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世界気象機関(WMO) 地上観測設置環境分類の導入

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世界気象機関(WMO) 地上観測設置環境分類の導入
世界気象機関(WMO)
地上観測設置環境分類の導入
山本 哲
気象研究所
Meteorological Research Institute / Japan Meteorological Agency
2013/5 /15 日本気象学会春季大会
専門分科会「気候研究のための気象観測データベースの発展」
D158 山本「世界気象機関(WMO)地上観測設置環境分類の導入」
気象研究所
概要(1)
• 地上気象観測における測器の設置環境を簡潔に表現する方法として、
世界気象機関(WMO)は地上観測設置環境分類を導入。
• これまでもWMOは測器設置環境の基準を示していたが、定性的な内
容も多く、各国ではそれぞれの実情に合わせて運用。
• さらに種々の問題から基準を完全に満たす観測点は多くない実情。
• この設置環境分類が国際的に統一された初めての定量的基準。WMO
と国際標準化機構(ISO)の共通標準としてISO規格作成も企図。
大阪管区気象台
(気象庁, 2012)
Meteorological Research Institute / Japan Meteorological Agency
中国・広西チワン族自治区玉林市博白県气象局
2013/5 /15 日本気象学会春季大会
専門分科会「気候研究のための気象観測データベースの発展」
D158 山本「世界気象機関(WMO)地上観測設置環境分類の導入」
(中国数字科技馆, 2008)
気象研究所
概要(2)
• 観測所管理運営者に対して、観測の品質に関する情報を把握・整理、
設置環境を考慮した観測所の設置・維持管理を促す。
• 観測データの国際標準化を進め、利用者に目的に応じ世界の多様な
運営主体による観測データの利用促進を期待。
• 設置環境分類毎の観測値代表性や観測値の不確かさに及ぼす影響に
ついては今後の課題。
米国・ASOS on NWS Headquarters roof in Silver Spring, MD
( NWS ASOS Program, 2009)
Meteorological Research Institute / Japan Meteorological Agency
英国・Islay Port Ellen weather station
(Met Office, 2011)
2013/5 /15 日本気象学会春季大会
専門分科会「気候研究のための気象観測データベースの発展」
D158 山本「世界気象機関(WMO)地上観測設置環境分類の導入」
気象研究所
地上観測設置環境分類(Siting Classification for
Surface Observing Station on Land)導入経緯
• WMO測器観測法委員会(CIMO)では従来測器に関する標準化を
進めてきたが、設置環境、保守・維持に関する重要性からこれらの
標準化の機運が高まる。
• 2008年ころからCIMOの専門家チームで検討が始まる。
• 専門家チームのメンバーであったフランス気象局Michael Leroyが
1999年に作成し、運用されているもの( Leroy、1999)に関心。これ
を導入する方向で検討が進む。
• 2010年のCIMO第15回会合でLeroy(1999)
を微修正したものをWMO 測器観測法指
針(CIMOガイド)に掲載することを承認
CIMO第15回会合(ヘルシンキ)
Meteorological Research Institute / Japan Meteorological Agency
(WMO提供)
2013/5 /15 日本気象学会春季大会
専門分科会「気候研究のための気象観測データベースの発展」
D158 山本「世界気象機関(WMO)地上観測設置環境分類の導入」
気象研究所
地上観測設置環境分類の内容
地上気象観測の観測要素
気温・湿度
降水量
風向・風速
全天・散乱日射
直達日射・日照時間
フランス RADOME Gluiras観測点
(Mairie de Gluiras, 2010)
毎に小スケールでの代表性(周囲環境の影響)
を5段階に分類(第1階級:理想的な設置環境
∼第5階級:気象観測に適さない)
Meteorological Research Institute / Japan Meteorological Agency
2013/5 /15 日本気象学会春季大会
専門分科会「気候研究のための気象観測データベースの発展」
D158 山本「世界気象機関(WMO)地上観測設置環境分類の導入」
気象研究所
「気温・湿度」の設置環境分類
階級
付加される不
確かさ
1
2
1℃以上
地形
傾斜19度未満の水平で周囲が
開けた土地
地表面植生
その地を代表する10cm未満の
自然植生
測器周囲の熱
源等*の面積
割合
3
半径100mの円
内:10%以下
30-10mの円環
内:5%以下
半径10mの円
内:1%以下
半径30mの円
内:10%以下
5-10mの円環
内:5%以下
半径5mの円
内:1%以下
4
2℃以上
5
5℃以上
その地を代表
する25cm未満
の自然植生
半径10mの円
内:10%以下
半径5mの円
内:5%以下
半径10mの円
内:50%以下
半径3mの円
内:50%以下
階級4を満足
しない
日陰とならな
5度以上
7度以上
7度以上
20度以上
い太陽高度角
*熱源等:人工熱源、反射面となる水面や人工被覆面(建物、コンクリート舗装面、駐車場な
ど)
WMO (2010) を著者が翻訳し表に編集
Meteorological Research Institute / Japan Meteorological Agency
2013/5 /15 日本気象学会春季大会
専門分科会「気候研究のための気象観測データベースの発展」
D158 山本「世界気象機関(WMO)地上観測設置環境分類の導入」
気象研究所
「気温・湿度」の設置環境分類
第1階級
傾斜19度未満の
水平で周囲が開
けた土地
その地を代表する
10cm未満の自然
植生
熱源から離す
(WMO, 2010)
測器周囲の熱源、
水面等面積割合
水面から離す
Meteorological Research Institute / Japan Meteorological Agency
日陰とならない太
陽高度角
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気象研究所
「降水量」の設置環境分類
第1階級
雨量計受水口の高さと障害物(角度幅10度以上)の距離
一様な高さの障害物に囲まれている。仰
角は14∼26度(障害物の高さの2∼4倍)
傾斜19度未満の水平
で周囲が開けた土地
風除けのつ
いた雨量計
(WMO, 2010)
障害物の高さ4倍以上離す。
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専門分科会「気候研究のための気象観測データベースの発展」
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気象研究所
WMOおよび各国の設置環境基準例
気温および降水量に関する基準例
WMO
(シノプティック観測)
日本
(気象官署)
中国
(国家一般气象站)
英国
米国
(気候観測)
平らな土地で、日当た
り、風通しがよく、建、
木などの障害物から十
分に離れていること、
それらの陰にならない
こと。傾斜面やくぼ地
は避ける。(気温)
障害物は雨量計から
の高さの2倍以上離
す。(降水量)
人家の密集地帯や展
望を妨げる地物から離
れた、平らな開けた所
を選ぶ。
露場から建物までの距
離は建物の高さから
1.5mを引いた値の3倍
以上、又は露場から10
m以上。
露場中央部における地
上1.5mの高さから周
囲の建物に対する平
均仰角は18度以下。
連続した障害物:高さ
の8倍、仰角7.13度以
上、孤立した障害物:
高さの3倍、仰角18.44
度以上離す
鉄道から200m、道路
から30m以上、広い水
面から50m以上離す。
10m以内に高さ1m以上
の植物を植えない。
観測に影響のある工
場等の施設から500m
以上離す。
急な傾斜に近接しない
こと、窪地内に観測所
がないこと。
観測所は木、建物、壁
等の障害物から離す。
障害物までの(フェンス
を含む)距離は障害物
の高さ(測器の高さ上)
の2倍以上、できれば
4倍以上離す。
日当たり、風通しのよ
いこと。障害物の高さ
(測器の高さ上)の4倍
以上離す。舗装面から
100フィート以上離す。
角度幅10度以上の障
害物から200フィート以
上離す。(気温)
高さ(測器の高さ上)の
2倍を越えない一様な
地物で囲まれているこ
と(降水量)
(WMO, 2010)
(気象庁, 2002)
(中国气象局, 2009)
(Met Office, 1982)
(National Weather Service , 2012)
各国基準は類似しながらも微妙に異なる → 統一したものを提案
定性的な基準も多い → 設置環境分類では定量化
観測要素別の基準でない場合もある → 観測要素別に分類
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専門分科会「気候研究のための気象観測データベースの発展」
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気象研究所
設置環境の実情:日本の例
階級1
0%
階級2
1%
• 気象庁は全国の気象官署等を対象
に23∼24年度試行的調査を実施。
→予備的結果を示す。
• 降水量は第2∼4階級、気温は第3
階級以下が大部分。 階級5
階級1
階級3
5%
階級4
35%
階級5
59%
5%
5%
降水量
階級5
3%
気温
日陰とならない太陽高度角の
条件を除外した場合
階級1
2%
階級2
3%
階級4
17%
階級2
30%
階級4
24%
階級3
68%
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階級3
43%
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気象研究所
設置環境の実情:フランス気象局の例
(Leroy ,2010)
• Radome (Réseau d’acquisition
de données et d’observations
météorologiques étendues)ネッ
トワーク(AWS約400点)のサイ
ト選択のために設置環境分類
最初に適用
• 第1階級のサイトを選択するこ
とが目指されたが、最終的には
最大第3階級まで受け入れるこ
とに。(Tardieu and Leroy, 2003;
Leroy, 2010)
降水量
気温
階級1
2
3
4
5
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• 第4階級以上は設置後の設置
環境変化などによると思われる
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気象研究所
設置環境の実情:米国での例(Fall et al. 2011, JGR)
• U.S. Historical Climatology Network (USHCN) 観測点※をWMO設置環
境分類の元となったLeroy(1998)の分類に準拠したClimate Reference
Network Classificationにより評価(WMOの分類よりやや厳しい基準)
• Surface Stations Project(篤志団体)が全国観測点の8割以上を調査
→気温についてCRN基準
を完全に満たしている
(CRN=1)観測所は調査全
体の1.2%
気温
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※USHCNは篤志観測ネットワークであ
るCooperative Observer Program (COOP)
から地点が選ばれているが、 COOPに
は国の運営する観測点も含む。
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設置環境の実情:米国での例(Fall et al. 2011, JGR )
各階級の観測点例
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設置環境の実情:中国の例(餳,关,郭, 2012)
• 2007年中国気象局は全国観測所を対
象に設置環境を評価し、評点を付与。
• 観測要素は問わず、総合的に100点満
点で評価。
• 基準をすべて満たすと満点。
• 天空開放度に係る点が高い(60点)。
• 基準をすべて満たした観測点は2435地
点中74(3.0%)。
• 平均評点は79.3、良好(100∼89点)
27.6%、普通(88.9 ∼ 65.0)56.1%、劣
(≤64.9)16.3%。
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各国設置環境の実情
• 地上気象観測における設置環境の重要性への理解
から、設置環境に係る基準を設けているが、実際の
観測所設置・維持にあたってはこれに完全に準拠す
るにはさまざまな困難が存在
高層建築に取り囲まれた観測露場
–
–
–
–
–
都市化による周辺の障害物の増加
確保できる敷地面積の狭さ(経費)
電源、通信回線確保可能な場所が限定
維持管理のためのアクセス利便性
周辺樹木の成長
中国・福建省連江気象台
(关・ 章.2005)
→設置環境の状態を階級化することに意味
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江西省新建県気象台
(▓ , 2010)
気象研究所
設置環境分類と観測データの実地試験
Kumamoto et al. (2013), SOLA
つくば・気象研究所、高層気象台構内
• アスファルト道路の脇の階級3,4,5に相当する位
置に温度計を設置。
• 1.5m高さでの気温(1分間平均)の影響の平均は
0.1℃程度以下に留まる。
赤が道路が風上となったときのデータ。
人工表面の影響は日平均やある程度の期間の
平均でみると小さい可能性
結果はより広範囲な周辺環境の影響、風の場に
も依存
→他の条件についても調査が必要
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設置環境階級区分別のUNHCN気温観測値評価
(Fall et al. 2011, JGR)
階級区分別に直線変化傾向を算出。
→設置環境と最高気温、最低気温上昇率に傾向。平均気温上昇率では設置環境
による差が見られない。
領域再解析NARRとの比較
→環境の悪い観測所に高温傾向
設置環境の差のみが原因でこのような傾向が出ているのか、さらなる調査が必要
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まとめ
• 地上気象観測における測器の設置環境を簡潔に表現する
方法として、世界気象機関(WMO)は地上観測設置環境分
類を導入。
• 観測所管理運用の実情から、測器設置環境を定量化して
区分することに意味。国際的に統一された初めての定量的
基準。
南極・昭和基地
• 今後、世界各国で適用が試みられ、有用性や妥当性の評
価が行われる。
• 設置環境分類毎の観測値代表性や観測値の不確かさに
及ぼす影響などの定量的評価については今後の課題。
• この分類の考え方が国際的に広く理解され普及するかは、
今後の利用や調査研究にかかっている。
Meteorological Research Institute / Japan Meteorological Agency
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D158 山本「世界気象機関(WMO)地上観測設置環境分類の導入」
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参考文献
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U.S. Historical Climatology Network temperatures and temperature trends. Journal of Geophysical Research, 116(D14), D14120.
doi:10.1029/2010JD015146
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Kumamoto, M., Otsuka, M., Sakai, T., Hamagami, T., Kawamura, H., Aoshima, T., & Fujibe, F. (2013). Field Experiment on the Effects of a Nearby
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Leroy, M. (2010). Siting Classification for Surface Observing Stations on Land. WMO/JMA RA II (Asia) Workshop on Quality Management in
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