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Title 高齢者のボランティア活動に関する研究の動向 : シニア ボランティア

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Title 高齢者のボランティア活動に関する研究の動向 : シニア ボランティア
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高齢者のボランティア活動に関する研究の動向 : シニア
ボランティアの現状と課題
中原, 純
生老病死の行動科学. 10 P.147-P.155
2005
Text Version publisher
URL
http://doi.org/10.18910/4212
DOI
10.18910/4212
Rights
Osaka University
高齢者のボランティア活動に関する研究の動向
シニアボランティアの現状と課題
A review ofresearch findings for the current state
凶 orvolunteers.
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(大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程) 中 原
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I はじめに
近年、老年学の分野では active agingJ や productive agingJ という言葉が頻繁に語ら
れるようになった。 active agingJ とは、活力ある高齢化や生き生きとした長寿を目指すと
いう考え方で、 1
9
9
0年代の後半から欧米の老年学者の聞でいわれるようになった考え方である
0
0
3
)。また、 productive agingJ とは、『老い』というものをポジテイブにとらえ、
(前田, 2
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y (依存性).]ではなく productivity (生産性)J という発想を持つこと、そして、
その発想によって、高齢者の持つ能力をもっと社会に活用していくためのスローガンとして生
まれた概念である(パトラー・グリーソン, 1
9
9
8
;Caro,Bass,& Chen,1
9
9
3
)。
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r
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現在の日本において、仮に高齢期を 65歳以上とするならば、 65~74歳は比較的健康な前期高
齢者、 7
5歳以上をより健康上の老化が進んだ後期高齢者と呼ぶことができる。このように、 6
5
歳以上の人々は高齢者とーくくりにできないほど、身体的な健康および、機能上、多様な人々の
集団となっている。後期高齢者に多く見られるような、健康上の障害を負った人に対しては、
2
0
0
0
年に制定された介護保険等の公的な援助が必要で、ある。一方で、比較的元気な前期高齢者
であるとはいえ、退職後の社会的役割の喪失(竹内, 2
0
0
4
)、生きがい感の喪失(近藤・鎌田,
2
0
0
3
)、社会的ネットワークの変化(西村, 1
9
9
3
) 等、様々な問題を抱えると言われている。
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J であり、社会にとって
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J かつ r
productiveJ な活動の代
これらの問題を解決するためには、高齢者自身にとって
r
productiveJ な活動を行うことが必要である。この
表 的 な 「 場J として、ボランティア活動が考えられることは多い (Herzog, & Morgan,
1
9
9
3
)。そこで、本論では、ボランテイア活動の現状、ボランティア活動の促進要因、ボラン
テイア活動の心理的効果についてレビューし、今後の日本におけるシニアボランティアの可能
性について考察する。
-147一
E ボランティア活動の現状
1.ボランティア活動の定義
ボランテイア活動についての決まった定義は存在しないが、「ボランテイア」は広辞苑
(
1
9
9
8
) によると、「志願者、奉仕者、自ら進んで、社会事業などに無償で参加する人」とされて
いる。つまり、ボランテイア活動は「ボランテイア」が行う活動と定義されると考えて差し障
りないはずである。このように定義を考えると「有償ボランテイア Jという言葉があるように、
ボランテイア活動の定義の枠を超えた概念を説明できなくなるなどの問題点を残すことにもな
るが、本論文においてはこの点を議論することが目的ではないため、詳細な論述は避けること
とし、先に述べた簡略な定義を採用することとする。
また、ボランテイア活動同様、シニアボランテイアの定義についても存在しない。本論文に
おいては、シニアボランテイアを 6
0
歳以上でボランテイア活動を行っている人と簡略に定義し、
論を進めることとする。
2
. ボランティア活動の現状
現在、 1年間に何らかのボランテイア活動を行った人は約 3
2
6
3万人であり、全国民の 2
8
.
9
%
にも上ることが明らかとなっている。その中で、高齢者に焦点を当てると、 60~64歳の人で、
30.5% 、 65~69歳の人で 3 1.4% 、 70歳以上の人で、も 25.5% となっている(総務省統計局, 2
0
0
1
)。
これらの数値から、日本において高齢者のボランテイア活動は一般的な活動になっていること
がわかる(前田, 2
0
0
3
)。
一方、より積極的にボランテイア活動に参加している人のデータとして、都道府県・指定都
市社協及び市区町村社協ボランテイアセンターで登録または把握しているボランテイア活動者
数は約 7
4
0万人、活動団体は 1
0
1,
9
7
2グループと言われている(厚生労働省, 2
0
0
4
)。また、そ
のような団体の会員の 3
0
.
8
%は6
0歳以上の高齢者であるという報告がある(厚生省, 1
9
9
6
)。
調査の年代が異なるため、単純な数値の計算でシニアボランティアの数を把握することはでき
ないが、積極的にボランテイア活動に関わる人の多くは高齢者であることがわかる。
E ボランティア活動の促進要因
1.属性要因
日本において、ボランテイア活動を行う人の属性要因を取り上げた実証的研究は存在しない。
しかし、実態把握の資料は存在するため以下に紹介する。厚生労働省 (
2
0
0
4
) によると、ボラ
ンティア活動団体所属メンバーの 7
2
.
7
%が女性である。また、ボランテイア団体所属メンバー
の職業では、主婦・主夫が3
8
.
1%で最も多く、次いで定年退職後の方が2
4
.
5
%となっている。
以上の結果から、性別が女性であることと、定職を持たないことがボランテイア活動を促進す
る要因となる可能性が示唆されている。
一方、海外においては、年齢が6
0
代であること (
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2
)、高学歴であ
ること、生まれた土地で生活していること (
Cambre,1
9
9
3
)、高収入を持つこと (
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Musick,1
9
9
7
) などがボランティア活動を促進する要因としてあげられている。これらの要
因は、日本の研究において、自明のこととしてなおざりにされている可能性があるが、ボラン
ティア活動の促進要因であると結論付けるには研究が少ないため、今後詳細な検討が必要とさ
れる。
-148ー
2
. 心理的要因(動機付けの研究か 5)
ボランティア活動を促進する心理的要因は主に大学生を対象に動機付けの研究として行われ
てきており、伝統的には自発性を基礎とし、公益性、奉仕性、献身といった動機が重なること
によって行われるものとされてきた (
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;田尾, 2
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0
1
)。しかし、迫他(19
9
7
) の大学生を対象と
した研究においては、身近な興味ある活動を通して経験や視野を広めたいという動機からボラ
ンテイア活動を行うという結果が出ており、伝統的な要因のみでは説明できないことが示され
ている。そこで、以下に伝統的な心理的要因以外で、先行研究で取り上げられてきたものを、
1
特に高齢者が対象ではない場合と高齢者を対象とした場合に区別して概観する。
特に高齢者を対象としていない研究においては、他者の幸福を望む利他的動機、自己の成長
や幸福を望む利己的動機、社会からの恩恵に報いるためにボランテイア活動を行う社会的義務
の側面からボランテイア活動を説明しようと試みた研究が多い (
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.,Cnaan & G
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91)。その中でも、 Cnaan& G
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G
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19
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)
はボランテイア動機尺度 (MTV:M
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) を開発している。そして、日本
においては、これらの動機の中で、利己的動機が最も重要であることが示唆されている(谷口,
2
0
0
1
)。安藤・広瀬(19
9
9
) はこの利己的動機に焦点を当て、ボランテイア組織への帰属意識
の高さ (Abram,Ando,& H
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9
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y & Caro,1
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;Rouse, & Clawson,
1
9
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2
)、他人からの期待の程度についての認知である主観的規範 (
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n&Ajzen,1
9
7
5
)、
活動に対するコスト評価がボランテイア活動意図と関連することを示している。
一方、高齢者を対象に Lた研究では、 C
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y,Snyder,R
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; Haugen,
& Miene (
1
9
9
8
) のボランテイア活動動機尺度 (VFI:V
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y
) に関
する一連の研究がある。 VFIは
、 K
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19
6
0
) や Smith,Bruner,& White (
1
9
5
6
) の伝統
的な態度理論を背景にし、ボランテイア活動に関する研究 (
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y &M
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d, 1981;G
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n, 1978;.J
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r, 1982;
Rosenham, 1
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) をふまえた上で作成された、価値観 (
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)、社交性 (
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)、防御
(
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)、理解・学習 (
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)、キャリア (
C
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)、自尊心 (Enhancement)
の6因子、 3
0
項目からなる、主に利己的動機を扱った尺度である。そして、 C
l
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ye
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l
.(
19
9
8
)
や Okun,B
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r
r,& Herzog (
1
9
9
8
) において妥当性や信頼性が示されている。 VFIが作成さ
れる以前は、ボランティアの活動動機について、様々な内容の 2~6 のカテゴリーに分類されて
きた (
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訂 y
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ynder,& S
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;G
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8
4
;Morrow-Howell& Mui,1
9
8
9
)が
、
現在では、 VFIを 中 心 と し て ボ ラ ン テ イ ア 活 動 研 究 は 行 わ れ て い る (
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., Bowen,
Andersen,& Urban,2
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0
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;Okun& S
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0
0
3
)。
そして、 Okun& S
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z(
2
0
0
3
) は、高齢者は理解・学習やキャリアを求めてボランティア
活動に参加するというよりは、より社交性を満たすためにボランテイア活動に参加する傾向に
あることを示している。また、日本においても、 VFIは李・斉藤・高橋・甲斐 (
2
0
0
4
) によっ
て翻訳が試みられており、今後、 VFIを利用してボランテイア活動動機研究が展開されてい
くことが予想される。
しかし、これらの心理的要因に関する研究は、ボランテイア活動の開始動機 (
rなぜボラン
) と活動継続動機 (
rなぜボランティア活動を継続するのか?J
)の
ティア活動をするのか?J
2点が混在するものである。谷口 (
2
0
0
1
) や安藤・広瀬(19
9
9
) はこれらの区別を行いながら
-149ー
研究を試みているが、両研究とも開始動機と継続動機の区別を直接の目的としないため、十分
な議論はなされていない。これからシニアボランティアになろうとする高齢者にとって重要な
のは前者であり、既に活動をしている高齢者にとっては後者であることは明白で、あり、今後シ
ニアボランテイアを促進することを考えるならば、以上の 2点を区別した活動動機の議論が必
要とされる。
百
ボランティア活動の心理的効果
ボランテイア活動の効果を考える際に、活動の結果生み出されたものが「如何に社会に役に
立つものであるのか」という効果と、活動の結果「如何に活動者自身の変化を生むのか」とい
う効果の 2つの視点でボランテイア活動の効果を考えなければならない。前者の効果について
の研究も数多くなされており (
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浦・大沼・野波・広瀬, 1
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)、 i
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J を考える上では重要なことであるが、本
論においては後者の効果を中心に以下にレピューする。
高齢者がボランテイア活動をすることの個人内への効果についての初期の研究には、ボラン
テイア活動と身体的・精神的健康との関係性のみを示し、関係の方向性については課題の残る
e
.
g
.,Ager,1
9
8
6
;Hunter& L
i
nn,1
9
8
0
) が多いのに対して、縦断的なデータを用い
研究 (
て因果関係を明らかにしようとする研究が近年増加している。まず¥身体的な効果については、
ADL (
A
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) (Lum & L
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t, 2005;Luoh & Herzog, 2
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2
;
Menec,2
0
0
3
)、IADL (
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) (Lum&L
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ぜ
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t,2
0
0
5
;
Menec,2
0
0
3
)、身体的な機能低下・障害の予防 (
G
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s, Seeman, Herzog, Kahn, &
Berkman,1
9
9
5
;Moen,D
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M
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n,& W
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s,1
9
9
2
)、死亡率の改善 (
G
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se
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.,1
9
9
5
;Musick,Herzog,& House,1
9
9
9
;Oman,Thoresen,& Mcmahon,1
9
9
9
)な
どとのポジテイプな関連が示されている。しかし、 Lum& L
i
g
h
ぜ
'
oo
t(
2
0
0
5
) は、先行研究が
身体的健康を主観的に尋ねたものに過ぎないという点を指摘し、医学的な診断での身体的健康
や老人ホームなどへの入所状況との関連を分析し、ボランティア活動がこれらを説明しないと
いう結果を報告している。この研究をもってボランテイア活動が身体的健康に影響しないと結
論付けるのは時期尚早で、はあるが、従来の知見と異なる結果が報告されたことで¥ボランテイ
ア活動と身体的健康の関係は更なる検討が必要となったと考えられる。
e
.
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.,Van W
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n,2000;T
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s,&
次に、精神的な健康との関連では、生活満足度 (
H
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,2
0
01)、主観的幸福感 (
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.
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.,Menec,2
0
0
3
;T
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s& H
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t,2
0
0
1
)、抑うつ (
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.
g
.,
Morrow-Howell,H
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g,R
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i
o,& Tang,2
0
0
3
;W
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n& Musick,1
9
9
7
)、自尊心
(
T
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s& H
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t,2
0
0
1
) などとの関連が示され、ボ、ランテイア活動は概ねポジテイブな影
響を及ぼすことが明らかとなっている。
i
l
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g
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n(
2
0
0
0
) において、若者はボランテイア活動時聞が8
0時間程度を境に
また、 VanW
それ以上のボランテイアは生活満足度を低下させるが、高齢者は単調増加を維持する。一方で、、
0時間程度を境に身体的健康を低下させるという結果が報告されている。 Morrow高齢者は 8
H
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le
ta
l
. (2003) は週 2~3 時間の活動が最も身体的・精神的健康によしそれ以上は効
果がないと報告している。活動適正時間については、研究の歴史が浅いため十分な議論がなさ
れておらず、今後の課題といえる。
その他、ボランテイア活動自体が死亡率に影響するのではなく、そこで築かれるソーシャル・
ネットワークによる情報的サポートが死亡率の低下を実現するといった指摘 (Lum & L
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) がある。同時に、従属変数が死亡率ではないが、ソーシャル・ネットワークが身
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体的健康にポジテイブに作用するという報告は多い (
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) の指摘の妥当性
が示唆されている。さらに、役割理論 (
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) を背景として、ボランティア活動に
よって役割アイデンテイティを持つことが身体的・精神的健康によい影響を与えることを示し
た報告 (
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) は、高齢者にとって社会的役割が重要であることを実
証的に示し、ボランティア活動がその役割を担えることを示した点で意義のある研究と考えら
れる。
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eに生活することによって、高齢者は
以上の先行研究から、ボランテイア活動を行い、 a
自身の身体的・精神的健康をポジティブに変化させることができることが示されている。同時
に、高齢者がボランティア活動を通して健康的に生活することによって、高齢者の介護にかか
る労働力や資金が削減できると考えられる。つまり、高齢者自身のポジテイブな変化は、間接
的には、社会に貢献するものであり、 p
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eなものであるとも考えられる。
V 日本におけるシニアボランティアの可能性
1.学問上のまとめと課題
先行研究をまとめると、高齢者がボランティア活動を行うことは一般的であり、彼らは社交
性を満たすためなどの利己的動機によってボランティア活動を行う。また、その結果、ボラン
テイア活動は個人の身体的・精神的健康にもポジテイプな影響を与え、そのポジテイブな影響
が社会的貢献に寄与する可能性を考察した。つまり、ボランテイア活動は a
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J を可能にする活動と考えられ、ボランテイア活
動を行うことは前期高齢期の様々な問題(近藤・鎌田, 2
003;西村, 1
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;竹内, 2
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4
) を解
決する方略となることが示唆される。
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逆に、明らかになっていない点は、ボランテイア活動の属性要因に関すること、活動の開始
動機と継続動機の区別、ボランテイア活動の適正頻度および時間などである。今後、以上のよ
うな先行研究からの知見と課題をふまえた上で、課題を明らかしていくような研究が必要であ
ると考えられる。
また、本論でレビューした研究の多くはボランテイア組織に自ら積極的に参加している人の
結果であるため、ボランテイア活動のニーズが高い対象者についてのみの結果である。ボラン
テイア活動を行いたいと思わない人に対するボランティア活動のポジテイプな効果が立証され
ているわけではない。この点に関して、明確な結論を持たないままシニアボランテイアを促進
することには、多少の危険が含まれると考えられるため、早急な研究と議論が必要とされる。
2
. 日本におけるシニアボランティアの可能性
2
2において日本の高齢者がシニアボランティアとなることは一般的になっていることは既
に述べた。そして、今後団塊世代の高齢化に伴い、前期高齢者人口が飛躍的に拡大することが
予想されることは、シニアボランテイア人口の増加を示唆するものである。今後、シニアボラ
ンテイアの多様なニーズに対して、ボランテイア団体が各人のニーズにあった活動を斡旋でき
るかどうかが課題となる(佐瀬, 2
0
0
3
)。団塊世代のボランテイア活動への具体的なニーズを
調査 L、それにあった活動を提供することができれば、日本においてシニアボランテイアは活
発になるであろう。
引用文献
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