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乳がん検診を受けよう

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乳がん検診を受けよう
「 乳がん検診を受けよう 」
Q
今日は乳がん検診を受けようというテーマでお話を伺います。
乳がんについては、昨年秋にタレントの北斗晶さんが乳がんの手術を受けたこ
とをご自身のブログで公表して話題になりましたね。
まずはじめに、乳がんとは、どんな病気なのか、少し説明していただけますか。
A はい。乳がんとは、乳房にできる悪性腫瘍のことです。
乳房は「乳腺」と呼ばれる組織と脂肪組織、血管、神経などで構成されていま
すが、乳腺は、母乳を作る小葉と呼ばれる組織と母乳を運ぶ乳管からなっており、
乳がんはこの小葉や乳管の内がわを裏打ちしている上皮細胞から発生します。細
胞ががん化して増え、直径1cm くらいになると「しこり」として乳房の外側から
も触れられるようになります。乳がんは早期発見すれば、治癒率が高いがんです
が、放置し、進行するとリンパ節や他の臓器に転移しやすいがんでもあります。
Q
なるほど。「しこり」以外の自覚症状があれば教えてください。
A
乳首のただれや腫れ、皮膚のくぼみ、オレンジの皮のように毛穴が目立つこと
もあります。また、痛みや血液が混じったような分泌物が出る、など様々です。
しかし、初期の頃は、「しこり」は小さく、痛みや体調不良などの自覚症状も
ないことが多いので、自覚症状がなくても定期的に検診を受けるようにしていた
だきたいと思います。また、乳がんは、自分で見つけることができる可能性が高
いがんですから、ご自分でも乳房のわずかな変化を見逃さないよう心がけること
が大切です。
Q
乳がんが増えていると聞きますが、どのくらいの数になるのでしょう。
A 最近では 12 人に 1 人の女性が乳がんにかかるといわれており、全国的には、年
間約5万人から6万人の女性がかかると推定されています。残念ながら乳がんで
亡くなる方も 2013 年現在では1万 3000 人を超えています。乳がんは 30 代から増
え始め 40 代、50 代がピークですが、若い年代でも年々増加しています。
また、40 歳前後を境に、乳がんで亡くなる方が増え始め、35 歳から 64 歳では
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乳がんが死亡原因の第1位になっています。
新潟県でも一年間に約 1,300 人が新たに乳がんと診断され、乳がんでなくなる
方が約 250 人で、どちらも年々増え続けています。
Q
乳がんになりやすい人というのはどんな方ですか。
A はい。乳がんの発生には環境的な要因と遺伝的な要因があると考えられており、
特に女性ホルモンであるエストロゲンの影響を受けると言われています。乳がん
にかかりやすい要因はいくつかありますが、具体的には、次の5つの要件のどれ
かに当てはまる人は、特に注意が必要です。
一つ目は、月経がある期間が長くエストロゲンの影響を長く受けた人、具体的
には、初潮が 11 歳以下だった人や、閉経が 55 歳以降の人が該当します。
次に、初産年齢が 30 歳以上、または出産経験がない人、
3つ目は、標準体重を2割以上超えている、肥満の人。特に閉経後の肥満の人、
4つ目は、祖母、母、姉妹、娘など近親者が乳がんにかかった人、
5つ目は、更年期にホルモン剤を常用している人などです。
Q
乳がんを予防する方法などはありますか。
A
残念ながら、決め手となる予防法は、ありません。しかし、乳がんも他のがん
と同様に食生活の欧米化など生活習慣の変化により、その危険が増すと考えられ
ていますので、脂肪の多い食事を避けたり、飲酒については、日本酒で1合くら
いの適量を心がけ、週に2日は休肝日を設けること。豆腐・納豆など大豆系の食
品や、緑黄色野菜を摂るなど食生活に注意しましょう。
喫煙と乳がんの因果関係は明らかではありませんが、健康維持の点からも喫煙
は避けたほうが良いでしょう。また、適度な運動は、適正体重を維持することだ
けでなく、閉経後の女性の乳がんのリスクを減少させるといわれていますので、
心がけて体を動かすようにしていただきたいと思います。
Q
生活習慣を見直すことが必要ですね。ところで、乳がんは、自分で見つけるこ
とができる可能性が高い「がん」だということですが、自覚症状がない早期のが
んでも自分で見つけることができるのでしょうか。
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A
はい、そのとおりです。というのも、乳がんの細胞が1つから2つに分裂する
のに要する時間は約 90 日で、「しこり」として触れることができる直径1㎝の大
きさになるまでには約 30 回の細胞分裂が必要です。これを時間にすると5年から
10 年になります。
一方、しこりが2㎝以下であれば早期がんであることが多いので、定期的にセ
ルフチェックをすることで早期に発見することができるのです。
Q
セルフチェックというのはどんなことをするのですか。
A
はい。自分の胸の状態を見て、触って、知っておくことです。そうすることで、
些細な変化にも気づくことができるようになります。セルフチェックは月に1回、
月経開始から数えて5日目から1週間目くらいに行うのが適しています。閉経後
の人は日を決めて行うと良いでしょう。
基本は、鏡に映してよく観察することと乳房全体だけでなく脇の下も指をそろ
えて、小さく「の」の字を描くように触ってみることです。乳首を絞るようにつ
まんでみて、血液のような異常な分泌物が出ていないか確認することも大事です。
Q
今日のテーマは、乳がん検診を受けましょうということですが、セルフチェッ
クだけでなく、乳がん検診を受けることにどんなメリットがあるのでしょうか。
A
はい、乳がん検診では、「マンモグラフィ検査」といって乳房の X 線撮影を行
います。マンモグラフィ検査は、乳房をプラスチックの板で挟み撮影します。最
近は医療機器の進歩で精度が上がっており、しこりとして触れる前の1㎝以下の
段階での発見も可能になってきていますので、触診だけでは見逃しやすいより早
期のがんですとか、特に石灰化が見られる乳がんの発見に適しています。
ただし、マンモグラフィは乳腺の濃度に影響を受けることから、40 歳未満の若
い方では、乳腺の異常がとらえにくいともいわれています。ですから、セルフチ
ェックとマンモグラフィ検査を併用していただくとよいと思います。
Q
乳がん検診を受けるにはどうしたらよいですか。
A
お住まいの市町村から検診対象者である 40 歳以上の女性にご案内しています。
受診間隔は、2年に 1 度です。
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ただし、乳房に違和感がある場合や何らかの自覚症状がある場合は、検診を待
たずに直接専門医を受診してください。
いたずらに心配することなく、また私は大丈夫と楽観することなく、できるこ
とを実行していくこと、つまり、月に1度のセルフチェックと2年に1度マンモ
グラフィ検査を受けることを習慣にしていただければと思います。
Q
ところで、月岡温泉と五頭温泉郷で乳がん体験者の方が気兼ねなく入浴を楽し
むことができる温泉街づくりに取り組んでいるとのことですが、具体的には、ど
のようなことをしているのでしょうか。
A
はい、平成 25 年に新発田地域振興局事業としてピンクリボン応援事業に取り組
み、乳がん体験者への配慮あるおもてなしに取り組んでいる旅館やホテルをピン
クリボン応援旅館・ホテルとして認定しました。月岡温泉と五頭温泉郷では、こ
の認定旅館・ホテルでは、乳がん体験者にも気兼ねなく温泉を楽しんでいただけ
るよう様々な配慮があることはもちろん、乳がん体験者の交流会などの企画や、
旅館・ホテルの従業員を対象に乳がんを理解するための研修を行っています。乳
がん体験者の方々も是非足を運んでいただきたいと思います。
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