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卒業論文 自動雪下ろし機のフレーム設計・製作

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卒業論文 自動雪下ろし機のフレーム設計・製作
卒業論文
自動雪下ろし機のフレーム設計・製作
高知工科大学
知能機械システム工学科
環境機械・材料強度研究室
1060161
濱口
晃輔
目次
第1章
序章
1.1
緒言
1.2
雪による人的被害及び住家被害
1.3
主な都市の最深積雪と出現日
1.4
研究目的
第2章
雪について
2.1
降水について
2.2
積雪の深さについて
2.3
降雪の深さについて
2.4
雪の重さについて
第3章
設計の流れ
3.1
自動雪下ろし機の基本性能
3.2
フレームのサイズ決定
3.3
自動雪降ろし機の概要
3.4
モータの決定
3.5
ベルトの決定
第4章
フレームの設計
4.1
メインフレーム形状
4.2
設計の実施
第5章
フレームの応力解析
5.1
解析の目的
5.2
解析の評価
5.3
解析条件
5.4
部材 A の解析
5.5
部材 A の解析結果
5.6
部材 B の解析
5.7
部材 B の解析結果
第6章
6.1
フレーム製作
フレームの製作
6.1.1
アーク溶接について
1
6.1.2
6.2
第7章
ろう接について
製作
実験
7.1
実験内容
7.2
実験結果
第8章
終章
8.1
結言
8.2
今後の課題
謝辞
参考文献
2
第1章
1.1
序章
緒言
ある日、雪国に住む人々の雪下ろしの現状と苦悩を描いたテレビ番組をみていた。
南国高知に住んでいる私にとっては、想像を絶する光景であった。通常、玄関というものは
一階にある物なのだが、ある家は、二階に玄関があり、私は違和感を感じた。しかし、雪の
降る季節になった光景を見たとき。違和感が驚きにかわった。一階部分が全て雪で覆われ、
二階の玄関がある高さと雪によって高くなった地面が同じだった。
またある場面では、一人暮らしのお年寄りにスポットを当てて、冬の一日の様子を紹介し
ていた。歩くしか移動手段がない一人暮らしのお年寄りが一人で買い物に行き、大きなビニ
ール袋を必死に運んでいた。スーパーも近くなく、移動だけでも大変な状況で、さらに道路
は雪で凍っている。いくら雪国に住み、滑らず歩く方法を知っていたとしても、とても危な
い光景だと私は感じた。
さらに雪を排除する光景をみた。
ボランティアで結成されている青年団がお年寄りの家に
行き、一階部分に積もった雪や屋根に積もった雪を除雪していた。しかし、過疎化や高齢化
が進んだ地域ではボランティアの数も少なく、全ての家を回ることができなかった。
屋根に積もった雪を降ろすといった作業は毎日はしなくてもいいが、
大量に積もった雪の重
みで屋根が倒壊してしまう恐れがあり、雪下ろしが必要である。その作業は当たり前のよう
であり、とても過酷なものである。スコップを握り、手のひらは豆だらけ。それは雪国に住
む人々の宿命なのかもしれない。(雪下ろし風景を図 1-1 に示す)
図 1-1
雪下ろし風景
3
1.2
雪による人的被害及び住家被害
毎年雪による多くの人的被害及び住家被害が報告されている(表 1 に示す)。
都道府県
死者
北海道
5
45
青森
9
52
岩手
1
宮城
行方不明
負傷者
半壊
一部損壊
6
1
秋田
2
52
山形
9
198
福島
3
38
茨城
2
群馬
9
埼玉
12
千葉
全壊
1
1
2
1
10
1
12
1
東京
1
神奈川
新潟
4
10
富山
108
1
9
9
石川
2
13
福井
5
47
山梨
2
5
長野
5
44
岐阜
1
34
1
1
1
21
3
16
徳島
愛媛
11
3
滋賀
京都
14
13
1
1
5
表 1 ※上記は、平成12年12月13日~平成13年2月28日までの間の被害状況
4
1.3 主な都市の最深積雪と出現日
札幌市
87センチ
2月25日 (平年値 101センチ)
青森市
154センチ
2月17日 (平年値 114センチ)
秋田市
44センチ
2月16日 (平年値
41センチ)
山形市
63センチ
2月11日 (平年値
50センチ)
新潟市
55センチ
2月15日 (平年値
39センチ)
上越市
141センチ
富山市
55センチ
1月17日 (平年値
69センチ)
金沢市
88センチ
1月16日 (平年値
53センチ)
福井市
93センチ
1月17日 (平年値
61センチ)
1月17日 (平年値 139センチ)
※平年値は1971~2000年の寒候期の最深積雪の平均値。
1.4
研究目的
現在では熱放電を行い屋根に積もった雪を溶かすという方法を取っているが、この方法
では、温暖化という面で環境的に配慮しているとはいえない。そこで、環境に配慮した新た
な雪対策機械が必要であると感じた。今回は屋根に積もった雪を自動で下に落とす機械をつ
くることを目的とし、雪下ろしをする人々の苦悩や危険を少しでも軽減したいと考えている。
また、雪が乗る機械であるため、軽量かつ十分な強度を持った機械を作ることを目的とする。
5
第2章
2.1
雪について
降水
空気中の雨(液体)、雪・あられ・ひょう(固体)、みぞれ(液体と固体が混合)などが
地表へ落下する現象を降水と言い、地上の気温が 0~4℃以下では雪、ほぼ 4℃以上では雨
になる。雪などの固形の降水が自然に積もって半分以上を雪やあられで覆われた状態を積雪
と言う。わが国の日本海沿岸、その中でも北陸地方は世界的に見ても有数の多雪地帯である。
シベリア大陸の高気圧から吹き出す冷たく乾燥した季節風は、日本海を越える間に水蒸気が
供給されて雪雲を作る。雪雲は日本海沿岸に達し、中央日本の山脈に沿って強制的に上昇す
るため、日本海側で大雪が降る。 (豪雪地帯の地域指定図を図 2.1 に示す)
図 2.1 豪雪地帯の地域指定図
2.2
積雪の深さ
ある時間に自然に地面に堆積している垂直方向の雪の深さを「積雪の深さ」と言う。積雪
の深さは、観測所付近の積雪の深さを代表するように建物から十分離れた観測用の敷地に、
白い木柱の雪尺(ゆきじゃく)を立てて測る(図 2.2)。標準の雪尺は 7.5cm 角で長さは目盛
り部分が 3m(地中に 1m)。観測は、周囲の平らな雪の面に相当する目盛りを cm の 1 の位
まで読み取る。雪があっても、地面に半分以上を覆っていない場合や深さが 1cm に達しな
い場合は積雪の深さは「0」とする。最近までは 9 時・15 時・21 時に積雪の深さを直接観
6
測者が目視して測っていた。雪があまり積もらない場所では、定規を地面に垂直に立てたり、
積雪の断面にあてて測ることもできる。
近年では、超音波式積雪計を設置して積雪の深さを観測している(図 2.3)。地面にポー
ルを立てて、ポールの先端に横に伸ばしたアームに送受波器を下向きに取り付ける。送受波
器から雪面に超音波パルスを発射し、雪面から反射して戻ってくる時間から積雪の深さを自
動的に離れた場所から観測できる。
超音波が空気中を伝わる速度は気温によって変化するの
で、気温を測定して補正することにより高い精度が得られる。気象庁では超音波式積雪計を
用いて 1 日 24 回(1 時間毎)に積雪の深さを記録している。
図 2.2 雪尺
図 2.3 超音波積雪計
7
2.3
降雪の深さ
ある時間内に、地面に降り積もった雪の深さを「降雪の深さ」と言い、
「雪板(ゆきいた)」
を使って観測する。「雪板」は、図 2.4 のように一辺の長さが 50cm の木製の白色を塗った
板の上に目盛りが付いた白柱を立てたもので、
これを観測所の雪の上または地面に設置する。
降雪の深さを測る時は、
観測時刻に板の上に積もっている雪の深さを木柱の目盛りから読み
取る。観測した後、板の上の雪を払い除けて、雪面と板面を同一の面にしておく。降雪の深
さの合計は cm 単位で 1 位まで示す。これを 1 日 3 回(9 時・15 時・21 時)繰り返して観
測し、その 3 回の合計を 1 日の降雪の深さとしている。1 日の降雪の深さは、正確には前日
21 時から当日 21 時までの 24 時間の降雪の深さである。ただし,2 回(9,15 時)観測地
点については 2 回(15 時と翌日 9 時)の観測値の合計値(日界 9 時)とする。雪板の周り
に雪が積もっていても、雪板の上に雪がない場合は降雪の深さを「0」、降雪がまったくな
い場合は「-」と記録する。
図 2.4 雪板
2.4
雪の重さ
雪の重さは、通常は密度(g/m3:1 立方センチメートル当たりの重さ)で表す。雪の密
度は、降ったばかりの新しい雪でも「かわき新雪(密度の小さな軽い雪)」で 0.02~0.07g/cm3
であるが、
「ぬれ新雪(密度の大きな重たい雪)
」になると 0.1g/cm3 程度である。一般的に
新積雪の密度は、本州では約 0.1g/cm3 だが、北海道や本州の山岳地帯では約 0.05g/cm3 で
ある。積雪の密度は、外気温 3℃以下の日の「新雪」では 0.08g/cm3 程度である、3℃の日
の「粗目雪」では 0.5g/cm3 前後(積雪の高さ 2m では1トン/m2 にもなる)に達するもの
もある。このため、多くの雪が積もった屋根には過重がかかるので、雪下ろしが必要となる。
8
雪を深さ(cm:積雪量、降雪量)で測る以外に、雪を解かして水とし、降水量(mm)
として測る場合がある。降雪により積雪が 50cm になった場合、これを解かして降水量に換
算すると雪の密度が 0.1 g/cm3 では 50mm、0.05 g/cm3 では 25mm になる。アメダスで観
測された降水量から降雪量を推定するには、北海道などの粉雪では降水量を 2 倍に、本州
の平野部の湿った雪では降水量をそのまま cm で表す。
9
第3章
3.1
設計の流れ
自動雪下ろし機の基本性能
自動雪下ろし機を設計するにあたって基本性能を考えた。雪の降る地域では屋根に上がっ
て雪を降ろすという光景が多く見られる。安心して雪下ろしかできる自動雪下ろし機である
には次のような使用が挙げられる。
1.
安定性
自動雪下ろし機で最も大切なことは、雪の重みに耐えられる機械でないといけな
いということである。そこで今回、材料を指定し設計した後に、安全に使用できる
か解析を行うことにした。
2.
寒冷地での実験の必要性
雪の降る地域で問題なく雪を落とすためにはその地域の気温に耐えられなければ
ならない。使用するグリスの決定や、モータ、ベルトの最適指定を目指す。
3.2
フレームのサイズ決定
屋根に設置する自動雪下ろし機を開発するにあたって、気温に耐えられスムーズに動く装
置でないといけない。そこで、寒冷地での実験の必要性を感じた。そこでフレームのサイズ
を全長 1500mm、全幅 700mm とし、
軽バンの荷台に積載できるよう考慮し決定した(図 3-1)。
また、簡易的に屋根を作り実験を行う必要があるため屋根を作る木材などを置くスペースに
も配慮した。
図 3.1 積載例
10
3.3
自動雪降ろし機の概要
赤色で示している部分はベルトである。黄色で示している部分はモータである。モータ
とベルトはチェーンにより連動している。まずベルトの部分に雪が積もる。電源を ON に
するとモータが回りベルトが動くので雪が下に落ちるといった仕組みになっている。
図 3.2 自動雪降ろし機の概要
3.3
モータの決定
モータは永興電気工業株式会社の直流電動機の R856003 を使用する。ロータリー部はチ
ェーンによるサイドドライブで駆動させる。仕様を表 2 に示す。特徴は
・一般のマグネットモータなので多くのバリエーションが可能である。
・高起動特性により、応答性に優れている。
図 3.2`永興電気工業株式会社の直流電動機
型式
電圧
出力
電流
回転数
製番
重量
R8560003
24V
400w
22A
2000rpm
320004
4.2kg
表 2 R856003 の仕様
11
3.4 ベルトの決定
ベルトには耐寒コンベアベルトを使用する。耐寒コンベアベルトとは、寒冷地や冷凍
倉庫など、耐寒性を要求される場所に最適なベルトである。使用雰囲気温度の範囲は
-120~200℃である。耐寒性に優れたゴムの種類を表 3 に示す。
一般名
ASTM 略号
最高使用温度
最低使用温度
天然ゴム
NR
70
-50~-70
スチレンブタジエンゴム
SBR
100
-30~-60
エチレンプロピレンゴム
EPDM
120
-40~-60
シリコーンゴム
SI
200
-70~-120
表 3 耐寒性に優れたゴムの種類
これらのパーツを使用することを前提とし、自動雪下ろし機のフレーム製作を行った。
12
第4章
フレームの設計
4.1 メインフレーム形状
今回のメインフレーム形状は屋根に設置をするため見た目にも気を配り、安定した雪下ろ
しができるように工夫を行った。材料の形状を一定にし、シンプルに見せることにより景観
を損なわない配慮をした。
次に使用するパイプについて説明をする。今回の自動雪下ろし機は、雪の重みを最初に受
ける部分には(材料 A とする)SUS304 の中空丸パイプ直径 30.0mm・肉厚 2.3mm を使用し
た。また材料 A の重みを支える部分には(材料 B とする )SUS304 の中空丸パイプ直径
18.2mm・肉厚 1.6mm を使用した。SUS304 を採用した理由は耐久性などの面で優れてお
り、メンテナンスが容易であるということ、しかも 100%リサイクル可能という特徴がある
ためである。丸パイプを採用した理由は、ベルトコンベアの原理で雪を落とすので形状を複
雑にしてはならないためである。
4.2 設計の実施
今回は Pro/Engineer を使用して自動雪下ろし機のフレーム設計を行った。3.1 で決定し
たサイズに仕上がるようにフレームサイズを決定した。その後モーターの取り付け位置を他
の部品との干渉が起きないように設計した。設計したフレームの 3D 図を 4.1 に示す。
図 4.1 自動雪下ろし機のフレーム 3D 図
13
第5章
フレームの応力解析
5.1 解析の目的
製品を作るときに一番大切なことは、その製品が安全に使用できるかどうかである。無理
な軽量化やコスト削減のための品質低下は重大な事故につながる。それを避けるために設計
の段階でフレームの問題点を発見し改良を行うのが目的である。解析ソフトには
Pro/mechanica を用いて行うことにした。
5.2 解析の評価
今回使用する解析ソフトの解析結果を評価するため、図5.1の片もちはりの応力の値を手
計算と解析で求めて比較することにした。
図 5.1 モデル図
手計算による応力の値は約
である。
Pro/mechanicaによる解析結果は図5.2に示すように約
という値がでた。
この結果から手計算と解析では同じくらいの値がでたので、解析の結果は信頼性がある
14
図 5.2 モデルの解析結果
5.3 解析条件
解析は実際の状況を意識し、雪の重みを考慮して行った。今回は粗目雪(積雪の高さ 2m
では 1 トン/m2 にもなる)を想定し、雪が全体にかかる加重を 10000[N]とした。解析は二
つの材料(部材 A, 部材 B)に対して行った。
5.4 部材 A の解析
支えは 9 本あるので、1 本あたりの加重を実際の数値よりもやや多く設定し、1120[N]と
設定した。また部材 A の両側 2 面を拘束した。
図 5.2 部材 A
5.5 部材 A の解析結果
解析結果は図 5.3 の通りである。最も応力がかかっている所で 120MPa である。SUS304
15
の引張強度が 520Mpa、降伏点が 234Mpa、応力集中を 1.5、加速度を±0.3g とすると、部
材 A の引張強度に対する安全率は約 4.3 である。また降伏点に対する安全率は 1.2 であり、
疲労に対する安全率は 4.3 である。ここで繰り返し応力は静的な応力に±0.3g の加速度が
加わったと仮定した安全率の最小値は降伏点に対するもので 1.2 である。すなわちこの部材
A は十分安全であるということになる。
図 5.3 材料 A の解析結果
5.6 部材 B の解析
部材 B は部材 A を支える目的にある。部材 A 1 本に対し部材 B は 2 本存在するので、1
本あたりの加重を実際の数値よりもやや多く設定し、560 [N]と設定した。また部材 B の
片側 1 面を拘束した。
図 5.4 部材 B
16
5.7 部材 B の解析結果
解析結果は図 5.5 の通りである。最も応力がかかっている所で 71MPa である。SUS304
の引張強度が 520Mpa、降伏点が 234Mpa、応力集中を 1.5、加速度を±0.3g とすると、部
材 B の引張強度に対する安全率は約 4.8 である。また降伏点に対する安全率は 1.9 であり、
疲労に対する安全率は 7.3 である。ここで繰り返し応力は静的な応力に±0.3g の加速度が
加わったと仮定した安全率の最小値は降伏点に対するもので 1.9 である。すなわちこの部材
B は十分安全であるということになる。
図 5.5 部材 B の解析結果
17
第6章
フレーム製作
6.1 フレームの製作
フレームの製作は鉄工所などに外注せずに自ら製作することにした。
製作にあたって使用
するパイプの厚みが 2.3mm、1.6mm と薄いためアーク溶接で接合を行うと溶接温度が高す
ぎてパイプに穴が開いてしまう可能性がある。半自動溶接機であれば厚み 1.6mm でも溶接
が可能であるが、半自動溶接機がないため、今回は 1.6mm の部材はろう接(ろうづけ)、厚
み 2.3mm の部材にはアーク溶接で接合することにした。
6.1.1 アーク溶接について
アーク溶接は母材と金属電極との間にアークを発生させ、これにより金属を溶融して接合
する方法である。電流は交流でもよいが、直流の方がアークは安定する。
一般に被覆溶接棒が使われ、母材との間にアークを発生させるとアークの熱によって母材
と溶接棒の一端が溶融し、蒸気および溶滴となってアークの中を通って母材の溶融池に移行
する。一方、溶接棒の被覆剤はアークで分解し、これによって生じたガスがアークと溶融金
属を包むため空気による酸化や窒化を防ぎ、スラグが溶融金属を覆うので優れた溶接部がで
きる。
図 6.1 アーク溶接例
6.1.2
ろう接(ろうづけ)
ろう接法は、ろう材と呼ばれる低融点金属を用いて、母材との接合面をほとんど溶融せず
に接合する方法であり、最も一般的なものがはんだである。この方法には、ろう材の融点が
450℃以上の硬ろう付けと450℃以下の軟ろう付けとがあり、ろう接熱源の種類やろう
接手順によりさらに細かく分類される。ろう接法の特徴は以下のようなものである。
1、高精度で接合することができる。
2、異種材料を接合することができる。
3、接合温度を自由に選ぶことが可能。
4、大量生産が可能。
5、接合面は母材の強度より低い。
18
6.2
製作
フレームについては総重量 10.5kg であった。これは 1tの雪を支えるものとしては十分
であるといえる。
完成したフレームは図 6.2 である。また、ベルト、モータが干渉していないか調べるために
取り付けたものを図 6.3 に示す。
図 6.2
図 6.3
完成したフレーム
完成自動雪下ろし機
19
第7章 実験
7.1 実験内容
1) 雪を乗せた状態で 5 時間放置を行った後に雪が落ちるか動作テストを行う。
2) 今回は 30kgの雪を乗せた。
図 7.1
自動雪下ろし機設置
7.2 実験結果
今回外気温度は-4 度であった。5 時間放置した場合、雪は下に落ちたので実験成功といえ
る。さらに実験を行っていきデータを重ねていく必要があると感じた。また、今回の実験で
フレームは凍りつかなかったが、フレームが凍りついた場合も実験しなければならない。
図 7.2
実験画像
20
第8章
8.1
終章
結言
今回自分自身で最初から自動雪下ろし機のフレーム設計、解析、製作を行った。設計の段
階では色々な観点から見ることにより、製作した後の実験の重要性というものが明らかにな
った。解析については部材 A、部材 B ともに安全率の最小値は 1 以上であるということが得
られたので雪に耐えられるフレームが完成したといえる。
製作時にはパーツの加工の仕方を
先輩から教えていただき良い勉強になるとともにこれから自分に役立つものとなった。
フレームについては総重量 10.5kg であった。これは 1tの雪を支えるものとしては十分
であるといえる。
実験では 5 時間放置した場合の結果が得られた。さらに多くの実験を重ねていき問題点を
導き出す。また、フレームが凍りついた場合も実験していく。
8.2
今後の課題
今後は雪の降る地域での動作実験をさらに行っていく。また、圧力センサを用い、人がい
なくても自動で雪を降ろせるように制御していく必要がある。さらに、赤外線センサを用い
人が雪が落ちてくる場所にいるときには作動しないといった制御が必要である。
謝辞
本研究を行うにあたって終始ご指導ご鞭撻くださった、
高知工科大学知能機械システム工
学科坂本東男教授に深く感謝致します。
また、製作の段階でご指摘いただいた同研究室の皆様、他多数の方々に深く御礼申し上げ
ます。
参考文献
〔1〕
Pro/ENGINEER の基礎から応用へⅡ
〔2〕象ガイドブック
気象庁
〔3〕気象観測の手引き
〔4〕地上気象器械
〔5〕金属材料の辞典
山海堂
気象業務支援センター
気象庁
佐貫
太田幹朗
亦男
田中良平
気象業務支援センター
共立出版
一ノ瀬幸雄
木村啓造
根岸朗
渡辺治
編集
〔6〕大雪による被害について
http://www.bousai.go.jp/kinkyu/ooyuki/ooyuki1.html 内閣府
21
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