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IAEA核セキュリティ国際会議
資料1
IAEA核セキュリティ国際会議
(概要)
平成25年7月2日
外
務
省
1 7月1日,ウィーンにおいて,国際原子力機関(IAEA)の主催により,
「核セキュリティに関する国際会議:グローバルな努力の強化」の閣僚会合が
開催され,我が国から政府代表として,鈴木俊一外務副大臣が出席した。
2 同会議は,IAEAが主催する核セキュリティに関する初めての閣僚級の
会議であり,核セキュリティ強化のための国際社会における近年の成果を総括
するとともに,2014年以降の中長期の目標及び優先事項についての見解を
とりまとめることを目的として開催された。
3 鈴木副大臣は,閣僚会合において我が国政府代表として7番目に登壇し,
概要以下のとおり演説を行った(同演説の全文の和文,英文)。また,閣僚会合
初日に,閣僚宣言が発出された。(和文骨子,英文全文)
(核セキュリティにおけるIAEAの役割と我が国のサポート)
核セキュリティ強化のためのIAEAの主導的役割を評価。特に,200
1年9月11日の米国同時多発テロ発生以降のIAEAの包括的な取組を
評価し,IAEAの活動を支持・支援。核セキュリティ基金にも拠出。
2011年3月の福島第一原発事故に関し,得られた知見・教訓をテロ攻撃
とそれに伴う事故に対する備えにも活かしていくことが可能。我が国は,引
き続き,関連する情報について透明性をもって加盟国と共有し,国際的な核
セキュリティの強化にも貢献する考え。
(核セキュリティ強化のための国内的取組)
核セキュリティ確保には,行政の広範な分野にわたる取組が必要。政治的リ
ーダーシップの下,関係機関による緊密な調整・協力が重要。
我が国は,保障措置,原子力安全に,核セキュリティを入れた「3S」の重
要性を一貫して主張。昨年9月,核セキュリティ,原子力安全及び保障措置
を独立した組織で一元的に扱う原子力規制委員会を設置。
我が国は,共同実動訓練等の核セキュリティ対策を着実に実施してきてお
り,今後ともこれを継続。
我が国として改正核物質防護条約(注1)の重要性を認識しており,締結に
向けた検討を加速。
我が国は,国際核物質防護諮問サービス(IPPAS)(注2)ミッション
の可能な限り速やかな受入れ及びそれに先立つIPPASワークショップ
の2014年3月までの開催につき前向きに検討中。
(核セキュリティ強化のための国際的取組)
我が国は,核セキュリティ総合支援センター(ISCN)
(注3)による各
国の能力構築支援を行ってきており,今後も貢献を継続。また,各国・地域
の研究拠点との協力を推進。
JAEAとIAEAとの間で協力をさらに進めるべく,プラクティカル・ア
レンジメント(注4)を結ぶ方向で検討中。
ソウル核セキュリティ・サミットにおける輸送セキュリティに関する共同声
明を踏まえ,我が国は,先般,第1回作業部会を開催し,今後,机上訓練を
開催する予定。ハーグ核セキュリティ・サミットに本分野に関する提言を提
出すべく,引き続き主導的役割を果たしていく考え。
4 また,鈴木副大臣は,天野IAEA事務局長,ティマーマンス・オランダ
外務大臣,モニーツ米エネルギー長官と個別に会談を行った。
(1)天野IAEA事務局長
鈴木副大臣から,核セキュリティ分野における天野事務局長のイニシアティ
ブを高く評価する旨述べるとともに,我が国の取組について説明した。
また,福島第一原発事故後の対応に関するIAEAとの協力を引き続き進め
ていくことを確認するとともに,北朝鮮,イランの核問題をはじめとするIA
EAの取組を引き続き最大限支援していく旨述べた。
天野事務局長からは,本会議への鈴木副大臣の参加及びIAEAに対する日
本の支援に対する謝意を述べた上で,IAEAによる福島への支援を継続して
いく旨述べた。
(2)ティマーマンス・オランダ外務大臣
両者は,2014年のハーグ核セキュリティ・サミット及び同年の軍縮・不
拡散イニシアティブ(NPDI)広島外相会合に向けた協力を確認し,日蘭関
係のさらなる強化について意見交換を行った。
(3)モニーツ米エネルギー長官
鈴木副大臣から,日米両国が資源・エネルギー分野において協力を進めてい
くことが極めて重要である旨述べ,米国産天然ガスの対日輸出への協力を要請
するとともに,両者は,今回の核セキュリティを含む日米間の民生用原子力協
力を引き続き進めていくことを確認した。
注1:核物質防護条約は,核物質を不法な取得及び使用から守ることを主目的
とする条約。改正により,原子力施設も防護の対象とされるなど,強化
が図られたが,2013年6月現在,改正は未発効(改正の発効には9
9か国の締結が必要。現在68か国が締結。)。我が国は1988年10
月に現行条約を締結,改正は未締結。
注2:IAEAが各国からの要請に応じて提供するサービス。核物質防護シス
テムを評価するにあたっての支援を行う。
注3:主にアジア諸国の規制当局者等を対象に核不拡散・核セキュリティに関
する能力構築支援を行うため,2010年12月に原子力研究開発機構
(JAEA)内に設立された研究拠点。
注4:両機関間の協力の具体的枠組みを整理する,法的拘束力を有さない実施
取決め。
(了)
核セキュリティに関するIAEA国際会議
鈴木俊一外務副大臣政府代表演説
平成25年7月1日
議長,事務局長,御列席の皆様,
日本国政府を代表して,IAEA主催による核セキュリティに関する国際会議がここに
開催されることを歓迎すると共に,貴議長が本件会議議長に選出されたことを心よりお
祝い申し上げます。また,核セキュリティに関し,IAEAとして初めて閣僚級の会議
を開催するという天野IAEA事務局長のイニシアティブを高く評価いたします。
原子力は,発電分野のみならず,その応用的な利用方法として、放射性同位元素を用い
た放射線利用といった形で,医療,食料,工業などの分野でも利用されており,我々の
生活にとって非常に重要なものです。我々が,将来にわたってこうした原子力及び放射
性物質の平和的利用による恩恵を享受していく上では,テロリストを含む非国家主体へ
の核物質や放射性物質の拡散を防ぐべく,保障措置,原子力安全と併せて,核セキュリ
ティの取組を一層強化していくことが重要です。
我が国は原子力先進国として,国際的な核セキュリティ強化における責任と役割を果た
す所存です。
IAEAは国際的な核セキュリティ強化において重要かつ主導的な役割を果たしていま
す。2001年9月11日の米国同時多発テロ発生後,IAEAは,いち早く核セキュ
リティの活動計画を策定し,同計画を実施するための核セキュリティ基金を設立しまし
た。IAEAが,管理と防護の対象を核物質のみならず放射線源にまで広げ,緊急時の
対応や規制体系の整備等を含む包括的な活動計画が提示されたことにより,焦点を絞っ
た形で核セキュリティの取組を進めることを可能としたことを評価しています。
我が国は,核セキュリティ分野におけるIAEAの活動を一貫して支持・支援してきて
います。
IAEAが2002年に設立した核セキュリティ基金にこれまで累計で300万ドル以
上を拠出しています。我が国はIAEAに対する支援を今後も継続していく考えです。
2011年3月の東京電力福島第一原発事故は自然災害に起因するものでしたが,そこ
で得られた知見・教訓は,事故のみならず,原子力施設へのテロリストによる攻撃とい
った「人為的な危害」に対する備えにも活かしていくことができると考えます。
その意味から,我が国は,引き続き,東京電力福島第一原発事故に関連する情報につい
て透明性をもって加盟国と共有し,国際的な核セキュリティの強化にも貢献していく考
えです。
自国内の核物質について徹底した管理を確保することは,第一義的には各国家の責任で
す。核物質の管理等に係る責任の所在の明確化に加え,核物質及び原子力関連施設の防
護のための法整備や,核物質の計量管理及び防護能力の確保,インフラの整備なども必
要です。更に,核物質の防護について実際の運用を行うのは産業界を始めとする事業者
であることから,産業界を含む事業者の更なる関心と関与を得ていくことも重要となり
ます。
このように,核セキュリティを確保していくためには,行政の広範な分野にわたる取組
が必要とされます。たとえば我が国では,十数の政府機関が,核セキュリティに携わっ
ています。多数の機関が関わる核セキュリティを効果的に確保していくためには,政治
的リーダーシップの下,関係機関による緊密な調整・協力が重要です。
我が国は,国際社会において,原子力の平和的利用にあたって,保障措置,原子力安全,
核セキュリティの「3S」の重要性をこれまで一貫して主張してきました。昨年9月,
我が国において原子力規制機関を強化するため他の機関から独立した行政機関として原
子力規制委員会が設置されました。この原子力規制委員会は,核セキュリティ,原子力
安全及び保障措置を一元的に扱う組織となっています。
同原子力規制委員会においては,核セキュリティの規制業務と総合調整機能が集約され,
核セキュリティ分野の体制が抜本的に強化されました。
我が国には,過去半世紀以上にわたる原子力の平和的利用の経験があります。こうした
経験を踏まえ,今後とも原子力規制行政の不断の向上に努めていく考えです。
ここで,我が国が現在行っている核セキュリティ分野における具体的な取り組みにつき,
いくつか御紹介したいと思います。
まず,我が国は,東京電力福島第一原発事故後,原子力発電所を対象としたテロを想定
した実働訓練を,警察,海上保安庁,自衛隊などの関係機関が共同で着実に実施してい
ます。直近では,本年5月,福島第一原子力発電所を対象としたテロを想定した警察及
び海上保安庁による原発テロ対処合同訓練が行われ,陸上及び海上におけるテロリスト
制圧訓練や,着岸中の船舶におけるテロリスト制圧訓練が行われました。こうした具体
的な核セキュリティ対策の実施を今後とも継続していく考えです。
次に,改正核物質防護条約の発効に向けた取組について述べます。2005年7月に採
択された改正核物質防護条約の発効には,核物質防護条約の締約国の3分の2,すなわ
ち,99の締約国の締結が必要とされ,昨年9月に開催された第56回IAEA総会で
も,全ての同条約締約国に対し同改正条約の可能な限り早期締結を求める決議が採択さ
れています。我が国は改正核物質防護条約の重要性を認識しており,その締結に向けた
作業を加速させているところです。
IAEAは各国における核セキュリティに関する取組を支援するために国際核物質防護
諮問サービス(IPPAS)ミッションを派遣しています。我が国でも同ミッションを
受け入れることが望ましいと考えており,IPPASミッションの可能な限り速やかな
受入れ,及びそれに先立つIPPASワークショップの2014年3月までの開催につ
き,前向きに検討しているところです。
次に,我が国の国際的な取組について述べます。
我が国は,国際的な核セキュリティ強化に貢献するために,2010年4月のワシント
ン核セキュリティ・サミットで貢献策の一つとして表明した「核不拡散・核セキュリテ
ィ総合支援センター」
(ISCN)を2010年12月に、日本原子力研究開発機構(J
AEA)の中に立ち上げました。ISCNはIAEA等と協力しながら,主にアジア諸
国の規制当局者等を対象に,核物質防護実習フィールド施設やバーチャル・リアリティ
ー施設などを活用したトレーニング等を実施し,各国の能力構築支援を行ってきており
ます。ISCNは、活動を開始してからの2年間で,アジア諸国等から約700人に対
して,原子力の平和的利用に関するセミナーや核物質防護に関するトレーニング等を実
施しました。我が国としては,今後もこうした貢献を継続・強化していく考えです。ま
た,このような活動の実施にあたっては、世界各国・地域の研究拠点との連携・協力も
重要であり、引き続き推進していく考えです。ISCNは、今般の核セキュリティ会議
の機会にも、アジア地域の能力構築に関するサイドイベントを開催します。
また,我が国のJAEAとIAEAとの間での協力をさらに進めるべく,両者間のプラ
クティカル・アレンジメント(PA)を策定する方向で検討を行っているところです。
本件PAが策定されれば, IAEAとの協力による関連の地域ワークショップ等を計画
的に開催することが可能となり,アジア地域での協力が更に促進されることが期待され
ます。
更に,昨年3月のソウル核セキュリティ・サミットにおいて,我が国は,米,英,仏及
び韓国の参加を得て,核物質及び放射性物質の輸送セキュリティに関する共同声明を発
出しました。同共同声明を踏まえ,先般,第1回作業部会を東京で開催し,さらには今
後,机上訓練を開催し,明年のハーグ核セキュリティ・サミットにおいて,本分野に関
する提言を提出すべく,引き続き主導的役割を果たしていく考えです。
我が国は,核セキュリティ分野におけるIAEAの取組を引き続き積極的に支持してい
きます。これまでの経験,知見を活用しつつ,今後ともIAEAと協力しながら,国内
外の核セキュリティの強化に取り組んでいく決意です。
(了)
Statement by Mr. Shunichi SUZUKI,
Parliamentary Senior Vice-Minister for Foreign Affairs,
Head of Delegation of Japan
At the International Conference on Nuclear Security
Vienna, Austria, July 1, 2013
Mr. President,
Mr. Director General,
Distinguished Delegates,
Ladies and Gentlemen,
On behalf of the Government of Japan, I would like to welcome the
convening of the International Conference on Nuclear Security hosted
by the IAEA and to extend our sincere congratulations to you,
Minister Martonyi, on your assumption of your duties as the
President of this conference. We highly appreciate the initiative of
Director General Amano to convene the first IAEA Ministerial
Conference on nuclear security.
Mr. President,
Nuclear energy is used not only as nuclear power, but also for
non-power applications such as the use of radio isotopes in medicine,
the production of food, and industry. Nuclear energy is an
indispensable resource for our lives. In order to continue to enjoy the
benefits of peaceful uses of nuclear energy, including radiological
materials, it is in our best interests to further strengthen our
endeavors to promote nuclear security, as well as safeguards and
nuclear safety, in order to prevent terrorist or non-state actors from
acquiring nuclear and other radiological material.
Japan, as one of the countries with the most advanced nuclear
1
technology, will continue to fulfill its obligations and responsibilities
to strengthen international nuclear security.
Mr. President,
The IAEA has been playing the central and leading role in
strengthening nuclear security globally.
After the 9/11 terrorist attack in the United States in 2001, the IAEA
immediately took the initiative to formulate the IAEA Nuclear
Security Plan and established the Nuclear Security Fund to
implement this plan. Under this Plan, the IAEA broadened the range
of materials to be controlled and protected for the purpose of ensuring
nuclear security by including radioactive sources, and presented a
comprehensive programme for nuclear security which covers
emergency response and regulations. We appreciate this initiative
which allowed us to work on nuclear security issues in a more focused
manner.
Japan has consistently supported the IAEA’s activities in this area.
Japan has made financial contributions worth a total of more than $3
million to the IAEA Nuclear Security Fund since its establishment in
2002.
Japan will continue its support for the IAEA.
Mr. President,
While the accident at TEPCO’s Fukushima Daiichi Nuclear Power
Station in March 2011 was caused by a natural disaster, it has
provided a number of findings and lessons that are also useful for
preparations for an incident caused by human hand, such as a
terrorist attack at a nuclear power station.
In this sense, Japan will continue to share the relevant information
regarding the accident at TEPCO’s Fukushima Daiichi Nuclear
2
Power Station in a transparent manner and contribute to
strengthening global nuclear security.
Mr. President,
The responsibility for ensuring thorough control of nuclear material
in a country rests primarily with the country’s national government.
Particularly, the government needs not only to make clear who or
which agency is responsible for the control of nuclear material but
also to establish the necessary infrastructure to protect nuclear
material and nuclear-related facilities, including the legislative
infrastructure, as well as capabilities for the accounting for, and the
control and protection of nuclear material. Furthermore, since it is
the operators who actually undertake the physical protection of
nuclear material, it is also essential to further raise industry’s
awareness of and involvement in nuclear security endeavors.
In order to ensure nuclear security, a broad-based effort by
administrators is needed. In Japan, for example, more than ten
ministries and agencies take part in the administration of nuclear
security. Close coordination and cooperation among those agencies
under political leadership are indispensable to effectively ensure
nuclear security.
Mr. President,
Japan has consistently emphasized the importance of “3S”
(Safeguards, Safety, and Security) in the peaceful use of nuclear
energy in the international community.
In September last year, in order to strengthen its national nuclear
regulatory infrastructure, Japan established the “Nuclear Regulation
Authority (NRA)”, a new independent administrative body. The NRA
is responsible for the regulation of all “3S” under one authority.
3
In particular, the regulatory work and general coordination functions
on nuclear security are integrated into the NRA, thus fundamentally
strengthening Japan’s administrative system for nuclear security.
Japan has over half a century of experience in ensuring the peaceful
use of nuclear energy. Based on this, we will continue to strive to
improve our nuclear regulatory system.
Let me now elaborate on some measures taken to strengthen nuclear
security inside Japan.
First, the relevant authorities of Japan, such as the National Police
Agency, the Japan Coast Guard and the Self Defense Forces, have
been steadily conducting exercises, in cooperation with one another,
to prepare for possible terrorist attacks at nuclear power stations.
Most recently in May this year, the National Police Agency and the
Japan Coast Guard conducted a joint exercise to counter nuclear
terrorism by simulating a terrorist attack at TEPCO’s Fukushima
Daiichi Nuclear Power Station. The exercise included the suppression
of terrorists on the ground, on sea, as well as on vessels at dock.
Japan will continue to implement such concrete measures to enhance
nuclear security.
Second, I would like to touch upon our efforts toward entry into force
of the Amendment to the Convention on the Physical Protection of
Nuclear Material (CPPNM). For the Amendment, which was adopted
in July 2005, to enter into force, two thirds of the Parties to the
CPPNM, 99 Parties, need to conclude it. The 56th IAEA General
Conference in September last year adopted a resolution, in which,
once again, all States Parties to the CPPNM are called upon to ratify
the Amendment as soon as possible. Japan recognizes the importance
of the Amendment and has been accelerating the work toward its
ratification of the Amendment.
4
Third, the IAEA has been dispatching International Physical
Protection Advisory Service (IPPAS) missions to support Member
States’ efforts in the area of nuclear security. Japan believes it would
be valuable to receive such a mission, and is positively considering
receiving a mission at the earliest possible date, as well as hosting an
IPPAS workshop prior to the mission, by March 2014.
Let me now turn on to our efforts under the framework of
international cooperation.
In order to contribute to strengthening international nuclear security,
Japan established, in December 2010, the “Integrated Support Center
for Nuclear Nonproliferation and Nuclear Security (ISCN)” under the
Japan Atomic Energy Agency (JAEA), as it had announced at the
Nuclear Security Summit in Washington in April 2010. The ISCN has
been providing training courses to support capacity building for
regulators, mainly from Asian countries, by using the “Physical
Protection Exercise Field” and the “Virtual Reality System” and in
cooperation with the IAEA. In the two years since its establishment,
the ISCN has provided seminars on peaceful uses of nuclear energy
and training courses on physical protection to about 700 experts from
Asian and other countries.
Japan will continue and strengthen this kind of contribution. For this
sort of activity, coordination and cooperation among the Centers of
Excellence around the world are also important. We will continue to
promote such coordination and cooperation. The ISCN will host a side
event on capacity-building in the Asian region in the margins of this
Conference.
In order to further the cooperation between Japan’s JAEA and the
IAEA, these two organizations are discussing the formulation of a
Practical Arrangement (PA). Once the PA is established, related
regional workshops in cooperation with the IAEA will be able to be
5
organized systematically, and cooperation within the Asia region will
be further promoted.
Furthermore, Japan, with participation of France, the Republic of
Korea, the UK and the US, issued a joint statement on transport
security of nuclear and radiological material at the Seoul Nuclear
Security Summit in March last year. Based on that joint statement,
Japan hosted the first working group meeting in Tokyo recently, and
will organize a table-top exercise in the near future. Japan continues
to assume a leading role and will submit a proposal in this area at the
Hague Nuclear Security Summit next year.
Mr. President,
Japan continues to actively support the IAEA’s efforts in the area of
nuclear security. Japan is determined to strengthen nuclear security
domestically and internationally based on its experience and
knowledge, and in cooperation with the IAEA.
Thank you, Mr. President.
6
核セキュリティに関する国際会議:グローバルな努力の強化
閣僚宣言案(骨子)
I.
前文
・
核テロの脅威について懸念を共有。
・
世界の核セキュリティ強化において,近年の具体的進展を歓迎。
・ 国際機関による貢献を認識し,国際的な取組が核セキュリティの分野で果たしてきた役
割に留意。一方で,更なる措置が必要であることを認識。
・
すべての国が極めて効果的な核セキュリティを維持することを奨励。
II.
本文
1
国内の核セキュリティに対する責任はすべて国家に帰属することを強調。
2
国際協力の重要性を強調し,核セキュリティ関連活動等におけるすべての IAEA 加盟国
の関与の必要性を強調。
3
核セキュリティ強化の手段が平和的原子力活動の分野における国際協力を阻害しない
ことを要請。
4
軍事用核物質も含めた,国家の管理下にあるすべての核物質の効果的なセキュリティの
維持のため,国家の基本的な責任を確認。
5
テロリストの大量破壊兵器取得防止措置に関する国連総会決議を想起し,軍縮・不拡散
の分野で更なる進展の必要性があることを認識。
6
国内の核セキュリティ体制の構築に向けた国家の努力を支援する IAEA の継続的な働
きを認識し,これと同様の支援をすることを要請。
7
国内核セキュリティ文化にかかる経験の国際的な共有を促進する努力を奨励。産業界の
貢献の可能性につき留意。
8
9
核セキュリティに関する既存の地域イニシアティブに留意。
核物質防護条約及びその 2005 年改正並びに核テロリズム防止条約の締結及び完全な実
施を奨励。
10 放射線源に関する IAEA の勧告文書を実施して放射線源の効果的セキュリティを維
持することを奨励。
11 核セキュリティ関連の法的文書の実施についての情報交換を促進する方法の IAEA
による検討を奨励。
12 技術的・経済的に実行可能な場合,自発的に高濃縮ウランの使用を更に最小化し,低
濃縮ウランを使用することを奨励。
13 各国が IAEA の核セキュリティ諮問サービスやピア・レビューを自発的に利用するこ
とを奨励。IAEAの国際核物質防護諮問サービス(IPPAS)ミッションに対する加盟国
の認識の高まりを歓迎。
14 IAEA の移転事案データベース(ITDB)が移転事案及び不法移転関連情報の国際的な
蓄積の場であることを確認し,すべての国家が ITDB 計画に加盟することを奨励。
15 核鑑識の分野における IAEA の作業を歓迎し,未実施の国家が核鑑識データベースを
設立することを奨励。
16
核セキュリティと原子力安全が共通の目的を有していることを認識し,調整の重要性
を確認。
17
核セキュリティ分野における IAEA の中心的・主導的な役割を確認。
18 各国による IAEA 核セキュリティ基金への更なる拠出を含め,IAEA が適切な資源及
び専門技術へのアクセスを確保することの重要性を認識。
19 能力構築に対する IAEA の支援を歓迎し,国際核セキュリティ教育ネットワーク
(INSEN)及び核セキュリティ支援センター(NSSC)ネットワークにおける協力の重要
性を認識。
20 IAEA による,核セキュリティ・ガイダンスの発行継続を強く要請し,国家が必要に
応じてガイダンスを考慮に入れることを奨励。
21 核物質及び原子力施設の物理的防護に関する IAEA 核セキュリティ勧告文書に留意
し,それらの実施に関する更なるガイダンスの作成を期待。
22 サイバー攻撃に対する認識を高める IAEA の努力を認識し,IAEA がこの分野での国
際協力を促進して,国家を支援する更なる努力を行うことを奨励。
23 2014-2017 年の核セキュリティ計画の確定において,IAEA がこの宣言を十分に考慮
することを強く要請。
24
IAEA が 3 年ごとに核セキュリティに関する国際会議の開催を検討することを要請。
(了)
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