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プッシュプIWtワ⊥アンプ
/ B級双3極管をカソードフォロワーでドライブ UZ79 プッシュプIWtワ⊥アンプ 征矢 進SoYASusumu B級プッシュプル用双3極曹UZ-79を出力管に使用し たプッシュフルアンプ B級というと,歪率特性にう ねりを生じてしまい.一般的に敬遠されることが多 い.その理由を探るとともに,カソードフォロワー管 による歪率の変化 バイアス電圧の変更により歪み がどのように変化するのかなどを実験して,満足で きる音質のパワーアンプを製作する.また,スタガ- 造田蝿真義時論速二二二三_ リングに対する証明および実証をして,あえて1 : 1 としたか2段パワーアンプの場合 負帰還6dB以内 であれば ピークを生じないことを証明できた. はじめに 良好でした その場合.回路がや 参考のため,過去に製作した各 や複雑化してしまうことが難点で アンプの歪率特性を図1 (a) ∼(C) 2014年12月号でeAeプッシュ に再持します.そのデータを基に, プルパワーアンプを.まだ 2015 年3月号では19プッシュプルパ ワーアンプを2回にわたって紹介 しました いずれのアンプも特徴 忠,それほどコストをかけず 気 軽に製作できることを主眼にしま した ダ)ッドがはとんと正領域しか ないB級増幅双3極管を使用して パワーアンプを製作すると5,徳 002 005 01 02 05 2 5 10 20 出力電力〔W〕 [図1 (a)]カソードフォロワートライブ6A6プッシュプルパワーアン プの歪率特性 NFB-1 1.6dB(2014年12月号) 来ではステップダウン形式の入力 10 トランスを使用するのが一般的で した _一一 I しかし.その目的に適合する形 式の入力トランスは入手難で ま た入手できたとしても特性のよい ものは高価になってしまいます. / 霊2 蹴 闘1 -ch f二一 局- ○- 僣z a 〟 ノ 今までの経験からいえることは, カソードフォロワー直結でドライ 関しては.カスコード回路を出力 段に応用したGGS回路のほうが 201 6/1 劔 /剪 05 オーj オー/ ズ ax) 儉h-056V 劔 桟留 (∨ ブできれば コストを下げること ができます.ただし,歪率特性に 白 5 )」001 002 005 0 . , R -C-im 劔 1 02 05 1 2 3 出力電力〔W〕 [図1 (b)]カソードフォロワードライブ19プッシュプルパワーアンプ NFB-9 8dB (201 5年3月号) 107 80 ク B という値は実測値と大きくかけ離 剪 70 れています. 2ユニットの合計値 r 65 ︹vuJ︺.HJ即し'・rIe)LIJn A ∩ だとすると,実測値とほほ一致し 60 ・l臆 ますから, lユニットのピークダ 50 ●臆 5V リット電流は20mA程度だと思 われます. 4 0 30 2 /gミつ 、」 剪 0 Vヤ 牝 回路設計 b 剪 4 5V 本機の回路は図8に,また使用 I 20mA 劔冦 0 三二 Oo V 亅 5 0V ツ 国 牝 0 迭 0 した主な真空管の定格を表1に示 刪鼈 mA 剴#S します. 臆 プレート電圧〔V〕 pod-- (250-20)×65 -75〔W〕 2×1000 (1)初 段 初段には12AX7Aを起用して [図7(a)] Uz-79のEp-/p /g特性 差動増幅回路で使用しました 將 r 亅 専 一 無帰還では約0.7Vで最大出力が = 一 V V - V 一 一 千 -W 園 ますが 差動増幅では半分の30 倍程度となります.したがって. 一 臆 だと60倍程度のゲインを得られ i-帥N ■ 12AX7Aはカソード接地回路 i ︹V∈︺ 爆腫上Inn 8 刊 脚 w SS 得られますが 負帰還を6dB程 度かけるとすれば1.5V程度の 入力電圧が必要になることが予測 劔 05 劔備D テR 7h8ネ ク6y6H ク ツ 劔劔簸eFテモ#S エ # #S gm-一缶-一週ユニ1 6〔ms, (E6-loo-140V聞・ E9-0-140V問, 05 rD-薯--薯-435… (E0-loo-200V間E9-OV時) ifZ_≡ 190 100 できます.感度が低いと思われる 方もおられるでしょうが プリ アンプ由来の残留ノイズに対して S/Nが取りやすくなり,かえっ =80 (Ep=180-100V問 E8-0--lV聞) AEc † て使いやすくなることもあるでし ※ u=glTTX/p=16×435-70 ょう. [図7(b)i uz-79のEp-Ip特性 差動増幅を行うための走電流ダ イオードはImAのものを2本並 電圧増幅管として使用する場合の は不明ですが 20-30倍の電圧 列に入れましたが2mAのもの 特性です・図中の下にEp-Ip特 増幅ができる電圧増幅管としては でも結構です 与える電圧は 手 性から割り出した3定数を示しま 使いやすい特性だといえるでしょ 持ちのツェナ-ダイオードの関係 す. LLは真空管マニュアルでは85 う で27Vとしましたが ここは10 -20Vあれば充分でしょう.負 となっていますが 図からは約80 図7 (a)は電力増幅用の特性図 だといえます.なお,計算値では です・ Ep=250V. Eg-OVに動 荷抵抗は100kQとして. Ep- 70程度となります(〟-互Xgm). 作点を置5.負荷として14kQを 200V程度で動作させています. 内部抵抗値はマニュアルで 与えると7.5W程度の出力を得ら は. 6.8kQとなっていますが 多 れることがわかります.このと5. 分68kQの誤りではないかと思 います.図から導き出した値は 図からかまピークで65mA流れ 前述したようにドライブ管とし ることがわかります・ Zgがどの程 ては5687WBが低歪みだったの 43.5k Qです. 度流れるかも図中に示されていて, で そのまま採用しました与, 40mA程度となっています. -250Vでデカップリング回路は いずれにしてもUZ-79を初段 に使用すれば 音質は今のところ 110 後で説明しますか この40mA (2)ドライブ段 使用せず UZ-79のB電源と共 MJ uz79プッシュプルパワーアンプ 30pFIW217VlU2-79 0互F630V一一2lV 劔劔傚48岐 L-chl 入力2ミミ 劔+i.lV ・o曹∨約-ノ喜5 I 417kOl/4W20kO(B)47kOIW20.17V 轟詰軸V32 lkO6223V lW 劔一一日V7 9 剪モs b 處鞁R 258V -27V ワンポイント シャシー アース に イ 3Ub 劔 ツ 劔 Bl " 劔 剪 E 12AX7AX2PM0-170M5R-K16 499613V 55215Vo 剴UcSH囮;9 剿 S 5687WBX2 4848813V 552割o 劔Di テ #S# t貲6エ CS イ I(2 剴 ;≡ # b Cf SSS.ii 剪 -160V-lOOV 剪 メ Θ瀞 r +lOOLJF -lOOV 牝イ s V 320V ・AC ンレット モ モ #賠r ∩ -、i「 蝶ヽ 壊it. '帝 剴3S 劔刮ー b U」s c 5h 30kQ ウ Ub 2W cb 豆ヤ罎艷 51003WlOkQ 263lG4KH4号6lPH4菖6 ヒューズ (3A) 劔2K37102K3 2P2i--ー5lP262〈ご81K262 [図8] Uz-79プッシュプルパワーアンプの回路図 JZ・79 n 12AX7A 5687WB 5R-K16 [表1]主要真空管の定格 型番 儷Z-79 種別 ら,〔∨〕Xh〔A〕 最 大 鉄cビ ddノ 症 檎 Pp〔W〕 .3×0.6 埜 Ik〔mA〕 作 "緝 紊R 6.3×0.9 ク ツ 涛 8 涛 E81〔∨〕 RL〔kO〕 高村双3極管 12.6×0.15 澱 250 300 免ツ絣閲ネ8h6ィ6(6r Eh-k〔∨〕 動 12AX7 8ヲル9「 ク4竰 90 唐 モ -12.5 蔦" B 例 埜 ク ん〔mA〕 ツ 迭 250 S 250 12 /glmAJ gm〔mS〕 〟〔mA〕 plkQJ PouI〔W〕 同等管 糞 綟メ 塔Uウ メ 澱繞ウC2絛メ 5.4 綯 16 3 田"絣 唐 剖鍍r 556688籍)搬型 []は特性図より割り出した値 通にして供給しています.この方 レート電圧の低下を避けることが ことで)ップルは増加するはずで 法だと. B電源のレギュレ-ショ できるからです. すが プッシュプル回路の利点で ンがよく,ダ)ッド電流によるプ 反面デカップリング回路がない 互いに打ち消しあって出力には現 2016/1 iFE uz79プッシュプルパワーアンプ ちなみに.両チャンネル同時に [表2]主要パーツリスト フルパワーとしても,電圧降下は 20V以内に収まりました 項目 佛餉B 真空管 . B 俵「モs フィリップスECG 通して,コンデンサー入力としま 与えて,大きな出力電圧を取り出 迭 卜フ/ス チョークコイル 15kQの抵抗と4701lFの大容量コ t 2 86y ゥzr イ イ 1.5kV 釘 ヤ2モ #賠r 2 1 220uF500V ています. -B電源はAC70Vを半波整流 ユニコン 470uF450V ニチコン 100uF160V ユニコン 100uF50V 釘 0.1uF630V 使用バーツ 抵坑 釘 UZ-79はRCAを使用しました などの製品があります.この真空 管は主に米国で生産されていたよ H488ク8 リ484ィナ 1 "リ4 コ-ア 伜 クナ ナ 酸化金属皮膜型 嶌セ 餒yhネナ アムトランス 伜 アムトランス 伜 アムトランス 伜 嶌セ 嶌セ 嶌セ 餒yhネナ 餒yhネナ 餒yhネナ アムトランス 伜 アムトランス 伜 嶌セ 嶌セ 餒yhネナ 餒yhネナ 47kOIW アムトランス 伜 嶌セ 餒yhネナ 20kOIW 10kOIW アムトランス 伜 アムトランス 伜 嶌セ 嶌セ 餒yhネナ 餒yhネナ 1k01W 1001/2W うで 入手は楽でしょう. シズキ 20pF 470kOIW 釘 100kOIW 釘 が ほかにフィルコ.シルバニア ク7X8 凛x,Hナ リ484ィナ 330kO2W 15k02W 10kO2W 釘 2に示します. 8X ユニコン 30pF オ Ur 51003W 本機に使用した主要パーツを表 ナ ユニコン 100uF100V 平滑回路を通して供給しています. %ク 日本ケミコン 220〟F100V して,抵抗とコンデンサーによる アムトランス 伜 嶌セ 餒yhネナ アムトランス 仞 餒yhネナ 22kO1/4W 4.7kO1/4W 5687WBは5687の改良タイ 12AX7AはGE製を,また5R・ ク8ク6 PMC-170M ンデンサーで充分平滑して供給し ないでしょう. ( 中国 謬 E-102 ケW9n" RD27F したいと考えたからです.その後 プです.どちらを使用しても構わ QQQ 直径9mm ダイオード ク4ィ ケW9n" ケW9n" 中国 MT9ピン した これは300V以上の電圧を ク4ィ 東芝 UZ6ピン 備考 ク4ィ GE 5R-K16 イ メーカー不問 12AX7A leのカソードからダイオードを ク4ィ 4 5687WB 12AX7A用のB2電源は 5R-K 数量 2 ボリューム エ 2 (5 (5 入力用 20kO(B) 釘 シャシー 番イモ3S 1 ィ ク6 その他 Kleは東芝製を使用しました 真 空管は新品であれば 特にメーカ ーは問いません 入手できるもの を使用してください. † 」 ソケットとグリッドキャップは 重要な部品なので 食い付きのよ い新品を使用してください.中古 品や蕨合具合の悪いものは.あと でトラブルの原因にもなりかねま - Ii-----....-----....- 劔 せん. トランス類は.すべてノダチト ランス販売で入手できます. [図10]ノグチトランス販売の出力トランスPMF-40P-14K-NFデータ 出力トランスはPMF40P14K-NFで1次インピーダンス み込まれているので 本機ではそ す. は14kQとなっており. 40Wの容 の巻線を利用して,オーバーオー l次インピーダンスが高い出力 量を持つ大型のものです.この出 ルの負帰還をかけました 出力ト トランスは,高域での暴れが大き 力トランスには,負帰還巻線が組 ランスのデータを図10に示しま いと思っていたのですが 大きな 201 6/1 113 たときの方形波応答波形です.局 波数はすべて10kHzで 出力は L lW時です.負帰還量が5dBと少 ● ないためか.負帰還巻線から帰還 8 _ 2 u r VD" i ( ィ6Ifメ 汁 していることによるのか,安定し 琶 1、 a I 4 た動作を行っていて,発振に対す 顔 揺 腫05 る心配は不要でしょう. ○ ○ ′,↓' ヲ ツ 〟 写真18は歪み波形で 出力lW ・J-- 8耳耳耳 2メ 劔∼ 劔 〇一一一一〇f-l 劔牟 i エ 弗ナ bリ4 2 時では3次歪みが主体になってい 剪 02 〇一一一〇/-i iiiii 劔 4-i エ ることがわかります. 賠 bリ4 B 、ナ bリ4 2 末末 剪 残留ノイズは入力ショート時で 001 002 005 01 02 05 1 2 lmV程度でした 出力電力〔W〕 [図16]歪率特性 試 聴 試聴では 音の線の太いところ 醒語国 [写真12]方形波応答波 [写真14]方形波応答波 形(L-ch, I- 100H乙RL 形(Lch, i-lkHz, HL- 形(Lch, i- 10kHz. pL -80,出力1Vms,上 80,出力1Vrms,上人九 -80,出力1V,ms,上i 入力i下 出力) 下 出力) 入力,下 出力) は少ないのですか スピード感が あり.きめ細かい点は評価できま す. 出力7Wなので 低能率スピー カーにはきついかと思いましたが フオステクスの口径10cmの小型 スピーカーも.大音量を望まなけ れば破綻をきたすところもなく. 心地よく聴くことができました. 固閣固 [写真15]方形波応答波[写真16]方形波応答波 [写真17]方形波応答波 形(L-ch, i-10kHz,負 形(L-ch, i-10kHz, 80 形(L・ch, i-10kHz,負 荷オープン,上 入力.下 の抵勧こ022uFの容量 荷は022uFのみ,上 出力) を並列接続,上入力,下 入力.下 出力) 出力) 試聴用に常用しているTADダ ブルウーファーシステムでは.パ イプオルガンの地を這うような低 域も充分再現できています. 製作費を考えれば コストパフ ォーマンスの優れたアンプではな いかと思います. 終わりに 3極管によるB級プッシュプル パワーアンプの音質は充分満足で 図図 118 きますが 歪率特性を改善する余 終特性時の応答波形です.補正 地を残しています.そこで次回は を行わないときは,若干オーバー GGS回路(カスコード接続を出力 シュートが発生しますか 細容量 段に応用したもの)で 今回使用 負荷時でもl)ンキングはわずかで した, U2-79パラレルプッシュプ 不安定にはなりませんでした ルパワーアンプを紹介したいと考 [写真18]出力1W (2 83V)時の歪み波形(i 写真15は負荷オープン時,写 -1kHz,上.入力.申.出 真16は8Qの負荷抵抗に0.22LLF 気になる歪率特性がどの程度改 刀,下 歪み波形) の容量を並列接続したときの,写 善するか.また音質がどのように 真17は0.221lFの容量を負荷とし 変化するか興味はつきません えています. MJ