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資料3 欧州ELV指令における環境負荷物質の現状について
資料3 欧州ELV指令における環境負荷物質の現状について [1]経緯 <ELV指令の制定> (1)目的:使用済車両(End-of-Life Vehicle)からの廃棄物の低減、適正処理。 (2)制定:2000年9月。EU理事会、EU議会での採択を経て、2000/53/ECとして成立。 (3)各加盟国は2002年4月までに法制化必要。 ◇環境負荷物質に関する要求事項 ・ 対象車両:2003年7月1日以降の新規販売車両( 乗用車、積載3.5トン未満の商用車。2輪車は除く) ・対象物質:鉛、水銀、カドミ、6価クロムの原則使用禁止( 適用除外部品リストとして免除規定あり) <適用除外部品リストの修正> (1)2000/53/ECとして、大枠は決定済。 (2)但し、適用除外リスト修正(部品追加等の拡大)の必要性を、EU委員会が継続検討中。 ◇適用除外の追加検討について ・ EU委員会の委託を受けた独オコポール社( コンサルタント) が調査、検討中。 ・産業界※の意見を聞き、技術的に困難/リードタイムを要する部品について適用除外の拡大を検討中 ※欧州自工会(ACEA)、欧州部工会(CLEPA)、日本自工会(JAMA)が連携して実施 (3)スケジュール:検討終了後、2001年10月末までに適用除外リストが修正される予定。 [2]継続検討されている主な部品 主な対象部品 EUにおける産業界の意見骨子 ホイール ・要望:適用除外。 鉛 バランスウェイト ・理由:等価な代替技術無し。 ・特徴:比重大でバランスを取り易い。市場でリサイクルされている。 ・代替技術:鋼はリサイクル良好。但し比重小さく、重量ウェイトには不向き。 他金属( スズ、タングステン) の場合、リサイクルルートの構築や リサイクル鉄への混入による純度低下( 特性劣化) への配慮要。 電子部品の ・要望:適用除外。 ガラス/セラミックス ・理由:代替技術無し。電子制御部品、各種センサー等、現在の車にとって 安全性や環境対応に不可欠かつ将来有望な技術。 ・特徴:鉛を含有させることにより、電気特性などの特別な機能を示す。 ・使途:エンジン用センサー。電子回路上の素子。燃料インジェクター(将来) その他:アルミニウム、銅合金、バッテリー、燃料タンク、ブレーキ、バルブシート 等についても、 適用の除外や時期の延長を検討中。 6価 防錆コーティング ・要望:2007年1月以降、2g/台以下の適用。 クロム (2g/台以下) ・理由:防錆保証は車両に必須で、信頼性確保のために十分な期間が必要。 含有量を測定する有効な分析手法が無い。 ・特徴:他に類を見ないコーティング層の自己修復機能を持ち、キズ付きに有効。 ・使途:ボルト、ナット類。ブレーキ、燃料チューブ。使用量は10g以下と推定。 ・代替技術: 3価クロム系等検討されているが、防錆性能は劣る。 カドミウム EV用バッテリ ・要望:適用除外。 ・理由:他バッテリーは高価なため、EV発展のためには必要。 その他、電装部品のプリント基板での使用についても、適用時期延長を検討中。 ELV指令の適用除外部品に関する現状 補足資料 現在検討中の No 鉛 部品/材料 1 鋼(鉛:0.35wt%以下) 2 アルミニウム ( 鉛:0.4wt%以下) 部品の具体例 鉛快削鋼(クランクシャフト、 サスペンションアーム等) ○ ブレーキ部品 ・マスターシリンダピストン 等 ○ ホイールリム、エンジン部品、ウィ 3 ンドーレバーのアルミニウム ( 鉛:4wt%以下) 銅合金 4 パイプ継ぎ手 ( 鉛:4wt%以下) 5 軸受 エンジン、AT用軸受 6 バッテリー 7 ○ ○ 9 高圧ホース、燃料ホース ○ 継続検討 記載あり 適用除外 代替技術無し ・0.003%含有 ・代替技術なし (平均的エンジンベアリング) ・ 同等サイズでは困難 (代替材はサイズアップ) ○ 適用除外 代替技術無し ほぼ回収されている ・平均で8kg ・代替技術なし ・コスト10倍 ○ 内外面適用除外 期限延長 ∼2005年7月 切替に時間を要す (記載なし) ・Znめっき、Al めっき ・ 樹脂への燃料浸透 ・樹脂 ○ (既決定適用除外を支持) ○ (既決定適用除外を支持) ○ (既決定適用除外を支持) 11 はんだ はんだ使用部品全般 (プリント基板、電球端子 等) ○ (既決定適用除外を支持) 13 電子部品の ガラス/ セラミック ・ ECU(プリント基板) ・ PZT(将来:インジェクタ) 15 バルブシート 防錆コーティング 6価クロム 16 ( 2g/台以下) 17 電球および計器板表示 カドミウム 18 ○ EVバッテリーの ニッカド電池 19 電装品中の基板 ※尚、今後 物質の含有に関する定義について議論が行われる予定 ・鉛フリー摺動材 ・ 耐フェード性 技術開発期間が必要 ・23.2g/台 (4気筒エンジン) ・鉛フリー潤滑材 等価な代替技術無し 継続検討 記載あり ○ 適用除外 ○ 期限延長 ∼2008年7月 期限延長 ∼2005年1月 期限延長 ・2007年1月∼適用 信頼性確保 ・平均4∼8g (防錆、摩擦安定性) (10g以上もあり) 有効な測定方法なし (既決定適用除外を支持) 継続検討 記載あり ・ECU(プリント基板) ・最大約10wt%含有 適用除外 ○ ・放電管型電球(HI D) ・メータ用バックライト ・ナビディスプレイ用バックライト 信頼性確保 ○ ・LPG、CNG用エンジン ○ ・ 鋼:30g以下のみ ・ すず:低融点、サイズ大、コスト ・ タングステン:コスト、生産性 代替技術無し 将来有望技術 ・表面処理した鋼 ・200∼250g/台 ・すず (5∼500gで各社設定) ・タングステン ・最大345g ・代替技術なし (将来分含め) 継続検討 記載あり ○ ・ブレーキ ・ボルト、ナット類 ・ 加工性、コスト、信頼性 (解決にに2∼3年必要) ○ 電着塗料 ホィール バランスウェイト ・鉛フリー快削アルミ (○) (モータブラシが包含されるべきを確認) 14 ブレーキライニング 水銀 期限延長 2003年7月∼(0.7%)加工性、コスト、信頼性 2006年7月∼(0.4%) 10 保護塗料の安定剤 12 代替技術の問題点 継続検討 (既決定適用除外を支持) 記載あり ○ エンジンマウント ステアリング制振鉛ウェイト 技 術 コ メ ン ト 内 容 車での使用量 代替技術 (既決定適用除外を支持) ○ ○ 燃料タンク ( 内面めっきのみ) 8 バイブレーションダンパ ELV指令 欧)自工会/欧)部工会/日)自工会の意見 適用除外 決定 継続検討 対象 意 見 理 由 ・代替材開発に5年以上必要 ・3価クロム系等 ・ 防錆性、信頼性確保 ごく微量 ○ 適用除外 EV発展のため (他は高価) ・255kg (電気自動車) 鉛、Ni-MH、Liイオン ・コスト高 (鉛バッテリー比) ○ 期限延長 ・∼2006年1月 部品の信頼性確保 ・1mg以下 ・代替技術なし ・耐熱性、耐湿性