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No. 100907
2010 年 9 月 7 日
ハイデルベルグ・ジャパン
水性 CI フレキソ印刷機の本格導入を開始
日本のフレキソ印刷市場に新たな 1 ページを刻む
ハイデルベルグ・ジャパン株式会社(本社:東京都品川区/代表取締役社長:山本幸平)は、
チェコ共和国のソーマ・エンジニアリング(Soma Engineering)社製(以下、ソーマ社)のミドル-
ワイド幅フレキソ印刷機の国内第一号機の導入事例を発表し、導入先であるトーホー加工株
式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役会長兼社長:川田善朗)で内覧会を開催しました。
グラビア印刷業界においてリーダーシップを取り続けるトーホー加工株式会社が、業界に強く
求められる地球温暖化問題や環境などの諸問題へ対応するため、水性フレキソ印刷へ取り組
むためのプロジェクトを、関連する諸資材サプライヤーである大日精化工業株式会社(本社:東
京都中央区/ 取締役社長:高橋靖)及び株式会社精好堂(本社:東京都中央区/代表取締役社
長:島崎憲治)とともに立ち上げました。これは、水性フレキソ印刷市場の開拓を目指したもの
で、すでに同社から製品の出荷が始まっています。
フレキソ印刷は、今後成長が見込める印刷方式のひとつであり、海外では広く普及していま
すが、国内では期待されてはいるものの、いまだに低品質の印刷であるといったイメージが強
いのが実状です。しかし、今回弊社とトーホー加工株式会社が共に目指したのは、他の先進国
で導入が進んでいるような高品質のフレキソ印刷の上、今日の環境問題に根本的に対応でき
る高品質水性フレキソ印刷です。同社の目的である小ロットフィルム印刷に対応するために導
入された『ソーマフレックス MIDI 機』にはこうした要望に合わせて設計された多くの機能を装備
した機械です。導入に際しまして、川田会長は「”ステップ・バイ・ステップ(慎重に)””ラッシュ・
アタック(即効で)”の両面から挑戦した結果、極限の水性フレキソ印刷に到達しました。環境の
原点は現場からはじまり現場に戻る。現場に戻った物「水性フレキソ」を大切に、再生すること
が私の仕事だと考えます。」と述べております。
ハイデルベルグ・ジャパンが販売提携をするソーマ社は、1898年に設立、1992年に民営
化されたチェコ共和国のランスクロウン(Lanskroun)に本社を置く、フレキソ印刷機を中心に、
スリッター、ラミネーター等も製造している企業です。
小ロット水性フレキソ機である『ソーマフレックス MIDI』及び『MIDI II』は、850ミリ~1320
ミリ幅のフレキソ印刷機で、中心に一つの大きな共通圧胴を配置し、その円周に版胴を配置す
るCIタイプです。ギア駆動ではなく、一つ一つのシリンダーが独立したモーターで駆動するフル
サーボモーター採用で、印圧コントロールもサーボモーターで行います。また、ソーマ社が特許
を有しているフレームとシリンダーの温度変化を捉えて、その状況をサーボモーターにフィード
バックして印圧をコントロールする仕組みも搭載しています。これにより、基本的には印圧の変
化がなく、かつ僅かな変化が起きてもそれをサーボモーターでコントロールして印圧を安定させ
るので、高い印刷品質が実現できます。 また、見当合わせ等も全自動で行われ、見当精度等、
印刷品質を検査する装置も装備され、前準備時間も従来機に比べ、大幅に軽減されています。
その上で日本の軟包装材印刷の実情と水性フレキソを理想化するためのオプションを装備し
ています。尚、同タイプの印刷機は既に欧米を中心に世界で約200台が稼働しており、市場か
らも高い評価を受けています。
『ソーマフレックス MIDI』の日本市場への導入に際して、ハイデルベルグ・ジャパン山本社
長は、「印刷業界が直面する真の環境対応を実現するために、今回のトーホー加工さまにおけ
る水性フレキソの成功は、まさにエポックメーキングな出来事となりました。プロジェクトに参加
できたことを誇りに思い、今後も新しい市場の開拓を業界の皆様とともに歩んでいくつもりで
す。」と語りました。
枚葉機の場合と同じように、ハイデルベルグ・ジャパンは、フレキソ印刷機だけでなく、諸資
材の適合性を含めたシステムを提供し、一貫生産のためのトータルのソリューションもあわせ
て販売していきます。同時に、フレキソ印刷に対する技術サポートや製品メインテナンスなどの
サービス体制の拡充もしていきます。
また、大日精化工業社のフレキソインキ「ハイドリック FCF」は、世界の印刷業界に先駆けて5年前
に開発、上市した、VOC のコンテントを極限まで減らしたラミネート用水性インキです。
国内において我々消費者が日々、目にする食品パッケージの内、プラスチックフィルムを使用して
いる製品の、ほとんどがグラビア印刷で行われています。この事は、世界に目を向けてみた場合、
特筆すべきことです。米国では、ほとんどのパッケージがフレキソ印刷、欧州においても半分近くが
フレキソ印刷となっています。他の印刷システムと比べ、圧倒的にインキ膜厚の多いグラビア印刷
で、非吸収面のフィルムを高速で印刷するには、超速乾性の有機溶剤(VOC :Volatile Organic
Compounds (揮発性有機化合物))から逃れられません。又、当然乾燥エネルギーも多く使用するシ
ステムです。ところが日本においては“見た目の綺麗さ“から、グラビア印刷が圧倒的に多く使用さ
れており、特にフィルム印刷の場合、大半がこれとなっています。ところが昨今、次々と施行されて
きた地球環境保護条例は印刷インキの脱 VOC を示唆しており、グラビア印刷業界でも近年、水の
インキでフィルムへ高速・高細線で印刷ができるようになった”水性フレキソ印刷“に注目し始めてい
ます。又、包材の残留溶剤の心配もなくなることになります。フレキソ印刷は水を溶媒として使える
だけでなく、元来、ショートラン適性・ハイスピード印刷・薄膜、粗面適性・省エネ乾燥等の特徴を有
しており、又、特に水性インキは印刷工場内の環境改善、消防法からの脱却にもつながり、これら
が時代のニーズと合致していると言えます。
この度のフレキソインキの採用に伴い、大日精化工業は、これらフィルム用裏刷りインキ以外にも、
フィルム用面刷りインキと紙専用インキもラインナップし、パッケージ印刷業界の環境負荷低減に貢
献してまいります。
*
そしてこの度、SOMA MIDI に採用したフレキソ刷版は、全て精好堂固有の CTSS/CTS方式のス
リーブシステム刷版で、通常のフレキソ刷版と一線を隔すシステムです。一般的にフレキソ刷版は
シート形状ですが、印刷の為にはスリーブ(版胴)にクッションテープを用いて貼り込む必要がありま
した。この方法では印刷品質に大きな影響を与える刷版貼り込み作業は、専用機器と熟練オペレー
ターが時間とコストを掛けて行い、位置精度は熟練度に依存することになります。
CTSS/CTS は、精好堂が予めスリーブ上に未加工の感光性樹脂版を装着し、高い円筒精度を維
持した状態で CTP 製版を円筒状で行なうところが特長です。完成した刷版は、既にスリーブに高精
度で描画・製版されているため、トーホー加工さまに納入後直ちに印刷が可能です。
精好堂は、日本における本格的な水性フレキソ軟包装印刷の始動プロジェクト参加に当たり、独
自技術が活かされる事にもなり、全力で刷版関連のご期待に応えてまいります。
*
*1) CTSS/CTS
CTSS:Computer To Seamless Sleeve
CTS:Computer To Sleeve
[トーホー加工株式会社]
●創業:
大正3年12月
●資本金:
9,800 万円
●代表者:
代表取締役社長兼社長 川田善朗
●所在地(本社):〒101-0061 東京都千代田区三崎町 3-4-2
TEL: (03)3239-6241/FAX: (03)3239-6244
●事業内容:
食品用等の軟包装資材の企画、製造、販売
[大日精化工業株式会社]
●創業:
昭和 6 年10 月
●資本金:
100 億 3,900 万円
●代表者:
取締役社長 高橋靖
●所在地(本社) 〒103-8383 東京都中央区日本橋馬喰町 1-7-6
TEL: (03)5695-7007/FAX: (03)5695-1033
●事業内容:
顔料、及びこれらの 2 次製品の製造、販売を中心とした色彩・色材の総合メーカー。
●お問合せ先:グラビアインキ事業部 TEL: (03)3662-0688 担当:塚田・鈴木
[株式会社精好堂]
●創業:
昭和 34 年 11 月
●資本金:
4,800 万円
●代表者:
代表取締役社長 島崎憲治
●所在地(本社) 〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町 11-8
TEL: (03)5695-7007/FAX: (03)5695-1033
●事業内容:
1984 年、日本初のフレキソ CTP(ZEDCO-2300/英国製)導入以来、デジタル技術を活かした円筒
フレキソ製版に特徴。2004 年に発表した CTSS は、旭化成イーマテリアルズ株式会社との共同開
発事業。
●お問合せ先:DDF グループ TEL: (03)5695-7007 担当:田中・田口
◇本件に関するお問い合わせ先
ハイデルベルグ・ジャパン株式会社
マーケティング部 広報担当:安藤
TEL:03-5715-7374
FAX:03-5715-7390
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