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第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策

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第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
5−1 施策の体系
計画の基本方針と緑地の配置計画を踏まえ、緑地の保全及び緑化の推進のための施策展開の目標を「緑を“守る・つくる・活かす・知る”
」の 4 項目に区分し、項目毎で施策の設定を行い施策の体系として以下に示し
ます。また、次ページ以降で各施策の具体内容について整理します。
緑地の配置計画
緑地の配置計画
計画の基本方針
緑の将来像と基本方針
<緑の将来像>
海・川・山・歴史を活かし、
市民とともに育む緑のまち
<基本方針>
●海・川・山などの豊かな自然
環境や由緒ある歴史と共生す
るまち
●各地域の特性を活かした緑が
息吹くまち
●市民と一緒に育てる永続性の
ある緑
施策展開の目標
森林地域の保全
良好な都市環境を保全・創出する
緑地の配置計画
●都市の骨格を形成する緑
●都市環境を守る農地の緑
●市街地内の良好な緑
●都市環境負荷軽減に役立つ公共施設や
民有地の緑
●生物多様性に配慮した生態系ネット
ワーク
●市街地の温暖化を緩和する風の道
緑地の保全及び緑化の推進のための施策
個別目標
施策
緑を守る
本市の特徴である豊
かな自然環境や由緒
ある歴史の緑を守る
海岸の保全
河川・水辺の保全
農地の保全
市街地の緑の保全
身近なレクリエーション環境整備と
観光に配慮した緑地の配置計画
●身近なレクリエーション・憩いの場
となる緑
●環境学習・保全活動の場となる緑
●観光レクリエーションネットワーク
災害に役立つ緑地の配置計画
緑をつくる
地域の状況に合わせた
方法で緑を創出し、生
き生きした緑を育てる
緑のネットワークづくり
●自然災害の危険防止を図る緑
●避難地機能や災害支援機能を有する
●避難地・避難路による防災ネット
民有地の緑化
ワーク
都市緑化推進エリア
住宅地等の緑化エリア
歴史保全エリア
農地保全エリア
山林保全・活用エリア
海岸保全・活用エリア
緑の拠点
河川軸
緑化道路軸
海岸軸
・老朽化した公園施設の安全対策
・公園施設のバリアフリー化とユニバーサルデザインの導入
・公園の維持管理の充実
・眺望点における良好な視点場の整備
・市街地内に点在している緑のネットワーク形成
・多自然川づくりによる河川生態系ネットワークの創出
・レクリエーション資源のネットワーク形成
・良好な河川・水路・街路景観の創出
・駅周辺や市街地中心部における良好な緑景観の創出
・民有地の緑化目標
・快適な生活環境の創出に資する住宅地の緑化推進
公園等
●地域を特徴づける自然景観
●まとまりある領域感を形成する
農地景観
●歴史・文化資源と一体となった緑の
景観
●潤いある都市景観
●観光都市としての“もてなしの緑”
●特徴ある街路樹ネットワーク
・優良農地や日本有数の抹茶生産量を誇る茶畑の保全
・市街地内農地の保全と活用
・地域の文化と密着した歴史ある緑の保全
・緑の拠点となる公共施設緑地の保全
・市街地の潤いある景観創出に資する緑の保全
・親子で楽しめる公園事業の推進
・身近な都市公園の不足地域への計画的な公園整備
・都市公園・公共施設の緑化目標
公共施設の緑化
もてなしの緑・景観を形成する
緑地の配置計画
・矢作川、矢作古川など自然環境豊かな河川の保全
・災害時に役立つ都市公園の整備
公園緑地の整備
●観光レクリエーション資源となる緑
・三ヶ根山などの山林の保全
・里山の保全
・貴重な生物や植物が生息する海岸の保全
・三河湾沿岸、佐久島等の自然環境と調和した観光地の保全
緑を活かす
豊 かな 自 然環境や 地
域 コミ ュ ニティの 中
心 とな る 公園緑地 を
積極的に活用する
緑を知る
永 続性 の ある緑を 育
てるために、市民の緑
に 対す る 理解を深 め
る
・地域環境の向上に資する民有地緑化の推進
防災活動の場として活用
・遊休地化した農地の良好な景観創出
・緑化支援制度の充実
・地域の自然環境を活かした自然とのふれあいの場の創出
・遊休地化した農地の再整備・活用
・平常時及び災害時における公園緑地の活用
市民活動の場として活用
・公園を生きがいの場として積極的に活用
もてなしの場として活用
・地場産業を活用した緑づくりの推進
環境学習活動の推進
・自然環境の保全に繋がる環境学習活動の周知と推進
市街地の緑への理解向上
・良好な市街地の緑育成に対する意識の啓発
楽しむ緑の普及
・豊かな自然環境を活用したレクリエーションの周知
緑化イベントの実施
・緑化イベントの継続的な開催と新規開拓
緑化支援制度の周知
・民有地緑化や保存樹木に対する補助金交付など支援制度の周知
環境学習の場として活用
5−1
注)緑地の保全及び緑化の推進のための施策のうち、重点的に取り組む施策を太字で示す。
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
5−2 緑を守る
緑の将来像である「海・川・山・歴史を活かし、市民と一緒に育む緑のまち」の実現
に向けて、豊かな自然環境や由緒ある歴史にかかわる緑の保全は重要な柱となります。
このため、緑を保全する観点からの施策展開の目標を、「緑を守る∼本市の特徴である
豊かな自然環境や由緒ある歴史の緑を守る」として個別目標とその施策を設定します。
また、施策展開の目標と将来像を実現するための指標である「計画の目標水準」を踏
まえ、
「緑を守る」において重点的に取り組む施策を太字で示します。
緑を守る
施策展開の目標
本市の特徴である豊かな自然環境や由緒ある歴史の緑を守る
目標水準
目標①:緑地の割合について、将来も現況量を維持する
目標②:緑被地の割合について、将来も現況量を概ね維持する
施
個別目標
1.森林地域の保全
策
三ヶ根山などの山林の保全
里山の保全
2.海岸の保全
貴重な生物や植物が生息する海岸の保全
三河湾沿岸、佐久島等の自然環境と調和した観
光地の保全
3.河川・水辺の保全
矢作川、矢作古川など自然環境豊かな河川の保全
4.農地の保全
優良農地や日本有数の抹茶生産量を誇る茶畑の保全
市街地内農地の保全と活用
5.市街地の緑の保全
地域の文化と密着した歴史ある緑の保全
緑の拠点となる公共施設緑地の保全
市街地の潤いある景観創出に資する緑の保全
5−2
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
1) 森林地域の保全
(1)三ヶ根山などの山林の保全
重点
施策
① 保安林、自然公園、自然環境保全地域、地域森林計画対象民有林、天然記念物の指定継続
本市東部の緑豊かな丘陵地は、愛知県広域緑地計
画において緑の保全を図る重点地域及び県土コアエ
リアに位置づけられています。保安林、自然公園、自
然環境保全地域、地域森林計画対象民有林、天然記念物
は、指定を継続し良好な自然環境を保全します。
(2)里山の保全
自然公園の眺望
① 市民の里山保全活動の支援と間伐による森林の更新促進
本市には、三ヶ根山をはじめ市東部地区の里山※1など地域特有の景観を形成する重
要な緑地が多くあります。しかし、生活様式の変化や高齢化などにより、竹林化や里山
特有の動植物の衰退などが進行し、保全・再生が急務となっています。
そのため、
八ツ面山や西尾市いきものふれあいの里等における里山保全活動を推進す
るとともに、里山所有者をはじめとする市民や地域との協働により、間伐※2や竹林整
備など里山保全活動の支援を進めます。
また、
里山の機能や役割について、
啓発を行い、
市民の里山に対する関心や意識を高めます。
※1
里山→原生的な自然と都市との中間に位置し、集落とそれを取り巻く二次林で、特有の生物の
生息・生育環境として、また、食料や木材など自然資源の供給、良好な景観、文化の伝
承の観点からも重要な地域。
※2
間伐→混みすぎた森林を適正な密度にして健全な森林に導くために、また、利用できる大きさ
に達した立木を徐々に収穫するために行う伐採。
2) 海岸の保全
(1)貴重な生物や植物が生息する海岸の保全
① 日本有数の干潟である一色干潟の保全施策の検討
一色干潟は、本市一色町から吉良町の沿岸に
広がる三河湾最大の干潟です。三河湾の生態系
の保全に大きな役割を果たすとともに、その水
質浄化機能は環境改善にとっても重要です。
また、一色干潟は漁業の源とも言うべき貴重
な財産であり、次世代への継承を図るため現状
の維持・保全施策の検討とその実現を図ります。
5−3
一色干潟
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
② 海岸沿いに生育する塩生植物群落の保全
環境省自然環境局生物多様性センターでは、わが国の植生、動植物の分布、河川・湖
沼、干潟、サンゴ礁などについて基礎的な調査やモニタリングを実施しており、矢作川
河口のヨシ原や一色干潟などには、
三河湾の環境改善効果を有する植物生物群がみられ
ます。
これらの植物生物群の保全を図るため、
河川流域の下水道整備の推進による都市環境
の改善や埋め立てなどによる改変などを抑制していきます。
■塩生植物群落・生物相
干潟の名称
干潟の面積
干潟の特徴・生物相
矢作川河口
約3ha(A 地点)
・ヨシ原には、ヨシ、シオクグ、ウラギクが生息
一色干潟
約 70ha
・アサリの潮干狩り場として、いくつかの漁協に
よって厳しく管理
・アサリをはじめ、生物相は比較的豊富
資料:環境省自然環境局生物多様性センター(2002 年調査)
(2)三河湾沿岸、佐久島等の自然環境と調和した観光地の保全
① 国定公園指定の継続による保護と利用方策の推進
三河湾国定公園は、昭和 33 年に指定され
県内にある自然公園のうち最も歴史が古い自
然公園です。本市域では一色町佐久島、吉良
町、東幡豆町、西幡豆町などに位置し、三ヶ
根山や佐久島、変化に富んだ海岸線など優れ
た自然景観に恵まれ、一部は愛知こどもの国
として利用されています。
三ヶ根山から望む前島、沖ノ島
今後も国定公園指定の継続による樹林地や
海岸域の保護を図るとともに、自然環境と調
和した利活用方策の検討を推進します。
佐久島
5−4
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
3) 河川・水辺の保全
(1)矢作川、矢作古川など自然環境豊かな河川の保全
① 河川区域の保全による生態系の保全
矢作川・矢作古川には、広大は水辺空間として
市の骨格を形成する良好な自然環境が残されてお
り、引き続き河川区域の保全を図ります。これに
より、河川生態系の保全を図っていきます。
自然環境豊かな矢作川
■河川区域のイメージ
資料:河川用語集
4) 農地の保全
(1)優良農地や日本有数の抹茶生産量を誇る茶畑の保全
重点
施策
① 農業振興地域農用地の指定継続
本市の中央部から西部の矢作川左岸地域に
かけて広大な農用地が指定され、米、野菜、お
茶、花卉などの生産が盛んで、県下有数の農業
地帯となっています。特に抹茶は日本有数の生
産量を誇り、本市の特産の 1 つとなっています。
大規模な農用地
これらの農用地は、食を支える貴重な緑地で
あるとともに、防災上の遊水機能など都市環境
保全面からも重要な緑であり、地産地消の推進
による農業振興とあわせて緑地の保全を図り、
農業振興地域農用地の確保に努めます。
矢作川沿いに広がる茶畑
5−5
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
(2)市街地内農地の保全と活用
① 生産緑地指定の継続
生産緑地は西尾地区のみに指定されており減少傾向にあります。
このため市街地内に
点在する生産緑地は、
体験農園やイベントの実施などの営農支援や身近な緑として農地
の保全・活用を検討します。
■生産緑地の保全・活用方策例
都市名
安城市
江南市
生産緑地の保全・活用方策例
・耕作放棄地を活用して4箇所の市民農園を開設(平成23年3月時点)
・家庭菜園等の活用方法及び支援策について検討
・耕作放棄地を活用して35箇所の市民農園を開設(平成24年12月時点)
・農業体験実践講座などを定期的に開催
資料:安城市、江南市
5) 市街地の緑の保全
(1)地域の文化と密着した歴史ある緑の保全
重点
施策
① 西尾市歴史公園や社寺林の緑の保全、市民活動の支援
うしとらやぐら
西尾城址(丑 寅 櫓 )は、本市のシンボルとし
て再建され、緑豊かで歴史性に富んだ文化情報
の発信地となっています。また、金蓮寺(国宝・
弥陀堂)など市内に数多く点在する社寺林は、
社寺と一体となった緑地空間として地域の緑
の拠点を形成しています。
これらの保全を図るとともに「国宝金蓮寺の
桜を守る会」など市民団体・NPO※1などの緑
に係る市民活動の支援・育成を図ります。
うしとらやぐら
西尾城址(丑 寅 櫓 )
(2)緑の拠点となる公共施設緑地の保全
① 都市公園、愛知こどもの国などの適正な維持・保全
都市公園は、
「公園施設長寿命化計画」を策定するなど、
市街地の貴重な緑地空間として適切な維持管理を行いま
す。愛知こどもの国や西尾市いきものふれあいの里な
どの公共施設緑地についても、緑の拠点として適正な
維持・保全を図ります。
愛知こどもの国
※1
NPO→Non-Profit-Organization(民間非営利組織)の略称。法人格を持った、公共サービ
スを提供している民間非営利組織のこと。医療・福祉や環境保全、災害復興、地域お
こしなど様々な分野で活動する団体が含まれる。
5−6
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
(3)市街地の潤いある景観創出に資する緑の保全
① 保存樹木の指定、屋敷林の保全
保存樹木は西尾地区に8件指定されています。保存樹木、屋敷林は市街地の潤いある
景観創出に資する民有地の緑であることから、これらの継続的な保全を図ります。
また、新たな保存樹木の指定や屋敷林を保全する市民緑地の指定などを推進します。
屋敷林市民緑地(世田谷区)
資料:国土交通省
シダレザクラ(保存樹木、西尾地区)
■保存樹木の指定候補リスト案(一色、吉良、幡豆地区)
地区名
一色地区
吉良地区
幡豆地区
主要な内容
所在地
土地自然特性
クロガネモチ・イヌマキの巨木
キササゲの大木
クロマツの巨木
アキニレの巨木
クスノキの巨樹
タブノキの巨木
クロマツ大木
〃
スダジイ巨木
クロマツ、シイ、クス、ヤマモモ等の大木
クロマツ巨木
クロマツ大木
クロマツ大木
クモラン、フウラン、シイの大木
ヤマモモ、タブの巨大林
ホウノキの大木
イヌマキの大木
クロガネモチの大木
明栄寺
長久院
竈神社
愛宕神社
佐久島弁天島(筒島)
佐久島西の港付近
宮迫神明社
円融寺
西林寺
海蔵寺
勝楽寺
華蔵寺・花岳寺
幡頭神社
東幡豆町大境
東幡豆町上畑山
西幡豆町小田際
東幡豆町森
東幡豆町御堂前
自-62
自-65
自-68
自-69
自-72
自-78
自-83
自-84
自-88
自-90
自-91
自-120
自-126
自-156
自-171
自-173
自-174
自-175
注)土地自然特性調査から大木・巨木を抽出しました。
資料:資料編 p.資 3-31∼資 3-38 土地自然特性
② 公共事業における緑の配慮
公共事業の実施にあたっては、
当該地区における既存の良好な緑の保全や活用に配慮し
ます。
5−7
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
■市民緑地制度の概要(参考)
●市民緑地とは
市民緑地とは、都市緑地法第 55 条に基づく緑地で土地所有者や人工地盤・建築物な
どの所有者と地方公共団体などが契約を締結し、緑地や緑化施設を公開する制度です。
これにより、地域の人々が利用できる公開された緑地が提供されます。
●対象となる土地・契約期間など
・都市計画区域内の 300 ㎡以上の土地又は人工地盤、建築物その他の工作物が対象
となります。
・特別緑地保全地区及び緑地保全地域内の土地等も市民緑地の対象となります。
・契約期間は 5 年以上です。
●締結する契約の内容
①市民緑地契約の対象となる土地等の区域
②市民緑地の保全や利用のために必要な施
設整備に関する事項
③緑化施設の整備に関する事項(人工地盤
・建築物などの場合)
④市民緑地の管理の方法に関する事項
⑤市民緑地の管理期間
⑥契約に違反した場合の措置
(②以下については、必要に応じて定めます。
)
第 1 号市民の森(鶴ヶ島市)
資料:国土交通省
5−8
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
5−3 緑をつくる
本市は、
豊かな自然環境を基盤に歴史や産業、
観光など地域毎に特徴を有しています。
地域の状況に合わせた方法で緑を整備・創出し、育成していくことが重要となります。
このため、緑を整備・創出する観点からの施策展開の目標を、「緑をつくる∼地域の
状況に合わせた方法で緑を創出し、生き生きした緑を育てる」として個別目標とその施
策を設定します。
また、施策展開の目標と将来像を実現するための指標である「計画の目標水準」を踏
まえ、
「緑をつくる」において重点的に取り組む施策を太字で示します。
5−9
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
施策展開の目標
緑をつくる
地域の状況に合わ せた方法で緑を 創出し、生き生きした緑を 育てる
目標水準
目標③:都市公園一人当たり面積 4.6m2/人から 5.5m2/人に増やす
都市公園等一人当たり面積 18.3m2/人 19.4m2/人に増やす
目標④:身近な都市公園等に歩いていける地域の割合(公園誘致距離
圏カバー率)を 42%から 48%に増やす
目標⑤:都市計画道路の街路樹整備率を 42%から 50%に増やす
施
施策の目標
1.公園緑地の整備
策
親子で楽しめる公園事業の推進
身近な都市公園の不足地域への計画的な公園整備
災害時に役立つ都市公園の整備
老朽化した公園施設の安全対策
公園施設のバリアフリー化とユニバーサルデザインの導入
公園の維持管理の充実
眺望点における良好な視点場の整備
2.緑のネットワークづくり
市街地内に点在している緑のネットワーク形成
多自然川づくりによる河川生態系ネットワークの創出
レクリエーション資源のネットワーク形成
3.公共施設の緑化
都市公園・公共施設の緑化目標
良好な河川・水路・街路景観の創出
駅周辺や市街地中心部における良好な緑景観の創出
4.民有地の緑化
民有地の緑化目標
快適な生活環境の創出に資する住宅地の緑化推進
地域環境の向上に資する民有地緑化の推進
遊休地化した農地の良好な景観創出
緑化支援制度の充実
5−10
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
1)公園緑地の整備
(1)親子で楽しめる公園事業の推進
重点
施策
親子で楽しめる公園事業は、
人が緑とふれあい自然を楽しむ憩いの場という位置づけ
のもと、
市北部に位置する古川緑地を対象に進めている事業です。
第1期計画としては、
市民のニーズが高いバーベキューができるデイキャンプ場や、
身近な自然にふれあうこ
とができる散策路等を計画しており、矢作古川の水辺空間を活用するとともに、隣接す
る道の駅と一体となったレクリエーションゾーンを整備します。また、第1期計画の整
備を推進するとともに、第2期計画についても事業化を検討していきます。整備後の供
用面積は 17.1ha(8.6haの増加)となります。
整備イメージ図は以下のとおりです。
■親子で楽しめる公園事業
整備イメージ図
注)基本計画のイメージ図です。
5−11
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
(2)身近な都市公園の不足地域への計画的な公園整備 重点
施策
① 新規公園の整備
本市の都市公園整備量は 4.6 ㎡/人であり、愛知県や国の基準から見ても新規公園の
整備が必要といえ、
市民アンケートからも公園を増やして欲しいなどの意見が出ていま
す。新規公園の整備にあたっては、既に都市計画決定済みであるが未開設となっている
公園や身近な都市公園の不足地域への配置を優先として、
土地区画整理事業などのまち
づくりと連携して整備を推進します。
また、一時的な防災空間が不足している地域では、将来的に公園を配置することを検
討します。
新規公園の設置位置と将来的に公園の配置を検討する地区は以下のとおりです。
■新規公園の設置
種 別
街区公園
公園名称
番号
面積(ha)
南中根公園
①
0.11
西尾地区
米津1号公園
②
0.24
〃
吉山公園
③
0.32
〃
羽塚公園
④
0.59
〃
供用年未定
羽塚西公園
⑤
0.14
〃
供用年未定
寺津美之掛公園
⑥
0.19
〃
供用年未定
計
近隣公園
公共施設
緑地
将来公園
検討地区
位
置
供用年・関連事業
供用年未定
H25 年供用
H27 年供用
吉山土地区画整理事業
1.59
矢田公園
⑦
1.00
西尾地区
H28 年供用
一色地域文化広場
⑧
2.00
一色地区
H26 年供用
西尾地区
H25 年供用
計
福地中部地区
農村公園
計
未定
⑨
0.22
0.22
2.50
計
合
3.00
計
各地区
0.25ha×10 箇所
(街区公園を想定)
2.50
7.31
注1)平成24年7月時点の公園整備状況を現況として、新規公園を計上しています。
注2)身近な公園の誘致距離圏域の設定方法及び身近な公園の不足地域の抽出方法は
p.3-5 目標4 ※2をご参照ください。
資料:西尾市
5−12
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
■身近な公園の誘致距離圏域図と新規公園の配置
5−13
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
② 遊休地など未利用地を借地公園として整備
本市の借地公園は、徳次公園、今川公園、古川右岸1号緑地の一部及び八ツ面山公園
の一部の計4箇所あります。今後も市街地の公園不足地域などを中心に、遊休地などの
未利用地を借地公園として整備します。
公園管理者は「用地取得を行わず、効率的に都市公園の整備が可能」であり、土地所
有者は「無償借地の場合、固定資産税・都市計画税が非課税となるなど、管理費用が軽
減」されます。
■借地公園整備の手続き
資料:国土交通省都市・地域整備局 公園緑地課
(3)災害時に役立つ都市公園の整備
① 避難機能に配慮した都市公園の整備、防災活動拠点機能の強化
市内では、愛知こどもの国が地域防災活動
拠点に、西尾公園総合グラウンド・一色海浜
公園・横須賀公園・緑ヶ崎野球場が地区防災
活動拠点に指定されています。
また、避難場所としては、西尾公園総合グ
ラウンド(地区公園)
、戸ヶ崎公園・コミュニ 地区防災活動拠点(西尾公園総合グラウンド)
ティ公園(近隣公園)が指定されています。
都市公園は、災害時の貴重なオープンスペースとなるため、必要に応じて避難機能に配
慮した整備や、防災活動拠点機能の強化を検討します。
5−14
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
(4)老朽化した公園施設の安全対策
① 公園施設の長寿命化対策と更新
市内には、昭和 31 年開設の鶴城公園、昭和 41 年開設の桜町公園など開設後 50∼
60 年を経過している公園施設があり、公園利用者の安全確保を図るため、必要に応じ
て公園施設の長寿命化対策や更新を進めます。
(5)公園施設のバリアフリー化とユニバーサルデザインの導入
本市においても高齢化が進展しており、
公園施設のバリアフリー化やユニバーサルデ
ザインの必要性が高まっています。
このため新規公園の整備や既設公園の施設更新等の
際にはバリアフリーやユニバーサルデザインに配慮するものとします。
(6)公園の維持管理の充実
① 公園の維持管理におけるアダプトプログラムの推進
本市では、アダプトプログラム「まちの美化
活動し隊」事業実施要綱を平成 18 年9月1日
から施行しています。この要綱は、身近な公共
空間である道路、公園、河川等の公共施設の美
化及び清掃について、環境美化に対する市民意
識の高揚を図るとともに、市民との協働による
健康で快適なまちづくりを推進するものであ
り、今後も積極的に推進していきます。
アダプトプログラムにより維持管理さ
れている公園(鶴城 1 号公園)
② 市民協働・ワークショップ
市内の一部の身近な公園等においては、
アダプトプログラム登録団体や地元町内会が
主体的に維持管理を行っています。今後もそれらの団体の活動意欲を高め、活動の継
続・拡充とともに公園等の維持管理の充実を図
ります。
また、ワークショップなどによって公園利用
者である市民とともに公園計画を立てた公園
は伊藤 1 号公園をはじめ 8 箇所あります。ワ
ークショップによる公園づくりは公園に対す
る愛着がわき市民協働の管理につながるもの
5−15
公園計画づくりワークショップ
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
であり、今後も新規に整備する公園ではワークショップによる公園づくりを進めます。
公園の維持管理活動を実施している団体へのアンケートでは活動に対する満足度は
高く、継続的な活動に向けての支援等を行っていきます。また、公園利用者に対する公
園管理運営への参加意向調査では、約 2 割の人が「参加したい」と回答している一方
で、
「わからない」と回答する人も 6 割程度あり、これらの人の参加意識の醸成を促す
取り組みを行っていきます。
注)公園の維持管理に関するアンケートの詳細な内容については、p.1-38∼1-41、
資料編 p.資 4-18∼資 4-33 をご参照ください。
③ 定期的な施設点検等の実施
公園には遊具、トイレ、ベンチ、樹木等様々な施設があります。特に公園利用者の安
全確保を図るため、遊具や樹木の病害虫などの定期的な点検を行い、公園施設の適正な
維持管理に努めます。
(7)眺望点における良好な視点場の整備
① 眺望点周辺の緑の維持管理と視界確保
市域東部に広がる丘陵地の展望スペースや
愛知こどもの国、八ツ面山公園、三ヶ根山は優
れた眺望点となっており、周辺の緑の維持管理
と視界の確保を図ります。
八ツ面山公園展望台
八ツ面山公園展望台からの眺望
三ヶ根山スカイラインからの眺望
5−16
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
2) 緑のネットワークづくり
(1)市街地内に点在している緑のネットワーク形成
① 街路樹や河川等による緑のネットワークづくり
西尾公園などの都市公園や小中学校などの公
共施設緑地、社寺等の緑地は市街地内に点在し
ているまとまった緑です。これらの点在する緑
を街路樹や河川緑地が有機的にネットワークす
ることにより、緑地機能の向上を図ります。
■緑のネットワークづくりのイメージ(参考)
・街路の複層緑化※1 によるネットワーク
・緑の散歩道によるネットワーク
・河川の堤防の緑化によるネットワーク
・避難道路として利用するための道路緑化
など
※1:複層緑化→植樹帯が確保できる場合、緑視
の観点からもできるかぎり地被
類、低木、中木、高木の複層によ
る植栽を配置します。
緑のネットワークづくりのイメージ
資料:緑の基本計画ハンドブック
(2)多自然川づくりによる河川生態系ネットワークの創出
① 材木や石積みによる流速の変化と生物の生息空間の創出
生物多様性の保全・創出には、生物の生息空間となる水と緑の生態系ネットワークが
必要です。河川の整備にあたっては、材木や石積みによる流速の変化を創出するなど防
災機能との調整を図りながら多自然川づくり※2を推進します。
多自然川づくりの例(二の沢川)
※2
多自然川づくり→河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和に
も配慮し、河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境及び多様な河
川景観を保全・創出するために、河川管理を行うこと。
5−17
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
(3)レクリエーション資源のネットワーク形成
① レクリエーション資源を繋ぐ観光ルートの整備
広域圏におけるレクリエーションの場となっている三河湾沿いの豊かな自然資源や、
市内に散在する社寺等の歴史資源は、
観光ルートの整備によりレクリエーション資源の
ネットワーク形成を図り、来訪者の周遊と長期滞在を促します。
観光拠点としては、一色さかな広場、憩の農園(バラ園)
、西尾歴史公園、日本有数
の抹茶の生産地を背景とした稲荷山茶園公園、道の駅にしお岡ノ山を位置づけます。
市街地では西尾市歴史公園周辺の旧城下町、吉良上野介ゆかりの地等、市域に点在す
る歴史・文化資源をつなぐ“歴史散歩道”
、海辺では海水浴、潮干狩り、吉良温泉、ハ
ワイアンフェスティバルや花火大会等のイベント会場をつなぐ“海辺のリゾート散歩
道”
、山では三ヶ根山スカイラインや生き物とのふれあいの場をつなぐ“森の散歩道”
等の観光ルートの設定や散策路の整備を推進します。
また、これに伴い、観光ルートの PR、観光案内の充実を図ります。
地域の特性が表れている
海辺のリゾート散歩道の街路樹
城下町歴史散策小径
5−18
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
3) 公共施設の緑化
(1)都市公園・公共施設の緑化目標
都市公園・公共施設緑地の緑化目標は、国の基準や現況の緑化率等を踏まえて設定し
ます。施設区分に応じて、これらの目標値を上回る緑化を推進します。
■公共公益施設の緑化目標
緑化の現況と目標
区
分
緑
化
方
針
都市公園
・地域特性を考慮した
個性ある公園づく
りを行います。
都市計画道路
・街路樹整備による緑
のネットワーク化
を推進します。
官公庁施設
子育て・
学校施設
環境・衛生
農業・森林
・市民サービスの拠点
として質の高い緑
化を推進します。
・外周部の緑量感を高
め、地域との調和を
図ります。
・情操教育・環境教育
の場にふさわしい
緑化を行います。
・都市景観の向上と親
しみやすさを増す
ような工夫を行い
ます。
・平原ゲンジボタルの
里、西尾市いきもの
ふれあいの里
現況(%)
目標(%)
−
●緑化率
地区公園 50%以上
近隣公園 50%以上
街区公園 30%以上
(国の基準)
●身近な公園緑地に歩いて
行ける地域の割合
41.6⇒51.3%
●街路樹整備率
:50%以上
街路樹整備率
41.7%
市役所・支所
9.7%
福祉・健康施設
8.7%
●緑化率:15%以上
文化・娯楽施設
28.7%
●緑化率:30%以上
小学校
13.8%
中学校
11.0%
●緑化率:15∼20%以上
高等学校
14.4%
専門学校
14.5%
保育園
10.8%
●保育園・幼稚園の園庭
芝生化
4⇒14 箇所
●教育施設の校庭芝生化
3⇒10 箇所
幼稚園
9.2%
等
8.2∼41.6%
●緑化率:20%以上
91.0%
注)現況の緑化率については資料編 p.資 3-67∼3-69 をご参照ください。
5−19
―
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
(2)良好な河川・水路・街路景観の創出
重点
施策
① 河川・水路沿いの緑化
矢作川では、矢作川堤防リフレッシュ事業と併
せて桜づつみモデル事業を推進しており、堤防天
端は桜並木の遊歩道、
高水敷は親水空間※1として
一体的な水と緑のオープンスペースを整備しま
す。
矢作川堤防リフレッシュ事業のイメージ
また、二の沢川の歴史公園周辺は、
「水辺プラ
ザ」計画により生物多様性に配慮した構造の河川
整備と親水空間の整備を推進し、市民協働によっ
て川沿いの遊歩道の良好な景観を創出します。
※1
親水空間→人が水辺で安全に遊ぶことができる
ように配慮した空間。
河川・水路沿いの緑化
② 街路樹の整備と適正な維持管理
健全な街路樹を育成するために、樹種の特性を十分に理解し、地域の特性や市民の
要望に見合った適切な樹種選択を行います。
また、アダプトプログラムなど市民協働による街路樹の維持管理を推進するととも
に、適正な維持管理により良好な街路景観の創出を図ります。
■街路樹の機能
安 全 運 転 機 能
・誘導機能
(視線誘導・線形予告)
・事故防止機能
(遮光・緩衝・立入防止)
・休憩助成機能
(緑陰・休憩)
景 観 形 成 機 能
街路樹
環 境 保 全 機 能
・災害防止機能
(延焼/倒壊防止・法面保護・
流量調整)
・環境調和機能
(生物の生息環境・気温
緩和・大気汚染浄化)
・景観調整機能
(遮蔽・景観調和)
・景観演出機能
(都市の風格創出・自然景観
の演出・ランドマーク)
5−20
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
植栽する箇所毎に、
場所性に応じた適切な機能を有する樹種をリストアップしました。
新たに整備する街路樹については、このリストをもとに地域の人と話し合い、地域性や
樹木の生育環境、景観等を考慮して、できるだけ自然樹形のまま育成できる樹種を選択
します。なお、樹種リストの作成にあたっては病害虫に弱い樹種は除外しました。
【幹線道路・緑の景観軸】
植栽箇所
樹木の機能
種別
高木 常緑
低木
市の特徴となる樹種
落葉
落葉
常緑
樹種
クスノキ
クロマツ
ヤマモモ
キリ
バラ
ツツジ(ヤマツツジ)
花
5月
5∼11月
4∼5月
カーネーション
4∼5月
実
紅葉
6∼7月
4∼6月、
草本 多年草 スプレーカーネーション
幹線道路・
9∼10月
緑の景観軸
キク
10∼12月
ハマギク
10∼11月
クロガネモチ
11∼2月
常緑
ワシントニアロブスタ
その他
ケヤキ
現況の幹線道路沿い等 高木
ナンキンハゼ
6∼7月
10∼1月
落葉
に見られる樹種
トウカエデ
ソメイヨシノ
3∼4月
シダレザクラ
4月
備考・留意点
西尾市の木
旧一色町の木
旧幡豆町の木
旧吉良町の木
西尾市の花(高度な維持管理が必要)
旧吉良町・旧幡豆町の花
旧一色町の花、全国1位の生産量(高度な維
持管理が必要)
花壇植栽に適する
吉良地区で生産が盛ん(高度な維持管理が必要)
大輪菊の代替。花壇植栽に適する
蒲郡碧南線
富好新田宮崎鳥羽線
11月
衣浦岡崎線、開正池田線等
10∼12月 幸田石井線
11月
岡崎碧南線
一色排水路、みどり川等
11月
11月
源空院周辺(シダレザクラの里)一帯
クスノキ
バラ
クロガネモチ
ワシントニアロブスタ
ケヤキ
ソメイヨシノ
5−21
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
【住宅地域等】
植栽箇所
樹木の機能
花のきれいな樹種
種別
高木
落葉
中木
常緑
落葉
低木
常緑
住宅地域等
低木
高木
落葉
落葉
紅葉のきれいな樹種
中木
常緑
低木
落葉
樹種
コブシ
トチノキ
ハナミズキ
ヒトツバタゴ
キンモクセイ
フヨウ
オオムラサキツツジ
キリシマツツジ
ヒラドツツジ
サツキツツジ
キンシバイ
クチナシ
コクチナシ
アベリア
ビヨウヤナギ
マルバシャリンバイ
アジサイ
ウツギ
エニシダ
レンギョウ
ユキヤナギ
ヒベリカムヒデコート
イチョウ
イロハモミジ
カロリナポプラ
トウカエデ
ナンキンハゼ
ハナノキ
ハナミズキ
ユリノキ
アメリカフウ
ベニカナメモチ
ドウダンツツジ
ニシキギ
花
実
3∼4月
5∼6月
4∼5月
9∼11月
5∼6月
9∼10月
8∼9月
5月
4∼5月
4∼5月
5∼6月
6∼8月
5∼7月
5∼7月
6∼10月
6∼7月
5月
6∼7月
5∼6月
5∼6月
3∼4月
3∼4月
6∼7月
4月
4∼5月
4月
4∼5月
コブシ
9∼11月
紅葉
備考・留意点
9∼11月
剪定を好まない
大気汚染・都市公害に強い
実のならない雄木の利用が望ましい
9∼11月
9∼11月
9∼11月
9∼10月
9∼10月
9∼11月
9∼11月
9∼10月
9∼11月
4月
9∼1月
9∼1月
キンモクセイ
オオムラサキツツジ
ユキヤナギ
イチョウ
トウカエデ
5−22
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
【海岸沿い】
植栽箇所
種別
樹木の機能
常緑
高木
落葉
海岸沿い
耐潮性に優れる樹種
中木
常緑
落葉
低木
常緑
樹種
クロマツ
イスノキ
クロガネモチ
マテバシイ
ヤマモモ
カロリナポプラ
ケヤキ
シダレヤナギ
ヒトツバタゴ
イヌツゲ
ウバメガシ
サザンカ
シャリンバイ
ヤブツバキ
フヨウ
トベラ
ハイビャクシン
クチナシ
コクチナシ
ツゲ
ハマヒサカキ
マルバシャリンバイ
エニシダ
花
実
紅葉
備考・留意点
6∼7月
9∼11月
5∼6月
剪定は好まない
10∼3月
3月
8∼9月
5∼7月
5∼7月
5月
5∼6月
クロマツ
イスノキ
カロリナポプラ
サザンカ
トベラ
マルバシャリンバイ
5−23
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
【工場地帯】
植栽箇所
工場地帯
樹木の機能
種別
高木
落葉
大気汚染・公害に強い
樹種
中木
常緑
低木
常緑
樹種
サトザクラ
シンジュ
アメリカフウ
サザンカ
オオムラサキツツジ
カンツバキ
花
実
紅葉
備考・留意点
4月
4月
9∼11月
10∼3月
5月
11∼2月
サトザクラ
カンツバキ
【生態系ネットワーク軸】
植栽箇所
樹木の機能
種別
常緑
生態系ネット
ワーク軸
野鳥の食餌樹種
高木
落葉
樹種
クスノキ
ヒサカキ
マサキ
クロマツ
ニシキギ
ミズキ
ムクノキ
ムラサキシキブ
ヤマザクラ
花
実
紅葉
備考・留意点
11∼2月
5∼6月
6∼7月
4月
10∼12月
8∼10月 11月
11月
10∼11月 11月
11月
マサキ
剪定を好まない
強剪定は避ける
ムラサキシキブ
【歩道の幅員が狭い場所】
植栽箇所
樹木の機能
歩道の幅員
が狭い場所
生育空間が狭くても
生育可能な樹種
種別
常緑
高木
落葉
樹種
クロガネモチ
シラカシ
ヤマモモ
アラカシ
イスノキ
サトザクラ
トウカエデ
ハナミズキ
花
実
紅葉
備考・留意点
6∼7月
4月
4∼5月
シラカシ
9∼11月
9∼10月
9∼11月
ハナミズキ
5−24
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
【水遣りの困難な場所・中央分離帯】
植栽箇所
樹木の機能
種別
常緑
高木
落葉
水遣りの困
難な場所・中
央分離帯
耐乾性の強い樹種
中木
低木
常緑
常緑
落葉
樹種
クロマツ
マテバシイ
ヤマモモ
イチョウ
シダレヤナギ
ヒトツバタゴ
イヌツゲ
ウバメガシ
カナメモチ
ベニカナメモチ
ハイビャクシン
アセビ
トベラ
アベリア
エニシダ
花
実
紅葉
備考・留意点
6∼7月
9∼11月
5∼6月
10∼11月
4月
3∼5月
6∼10月
5∼6月
ヤマモモ
ヒトツバタゴ
ウバメガシ
アベリア
資料:緑化樹木ガイドブック
5−25
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
(3)駅周辺や市街地中心部における良好な緑景観の創出
重点
施策
① 駅前周辺の緑化、主要公共施設の緑化、壁面・屋上緑化
西尾駅を始めとした名鉄西尾線・蒲郡線の駅周辺は市の玄関口となり、市役所や各支
所周辺の市街地の中心部には多くの市民や来訪者が訪れます。
このため、観光の起点となる都市景観上重要な駅、渡船場、公共施設等の壁面・屋上
緑化等による良好な都市景観の創出を図り、市民とともに観光客を迎え入れる「もてな
しの緑」を育てます。
【西尾地区】
西尾市役所
西尾市立図書館
西尾市文化会館
西尾駅東口のバラの花壇
緑のカーテン
みどり川の桜
5−26
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
【一色地区】
一色支所
一色地域文化広場
吉良支所
吉良図書館(分館)
幡豆支所
幡豆中学校
【吉良地区】
【幡豆地区】
5−27
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
4) 民有地の緑化
(1)民有地の緑化目標
市域全体の緑被量の維持・向上を図るため、民有地における緑化目標を土地利用区分
別に以下のように設定します。
■民有地の緑化目標
区 分
住
宅
地
目標緑化率
個人住宅
・特に設けない
住宅団地
・敷地の 20%以上
植栽基準
・生垣化と前庭緑化、シンボルツリーの植栽
商業地
・建築物の壁面緑化やプランターの配置等による
・特に設けない
効果的な植栽を行います。
・緑地を敷地周辺部に配置し、常緑の高木を主体
工場地
に樹木帯を形成します。
・敷地の 20%以上
・工場立地法の緑地基準によります。
(2)快適な生活環境の創出に資する住宅地の緑化推進
① 生垣やオープンガーデン、緑のカーテン等の普及に向けての取り組み推進
オープンガーデンは、
自宅の庭やベランダ、
店舗、
事業所などで花などの植物を育て、
庭づくりをし、その庭を地域の人などに公開し楽しんでもらうというものです。
また、緑のカーテンについては、にしお環境市民塾と西尾商工会議所、市の共催で「緑
のカーテンコンテスト」が開催されています。
これらの快適な生活環境の創出に資する住宅地
緑化の普及・啓発に向けての取り組みを推進し
ます。
オープンガーデン(豊橋市の例)
5−28
オープンガーデンオーナー登録(豊橋市の例)
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
(3)地域環境の向上に資する民有地緑化の推進
① 大規模工場緑化や屋上・壁面緑化など民間企業の CSR 活動支援
本市では、
「緑の街並み推進事業」による補助
金の交付が行われています。この事業では、屋上
緑化、壁面緑化、空地緑化及び駐車場緑化、生垣
緑化に係る工事など、民間企業の CSR 活動※1に
よる地域環境の向上に資する民有地緑化の推進
を支援しており、その継続を図ります。
丘陵地の大規模工場
※1
CSR活動→CSR(Corporate Social Responsibility)とは、企業の社会的責任のこと。法
令遵守、消費者保護、環境保護、労働、人権尊重、地域貢献など純粋に財務的な活
遊休地化した農地の良好な景観創出
動以外の分野において、企業が持続的な発展を目的として行う自主的取組を指す。
(4)遊休地化した農地の良好な景観創出
① 遊休地化した農地へ菜の花やコスモスなど景観植物の植栽
本市では、
西三河農協農作業受託部会西尾支部
(農作業オペレーター)
の協力により、
活力ある農業事業の1つとして、
転作田にコスモスを植栽する景観作物推進事業に取り
組んでいます。
平成 24 年には、
矢作川西尾緑地の北部周辺の農地約 5,700 ㎡にコスモスを栽培し、
良好な景観の創出に努めています。
小間町流作周辺のコスモスの植栽
景観作物推進事業の看板
5−29
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
(5)緑化支援制度の充実
① 緑化支援制度に対する取り組みを市全域で推進
本市の緑化支援制度としては、平成4年3月から西尾市緑化推進基金を積み立て、西
尾市緑化推進条例による保存樹木及び保存樹林の補助金交付要綱により補助を行って
います。
また、
「あいち森と緑づくり都市緑化推進事業」に基づく間接補助事業として西尾市
都市緑化推進事業補助金交付要綱を定め、屋上緑化、壁面緑化、空地緑化、駐車場緑化、
生垣設置、市民参加緑づくりへの補助を行っています。
これらの緑化支援制度に対する取り組みを市全域でさらに推進していきます。
■現行の緑化支援制度
名
称
西尾市緑化推進基金
概
要
備
考
平成4年3月から西尾市緑化推進
基金を積み立て
西尾市緑化推進条例
西尾市都市緑化推進
事業補助金交付要綱
保存樹木及び保存樹林の補助金交
保存樹木及び保存樹林の
付要綱
指定が必要
①緑の街並み推進事業
あいち森と緑づくり都市
屋上緑化、壁面緑化、空地緑化、 緑化推進事業」に基づく
駐車場緑化、生垣設置
②市民参加緑づくり事業
工事費、役務費、講師派遣費等
保存樹木(源空院のシダレザクラ)
5−30
間接補助事業
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
5−4 緑を活かす
緑豊かなまちづくりは、現状の豊かな自然環境や新たに創出する緑を、民と官が一緒
になって育み、活用していくことが重要です。それには拠点となる公園緑地等を市民活
動の場として積極的に活用していくことが有効となります。
このため、緑を活用する観点からの施策展開の目標を、
「緑を活かす∼豊かな自然環
境や地域コミュニティの中心となる公園緑地を積極的に活用する」として個別目標とそ
の施策を設定します。
また、施策展開の目標と将来像を実現するための指標である「計画の目標水準」を踏
まえ、
「緑を活かす」において重点的に取り組む施策を太字で示します。
施策展開の目標
緑を活かす
豊かな自然環境や地域コミュニティの中心となる公園緑地を積極的に活用する
目標水準
目標⑥:アンケート調査における緑の満足度を 42%から 52%に増やす
目標⑦:市民協働による都市公園管理箇所数を 9 箇所から 18 箇所に増
やす
目標⑧:公園緑地や環境に関する活動団体数を 7 団体から 14 団体に増
やす
施策の目標
1.環境学習の場として活用
施
策
地域の自然環境を活かした自然とのふれあいの場の創出
遊休地化した農地の再整備・活用
2.防災活動の場として活用
平常時及び災害時における公園緑地の活用
3.市民活動の場として活用
公園を生きがいの場として積極的に活用
4.もてなしの場として活用
地場産業を活用した緑づくりの推進
5−31
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
1) 環境学習の場として活用
重点
施策
(1)地域の自然環境を活かした自然とのふれあいの場の創出
①「西尾市いきものふれあいの里」を中心とした環境学習活動の実施
西尾市いきものふれあいの里は、身近な里山の
自然にふれることができる場として、ネイチャー
センターやビオトープガーデン、自然観察路、ト
ンボの里、チョウの小径などが整備されており、
観察会や体験学習会など環境学習活動が実施さ
れています。
また、八ツ面山公園周辺では、地域住民や企業
西尾市いきものふれあいの里
による間伐や植樹、ヒメタイコウチの保全活動、
地元小学校による総合学習が行われています。今
後も、こうした自然とのふれあいの場の創出を図
ります。
八ツ面山植樹祭
(2)遊休地化した農地の再整備・活用
① 市民農園の整備、学童・学校農園としての活用
本市には、市民農園が4箇所開設されていま
す。3箇所は西尾市の開設で、1 箇所は NPO
法人の開設です。
市民農園については農地の保全、高齢者など
の余暇活用、農作業を通じた安らぎ、癒しの効
果や健康増進効果等など様々な効能があるこ
とから、今後も市民農園等による遊休地化した
農地の再整備・活用を図ります。
善明市民農園
5−32
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
■市民農園の現状
・善明市民農園 47 区画 使用料:5,000 円/年
・丁田市民農園 18 区画
〃
・佐久島クラインガルテン 10区画 使用料:480,000 円/年(ラウベ棟を含む)
・寄近楽農園(NPO)30 区画 使用料:8,000 円/年(肥料代など含む)
(障害者支援 1,000 円/年 共同区画で障害者と農作業を一緒に行うのに必要な費用)
資料:西尾市、一色町佐久島
② 農地生態系ネットワークの創出
農業振興地域農用地と生産緑地地区を合わせると市域の約 31%を占めていますが、
農地は減少傾向にあり、開発による生物の生息空間の縮小と孤立が懸念されています。
このため、農業振興地域農用地と生産緑地地区の積極的な保全を図るとともに、身近
な自然や緑の保全、市域東部の里山の保全、河川・水路の水辺の保全、ため池の多面的
機能の回復、
ビオトープづくりなどにより、
農地生態系ネットワークの創出を図ります。
2)防災活動の場として活用
(1)平常時及び災害時における公園緑地の活用
① 防災活動拠点や避難場所、地域の避難訓練の場としての公園緑地の活用
大規模な公園緑地は地域防災活動拠点、地区防災活動拠点となっており、身近な公園
緑地は災害時の一時的な避難場所となります。平常時には、地域の避難訓練の場として
の活用を図ります。
② 分断されている街路樹の整備による安全な避難空間の確保
都市計画道路の緑化率は現在約 42%であり、特に市街化区域内において分断されて
いる街路樹の整備を進め、安全な避難空間の確保に努めます。
3) 市民活動の場として活用
(1)公園を生きがいの場として積極的に活用
① 市民と行政の協働による公園管理運営、公園活用のプログラムづくり
重点
施策
公園は身近な緑の拠点として、市民と行政の協働による公園管理運営を目指します。
また、新規公園の整備にあたっては、公園計画づくりワークショップにより、子育ての
場や高齢者のすこやか健康づくりの場など公園整備の方向性を定めます。
公園整備後は、市民との協働により、子育て向けの公園ではラジオ体操の開催など公
園活用のプログラムづくりを検討します。
5−33
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
②市民活動団体の支援、育成
公園緑地は、
緑化に関する市民活動団体やアダプトプログラム登録団体などの市民活
動の場として積極的に活用します。
また、これらの場所を含め市域で活躍するNPO、ボランティア、コミュニティ団体
の活動を、にしお市民活動センター(アクティにしお)で今後も継続的に支援します。
4) もてなしの場として活用
(1)地場産業を活用した緑づくりの推進
① バラやカーネーションなど地場の花卉産業等の積極的な活用
本市は日本で有数の花卉生産地であり、観葉植物、バラ、洋ラン、カーネーション、
キク、洋花、鉢花、和物の 8 種類の代表的なものがあります。
各地区の駅前や道の駅は市の玄関口となることから、
観光客を迎え入れるもてなしの
場としてこれらの花卉の緑を有効活用します。
また、住宅や事務所・工場などの道路側の窓辺や庭や空地を中心に、地場産業のバラ
やカーネーションなどを植栽し、
「憩の農園・バラ園」など既存の観光資源と一体とな
って地域全体がもてなしの場となるように努めます。
憩の農園・バラ園
5−34
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
5−5 緑を知る
緑の将来像の展開に当たり、これまで「緑を守る」
[緑をつくる]
「緑を活かす」とい
う施策について整理しました。こうした施策の展開にあたっては、市民が気軽に緑に関
心をもてるよう市民の緑に対する理解を深めていくことが重要です。
このため、緑への理解を深める観点からの施策展開の目標を、
「緑を知る∼永続性のあ
る緑を育てるために、市民の緑に対する理解を深める」として個別目標とその施策を設
定します。
また、施策展開の目標と将来像を実現するための指標である「計画の目標水準」を踏
まえ、
「緑を知る」において重点的に取り組む施策を太字で示します。
施策展開の目標
緑を知る
永続性のある緑を育てるために、市民の緑に対する理解を深める
目標水準
目標⑨:園庭・校庭の芝生化を 4 箇所から 14 箇所に増やす
教育施設の校庭芝生化を 3 箇所から 10 箇所に増やす
目標⑩:緑化活動に関するイベント開催数を 2 回/年程度実施する
施策の目標
施
策
1.環境学習活動の推進
自然環境の保全に繋がる環境学習活動の周知と
推進
2.市街地の緑への理解向上
良好な市街地の緑育成に対する意識の啓発
3.楽しむ緑の普及
豊かな自然環境を活用したレクリエーションの
周知
4.緑化イベントの実施
緑化イベントの継続的な開催と新規開拓
5.緑化支援制度の周知
民有地緑化や保存樹木に対する補助金交付など
支援制度の周知
5−35
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
1) 環境学習活動の推進
重点
施策
(1)自然環境の保全に繋がる環境学習活動の周知と推進
① 環境学習活動のPRや学校での環境学習プログラムの推進
環境学習の拠点である「西尾市いきものふれあいの
里」では、里山散策、米つくり、水辺観察、きのこ観
察、親子観察会、竹林整備などが行われています。
また、干潟・浅場や藻場を守ることへの理解を深め
てもらうため、漁業者が地元の小学生などを招いて環
水を張った棚田のおたまじゃくし観察
境学習を兼ねた保全活動体験を行っています。
その他、アイシン精機(株)が小学生を対象に、市内の工場と排水処理施設の見学会
を実施して隣接する朝鮮川の水生生物調査を行っており、このような官民学が連携した
環境学習活動を推進します。
小学生を招き漁業者が環境学習会
中学生の茶摘み体験総合学習
② 環境保全の象徴種となる絶滅危惧種等を指標とした環境保全活動の推進
八ツ面山東の矢作古川岸に自生木があるマメナシは、環境省
のレッドデータブックで絶滅危惧種 IA 類(CR)に指定されて
います。
ヒメタイコウチは、準絶滅危惧種でモウセンゴケやシラタマ
ホシクサなどが生育する湿地に生息し、広く分布するものの、
宅地造成による埋め立てなどで生息地が年々減少しています。
市内の水路や池などで最も普通に見られたウシモツゴは絶滅
危惧 IA 類、カワバタモロコは絶滅危惧IB類とされ、種の存
国森のマメナシ
続が危ぶまれており、公共施設の保護池などで繁殖を行なっています。
これら絶滅危惧種等を指標とした環境保全活動を推進します。
5−36
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
③ 市民と協働で行う保育園等の園庭芝生化、学校花壇等の推進
本市では保育園・幼稚園園庭芝生化事業により、園児達が裸足で走り回ることのでき
る快適で安全な保育環境の実現を図るとともに、砂塵の飛散防止・夏季の気温上昇防止・
園庭の排水性及び景観の向上などに資するものとして、環境に優しい保育施設の整備を
めざしており、その継続を図ります。
園庭の芝生化(八ツ面保育園)
芝生の園庭で開催された運動会(八ツ面保育園)
また、小学校の一部においても校庭の芝生化が行われているほか、花壇づくりやその
維持管理が行われており、都市環境や景観の向上に資するこれらの活動の継続と充実を
図ります。
鶴城小学校の花壇
2) 市街地の緑への理解向上
(1)良好な市街地の緑育成に対する意識の啓発
① 緑を育てる講習会の実施
西尾商工会議所では「緑のカーテン作り講座」を行っています。また、
「春の西尾バラ
展」
(道の駅開催)では、バラの相談コーナーによる講習会が開催されています。このよ
うな緑を育てる講習会等の継続と充実を図ります。
5−37
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
② 緑豊かなまちづくりを行う緑のサポーター制度の導入
緑化に関しては、7つの市民団体により桜の維
持管理や河川の清掃、竹林の整備などが行われて
います。また、西尾市アダプトプログラム「まち
の美化活動し隊」として市民協働により公園の管
理が行われています。
これらの制度をさらに普及させるとともに、緑
まちの美化活動し隊
豊かなまちづくりを行うため、自宅や事業所、店
先などにおいて積極的にガーデニングに取り組ん
だり、まちなかや公園の花・緑に関する情報を発
信したりする緑のサポーター制度の導入を検討し
ます。
サポーターによる寄植え講習会(東京都足立区)
3) 楽しむ緑の普及
(1)豊かな自然環境を活用したレクリエーションの周知
① メディアによる情報発信
豊かな自然環境や歴史環境を有する本市の魅力を市民のみならず、県民など広域的な
人びとに楽しんでもらえるよう、緑に関するイベントやレクリエーションの周知を図る
ため、
市のホームページに掲載するなど、
さまざまなメディアを活用し情報発信します。
② 環境体験ツアーやエコツーリズムの推進
環境体験ツアーやエコツーリズム※1は緑を楽しむレクリエーションであり、西尾市環
境基本計画に示す以下のような市民チャレンジプランの推進を図ります。
■西尾市環境基本計画に示す6つの市民チャレンジプラン(参考)
① 自然の魅力体感プロジェクト
・里海の魅力を体感するツアーや観察会などの
手づくりイベントの開催
・里山を舞台にした体験講座
干潟の観察会
※1 エコツーリズム→地域ぐるみで自然環境や歴史文化など、地域固有の魅力を観光客に伝えることに
■西尾市環境基本計画に示す6つの市民チャレンジプラン(参考)
より、その価値や大切さが理解され、保全につながっていくことを目指していく
仕組みのこと。
5−38
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
② 自然にやさしい農・漁・食プロジェクト
・自然にやさしい農法への興味・関心を高める
・子どもたちや市民の農業体験のサポート
・地産地消の食育交流運動の推進
小学生による田植え体験
③ クリーンアッププロジェクト
・楽しみややりがいを盛り込んだ水辺の
クリーンアップ作戦
・日常生活にとけ込んだ気軽な清掃活動と
ポイ捨てされにくい環境づくり
・既存イベントにおけるクリーンアップタイムの導入
千人クリーン作戦
④ ごみ減量プロジェクト
・ごみ減量の意識改革とごみの減量・ごみゼロ
への取り組みを継続
・生ごみをターゲットとした減量化を推進
・廃油せっけんの普及啓発
ダンボールコンポストづくり体験講座
⑤ 低炭素な暮らしづくりプロジェクト
・屋上緑化、壁面緑化(緑のカーテン)
、
ガーデニングの普及
・公共交通の利用促進
・自動車の利用抑制・低公害車の普及
・自転車利用、自転車旅行おすすめマップ作成など
緑のカーテン
⑥ エコ生活応援プロジェクト
・市民団体間などのネットワーク化
・エコ活動の仲間づくり・官民協働の講座づくり
・
「
(仮称)おばあちゃんの暮らしの知恵」の
掘り起こしと市民への広報
環境イベント「環境 Wave21」
5−39
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
4) 緑化イベントの実施
(1)緑化イベントの継続的な開催と新規開拓
① 市民と行政の協働による緑化イベントの開催やPR
重点
施策
緑化イベントは、以下に示すように市民と行政の協働により各種開催されており、こ
れらの維持と充実、新規緑化イベントの開拓を図ります。
【植樹祭】
平成 24 年に愛知こどもの国で愛知県植樹祭が開催され、緑化関係の表彰や市民によ
る苗木の植樹が行われました。また、植樹祭に合わせて「わくわく緑フェスタ」
「はず夢
ウォーク」などのイベントが豊かな自然の中で開催されました。
【春の西尾バラ展(道の駅にしお岡ノ山)
】
毎年、西尾バラ会と西尾市観光協会の主催による
「春の西尾バラ展」が開催されており、バラの品評
会や品種展示、バラの苗木・切り花の即売、バラの
相談会などが行われます。
【西尾市憩の農園・バラ園】
西尾市憩の農園・バラ園では、春の植木祭り、バ
春の西尾バラ展
ラ祭りなどさまざまな緑化イベントが開催されてい
ます。
【西尾市抹茶街道ウォークラリー】
稲荷山茶園周辺では「西尾市抹茶街道ウォークラ
リー」というイベントが開催され、お茶摘み体験や
野点、工場見学などが行われています。
5−40
茶摘み体験
第5章 緑地の保全及び緑化の推進のための施策
5) 緑化支援制度の周知
(1)民有地緑化や保存樹木に対する補助金交付など支援制度の周知
① 緑化支援制度の PR、優良緑化の表彰
緑化支援制度としては、西尾市緑化条例による「西尾市保存樹木・保存樹林補助金交
付要綱」や、あいち森と緑づくり都市緑化推進事業に基づく「西尾市緑化推進事業補助
金交付要綱」による補助制度があります。
その PR は市のホームページや広報紙等で行われていますが、今後はさらにパンフレ
ットやチラシの配布などによる PR に努めるとともに、緑のカーテンコンテストなど優
良緑化に対する表彰制度の充実を図ります。
■優良緑化の表彰(参考)
・L 字型の全長 50 メートルに渡る緑のカーテンです。
・緑のカーテンを正面玄関や従業員窓口に設置したことにより、従業員の省エネ意識が高まり、自
宅で緑のカーテンを設置する従業員が増加しました。
平成 24 年度「あいち緑のカーテンコンテスト」優秀事例 事業所部門
株式会社デンソー善明製作所、植物の種類:ゴーヤ
資料:愛知県
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