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バックアップ、リカバリ、およびアーカイブ用 HPストレージソリューション
ソリューションの影響に関する報告 実環境におけるROI: バックアップ、リカバリ、およびアーカイブ用 HPストレージソリューションのビジネス価値 日付: 2013年10月 著者: Steve Duplessie/Mark Peters/Terri McClure (シニアアナリスト) 共著 はじめに: 本書は、ESG のアナリストが多種多様な業界のシニア IT プロフェッショナルを対象に実施した、一連の詳細なイン タビューの結果をまとめたものです。情報のバックアップ、リカバリ、およびアーカイブ用の HP ソリューションの顧客には、直 接的および間接的な価値がもたらされますが、この取り組みは、その中でも特に以下から得られる収益に的を絞ったものと なっています。 情報 - 企業データの有効活用による意思決定の向上など インフラストラクチャ - コストの削減とインフラストラクチャのアジリティ (俊敏性) の向上 スタッフ - 時間の節約、管理の複雑性の軽減など 背景と方法論 ESG では、医療、教育、金融サービス、製造、保険、サービス、エンターテインメントなど、あらゆる業界の IT 担当シニアエグゼク ティブに対して、詳細なインタビューを実施しました。各インタビューに費やした時間は、通常 45~60 分です。インタビューでは、 HP StoreOnce Backup system、HP Data Protector ソフトウェア、HP StoreAll Storage アーカイブシステムをはじめとする、HP のさ まざまなバックアップ、リカバリ、およびアーカイブ (BURA) 製品を追加した後のビジネスへの (プラスまたはマイナスの) 影響に焦 点を当てました。インタビューを行った顧客の全員が、HP の BURA ソリューションを導入した直後に、直接的な収益を得ることが できたと証言していますが、一部の顧客にとって、そのメリットは「ソフト的なもの」でした。すなわち、バックアップの実行速度が 90%上昇したり、バックアップの完了までに必要なネットワーク帯域が 90%減少したりする方が良いことはわかっているものの、 実際のコスト削減には直接結びつかなかったということです。一方、たとえばデータ資産を作り直す必要があることを考えると、 既存の資産を活用できる価値は大きいとする顧客もいます。 この調査結果は例として提示しますが、そこでは、HP BURA ソリューションを配備した結果、情報、インフラストラクチャ、スタッフ から得られる収益という点で主に顧客にどのようなメリットがあったかが明らかにされています。また、ESB の調査結果のまとめに 続いて、インタビューを受けた IT プロフェッショナル自身の言葉が引用されています。匿名にはなっていますが引用は正確なも ので、IT 環境内に HP BURA ソリューションを配備することで得られる効果についての強力な証拠になると ESG は考えます。 バックアップ、リカバリ、およびアーカイブ用HPソリューション HP BURA ソリューションに対する顧客のフィードバックと体験を提示する前に、注目すべき特徴と、ストレージ全体への投資によ る収益増に直接影響するプラットフォーム特有のメリットについて簡単に触れておく価値はあるでしょう。 HP StoreOnce Backup は、独自の方法で、顧客が必要とするバックアップ方式に従ってデータを「再構築」することなく、安全に 複製することができます。また、別のプラットフォームにデータを格納するために、完全な複製状態に戻すことも可能です。このソ リューションは、HP のデータ保護ハードウェア/ソフトウェアプラットフォームにわたって動作する、HP 研究所が開発したシングル 重複排除アルゴリズムを採用しています。これは基本的に、物理インフラストラクチャもそのインフラストラクチャの管理も、それほ ど必要ではないということを意味します。StoreOnce は独自のスケールアウトアーキテクチャーを有するソリューションで、大量の バックアップストリームを並行して取り込むことで、業界随一のバックアップ/リカバリ速度を実現します。また、スケールアウト設計 により、可用性の高い「自律再起動」機能を実現しており、ハードウェアに障害が発生しても、StoreOnce の代替「ノード」が作業 を引き継ぎます。したがって、バックアップジョブが失敗することはありません。HP は、HP StoreOnce Get Protected Guarantee と 呼ばれる独自の保証で、顧客がバックアップ容量を 95%削減できることを保証しています。HP の重複排除テクノロジーは、 (サーバー、メディアサーバー、ターゲットなど) どこに実装されていても同じで、市場で多く見られる「すべての環境に 1 つのソ リューションで対応する」アプローチや「ポイントプロダクト」アプローチとは対照的に、実装について柔軟な選択肢をユーザーに 提供します。 HP Data Protector ソフトウェアは、HP StoreOnce ファミリの重複排除機能を利用して、クライアントサイド、メディア中心、または ターゲットベースの重複排除を可能にします。さらに、HP ストレージアレイからのスナップショットを活用して、複雑なワークロード や大規模データセットの「インスタントリカバリ」を実行でき、VMware、Microsoft、Citrix のハイパーバイザーのほかに、Microsoft、 Oracle、および SAP サーバープラットフォーム向けのエンタープライズアプリケーション保護ソリューション (Microsoft Exchange、 SharePoint、VMware のきめ細かいデータ復元機能など) にも対応しています。また HP Data Protector ソフトウェアは、 Autonomy Intelligent Data Operating Layer (IDOL) フレームワークをサポートしており、任意の環境においてデータの保護と保持、 © 2013 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved. ソリューションの影響に関する報告: 実環境における ROI: HP BURA の顧客が語る実体験 2 およびデータのタイプとコンテキストに基づく索引付けを行って、「意味ベースのデータ保護」を実現します。顧客の多くは、 StoreOnce ディスクシステムから HP StoreEver LTO-6 テープバックアッププラットフォームにバックアップセットをコピーして、長期 の「コールド」ストレージに備えるために、HP Data Protector を利用しています。 HP StoreAll Storage は、今日のビッグデータ環境で定義される、ペタバイト単位のスケールアウト容量やパフォーマンスといった 新たなニーズに対応できるよう設計されたアーカイブプラットフォームです。そのプラットフォームに固有の HP StoreAll Express Query は、HP 研究所が提供する組み込みのメタデータデータベースで、ファイルスキャンの速度を標準的なファイルシステムの 検索に比べて最大 10 万倍高速化し、基盤となるストレージへのアクセスによるパフォーマンス上の影響を受けることなく、リアル タイムデータ分析用レポジトリからの高速検索を可能にします。コンテンツアーカイブの分析を可能にするため、Express Query への Autonomy IDOL コネクターで、意味ベースの分析と索引付けの対象となる新しいデータをほぼリアルタイムで識別します。 これにより、特に急速にアップデートされるアプリケーションにおいて、インテリジェンスが向上し、より効率的に価値を引き出すこ とができます。StoreAll アーカイブプラットフォームには、ネイティブの OpenStack Object ストレージインターフェイスのほかに、 データガバナンスのフォレンジック分析やデータの完全性の検証をサポートする機能、さらにはその他の重要な保持機能 (Write Once Read Many (WORM) タグ機能など) が多数組み込まれています。 ROI3: 情報、インフラストラクチャ、およびスタッフの観点からの収益 特にバックアップ、リカバリ、およびアーカイブ用のストレージを大した利益も生み出さずにリソースを消費する単なる高コストな 必需品としか見ないなら話は簡単です。しかし実際のところ、「優れた」情報の保護、保存、および分析は、有益な知識の提供、 業務の効率化、さらには組織の改善を通じて、ビジネスに付加価値をもたらします。HP ではこのような効果を総称して、「ROI3」 (ROI の 3 乗) と呼んでおり、情報、インフラストラクチャ、およびスタッフの観点から収益を向上させることを意味しています。以降 のセクションでは、顧客の実環境でこれらがどのようになっているのかを見ていきます。 情報からの収益: 「干し草の山に埋もれた針」を探すことの価値 あらゆるデータ保護システムの役割は同一で、情報の格納や保護に加え、格納している情報を、必要なときに要求に応じて 人々やアプリケーションに提供することが主な役割となっています。説明するまでもないことかもしれませんが、付加価値をもたら すためには、これらの機能の高速化と効率化が欠かせません。たとえば、IT を活用して複数のアプリケーションとサイトを単一の システム、またはピアシステムの連携グループにバックアップすることで、サイロ化したリソースを排除できれば、より迅速な情報 アクセスが可能になります。その結果、情報からより多くの価値を得る機会がもたらされます。 また、単一のレポジトリ内にデータをアーカイブできれば、その情報を必要とするあらゆるプロセスにおいて、その単一の場所に アクセスすることが可能になるため、資産を探し回る必要がなくなり、一貫性と効率性の向上による真の付加価値が得られます。 必要な情報を必要なタイミングでより迅速に検索および分析できれば、その情報を利用するアプリケーションの生産性が向上し、 財務的なメリットも大きくなります。つまり、情報からの収益の向上はバックアップ/リカバリパフォーマンスの向上といったメリットの 形で表れ、利益の増大、意思決定の向上、競争力の強化などの確かなメリットをもたらす発見が可能になります。 このことは、オンラインと実店舗で事業を展開しているある大手小売業者が運用の最適化に欠かせない情報をタイムリーに発信 することに取り組み、それが最終的に利益につながった事例に示されています。この企業の環境では、従来型のバックアップシ ステムで、一晩をかけて売上データなどのリモートオフィスの情報を収集し、その情報を意味のある形に集約、関連付け、分析 するのにその後数日かかるという状況でした。さらには、データの増大がこうした課題に拍車をかけていました。この企業は、情 報フローの整理統合に努めるだけでなく、データの作成から取り込み、保護、そして最終的にはインテリジェンスに至る「情報の 運用」を合理化したいと考えていました。 同社は HP StoreOnce バックアップシステムと HP Data Protector ソフトウェアを実装してバックアップ操作を一元化し、データ保 持のために HP StoreAll Storage アーカイブシステムを導入しました。その成果は劇的なもので、現在同社は、リモートデータを 含めた売上データをほぼリアルタイムで集約し、従来の 10 分の 1 未満の時間でビジネスインテリジェンス/分析システムにその データを取り込めるようになりました。そのため以前は不可能と思われていた可視性をビジネスアナリストに提供できるようになり、 結果として、意思決定に必要な時間も大幅に短縮されました。競争の厳しい小売業界においては、格言どおり、まさに「時は金 なり」です。 同社の IT 担当シニアバイスプレジデントは次のように述べています。「HP StoreAll アーカイブシステムを実装することで、アナリ ストは過去のあらゆるデータを短時間で検索できる単一の中央レポジトリを維持できるようになりました。そのため今では、過去に さかのぼって以前のトレンドに関するデータを分析し、いわゆる『干し草の山に埋もれた針』を簡単に探すことができます」。HP BURA ソリューションを配備する以前は、1 年以上たった情報を抽出ことは不可能でした。それどころか、実際にはそれよりずっと 新しい情報さえ探せなかったのです。今では 10 年以上前の情報をオンラインで即座に利用して、ビジネスインテリジェンスを得 られるようになったほか、既存のデジタル資産を迅速かつ容易に検出し、現在のニーズに合わせて再目的化することも可能と なっています。 © 2013 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved. ソリューションの影響に関する報告: 実環境における ROI: HP BURA の顧客が語る実体験 3 インフラストラクチャからの収益 - さらなる成果を効率的に実現 インフラストラクチャからの収益は、ストレージベンダーと顧客の双方が以前から最も高い関心を抱いている領域です。情報やス タッフからの収益については、ストレージシステムがビジネス全体に及ぼす影響に焦点が置かれ、 有効性が重視されるのに対し、 インフラストラクチャからの収益はより直接的ですが、その重要性に変わりはありません。 インフラストラクチャからの収益の中心的価値は、ストレージリソース全体の 効率性であり、さらにはデータセンター全体の効率化 と直接的な相関関係を有します。このストレージ効率の向上は、より多くのデバイスが利用可能になる (すなわち任意のハード ウェア/ソフトウェア投資からより多くの価値を引き出せるようになる) ことを意味します。さらには、その他のリソース (人員、スペー ス、電力など) の使用量を抑制しつつ、それらの効果をより容易にかつより長期にわたって実現することも可能になります。このよ うに、インフラストラクチャからの収益の向上は、資本支出の低下、調達の先送り、運用コストおよび設備費の削減といった基本 的メリットとして実感できます。さらには、サービスレベル契約 (SLA)·に対するパフォーマンスの向上や、SLA の達成に失敗した場 合の (直接的または間接的な) コストを回避できるといったメリットも得られます。 StoreAll の導入により、当社は過去に開発したあらゆる資産をオンラインで保持できるようになりました。今では、過去のアプリ ケーションやコードをほぼ瞬時に再利用および再目的化できます。これまでのように、何度も再記述を繰り返していた場合に比 べて、節約できる時間は計り知れません。 - Oracle コンサルティング企業兼サービスプロバイダー、アプリケーションデリバリ担当 VP スタッフからの収益 - 優れたストレージの人的要素 IT は、科学や規則、学問的な厳密さと密接な関係がある分野であり、少なくともそれが望ましい姿です。しかしながら、量的条件 が一定の価値を有している一方で、(人々がそれを認めるかどうかは別として) ビジネスには人的な、あえて言うならば感情的な 側面も存在しています。スタッフからの収益のコンセプトは、人間とテクノロジーとの間の「見落とされがちな」影響を、認識、明確 化、および捕捉することにあります。そのため各スタッフの収益は、ストレージマネージャーの 安心感の向上 (マネージャーがより 多くの睡眠時間を確保できれば、それこそ本物と言えるでしょう) から、より的確な判断ができるスタッフによる生産性の向上、スト レスの軽減や目的/目標を通常の業務時間内に完了できることによる士気の向上まで、多岐にわたっています。システムの信頼 性が高く、データの識別、復旧、あるいは配布が確実に実行され、データをニーズに応じて容易に使用できれば、IT マネー ジャーのストレスは大きく軽減され、業務に対する満足度や生産性も高まります。リカバリ機能が強化されたことでダウンタイムの 影響が少なくなったユーザーも、より生産的になります。必要な情報を短時間で見つけることができれば、生産性が向上します。 © 2013 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved. ソリューションの影響に関する報告: 実環境における ROI: HP BURA の顧客が語る実体験 4 デジタルエンターテインメント業界のある大手グローバル企業の事例は、このことをよく表しています。同社の環境では、映画で使 用するアニメーション資産の開発に、多くの優れたアーティストが取り組んでも数年もかかることがあります。映画が成功を収めると 続編が制作されることはよくある話で、そのときには同じ資産の多くを利用することも可能ですが、このような資産が数十億にも達 すると、検索はほぼ不可能になります。従来の方法では資産を容易に見つけることができず、一連のアニメーションオブジェクトを 最初から作り直さなければならないケースが多く発生していましたが、同社では HP の StoreAll デジタルアーカイブを導入したこと で、アーティストが必要なアニメーション資産をほぼ瞬時に見つけて再利用できるようになりました。これで膨大な時間とコストが削 減されるだけでなく、映画全体の制作にかかる時間も劇的に短縮されます。 アーティストは、以前の映画や TV シリーズから必要な情報を見つけることができれば、それを再利用しますが、 見つけられなけ れば、数週間を費やして再作成するしかありません。そのコストは膨大です。 - デジタルエンターテインメント企業、シニアアーキテクト まとめ HP BURA ポートフォリオの主要な要素 (HP StoreOnce Backup system、HP Data Protector ソフトウェア、HP StoreAll Storage アー カイブ) を導入している企業の多くは、インタビューにおいて情報、インフラストラクチャ、およびスタッフからの収益が大幅に増加 したと報告しています。これは、バックアップ、リカバリ、およびアーカイブ/検索機能の効率とパフォーマンスが向上し、スタッフの 管理負担の軽減に結びついたことの直接的な結果です。同時に、このような向上により、自社が保存および保護しているデータ からより価値の高い情報を引き出すことができるようになっています。本書で取り上げた企業はすべて、従来より少ない物理ス ペースでより多くのデータを保護できる、つまり CAPEX (設備投資費) と OPEX (運用コスト) の両方を削減できると報告しています。 またすべての企業で、HP BURA ソリューションを配備した結果、ビジネスに対する直接的/間接的な収益が得られました。同時に、 これらのメリットのように明白ではないものの、非常に興味深く、かつ大きなメリットも存在しています。たとえば「干し草の山」であ る企業データの中から特定の情報を探し出す、あるいは、有益なビジネス情報を抽出できるようになったという効果から、IT マ ネージャーが苦情メールへの対応から 1 日をスタートする必要がなくなるといった効果まで、実にさまざまです。さらにこの効果 は、IT に関する SLA の達成だけではなく、法規制要件の遵守といった組織としての SLA の確実な達成にまで及んでいます。 インタビューに応じていただいたデジタルエンターテインメント企業の場合、デジタル資産を見つけて再利用できるということは、 作り直すのに数ヶ月、あるいはそれ以上かかることもあるデジタルシーケンスの再アニメ化をアーティストが行う必要がないことを 意味します。覚えておいていただきたいのは、適正に設計、構築、および実装されたデータ保護スキーマは、必需品あるいはコ ストセンターとみなされがちな情報保護/保持機能を、ビジネスの成功に直接貢献する資産へと変えることが可能である、というこ とです。データ保護が優れたものであれば、従業員は付加価値をよりスムーズに引き出して、より多くの時間を価値創出活動に 充てることが可能になり、士気も高まります。この種の収益については、HP BURA の顧客から繰り返し言及されています。 情報、インフラストラクチャ、およびスタッフからの収益の増大というメリットは、結果として組織全体のビジネス価値を高めます。 最後に、今回のプロジェクトでインタビューにご協力いただいた顧客の声が実証しているとおり、これらの投資効果は単なるマー ケティングのための宣伝文句ではなく、HP の顧客が実感している現実です。 4AA4-9262JPN 記載されている商標は、各社の所有物です。本書に記載されている情報は、The Enterprise Strategy Group (ESG) が信頼できると判断した情報源から取得したものですが、ESGがこれを 保証するものではありません。本書にはESGの見解が含まれていますが、適宜変更されることがあります。本書の著作権は、The Enterprise Strategy Group, Inc.に帰属します。The Enterprise Strategy Group, Inc.の明示的な承諾を得ずに、本書の一部またはすべてを、ハードコピー、電子的手段またはその他の方法で、受領を承認されていない第三者向けに複製 または再配布した場合は、米国著作権法を侵害したものとし、民事訴訟、および該当する場合は刑事訴訟の対象となります。ご質問等については、ESG Client Relations (電話: 508.482.0188) までお問い合わせください。 © 2013 by The Enterprise Strategy Group, Inc. 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