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Bclー2ファミリー蛋白質Bcl-XLのミトコンドリア膜への移行を介した

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Bclー2ファミリー蛋白質Bcl-XLのミトコンドリア膜への移行を介した
30-0316
Bclー2ファミリー蛋白質Bcl-XLのミトコンドリア膜への移行を介した
上皮増殖因子(EGF)のアポトーシス抑制作用
○本田 祐一郎 1, 竹内 健治 1, 伊藤 文昭 1(1 摂南大・薬・生化学)
[目的]抗がん剤に対する抵抗性獲得機構の一つに、がん発症部位に存在する増殖
因子によるアポトーシスの抑制が考えられる。私たちはヒト胃がん細胞株TMK—
1を抗がん剤アドリアマイシンで処理したときに誘導されるアポトーシスが、E
GFにより抑制されることを本学会で発表している(第123年会)
。このEGF
のアポトーシス抑制作用は、EGF刺激後の初期(30分後)と後期(48時間
後)に強くあらわれる二相性を示した。今回はEGF処理後期にみられるアポト
ーシス抑制作用について詳細に検討した。
[方法・結果]アポトーシス関連分子であるBcl—2ファミリー蛋白質の発現量を
EGF処理48時間後にイムノブロッティング法を用いて検討すると、アポトー
シス抑制型Bcl—2ファミリー蛋白質Bcl—XLの発現が増加していた。その細
胞内局在を調べると、EGF処理によって細胞質画分からミトコンドリア画分へ
移行していた。また、EGFによるBcl—XLの発現量増加は、転写因子NFκ—
Bの選択的阻害剤によって影響を受けなかった。
[結論]EGF処理後期にはBcl—XLの発現量の増加、およびBcl−XLのミト
コンドリア膜への集積が起きており、この発現量の増加はNFκ—Bを介さない経
路により起きていた。Bcl—XLの量的変化および細胞内局在の変化によりミト
コンドリアからのシトクロームcの遊離が抑制され、アポトーシスの抑制が起き
た可能性が考えられる。EGF処理初期にみられるアポトーシス抑制には、生存
シグナルやアポトーシス抑制を担う分子のリン酸化の関与が考えられ、現在これ
らの点についても検討中である。
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