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臨床上の疑問を4つの要素に整理する(PICO(ピコ)として整理する) ① P

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臨床上の疑問を4つの要素に整理する(PICO(ピコ)として整理する) ① P
治療に関する論文の読み方
Last update 2010/8 光石
臨床上の疑問を4つの要素に整理する(PICO(ピコ)として整理する) ① P:pa)ent/problem 自分の関心のある患者群の臨床的特徴を挙げる。検索条件が細かすぎると重要な論文
を見落とすことがある。 ② I:interven)on 自分がしようとしている介入方法はなにか?治療であれば薬物療法やカウンセリングなど。 ③ C:comparison interven)on 介入方法と比較するために選択可能な別の介入方法は?何もしないこともあれば標準治
療であることもある。 ④ O:outcome その介入方法で何が期待できるのか?自分の患者/問題に関係するアウトカムと様々な
研究で測定されているアウトカムとははっきりと区別されなければならない。 実際の論文を読むときに・・・
1)明確に定義されたリサーチ・クエスチョンはあるか? どのような疑問に答えるためにデザインされた研究なのか? 2)患者は治療に対してランダムに割り付けられているか?患者背景で均質な集団か確認。 ランダム化する大きな理由 ①等質な2つ(もしくはそれ以上)の被験者の集団を作る。バイアスをできる限り減らす。 ②ランダム化の隠蔽。臨床医にランダム化の割り付け表をみせない。 3)すべての患者の転帰が結論に反映されているか? 3−1)脱落率 適切に追跡されている患者が80%未満だと結果が妥当ではない可能性がある。米国内科学
会ではACP journal clubなどへの論文収載基準を追跡率80%以上にしている。 3−2)試験期間 吟味している試験の試験期間が十分に長いかどうか? 3−3)Inten)on to treat (ITT) 様々な理由で試験経過中に患者の治療群を変更することがある。患者を最初の割り付けに
そって解析しないと、ランダム化によって調整した交絡因子の分布が変化してしまう。 4)試験参加者は盲検化されていたか? 理想的には、患者や臨床医は治療を受けているのかどうか知らない方が良い。評価者が治
療を認識すると、アウトカムの評価を無意識のうちに歪めてしまう。理想的な臨床試験では、
患者/治療担当者/評価者/解析者が一様に盲検化される。介入の種類によっては盲検
化の困難な場合もある。 二重盲検:被験者がどの群に属しているか、観察者と被験者の両方からわからない。 三重盲検:被験者がどの群に属しているかわからないまま統計解析を行う。 5)両群とも介入以外は終始等しく治療されていたか? 一方のグループだけになされている共介入がないか確認する必要がある。 6)ランダム化は試験開始時に行われたか? その結果は重要? 1)バイアス:ランダム化で対応 2)偶然:「大数の法則」で対応。多すぎると僅かな差に有意差を検出。 3)真実 さらに結果は自分の患者の診療に役立つか? 1)結果を自分の患者の診療に適応できるか? 2)臨床的に意味のあるすべてのアウトカムが検討されているか? 3)治療によって得られるものは起こりうる副作用やコストに見合うか?
p値 治療群の効果が対照群の効果を上回る結果が出たが、真実は治療群の効果が対照群の効果
を上回っていない可能性がどの程度あるのか。 例)p<0.01:その結果が偶然の所産である確率が、試験を100回施行しても1回未満であることを
意味している。 相対リスク減少率(RRR)と絶対リスク減少率(ARR)
治療群
対照群
イベント(+)
a
b
治療群イベント発生率(EER)=a/(a+c)
イベント(-­‐)
c
d
対照群イベント発生率(CER)=b/(b+d)
相対リスク減少率(RRR:rela)ve risk reduc)on) 絶対リスク減少率(ARR:absolute risk reduc)on) = (CER-­‐EER)/CER = CER-­‐EER
絶対リスク減少率の方が臨床に関連性が高い尺度。 治療必要数(NNT:number needed to treat) =1/ARR NNTは1人の悪いアウトカムを避けるために治療が必要な患者数
例)
EER
CER
RRR
臨床試験1
0.32(32%)
0.36(36%)
0.04/0.36(11.1%)
臨床試験2
0.032(3.2%)
0.036(3.6%)
ARR
4%
0.004/0.036(11.1%) 0.4%
まとめ 治療が患者に有効か判断するために・・・ 1)臨床上の疑問を組み立てる 2)治療の効果に関するエビデンスを探す 3)治療に関する臨床試験の実施に用いられた方法を評価 4)治療のNNTを計算 5)そのNNTが自分の患者に適応できるか判断 6)治療方針を決定する際に患者の価値観や選好を組み入れる
NNT
1/0.04=25
1/0.004=250
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