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日本プライマリ・ケア連合学会 未来研究リーダー人材育成プロジェクト

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日本プライマリ・ケア連合学会 未来研究リーダー人材育成プロジェクト
日本プライマリ・ケア連合学会 未来研究リーダー人材育成プロジェクト
募集要項
<背景>
我が国において、プライマリ・ケアが、医学界の中で一つの学問分野として認知され、発展していくため
には、学術的な基盤の確立が極めて重要です。しかしながら、我が国の同領域におけるリサーチの実践
は十分とは言えず、プライマリ・ケアの現場からの科学的なエビデンスの発信は極めて少ないのが現状で
す。日本プライマリ・ケア連合学会は、同領域をリードする学術団体として、この現状の改善に取り組む
ことは非常に重要なミッションであると考えています。
プライマリ・ケアの現場からリサーチエビデンスを発信して行くためには、地域医療の現場を熟知し、か
つリサーチマインドと高い研究能力を持つ人材の存在が必要不可欠であることはいうまでもありません。
また近年、大学においてもプライマリ・ケア領域のポジションが増えつつあるが、それを担当できる能力を
持つ人材が不足していることが問題となっています。
そこで今回は、研究に関する能力を身につけ、将来にわたって学術活動を続ける強い意思を持つ本
学会の若手会員と、その指導に当たる施設および指導医を対象として戦略的な支援を行うことで、本
学会の将来の学術活動を担うリーダーとなる人材を戦略的に養成することを目的とするプロジェクトを導
入することになりました。
<本プロジェクトの目標>
研究に興味のある若手会員が、原著論文を発表できるレベルの研究能力を確実に修得できる仕組み
を提供し、もって将来、プライマリ・ケア領域の学術的活動を牽引できるリーダーとなる研究人材を育成
すること。
<プロジェクトの概要>
◆コースの概要
本プロジェクトは、研究基礎コース、研究実践コースの2つのコースから構成されます。研究基礎コース
は、e-learning 等を用いて研究を実践できる基礎的な能力を修得する取り組みを支援します。研
究実践コースは、指導者による指導と支援を受けて研究を実施し、その成果を英文論文として発表
する取り組みを支援するもので、専任の指導者を配置して全国から研修生を募集する A コースと、各
施設における指導者と研修生のペアを支援する B コースを設置します。

研究基礎コース
【目標】研究を実践するうえで必要となる基本知識を修得する。
【方法】研究デザイン、データ解析など研究の基本的な知識やスキルについて、選考された研修生
が学会の指定する E-learning を中心とした講義や実習のプログラムを受講する。学会は、
受講費の一部を補助する。
【定員】10 名程度/年
 研究実践コース
【目標】研究計画から論文執筆に至るまでのすべてのプロセスを経験して、その成果を英文原著
論文として発表できる能力を修得する。

A コース
【方法】研究指導拠点(1 施設)の指導者から、直接指導と Web 会議システムやメール等
を用いた指導を受けて、実際に研究を実践する。研究テーマについては、あらかじめ学会と
拠点が協議して決定したものの中から選択する。
【期間】受講者あたりの在籍期間は 3 年間を上限とする。
【定員】2 名/年

B コース
【方法】すでに十分な指導のリソースを有し、研究を希望している若手家庭医療専門医・専
攻医がいる施設を対象とする。指導責任者と若手医師がペアで申請し、採択されたプロジ
ェクトには、指導責任者に指導経費、若手医師に研究費を助成する。
【期間】受講者あたりの在籍期間は 3 年間を上限とする。
【定員】3 名/年
◆補助事業の内容
 研究基礎コース
研修生に対して、受講料の一部(5 万円/年)を補助する。
※指定プログラムに対する補助はありません。
 研究実践 A コース
※研究指導拠点となる施設に対して、専任の指導者を雇用する経費(600 万円/年)を
補助する。
積算の内訳:人件費(助教)500 万円、研究費その他経費・間接経費 100 万円
 研究実践 B コース
補助金額および支給条件は以下の通りです。

指導者向け:50 万円/3 年。指導者へのインセンティブとして、おもに指導者が指導のため
の時間を確保し、指導の質を高め、円滑に指導するのに資する経費を補助する。

研修生向け:100 万円/3 年。研究実施にかかる費用を補助する。

支出できるもの:事務人件費、調査旅費、消耗品費、印刷費、調査協力謝礼、通信費、
データ入力経費、英文校閲費、投稿料などとする。パソコン、解析ソフト、机などの一般的な
備品、会議費、学会参加費、視察旅費などは認めない。

予算の運用:原則として学会で管理する。経費運営上必要な理由がある場合は、一部を
指導責任者の所属機関に一括払いすることも可能。(その場合の会計管理は科研費に
準じる形で行い、会計報告書を学会に提出する)
※予算計画は、採択決定後、年度ごとに提出していただきます。
◆研究報告会
研究実践コースに採択された指導者と研修生は、毎年、学術大会の前日に開催される指導報
告会に必ず参加してください。発表内容は以下の通りです。
初年度:指導計画発表(全体を把握する)
2 年目:研究計画発表(この時までに倫理委員会の承認がすんでいること)
3 年目:研究進捗状況発表(この時までにデータ収集が始まっていること)
4 年目:研究成果発表(この時までに論文投稿が終わっていること)
指導成果発表(指導医)
なお、研究に興味のある学生・研修医・専攻医の研究へのモチベーションを高めるため、報告会は対
象者以外にもオープンにしますのでご了承ください。
◆モニタリング
採択者には、毎年、プロジェクトの実施状況を本学会に報告していただきます。プロジェクトの条件を
満たさなくなった場合、当初予定されていた成果を大幅に下回る場合は、途中で補助金の減額・打
ち切りなどの措置を行うことがあります。
<応募条件>
今回の募集では、研究基礎コースの指定プログラムと、研究実践 A コースの研究指導拠点、B コース
の指導者/研修生のペアの募集を行います。研修基礎コースおよび研究実践 A コースの研修生は、
指定コースや指導拠点の決定後に改めて募集します。
◆研究基礎コース:指定プログラム
以下の条件を満たすプログラムを認定します。
【認定条件】
 教育プログラム
・学習目標
以下の内容を含むこと
1. 臨床研究の論文を適切に解釈し、診療に活かせる
2. 質の高い臨床研究をデザイン・計画するための最も基礎的な知識・スキルを習得する
・学習方略
1. 臨床研究デザインおよび解析方法の最も基本的な知識とスキルに関する教育を実
施すること
2. 解析実習、研究計画作成演習など実践的な内容を含むこと
3. 30 時間以上の系統的なコースワークを行うこと
4. オンラインで学習できるプログラムを提供すること
・評価
1. 開始時と修了時に臨床研究リテラシーに関する試験を実施すること
2. 受講生の学習達成度を評価すること
3. プログラム評価(完遂率、受講生による満足度評価など)を毎年実施すること
 運営体制
1. 学習管理システム(LMS)が完備していること
2. オンラインの学習プログラムと LMS を管理する専門家がいること
3. 臨床疫学/統計学の専門家がプログラムを監修、指導、運営していること
4. 受講者登録や対応を行う事務局機能を有すること
5. 1 年間で修了、毎年継続的に提供(6年間)できること
【評価基準】以下の通りです。
1. カリキュラムが、網羅的、系統的であり、授業・実習の難易度が標的対象に合致して
いること
2. 実施可能性(授業実習コンテンツの系統性、網羅性、バランス、難易度や、オンライ
ンプログラムの安定性、学習管理システムの有無と質、など)
3. 組織(講師陣、事務局、IT 技術者、など)の充実度
4. これまでの実績(実施年数、受講者数、完遂率、受講者評価、など)
◆研究実践コース(A コース)
以下の条件を満たす研究指導拠点を選定します。
【認定条件】

研究環境
・
プライマリ・ケア領域におけるリサーチの実績を有し、本プロジェクトにおける下記の研
究指導を遂行できる体制が整備されていること。
・
本学会からの補助金を活用することで、本プロジェクトの目標(英文筆頭論文発表
者 10 名)を達成できる見通しが立っていること。
※研究指導
・
研修生は、自らの所属する施設あるいは身近に、研究指導を受けられる研究機関
や教育プログラムがない、40 歳未満の会員を対象として全国から募集する。
・
募集条件として、研究基礎コース修了あるいは修了見込みか、それと同等の能力を
有し、原著論文を発表するまで、研究の学習と実施にコミットする強い意思を持って
いることを条件とする。また、研究に関する学習および研究実施に充てる時間を
protect することを確約できる者とする。
・
研究テーマは、学会と拠点が協議して、プライマリ・ケア領域に重要かつ実施可能性
の高いものを選定し、あらかじめ明示したうえで受講者を募る。
・
研究指導は、コースの定めるスクーリング WS+個別指導(1 泊 2 日、年2回程
度)により行う。
・
プロジェクト終了1年以内に、申請者(若手医師)が筆頭著者で英文原著論文
を発表する。和文、学会発表、ケースレポートは認めない。
◆研究実践コース(B コース)
以下の条件を満たす指導者と研修生の中から、補助対象者を選定します。
【認定条件および評価条件】

指導者

原著論文を発表する指導力を有していること。筆頭英文原著論文の実績があるこ
とは必須とする。


そのほか、指導実績、学位等を評価材料とする。
研修生

原則として 40 歳未満の会員であること。

大学等に所属する研究生、大学院生は対象外とする。
(大学のプログラムに所属する専攻医、研修登録医は可)

研究基礎コース修了あるいは修了見込みか、それと同等の能力を有していること。

研究に興味を持ち、原著論文を発表するまで、研究の学習と実施にコミットする強
い意思を持っていること。

研究環境

研究に関する学習および研究実施に充てる時間を確保できること。

具体的には、受講者が所属する施設および部門責任者が、研究のための時間を
protect することを確約できること。(研究の時期により異なるが、おおむね週1日
程度)

成果発表

プロジェクト終了1年以内に、研修生が筆頭かつ指導者がコレスポンデイング著者
で英文原著論文を発表すること。和文、学会発表、ケースレポートは認めない。
<応募手続き>
申請書式に必要事項を記載の上、平成 28 年 11 月 10 日までに学会事務局担当係に提出してく
ださい。
学会で審査のうえ、12 月末までに申請者に採択結果を通知します。
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