 原 哲郎1)・宮田 - J
VOL. NM441の 44 S-1 NM441の 173 イ ヌ腸 内 細 菌 叢 に 及 ぼ す 影 響 イ ヌ 腸 内細 菌 叢 に及 ぼ す 影 響 原 哲 郎1)・ 宮 田 愛 子1)・ 荒 明 美 奈 子1)・ 河 原 條 勝 己1)・ 和 田 光 一2) 1)明治 製菓 株式 会社 薬 品総 合研 究所* ,2)カ ル ピス食 品工業 株式 会社 腸 内 フ ロー ラ ラボ ラ トリー 新規 プ ロ ドラ ッ グ型 キ ノ ロ ン 系合 成 抗 菌 薬NM441を,活 dogお よ び1,000mg/dogと 変 化,Clostridium な る よ う に1日1回,14日 性 本 体NM394換 算 量 と して イ ヌ に100mg/ 間連 続 経 口投 与 を行 い,投 与 前 後 の 腸 内細 菌 叢 の difficile関連 抗 原 の 検 出,糞 便 中 の活 性 本 体NM394濃 度 の 測 定,お よ び薬 剤 投 与 前 後 の 分 離 菌 の感 受 性 の変 化 を検 討 した 。 これ ら の成 績 を以 下 に 示 す 。 1) 糞 便 の性 状 は,実 験 期 間 中 を通 して正 常 で,下 痢 等 の異 常 は認 め られ な か っ た。 2) 総 好 気 性 菌 数 お よび 総 嫌 気 性 菌 数 は,実 験 期 間 中 を通 して ほ とん ど変 動 は認 め られ な か っ た 。 Enterobacteriaceaeに つ い て は,薬 剤 投 与8頭 中1例 を除 い て検 出 され な か った が,投 与 終 了 後7日 に は投 与 前 の レベ ル に 回復 した 。C.difficileは 薬 剤 投 与 前 に8頭 中1例 目 に検 出 され た が,そ れ 以 外 は 全 く検 出 され な か った 。 3) NM441投 与 に よ りC.difficile関 連 抗 原 は投 与 後7,14日 目 に検 出 さ れ た が,投 与 終 了 後28日 目 に は検 出 さ れ な くな る傾 向 に あ っ た 。 4) 糞 便 中 のNM394の 濃 度 は 投 与 中3∼9μg/mg検 出 され た が,投 与 終 了 後7日 目 に は検 出 され な か った 。 5) 投 与 中耐 性 上 昇 が認 め られ たStaphylococcus,Streptococcusお も投 与 終 了 後28日 Key NM441は よびBacteroides words:NM441,キ ノ ロ ン系 合 成 抗 菌 薬,イ 新規 なプ ロ ドラ ッグ型 の キ ノロ ン系合 成 抗 菌薬 であ り,経口投与後,小 腸 上部 か ら吸収 され て速 や か に抗 菌活 ヌ腸 内細 菌 叢,Clostridium difficile関 2 No.100-2-2-5)は1錠 NM394と 菌スペ ク トラム を有 し,嫌 気性菌 に対 して も抗菌 力 を有 して いる1)。 吸収 され たNM394は 血 中 お よび組織 内 に移行 し,主 に入 れ て 室 温 に保 存 した 。 広い抗菌 スペ ク トラム を有 す る化 学療 法剤 の投 与 は,腸 管 内細菌叢 に強 く影 響 す る こ とが既 に知 られ て い る2)。今 回, 連続 経 口投与 した と きの腸 管 内細 菌 叢構成 菌群の量 的,質 的 変化 お よび投 与後 の回復 に つ いて検 討 した。 また,偽 膜 性大 腸 炎 の原因 とな るClostridium difficileの出現 の 有無 と同 菌 の 関 連 抗 原 の検 出 お よ び糞 便 中 の NM394の 濃度 も併 せ て検 討 したの で報告 す る。 I. 材 料 と 方 法 で1日1回,14日 化 飼 育 を行 い,異 常 の 重9.0∼10.5kg)を 試 験 に使 用 した。 犬 用 固 形 飼 料DS(オ リエ 馴化期 間 および休薬期間 は 午前 中 に給 〓 し,薬 剤 投 与 期 間 は 投 与 約1時 間 後 に給 〓 した。 給 水 は公 共 水 道 水 を 自 由 に摂 取 させ た。 NM394は 浜 市 港 北 区 師 岡 町760 に は1,000mg/dogを に は100mg/ 強制 的経 口法 間 連 続 投 与 した 。 日 本 新 薬 株 式 会 社 で 合 成 さ れ た も の を,ci- profloxacin(CPFX)は 市 販 製 剤 よ り抽 出,精 製 した もの 腸 内 細 菌 叢 の検 索 与 開 始5,3日 終 了 後1,7,14,28日 前,投 与 開 始 後7日 目 の 合 計7回 目,投 与 に わ た り糞 便 中 の 細 菌 叢 の 定 量 培 養 を実 施 した 。 1) 培 地 好 気 性 菌 用培 地 好 気 性 菌 の 総 菌 数 算 定 用 と し てTripticase Soy血 液 寒 天 培 地 を 用 い た 。Enterobactehaceae,Stroptococcus, Staphylococcus,Pseudomonas は,そ れ ぞ れDHL寒 zolium * 〒222横 に 分 け た 。そ の1群 上 回 る投 与 量 と して 設 定 した。 (1) 飼 料 は1頭 当 り1日300gの ンタル 酵 母 工 業 株 式 会 社)を 験 物 質 は遮 光 した 気 密 容 器 投 与 量 は 推 定 さ れ る 臨 床 用 量(200mg/man/day)1)を 3 7ヵ 月齢 で 富 士 ア ニ マ ル フ ァー ム 株 式 会 社 よ り搬 入 し ない こ とを確 認 した8頭(体 と し,2群 方 の1群 NM441投 を7日 間,馴 含 有 す る 。 投 与 量 はNM394換 算 量 と し て 示 し た 。 な お,被 dogを,一 中 に活 性 本 体 を用 い た 。 1. 使 用 動 物 た ビー グ ル犬 雄8頭 し て100mgを 1群 を4頭 に尿お よび糞 中 に活 性本 体 として排 泄 され る1)。 連 抗原 使 用 薬 剤 お よ び投 与 方法 NM441錠(Lot 性本体で あるNM394に 変換 され る1)。 NM394は グ ラム 陽性,陰 性 の好 気 性 菌 に対 して幅 広 い抗 我々はイヌ にNM441を fragilisに お い て 目で は元 の状 態 に 回復 した 。 chloride aernginosaの 菌数算 定 に 天 培 地(栄 研 化 学),Triphenyltetraacrydine thallous sulfate aesculin 174 Table crystal egg violet(TATAC)寒 york 地(栄 1. Isolation of aerobic 天 培 地,Phenylethyl suspension(PEES)寒 天培 spp.選 択 培 地 と し て ポ テ ト デ キ ス トロ ー ス 寒 天 培 地(栄 研 化 学),カ 水 製 薬)を,ま て 変 法LBS寒 (2) and alcohol 天 培 地,NAC寒 研 化 学)を,Yeasts,Candida 培 地(日 たLactobacillusの ンジダ 選択 培地 とし 天 培 地 を用 い た。 化 学)お よ びBL馬 血 液 寒 天 培 地(日 水 製 薬)を group,Eubacterium,Fusobacteriumの liant Green 研 用 いた。 coccaceae ase陽 Selective血 水 製 薬)を 用 い,嫌 Bril天培 地 液 寒 天 培 地,変 法 lecithin- 菌 数 の 算 定 に は 黄 寒 天 培 地 を,ま たC. difficileの 菌 数 算 定 に はCCMA培 地(日 水 製 薬)を 後 よ く混 合 した 。検 体1gを 下 で よ く混 和 し,そ の1mlを 好 気 性 菌 用 平 板8種 嫌気性 新 し い 希 釈 液9mlに 様 に108倍 加 え, まで 希 嫌 気 性 菌 用 平 板10種 類 と 類 に一 様 に 塗 抹 した 。 嫌 気 性 菌 用 平 板 は還 元 ス チ ー ル ウー ル と と も に速 や か に ジ ャー に 入 れ,ジ 72時 ャ ー 内 の ガ ス 環 境 を 炭 酸 ガ ス で 置 換 し て37℃ 間 嫌 気 性 培 養 胞 の 形 態 に よ っ て菌 群 を決 定 して集計 加CW卵 黄 寒 天 培 地 上 でlecithinase 陽 性 の 性 状 を 示 し た 集 落 に つ い て は 乾 燥 ウ エ ル シ ュ菌 型 抗 毒 素 濾 紙(日 水 製 薬)を 用 い てCW卵 lecithinase中 和 反 応 を 行 い,陽 Peofringensと し て集 計 した 。 C.difficile関 連 抗 原 の検 出 (三 菱 化 成)を 用 い た 。 す な わ ち,検 HCl緩 衝 液(pH8.0)0.5mlを 1,1,2-trichloro-1, し た 。 ま た,DHL寒 で 天 培 地, 5 体0.5gに0.1M Tris- 0 .5mlを らに 加 え遠 ス ラ イ ド板 上 に と り,次 連 抗 原 感 作 ラ テ ッ ク ス 試 薬40μlを 薬 剤 投 与 開 始 後7日 添 度 の測 定 目 お よ び 最 終 投 与 後1,7日 量 の 希 釈 液(1/15Mリ を加 え 撹 拌 し,試 にEscherichia ェ ッ ク ・D-1 加 え て 懸 濁 後,さ 2,2-trifluoroethane 糞 便 中 のNM394濃 糞 便 に19倍 黄 寒 天培 地 上 で 性 の 株 を Clostridium 連 抗 原 の 検 出 に はC.D.チ 加 し凝 集 を 肉 眼 で 観 察 した 。 上 記 の 炭 酸 ガ ス を 吹 き込 み な が ら,同 釈 し た 。各 希 釈 液 の0.05mlを グ ラ ム 染 色 性,細 体 の性 状 を記 録 した 素不含炭 酸ガスの噴射 間 培 養 した 。 培 地 に発 育 した 集 落 の性 状 お よび その 心 分 離 し た 。 そ の 上 清100μlを 秤 量 し,直 ち に9mlの 希 釈 液 を 含 む 中 試 験 管 に 移 し,酸 で72時 数 を 記 録 し,そ れ ぞ れ の グ ラ ム 染 色 を 行 い,集 落 の 形 状, い でC.difficile関 自 然 排 泄 便 を ポ リ袋 に 採 取 し,検 間好 天 培 地 に つ い て は ジ ャーに 用 い た。 糞 便 の 採 取 お よ び定 量 培 養 テ トデ キ で72時 元 ス チ ー ル ウー ル を 入 れ ず に ジ ャー 内 の大気 を 4 天 培 地 を, 間好 気性 天 培 地,ポ ン ジ ダ 培 地 は37℃ 気 性 培 養 し た 。 変 法LBS寒 C.difficile関 Selective寒 加CW卵 Neomycin で24時 天 培 地,PEES寒 ス ト ロ ー ス 寒 天 培 地,カ 入 れ,還 1996 flora 液 寒 天 培 地 は37℃ 培 養,TATAC寒 菌 数 の 算 定 に はPopto- よ びMegasphaeraの MegaSphaera fecal Soy血 気 性 グ ラ ム 陽 性 球 菌, 性 お よ び 陰 性Clostridiumの Neomycin添 2) 天 培 地, 液 寒 天 培 地,BBE寒 (極 東 製 薬),Eubacterium Veillonellaお Tripticase from し た 。Neomycin添 菌数 の算定 には Selective寒 Taurocholate血 地(日 bacteria 培 養 終 了 後,各 血 液 寒 天 培 地(栄 Bifidobacterium,Bacteroidaceae,Bacteroides fragilis Bifidobacterium anaerobic 炭 酸 ガ ス で 置 換 し て,37℃ 嫌 気性菌用培地 嫌 気 性 菌 総 菌 数 の 算 定 に はEG馬 FM培 MAR. 日本 化 学 療 法 学 会 雑 誌 料 と し た 。 薬 剤 濃 度 の 測 定 は,試 coli Kp株 目の ン 酸 緩 衝 液,pH8,0) を 用 い てAgar well法 験菌 に よっ て 行 っ た4)。 6. 薬剤投与 前後分離菌 の感受性測 定 薬 剤 投 与 開 始3日 前,投 与 終 了 後1,7,14,28日 に 分 離 さ れ たEnterobactehaceae, 目 Staphylococcus, Strepto- VOL. NM441の 44 S-1 対 2例,3日 測 定 す る こ と に よ つ て検 討 了 後1日 cocczcsお よ びB.fragiltsのNM394お す る感 受 性 の 変 化 を,MICを イ ヌ腸 内細菌 叢 に及 ぼす 影響 よ びCPFXに II. 結 1. 果 よ び1,000mg/dog/dayを 投 与 し 便 の 性 状 お よ び体 重 に異 常 は認 め 腸 内細 菌 叢 構 成 菌 群 の 菌 数 お よ び検 出 率 100mg/dog/dayお 好 気 性 菌 数,総 菌 群 菌 数 の 平 均 値,標 1) 2,3に 与 群 嫌気性菌 数お よび各 準 偏 差 な ら び に 検 出 率 の 経 日変 動 与 群 総 好 気 性 菌 数 お よ び 総 嫌 気 性 菌 数 の 変 動 は,実 与 中 にEnterobacteriaceaeは Streptococcusお 験期 間 全 く検 出 さ れ な か つ た が, よ びLactobacillusに つ い て は,ほ 全 例 の 犬 か ら 全 く検 出 さ れ な か つ た 。 嫌 気 性 菌 群 で は,Bacteroidaceaeお 中1例 Table og CFU/g feces), 2. b Frequency 薬剤投 れ 以 外 は 全 く検 出 さ 薬 剤 投 与5日 occurrence(%), 目 に は投 与 前 の レベ ル に回 嫌 気 性 菌 群 で は,Bacteroideceaeお 速 や か に 回 復 し た。Clostridiumは 前 に4頭 c Not 剤 投 与 終 了後 薬 剤 投 与 中 お よ び投 目の 糞 便 か ら検 出 され なか っ た が,投 与 終 perfringensは 全 期 間 す べ て の 検 体 か ら全 く検 出 され な かった。 3. C.difficile関 連 抗 原 の検 出 C.difficile関 連 抗 原 の 検 出 結 果 をTable 100mg/dog/day投 中3例,1,000mg/dog/day投 与 終 了 後7日 目 お よ び14日 頭 中1例 4に 示 した 。 与 群 で は 投 与 終 了 後7日 14日 目 に4頭 目 に4頭 検 出 され る の み で,検 あつた。 中 detected よ びEubacterium 目 に は投 与 前 の 菌 数 に 回復 した。C.difficile,C. Effects of NM441 on fecal flora of beagle dog feces (100mg/dog/day, of 薬 剤投 与 中 に 目 に は 全 例 で 検 出 され ml検 出 され た が,投 与 終 了 後28日 よ びEubacterium 検 出 さ れ た が,そ れ な か っ た 。C.perfringensは a Mean±SD(L とん spp.,P. の 変 動 は認 め ら れ な か っ た 。 ま た,C.difficileは 与 前 に4頭 剤投 目 に は 投 与 前 の レ ベ ル に 回 復 し た。 ど変 動 は 認 め ら れ な か つ た 。 ま た,Candida aemginosaは4頭 に,投 与 終 了 後1日 は 投 与 期 間 中 に軽 度 の減 少 を示 した が,薬 了後7日 中 ほ と ん ど 認 め られ な か つ た 。 好 気 性 菌 群 で は,薬 投 与 終 了 後7日 与群 好 気 性 菌 群 で は,Enterobacterinceaeは は4頭 中3例 与 終 了 後1日 示 した 。 100mg/dog/day投 目 お よ び28 復 した 。 よ び1,000mg/dog/day投 総 菌 数,総 をTable た 投 与 終 了 後14日 な か っ た が,投 与 終 了 後7日 られ な か っ た 。 (n=4)の 目 に1例,ま 2)1,000mg/dog/day投 100mg/dog/dayお 与 中 お よ び投 与 終 も検 出 され な か った 。 しか し,投 与 日 目 に は 全 例 で 検 出 され た。 一般 状 態 た 全 例 で 一 般 状 態,糞 2. 前 に1例 検 出 され た が,投 目 に は1例 終 了 後7日 した 。 175 n=4) 目お よび 与 群 で は投 中1例 に500ng/ 目 に は 両 群 と も に4 出 さ れ な くな る傾 向 で Table a Mean•}SD (Log CFU/g 3. b Frequency Table -: 4. Effects of NM441 on fecal flora of beagle dog feces (1,000mg/dog/day, 糞 便 中 のNM394の of occurrence 4. 1%), <250ng/ml Non 250ng/ml Weak +: 500ng/ml Agglutination detected >500ng/ml Strong *: Non agglutination specific agglutination 濃度 ceaeに 対 す る感 受 性 の 変 化 は薬 剤 投 与 前 後 で 認 め られ 濃 度 の 結 果 をTable 5に 示 し た 。 与 群 で 目 の そ れ ぞ れ の 糞 便 中 に 平 均3.13お 与 終 了 後1日 目 に3.01お 検 出 さ れ た が,投 与 終 了 後7日 よ よ び6.10 目 に は検 出 限 界 以 下 とな っ た。 な か っ た 。Staphylococcusの 投 与 終 了 後1日 分 離 株 数 は 少 な い もの の, 目 で 耐 性 度 の 上 昇 傾 向 が 認 め られ た が, 以 降,感 受性 の菌 が 少 数 分離 され るか,全 く分 離 され な く な り,耐 性 菌 は 消 失 した 。Streptococcusに 対 して は薬剤 投 与 終 了 後1日 目で 耐 性 が上 昇 す る もの の,投 与 終 了後 7日 目 に は元 に戻 っ て い た。B.fragilisで 薬 剤 投 与 前 後 に 分 離 さ れ た 菌 株 のNM394お CPFXに difficile related antigen in fecal agglutination ++: よ び1,000mg/dog/day投 μg/mgが n=4) agglutination ±: 100mg/dog/dayお び9.72μg/mg,投 c Not Effect of NM441 on Clostridium 糞 便 中 のNM394の 薬 剤 投 与 後7日 1996 feces) , 5. MAR. 日本 化 学 療 法 学 会 雑 誌 176 よび 対 す る感 受 性 の 変 化 投 与 前 後 に 分 離 さ れ たEnterobactertaceae,Staphylococcues,Streptococcusお 分 布 を そ れ ぞ れTable よ びB.fragiltsの 6∼9に 薬剤感受性 示 し た 。Enterobacteria- は薬 剤 投 与終 了 後1日 目 で耐 性 上 昇 が 認 め られ た が,投 与 終 了後7日 目,14日 目,28日 目 と徐 々 に投 与 前 の状 態 に 回復 す る傾 向 に あ った 。また,Enterobacteriaceaeに 結 果,Table つ い て 同定 した 10に 示 す よ うに期 間 中 分 離 され た もの のほ とん どがE.coliで あった。 VOL. NM441の 44 S-1 Table Table Table 6. MIC 7. distribution MIC distribution イヌ腸 内細菌 叢 に及 ぼす影 響 5. Fecal concentration of NM394 of NM394 of NM394 and ciprofloxacin and 177 ciprofloxacin against against Enterobacteriaceae Staphylococcus 178 MAR. 日本 化 学 療 法 学 会 雑 誌 Table Table Table 8. 9. 10. MIC distribution MIC distribution List of NM394 and ciprofloxacin of NM394 and ciprofloxacin of Enterobacteriaceae isolated before and against against after Streptococcus Bacteroides fragilis NM441 administration 1996 VOL. 44 NM441の S-1 III. 考 イ ヌ腸 内細菌 叢 に及 ぼす 影響 察 179 検 出 限 界(2×102 抗菌 薬 の 投 与 は ヒ トお よび 動 物 の腸 内 細 菌 叢 に変 化 を ず,抗 もた らす こ とが 知 られ て い る。 そ の腸 内 細 菌 叢 の 変 動 の 程度 は,薬 剤 の 抗 菌 ス ペ ク トラム と抗 菌 力,そ CFU/g)で あ つ た た め 菌 が 分 離 され 原 の み が 検 出 さ れ た と考 え ら れ た 。 投 与 前 後 に 分 離 さ れ た 菌 の 感 受 性 の 変 化 は Enterobactertaceaeで の 体 内動 は ほ と ん ど な く,Streptococcusで は投与 態,薬 剤 の 腸 内 で の安 定 性 な ど に よ り異 な る と され て い 終 了 直 後 に は 耐 性 が 上 が る も の の 投 与 終 了 後7日 る5)。 に 回 復 し た 。B.fragilisで 新 規 キ ノ ロ ン系 合 成 抗 菌 薬NM441は は 前2菌 に 時 間 が か か る よ う で あ っ た 。NM441を 経 口投 与 した 投 与 し た ビー 時,腸 管 か ら吸 収 さ れ 速 や か に 抗 菌 活 性 本 体 で あ る グ ル 犬 の 糞 便 内 細 菌 叢 の 変 化 は14日 NM394に 与 前 の 細 菌 叢 に 回 復 す る も の と考 え ら れ た 。 変 換 され る こ とが 明 らか に され て い る1)。活 性 本体NM394は 好 気 性 グ ラム 陽 性 菌,陰 性 菌,嫌 気 性 菌 に 以 上,NM441を 対 して 広 い抗 菌 ス ペ ク トラム を有 して い る1)。 NM441の 経 口 投 与 す る こ と に よ っ て,糞 便 内 細 文 消 失 が認 期 間 内投 与 した時, Enterobactehaceae, 同じ 献 1) 名 出 頼 男, 副 島 林 造: 第42回 2) 支 部 総 会, 新 薬 シ ン ポ ジ ウ ム 。 NM441, 名 古 屋, 1994 渡 辺 邦 友, 加 藤 直 樹, 武 藤 吉 徳, 坂 東 香 お 里, 沢 赫 代, め られ た が,Streptococcus, Lactobacillus, Bacteroidaceae に はほ とん ど変 動 が 認 め られ な か っ た 。1,000mgを 上 野 一 恵: Fleroxacinの Streptococcusは 影 響 。 Chemotherapy ヒ ト糞 便 内 細 菌 叢 に 及 ぼ す 3) 光 岡知 足: 腸 内 菌 の 世 界, Bacteroiduceaeの 変 化 は軽 度 で あ った 。また,両 投 与 群 と 4) 松 田真 人, 奥 山 義 男, 森 野 記以外 5) Nord CE: Flora. よ る下 痢 症, Effect In (Finegold, Press 投 与 した 6) George Inc. 渡 辺 邦 友, 青 木 関連 抗 原 が わ ず か に検 出 され た 。糞 便 中 のC.difficileが Chemotherapy Tetsuro new quinolone, 昭, 尾 崎 正 邦: NM441の (S-1): 147∼154, Antimicrobials on Infections W L ed.), in p.55•`80, Human Humans Academic 1989 BAY o effect of NM441,a of Anaerobic 糞便 中か らC.dzilfficileは分 離 され なか っ た が,C. difiicile The 1990 1980 1996 の菌群 の変 化 も顕 著 で は なか っ た 。 この よ う な現 象 は他 偽膜 性 大 腸 炎 は重 要 な問 題 で あ る。NM441を 328∼ 337, 叢 文 社, 体 液 内 濃 度 測 定 法 。 日化 療 会 誌44 の キ ノ ロ ン薬 で も認 め られ て い る2,6)。 抗 菌 薬 投 与 に よ っ て起 こ るC.difficileに 日本 化 学 療 法 学 会 西 日本 38 (S-2): 糞 便 中 か ら消 失 な い し顕 著 な菌 数 減 少 が 認 め られ た が, もに糞 便 内総 菌 数 の 変 化 は ほ とん どみ られ ず,前 用 時 に は この こ と を 念 頭 に お くべ き で あ る と考 え ら れ た 。 響 を ビー グ ル 犬 を 用 い て 検 討 し た 。 本 薬 剤 の100mgを 14日 間 投 与 した 全 例 でEnterobacteriaceaeの 間 の休 薬 で 薬 剤 投 菌 叢 の 変 動 が 多 少 認 め ら れ る た め,使 経 口 投 与 が 与 え る動 物 の腸 内細 菌 叢 へ の 影 目で 元 種 よ り も回 復 す るの 9867の 誠, 小 林 と よ子, 沢 赫 代, 上 野 一 恵: 健康 成人 の腸 内細 菌叢 に及 ぼ す影響 。 33 (S-7): 88∼99, on the intestinal microflora Hara1), Aiko Miyata1), Minako Araake1), Katsumi Kawaharajo1) 1)Pharmaceutical Research Center, Meiji Seika Kaisha, Ltd. 1985 of beagle dogs and Koichi Wada2) 760 Morooka-cho, Kohoku-ku, Yokohama 222,Japan 2)IntestinalFlora Laboratory, The CalpisFood IndustryCo., Ltd. Fecal microflora was inspected before, during and after oraladministration of NM441, the prodrug of the new quinolone NM394, to two groups of beagle dogs (100mg/dog/day and 1,000mg/dog/day , as NM394) at single dose per day for 14 consecutive days. We investigated the detecti0n of Clostridium diffile related antigen, the antibacterialactivityof NM394 and the concentration of NM394 in the feces. 1) The feces of two groups each were normal during the experiment, and no changes such as diarrhea were observed. 2) The total aerobes and anaerobes counts during the experiment were not significantlychanged . The count of Enterobacteriaceaeremained under the detection limit,those at 7 days after administration were similar to those before administration. 3) The C. difficile related antigen was detected in 4 animals at 7 and 14 days after administration of the drug, but not detected 28 days post-administration. 4) The antibacterial activityof NM394 in the feces was low in all groups . 5) The resistant strains observed were Staphylococcus,Streptococcusand Bacteroides fragilis .