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津市アライグマ・ヌートリア防除実施計画(PDF/189KB)

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津市アライグマ・ヌートリア防除実施計画(PDF/189KB)
津市アライグマ・ヌートリア防除実施計画
平成27年2月
津
市
1
特定外来生物の種類
プロキュオン・ロトル(アライグマ)
プロキュオン・カンクリヴォルス(カニクイアライグマ)
ミュオカストル・コイプス(ヌートリア)
2
防除を行う区域
津市全域
3
(別添、区域図参照)
防除を行う期間
防 除 確 認 の 日 か ら 平 成 33 年 3 月 31 日 ま で
4
津市における現状
(1)
生息状況
ア ラ イ グ マ に つ い て は 、香 良 洲 地 域 や 久 居 地 域 の 梨 園 や ブ ド ウ
畑 に 出 没 し 、農 作 物 に 被 害 を 及 ぼ し て い る ほ か 、平 成 2 4 年 頃 か
ら は 山 間 部 の 農 地 や 市 街 地 及 び そ の 周 辺 に お い て も 、農 作 物 被 害
の報告や出没についての市民からの通報が増えている。
ま た 、家 屋 の 天 井 裏 に 住 み 着 く な ど の 生 活 環 境 被 害 に 関 す る 情
報 提 供 も 増 え て い る 。国 内 で は 天 敵 が い な い う え に 繁 殖 力 が 強 く 、
雑食性で水生生物から樹上生物まで幅広い食性を有しているこ
とから、生息範囲は市内全域に広がっていると見られる。
ヌ ー ト リ ア に つ い て は 、津 市 内 で の 目 立 っ た 目 撃 情 報 は 寄 せ ら
れ て い な い が 、近 隣 地 域 で の 生 息 が 確 認 さ れ て い る 。今 後 、津 市
へ の 侵 入 や ア ラ イ グ マ と 同 様 、雑 食 性 で 繁 殖 力 が 強 く 、国 内 で は
天敵もいないため、今後、生息域や生息数の拡大が懸念される。
(2)
ア
津市における被害状況及び防止すべき被害について
農業被害
ア ラ イ グ マ に よ る 被 害 は 、梨 、ブ ド ウ な ど の 商 品 作 物 に か か る
報 告 が 顕 著 で あ る ほ か 、広 い 地 域 に お い て 畑 作 物 の 被 害 が 確 認 さ
れている。
ヌ ー ト リ ア に よ る 被 害 に 関 し て は 、現 在 の と こ ろ 目 立 っ た 被 害
は 確 認 さ れ て い な い が 、隣 接 市 で は 生 息 及 び 被 害 が 生 じ て い る こ
とから、津市への侵入による被害の発生が予想される。
- 1 -
ア ラ イ グ マ に つ い て は 、市 で 小 型 捕 獲 檻 の 貸 出 し を 行 っ て お り 、
猟 友 会 に 要 請 し 捕 獲 檻 を 設 置 し て 捕 獲 を 行 っ て も ら う ほ か 、香 良
洲 の 梨 園 や 久 居 明 神 町 の 梨・ブ ド ウ 園 で 簡 易 な 電 気 柵 に よ る 被 害
防 止 実 験 を 行 っ て い る 。ま た 、各 地 域 の 獣 害 対 策 協 議 会 に お い て
も ア ラ イ グ マ に よ る 獣 害 被 害 に 悩 ま さ れ て お り 、そ の 対 策 が 急 が
れている。
イ
生活環境被害
ア ラ イ グ マ に つ い て は 、春 か ら 初 夏 の 繁 殖 期 に 家 屋 侵 入 に よ る 、
天 井 裏 等 へ の 棲 み つ き 子 育 て を 行 い 、糞 尿 汚 染 、足 音 や 鳴 き 声 に
よ る 被 害 を 近 年 数 多 く 発 生 さ せ て い る 。ま た 、社 寺 な ど の 木 造 建
築 物 に も 棲 み つ き 、同 様 の 被 害 や 貴 重 な 文 化 財 を 毀 損 す る 事 例 も
発 生 し て い る 。天 井 裏 の ア ラ イ グ マ を 捕 獲 す る こ と や 繁 殖 跡 地 を
清 掃 す る た め に は 、家 屋 等 の 一 部 の 取 り 壊 し ・ 修 理 が 必 要 と い う
深刻な状況となることも危惧されている。
ヌートリアについては、現在、生活環境被害への情報はない。
ウ
生態系被害
アライグマの本来の生息地は水辺に近い森林で、果実、昆虫、
小 動 物 等 に 加 え て 、水 辺 で の 採 食 を 行 う 。現 時 点 で は 農 産 物 被 害
と 家 屋 侵 入 被 害 が 顕 在 で あ る が 、増 加 し た 個 体 数 を 維 持 す る た め
に、両生類や爬虫類の希少種を捕食することも想定されるなど、
在来種への影響が危惧される。
ヌ ー ト リ ア に つ い て は 、日 本 で は 本 種 と 同 じ ニ ッ チ を 占 め る 哺
乳類は生息しないために、食草である水生植物を大量に捕食し、
水鳥などと餌資源をめぐる競合関係が生じる可能性がある。
エ
人の生命及び身体への被害
ア ラ イ グ マ は 、平 成 1 2 年 か ら 日 本 に お い て も 狂 犬 病 予 防 法 の
防 疫 対 象 に な っ て い る ほ か 、北 米 で は ア ラ イ グ マ 回 虫 の 媒 介 な ど
も報告されている。さらにはジステンパーや日本脳炎ウィルス、
ま た 、高 病 原 性 鳥 イ ン フ ル エ ン ザ な ど へ の 感 染 も 報 告 さ れ て い る
こ と か ら 、人 や 飼 育 動 物 に 噛 み つ く な ど に よ り こ れ ら の 動 物 由 来
感染症を媒介することも懸念されている。
ヌ ー ト リ ア に つ い て は 、巻 貝 を 介 し て 肝 蛭 が 寄 生 し て い る こ と
も報告されているのでこちらも感染しないよう注意が必要であ
- 2 -
る。
(3)
津市における捕獲状況
捕 獲 に つ い て は 、平 成 2 4 年 度 か ら「 鳥 獣 の 保 護 及 び 管 理 並 び に
狩猟の適正化に関する法律」
( 以 下「 鳥 獣 保 護 法 」と い う 。)に 基 づ
く有害鳥獣捕獲許可により捕獲が行われてきた。
ア ラ イ グ マ に つ い て は 、農 作 物 及 び 生 活 環 境 へ の 被 害 防 止 の た め 、
捕 獲 を 行 っ て き た が 、ヌ ー ト リ ア に つ い て は 、被 害 の 報 告 が な く 捕
獲実績はない。
こ れ ま で の 捕 獲 頭 数 ( 平 成 26 年 3 月 末 現 在 )
アライグマ捕獲数
年
度
農業被害防止
生活環境
(単位:頭)
ヌートリア
被害防止
捕獲数
平成24年度
23
0
0
平成25年度
13
0
0
36
0
0
計
(4)
被害対策の状況
小型捕獲檻における捕獲や電気柵による被害防止実験を行って
い る が 、農 業 被 害 に よ る 営 農 意 欲 の 低 下 、家 屋 侵 入 等 に よ る 生 活 環
境 や 生 態 系 へ の 被 害 防 止 に 対 応 す る た め 、被 害 者 自 ら が 捕 獲 で き る
仕組みづくりが望まれている。
こ の た め 、外 来 生 物 法 に 基 づ く「 防 除 実 施 計 画 」を 策 定 し 、適 切
な目標を設定のうえ、計画的な捕獲を進めていくこととする。
な お 、捕 獲 に あ た っ て は 、今 後 、各 地 域 獣 害 対 策 協 議 会 に よ る 地
域ぐるみの取組や、広域獣害対策推進協議会による研修や実証実
験、三重県における捕獲指導など関係団体や隣接市町とも連携を
図りながら効果的に対策を推進していく必要がある。
5
目
標
津市においては、アライグマの生息が市内全域に拡大しており、
そ の 頭 数 も 相 当 数 い る と 考 え ら れ る 。ま た 、ヌ ー ト リ ア は 近 隣 区 域
か ら の 侵 入 に よ る 生 息 が 予 想 さ れ る こ と か ら 、最 終 的 に は 地 域 か ら
の 完 全 排 除 を 目 指 す が 、本 計 画 期 間 の 目 標 と し て は 、被 害 の 低 減 及
- 3 -
び 生 息 頭 数 の 減 少 と す る 。な お 、計 画 期 間 中 に お い て も 、必 要 に 応
じて目標設定の変更を行うものとする。
6
防除の方法
(1) 捕獲及び処分
ア
捕獲重点地域の設定
捕 獲 を 行 う 際 に は 、農 業 被 害 や 生 活 被 害 な ど の 通 報 が あ っ た 地
域 か ら 、優 先 的 に 捕 獲 を 行 い 、捕 獲 状 況 、被 害 状 況 の 推 移 を 注 視
していく。
イ
捕獲方法
アライグマ及びヌートリアの生息環境の状況や錯誤捕獲防止
の 観 点 や 、こ れ ま で の 捕 獲 実 績 や 捕 獲 体 制 等 を 勘 案 し 、原 則 と し
て捕獲檻(箱わな)による捕獲とする。
事 故 防 止 に 万 全 の 対 策 を 講 じ 、事 前 に 地 域 住 民 へ の 周 知 を 図 る
と と も に 、ま た 各 箱 わ な に 本 計 画 に 基 づ く 防 除 に よ る 捕 獲 で あ る
旨と実施者の連絡先も表示する。
設置後は錯誤捕獲を避けるため、原則一日一回見廻りを行う。
ま た 、ア ラ イ グ マ 、ヌ ー ト リ ア 及 び 他 の 鳥 獣 の 更 な る 農 業 被 害 へ
の遠因とならないよう、餌の選択について配慮する。
ウ
捕獲体制
(ア)捕獲の体制
捕 獲 に つ い て は 、捕 獲 に 従 事 す る 者( 以 下「 捕 獲 従 事 者 」と い
う 。) ま か せ で は な く 、 各 地 域 の 獣 害 対 策 協 議 会 、 捕 獲 実 施 地 区
の 区 長 、自 治 会 長 と 連 携 す る な ど 、地 域 ぐ る み の 協 力 体 制 に よ り
円滑かつ効果的に進められるよう捕獲体制を構築する配慮を行
う。
な お 、生 活 環 境 被 害 防 止 の た め 、垣 、さ く そ の 他 こ れ に 類 す る
も の で 囲 ま れ た 住 宅 の 敷 地 内 で ア ラ イ グ マ を 捕 獲 す る 場 合 は 、個
人の責任において行うものとする。
( 住 宅 の 屋 根 裏 や 敷 地 内 で の 捕 獲 に つ い て は 、専 門 の 駆 除 業 者
に 依 頼 す る こ と が 望 ま し い 。)
(イ)捕獲従事者
捕 獲 従 事 者 は 、原 則 と し て 鳥 獣 保 護 法 に よ る わ な 猟 狩 猟 免 許 を
- 4 -
有 す る 者 と し 、市 内 の 猟 友 会 を 中 心 と し た 体 制 を 基 本 と す る 。た
だ し 、良 識 が あ り 、適 宜 、迅 速 に 捕 獲 に 従 事 で き る 者 の う ち 、次
のいずれかの要件を満たし地域の合意が得られることを条件に、
狩猟免許を有しない者であっても捕獲に従事できることとする。
【狩猟免許を有しない者の参加要件】
・社団法人三重県猟友会が実施する適切な捕獲と安全に関する
知識及び技術についての講習を受講した者
・津市又は三重県から適切な捕獲と安全に関する知識及び技術
についての説明を受けた者
・捕 獲 が 安 全 か つ 効 率 よ く 行 え る よ う 、わ な 猟 免 許 所 持 者 の 指 導
を受けられる者。
(参考) 捕獲行為とは
捕 獲 行 為 と は 、わ な 猟 の 場 合 、捕 獲 が で き る よ う に わ な
を 仕 掛 け る こ と を い い 、単 に 見 廻 り を 行 う こ と は 、捕 獲 行
為には当たらない。
(ウ)捕獲従事者の登録等
捕 獲 従 事 者 は 、住 所 、氏 名 、捕 獲 の 実 施 箇 所 、狩 猟 免 許 の 有 無
等 に つ い て 、捕 獲 従 事 者 届 出 書( 様 式 第 1 号 )を 市 長 に 提 出 す る 。
津 市 は 捕 獲 従 事 者 に 捕 獲 従 事 者 証( 様 式 第 2 号 )を 発 行 し 、捕 獲
従事者台帳(様式第 3 号)を作成する。
捕獲従事者は捕獲を実施する際には捕獲従事者証を携行する
も の と す る 。ま た 、捕 獲 に か か る 具 体 的 内 容 、注 意 事 項 に つ い て
市から十分な説明を受ける。
(エ)協力体制
捕 獲( 猟 具 の 設 置 及 び 捕 獲 後 の 措 置 )に つ い て は 捕 獲 従 事 者 が
実 施 す る が 、錯 誤 捕 獲 防 止 の た め の 見 廻 り や 餌 の 管 理 等 は 捕 獲 従
事者の指導のもと地域住民等による。
エ
捕獲にかかる留意事項
捕 獲 従 事 者 は 、捕 獲 を 実 施 す る 際 に は 、次 の 事 項 に 充 分 留 意 す
ることとする。
(ア)錯誤捕獲の防止
・ 目 撃 情 報 や 被 害 情 報 の 分 析 、足 跡 、糞 、食 痕 等 の フ ィ ー ル ド サ
イ ン の 確 認 、あ る い は 、侵 入 経 路 の 把 握 等 に よ り 、捕 獲 檻 の 適
- 5 -
切な設置場所、設置期間を判断すること。
・夜 間 に 捕 獲 さ れ る こ と が 多 い た め 、捕 獲 檻 設 置 期 間 中 は 朝 夕 を
中心に最低一日一回以上の見廻りを行う。
(イ)事故の発生防止
・自 治 会 等 を 通 じ 、捕 獲 檻 を 設 置 し た 場 所 の 周 辺 で 子 供 等 が 遊 ぶ
こ と な ど が な い か 等 、周 辺 へ の 安 全 確 保 を 徹 底 す る 。ま た 、事
故防止の観点から、必要に応じて設置を夜間に限定するなど、
地域の実情に応じた対策を講じること。
・ 捕 獲 個 体 は 、寄 生 虫 や 感 染 症 、そ の 他 病 原 菌 を 保 有 し て い る 可
能 性 が あ る た め 、捕 獲 し た 個 体 の 取 扱 い に あ た っ て は 、革 手 袋
を 使 用 し 、接 触 や 糞 の 始 末 の 後 は 充 分 手 洗 い な ど を 行 う よ う に
す る 。ま た 、防 除 の 際 に 負 傷 し た 場 合 に は 、傷 口 を 消 毒 し 、必
要に応じて医療機関の診察を受けるなど適切な措置を講じる
こと。
・使用後の捕獲檻は、洗浄等を行い、感染症等を防止する。
(ウ)防除区域及び期間の配慮
・アライグマ及びヌートリア以外の野生鳥獣の繁殖に支障があ
る期間及び区域は避けること。
・鳥 獣 保 護 法 第 2 条 第 5 項 に 規 定 す る 狩 猟 期 間 中 及 び そ の 前 後 に
お け る 捕 獲 に あ た っ て は 、 同 法 第 55 条 第 1 項 に 規 定 す る 登 録
に基づき行う狩猟又は狩猟期間の延長と誤認されることのな
いよう実施すること。
・ 捕 獲 檻 の 設 置 に あ た り 、他 の 鳥 獣 を 誘 引 し 、結 果 と し て 当 該 鳥
獣による被害の発生の遠因を生じさせることのないよう実施
すること。
(エ) 捕獲に係る禁止及び制限措置
・ 鳥 獣 保 護 法 第 12 条 第 1 項 第 3 号 又 は 第 2 項 で 禁 止 又 は 制 限 さ
れた捕獲を行わないこと。
・ 同 法 第 15 条 第 1 項 に 基 づ き 指 定 さ れ た 指 定 猟 法 禁 止 区 域 内 で
は 、同 区 域 内 に お い て 使 用 を 禁 止 さ れ た 猟 法 に よ り 捕 獲 を 行 わ
ないこと。
・ 同 法 第 36 条 に 基 づ き 危 険 猟 法 と し て 規 定 さ れ る 手 段 に よ る 捕
獲を行わないこと。
- 6 -
オ
捕獲個体の処分
(ア)処分方法
捕 獲 し た ア ラ イ グ マ 又 は ヌ ー ト リ ア は 、原 則 と し て で き る 限
り苦痛を与えない適切な方法により殺処分すること。
そ の 方 法 と し て 、捕 獲 場 所 か ら 津 市 の 指 定 す る 施 設 へ 運 搬 し 、
炭酸ガス等を用いた安楽死処分等を行うなど適正に処分する
こと。
な お 、捕 獲 個 体 の 運 搬 に あ た っ て は 、逸 出 防 止 の た め 捕 獲 檻
に 入 れ た ま ま 扉 を 針 金 や 施 錠 等 で 補 強 し 、ま た 、檻 を 車 両 に 積
載する場合は捕獲檻を固定する等の落下しないよう措置を講
ずること。
(イ)処分の例外
捕 獲 個 体 に つ い て 、学 術 研 究 、展 示 、教 育 そ の 他 公 益 上 の 必
要 が あ る と 認 め ら れ る 目 的 で あ る 場 合 に 限 り 、外 来 生 物 法 第 5
条第 1 項に基づく飼養等の許可を得ている者に譲り渡すこと
ができるものとする。
な お 、い わ ゆ る 里 親 制 度 と し て 引 取 り 飼 養 等 を 希 望 す る 団 体
に 捕 獲 個 体 を 引 き 渡 す 場 合 に は 、津 市 は 飼 養 の 目 的 等 を 確 認 の
上 、譲 渡 証 明 書 を 発 行 し 、下 記 の 要 件 や 条 件 を 伝 達 す る こ と と
する。
[伝達すべき要件]
・外 来 生 物 法 第 5 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づ く 飼 養 等 の 許 可 を 国 か ら
得ていること
(許可要件は下記のとおり)
・捕獲された個体を速やかに引き取ることができること
・ 一 定 期 間 ご と に 、引 取 り を さ れ た 個 体 の 飼 養 等 の 状 況( 例 え ば
個 体 の 大 き さ 、重 量 の 情 報 、取 扱 い の 状 況 及 び 当 該 内 容 を 示 し
た写真)について津市に報告すること
≪ 参 考 :防 除 さ れ た 個 体 等 の 引 取 飼 養 等 の 許 可 要 件 (環 境 省 通 知 )≫
飼養等をしようとする特定外来生物がアライグマ、カミツキガ
メであること
許可後の取扱方法に関し、
「 野 外 で の 散 歩 不 可 」と い っ た 規 制 内
- 7 -
容について許可申請者が充分理解していること
次の事項を飼養等許可条件として付すことを許可申請者が了承
すること
飼育等をすることのできる数量の上限を定めること
不妊去勢手術等の繁殖制限措置を実施すること
特定外来生物の譲渡元から、防除で捕獲した個体である旨
等の譲渡の経緯を明らかにした証明書を得ること
マイクロチップを基本に、許可を受けていることを明らか
にする措置を講じること
一定期間ごとに、引取りをされた個体の飼養等の状況(例
えば、個体の大きさ、重量の情報、取扱いの状況及び当該
内容を示した写真)について主務大臣に報告すること
(参考)処分に関する参考指針
動 物 の 愛 護 及 び 管 理 に 関 す る 法 律 に 基 づ く「 動 物 の 処 分
方 法 に 関 す る 指 針 」( 平 成 7 年 7 月 4 日 総 理 府 告 示 第 4 0
号 )で は 、処 分 動 物 の 処 分 方 法 は 、
「化学的又は物理的方法
に よ り 、で き る 限 り 処 分 動 物 に 苦 痛 を 与 え な い 方 法 を 用 い
て 当 該 動 物 を 意 識 の 喪 失 状 態 に し 、心 機 能 又 は 肺 機 能 を 非
可 逆 的 に 停 止 さ せ る 方 法 に よ る ほ か 、社 会 的 に 容 認 さ れ て
い る 通 常 の 方 法 に よ る こ と 。」 と さ れ て い る 。
ま た 、具 体 事 例 と し て「 動 物 の 処 分 方 法 に 関 す る 指 針 の
解 説 」( 平 成 1 8 年 ( 社 ) 日 本 獣 医 師 会 ) や 「 外 来 生 物 に 対
す る 対 策 の 考 え 方 」( 平 成 1 9 年 7 月 ( 社 ) 日 本 獣 医 師 会 小
動 物 臨 床 部 会 野 生 動 物 委 員 会 )に よ り 安 楽 死 に 関 す る ガ イ
ド ラ イ ン が 報 告 さ れ て お り 、こ れ ら を 参 考 に 対 処 す る こ と
とする。
カ
殺処分後の個体処理
山野・河川等に放置せず適切に処分することとする。
こ の 場 合 、感 染 症 の 危 険 性 等 を 勘 案 し 、原 則 と し て 津 市 が 指 定
す る 動 物 専 用 焼 却 場 で 焼 却 す る こ と と し 、や む を 得 ず 埋 葬 す る 場
合 は 、悪 臭 の 発 生 や 感 染 症 な ど 公 衆 衛 生 に 配 慮 す る と と も に 、野
生動物による掘り返しがないよう留意すること。
- 8 -
(2)捕獲の記録及び報告
捕獲従事者は、設置したわな1基ごとに1枚の捕獲報告書(様
式第 4 号)及び捕獲実施報告書(様式第 5 号)に実績を記録し、
津市に提出するものとする。
(3)モニタリング
①津市は、捕獲従事者からの捕獲報告書及び住民等からの目撃情
報・被 害 情 報 等 に よ り 生 息 状 況 、被 害 状 況 及 び 捕 獲 状 況 を 適 切 に
モ ニ タ リ ン グ し 、捕 獲 の 進 捗 状 況 を 点 検 す る と と も に 、そ の 結 果
を捕獲の実施に適切に反映するよう努める。
② 津 市 は 、市 民 や 捕 獲 従 事 者 か ら 収 集 し た ア ラ イ グ マ 及 び ヌ ー ト リ
ア の 目 撃 情 報 、捕 獲 情 報 を 特 定 外 来 生 物 目 撃 等 記 録 表( 様 式 第 6
号)に記録し、特定外来生物目撃等とりまとめ表(様式第 7 号)
により取りまとめることとする。
③ 捕 獲 し た 個 体 は 、研 究 機 関 等 か ら 要 請 が あ れ ば 、で き る 限 り 捕 獲
個 体 調 査 、感 染 症 調 査 等 に 提 供 し 、科 学 的 知 見 の 蓄 積 に 役 立 て る
ものとする。
(4) 侵入の予防措置及び被害発生の防止措置
各地域獣害対策協議会や自治会等地域ぐるみでアライグマやヌー
トリアの生態を踏まえた予防措置、被害発生防止に取り組むなど市
民の積極的な参画により、被害の軽減や発生抑制を図るものとする。
① 侵入の予防措置
ア 誘引条件の排除
次のことを普及啓発する。
・農作物の未収穫物、落果実等を農地に放置しない。
・犬や猫などペットの残り餌を放置しない。
・残飯を屋外に放置しない。
・ゴミ集積場ではゴミを出す時間を厳守し、ネット等をかける。
イ 家屋等への侵入防止
ア ラ イ グ マ は 樹 洞 や 岩 穴 等 で 営 巣 す る こ と か ら 、こ れ ら と 条 件
が 似 た 人 家 の 屋 根 裏 、納 屋 、廃 屋 等 に 住 み 着 き 繁 殖 す る 場 合 が あ
る た め 、ア ラ イ グ マ が 人 家 の 屋 根 裏 等 に 侵 入 で き な い よ う に 換 気
口や隙間を金網などでふさぐなどして侵入を防止するよう住民
への普及啓発を行う。
- 9 -
② 被害発生の防止措置
ア 防護柵の設置
・ア ラ イ グ マ の 防 護 柵 と し て は 、通 常 の 金 網 や そ の 他 網 等 の 場 合 、
登 る 、噛 み 切 る 、く ぐ る な ど に よ り 効 果 が な い た め 、現 在 最 も
効果があるとされている電気柵の設置が基本となる。
・ 電 気 柵 の 場 合 に は 、周 囲 の 安 全 に 充 分 注 意 す る も の と す る 。ま
た 、草 が 架 線 に 接 触 す る と 漏 電 の た め 通 電 し な い た め 、草 刈 り
を 行 う か 、 地 面 か ら 数 10 ㎝ に ト タ ン を 設 置 し 架 線 を 地 面 か ら
離すことを普及啓発する。
・果 樹 の 被 害 対 策 と し て 、被 害 木 の 根 元 に ト タ ン を 巻 き 付 け て 登
れないようにすることも有効である。
イ 侵入箇所からの追い出し
人 家 の 屋 根 裏 、廃 屋 、空 き 屋 等 へ の 侵 入 を 確 認 し た 場 合 は 、屋
根 裏 で 燻 煙 剤 を た い て 追 い 出 し た 後 、侵 入 箇 所 を ふ さ ぐ よ う に す
る。
7 調査研究
防 除 実 施 計 画 の 策 定 に 当 た っ て は 、環 境 省「 近 畿 地 方 ア ラ イ グ マ 防
除モデル事業」などの調査結果を参考にした。
今 後 も 効 果 的 な 防 除 手 法 の 検 討 、生 息 実 態・被 害 実 態 の 把 握 等 に つ
いて、関係機関と連携して調査研究を進めるものとする。
8 普及啓発
市 民 が 、自 然 や 生 物 多 様 性 、外 来 生 物 な ど に 関 す る 正 し い 知 識 を 持
ち 、外 来 生 物 問 題 発 生 の 原 因 を 認 識 し た 上 で 、市 民 の 参 画 と 協 働 に よ
っ て 防 除 が 効 果 的 に 実 施 さ れ る よ う 、市 の 広 報 誌 等 に よ り 、各 種 啓 発 、
情報提供を行うこととする。
【普及啓発のポイント】
(1) アライグマ問題発生の背景
① ア ラ イ グ マ は 愛 玩 動 物 と し て 、日 本 に 大 量 に 輸 入 さ れ 飼 育 販 売 さ
れ た 。し か し 、犬 の よ う に 古 代 か ら 長 い 年 月 を か け て 人 間 が 飼 い
馴 ら し て き た 愛 玩 動 物 と 異 な り 、家 庭 で 飼 育 す る こ と が 困 難 で あ
- 10 -
っ た こ と か ら 、飼 い 主 が 捨 て た り 、逃 げ 出 し た り し た こ と に よ り
野 生 化 し た も の で あ る 。今 日 の 様 々 な 被 害 の 発 生 は 、飼 い 主 の 無
責任な対応による結果であると言える。
② 外 来 生 物 被 害 予 防 三 原 則 で あ る「 入 れ な い・捨 て な い・拡 げ な い 」
を 遵 守 し 、多 様 な 在 来 種 が 住 む バ ラ ン ス の と れ た 自 然 環 境 を 守 る
という意識を高める必要がある。
③ 家 庭 で 愛 玩 動 物 を 飼 う 場 合 は 、死 ぬ ま で 愛 情 と 責 任 を 持 っ て 飼 育
する必要がある。
(2) アライグマ問題に対する私たちの責務
① 前 述 の と お り 人 間 の 責 任 で は あ る が 、ア ラ イ グ マ が か わ い そ う だ
け で は 問 題 が 解 決 し な い 。現 状 は ア ラ イ グ マ に よ っ て 農 業 被 害 や
生 活 環 境 被 害 に 悩 む 市 民 が お り 、居 場 所 が な く な り 命 を 失 う 他 の
獣 類 や 捕 食 さ れ る 両 生 類 等 が い る 。人 間 が 引 き 起 こ し た と い う 責
任 か ら 、負 の 遺 産 を 次 世 代 へ 引 き 継 が な い た め に 、今 を 生 き る 私
たちが解決へ向けて努力する必要があると考える。
② 既 に 野 生 化 し て い る ア ラ イ グ マ は 、農 林 水 産 業 の 健 全 な 発 展 や 人
間 の 生 活 環 境 の 維 持 及 び 生 態 系 の 保 全 の た め 、外 来 生 物 法 に 基 づ
く 適 切 な 防 除( 防 護 柵 な ど 被 害 発 生 予 防 措 置 と 捕 獲 ・ 処 分〈 安 楽
死 〉) を 進 め る 必 要 が あ る 。
ま た 、可 能 な 限 り 早 期 に 排 除 す る こ と が 、結 果 的 に 処 分 さ れ る ア
ライグマの数と投資コスト(経費)が少なくて済むことになる。
- 11 -
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