Comments
Description
Transcript
PENの最新号 - 長野県テクノ財団
PEN ISSN 2185 - 3231 Public Engagement with Nanobased Emerging Technologies N E W S L E T T E R May 2012 Volume 3, Number 2 PEN May 2012 1 Table of Contents 連載 生物規範工学 第九回 自己組織化の工業化を目指し、 バイオミメティクスの適用へ… ………… 3 土曜集中講座 「ナノテクノロジー社会受容特論」 の公開について… ………… 12 短期連載 韓国のナノテクノロジーの研究開発 ①……………………………… 15 海外動向… ……………………………………………………………………… 19 国内動向… ……………………………………………………………………… 24 Cutting-Edge Technologies プレスリリースより…………………………………………………………… 28 豊蔵レポートより… ………………………………………………………… 37 台湾 ITRI より… …………………………………………………………… 48 韓国 NNPC より… ………………………………………………………… 53 PE ヘッドラインより… ……………………………………………………… 55 バイオミメティクス研究会より… …………………………………………… 60 MEMS 関連情報… ………………………………………………………… 62 書籍出版のご案内… …………………………………………………………… 65 イベント案内… …………………………………………………………………… 66 編集後記… ……………………………………………………………………… 68 Column 構造色をもつ鳥② キジ… ……………………………………………………………………………… 23 Column どくとるマンボウ昆虫展…………………………………………………………………………………… 52 Cover:春の竹林 「瞬く間に成長した」と物語に書かれているかぐや姫のように、竹は春に生えた筍が 10 メート ル程度まで一気に伸びた後は 100 年に一度の花が咲いて枯れるまで姿が変わりません。人の寿 命が今よりもはるかに短く、死が身近にあった平安時代の人々が、竹に不老長寿の力を感じて 語り継いだのが竹取物語だったのかもしれません。 2 PEN May 2012 連載 生物規範工学 第九回 自己組織化の工業化を目指し、 バイオミメティクスの適用へ 三菱レイヨン株式会社 横浜先端技術研究所 魚津吉弘 1.はじめに 昨今注目を浴びている。ボトムアップの加工技術は、この ような省エネという一面とともに、トップダウンの加工技 2011 年 3 月 11 日の東日本大震災をきっかけに、今まで 術では困難な大面積加工や超微細加工の可能性を有してい 日本人がおざなりにしてきた非常に大きな課題がクローズ ることからも期待されている。 アップされた。その課題こそが、エネルギー問題である。 生物は太陽光や化学エネルギーを用いて、炭素を中心とす 地震が引き起こした大津波による福島第一原発での事故が る有機化合物を主だった原料として、分子集合や自己組織 起因となった電力不足から計画停電などを経験し、我々の 化によってモノを作る、「生物の技術体系」とも言うべき 生活が如何に電気に依存しているかを痛感させられた。現 仕組みを持っている。上述のような技術のトレンドのなか 在、原発の安全性への不安から、各地の原発は定期検査後 で、今世紀に入り欧米を中心に、 「自然に学ぶモノつくり」 の再稼動を見合せている。地震以前には原発増設により原 のひとつである「バイオミメティクス」が改めて注目され 発を中心にしたエネルギー政策がたてられていた。原発の 始めている。 安全神話が崩壊し、原発増進の道が閉ざされたことによっ て、エネルギーの大転換への道を突き進む必然に直面する こととなった。今回の地震は、我々日本人の生活の大きな 2.ボトムアップとしての自己組織化の利用 ターニングポイントとなる可能性が高い。実際にはエネル ギーの転換が完了するまでには、エネルギーの需給バラン 規則的な構造を有する機能性材料の作製に関しては、現在 スが崩れ深刻なエネルギー不足になる可能性やエネルギー 大部分は半導体用レジストや成形材料の金型など、まずは の質の低下により現在まで人間が築いてきた安定な電力供 構造を形成するための規則性を機械加工やリソグラフィー 給を前提とした工業プロセスからの転換の必然性も再認識 等により形成している。人の意思によって、その時点で手 されている。 に入れた加工手法によって規則的構造を形成する、いわゆ るトップダウンの加工方式である。トップダウンの加工方 これまで人間が築いてきた工業化プロセスでは、化石燃料 式では、規則構造の微細化とともに加工設備が非常に大き をエネルギー源とし、鉄、アルミ、シリコン、そして希少 くなってきて、研究開発設備でさえ単独の企業ではもてな 元素を原料として、リソグラフィー等を駆使したトップダ いようなレベルになってきた。また、トップダウンの加工 ウンの加工技術によりモノを作り、情報や価値を生み出し 方式では、将来的な目標である規則性のサイズの実現も不 てきた。これに対し、低エネルギーで典型元素を中心とし 可能となってきた。そこで最近注目を集めているのが、ボ て自己集合や自己組織化というボトムアップの加工技術が トムアップの加工方式である自己組織化の手法を利用した PEN May 2012 3 新たな材料設計である。自己組織化の手法による材料設計 4.拡散と反応の制御によるプラスチックロッドレンズの では、用いる加工設備は比較的簡易でかなり安価のもので 製造技術 済ませられること、ならびに一般的に大面積での構造形成 が可能だという大きなメリットを有している。ただし、こ ロッドレンズとは図1に示すように直径1mm 程度の円柱 の自己組織化現象は、作製される組織化構造が完璧には制 状の物体であり、中心から円周にかけて連続的に屈折率が 御できず、欠陥が必ず存在するという欠点を有している。 減少していることを特徴としている。このような屈折率分 自己組織化現象を工業化プロセスに適用するには、このよ 布を有していることで、特定の長さで切断すると、1対1 うな規則性の不完全性を許容するようなアプリケーション の正立実像を形成することから、ファクシミリ、スキャナ を見出すことか、トップダウンの手法との組み合わせで高 や、多機能プリンタ等の原稿読み取り用のレンズとして用 度な規則性を付与することが重要なポイントである。 いられている。プラスチックロッドレンズは、複数の屈折 率の異なるモノマーとポリマーとの溶解混合物(原液)を 図2に示すように、複合ノズルより押し出し糸状とした後 3.自己組織化現象を利用した研究開発 に層間でモノマーを拡散させ、モノマーの分布を形成した (屈折率分布を形成した)後に、紫外線を照射することで 自己組織化現象の代表例としては、高分子の世界ではブ モノマーを重合するという工程により作製される。各層の ロックコポリマーのナノ相分離構造形成があげられる。材 ロッドレンズの原液は拡散光を用いて重合硬化すると、透 料設計や加工条件を整えることにより、自己組織的にナ 明なレンズ材料として使用できる。[3] ノオーダーの様々な構造形成が実現されている [1]。 ま た、高分子の溶液キャストを加湿下で行うことにより、マ イクロオーダーではあるが規則的なハニカム状の構造が形 成できることもよく知られている現象である。これらの手 法では大面積での加工が可能であり、工業化へ向けた開発 が進められている [2]。自己組織化はこれらの現象だけで はなく、非常に多くのバリエーションが知られている。そ の中で、三菱レイヨンにおいても自己組織化現象を利用し た研究開発を進めている。これらの研究は屈折率分布型プ ラスチックロッドレンズの研究を通じて、色々な検討を 行ってきた結果たどり着いたものである。一つは、レンズ 材料の特性をさらに向上させるために、材料探索研究を進 めてきた中で偶然見出した現象(セレンディピティ)に関 するものである。もう一つは、蛾の目の表面を模倣し微細 凹凸を形成した無反射構造を、工業化を目指し大面積に形 成することを目的とした研究である。ロッドレンズの研究 図 1 ロッドレンズの構造と機能 者として屈折率分布をいかに効率良く形成するかを考える なかで、蛾の目の表面の微細凹凸構造に関心を寄せるよう になっていた。この研究は、現在バイオミメティクスの代 表的な研究となりつつある。本稿では一連の研究の起点と なったロッドレンズの紹介から、これら自己組織化現象を 用いた工業プロセスの開発に向けた取り組みの現状、なら びにその開発におけるバイオミメティクス適用の意義に関 して解説していきたい。 図 2 相互拡散法の製造プロセス概要 4 PEN May 2012 5.平行光線照射によるマルチシリンダー構造の形成技術 プラスチックロッドレンズに用いる原液のポリマーとモノ マーとの均一溶解物を平行光線により重合硬化すると、図 3 に模式的に示すように光線の方向に自己組織的にマルチ シリンダー状の構造が形成される [4]。この現象はレンズ 材料の開発を進める中で 20 年近く前に偶然に見出した現 象である。図4に光照射面から観察した代表的な相分離構 造の光学顕微鏡写真を示す。この図から確認できるように 直径が約 5 μ m で間隔が約 10 μ m のドメインが一面に 形成されていることがわかる。また、アスペクト比 100 を超えるシリンダー構造が形成可能である。これらマルチ シリンダー構造の形成は、 光重合速度(光開始剤量、 光強度) や、光重合の進行とともに形成されるネットワーク構造(オ リゴマー分子構造)に依存することを実験的に確認してい る。この構造の形成起源は、反応拡散系における Turing 不安定性 [5] との関わりを理解することが重要と考え検討 を進めているが、いまだにその形成メカニズムの解明には 至っていない。 図 3 平行光によるマルチシリンダー構造の形成 図 4 自己組織化構造の光学顕微鏡による観察 PEN May 2012 5 6.トップダウンの手法との組み合わせ テクスチャリングの手法を用いた規則性の向上 光硬化性樹脂フィルム中に、自発的に形成される規則的な 構造には、自己組織化では避けがたい不完全性が見られる。 このマルチシリンダー構造は回折格子としての利用が考え られるが、回折格子への適用には規則性の向上が必須であ る。より高い規則性を付与するためには、フォトマスクに よる前段硬化を用いたテクスチャリング法が効果的である ことが確認されてきた。ゲル化点近傍における構造の誘起 をテクスチャリング法によりアシストし、引き続いて行わ れる平行光束の紫外線照射により、構造を成長させ固定化 することにより、高度な規則性を有するマルチシリンダー 図 5 テクスチャリング法による配列精度の改良 構造の形成が実現される [6](図5) 。図6にレーザー光を これらのフィルムに通して得られた回折パターンを示す。 自発形成のみで作製したフィルムを通したパターンでは、 ビームスポットの滲みや散乱成分が確認される。一方、テ クスチャリングを施したフィルムを通したパターンでは、 それらは認められなかった。 自己組織化現象の工業化のためには、このようにトップダ ウンの手法と組み合わせて、従来の手法では形成すること が困難な超規則構造の形成に結びつけることが一つの方向 性であると考えられる。 7.構造制御への考え(図7) 図 6 フィルムを通した回折パターン 平行光線照射により形成されるマルチシリンダー構造 (a) に関して検討を積み重ねてきたが、ドメインサイズがミク ロンサイズの範囲でしか実現できないこと、並びにドメイ ン間にはわずかな組成の差しかなく屈折率差が小さく、回 折や拡散にしか利用ができないという制約がある。様々な 光学素子の可能性のあるサブミクロンオーダーでの構造形 成を思考し研究企察を進めた結果、同じ画で表現できる陽 極酸化法によるアルミナナノホールアレイの活用へと行き 着いた。アルミナナノホールアレイを金型として用い、ナ ノインプリントによりポリマーに構造を転写することで、 可視光の波長オーダーの表面構造 (b) を形成可能である。 また、空気とポリマーとからなることから、屈折率差も大 きくなる。さらにはその空気の部分に機能性材料を埋め込 む (c) ことにより、更なる機能性の付与も期待して研究に 取り組んでいる。その研究のマイルストーンとして、モス アイ型無反射フィルムの開発に取り組んでいる。 図 7 表面機能化研究の展開 6 PEN May 2012 8.アルミナナノホールアレイを用いたモスアイ型反射防 れ、バイオミメティクスの代表的な例である [7]。しかし 止フィルムの製造技術開発 ながら、このようなナノオーダーの微細な凹凸構造を大面 積で作製することは難しく、工業的には実用化されていな 自己組織化現象を利用した工業化プロセス研究の二つ目 い。 は、神奈川科学技術アカデミー(KAST)の益田秀樹教授 と共同で研究を進めているモスアイ型反射防止フィルムの 2)モスアイ型アルミニウム金型の作製とインプリント技 開発である。 術 アルミニウムを陽極酸化した時に自己組織的に形成される 1)モスアイ型反射防止フィルムとは アルミナナノホールが、大面積に、しかも、曲面に形成で ディスプレイにとっては外光から生じる反射光の影響で、 きる [8] という特性を利用すれば、シームレスな大型のロー 画像が見えにくくなるという現象が生じ、その反射光の影 ル金型の形成が可能であるとの確信のもと検討を開始し 響を低減化することがディスプレイの特性を改善するため た。 の大きなポイントとなっている。反射光の影響を防ぐフィ ルムとしては、反射光をぼやかす Anti-Glare(AG)フィル アルミナナノホールアレイの構造は、セルと呼ばれる一定 ムと反射光自体を低減化する Anti-Reflection(AR)フィル サイズの円柱状の構造体が細密充填した構造となってい ムとがある。現在、AG フィルムは、液晶ディスプレイに る(図9) 。各セルの中心にはセル径の約1/ 3の径を有 多く用いられており、AG フィルムはプラズマディスプレ する均一な径の細孔が配置しており、各細孔が膜面に垂直 イに用いられてきた。AG フィルムは反射光をぼやかすた に配向して配列している。それぞれのセルのサイズ(細孔 めに、ディスプレイの解像度を落とすという欠点を有して の間隔)は、陽極酸化の際の電圧に比例する。陽極酸化時 いる。一方、現在各社より上市されている AR フィルムは の電圧を変化させることによって、細孔間隔を 10nm から 多層膜タイプのものであり、各層の屈折率及び膜厚制御を 500nm 程度の範囲で制御することが可能である [9]。テー 行うことで反射光同士が干渉して打ち消しあうように設計 パー形状を有するアルミナナノホールアレイからなるモス されている。この多層タイプのものは多くの層を積み重ね アイフィルム形成用金型の形成方法を、図 10 を用いて説 ることで、かなり広い波長範囲の光の反射を抑えることが 明する。まず、シュウ酸水溶液を電解液として用い定電圧 可能である。ただ、コスト面からの要請から、一般的にディ 下で、アルミニウムの陽極酸化を行う。次に形成した細孔 スプレイ用途で用いられている AR フィルムは2層フィル をエッチングにより拡大する処理を行った。エッチングに ムであり、視感度の最も大きな 570nm 付近の光の反射を より孔径拡大処理を行ったものを、シュウ酸水溶液を電解 強く防止するような設計となっている。 液として用い定電圧下で、アルミニウムの陽極酸化を行う。 すると、ナノホール底面よりセル径の1/ 3の径を有する 一方、これとは異なる原理でナノオーダーの微細な凹凸構 細孔が形成される。底部にはセル径の1/ 3の径を有する 造を表面に形成することで、空気と基材の界面で屈折率を 細孔その上部にエッチング処理により拡大した径の部分が 連続的に変化させて反射を防止できることは、学術的には 形成された複合形状のナノホールアレイが形成される。こ 以前から知られていた。この構造は図8に示す蛾の目の表 の一連の処理を複数回繰り返すことにより擬似的なテー 面構造を模倣したものであり、一般にモスアイ構造と呼ば パー形状を有するモスアイ金型が形成される [10]。 モスアイフィルムは図 11 のような光ナノインプリントの 工程により作製した [11]。まず、アルミナナノホールアレ イ金型に光硬化性樹脂を充填し、PET 等の透明な基盤フィ ルムをかぶせる。この基盤フィルムは酸素による重合阻害 を防止するという目的も持っている。次に、基盤フィルム 側からUV光を照射し、光硬化性樹脂を硬化させる。最後 に保護フィルムと一体化した形状を付与した樹脂を金型か ら剥離する。この一連の工程を経由して、モスアイ型反射 防止フィルムが作製される。基盤となるフィルム上に、モ スアイ型反射防止コーティングを行うことにより、モスア イ型反射防止フィルムが形成される。基盤となるフィルム 図 8 蛾の目の表面構造 PEN May 2012 7 としてはアクリル系フィルム、ポリエステルフィルム、ポ リカーボネートフィルム等が用いられる。図 11 の下側の 写真は、左は作製したテーパー形状を有するアルミナナノ ホールアレイを有するモスアイ金型の断面の SEM 写真で あり、中央がモスアイ金型の表面の SEM 写真である。直 径約 100nm のテーパー状の細孔がきれいに配列した形状 となっている。また、右の図は UV ナノインプリントによ り形成したモスアイフィルムの TEM 写真である。モスア イ金型の形状がきれいに転写されていることが確認でき る。 図 9 アルミナナノホールとその作製方法 図 10 テーパー状アルミナ金型作製の模式図 8 PEN May 2012 図 11 モスアイフィルム作製プロセスの模式図 3)モスアイフィルムの光学特性 標準的なモスアイフィルムの反射率の測定データを図 12 に示す。従来品の AR フィルムは視感度の最も高い 570nm 付近の反射を選択的に防止するような特性を有しているの に対し、モスアイフィルムは可視光域全域において反射率 を下げることが可能であることが分かる。また、反射率の 入射角度依存性も良好であり、入射角度 50 度付近までは ほぼ無反射で、60 度になってはじめて反射率は 1% を超 える。アクリルシートの両面に反射防止フィルムを貼り付 け、映り込みの比較を行ったのが図 13 である。右側の市 販の反射防止フィルムを用いた場合、強い映り込みが確認 できる。一方、モスアイフィルムを貼ったのが左側である が、映り込みはほぼ確認できなかった。 図 12 反射防止フィルムの反射率 図 13 反射防止フィルムの映り込み評価結果 PEN May 2012 9 4)ロール to ロールによるモスアイ型フィルムの連続的製 が 1.5 で計算すると、ピッチは 267nm 以下であれば無反 造技術 射特性となる。モスアイ構造はピッチが 267nm 以下であ 数 10cm 単位の大きさのロール形状で鏡面加工したアル れば無反射の特性となるということであり、ピッチがそれ ミニウムをシュウ酸水溶液を電解液として用い定電圧下で 以下の中でフレても無反射構造であるということを意味す 陽極酸化を行い、次に細孔径を拡大する処理を行った。こ る。すなわち、モスアイ構造は多少の構造の欠陥は特性に れを複数回繰り返して表面にテーパー形状のアルミナナノ 影響しない、規則性の不完全さを許容するアプリケーショ ホールを有するロール金型を得た。 ンである。このようにモスアイ無反射フィルムは、自己組 織化の工業化のための最適なアプリケーションと考えられ 得られたロール金型を用いて光硬化性樹脂を用いてロール る。 to ロールで連続的に樹脂フィルム上にモスアイ構造を転写 した。樹脂表面及び断面を電子顕微鏡により観察したとこ ろ、バッチで検討していた時と同様に、100nm 周期の均 一なサイズのモスアイ構造がナノインプリントされている ことを確認した。得られたフィルムの反射率測定を行った ところ、可視光波長域において反射率及び反射率の波長依 存性が低いことがわかった。このように、ロール金型を用 式1 いた連続光ナノインプリントの可能性を確認した。 10.まとめ 9.バイオミメティクスと自己組織化現象の工業化 自己組織化の手法による材料設計では、基本的にエネル 微細構造の大面積での加工技術の実現のためには、自己組 ギー消費が少なく省エネであるということ、用いる加工 織化現象の適用が最も可能性が高いと考えられる。しかし 設備は比較的に簡易でかなり安価なもので済ませられるこ 自己組織化現象で形成される規則構造には、規則構造の乱 と、ならびに一般的に大面積での構造形成が可能だという れ “ いいかげんさ ” が必ず存在する。自己組織化を工業化 大きなメリットを有している。多くの解説では省エネの面 するためには、テクスチャリングによりマルチシリンダー 並びに安価な加工設備の面が強調されたものとなっている 構造の超規則性を実現したように、トップダウンの加工技 が、本稿では工業化に結びつく最も大きなポイントと考え 術との組み合わせにより規則構造の乱れを解消する方向性 られる大面積加工の可能性にポイントを絞って解説を行っ がある。ただ、トップダウンの加工技術がベースにあるの た。 で、大面積の加工にはつながらない。自己組織化現象の特 性を十分に活かし大面積加工技術を実現するためには、構 自己組織化現象を工業的に適用した事例は、現在までのと 造の “ いいかげんさ ” を許容するようなアプリケーション ころ非常に数少ない。自己組織化現象を工業的なプロセス を見出すことが必須である。 へと結びつけた成功例として挙げられるように、これらの ここで生物に目を移してみる。生体に帰属する表面構造は 技術の工業化を目指し多くの研究開発が進められている。 特性としては、完全な機能の発現が必須である。また、生 そのための強力なツールとしてバイオミメティクスは期待 体を構成する構造は、基本的には自己組織的に形成される。 されている。 ただ、自己組織化による構造形成は、規則性に不完全さが 必ず存在する。生体の表面構造では、規則性に不完全さが 存在するにもかかわらず、完全な機能が実現されている。 References: 生体は自己組織的な構造形成の最良のお手本であり、自己 [1] 鎌田香織、化学と工業、58(3)、231-232 (2005) 組織化を工業的に利用する際の非常に良い指針となると考 [2] 下村政嗣、高分子、55(1)、28(2006) えられる。 [3] 魚津吉弘、廣田憲史、高分子論文集、61(1)、51-66 (2004) [4] 魚津吉弘、服部俊明、川原田泰、藤井泰行、高分子学 10 モスアイの場合を例にして考えてみる。モスアイ構造はア 会予稿集、55(2)、3413(2006) スペクト比などの満たすべき条件はあるが、式1の関係を [5] Castets, V., Dulos, E., Boissonade, J., and De Kepper, P., 満たす限り無反射の特性を実現するものと計算されてい Phys. Rev. Lett., 64, 2953-2965 (1990). る。最もピッチが小さくなる条件、波長 400nm で屈折率 [6] 茶谷俊介、實藤康一郎、服部俊明、刀禰誠司、2006 PEN May 2012 年第 15 回ポリマー材料フォーラム、2PB12 [7] P. B. Clapham & M. C. Hultley, Nature 244, 281 (1973) [8] H. Masuda and K. Fukuda, Science, 268, 1466 (1995). [9] T. Yanagishita, K. Nishio, and H. Masuda, J. Vac. Sci. B, 25, L35 (2007). [10] T. Yanagishita, K. Yasui, T. Kondo, K. Kawamoto K. Nishio, and H. Masuda, Chem. Lett., 36, 530 (2007) [11] 魚津吉弘:日本接着学会誌 “ モスアイ型反射防止コー ティング ”、46(5)、173 (2010) PEN May 2012 11 平成 24 年度大阪大学ナノ高度学際教育研究訓練プログラム 土曜集中講座「ナノテクノロジー社会受容特論」の 公開について 大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センター 特任教授 伊藤正 ナノサイエンス・ナノテクノロジーは専門領域を横断した Gが主催する「ナノテクセミナー 2009 大阪 ~みんなで 学際的な研究分野であり、その成果の多くが学問体系の枠 学ぼう リスク管理策~」を共催しました。これらは社会 組みを超えて急速に発展しています。 受容の専門家を養成するためのものではありませんが、現 在と将来のナノ理工学に関わる科学者・技術者が持つべき そのことを踏まえ、大阪大学では、研究科、研究所・センター 共通認識として、極めて大切な内容を含み、多くの先進諸 を横断するナノサイエンス・ナノテクノロジーに関する人 国でもその知識普及と実践の必要性が謳われているもので 材育成のために、理工学系大学院の博士前期課程(修士) ・ す。そこで、2010 年度より産業技術総合研究所 ナノシス 博士後期課程(博士)向けの副専攻型プログラムと、ナノ テム研究部門の協力を得て、大阪大学ナノ高度学際教育研 テクノロジー関連企業で働く社会人向けの高度教育プログ 究訓練プログラムの大学院生と社会人受講生に共通の土曜 ラムを 2004 年度より提供しています。その人材育成活動 特別集中講座「ナノテクノロジー社会受容特論」として正 では、ナノ理工学の基礎から応用に亘る専門的知識を育む 式開講しました。数名の政策担当者、企業開発担当者、学 ことはもちろんですが、同時にナノ理工学の研究開発に携 内教員等が講義を担当します。社会受容、科学技術コミュ わる人なら是非知っておいて欲しいナノテクノロジーの社 ニケーションに関する視野を身につけ、産業化における問 会受容、すなわち新たなナノサイエンス・ナノテクノロジー 題点、リスクアセスメント並びに管理手法、標準化、知財 を社会で活用する際の科学技術政策、リスクアセスメント、 等の基礎知識、科学技術政策の考え方を学びます。この講 リスク管理手法、標準化、科学技術コミュニケーションな 座は、1 日は基本的に午前 3 時間、午後 3 時間の 2 テー どの基礎知識とその考え方を育むことにも力を入れていま マの組み合わせですが、各テーマは各々同じ重みを持った す。我が国のものづくり産業に資する新規科学技術の実用 時間配分の講義と討論により構成されていることが特徴で 化には世界的展開が不可欠であり、ナノ理工学の多様性と あり、少人数のグループ討論では受講生が自分の専門に対 迅速性の故に基礎科学技術の初期の時期から、ナノテクノ してケーススタディーを行うことができます。 ロジーの社会受容を世界的にかつ戦略的に実践することが 必須となっています。我が国が世界に立ち後れている社会 2012 年度は 3 日間の日程で、以下の要領で大学院生 ・ 社 受容の実践家を幅広く育てると共に、ナノ理工学分野、ナ 会人受講生に対して開講しますが、同時により幅広い分野 ノテクノロジー産業にかかわる科学技術者自身が、自分の の社会人の方々にも参加していただけるように、ナノ関連 専門と社会受容との関連を日頃から議論し、 必要に応じて 企業にお勤めの研究者・技術者の方々にも本講座を一般公 実践に結びつける訓練を積むことも極めて重要です。 開します。なお、本講座は遠隔講義システムを用いたライ ブ中継により受講場所も大阪以外に複数設けてありますの 大阪大学では 2009 年度に、 (社)大阪大学ナノ理工学人 で、お近くの会場を選んでご参加下さい。1 日だけの参加 材育成産学コンソーシアムと連携して、ナノテクノロジー も可能です。 社会受容セミナー入門編を開催するとともに、産業技術 総合研究所イノベーション推進室ナノテクノロジー戦略W 12 PEN May 2012 (1)開講場所 に遭遇する。ここでは、材料のキャラクタリゼーショ ・大阪大学中之島センター 7 階セミナー室(講師来訪) ンの歴史とその意義から始め,特に表面・微小領域分 ・大阪大学東京オフィスサテライト教室(遠隔配信による 析法の対象として考えた「実際の材料」としての「ナ 講義) ノ材料」分析の標準化の動向と問題点について考える。 上記の2教室については下記を参照下さい。 http://www.sigma.es.osaka-u.ac.jp/pub/nano/02_shakaijin/map/Maptop.htm 2. 14:00-17:00(討論1時間 30 分を含む) 「ナノリスクとマネジメント」 ・四日市商工会議所内サテライト教室(遠隔配信による講 山根秀信氏(シャープ ( 株 ) ドキュメントソリューショ 義) ン事業本部) エレクトロニクスメーカーにおいて、永年化学物質の (2)プログラム 安全性評価に携わってきた経験から、直面する新たな 第 1 回 6 月 2 日(土) リスク “ ナノリスク ” をどう捉え、どのように対応して ナノテクノロジー研究開発における社会受容の重要性を理 いかなければならないのかを欧米や国内の取組み事例 解すると共に、研究開発・産業応用におけるナノテクノロ を参考に考える。 ジー知財の問題点を探る。 1. 10:00-10:10 「はじめに(履修ガイダンス) 」 第 3 回 7 月 14 日(土) 伊藤正(大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究セ 企業の立場からのナノ材料の安全性に関する国際標準化の ンター 特任教授) 考えを学び、あわせて情報活用の重要性を知る。シリーズ 2. 10:10-13:00(討論1時間 20 分を含む) 「ナノテク社会受容とは」 阿多誠文(産総所ナノシステム研究部門) 日本におけるナノテク社会受容の必要性を初期から提 講義の纏めとして、ナノテクノロジー社会受容への各人の 取り組みを考える。 1. 10:00-13:00(討論1時間 30 分を含む) 「ナノテク国際標準化」 唱し、その普及を図ってきた立場から、研究開発の現 柳下皓男氏(JFE テクノリサーチ ( 株 ) ビジネスコンサ 状と社会受容に対する各方面の動向を概観し、受講生 ルティング本部) にナノテク社会受容の重要性を認識してもらいたい。 工業ナノ材料の国際標準化・安全性評価関連の作業に 3. 14:00-17:00(討論1時間 30 分を含む) 「ナノテク知財」 係わっている立場から、ナノ材料定義やナノ材料含有 製品の表示および安全性に関する標準化機関・規制 当 玉 川 惟 正 氏(Thomson Reuters( 株 ) 、Yet2.com( 株 ) 局の動向と、この動きに対する欧米産業界の取組みを Executive Adviser、 英国 Nanoco Technologies 社 副社長) 紹介し、国際的視野および CSR の観点から日本企業が 特許の歴史、欧米企業の特許戦略の歴史、21 世紀の欧 取るべき対応について共に考える。 米の産官学の Patent 戦略、Intellectual Property(知的 財産ではなく知的資産であること) 、等を踏まえて、ナ 2. 14:00-14:30 「ナノテクノロジー情報の活用」 ノテクに関する Open Innovation、 Global Business 戦略、 関谷瑞木氏(産総研ナノシステム研究部門) New Business、社会受容体と特許戦略について解説し、 月刊誌 PEN の活動などを通じた研究開発における情報 ナノテクベンチャー起業家ならばどうすべきかを考え 活用の有効性を述べる。 る。 3. 14:30-17:00 「パネル討論」 第 2 回 6 月 30 日(土) パネラー(予定) :阿多、玉川、田沼、山根、柳下、関谷、 ナノ材料分析の標準化とそのための計測技術の重要性、ナ 伊藤(敬省略) ノ材料の安全性の問題を理解し、いかに共有するかを考え る。 今回のシリーズ講義で取り上げた課題は、いずれもナノテ 1. 10:00-13:00(討論1時間 30 分を含む) クノロジーの社会受容にとって極めて重要な要素であり、 「ナノ計測と標準化」 これからのナノサイエンス・ナノテクノロジーの発展に欠 田沼繁夫氏((独)物質・材料研究機構中核機能部門 部 くことの出来ないものである。パネル討論でその認識を深 門長) めると共に、お互いにどのようにリンクしながら、国際的 ナノ材料は非常に幅広いが、昨今の計測技術ではナノ なナノサイエンス・ナノテクノロジー推進に結びつくかを レベルの分析自体は特段難しいわけではない。しかし、 考える。 材料をそのまま計測・分析しようとすると多くの困難 PEN May 2012 13 なお、最終日には講義終了後、中之島センター 7 階セミ ナー室にて講師と受講生を交えた交流会を開催しますの で、奮ってご参加下さい。 (3)受講費用 大阪大学ナノ理工学人材育成産学コンソーシアム会員企 業関係者は無料、一般参加者は資料代3回分一括で 3,000 円を頂戴します。 (4)受講申込方法 下記事項について、メールで下記の期日までにお申込み下 さい。 締め切り 第1回から:5 月 23 日(水) 第2回から:6 月 20 日(水) 第3回のみ:7 月 4 日(水) 追って、参加費支払い方法、講義資料の受領方法をお知ら せ致します。 ※メール返信先:[email protected] ※申込必要事項(返信内容) ・御氏名: ・所属企業名: ・受講日: ・受講場所:(日により受講場所が異なる場合は、日付と 受講場所を対で明記のこと) (5)問い合わせ先 大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センター 伊 藤 正、 小 川 久 仁、 片 山 京 子(Tel:06-6850-6397、 -6995、e-mail:[email protected]) URL:http://www.sigma.es.osaka-u.ac.jp/pub/nano/ 14 PEN May 2012 短期連載 韓国のナノテクノロジーの研究開発 ① 韓国のナノテクノロジー研究開発戦略と投資の現状 産総研ナノシステム研究部門ナノテクノロジー戦略室 安順花 技術(IT)であり、ナノテクノロジーである。 1. 韓国のナノテクノロジー戦略、その背景 韓国政府は 1990 年後半から、IT を産業発展の原動力と位 韓国は今や情報通信技術だけではなくナノテクノロジーに 置付けた。その戦略の下で韓国は IT 強国入りをしたもの おいても先進国に仲間入りをしたが、その理由はどこにあ の、1998 年の金融危機や IT バブルを経験したことから、 るのだろうか。韓国のこれまでの経済成長の長い道のりを 新たな成長エンジンが必要となった。韓国経済の成長を再 振り返ることで、その答えを見出すことができるだろう。 加速させる有用な分野としてナノテクノロジーが取り上げ 昨年 12 月 5 日、日本の経済産業省に相当する韓国の知識 られたのである。ちょうど 2000 年頃には、ナノテクノロ 経済部は、暫定集計ではあるが、韓国の貿易規模について、 ジーが今後成長する有望な分野として期待され、米国等先 輸出 5,153 億米ドル、輸入 4,855 億米ドルで、1 兆ドル 進国を中心に次々に国家科学技術戦略に基づいてその研究 を突破したと発表した。これは半世紀前の 1962 年 1 月、 開発が取り組まれはじめた時でもあり、IT 産業の更なる成 輸出主導による経済成長を図って韓国政府による経済開発 長を導く未来の戦略テーマと位置づけられ、中長期的な研 5 ヵ年計画が策定・施行されて以来の快挙である。 究開発投資の戦略が策定された。 1960 年代に韓国は主に農水産物や鉄鉱石等を輸出してい 韓国は内需市場が小さく、輸出主導型経済成長を進めてき たが、現在は半導体、船舶、自動車、電子電気製品等の先 た結果、表 1 に示すように、韓国経済は世界的に見ても貿 端製品が主要輸出品目となっている。とりわけ半導体の場 易依存度の高さを見せている。そのため、韓国は対外環境 合、1960 年中盤、米国、日本等からトランジスタとダイ 要因に敏感な経済構造を持っていると同時に、持続的な経 オード等半導体部品を下請け、組立、生産していたことか 済成長の解も輸出で探さなければならない。とりわけ競争 ら、1974 年には CMOS チップの生産、1983 年には 64K の激しい半導体、自動車、IT 機器の輸出主力分野で国際競 DRAM の開発、1992 年には世界初の 64M DRAM の開発 争力をより一層高めていくためには、更なる先端技術を取 等にいたる目覚ましい発展を続けてきた。以降半導体産業 り入れなければならない。韓国産業の主力分野である半導 は韓国経済成長及び輸出をけん引する代表産業として位置 体の需要を牽引するのは、携帯電話、ディスプレイ等の IT づけられるまでになり、2010 年には単一品目としては史 製品であるが、半導体、情報通信技術分野においてナノテ 上初の輸出 500 億ドルを達成している。よく知られてい クノロジーは極めて重要な要素技術である。そのため、ナ るように、これら半導体・電子電気製品等先端分野は激し ノテクノロジーは表 2 から分かるように韓国の研究開発費 い技術競争とコスト競争に晒されている。この分野での技 の割合においても IT に続き 2 番目となり、重点育成分野 術の差別化、コスト削減に欠かせない技術領域が情報通信 として戦略的に位置づけられている。 表 1 貿易 1 兆ドル国家の貿易依存度(2010 年) 国 米国 ドイツ 中国 日本 フランス オランダ 英国 イタリア 韓国 貿易依存度(%) 22.0 72.8 49.5 25.1 42.7 114.6 43.2 44.0 87.4 出典:韓国知識経済部(2012) PEN May 2012 15 表 2 韓国における重点分野の研究開発費の推移 2005 2006 2007 2008 2009 2010 IT 88,680 97,230 109,949 116,501 123,543 147,369 バイオ 14,115 18,099 23,537 26,349 30,089 34,591 ナノ 29,134 36,568 38,120 42,326 45,994 55,891 航空宇宙 4,089 5,000 5,331 5,949 4,878 5,481 環境 17,424 17,408 23,680 29,330 34,651 48,196 文化技術 1,249 3,345 2,406 2,986 3,574 5,029 そのほか 86,865 95,808 109,992 121,540 136,556 141,992 合計 241,554 273,457 313,014 344,981 379,285 438,548 出典:韓国ナノテクノロジー発展施行計画 (2011)、単位:億ウォン ※ 1000 ウォン=約 70 円 2011 年から 2020 年にわたる第 3 期総合計画では、世界 2. 韓国におけるナノテクノロジー戦略 一流のナノ強国を目指し、①体系的なナノテクノロジー R&D プログラムに基づいたナノテクノロジー先導国家入 このような背景のもと、2001 年 7 月、韓国国家科学技 り、②ナノテクノロジーによる未来新産業の創出、③ナノ 術委員会は「ナノテクノロジー総合発展計画(2001 ~ テクノロジー研究開発における社会的・倫理的責任の強化、 2010)」を策定した。そのなかで「ナノテクノロジー開発 ④優秀ナノ人材の育成及びインフラの活用の極大化の四つ 促進法」第 4 条および同法施行令第 2 条に従い、ナノテ の目標を挙げた。 クノロジー研究開発の促進のため、5 年ごとの研究開発計 画を策定するよう法的根拠を設けられている。これによっ ナノテクノロジー開発を国家のコア戦略とした韓国政府 て国によるナノテクノロジーに対する長期的な戦略と継続 は、先進国レベルの競争力を備えるために様々な戦略に取 的な研究開発投資の支援が可能となった。日本も 5 年ごと り組んできた。文部科学省に当たる韓国教育科学技術部の の科学技術基本計画を策定しているが、それはナノテクノ 「2009 ナノ基礎・源泉技術中期戦略」では、7 大 R&D 重 ロジーに限ったものではなく科学技術全般の計画である。 点支援技術、4 大インフラ、3 大成果を目指す「743 細部 これがナノテクノロジーに特化した研究開発計画を策定す 戦略」が推進された。ここでいう 7 大重点支援技術とは、 る韓国と異なる点である。 ①ナノ融合素材、②次世代素子、③ナノバイオ、④ナノエ ネルギー、⑤ナノ工程装備、⑥物性評価指標、⑦安全性 このような背景から施行された第 1 期ナノテクノロジー戦 評価のことであり、4 大インフラとは、①ナノファブセン 略では、5 年以内にナノテクノロジーの研究開発のための ター、②人材育成教育、③国際共同研究、④制度改善・運 主要インフラを構築し、2010 年までに先進 5 か国の技術 営のことであり、3 大成果とは、①基本特許の先占、②専 競争力を確保し、技術的優位を持つ少なくとも 10 件以上 門人材の確保、③技術水準の向上のことである。また 7 大 の最高技術を確保するとのビジョンを示した。 重点支援技術は、さらにナノ融合素材等 35 の細部技術に 分けられていた。 その後第 2 期計画では、① 2015 年に先進 3 大国の技術 16 競争力の確保、②ナノテクノロジー融合による新技術の先 引き続き 2011 年には融合型ナノテクノロジー開発の革新 占、③安全かつ豊かな社会の実現を 3 大ビジョンとして、 的システムの構築に向けた「ナノ融合 2020 事業」が策定 ① 30 以上の世界トップ技術の確保、②世界のナノ関連市 され、2012 から 2020 年までの 9 年間に総額 1 兆 7500 場で 20% の占有率(5000 米ドル) 、③診断及び治療技術 億ウォンが投資される見込みである。ここでは、ナノ融合 の画期的な向上、④エネルギー及び環境問題への対策の提 技術の商用化による新市場と新産業の創出を目指し、①世 示を 4 大推進目標として挙げた。 界先占型グローバルヒット商品 10 件を開発、②世界トッ PEN May 2012 プのナノ融合技術 10 件の確保、③ナノ融合技術を活用し 増えて 2,499 件となり、2008 年から世界第 4 位を維持 た売上企業 50 社の育成、④新市場・新産業創出型融合技 している。1997 年から 2009 年までの累積論文数は合計 術 200 件を開発、⑤オープンナノ融合 R&D 支援体制の構 13,170 件で世界第 5 位レベルである。米国での公開特許 築を 5 大目標とした。これの推進事業としては、3 大重点 登録件数は 2001 年 81 件(6 位)から持続的に増加し、 融合分野の 10 大戦略事業で構成されている。3 大融合分 2005 年 461 件を記録して以降、第 3 位を維持している。 野とは、①ナノテクノロジー(NT)-情報通信技術(IT)、 ② NT -バイオテクノロジー(BT) 、③ NT -環境工学技 インフラ面では、2009 年まで大田総合 Fab センター、水 術(ET)である。 原特化 Fab センター、浦項・全州・光州集積センター、大 邱実用化センターのナノインフラ施設 6 か所を構築し、産 学連携サービスを実施している。 3. 成果 人材育成については、2001 年には大学のナノテクノロジー こうした政府の積極的な取組に支えられ、2001 年から 関連学科がわずか 3 カ所しかなかったものの、2010 年に 2009 年までの約 10 年間に韓国のナノテクノロジー研究 は 43 カ所へと増加し、在学生数も過去 5 年間で 5 倍に増 開発は目を見張るような発展を達成した。 加した。 まず、同期間の投資額からみると、7 省庁から 9 年間合計 産業化では、ナノ銀を用いた衣類、化粧品等の生活用品、 2 兆 1,276 億円が投資された。その内訳をみると、教育科 家電製品、自動車、ディスプレイ・半導体等を中心で商品 学部 9,981 億ウォン(46.9%) 、知識経済部 6,112 億ウォ 展開が行われている。またナノテクノロジー関連企業数 ン(28.7%) 、環境部 1,112 億ウォン(5.2%)等である。 も着実に増えつつある。2005 年に中小企業を中心として 154 社あったナノテクノロジー関連企業は、2009 年には 2001 年から 2005 年の第 1 期ナノテクノロジー総合発展 184 社へ増加している。技術別にナノテクノロジー関連企 計画では 1 兆 705 億ウォン、2006 年から 2010 年までの 業を分類すると、ナノ素材(35.1%)、ナノ工程(18.2%) 、 第 2 基計画では 1 兆 3,105 億ウォンが投資された。部分 ナノ測定(11.7%)、ナノ素子(8.7%)、ナノバイオ(12.6%) 、 別でみると、R&D 投資額が持続的に増加しており、イン その他(13.7%)である。 フラ部門への投資は 2005 年以降減少傾向を見せている。 このような顕著な成果に基づき、2011 年発表された第 3 技術レベルの向上も顕著だった。韓国による相対評価で 期ナノテクノロジー総合計画では、世界的なナノ強国の建 あるが、ナノテクノロジー技術水準では、2001 年基準で 設を目指すビジョンを示した。ここでは、2020 年までに 米国に比べ当時の 25%程度から 2008 年には 75%まで追 米国のナノテクノロジー技術水準の 90%にまで追い上げ、 い上げた。また、研究成果である論文数を見ると、2009 ナノテクノロジー先導国家となること、融合及びグリーン 年ナノテクノロジー分野の Science Citation Index(SCI) 産業への波及効果の多いナノ融合基盤技術を 30 件以上確 ジャーナルに掲載された論文数は 2001 年比で 10 倍以上 保するというナノテクノロジーをもとにした将来新産業の 表 3 韓国のナノテクノロジー R&D に対する投資額の推移 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 合計 1,052 2,121 2,375 2,480 2,676 2,788 2,814 2,429 2,543 2,427 R&D 955 1,589 1,644 1,631 1,700 1,938 2,044 1,764 2,303 2,075 インフラ 30 456 626 702 840 688 609 526 110 224 人材育成 67 76 105 147 136 162 159 139 130 127 出典:韓国第 3 期ナノテクノロジー総合発展計画(2011)、単位:億ウォン PEN May 2012 17 創出、ナノテクノロジーに係わる優秀人材数を 2020 年ま で 20000 人にまで育成する優秀ナノ人材育成及びインフ ラの活用の最大化、2020 年まで環境・健康・安全(EHS) に対する投資割合を 7% にまで引き上げるというナノテク ノロジーの研究開発における社会的・倫理的責任の強化の 5 つの目標が示されている。 さらに詳しく述べると、①未来社会需要解決型ナノテクノ ロジーの開発として、デバイス、バイオ等 5 大分野 30 技 術の重点育成、②ナノテクノロジー専門人材の養成として、 修士・博士の研究開発人材の養成、産業現場の専門人材の 養成、③ナノインフラの運営活性化として、ナノインフラ の活性化のための制度的基盤構築、運営体系の改善、④研 究開発の社会的・倫理的責任の強化として、EHS 関連制度 的基盤構築、ナノ物性の測定及び評価の基盤技術の確保、 EHS 情報ネットワークの構築及び EHS 国際研究への参加、 ⑤効果的支援体制の強化として、政府投資の持続的拡大、 省庁間国家ナノテクノロジー開発の推進体制の改善を図る 予定である。 References: [1] 韓国知識経済部、プレスリリース http://www.mke.go.kr/news/coverage/bodoView.jsp?seq=70863&pageNo=2&s rchType=1&srchWord= 무역 &pCtx=1 [2] 韓 国 政 府 の ナ ノ テ ク ノ ロ ジ ー 戦 略、 李 仁 植、PEN、 2011 年 12 月、Vol.2, No.9、産総研 [3] 第 3 期ナノテクノロジー総合発展計画(2011~2020) ( 案 )、国家科学技術委員会、2011.4.19 18 PEN May 2012 【政策】 フランス、ギリシャで緊縮財政に逆 風(2012.5.7) 5 月 6 日に行われたフランス大統領 選の決選投票で、野党社会党のオラ ンド氏が現職のサルコジ氏を破って 勝利した。勝利演説でオランド氏は、 これまでドイツとフランスがリード して進めてきた欧州連合(EU)の緊 縮財政の見直しを明言した。同じ日 にギリシャで行われた総選挙でも、 反緊縮策を掲げた急進左翼進歩連合 が第 2 党に躍進するなど、緊縮財政 に対して厳しい結果が突きつけられ 海外動向 た。この結果、財政再建を進めてき た中道右派・新民主主義党を中心と する連立与党が過半数割れに追い込 ま れ た。EU が 協 調 し て 取 り 組 も う としていた財政再建の枠組みが崩れ、 欧州の財政不安が再燃する可能性も ある。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120507/ k10014927761000.html 【ELSI、医薬品】 ノートルダム大学、ナノ医薬品の倫 理的課題に取り組む(2012.4.27) 米国のノートルダム大学では、ナノ テクノロジーの社会的な影響につい て議論の活発化のため学内外から参 加者を募り Nano Impacts Intellectual Community という定例の会合を月に 一度開いている。ナノ医薬品の倫理、 ナノテクノロジー製品、ナノテクノ ロジー研究の学際性などについて議 論を深めている。 http://newsinfo.nd.edu/news/30536-notre-dameleads-in-the-discussion-of-the-ethical-and-societalimpacts-of-nanotechnology/ PEN May 2012 19 【規制策、食品、医薬品】 【研究開発、CNT】 カナダ保健省、食品規制を合理化(2012.4.26) 柔らかいメモリー素子を開発(2012.4.25) カナダ保健省は食品医薬品法を改定し、非効率な手続きを 韓国科学技術院(KAIST)、ナノ総合ファブセンター、ソ 減らし合理化する。ツールを導入し、現在実施されている ウル大学は、カーボンナノチューブ(CNT)を使い、折り 上市前の安全性評価の機能を損なうことなく、手続きを合 曲げられる柔らかいメモリー素子を開発した。樹脂の中に 理化する。これにより製品の許認可のスピードが上がるこ CNT を溶かし金属薄膜で挟んだ。2 種類の CNT を使って とが期待されている。 2 段階の記憶機能を持たせた。CNT に何も加えないで作っ http://www.hc-sc.gc.ca/ahc-asc/media/nr-cp/_2012/2012-58-eng.php た素子よりも、オンとオフの切り替え動作が 100 倍以上 速くなり、寿命も 100 倍以上に延びた。今回の研究成果 は 4 月 20 日付の Nano Lettes のオンライン版に掲載され 【食品、ナノ材料、EHS】 マサチューセッツ大学アムハースト校、ナノカプセル作製 た。 http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl204039q プロジェクトを立ち上げ(2012.4.26) マサチューセッツ大学アムハースト校の食品科学の研究 チームが、農務省から 40 万ドルの研究支援金を受けて、 【リスク管理】 油溶性のビタミンなどを食品に添加するため自然素材で 消防士とナノ粒子(2012.4.24) ナノカプセルを作製するプロジェクトを立ち上げた。プロ 消防関係者の間では火災現場で発生する煙は健康上問題が ジェクトの実施期間は 3 年である。 あることが知られている。ナノ材料を用いた製品が燃えた http://www.umass.edu/newsoffice/newsreleases/articles/152326.php 場合に発生する煙にも懸念が向けられている。カナダのオ タワではナノテクノロジー製品によるリスクが不明確なた め、消火活動の際には常に自給式の呼吸器を装着するよう 【政策、規制策】 求めている。また、消火活動の現場でできるだけ煤を洗い スイス、合成ナノ材料戦略の継続を決定(2012.4.25) 流すように勧めている。 スイスの Federal Council は、2008 年に採択した戦略計画 http://www.firehouse.com/news/10705138/nanotechnology-spells-danger-for- の 2015 年までの継続を 4 月 25 日に決定した。公開され firefighters た「合成ナノ材料の戦略計画」は、スイス国内におけるナ ノ材料の安全な取り扱い説明している。戦略計画は、規制 策の構築、健康・環境リスク低減のための科学的基礎の構 築、リスクとベネフィットに関するパブリックダイアロー グの促進などを目標としている。 http://www.bafu.admin.ch/publikationen/publikation/00574/index.html?lang=en 【医薬品】 ナノ医薬品の現状について活発な議論(2012.4.24) 2012 年 4 月 19 〜 20 日にナノテクノロジーの医薬品分 野の専門家がベルリンで一同に会した。シンポジウムでは ナノ医薬品の現状について非現実的な将来像を描くことな く注意深く科学に基づいた議論が行われた。ナノ粒子の造 【EHS、リスク管理】 国際共同研究でセンサーを開発(2012.4.25) ドイツのテュービンゲン大学が率いる国際共同研究プロ ジェクト INSTANT で、消費者製品中のナノ粒子の検出と 影剤利用、ナノカプセルなどが紹介され、ナノ構造の定義、 ナノ医薬品のリスク、倫理的課題についても活発な議論が 行われた。 http://www.nanowerk.com/news/newsid=24999.php 分析を行うための電気化学的なセンサーの開発を行ってい る。プロジェクトは、欧州連合(EU)から 380 万ユーロ の研究資金を受け、6 カ国から 10 の機関が参加している。 また、EU のイニシアチブであるナノ安全クラスターとも 連携している。 http://www.nanowerk.com/news/newsid=25007.php 【ナノ材料、EHS】 UCLA、ナノ粒子の毒性予測モデルを開発(2012.4.23) カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チー ムが、金属酸化物ナノ粒子の電気特性と溶解度を分析する ことのできる毒性予測モデルを開発した。 http://cen.acs.org/articles/90/web/2012/04/Model-Predict-Nanoparticle-Toxicity. html 20 PEN May 2012 【規制策、食品、化粧品】 酸化銅(Ⅱ)と 100nm より大きな酸化銅(Ⅱ)、そして FDA、ナノテクノロジーを用いた食品および化粧品のガイ 銅イオンの 3 種の材料に曝露させ、細胞への吸収と DNA ドラインを公開(2012.4.20) への影響を分析した。ナノサイズの粒子に曝露させたナズ 米国食品医薬品局(FDA)は、ナノテクノロジーを用いた ナでは 2 倍の損傷を観察した。また、細胞への吸収も多く 食品および化粧品に関する企業向けのガイドラインを公開 なっていた。DNA の損傷はナズナと牧草では異なっていた。 した。FDA は、ナノテクノロジーを用いた食品や化粧品は さらに、3 種の植物全てで根と芽の成長が阻害された。 人体に未知の影響を及ぼす可能性があるとして、食品や化 http://www.nist.gov/mml/biochemical/nanoparticles-041712.cfm 粧品企業に対してデータの収集を継続するように求めた。 FDA は消費者団体がナノテクノロジーを区別して規制する ように求めた 2006 年の請願は却下した。 http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm301125. htm FDA の両ガイドライン公開に関連するニュース http://www.newhavenindependent.org/index.php/archives/entry/fda_to_ manufacturers_we_need_to_t/ 【科学技術教育】 テネシー州、公立学校で進化論への反論を授業に取り入れ ることが可能に(2012.4.13) キリスト教保守派の影響が強い米国テネシー州で、公立学 校の教師が進化論や地球温暖化に対する反論を教えること を許容する州法が成立し、Bill Haslam 州知事が承認のサ インをした。これをモンキー法と呼んで反対してきたテネ 【食品、リスク管理】 FDA、 ナ ノ テ ク ノ ロ ジ ー 製 品 の 規 制 方 針 を 明 確 化 (2012.4.20) 米国の食品医薬品局(FDA)の理事 Hamburg 氏は、FDA の今後のナノテクノロジー製品の規制策について、定義を 定めて規制するのではなく、科学に基づき製品ごとに規制 シー科学教員連盟等は、「教師が疑似科学的な考えを教え ることが法律で保障されることになる」と反発している。 対して推進派は、既存の科学的学説の良いところや欠点の 理解を助ける法律だとし、特定の宗教に基づく価値観を押 し付けるものではないと主張している。 http://scienceline.org/2012/04/the-state-of-tennessee-vs-the-theory-of-evolution/ をする方針であると述べた。Hamburg 氏の発言は 2011 年にパブリックコメントのために公開されたガイドライン で述べられている方針について改めて表明したもの。 http://www.foodnavigator-usa.com/Regulation/Nanotech-regulation-may-becomemore-nuanced-in-light-of-experience-says-Hamburg 【政策、リスク管理】 タイ、ナノ安全性戦略計画の一環としてセミナーを開催 (2012.4.11) タイは 2012 年~ 2016 年までを実施期間とする「ナノ安 全性と倫理戦略計画」を施行し、ナノテクノロジーの研究 【化学物質管理、REACH】 開発と並行してリスクの課題にも取り組んでいる。タイの ECHA、ナノマテリアルの情報提供要件ガイドラインの付 国立ナノテクノロジー研究センター(NANOTEC)と国連 属書案を CARACAL へ提出(2012.4.18) 訓練調査研究所(UNITAR)は、キャパシティビルディン 欧州化学品庁(ECHA)は、ナノマテリアルに関する情報 グのためのパイロットプロジェクトを実施している。本プ 提供要件と物質安全性評価ガイダンスの R.8, R.10, R14 の ロジェクトの一環として、NANOTEC は、UNITAR、国立 各章の付属書案 3 件を、REACH および CLP の所管官庁協 科学技術開発機構(NSTDA)と共催で、市民にナノ材料と 議会 CARACAL へ提出した。 ナノテクノロジー製品の環境と健康への影響について理解 http://nanotech.lawbc.com/2012/04/articles/international/echa-forwards-draft- を深めてもらうため、大学や政府から専門家が招かき「ナ guidance-concerning-nanomaterials-to-caracal/ ノテクノロジー開発と社会、ナノ安全性、倫理」のテーマ で 3 月 27 日にセミナーを行った。 http://www.nanotec.or.th/en/?p=3534 【EHS、ナノ材料】 ナノ粒子が植物の成長を阻害する可能性が指摘される (2012.4.17) 米国の国立標準技術研究所(NIST)とマサチューセッツ 大学アムハースト校の共同研究チームが、ナノ粒子が植物 に蓄積し、DNA に損傷を与える可能性があることを明ら かにした。試験はナズナと 2 種の牧草を、ナノサイズの 【化学物質規制、WEEE】 EC、WEEE 指 令 改 訂 案 へ の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 採 択 (2012.4.11) 欧 州 委 員 会(EC) は、4 月 11 日 に 廃 電 気 電 子 機 器 (WEEE)指令の改訂案第 2 読会へのコミュニケーション PEN May 2012 21 COM(2012)139 を採択した。EC は本コミュニケーション 験で同じく食中毒の原因菌である大腸菌の検出にも成功し で、電気電子機器類に含まれるナノマテリアルの潜在的な ている。 リスクは適切な規制策によって把握できるとの方針を示 http://www.foodqualitynews.com/Innovation/Gold-nanoparticles-offer-quick-and- し、必要に応じ特別な措置を講じるか否かを判断するとし easy-Salmonella-detection-developer ている。WEEE の改訂は、2008 年に、行政手続きの合理 化と、電気電子機器類の廃棄量の一層の削減と適切な処理 の促進のため、回収目標の数値などを盛り込んて提案され た。 http://ec.europa.eu/environment/waste/weee/index_en.htm 【EHS、ナノ材料】 BfR、銀ナノ粒子をテーマに会議を開催(2012.2.8) ドイツの連邦評価研究機関(BfR)は、銀ナノ粒子の製造 と消費者製品への応用の現状を紹介する会議を 2012 年 2 月 8 〜9日に開催。 欧州委員会(EC)の共同研究センター 【ナノ材料、規制策、EHS】 SCENIHR、 銀ナノ粒子に関する情報提供を要請(2012.4.10) 欧 州 委 員 会(EC) の Scientific Committee on Emerging and Newly Identified Health Risks(SCENIHR)は、環境・ 健康・安全(EHS)評価のために銀ナノ粒子に関するデー タの提供を呼びかけている。これは 2011 年 12 月に出さ れた EC の求めに応じたものである。EC は、医療機器や 日用品で使用される銀ナノ粒子にマクロスケールの銀粒子 とは異なるリスクがあるか、細菌が薬剤耐性を獲得する可 能性はあるのかについて SCENIHR の意見を求めている。 SCENIHR の情報提供は 6 月 4 日に締め切られる。 http://nanotech.lawbc.com/2012/04/articles/international/ec-scientific-committeerequests-information-on-nanosilver/ 【食品、ナノ粒子】 米国の研究チーム、飲み物から放射性物質を取り除く技術 を開発(2012.4.5) 米国のオクラホマ州立大学の研究チームが、飲み物、牛乳、 食品などから放射性物質や重金属を取り除くカプセルを開 発した。研究チームによると、金属酸化物ナノ粒子が飲み 物から放射性物質や重金属といった不要な物質を「ひっぱ りだす」という。研究チームは、今後半年から 1 年の内に 製品化する予定でいる。 http://www.beveragedaily.com/Regulation-Safety/US-scientists-develop-wondercapsule-that-pulls-radioactive-substances-out-of-beverages 【食品、食中毒】 金ナノ粒子でサルモネラ菌の検出を容易に(2012.3.30) 米国のジャクソン州立大学の研究チームが、金ナノ粒子を 用いて食中毒の原因となるサルモネラ菌を素早く、しかも 低コストで検出することができる技術を開発した。サルモ ネラ抗体を載せた金ナノ粒子は、病原体に遭遇すると表面 にサルモネラ菌を取り込む。一つ以上の金ナノ粒子が病原 体に取りつくことができ、検出は容易だという。また、実 22 PEN May 2012 (JRC)も代表を送った。プレゼンテーション資料は BfR のウェブサイトに公開されている。 http://ihcp.jrc.ec.europa.eu/our_activities/nanotechnology/jrc-ihcp-contributes-tothe-bfr-conference-on-nanosilver Column 構造色をもつ鳥② キジ キジはまるい翼を持つ、がっしりとした丸みのある鳥です。良く発達した足を持ち、走るのが得意で、 基本的に地上で生活する鳥です。危険が迫るとまず力強い羽ばたきでヘリコプターが飛び上がるように 垂直に空中に飛び上がった後、水平飛行に移ります。グリコーゲンを燃焼させる短距離用の筋肉を使っ て飛ぶため、長く飛ぶことができません。昔話では桃太郎のお供をして鬼が島まで出かけますが、実際 には生まれた場所から数キロメートル以内で暮らします。 オスは体の下面が緑色の金属光沢の羽で覆われ、模様の入った長い茶色の尾羽、顔のほほ肉が変化した 赤いひだ、耳の形に後方に突き出した羽角と呼ばれる飾り羽を持つ華やかな鳥です。一方メスは全体が 黄褐色のまだら模様で、尾羽も短いものです。オスとメスで羽の色が異なる鳥は、繁殖期以外はオスも メス同様の地味な色になり、両者の区別がつかなくなることが多いのですが、キジのオスは1年中美し い羽を保ったままです。非常に臆病な鳥で、繁殖期に縄張りを主張して「ケーン」というけたたましい 声で鳴く以外にはほとんど鳴かず、さえずったりはしません。 キジは北海道と対馬を除く本州から九州まで広く分布しています。森林近くの畑地や草地、芦原などに 暮らしています。日本の国鳥とされており、さらに多くの自治体で市町村の鳥に指定されている身近な 鳥で、桃太郎はじめ昔話や短歌などにもよく登場します。毎年狩猟用にかなりの数のキジが放鳥されて いますが、その多くは人ではなくオオタカのような猛禽類の餌食となります。 PEN May 2012 23 ヒト ES 細胞で筋萎縮性側索硬化 症の症状再現 京都大学 物質-細胞統合システ ム 拠 点(iCeMS) は ヒ ト ES 細胞 から筋萎縮性側索硬化症の症状を 再現した。これは 9 日付京都新 聞が報じたもので、iCeMS は米誌 Stem Cells Translational Medicine で研究成果を公表。 h t t p : / / w w w. 4 7 n e w s . j p / n e w s / 2 0 1 2 / 0 5 / post_20120509111730.html 大学や国研のナノテク設備を民間 開放 文部科学省はナノテクノロジープ ラットフォーム事業として、全国 の大学・研究機関が所有する、先 端的なナノテクノロジー研究設備 の共用ネットワークを構築し、画 国内動向 期的な材料開発に挑む産学官の利 用者に対して、最先端の計測、分 析、加工設備の利用機会を高度な 技術支援とともに利用機会を提供 する。これは「科学技術イノベー ションを支える先端的ナノテクノ 24 PEN May 2012 ロジー研究基盤の充実強化」事業として本年度の予算が組 つくば市、竜巻被害が発生 まれていたもので、18 億円が助成される。5 月 1 日付日 5 月 6 日午後 1 時頃、茨城県つくば市北条地区および隣接 経新聞は、大学のナノテクノロジー装置とその用途を掲載 する桜川市、筑西市で相次いで竜巻が発生し、大きな被害 した。 が出た。つくば市の被害状況をまとめたデータによると、 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/015-5/shiryo/__icsFiles/afi 死者 1 名、負傷 37 名、全壊 170 棟、半壊 207 棟、一部 eldfile/2012/01/18/1315160_04.pdf 損壊 450 棟に上った。現在の科学では竜巻の発生を予測 するのは 1%という低い確率に留まっているが、スーパー 注目されるヤモリテープ 5 月 1 日付日経新聞は、 「ヤモリの足から生まれた最先端 のテープ」とする木崎編集委員の署名記事を掲載した。こ れを作製したのは日東電工(株)で、直径数ナノ~数十ナ ノメートルのカーボンナノチューブが1平方センチメート セルと呼ばれる水平方向に回転する大規模な積乱雲が竜巻 を発生させることが知られている。水戸気象台は今回の竜 巻で漏斗型の積乱雲を確認している。水戸気象台が茨城県 に竜巻注意情報を出したのは 6 日の午後 0 時 38 分で、そ の 7 分後に竜巻が発生している。 http://www.jma.go.jp/jma/press/1205/07a/toppu120507.pdf ルあたり 100 億本の密度で並んでいる。せん断方向の接 http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/1330/010505.html 着力は、 1平方センチメートルテープで 500 グラムに達し、 http://mainichi.jp/select/news/20120507k0000e040120000c.html 工業的に十分な接着力である。いわゆる糊を使っていない ことから、めくれば簡単に剥離でき、粘着剤が残ることも ない。また繰り返し使うこともできる。このような、生物 や植物などの持つ特異な構造や機能を工業的に応用する、 生物規範工学の研究や商品の開発が加速しつつある。 また同日、日経モノづくりも「自然の英知に学ぶ生物模倣 (バイオミメティクス)の実用例が続々登場、環境対応を 外村彰氏が死去 5 月 2 日の NHK ニュースは、ノーベル物理学賞の候補と されていた日立製作所フェローの外村彰氏が、埼玉県内の 病院で亡くなったことを伝えた。享年 70 歳。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120502/t10014849751000.html ナノテクが後押し」と題する特集を組み、企業が取り組む 生物模倣製品のレポートしている。 http://www.nitto.co.jp/rd/report/2009_90/pdf/2009_90_11.pdf X 線自由電子レーザー 5 月 1 日、総合科学技術会議は、同会議の国家的に重要な 研究開発の一つである「X 線自由電子レーザーの開発・共 科学技術コミュニケーション推進事業「活動実施支援」平 成 24 年度新規採択企画の決定 科学技術振興機構(JST)は、科学技術コミュニケーショ ン推進事業において、国民の科学技術リテラシーを高める とともに、国民の科学技術に対する理解、信頼と支持を得 ることができるように、多様な科学技術コミュニケーショ ン活動を推進している。4 月 25 日、毛利衛氏がセンター 長を務める科学コミュニケーションセンターの科学技術コ ミュニケーション推進事業において、 「活動実施支援」の 平成 24 年度新規採択企画を決定した。 http://www.jst.go.jp/pr/info/info878/index.html 用」に関する 4 月 23 日に行われた事後評価の結果を公表 した。同事業の開発を担当したのは文部科学省で、理化学 研究所、高輝度光科学研究センターをはじめとする研究機 関が実施した。実施期間は 2006 ~ 2010 年度の 5 年間、 予算額は約 388 億円である。評価検討会は当該研究開発 に関係する分野の専門家や有識者を交え、文部科学省から の研究開発成果やその効果、マネジメントの実施状況等に ついてのヒアリングなどを行い、その結果に基づいて評価 を行った。すでに本誌で報告したとおり、2010 年 10 月 に、波長 0.06nm、パルス幅 100 フェムト秒以下の超高輝 度 X 線レーザーの発振を目指した X 線自由電子レーザー 施設「SACLA」の本体施設の整備が完了し、2011 年 6 月 には世界最短波長(0.10nm)の X 線レーザーの発振に成 原子力発電稼働率ゼロに 現在国内には 50 基の原子力発電所が存在する。北海道電 力の泊原発 3 号機が 5 月 5 日より 8 月上旬にかけ、第 2 回定期検査を実施、5 月 7 日に冷温状態となり出力を停止 功した。欧米に比べその規模が小さく、開発経費も約半分 であること、SPring-8 に併設され今後の利用の利便性が考 慮されていることなどが高く評価されている。 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/hyouka/haihu92/haihu-si92.html したことから、国内の原子力発電所からの電力の供給が全 て止まった。 http://www.hepco.co.jp/info/2012/1188298_1474.html PEN May 2012 25 東日本大震災の救援者の心的外傷後ストレス障害に関する 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会 第 9 回委員会 調査 災害後の PTSD 予防に向けて 黒川清委員長 コメント 4 月 26 日、科学技術振興機構は課題達成型基礎研究の一 4 月 18 日、国会が設置した東京電力福島第 1 原発事故調 環として、国立病院機構災害医療センターの精神科医師ら 査委員会の黒川清委員長は「安全に稼働するために必要な が行った、 東日本大震災の心的外傷後ストレス障害(PTSD) 以下のような対策も先送りされ、判断基準の想定を超える 症状の調査結果について明らかにした。本研究では、被災 災害が来た場合の対策が出来ていない。」と原子力発電所 地で活動した災害派遣医療チームの隊員 254 人を対象に、 の再起動に懸念を示した。 救援活動後の 2011 年 4 月に活動内容や救援活動でどのよ http://www.naiic.jp/blog/2012/04/19/9thcomment/ うな苦痛を感じたかなどの、アンケート調査を行った。そ して、2011 年 7 月から 8 月までの間に追跡調査を行い、 初回調査の時点でどのような特徴を持っている人に PTSD 海藻のとりすぎが甲状腺がんのリスク高める 症状が強く見られるかを検討した。その結果、①精神的苦 国環境研と国立がん研究センターの共同研究チームは、閉 痛の包括的評価法で得点が高かった人、②震災関連のテレ 経後の女性が毎日海草を食べると甲状腺がんの発症が増え ビの平均視聴時間が 1 日 4 時間以上であった人に、PTSD るという統計調査結果を論文として発表した。その原因と 症状が強く見られることが分かった。また、PDI のなかで して海藻に含まれるヨウ素の可能性を指摘した。 も「感情的になった自分を恥じた」 、 「感情的に取り乱しそ Seaweed consumption and the risk of thyroid cancer in うになった」という項目が、特に PTSD 症状と関連が見ら women: the Japan Public Health Center-based Prospective れた。 Study Michikawa, Takehiro, et. al. European Journal of http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120426/index.html Cancer Prevention on April 11. http://journals.lww.com/eurjcancerprev/Abstract/2012/05000/Seaweed_ consumption_and_the_risk_of_thyroid_cancer.7.aspx トヨタの低燃費ハイブリッド車アクアの販売好調 昨年 12 月末に発売された低燃費ハイブリッド車アクアが、 予定の 10 倍を超える注文を受け、好調な販売実績を上げ 半導体デバイスの利用範囲を大きく広げる GaN 系半導体 ている。アクアは「プリウス」より小さな、ハイブリッド 剥離プロセス 専用モデルで、DAA-NHP10-AHXCB モデルでは 10.15 モー NTT 物性科学基礎研究所は、現在発光ダイオード(LED) ド燃費の国土交通省審査値は 40.0km/l。ハイブリッドシ などに広く使用されている窒化ガリウム(GaN)系半導体 ステム、アイドリングストップ装置、電気式無段変速機、 薄膜素子を成長用サファイア基板から簡単に剥離するプロ 可変バルブタイミング、電動パワーステアリングといった セスの開発に成功した。今回の技術を用いることにより、 燃費向上の技術が導入されている。 2 μ m 厚といった非常に薄い GaN 系半導体薄膜素子を低 http://www.toyota.co.jp/jp/news/aqua.html コストで作製することが可能になる。本技術により、可視 光を透過し紫外線のみを効率よく吸収する特性を持つ太陽 電池の開発や 200μm 程度の薄い発光ダイオード(LED) 従来の 10 分の 1 の価格での電子回路開発を可能にするベ の作製など、GaN 系半導体薄膜材料の応用範囲が大きく広 ンチャー企業設立 がることが期待される。 4 月 24 日、科学技術振興機構(JST)は、JST 若手研究者 http://www.brl.ntt.co.jp/J/2012/04/latest_topics_201204121655.html ベンチャー創出推進事業の研究開発成果の事業展開に関し て、低価格で電子回路開発を可能にするベンチャー企業設 立を公表した。2009 年度より筑波大学に委託していた研 科学技術イノベーションを支える人材育成 究開発課題「パーソナライズド・ガジェットの開発/販売 4 月 26 日、科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学 支援の事業化に関する研究」において、自由に組み合わせ 技術会議有識者議員との会合が開催され、国家戦略の視点 できるオーダーメイド型の電子回路基板の開発に成功した から見た科学技術イノベーションを支える人材育成、およ もので、この成果をもとに 4 月 13 日に、研究開発に参画 び平成 25 年度科学技術関係予算の重点化について、の 2 したメンバーらが出資して「株式会社 SUSUBOX」を設立 課題が議論され、一部の関連資料が公開された。 した。 http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20120426.html http://www.jst.go.jp/pr/info/info877/index.html 26 PEN May 2012 第 2 回科学技術イノベーション政策専門調査会 4 月 24 日、総合科学技術会議は第 2 回科学技術イノベー ション政策専門調査会を開催し、配布資料を公開した。総 合科学技術会議の有識者議員の欠員により今年 1 月 6 日 より懇談会という形で運営を行ってきたが、人事案が国会 で承認されたことを受けて、3 月 21 日に第1回科学技術 イノベーション政策推進専門調査会、総合科学技術会議の 専門調査会が開催され、今回第 2 回目が開催されたもの。 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/innovation/2kai/index.html カエデ型の新型風車を開発 福島大学低酸素社会研究所は、家庭に一台の普及を目指し たコストが低い新しい小型風力発電を開発した。これはカ エデの種の落下からヒントを得た新しい風車(カエデの種 型風車)で、従来のプロペラ型風車に比べ、電力が 11.5 倍、 回転数が 3.5 倍、トルクが 6.5 倍となり、低風速で高効率・ 高回転・高トルクを実現に成功した。 http://www.sss.fukushima-u.ac.jp/lcslab/kenkyujirei/index.html 金環日食 2012 年 5 月 21 日の朝、天気が良ければ日本の多くの地 域で金環日食を観測できる。2012 年金環日食日本委員会 は、文部科学省からの安全に観察するための注意や、財団 法人日本眼科学会、社団法人日本眼科医会、日本眼科啓発 会議、日本天文協議会が共同で作成した啓発ポスター「5 月 21 日 朝 日食 じかに見ちゃダメ。 」等の掲載を行ってい る。 http://www.solar2012.jp/ http://www.solar2012.jp/hazard/map2.pdf PEN May 2012 27 【LED 植物育成工場】 LED 植物育成工場における新たな栽 培法を確立(2012.5.9) 昭和電工(株) 昭和電工は、山口大学との共同研究 により、LED を用いた植物工場にお ける新たな栽培法を確立した。本栽 培法は同社製の LED 素子を用い植物 CUTTING-EDGE TECHNOLOGIES プレスリリースより PEN 編集室がまとめた最新技術動向をお届けします。 育成に最適化した光照射を行うこと により、出荷サイクルの短縮および 収穫量の増大を可能としたもの。 http://www.sdk.co.jp/news/12736/12752.html 【IEEE David Sarnoff Award】 大 野 英 男 教 授 が IEEE David Sarnoff Award 2012 を受賞(2012.5.9) 東北大学 大野英男教授(電気通信研究所、省 エネルギー・スピントロニクス集積 化システムセンター長)が、2012 年 の IEEE David Sarnoff Award を 受 賞 した。電気・電子分野における世界 最大の学会である IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers) のエレクトロニクス部門において、 半導体エレクトロニクスと磁性・ス ピントロニクスの融合に対する貢献 とリーダシップが認められたもの。 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2012/05/ press20120508-01.html 【脳の層構造を作る分子】 脳の層構造を作る分子を発見 (2012.5.9) 基礎生物学研究所 同 研 究 所 は、APC2 (Adenomatous polyposis coli 2) という脳神経系に発 現する分子の機能を明らかにする研 究を進め、APC2 遺伝子を欠失させた マウス(APC2 を働かなくしたマウス) を作成し、その脳における異常を解 28 PEN May 2012 析した。その結果、APC2 を欠失したマウスの脳では、神 液中と同じ立体構造を保持し、触媒機能も水溶液中と同 経細胞の移動に異常があり、大脳皮質、海馬、小脳などの 様に発揮できることを確かめた。さらに、水中では 50 ~ 様々な領域で、神経細胞の正常な層構造が形成されないこ 59℃になると立体構造が崩れるのに対し、有機溶媒中で とを見出した。 は 10 ~ 80℃の広い範囲で立体構造が変化せず、熱的に http://www.nibb.ac.jp/press/2012/05/09.html も非常に安定であることが分かった。この成果は、 「有機 溶媒中の塩基の水素結合は水中より強くなるのか?」、「核 酸の立体構造は有機溶媒の種類によってどのように影響を 【スピントランジスタ】 受けるのか?」といった核酸の相互作用の詳細な理解につ 室温で半導体ゲルマニウムに電子スピン情報を入力 超省 ながる。さらに、溶媒を水からさまざまな有機溶媒へと拡 電力トランジスタ実現へ道を拓く(2012.5.8) 大できるため、核酸を触媒に用いた新しい有機合成反応の 産総研 開発など、多くの利用法を生み出すことが期待できる。 産総研は、世界で初めて次世代半導体材料の p 型ゲルマニ http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2012/120508/detail.html ウムの中へ、室温で磁性体のスピン情報を入力することに 成功した。グリーン IT は、クリーンで持続可能な生活環 境を守る上での柱となる技術であり、現在、IT 機器の省 【放射性 Xe 国際共同観測】 エネルギー化が求められている。このため、スピントロニ 包括的核実験禁止条約(CTBT)の検証に係る放射性希ガ クスと呼ばれる新技術の導入により、電子デバイスの消費 スの共同観測を開始 東アジア地域における CTBT 国際検 エネルギーの劇的な削減を目指す研究が盛んに行われてい 証体制の強化に貢献(2012.5.8) る。この技術により、磁性体がもつ電子スピン情報 ( 電気 日本原子力研究開発機構 を切っても情報は失われない ) を半導体中に入力して演算 包括的核実験禁止条約(CTBT)に係る国際検証体制整 に利用できることが見込まれるため、超省電力のスピント 備の一環として、地球規模での放射性希ガス観測ネット ランジスタの実現が期待されている。今回の成果は、ゲル ワークの構築が国際協力のもとに実施されている。原子力 マニウムを用いた超省電力スピントランジスタの実現に道 機構では、米国パシフィックノースウェスト国立研究所 を拓くものであり、グリーン IT の発展への貢献が期待さ (PNNL)、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO) 、財団法人 れる。 日本分析センターと共同で、核兵器廃絶の重要なステップ http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120508/pr20120508.html となる CTBT に係る国際検証体制強化を目的として、青森 県むつ市において、地下核実験の検知/同定に重要な役割 を果たす放射性希ガス(Xe)の国際共同観測を開始した。 【種の多様性】 http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p12050801/index.html トキのひな 5 羽に(2012.5.8) 環境省 同省は、新潟県佐渡市で放鳥が続けられているトキのペア 【第 32 回猿橋賞】 の巣にもう 1 羽のひなを確認し、2ペアから計5羽のひな 東京大大気海洋研究所の阿部彩子准教授に第 32 回猿橋賞 を確認した。現在、6 ペアのトキが抱卵中で、さらにひな 5 月 7 日、科学者に明るい未来をの会、優れた女性の研究 の数が増えると期待されている。 者を表彰する第32回猿橋賞を東京大大気海洋研究所の阿 http://ibis-info.blog.ocn.ne.jp/diary/ 部彩子准教授に贈ると発表した。 http://www.saruhashi.net/latest.html 【核酸を有機溶媒に溶かす】 水にしか溶けなかった核酸が有機溶媒に溶けて触媒機能を 発揮 有機溶媒中の核酸を触媒として利用し、新たな有機 合成反応を可能に(2012.5.8) 理化学研究所 理研の研究チームは、オリゴ核酸の末端にポリエチレング リコール(PEG)を結合した PEG-DNA を作製し、有機溶 媒に溶けるかどうかを調べた。その結果、ほとんどの有機 溶媒に溶けることを発見した。また、有機溶媒中でも水溶 【心筋梗塞、善玉ホルモン】 急性心筋梗塞に効果のある脂肪由来の善玉ホルモンを発見 (2012.5.8) 名古屋大学 名古屋大学は、急性心筋梗塞に効果のある脂肪由来の善玉 ホルモン CTRP9 を発見した。CTRP9 投与や CTRP9 の血 中濃度を上昇させる方法は心筋梗塞の改善につながると考 えられ、CTRP9 は急性心筋梗塞の治療法開発の標的分子 PEN May 2012 29 になりうる。 http://www.nagoya-u.ac.jp/research/pdf/activities/20120507_med.pdf 【量子液体状態】 乱れに強い量子液体状態を示す銅酸化物磁性体の発見 東京大学、名古屋大学、大阪大学、日本原子力研究開発機 構 【EV】 テ ス ラ と 共 同 開 発 の 電 気 自 動 車「RAV4 EV」 を 発 表 (2012.5.8) 共同研究チームは、構造に乱れを伴った銅酸化物の磁性体 において、電子の持つ自由度であるスピンと軌道の協力現 象によりそれらが低温まで秩序化しない新しい量子状態を トヨタ自動車(株) 形成している事を発見した。これは乱れに強い一種の量子 米国における販売会社である米国トヨタ自動車販売は、米 液体状態と考えられ、今後の物質・材料開発に新たな指針 国ロサンゼルスで開催中の第 26 回国際電気自動車シンポ を与えると期待される。 ジウムで、テスラモーターズと共同開発した電気自動車 http://www.nagoya-u.ac.jp/research/pdf/activities/20120507_engg.pdf 「RAV4 EV」を発表した。 http://www2.toyota.co.jp/jp/news/12/05/nt12_0503.pdf 【スピントロ二クス】 電子スピンの共鳴運動を電圧で制御することに成功 超低 【知財・技術融合ポータル】 知的財産と技術情報を融合した初のポータルサイト 消費電力スピンデバイスの基盤技術を開発(2012.5.1) 産総研、大阪大学、科学技術振興機構(JST) (2012.5.7) JST 課題達成型基礎研究の一環として、産総研は、大阪大 (株)ジー・サーチ 学と共同で、超薄膜化した磁石を用いて、電子スピンの共 富士通グループのジー・サーチは、中小企業ならびに大学 鳴運動を電流ではなく電圧で制御することに成功し、超低 研究機関等の一般技術者・研究者向けに、知的財産と技術 消費電力デバイスの基盤となる技術を開発した。ありふれ 情報を融合した業界初のポータルサイト「知財と技術の部 た磁石材料である鉄コバルト合金を、数原子分まで超薄膜 屋」を 5 月 7 日からインターネット上で公開した。本サー 化し、そこに絶縁体を介して高周波電圧を加えることに ビスは、ソーシャルメディアの Twitter から抽出した最新 よって、スピンの共鳴運動を誘起することに成功したもの。 のニュース、専門家による興味深いコラム、誰もが簡単に 磁石材料におけるスピン共鳴運動の制御は世界初であり、 検索でき、かつ業界初の 1 日課金メニューを用意した新特 この技術により、従来の電流駆動型と比較して200分の 許検索サービスのサービス案内を掲載。アイデアのヒント 1以下の低消費電力化が可能になることも確認した。 を得たい、アイデアを特許として権利化したい、ライバル http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120501/pr20120501.htm 企業の動向を把握したいと考える技術者・研究者をサポー トする。 http://www.g-search.jp/release/2012/20120507.html 【電気化学反応の観察技術】 固体電気化学反応を原子レベルで初めて観察 イオニ クスデバイスの高性能化に不可欠な情報の取得に道 【LaH の存在確認】 (2012.4.30) 岩塩(NaCl)構造をもつレアアースメタルの水素化物を発 物質・材料研究機構(NIMS)、科学技術振興機構 見 水素貯蔵材料の高性能化の発展に期待(2012.5.7) NIMS の研究グループは、ドイツのアーヘン工科大学の研 日本原子力研究開発機構、高エネルギー加速器研究機構、 究グループと共同で、固体電気化学反応における電子の授 J-PARC センター、広島大学 受とそれに伴う金属イオンの還元・析出反応を原子レベル 共同研究グループは、希土類金属の水素化物の結晶構造を、 で観察することに初めて成功した。基板材料であるイオン J-PARC の大強度中性子線と大型放射光施設 SPring-8 の高 伝導体に不純物をわずかに加えることで、固体電気化学反 輝度放射光 X 線を用いて解明した。その結果、これまでに 応に必要なイオン伝導体の特性はそのままに電子伝導性を 報告されていなかった岩塩(NaCl)構造をもつ希土類金属 発現させることに成功し、微弱な電流を必要とする走査型 の 1 水素化物(LaH)の存在を世界で初めて観測した。 トンネル顕微鏡による観察が可能になり、固体電気化学反 http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p12050701/index.html 応に必要な電子の授受とそれに伴う金属イオンの還元・析 出反応の観察を同時に実現した。 http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120430-2/index.html 30 PEN May 2012 【パワーエレ拠点】 酸化反応機構の解析のみならず、分子軸あるいはスピン方 つくばパワーエレクトロニクスコンステレーションズ発足 向制御による酸化反応制御や本ビームを用いた新物質創製 我が国のパワエレ・イノベーションを加速する民活型共同 に利用できると期待される。 研究体(2012.4.27) http://www.nims.go.jp/news/press/2012/04/p201204260.html 産総研 産総研は、産業界と共同で、つくばイノベーションアリー ナナノテクノロジー拠点の場を活用したパワーエレクトロ 【有機絶縁体の導電性コントロール】 ニクス・オープンイノベーションの推進に向けた新たな民 電場と光の相乗効果により電気の流れやすさを自在にコン 活型の共同研究体つくばパワーエレクトロニクスコンステ トロールすることに成功 有機材料の絶縁体状態と金属状 レーションズ(Tsukuba Power-Electronics Constellations) 態間の転移の制御(2012.4.26) を 4 月 27 日に設立した。今回の活動開始に際して、既に 北海道大学 日本を代表するグローバル企業 16 社がその趣旨に賛同し、 北大は、絶縁体の有機材料にパルス電場とパルスレーザー 我が国初となる本格的オープンイノベーション拠点への参 光を作用させることで金属状態を発現させるとともに、電 画を表明している。 気伝導性を制御することに成功した。有機モット絶縁体に http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120427/pr20120427.html パルス電圧をかけることで、伝導性の急激な上昇(スイッ チング)がみられることがわかった。これまでのように電 界効果トランジスタ構造を作製する必要がないため、素子 【曲がった空間を動く電子の観測】 構造を大幅に簡略化できる。また、光を電場と同時に作用 曲がった空間を動く電子の観測に成功 アインシュタイン させることで伝導性を制御できることもわかり、光エレク の光重力レンズ効果以来、物質系で初(2012.4.27) トロニクスデバイスへの応用、さらには光と電場による超 東京工業大学、名古屋大学、山梨大学、奈良女子大学、自 伝導発現への展開が期待される。 然科学研究機構分子科学研究所 http://www.hokudai.ac.jp/news/120426_pr_es.pdf 共同研究グループは、1次元伝導電子状態において、理論 予測されていたリーマン幾何学的効果を初めて実証した。 光電子分光を用いて1次元金属ピーナッツ型凹凸周期構造 【角度分解偏光表面増強ラマン散乱】 を有するフラーレンポリマーの伝導電子の状態を調べ、凹 角度分解偏光表面増強ラマン散乱分光の解析方法を開発 凸の無いナノチューブの実験結果と比較することにより、 ナノ構造の蓮の葉効果(2012.4.26) 同グループが行ったリーマン幾何学効果を取り入れた理論 東京工業大学 予測と一致する結果を得た。この結果は、曲がった空間を 同大は、角度分解偏光表面増強ラマン散乱(AP-SERS)の 電子が動いていることを実証するもので、過去の研究では、 解析法を開発した。この解析と実験により、金属の微細な アインシュタインにより予測された光の重力レンズ効果以 ナノ構造を液体に浸漬しても、液体がナノ構造によりはじ 外に観測例はない。 かれ隙間に入り込めないことがあることがわかった。蓮の http://www.nagoya-u.ac.jp/research/pdf/activities/20120420_engg.pdf 葉の表面の微細な凸凹が水を弾くこと(蓮の葉効果)に 類似している。安定に強い表面増強ラマン散乱 (SERS) が 測定できる金属ナノ構造を作製することは難しいが、その 【シリコン酸化反応のメカニズム】 理由の一つが、この効果のためであるとわかった。近年、 分子軸とスピンの向きを指定した酸化反応を世界で初 SERS は、微量な分子や病原体の検出、生体組織の画像化 めて実現 シリコン酸化反応のメカニズム解明に貢献 などの広い分野に応用されており、高性能な金属ナノ構造 (2012.4.26) の開発は急務である。今回得られた知見により、その設計 物質・材料研究機構(NIMS) 指針の一つが得られた。 NIMS は、 分子軸とスピンの向きを指定できる酸素分子ビー http://www.hyoka.koho.titech.ac.jp/eprd/recently/research/research.php?id=280 ムを世界で初めて開発した。これをシリコン表面の酸化反 応に適用し、分子軸が表面に殆ど平行な酸素分子のみがシ リコン酸化反応に寄与することを発見した。本研究によっ て、酸素分子軸の向きとスピンの向きが酸化反応に与える 影響を分析する新手法を確立するとともに、シリコン酸化 反応の効率が低い原因を解明することができた。本手法は PEN May 2012 31 【光スイッチ】 【化学物質管理システム】 省電力フォトニックネットワーク用超小型光スイッチを開 クラウド型含有化学物質管理システム(2012.4.3) 発(2012.4.26) 日本ユニシス・エクセリューションズ(株) 慶応義塾大学、産総研 日本国内の製造業界では欧州連合(EU)で施行された 共同研究グループは、相変化材料を用いたフォトニック REACH 規制や RoHS 指令などの流れを受け、製品に含ま ネットワーク用導波路型光ゲートスイッチを開発した。光 れる特定化学物質の管理が必須となっている。同社は、ク パルス照射により、波長 1525nm から 1625nm に至る波 ラウド型含有化学物質管理システム「グリーン調達マイス 長帯で、平均消光比 12.6dB、スイッチング速度 400ns 以 ター @Air」の提供を開始した。同社が従来製造業向けに 下で、2000 回以上のスイッチングを確認した。相変化材 提供してきたオンプレミス型の含有化学物質管理システム 料は、繰り返し記録型 DVD に利用されている GeSbTe 系 「グリーン調達マイスター」を SaaS 化しクラウド型で提供 材料の一種であり、メモリ性がある。このため、開発した するもの。 光スイッチは維持電力が不要であり、省電力性に優れてい http://www.unisys.co.jp/news/nr_120403_uel.html る。また、光スイッチは Si 細線導波路上に構成され、全 長 15.3 マイクロメートル、相変化材料部は直径 1 マイク ロメートルと小型であり、従来の導波路型光ゲートスイッ 【2 層構造のマントル】 チに比較して 1/10 以下の寸法を達成している。 地球のマントルは化学組成の異なる 2 層構造だった! http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2012/kr7a4300000aip77.html 地球科学の定説覆す(2012.5.7) 東北大学 東北大は高輝度光科学研究センター、東京工業大学、海洋 【FC 触媒】 研究開発機構との共同研究で、100 万気圧および 2500 度 燃料電池電極触媒活性 15 倍向上:金属ナノ粒子可溶化技 を超えるような地球深部に相当する極限的超高圧力高温条 術の開発に成功(2012.4.23) 件において地球のマントル鉱物の高精度弾性波速度測定に 物質・材料研究機構(NIMS) 世界で初めて成功し、マントルが上部と下部で化学組成の NIMS の研究チームは、新開発の金属ナノ粒子可溶化技術 異なる 2 層構造であることを突き止めた。この結果は、マ によって、燃料電池電極材料の触媒活性を 15 倍高めるこ ントルの化学組成は均一である、というこれまでの地球科 とに成功した。電極触媒活性の大幅向上により、燃料電池 学の定説を覆すもので、従来考えられていた地球内部の基 材料におけるレアメタル消費量の削減に道が開かれた。 本構造、および形成と進化の歴史に根本的な見直しを迫る http://www.nims.go.jp/news/press/2012/04/p201204230.html 非常に重要な成果である。 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2012/05/press20120426.html 【超高出力ガンマ線】 高強度レーザーを用いた超高出力ガンマ線の発生機構を 発 見 新 し い 超 高 出 力・ 超 短 パ ル ス ガ ン マ 線 源 の 提 案 (2012.4.20) 【FC 電解質】 金属と有機物の錯体結晶で “ やわらかい ” ポリマー材料を 作成:安価・高効率な燃料電池材料の開発へ(2012.4.27) 日本原子力研究開発機構 京都大学、科学技術振興機構(JST) 同機構は、チェコ科学アカデミー物理研究所、ドイツマッ JST 戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ) 「新 クス・プランク研究所、ロシア科学アカデミープロホロフ 物質科学と元素戦略」研究領域の研究課題「固体イオニク 研究所の協力のもと、高出力レーザーと固体ターゲットを ス未開領域を拓く錯体集積体の創出」の一環として京都大 利用した新しい超高出力・超短パルスのガンマ線の発生機 学 物質-細胞統合システム拠点(iCEMS)の研究グループ 構を発見した。今回発見されたガンマ線の発生機構は、こ は、金属と有機物の複合体である錯体化合物を用い、燃料 れまでにない高出力で超短パルスのガンマ線源を実現する 電池の電解質として作動する新たな材料を開発した。この 可能性を持っており、将来的には、宇宙物理や原子核物理 材料は常温で混ぜるだけで作ることができ、湿度なしで働 の解明やガンマ線イメージング等への応用が期待される。 く。また可塑性にも優れており、有機ポリマーとセラミッ http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p12042001/index.html クスの両方の特徴を併せ持つ新たな電池材料。 http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120427/index.html 32 PEN May 2012 【導電性高分子材料のナノ結晶化】 力 900VA)をベースに開発。広く一般家庭のガス機器で ナノ結晶化が高分子フィルムの電気伝導性を飛躍的に向上 使用され放置劣化が少ないプロパンガスを燃料にすること フレキシブル印刷配線・レアメタルフリー透明電極材料の で、非常時に使用者がワンタッチで接続して使用すること 高性能化に新たな道(2012.4.27) ができ、長時間の運転も安心かつ簡単に行える業界初の低 高輝度光科学研究センター、東北大学、山梨大学 圧 LP ガス発電機。 3 者は、次世代有機電子材料として注目されている導電性 http://www.honda.co.jp/news/2012/p120426.html 高分子材料 PEDOT:PSS(ピードット・ピーエスエス)フィ ルムにおける PEDOT 分子のナノサイズ結晶化を世界で初 めて発見した。この発見により高い電気伝導性の起源がナ ノ結晶による階層的な高分子構造(階層構造)にあること を明らかにし、導電性高分子フィルムの新たな開発製造指 針を示した。 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2012/04/press20120427-02.html 【地熱発電】 米国地熱発電事業への資本参加(2012.4.26) 富士電機(株) 同社は、米国カリフォルニア州の地熱発電プロジェクト への資本参加を決定し、投資契約の調印を完了した。対 象プロジェクトはカリフォルニア州インペリアルバレーの Hudson Ranch II 地熱発電所で、発電出力 49MW、出資金 【3D-SEM】 リアルタイムに裸眼で 3D 観察できる電子顕微鏡の開発に 額 1000 万ドルで資本比率は約 10%。 http://www.fujielectric.co.jp/about/news/detail/2012/20120426160057848.html 成功 ミクロの世界を実感する新時代の顕微鏡(2012.4.26) 科学技術振興機構(JST) 、 (株)日立ハイテクノロジーズ、 (株)ナナオ JST 研究成果展開事業 先端計測分析技術・機器開発プログ ラムの一環として、リアルタイムで 3D 観察が可能な走査 電子顕微鏡(SEM)と、裸眼に対応した高解像度の 3D モ ニターを開発した。 http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120426-2/index.html 【LIB 負極材】 中国煙台でリチウムイオン電池用カーボン負極材の生産開 始(2012.4.25) 日立化成工業(株) 同社は、中国におけるリチウムイオン電池用カーボン負極 材のさらなる事業の拡大を図るため、約 5 億円を投じて同 社内に民生用負極材の工場を新設し 2012 年4月から量産 を開始した。 【アラミドナノファイバー】 http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/information/2012/n_120425_1.html 量産性に優れたアラミドナノファイバーを開発 (2012.4.26) 帝人テクノプロダクツ(株) 帝人グループでアラミド繊維事業を展開する帝人テクノプ ロダクツは、安定した性能と品質を持ち、量産性に優れた アラミドナノファイバーの開発に成功した。 http://www.teijin-technoproducts.co.jp/ 【大型複合材プレス成形システム】 NCC 向 け 大 型 複 合 材 プ レ ス 成 形 シ ス テ ム を 受 注 (2012.4.25) 川崎油工(株) 川崎重工グループの川崎油工は、名古屋大学の次世代複 合 材 技 術 確 立 支 援 セ ン タ ー(NCC:National Composite Center)向けに、 「大型複合材プレス成形システム」を受 【ポータブル発電機】 プロパンガス仕様のポータブル発電機を開発 今夏より LP ガス機器事業者への供給を開始予定(2012.4.26) 本田技研工業(株) ホンダは停電などの非常時にプロパンガスを用いて発電が 可能なポータブル発電機を開発し、今夏より LP ガス機器 事業者に向けて供給を開始する。この発電機は、東日本大 震災以降、停電などの非常時に使える自家用発電機の発売 注した。受注金額は約9億円で、2013 年 3 月に完成の予定。 NCC は、産学官の連携による炭素繊維複合材(CFRP)成 形技術の研究開発を目的に、本年 4 月 1 日付で設立された。 NCC は、 「大型複合材プレス成形システム」を導入するこ とにより、これまで海外でしか実施できなかった実物大の CFRP 成形技術の実証・評価が可能となり、NCC で確立し た製造技術を生産現場に直結させることができる。 http://www.khi.co.jp/news/detail/20120425.html に対する消費者ニーズの高まりを背景に、燃料にガソリン を用いる既存のインバーター搭載発電機「EU9i」 (定格出 PEN May 2012 33 【骨を作るメカニズム】 と考えられてきたが、今回の発見はそのような常識を覆す 骨粗鬆症の為の骨を作るメカニズムの発見(2012.4.24) ものであり、害虫における殺虫剤抵抗性の進化や害虫防除 東京医科歯科大 戦略の策定に新しい観点を提示するものである。 同大学のグローバル COE プログラム - 歯と骨の分子疾患 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120424/pr20120424.html 科学国際教育研究拠点 - の研究グループは、ピッツバーグ 大学、順天堂大学、ハーバード大学との共同研究で骨の折 れ易くなる病気(骨粗鬆症)や運動や加齢により骨の減る 病態への副甲状腺ホルモン受容体の骨形成促進作用にはア ドレナリン受容体が必須であることを突き止めた。 http://www.tmd.ac.jp/press-release/20120419/index.html 【リチウム空気電池】 電気自動車向けリチウム空気電池のイノベーションを促進 (2012.4.20) IBM、旭化成(株)、セントラル硝子(株) IBM の Battery 500 プロジェクト・チームに、旭化成(株) 及びセントラル硝子(株)が加わり、自動車の主要エネル 【カーボンナノホーン、遺伝子発現制御技術】 体の中で狙った機能性分子をつくる技術(2012.4.24) 産総研、京都大学 ギー源をガソリンから電気へ加速的に転換させる可能性を もつ遠大な研究に共同で取り組むことを公表した。 http://www-06.ibm.com/jp/press/2012/04/2001.html 両者は、光によって容易に発熱できるカーボンナノホーン (CNH)の特性を利用して、生体内で標的とする生理活性 物質を生み出す新しい遺伝子発現制御技術を開発した。ナ ノ炭素材料の一つである CNH は、とりわけバイオメディ カル分野で大きな注目を集めている。今回、CNH 表面に 親水性タンパク質である牛血清アルブミン(BSA)を吸着 させた BSA-CNH 複合体を作製した。この BSA-CNH 複合 体を分散させた水溶液に、生体透過性の高い近赤外領域の レーザー光を照射すると効果的に発熱できる。この光発熱 システムを熱に反応(熱ショック応答)して遺伝子が発現 する形質転換細胞に適用することで、目的とする機能性分 子(蛍光タンパク質や発光タンパク質)をマウス生体内で 合成できる細胞機能を生体外から遠隔制御できる新たな技 術を開発した。今回開発した技術によって、ナノ材料の光 発熱特性を利用した、これまでにない概念の細胞療法(細 胞を用いる治療法)を実現できる。この技術は、分子・細 胞レベルでの病態の解明につながる研究の強力なツールと しても期待される。 【磁束が超伝導細線をトンネル】 磁束が超伝導材料の細線を量子的にトンネルする現象 を確認 超伝導現象の重要な理論的予言をついに実証 (2012.4.19) 理化学研究所、日本電気(株) 両者は、コヒ―レント量子位相スリップ(CQPS)効果に より磁束が完全反磁性に反して量子的に超伝導材料をトン ネル(透過)する現象を実験で証明した。長年にわたり予 言されていた超伝導現象の重要な理論を初めて実証すると 同時に、量子電気標準系で欠けていた「量子電流標準」の 実現などの応用に道を開くことになる。今回、研究チーム は、酸化インジウム(InOx)の薄膜を用いて微細な超伝導 細線と超伝導ループを組み合わせた新しい構造の超伝導磁 束量子ビットを作製した。これに外部から小さな磁場を印 加させながら、同時にマイクロ波を照射してこの量子ビッ トのエネルギー状態を調べたところ、磁束がエネルギーを http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120424_2/pr20120424_2. 失うことなく超伝導細線をトンネルしたことを示すエネル html ギーバンドギャップを観測できた。これは、CQPS 効果を 実証し、ジョセフソン接合を用いない新たな超伝導磁束量 子ビットの試作に成功したことを裏付けるもの。 【殺虫剤、公衆衛生】 http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2012/120419/detail.html 害虫に殺虫剤抵抗性を持たせる共生細菌を発見 (2012.4.24) 産総研、農業環境技術研究所、沖縄県農業研究センター 34 【ナノワイヤー】 3 者は大豆の難防除害虫であるホソヘリカメムシが環境土 アモルファス合金ナノワイヤーの大量生産法の開発 ナノ 壌中の殺虫剤分解細菌を取り込んで体内に共生させること テクノロジーの新たな幕開け(2012.4.19) により、殺虫剤抵抗性を獲得しうるという現象を発見した。 東北大学 これまで世界中の約 500 種類の害虫について殺虫剤抵抗 東北大学は、ガスアトマイズ法を用いてアモルファス合 性が報告され、農業や公衆衛生の面で問題となっている。 金(金属ガラス)からナノワイヤーを大量に生産する手法 従来、殺虫剤抵抗性は害虫自身の遺伝子で決定されるもの の開発に成功した。アモルファス合金は超高強度・高弾性 PEN May 2012 等の優れた機械的特性を持つ他に、軟磁性、触媒活性など などの精密な測定法により、単一光子源として世界で初め の特性を持つ。アモルファス合金製のナノワイヤーは、こ て室温で電気的に動作していることを実証した。 うした特性をナノスケールにおいて発揮できる可能性があ http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120416/pr20120416.html り、今回の開発は、マイクロ・ナノサイズ構造部材、高感 度磁気センサー素子、大きな表面積のある触媒材料、燃料 電池電極材料などの発展に大きく道を開くもの。 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/new img/pressimg/tohokuunivpress20120418_01web.pdf 【SiC インバータ】 シリコン・カーバイド素子を用いて小型軽量化を図った 直流 1,500V 架線対応の鉄道車両用インバーターを開発 (2012.4.16) 【CNT トランジスタ】 出力電流の均一性を高めた CNT トランジスタをプラスチッ クフィルム上に印刷形成する技術を開発(2012.4.18) 産総研、技術研究組合単層 CNT 融合新材料研究開発機構 (TASC) 、日本電気(株) 3 者は共同で、カーボンナノチューブ(CNT)の用途開発 の一環として、大面積・フレキシブルデバイスなどを印刷 により製造する技術である印刷エレクトロニクスへの応用 (株)日立製作所 同社はパワーモジュールの小型化や冷却系の簡素化が期待 できる材料として、シリコンにかわる次世代材料として 注目されるシリコン・カーバイド(SiC)を用いることで、 装置の小型・軽量化と、電力損失の低減を両立した、直流 1,500V 架線対応の鉄道車両用 SiC ハイブリッドインバー ターを開発した。 http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2012/04/0416.html をめざして、CNT トランジスタをプラスチックフィルム上 に印刷形成する技術の開発を進めてきた。このたび CNT インクの印刷工程を高度化することにより、出力電流の均 一性を高めた CNT トランジスタを印刷形成する技術を開 発することに成功した。 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120418/pr20120418.html 【スピン渦】 電場で制御可能なナノスケールのスピン渦(スキルミオン) を発見 超低消費電力な次世代の演算・磁気メモリ素子に 道(2012.4.13) 東京大学 東大は、右手と左手のように、鏡写しにした像を互いに 【小型ワイヤレスポンプ】 重ねることができないキラルな結晶構造を持つ絶縁体 完全埋め込み型補助人工心臓への道を拓く小型ワイヤレス Cu2OSeO3 のスピン構造をローレンツ電子顕微鏡で直接 ポンプの開発(2012.4.18) 観察し、世界で初めて絶縁体中でスキルミオンを観測する 東北大学 ことに成功した。さらに電気的な測定を通じて、絶縁体中 東北大学は新しい小型ポンプを開発した。ワイヤレスでの のスキルミオンが電気分極を引き起こしていることを発見 駆動が可能で、人間の心臓と同程度のポンプ能力を持ち、 し、電場でスキルミオンの位置を自在に制御することが原 かつ小型であることから、完全に体内に埋め込んで使用す 理的に可能であることを明らかにした。絶縁体中の電場に る補助人工心臓実現への道を拓くものとして期待される。 は、発熱によるエネルギー損失を生じないという利点があ http://www.tohoku.ac.jp/japanese/new img/pressimg/tohokuuniv- り、今回の発見はエレクトロニクスの根幹である電子の制 press20120418_02.pdf 御手法に、よりエネルギー効率の高い新しい選択肢を加え るものであり、次世代の超低消費電力演算素子・磁気メモ リ素子の開発につながることが期待される。 【単一光子源ダイヤモンド LED】 http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2012/12041301.html ダイヤモンド LED で光子を1個ずつ室温で電気的に発生 させることに世界で初めて成功(2012.4.16) 産総研、大阪大学 両者は、ダイヤモンドを材料とし、そこに埋め込まれてい る炭素原子の抜け穴と窒素原子の複合体が室温でも安定に 発光することに着目、単一光子源として用いて、電流で動 作させることに挑戦した。具体的には、高度な製造技術に よって高品質ダイヤモンドの薄い発光層を n 層と p 層で挟 み、発光層に電気が流せる LED 素子を作製、光子相関法 【強誘電性カラムナー液晶】 カラムナー液晶においてカラム軸に平行な自発分極を持つ 強誘電性を確認 超高密度メモリー素子への挑戦(2012.4.1) 東京大学、東京工業大学 両者は、強誘電性カラムナー液晶材料の開発に成功した。 この物質を利用することで、従来とはまったく異なる方法 で簡便に超 高密度メモリー素子を作製できることが期待 PEN May 2012 35 される。また、 強誘電性材料の開発に今までにないアプロー プ」を取り付け、テレビ・エアコン・冷蔵庫などの電源プ チを与えるほか、液晶材料の新たな応用可能性を提示する ラグを差し込むことで、1 台ごとの消費電力をリアルタイ もの。これまでに多くの研究者が試みてきたにもかかわら ムに確認することができる。また、1 時間ごとの消費電力 ず、誰も実現できなかった強誘電性カラムナー液晶を実現 の履歴なども確認することができる。 したという意味で、基礎科学的にも極めて重要な成果であ http://www.sharp.co.jp/corporate/news/120412-a.html る。 http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2012/12041302.html 【太陽光発電所】 イタリアにおける 5 カ所の太陽光発電所の稼動開始 【加速膨張する宇宙】 (2012.4.12) 「宇宙の蜃気楼」により裏付けられた加速膨張する宇宙 シャープ(株) (2012.4.12) シャープとエネル・グリーン・パワー社が 2010 年 7 月 東京大学 に設立した太陽光独立発電事業の合弁会社「Enel Green 国際研究チームは、クエーサーと呼ばれる明るい遠方天体 Power & Sharp Solar Energy S.r.l.」は、イタリアで 5 カ所 の重力レンズ現象のこれまでにない規模の探索を行い、宇 (合計約 14.4MW)の太陽光発電所を 2012 年 3 月末より 宙の膨張速度の進化を調べた結果、宇宙の膨張速度が加速 稼動を開始した。 度的に増える、いわゆる「加速膨張する宇宙」の強い証拠 http://www.sharp.co.jp/corporate/news/120412-b.html を得た。宇宙の加速膨張は 2011 年ノーベル物理学賞の対 象となった超新星爆発の観測などによって明らかにされて いたが、今回まったく異なる方法で確認したことによって、 加速膨張およびそれを引き起こすダークエネルギーの存在 がより確かなものになった。 http://www.ipmu.jp/ja/node/1275 【超伝導】 ウラン化合物で自発的に回転対称性を破った超伝導を検出 (2012.4.11) 東京工業大学、日本原子力研究開発機構、東北大学、大阪 大学、岡山大学 共同研究チームは、ウラン化合物「UPt3(ウラン白金 3) 」 【EV、スマートグリッド】 電気自動車を用いたスマートグリッド実証実験を開始 ス 転対称性を破った超伝導状態が実現していることを実験的 マートグリッド実証実験装置「M-tech Labo」の稼動を開 に明らかにした。この結果はこれまで提唱されてきたいず 始(2012.4.12) れの理論の前提を覆すもので、四半世紀以上、この物質で 三菱商事(株) 、三菱自動車(株) 、三菱電機(株) 未解決のままだったいくつかの謎を説明できることが明ら 3 社は、けいはんなエコシティ次世代エネルギー・社会シ かになった。これにより、この物質に見られる多重超伝導 ステム実証プロジェクトの一つとして、東京工業大学の指 だけでなく、従来の BCS 理論では説明困難な非従来型超 導を受けながら、電気自動車に搭載された蓄電池を活用し 伝導の統一的な理解に大きく貢献すると期待される。 工場施設の電力需要平準化を行うスマートグリッド実証実 http://www.hyoka.koho.titech.ac.jp/eprd/recently/research/research.php?id=276 験装置「M-tech Labo」を完成させ稼動を開始した。 http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2012/html/0000014507.html 【家電消費電力ミニ他リング】 電力見える化システム、専用タブレット端末で家電機器ご との消費電力をリアルタイムに確認(2012.4.12) シャープ(株) 同社は、当社の太陽光発電システムとの連携により、発電 量や売電量はもちろん、家電機器ごとの消費電力をリア ルタイムに確認できる HEMS 電力見える化システム「JHRTP1」 「JH-RTP2」を発売する。このシステムは、家庭内 のコンセントに、 各機器の消費電力データを送信する「タッ 36 において、結晶構造から期待される対称性から自発的に回 PEN May 2012 太 陽 光 発 電(PV) 市 場 分 析:GTM Research 社、PV 市 場、 薄 膜 占 有 率 11% に下落 GTM Research report notes tough times for thin-film PV, projects upswing around 2015 http://www.pv-tech.org/news/gtm_research_report_ notes_tough_times_for_thin_film_pv_projects_ upswing_aro 企業のエネルギー戦略: Panasonic Eco Solutions North America 設 立、 協力企業 RSB Fund(デンバー) Panasonic launches new renewables 豊蔵レポートより 豊蔵信夫氏が収集・配信されている最新技術情報をお 届けします。 focused unit, announces strategic alliance with RSB Funds http://www.pv-tech.org/news/panasonic_launches_ new_renewables_focused_unit_announces_strategic_ alliance 市場分析:IHS iSuppli 社、ポリシリ コン、過剰生産、価格の下落 IHS iSuppli: Polysilicon spot prices to stabilize at US$23/kg by the end of 2013 h t t p : / / w w w. p v - t e c h . o r g / n e w s / i h s _ i s u p p l i _ polysilicon_spot_prices_to_stabilize_at_us23_kg_by_ the_end_of_2 ナ ノ 医 薬 品: 米 国 国 立 衛 生 研 究 所 (NIH)、脳性まひの予防、動物試験 NIH research team housed at DMC/WSU publishes major study demonstrating that there is a window of opportunity to prevent cerebral palsy http://www.drugs.com/clinical_trials/nih-researchteam-housed-dmc-wsu-publishes-major-studydemonstrating-there-window-opportunity-13363. html?utm_source=feedburner&utm_ medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+DrugscomClinicalTrials+%28Drugs.com+-+Clinical+Trials%29 PEN May 2012 37 ナノ粒子:米国国立標準技術研究所(NIST) 、 マサチューセッ ナノ材料:グラフェンナノシート、低コスト、ケース・ウェ ツ大学アムハースト校、植物細胞への蓄積と DNA 損傷 スタン・リザーブ大学 NIST/UMass study finds evidence nanoparticles may Researchers develop simple, cheap way to mass-produce increase plant DNA damage graphene nanosheets http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-04/nios-nsf041812.php http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44955 米 国 下 院 予 算 案:2013 年 度、 大 統 領 案 の 要 求 額 相 当、 NSF 予算増額 House Panel Tops Senate Mark for NSF http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/04/house-panel-tops-senatemark-for.html?ref=hp ナ ノ コ ー テ ィ ン グ: イ タ リ ア Istituto Italiano di Tecnologia、紙や繊維への反応塗装 Nanoparticle Coating Makes Paper Magnetic, Waterproof, and Antibacterial ナノ材料:ウィスコンシン州立大学ミルウォーキー校、 Graphene monoxide (GMO) 、グラフェン半導体 Research finds semiconductor derivative of graphene h t t p : / / w w w. e e t i m e s . c o m / e l e c t r o n i c s - n e w s / 4 3 7 1 2 2 1 / R e s e a r c h - f i n d s semiconducting-graphene-derivative ナノリスク:米国下院予算案、AAAS 分析、上院不採択の 見込み、非国防予算の削減 AAAS Analysis: Science Funding at Risk http://www.aaas.org/news/releases/2012/0418rnd_aaas_analysis.shtml http://www.popsci.com/technology/article/2012-04/nanoparticle-coating-makesplain-paper-magnetic-and-waterproof 2つの先端研究所開所:高精度な科学と計測、Precision Measurement Laboratory (PML)、NIST、コロラド州ボル リ チ ウ ム イ オ ン 電 池:DOE Batteries for Advanced ダー、大学 / 連邦政府のパートナーシップ Transportation Technologies(BATT)プログラム、 車載用、 Two New Advanced Laboratories Open at NIST Boulder シリコン負極 and JILA Three groups under DOE BATT program independently http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44969 synthesize silicon-based high-capacity anode materials for Li-ion automotive batteries http://www.silobreaker.com/three-groups-under-doe-batt-program-independently- ナノテクノロジー教育複合体:優れた実践的なナノテクノ synthesize-siliconbased-highcapacity-anode-materials-for-liion-automotive- ロジースキル習得の場、ライシーアム物理技術高等学校 batteries-5_2265630443749507287 (PTHS)、走査型プローブ顕微鏡(NANOEDUCATOR II) 、 ロシアサンクトペテルブルク レビュー:中国科学院納米科技中心、グラフェン、エネル ギー関連 Graphene-based nanotechnology in energy applications Nobel Laureate opened practical class in St. Petersburg, Russia http://physicsworld.com/cws/product/P000028321-nobel-laureate-openedpractical-class-in-st-petersburg-russia http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=24939.php メモリデバイス:台湾国立ナノデバイス研究所、カリフォ ルニア大学バークレー校、量子ドット Nanodot-based memory sets new world speed record http://www.nanowerk.com/news/newsid=24947.php LED 型太陽電池:光電変換効率、平板単一接合太陽電池で 現在 26%、理論値(~ 33.5%)とのギャップの理由、光 の吸収と放出の間の数学的リンク、発光プロセスで新しい 光子を生成、カリフォルニア大学バークレー校 The solar cell that also shines: Luminescent 'LED-type' design breaks efficiency record http://www.nanowerk.com/news/newsid=24959.php 38 PEN May 2012 自然のナノスケール制御の不思議:太陽エネルギー格納の 規制策:米国食品医薬品局(FDA)、食品・化粧品企業に 自然プロセス、光合成電荷分離プロセス、光吸収タンパク 安全性試験実施勧告 質複合体(光合成反応中心) 、補因子固有の光化学を解明、 Nanotech found in cosmetics need testing: FDA 超高速過渡吸収分光計、非局在化励起状態の役割を識別 http://www.lfpress.com/life/healthandfitness/2012/04/20/19660061.html Shedding Light on Nature's Nanoscale Control of Solar Energy http://nano.anl.gov/news/highlights/2012_nanoscale-solar.html 地球温暖化:海洋学者、温室効果による温暖化の進行 No Letup in World's Warming http://news.sciencemag.org/sciencenow/2012/04/scienceshot-no-letup-in-worlds. 横方向スピン輸送:バリステイック・ホットエレクトロン、 html?ref=hp バルク Si ウエハ、輸送領域、外因性脱分極メカニズム(空 気 / Si 界面での欠陥や乱れ) Lateral spin transport through bulk silicon http://apl.aip.org/resource/1/applab/v100/i16/p162408_s1 リチウム空気電池:旭化成、Central Glass 社、IBM の Liair Battery 500 プロジェクト Asahi Kasei and Central Glass join IBM Li-air Battery 500 project; membranes and electrolytes プリンテッド・エレクトロニクス:導体の仕事関数を低下 http://www.greencarcongress.com/2012/04/ibm-20120420.html させる技術の開発、導体表面をポリマー被覆、ポリマー薄 層(厚さ約 1 〜 10nm) 、強い表面双極子作成、高耐湿性・ 耐酸化性導体、ジョージア工科大学 TV as Thin as a Sheet of Paper? Printable Flexible Electronics Just Became Easier With Stable Electrodes 有機 EL:住友化学、Light+Building 2012 で初公開、大面 積化(10cm × 10cm)、膜厚 1μm 以下 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120420/214083/?ST=energytech http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120419143123.htm Innovation Prize IT 賞: ド イ ツ、e ラ ー ニ ン グ、Swiss 高齢者の感情:セカンド • チャンスの減少、逃した機会へ の後悔、脳活動を機能的磁気共鳴で実験、精神的に健在な 高齢者へのヒント Nano-Cube Swiss Nano-Cube project wins "Best of 2012" award http://www.nanowerk.com/news/newsid=24965.php Happy Older Adults Less Likely to Dwell on Missed Chances http://www.aaas.org/news/releases/2012/0419sp_aging.shtml 超伝導:理研、Phase-slip qubit、ジョゼフソン接合 New Kind of Quantum Junction http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120418134858.htm サ ミ ッ ト 報 告: イ ン ド グ ジ ャ ラ ー ト、India Solar Investment & Technology Summit(ISIT) 固定価格買取制度:日本、42 円 /kWh、7 月スタート India Solar Summit: day one sees dedication of 600MW of Japan’s government likely to cave to sector pressure, says projects by Gujarat Chief Minister Modi report http://www.pv-tech.org/news/india_solar_summit_day_one_sees_dedication_ http://www.pv-tech.org/news/japans_government_likely_to_cave_to_sector_ of_600mw_of_projects_by_gujarat pressure_says_report PV:Canadian Solar 社、PV メ ー カ ー の 整 理 統 合、 SkyPower PV プロジェクト Consolidation Chronicles: Canadian Solar Acquires Stake in 200MW of SkyPower PV Projects シリコン市場再編成:Timminco 社売却、オンタリオ証券 委員会 Solar shakeout: Timminco to be sold at auction http://www.pv-tech.org/news/solar_shakeout_timminco_to_be_sold_at_auction http://www.greentechmedia.com/articles/read/Consolidation-Chronicles-CanadianSolar-Acquires-Stake-in-200MW-of-SkyPower/ PEN May 2012 39 ナノデバイス:ボトムアップアプローチ、ドイツミュンヘ 太陽電池モジュール:1 ドル /W、価格下落が継続、価格競争、 ン大学、Single-molecule cut-and-paste、AFM チップ SunShot Initiative Building nanodevices from the bottom up SunShot Incubator Spurs Solar Industry Innovation http://nanotechweb.org/cws/article/tech/49369 http://energy.gov/articles/sunshot-incubator-spurs-solar-industry-innovation ナノ材料:導電性プラスチックナノファイバー、CNRS と ナノ材料の安全性:FDA、食品と化粧品、企業との連携、 ストラスブール大学、自己組織化、扱いやすく低コスト ガイドライン Self-Assembling Highly Conductive Plastic Nanofibers FDA Invites Industry Collaboration on Nanotech Safety in http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120422134849.htm Food and Cosmetics http://spectrum.ieee.org/nanoclast/semiconductors/nanotechnology/fdaencourages-food-and-cosmetic-industries-to-collaborate-on-nanotech-safety?utm_ source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+IeeeSpectrumFull ガイドライン:ナノテクノロジーを用いる食品と化粧品、 Text+%28IEEE+Spectrum+Full+Text%29 FDA、パブリックコメント募集 Call for new tests of nanotech safety http://www.healthcare-today.co.uk/news/call-for-new-tests-of-nanotechsafety/21724/ レジスト:Inpria 社、SEMATECH、高性能酸化薄膜 Inpria Joins SEMATECH’s Resist Center at UAlbany NanoCollege for Advanced EUV Resist Development http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44998 ス ー パ ー コ ン ピ ュ ー タ: ハ ー バ ー ド 大 学、San Diego Supercomputer Center、有機太陽電池 Supercomputer speeds clean energy research ナ ノ コ ン ポ ジ ッ ト: 熱 電 材 料、 ボ ス ト ン 大 学 と MIT、 http://www.universityofcalifornia.edu/news/article/27535 NASA、SiGe Thermoelectric nanocomposites switch between heat and electricity in a unique and clean solid-state approach 大面積ポリマー薄膜:フラウンホーファー研究所、反射 防 止 膜、 プ ラ ズ マ エ ッ チ ン グ、International Vacuum http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=25006.php http://www.rdmag.com/News/2012/04/Energy-Materials-Thermoelectrics-Withnew-design-bulk-semiconductor-proves-it-can-take-the-heat/ Conference Fraunhofer presents new PolAR process at the International Vacuum Conference インタビュー:オバマ大統領、Rolling Stone 誌、気象学者 http://www.pv-tech.org/news/fraunhofer_presents_new_polar_process_at_the_ 擁護、再選キャンペーン international_vacuum_conferenc 'I Have the Utmost Respect for Scientists': Obama http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/04/i-have-the-utmost-respect-for. 選択的エミッタ太陽電池:韓国現代重工業、156mm、p html?ref=hp 型シリコンウエハ Hyundai Heavy Industries achieves record 19.7% efficiency with selective-emitter cell http://www.pv-tech.org/news/hyundai_heavy_industries_achieves_record_19.7_ 太陽電池研究開発拠点 Solar Technology Center efficiency_with_selective_emi http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120426/215310/?ST=energytech 米国予算案:上院、DOE 予算増額、ARPA-E 支援 次世代太陽電池:グラフェン、太陽光パネルの性能向上、 Senate Panel Preserves Energy Science, Boosts ARPA-E ミシガン工科大学、色素増感型太陽電池 http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/04/senate-panel-preserves- Graphene Boosts Efficiency of Next-Gen Solar Cells energy.html?ref=hp 40 インタビュー:Applied Materials 社、Charles F. Gay 氏、 PEN May 2012 http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120424205141.htm PV:Nanosolar 社が目標達成、DOE、研究資金6年間で ナノ医薬品:ナノカプセル、シリカと脂質のマトリクス、 4200 万ドル、大規模 PV システム 薬物吸収の増加 Nanosolar completes all major tasks for US$42 million Simulated digestion: Nanomaterial made from lipids and TPP grant from US DOE silicon dioxide improves absorption of pharmaceuticals http://www.pv-tech.org/news/nanosolar_completes_all_major_tasks_for_us42_ http://www.nanowerk.com/news/newsid=25054.php million_tpp_grant_from_us_doe 太陽電池企業動向:多結晶シリコンウエハ、製造プラント 閉鎖、ノルウェー、REC 社と SiC Processing 社 原子力発電所:ストレステスト、EU、実施期間延長 Nuclear stress tests go over deadline http://www.euractiv.com/energy/nuclear-stress-tests-go-deadline-news-512398 SiC Processing permanently closes wafer slurry operations in Herøya, Norway http://www.pv-tech.org/news/sic_processing_permanently_closes_wafer_slurry_ operations_in_herya_norway 健康な食生活:第 7 次欧州研究フレームワークプログラム (FP7)、EATWELL プロジェクト、デンマーク、選択肢に関 する情報と肥満度の関係 太陽電池材料:Wacker 社、高純度ポリシリコン、新工場 There's something healthy in the state of Denmark 稼働、ドイツニュンリッツ、建設費 9 億ユーロ http://cordis.europa.eu/fetch?CALLER=EN_NEWS&ACTION=D&SESSION=&R Wacker officially opens 15,000MT polysilicon plant CN=34561 http://www.pv-tech.org/news/wacker_officially_opens_15000mt_polysilicon_plant 米国の政策:オバマ政権、AAAS Forum、科学技術支援の PV:ドイツ Heliatek 社、有機太陽電池 Heliatek’s Organic Solar Cells Join PV Firms Setting Records in Efficiency http://www.greentechmedia.com/articles/read/Heliateks-Organic-Solar-Cells-Join- 継続、イノベーションと経済的生産性 Obama Remains Committed to Science Investment, Adviser John P. Holdren Tells AAAS Forum http://www.aaas.org/news/releases/2012/0427fstp_holdren.shtml PV-Firms-Setting-Records-in-Efficiency/ 薄膜材料:金ナノ粒子、カリフォルニア大学バークレー校、 自己組織化、ナノ粒子から薄膜作製 Golden Potential for Gold Thin Films http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120427142143.htm ナノテクノロジーの ELSI:ノートルダム大学、倫理、安全 性 Paper examines nanotechnology-related safety and ethics problem http://www.nanowerk.com/news/newsid=25060.php NNI 評価:PCAST による分析、4 回目の実施、隔年 PCAST releases assessment of National Nanotechnology Initiative http://www.nanowerk.com/news/newsid=25059.php ナ ノ テ ク ノ ロ ジ ー の 倫 理:FP7、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン、 ELSI ObservatoryNano publishes " Communicating Nanoethics" http://www.nanoforum.org/nf06~modul~showmore~folder~99999~scc~news~sc id~4280~.html?action=longview& 太陽電池:薄膜太陽電池、廉価、EU プロジェクト、パー トナーシップ European partnership for next generation of stacked solar cells http://www.nanowerk.com/news/newsid=24786.php ナノチューブトランジスタ:イリノイ大学アーバナ・シャ ンペーン校、単層 CNT デフェクト、特性への影響 Nanotube variations affect transistor performance http://nanotechweb.org/cws/article/tech/49159 PEN May 2012 41 ナノ安全:FP7、ERA-NET、連携研究促進 28nm プロセス:米国 IBM、中国 SMIC、共同開発 EU to fund research into safe implementation of SMIC to collaborate with IBM on 28-nm nanotechnology http://www.eetimes.com/electronics-news/4370277/SMIC-to-collaborate-with-IBM- http://www.cleanroom-technology.co.uk/news/article_page/EU_to_fund_research_ on-28-nm into_safe_implementation_of_nanotechnology/77144 PV 研究:再生エネルギーの切り札、バイエルン州、研究 ZnO 薄膜圧電効果:精華大学、バナジウム添加で圧電効果 開発投資 10 倍 Solar Research for the Renewable Energy Revolution Giant piezoresponse and promising application of http://www.innovations-report.com/html/reports/life_sciences/solar_research_ environmental friendly small-ion-doped ZnO renewable_energy_revolution_193392.html http://www.springerlink.com/content/261658241v9nlt48/ 第 3 世代 PV:標準化、パワープラント、ウィーン、PV ナノ材料:FP7、EHS、SANOWORK プロジェクト、リス ク評価 EU project SANOWORK investigates health and environmental impact of nanomaterials Power Plants Conference Potential EU savings through standardization is top of the bill at PV Power Plants Conference http://www.pv-tech.org/news/potential_eu_savings_through_standardization_is_ top_of_the_bill_at_pv_power http://www.nanowerk.com/news/newsid=24780.php 固 定 価 格 買 い 取 り 制 度:Phenix Solar 社 が 困 難 に 直 面、 マックスプランク / プリンストン・パートナーシップ:融 Q-cell 合領域、プラズマ物理研究所 More German PV Pain at Solar Developer Phoenix Solar New Max Planck Princeton Partnership in fusion research http://www.greentechmedia.com/articles/read/More-German-PV-Pain-at-Solar- http://www.innovations-report.com/html/reports/physics_astronomy/max_planck_ Developer-Phoenix-Solar/ princeton_partnership_fusion_research_193297.html 単結晶 Si-PV:SunPower 社、変換効率トップ 再生エネルギー法:ドイツ、議論、固定価格買い取り制度 SunPower Tops in Mono C-Si Solar Cell Efficiency Details of the controversial German Renewable Energy Act http://www.renewableenergyworld.com/rea/news/article/2012/03/sunpower-tops- released in-mono-c-si-solar-cell-efficiency http://www.pv-tech.org/news/the_controversial_german_renewable_energy_act_ unfolded 会議開催:IMEC、2nd edition of Si PV Conference IMEC hosts major international conference on crystalline トンネル電流:h-BN 超薄膜、Dr. Andre Geim, トンネルデ silicon solar cells バイス、FET http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44854 Electrons tunnel through ultrathin boron nitride http://nanotechweb.org/cws/article/tech/49146 Si 薄膜 PV:高効率、独 Forschungszentrum、EU プロジェ クト グラフェン膜:アーカンソー大学ら、単層フリースタンディ ンググラフェン、ひずみコントロール、特性制御 New method offers control of strain on graphene membranes http://www.nanowerk.com/news/newsid=24793.php 42 PEN May 2012 EU project to develop high efficiency silicon thin-film solar modules http://www.edn.com/article/521377-EU_project_to_develop_high_efficiency_ silicon_thin_film_solar_modules.php スパコン:IBM が ASTRON 支援、次世代スパコン LIB 負極材料:3M、Si- ベース負極材料、寿命を 40%向上 IBM: 'We must build an Exascale computer before 2024' A 3M innovation could boost battery life by 40% (video) http://www.engadget.com/2012/04/02/ibm-we-must-build-an-exascale-computerbefore-2024-video/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=F http://gigaom.com/cleantech/a-breakthrough-battery-anode-courtesy-of-3m/?utm_ source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+gigaomnetwork+ %28GigaOM%3A+All+Channels%29 eed%3A+weblogsinc%2Fengadget+%28Engadget%29 熱電管理:“combined heat and power” システム、将来 ReRAM:SiO2 ナノメタル・メモリーデバイス、ペンシル は PV パネルと競合か バニア大学 A Competitor Emerges for Solar Panels Silicon dioxide 'nanometal' offers alternative ReRAM http://www.nytimes.com/2012/04/05/business/global/a-competitor-emerges-for- http://www.eetimes.com/electronics-news/4370367/Silicon-dioxide-nanometal- solar-panels.html?_r=1&ref=energy-environment memory PV:京セラ、PV・蓄電システムを統合、受注開始 エネルギー政策レポート:NREL アナリスト、PV リースビ http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120328/210322/?ST=energytech ジネス、注意喚起 NREL analysts claim solar lease business model attracting more attention, customers 欧州 2020 戦略:エネルギーハーベスト、フレキシブル、 http://www.pv-tech.org/news/nrel_analysts_claim_solar_lease_business_model_ プリントプラスティック PV パネル開発プロジェクト開始 attracting_more_attention_cu Transforming energy: flexible, printed-plastic solar panel project kicks off http://www.nanowerk.com/news/newsid=24823.php 窃盗に悩む:PV メーカー、PV モジュールの高額部品 The PV Industry Tackles Solar Theft http://www.renewableenergyworld.com/rea/news/article/2012/04/the-pvindustry-tackles-solar-theft グラフェン:CNT メーカー Thomas Swan 社参入、ダブリ ン大学の CRANN に投資・共同研究 Thomas Swan joins graphene development race 創 薬: バ イ オ と ナ ノ の Institute of Bioengineering and http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44861 Nanotechnology、”Fish and Chips” と呼ばれる新規マル チチャンネル微小流体還流装置 IBN's 'Fish and Chips' May Help Accelerate Drug Discovery http://www.sys-con.com/node/2233994 Q-Cell 社:債務超過、PV 不況は関連他社にも波及 Solar recession claims another victim http://www.euractiv.com/energy/solar-recession-claims-victim-news-511975 化学物質管理:携帯端末、大気中の有害物質の検出 Nanotechnology-equipped cell phones detect harmful airborne substances http://www.nanowerk.com/news/newsid=24820.php 原子力発電所事故:ダートマス大学、ヨウ素検出、環境へ の蓄積 Dartmouth Scientists Track Radioactive Iodine from Japan’ s Nuclear Meltdown http://now.dartmouth.edu/2012/04/dartmouth-scientists-track-radioactive-iodinefrom-japans-nuclear-meltdown/ カーボンナノチューブ:CNT ドープにより植物細胞培養速 度を 2 倍に Carbon Nanotubes Can Double Growth of Cell Cultures 研 究 開 発 動 向: イ ラ ン、Iran Nanotechnology Initiative http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120404125329.htm Council(INIC)発表 INIC Presents Review of Iran Nanotechnology Progress http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44869 PEN May 2012 43 無線制御ドラッグデリバリーチップ:MIT-Harvard Center 第 5 フェーズ Fab 14 gigafab:台湾の半導体ファウンド of Cancer Nanotechnology Excellence(CCNE) 、生体試 リ TSMC がセレモニー、第 6 フェーズ Fab 14 へとさらに 験成功 展開 Successful human tests for first wirelessly controlled drug- TSMC begins building next phase of Fab 14 gigafab delivery chip http://www.eetimes.com/electronics-news/4370605/TSMC-begins-building-next- http://www.nanowerk.com/news/newsid=24845.php 磁気記録媒体診断:NIST、メリーランド大学ナノセンター、 Royal Institute of Technology、デフェクト診断 Nanoscale Magnetic Media Diagnostics by Rippling Spin Waves http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120403172200.htm 8nm プロセス:IEEE-ISPD で詳述、いくつかの代替プロセ スのうち一つは 8nm プロセスの突破口に ISPD: Semiconductors aim for 8-nm node http://www.eetimes.com/electronics-news/4370573/ISPD--Semiconductors-aim-for8-nm-node 科学技術予算:米国、AAAS、研究開発費のコスト・ベネ フィット分析 Research that Pays Off: Experts Make the Case for Federal R&D Spending in Capitol Hill Briefings http://www.aaas.org/news/releases/2012/0406rnd_benefits.shtml phase-of-Fab-14-gigafab 国 際 連 携:The International NanoScience Community、 ナノテクノロジー SNS International collaboration in the virtual world of nanotechnology http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44886 PV:中国、半数の PV メーカーが生産中止、Guangzhou Daily が報道 Report claims 50% of Chinese solar firms have ceased production http://www.pv-tech.org/news/report_claims_50_of_chinese_solar_firms_have_ ceased_production 触媒反応:カールスルーエ技術研究所、触媒表面酸素のデ フェクトが活性点 Processes at the Surface of Catalysts: Using Infrared Spectroscopy, Scientists Detect That Oxygen Defects Act as Active Centers http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120410111408.htm ナノ医療:高精度の病原菌検出、フロリダ州立大学、炎症 性腸疾患 Nanotechnology Used to Hunt for Hidden Pathogens http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120409175913.htm キャパシタ:レポート、CEA-Leti と IPDiA、3D 高密度キャ パシタ Latest news reports on the IPDiA-Leti Common Lab results: Leti and IPDiA are proud to unveil a new グラフェン:金属基盤からの画期的剥離法、廉価でエコ Inexpensive separation method of graphene developed worldwide record in capacitance density http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44900 http://www.nanowerk.com/news/newsid=24861.php 次世代 CMOS:SEMATECH のフロントエンドプロセスへ Al ナノ粒子の効果:Si-PV に対するプラズモン効果による 効率向上、シミュレーション、他の金属ナノ粒子と比較 Low cost and high performance Al nanoparticles for broadband light trapping in Si wafer solar cells http://apl.aip.org/resource/1/applab/v100/i15/p151101_s1 44 PEN May 2012 Centrotherm が参加、他の次世代メモリーも SEMATECH and Centrotherm Partner to Develop Low Temperature Processes for Future CMOS and Memory Devices http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44 研究開発投資:カザフスタン、年間予算 150 万ドル 米国連邦政府予算:オバマ政権、エネルギー貯蔵装置開発 Kazakhstan spends $1.5 ml a year on nanotechnology へ 3000 万ドル http://www.interfax.kz/?lang=eng&int_id=10&news_id=5007 Secretary Chu Announces $30 Million for Research Competition to Develop Next Generation Energy Storage Technologies PV システム:京セラ、IHI、みずほコーポレート銀行、国 内最大、70MW、鹿児島市七ツ島 http://energy.gov/articles/secretary-chu-announces-30-million-researchcompetition-develop-next-generation-energy http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120410/212176/?ST=energytech ナ ノ 材 料: 安 全 性、 国 際 会 議 Safety Assessment of ナノインプリント:総代理店にアイトリックス社、グラフェ ン成膜装置、韓国 Graphene Square 社 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120410/212193/ Nanomaterials: Current Status and Challenges Ahead、 スペイン International experts debate on the safety of nanomaterials in the Basque Country http://www.nanowerk.com/news/newsid=24889.php ナノ材料:ドイツ BMU、ステークホールダ―ダイアログ "Risk management in the nano world" のレポート New report: Assessment tools for nanomaterials http://www.nanowerk.com/news/newsid=24869.php Si モジュール:シンガポール A*STAR、効率化、入力ロス の低減、Doping-Compensation 法 Compensation doping can improve the efficiency of silicon optical modulators 国際連携:科学技術とイノベーション、米国とブラジル http://www.nanowerk.com/news/newsid=24882.php Fact Sheet: U.S.-Brazil Science and Technology Cooperation http://www.favstocks.com/fact-sheet-u-s-brazil-science-and-technology-cooperati on/10883999/?#038;#038; ナノエレ:NSF、研究開発投資、Wenjing Rao 氏、イリノ イ大学シカゴ校 14nm プ ロ セ ス:SEMATEC と Centrotherm thermal NSF grant to tackle nanoelectronics challenges http://www.nanowerk.com/news/newsid=24880.php solutions パートナーシップを締結 Sematech addresses 14-nm process flow with new partner http://www.eetimes.com/electronics-news/4370728/Sematech-addresses-14nmprocess-flow-with-new-partner 燃料製造触媒:二酸化炭素からメタンやメタノール燃料、 Cu-Au 合金ナノ粒子触媒 Hybrid Copper-Gold Nanoparticles Convert CO2 教育プログラム:教員用、AAAS、オンラインで学習支援 http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120411120529.htm New Testing Feature at AAAS Web Site Helps Teachers Find Gaps in Students’ Science Knowledge http://www.aaas.org/news/releases/2012/0410project_2061.shtml 持続可能性:バイオ燃料、長期的には高コスト、EU レポー ト EU report questions conventional biofuels' sustainability 量子ドット LED:発光効率や質の改善で有用な LED に Quantum Dots Shine In LEDs http://cen.acs.org/articles/90/web/2012/04/Quantum-Dots-Shine-LEDs.html http://www.euractiv.com/climate-environment/eu-report-questions-conventionalbiofuels-sustainability-news-512076 ポリ Si:中国、8 割の製造ラインが停止状態、40 の製造 企業のどこが勝ち残るか China Solar: Who Survives China’s Polysilicon Shakeout? http://www.greentechmedia.com/articles/read/china-solar-who-survives-chinaspolysilicon-shakeout/ PEN May 2012 45 木材保存剤:ナノ粒子を使って木の中にとどまるように工 中国のタバコ:タバコの研究者の CAS への参画阻止 夫、ミシガン工科大学 A New Uproar Over Chinese Tobacco Research Keeping Wood Preservatives Where They Belong: In the http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/04/a-new-uproar-over-chinese- Wood tobacco.html?ref=hp http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120411205259.htm 磁気試験:マイクロエレクトロニクス、PV、MEMS の信 ナ ノ 安 全 性: タ イ、Nanosafety and Ethics Strategic Plan、2012 年~ 2016 年 Seeking public perception on nanosafety plan http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44918 頼性向上 Magnetic Test Technique Helps Ensure Reliability of Microelectronics, PV Cells & MEMS http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120413101347.htm データ転送:EU 支援研究開発プロジェクト、高転送レート、 ZnO:低温成長透明 ZnO 膜、ディスプレイ、PV、A*STAR Built-in レーザによるテラビット転送 Low-Temperature Method Could 'Grow' Transparent Zinc New frontier: Chips transfer data at light speed Oxide Films for Displays and Solar Cells http://www.nanowerk.com/news/newsid=24895.php http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120412105100.htm 太陽光利用:セメント製造、 ゼロ CO2 エミッション、ジョー 北朝鮮のロケット:失敗は激しい振動の発生が原因か ジ・ワシントン大学 Severe vibrations likely brought down N. Korean rocket Solar-powered cement production without carbon dioxide http://www.eetimes.com/electronics-news/4370955/Severe-vibrations-likely- emissions brought-down-N--Korean-rocket http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=24883.php 触媒:分子触媒、将来は太陽光利用や再生可能エネルギー メガソーラー:インドラジャスタン州、250MW プロジェ クト Areva Solar to Build Asia's Largest CSP Plant 源、Royal Institute of Technology(KTH)、スウェーデン Researchers pioneer molecular catalyser http://cordis.europa.eu/fetch?CALLER=EN_NEWS&ACTION=D&SESSION=&R CN=34507 http://www.renewableenergyworld.com/rea/news/article/2012/04/areva-solar-tobuild-asias-largest-csp-plant ドラッグデリバリー:赤血球をキャリアに 次世代エレクトロニクス:ビスマス - アンチモン薄膜に “Dirac cones” が存在、MIT の研究者 Red Blood Cells Release Cargo On Demand http://cen.acs.org/articles/90/web/2012/04/Red-Blood-Cells-Release-Cargo.html Anisotropic Dirac cones for next-generation electronics http://nanotechweb.org/cws/article/tech/49274 グラフェンベースの新エレクトロニクス:ウィスコンシン 大学ミルウォーキー校、グラフェンから新しい炭素物質 導電インク:市場予測、2012 年に 28 億 6000 万ドル Conductive Inks Markets 2012-2018 46 graphene monoxide(GMO) Graphene-Based Electronics: Entirely New Carbon-Based http://www.sbwire.com/press-releases/conductive-inks- Material Synthesized from Graphene markets-2012-2018-136483.htm http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120416130404.htm PEN May 2012 会議予告:食品中のナノテクノロジー規制、2012 年 6 月 PV 企業の苦境:First Solar、コスト削減、2000 人レイオフ、 26 日、米国ラスベガス ドイツのラインを閉める Nanotechnology in Food: the US and Global Regulatory First Solar to axe 2,000 jobs, close German plant and idle Environment other lines http://www.steptoe.com/news-events-1993.html http://www.pv-tech.org/news/first_solar_to_axe_2000_jobs_close_german_plant_ and_idle_other_lines 分析レポート:日本 GE、イノベーションの自己評価 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120416/212900/ 参考:GE “GLOBAL INNOVATION BAROMETER” http://files.gecompany.com/gecom/innovationbarometer/country_pages.pdf リスク評価:OECD、ナノ材料作業部会(WPMN) 、第 9 回会合 OECD nanotechnology update on nanomaterial risk assessment http://www.oecd.org/officialdocuments/displaydocumentpdf/?cote=env/jm/ mono(2012)8&doclanguage=en 脳腫瘍治療:ナノ粒子によるイメージング、腫瘍ターゲッ トの正確な除去 Nanoparticles Home in On Brain Tumors, Boost Accuracy of Surgical Removal ナノ結晶被服ファイバー:エネルギーロスの低減 Nanocrystal-coated fibers might reduce wasted energy http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44945 鳥インフルエンザ:論文公開をめぐる論争、オバマ政権の 方針 White House Responds to Congressman's Questions About H5N1 Flu Papers http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/04/white-house-responds-tocongress.html?ref=hp ダイヤモンド:電子デバイスに最も重要、アルゴンヌ国立 研究所 Diamonds are an Electronic Device’s Best Friend http://energy.gov/articles/diamonds-are-electronic-device-s-best-friend http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120415151334.htm PV システム:価格低下、過当競争、設置容量急拡大の見 電子顕微鏡:キャパシタやアクチュエータに有用な材料の 興味深い挙動を解明、オークリッジ国立研究所 込み http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20120416/212855/?ST=energytech ORNL microscopy inspires flexoelectric theory behind 'material on the brink' http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44929 米国予算要求:2013 年度、オバマ政権、研究開発費微増 President’s Budget Reflects R&D Priorities, But Contains New Low for Federal R&D Funding SOI ウ エ ハ の 利 用 拡 大:STMicroelectronics NV、ST- http://www.aaas.org/news/releases/2012/0417rnd_briefing.shtml Erikson、IBM 社が SOI、Intel との差をつめる Silicon-on-insulator at ST and IBM closing gap with Intel http://www.eetimes.com/electronics-news/4371063/Silicon-on-insulator-at-ST-andIBM-closing-gap-with-Intel リスク管理:海難事故と弱者、タイタニック号 Maritime disasters: are women and children really always given priority? http://cordis.europa.eu/fetch?CALLER=EN_NEWS&ACTION=D&SESSION=&R CN=34514 PEN May 2012 47 台湾ナノテクノロジー研究開発動向 REDDEX エコ防火耐燃材料、またも や 勝 利 を 収 め る 米国のアビエーション・ウィーク誌 にて「航空宇宙防衛発明チャレンジ 賞」を受賞 工業技術研究院による「REDDEX エ コ 防 火 耐 燃 材 料 」 が 2010 年 に 米 国 の エ ン ジ ニ ア リ ン グ 賞 R&D 100 Awards を 獲 得 し た の に 続 き、 ア メ リカのアビエーション ・ ウィーク誌 による「航空宇宙防衛発明チャレン 台湾 ITRI より 台湾工業技術院(ITRI)のナノテクノロジー研究セン ター(NTRC)が配信する台湾のナノテクノロジー研 究開発動向と最新技術レポートをお届けします。台湾 の研究開発動向は日本語で PEN 編集室に届けられて います。 ジ 賞 A&D SIC Awards」 の 審 査 チ ー ムの高い評価を得て、「その他」の カテゴリで第 1 位の栄誉を獲得し た。 今 年 度 は そ の ほ か に Rockwell Collins、Air New Zealand Technical Operations、BridgetNet International などの航空業で著名な企業が受賞し た。 「REDDEX エコ防火耐燃材料」は不燃 性で、溶融滴下せず、無毒であると いう特性を備えている。摂氏 1,000 度の高温にあっても、材料の後ろに ある物体を 60 分間にわたり摂氏 300 度以下を維持して効果的に保護する。 同時に各種基材への密着性が高く、 火災後の構造も強靭である。鋼材と 炎が長時間接触していても REDDEX と主構造は密接に接合しており、炎 による高温の建物へ侵入と破壊を遮 断する。欧州連合(EU)による新た な環境保護法規に適合しており、製 品の応用範囲はとても広く、航空機 の旅客と貨物スペースの防火壁、飛 行機の外殻の断熱防火塗料、座席の 耐燃性の布地への応用や、建築物の 防火建材と日常工業用品などの用途 へ運用することができる。 48 PEN May 2012 航空産業のサプライヤーの優秀な技術を選び出す A&D SIC つの測量、多くの認証」の国際テスト検査・認証サービス Awards は、航空や宇宙産業の安全や技術と全体的なサー を提供している。また、屏東科技大学と合同で太陽発電戸 ビスの向上を目標として 2009 年に創立された。今年は飛 外寿命測定プラットフォームを構築し、屋外での品質、性 行機の構造、通信、化学化合物、電子、プロセス、動力 / 能、安全の実証技術支援を提供し、全面的な品質検査と測 推進力、センサー、革新的なサービス、ソフトウェアとそ 定を行っている。 の他の 13 のカテゴリから、それぞれ優秀な技術が選出さ https://itriweb.itri.org.tw/spotlight/101/1010413_home_01.asp れた。工業技術研究院は 34 のファイナリストの中で唯一 受賞したアジアの研究機関である。また、全世界の 165 項目を超える技術による激しい競争の中、工業技術研究院 新たにナノマークを獲得した製品の検査認証について:企 はエコ防火耐燃材料というキー・テクノロジーによって頭 業の名称および製品項目の発表と説明 一つ抜きん出ることとなった。 http://blog.itri.org.tw/blog/post/43/4396 2012 年 3 月 21 日に、経済部工業局ナノマーク製品検査 認証申請案審査会の会議審議案は以下のとおりである。 工業技術研究院、台湾初の大型太陽光発電屋外寿命試験用 プラットフォームを建設 (1)Cheng Uei Precision Industry Co.,Ltd.( 正 崴 精密工業 股份有限公司 ) の「ナノシルバー抗菌コンシューマー・エ レクトロニクス製品用シャーシ」の初回申請案について; 工業技術研究院は経済部エネルギー局の支援のもと、国立 ナノシルバー抗菌マウス用シャーシの商品名称の計 2 項 屏東科技大学と合同で国内初の大型太陽光発電の屋外寿命 目の製品についてのナノマークの使用に同意するものとす 試験用プラットフォームを建設し、4 月 11 日に正式に稼 る。 働した。将来的には太陽光発電モジュールとシステム業者 (2)富洲企業有限公司の「ナノシルバー抗菌プラスチック を支援し、実証データによる品質の保証を行っている。同 便座」の初回申請案について;ナノシルバー抗菌プラスチッ 時に台湾の太陽光発電メーカーへ実際の屋外環境でのパラ ク便座の製品名称と、計 31 項目のシリーズ製品について メータを提供し、研究と開発、製品の改良、国際競争力の のナノマークの使用に同意するものとする。 強化へのサポートを行っている。 (3)三洋窯業股份有限公司の「ナノ光触媒抗菌セラミック タイル」の初回申請案について;溶岩石シリーズ ( ナノ・ 台湾の 95% のソーラー電池とモジュール製品は国外へ販 セルフクリーニング・タイル ) の製品名称と、計 16 項目 売されおり、国際的なマーケットと緊密に結びついてい の製品についてのナノマークの使用に同意するものとす る。苛酷な自然環境を通しての実証と、世界的に認められ る。 ている認証機関試験所(CBTL)の認証を組み合わせ、企 http://proj3.moeaidb.gov.tw/nanomark/News/news-more.asp?NewsID=129 業の国際的なマーケットでのチャンス獲得をサポートして いる。特別に工業技術研究院測量センターに委託し、国内 初のプロフェッショナルな大型太陽光発電屋外寿命測定プ 国際ガリレオ・イノベーション・コンペティションにて、 ラットフォームを構築した。企業が屋外の環境条件下での 輝く台湾 発電効率についての報告を得られるようサポートしてい る。実証メカニズムの確立を通し、太陽光発電システムの 工業技術研究院は全地球航法衛星システム (GNSS) をベー 使用寿命の有力なデータを提供することを期待している。 スに発想したオンデマンド・クーポン「Geo クーポン」にて、 産業の支援と問題の早期発見による改善で、製品の検証失 全地球航法衛星システムトピック (GNSS Living Lab) アワー 敗の確率と生産コストを低下させる。 ドで優勝。エネルギーの研究開発で全世界の注目を集めた。 2011 年度の国際ガリレオ・イノベーション・コンペティ 工業技術研究院エネルギー局の支援のもと、各種国際認証 ションは、EU が発起した衛星測位アプリケーションのイ への検査・測定を長期的に促進している。現在太陽光発電 ノベーション・コンペティションである。全世界の 23 の テストではすでに IEC 61215(結晶系モジュールの性能 )、 国や地域が参加して行われた。工業技術研究院は、経済部 IEC 61646(薄膜太陽電池の性能 ) と IEC 61730(防火テ 技術所の指揮のもとで、主催国の一つとなった。今年、工 ストを含む電気的および機械的安全性 ) の CBTL 認証を取 業技術研究院は 1 位を獲得するべく、同時に各地で開催さ 得している。ドイツ、米国、日本などの国際認証機関と共 れる予選のうち「イノベーション構想と実際の作製」の開 同で、国内産業に完全な太陽エネルギーモジュールの「一 催国として、「connected vehicle」をテーマに全世界に向 PEN May 2012 49 けて公募を行い、熱烈な反響を引き起こした。台湾の「イ の 3 組にわかれており、毎回新任の会員の枠は 30 名まで、 ノベーション構想と実際の作製」にはもっとも多くのチー 各組 10 名までとなっている。 ムが参加し、激しい競争のすえ、資訊工業策進会とドイツ の航空宇宙センターチームがそれぞれ、台湾地区でのガリ 第 29 回中央研究員学士院会員候補者名簿は以下のとおり レオ・イノベーション・コンペティションと実際の作製チー である。 ムの優勝を勝ち取った。 数理科学グループ(21 名 ) バイオサイエンスグループ(17 名 ) 今回のガリレオ・イノベーション・コンペティションは新 たに加わった車載データ通信の革新的新元素を強調するこ 人文および社会科学グループ(7 名 ) http://www.sinica.edu.tw/manage/gatenews/showsingle.php?_op=?rid:4891 とで、以前の革新的な発想のみを重視するコンペティショ ンの方法を打破した。コンペティションにチャレンジ性と 面白みが加わったため、今年度の国際ガリレオ・イノベー ITRI が注目する最新の技術動向(ITRI レポートより) ション・コンペティションの台湾地区への応募総数は 106 件に達し、全世界での応募総数 401 件のうち 26% を占め ナノ材料 て世界一となった。ドイツ、スペイン、イスラエル、イン ド、オランダ、米国、ウクライナ、スイス、シンガポール、 1. 高輝度光科学研究センター、東工大、物・材機構、京大 ハンガリー、フィンランドなどのチームがコンペティショ の共同研究チーム、200 ナノ秒の超高速スイッチングが可 ンに参加した。 能な圧電体薄膜を開発(2011.12.22) http://phys.org/news/2011-12-ultra-high-piezoelectric-thin-nanodomain.html 工業研究院はもう一つの省エネ技術 Green Control Unit (GCU)技術、世界初の小型車用の省エネツールで会場の 注目の一つとなった。GCU 技術には 「3 分間アイドル警告」、 「オイル消費量計算」、 「交通状況のフィードバック」など の省エネ警告機能が含まれている。いつでもどこでも車の 2. サウスカロライナ州立大学とジョージア大学の共同研究 チーム、CNT の高速・均一分散手法を開発(2012.2.15) http://phys.org/news/2012-02-rapid-uniform-dispersion-method-carbon.html 状況を把握でき、即時に運転者がいつアクセルやブレーキ を踏む必要があるかを算出できる。また「アクセルをどれ だけ深く踏むか」などの反応は、車載アクティブタイプの 3. ラトガース大学の研究チーム、マルチフェロイック物質 省エネ安全運転補助システムとして、運転者の正確な運転 中のチャージされた磁壁を安定化するための位相的欠陥の 習慣を養い、効果的に運転上の安全性を向上させ、エネル 制御に成功(2012.2.22) ギーの消耗を減少させた。 http://phys.org/news/2012-02-ferroelectric-domain-walls-nanoscale-path.html http://www.itri.org.tw/chi/news/detail.asp?RootNodeId=060&NodeId=061&News ID=585 4. ブリストル大学の研究チーム、グラフェンシートの応力 中央研究院による第 21 回評議会第 2 次会議の開催:第 29 回中央研究院学士院会員候補者の審議および選定について 歪み剛性率と内部摩擦力の測定に成功(2012.2.14) http://phys.org/news/2012-02-stiffness-friction-mechanics-single-layer-graphene. html 中央研究院は 2012 年 4 月 14 日に第 21 回評議会 2 次会 議を開催した。会議では第 29 回中央研究員学士院会員候 5. デラウェア大学の研究チーム、CNT で 3 次元の構造体 補者 45 名の審議と選定が行われた。学士院会員候補者は 実現へ(2012.2.24) 厳格な指名と審査を経て、すばらしい学術的栄誉のある候 http://phys.org/news/2012-02-ud-3d-carbon-nanotube-architectures.html 補者となった。 中央研究院は 2 年ごとに学士院会員会議を開催している。 今年は 7 月 2 日から 5 日に開催され、学士院会員の候補 者から、投票によって第 29 回学士院会員を選出する。学 士院会員は数理科学、バイオサイエンス、人文と社会科学 50 PEN May 2012 ナノバイオ・アグリ 3. IBM の研究チーム、世界で初めて単一分子内の電荷分布 のイメージングに成功(2012.2.27) 1. 国立パシフィックノースウェスト研究所の研究チーム、 ナノ粒子表面の血漿タンパクの計測手法を開発(2012.1.9) http://www.kurzweilai.net/ibm-scientists-image-the-charge-distribution-within-asingle-molecule http://phys.org/news/2012-01-nanoparticle-proteomics-characterizing-protein- 4. ペンシルバニア大学の研究チーム、光の集中定数回路理 nanoparticle-interactions.html 論「メタトロニック」で回路を作製(2012.2.27) http://www.azonano.com/news.aspx?newsID=24358 2. ニューヨーク工科大学の研究チーム、タンパク質からナ ノファイバーを合成する新手法を開発(2012.2.29) http://phys.org/news/2012-02-nanofiber-breakthrough-medicine-microprocessors. html 5. ロチェスター大学とノースカロライナ大学の共同研 究チーム、ニュートリノ粒子ビームを用いた通信に成功 (2012.3.14) http://esciencenews.com/articles/2012/03/14/researchers.send.wireless.message. using.elusive.particles 3. ドイツのデュースブルク・ エッセン大学の研究チーム、 気相コーティング法を用いてナノ粒子の結合メカニズムの 解明を目指す(2012.3.15) 6. カリフォルニア大学バークレー校の研究チーム、グ http://www.azonano.com/news.aspx?newsID=24464 ラフェンが光変調器の優れた活性媒体であることを発見 (2012.3.1) http://phys.org/news/2012-03-graphene-based-optical-modulators-poised-limits. 4. イスラエル工科大学の研究チーム、カゼインからナノカ html プセルを作製(2012.3.6) http://phys.org/news/2012-03-breakthrough-healthier-beverages-cancertreatments.html 7. 台湾の国立清華大学とカールスルーエ研究所の共同研究 チーム、DNA に銀ナノ粒子を埋め込んだ記憶デバイスを 作製(2012.1.5) 5. 英国のバース大学の研究チーム、CNT の薬品送達への応 http://phys.org/news/2012-01-dna-information-storage-device.html 用を研究(2012.2.29) http://phys.org/news/2012-02-soot-key-drugs-cancer-cells.html エネルギー・環境 ナノエレクトロニクス 1. ジョージア工科大学と中国の廈門大学の共同研究チー ム、炭素繊維上にチタニア半導体ナノロッドを作製する新 1. 東大と東京理科大の共同研究チーム、CNT を用いた 手法を開発(2012.3.1) くしゃくしゃに丸めることができるトランジスタを作製 http://phys.org/news/2012-03-tube-shaped-solar-cells.html (2012.3.2) http://phys.org/news/2012-03-all-carbon-nanotube-transistor-crumpled-piecepaper.html 2. 香港理工大学の研究チーム、周囲の熱で駆動する新しい グラフェンベースのバッテリを作製(2012.3.8) http://nanotechweb.org/cws/article/tech/48881 2. マンチェスター大学の研究チーム、グラフェンに磁性を 持たせることに成功(2012.1.8) http://phys.org/news/2012-01-graphene-reveals-magnetic-personality.html 3. マサチューセッツ工科大学とロイヤルメルボルン工科大 学の共同研究チーム、CNT を用いて高い発電効率を達成 (2012.2.10) http://phys.org/news/2012-02-power-source.html PEN May 2012 51 ナノ計測 1. シンガポールの A*STAR の研究チーム、AFM を機械類 の表面欠陥の検出に応用(2012.3.1) http://phys.org/news/2012-03-diamonds-probes-friend.html 2. ミュンヘン大学の研究チーム、医薬品食品向けのプラグ &プレイの NEMS を開発(2012.3.8) http://www.nanowerk.com/news/newsid%3D24522.php ナノリスク 1. オレゴン大学の研究者ら、グリーンケミストリ手法のナ ノテクノロジー応用に成功(2012.2.28) http://phys.org/news/2012-02-techniques-efficiency-safety-nanoparticles.html 国際動向 1. NT-MDT、チップ増強型ラマン散乱によるイメージング のオンラインセミナーを一般公開(2012.3.13) http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44695 Column どくとるマンボウ昆虫展 4 月 28 日から 6 月 17 日まで、東北大学で東北大学総合学術博物館企画展「追悼・北杜夫 どくとるマンボウ昆虫展」 が開催されている。この企画展では同大医学部出身の北杜夫氏への追悼の思いを込めながら、 「どくとるマンボウ昆虫記」 に登場する昆虫 180 種余を氏の文章とともに紹介している。 少年時代、長野県安曇野で昆虫採集に没頭した少年の夢は、ファーブルのような昆虫学者になることだった。親交の深 かった安曇野の昆虫収集家である平沢判明氏の発見したビロウドコガネの新種にはマンボウビロウドコガネの名が付 けられ、その学名も Eumaladera kitamorioi である。昨年 10 月 24 日、84 年の波乱万丈の人生を閉じるまで、昆虫、 とりわけコガネムシへの愛着は変わらなかった。 東北大学総合学術博物館:http://www.museum.tohoku.ac.jp/ 52 PEN May 2012 KOLON、CNT 複合体に本格投資 KOLON は次世代素材であるカーボン ナノチューブ(CNT)複合体の生産 施設に本格投資する。CNT 複合体は、 KOLON が 米 国 航 空 宇 宙 局(NASA) から技術移転を受け事業化に成功し た製品であり、フレキシブルディス プレイや太陽電池等の次世代デバイ スに幅広く活用できる素材である。 同社は昨年末、亀尾工場内に CNT 複 合体の生産のための新規ラインを着 工し、10 月末に完成の予定であり、 2012 年末に生産を始める計画。同 韓国 NNPC より 韓国 National Nanotechnology Policy Center(NNPC) が発行する Nano Weekly と各国動向レポート Global Nano Trends より、韓国の最新動向を中心に関連情報 をお届けします。 社は 1 段階生産ライン工事に 130 億 ウォンを投じた後、順次拡大してい く計画である。 http://www.fnnews.com/view?ra=Sent0601m_View& corp=fnnews&arcid=201204050100036560002449 &cDateYear=2012&cDateMonth=04&cDateDay=04 韓国教授、ナノ教材を発刊 ソウル大学と高麗大学の教授が共同 で執筆した「ナノエレクトロニクス デバイス」が、世界的出版社である Pan Stanford を通じて韓国でも発刊 された。韓国教育科学技術部は 2006 年からナノテクノロジー研究協議会 と共に、ナノ教材編纂事業を行って いる。ナノテクノロジーは未来産業 を主導するコア分野であるものの、 学際融合的特性により大学の教育に PEN May 2012 53 必要な標準的な教材がなかった。これを受け、教育科学技 な分野で幅広く活用できると期待されている。同研究成果 術部は韓国の優秀なナノ科学者に量子力学、ナノエレクト は Science 誌の 4 月号オンライン版に掲載された。 ロニクス、ナノ物理、ナノ化学、ナノ材料等 5 科目に対す http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=102&oid=003&a る教材執筆を支援していた。今回のナノエレクトロニクス id=0004429668 デバイスもナノ教材編纂事業の一環であり、今年 2 月に米 国で発刊された。 http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=102&oid=001&a 髪の 10 万分の 1 の画像も識別できる光学装置を開発 id=0005578473 韓 国 延 世 大 学 教 授 ら に よ り Nanoscale Localization Sampling(NLS)手法で既存分解能の限界を乗り越える新 KAIST、世界初めて液体原子単位の分析技術を確立 たな光学画像法(選択的蛍光画像法 ) が開発された。同技 術によりウィルスやがん細胞のような生体バイオ物質がよ 韓国科学技術院(KAIST)新素材工学科の研究チームはグ り明確に分析できると期待される。研究成果は 3 月 26 日 ラフェンを用いて液体で成長した結晶を原子スケールで分 付 Small 誌に掲載された。 析する技術を開発した。同技術は液体が固体に結晶化する http://www.daejonilbo.com/news/newsitem.asp?pk_no=999920 メカニズムを確認でき、▲ナノサイズ材料の製造、▲電池 内の電解質と電極の間の反応、▲液体中での各種触媒反応、 ▲血液内のウィルスの分析、▲体内結石の形成過程等様々 PEN 購読のご案内 PEN の継続的な購読をご希望の方は、 ・お名前 ・ご所属 ・メールアドレス をご記入の上、[email protected] までご連絡ください。なお、PEN への登録・配信 は無料です。 PEN は原則月 1 回配信します。これまでに発行した PEN と、 【AIST-TOKYO ナノテク情報】 (PEN の前身)は、産総研ナノシステム研究部門ホームページにて公開しています。 http://unit.aist.go.jp/nri/nano-plan/index.html PEN は皆さまとの情報共有を目的としています。お持ちの情報で共有すべきものがあれば、 [email protected] までお寄せ下さい。 *いただいた個人情報は産総研 個人情報保護方針(プライバシーポリシー)に基づき大切に管理し、情報誌 PEN の運営と私達のイベントのご案内のみに使用させていただきます。 54 PEN May 2012 PE ヘッドライン No .43(5 月 7 日) ジ ョ ー ジ ア 工 科 大 学 の Bernard Kippelen ら、有機エレクトロニクス 用の低仕事関数電極の統一的な作製 方法を開発(2012.4.20) 米国のジョージア工科大学の Bernard Kippelen らは、有機エレク トロニクス用光電デバイスの仕事関 数を低下させる簡便な方法を開発し た。脂肪族アミン基を含むポリマー 系表面改質層を設けることで、金属 酸化物、導電性ポリマー、グラフェ ンなどの仕事関数を減少させること PE ヘッドラインより プリンテッド・エレクトロニクス研究会が独自の視点 で集めたニュースをお届けします。 ができる。大面積の有機エレクトロ ニクスを低コストかつ簡便に作製す るための有用な新技術として期待さ れる。 http://www.sciencemag.org/content/336/6079/327. full リケンテクノス、延伸可能な導電性 フィルムを開発(2012.4.19) リケンテクノスは、ポリオレフィン 系樹脂にカーボン成分および無機材 料を練り込み、優れた導電性をもち ながらフレキシブル性を併せ持つポ リオレフィン系フィルムを開発した。 http://www.kagakukogyonippo.com/ headline/2012/04/19-6295.html Samsung、 フ レ キ シ ブ ル な 有 機 EL ディスプレイ「YOUM」を年内に販 売(2012.4.19) Samsung は、 フ レ キ シ ブ ル な 有 機 EL ディスプレイ「YOUM」に関して、 早ければ 2012 年 5 月に量産を開始 し、同第 4 四半期に販売予定である こ と を 発 表 し た。YOUM は、 厚 さ 0.5mm 程であり、衝撃に耐えられる PEN May 2012 55 構造になっている。基板に使うポリイミドフィルムは宇部 アイトリックス、グラフェン成膜技術、電子デバイス開発 興産と共同で開発した。 でグラフェンスクエア社と提携(2012.4.10) http://www.plusplasticelectronics.com/consumerelectronics/samsung-updates- アイトリックス社は、4 月 10 日にグラフェンスクエア社 progress-on-flexible-oled-displays-53489.aspx と、グラフェン成膜技術、電子デバイス開発で提携した。 グラフェンスクエア社のグラフェン成膜装置を日本市場で TASC、産総研、NEC、出力電流の均一性を高めた CNT ト ランジスタをプラスチックフィルム上に印刷形成する技術 独占的に販売するほか、ナノインプリント技術を用いたグ ラフェンベースの電子デバイス開発を近日中に開始する。 http://www.itrix.co.jp/news/archives/2012/04/vb.html を開発(2012.4.18) 技術研究組合単層 CNT 融合新材料研究開発機構(TASC) 、 産総研、NEC は、出力電流の均一性を高めた CNT トラン シ ン ガ ポ ー ル 国 立 大 学 の Jianyong Ouyang ら、 ジスタを印刷形成する技術を開発した。この技術は、フレ PEDOT:PSS を用いて高性能透明導電膜を作製(2012.4.10) キシブル・大面積デバイスへの応用につながる成果である。 シンガポール国立大学の Jianyong Ouyang らは、希硫酸処 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120418/pr20120418.html 理によって、PEDOT:PSS フィルムの導電性を 0.3 S cm-1 から 3065 S cm-1 に向上させた。作製したフィルムは、 シー ト抵抗 39 Ω / □、可視光透過率 80% を達成した。既存の TASC、タッチパネル向けの透明電極用グラフェンの大量 ITO を代替する新材料として期待される。 合成技術を開発(2012.4.16) 単層 CNT 融合新材料研究開発機構(TASC)のグラフェン 事業部は、表面波励起マイクロ波プラズマ CVD 法を用い イ リ ノ イ 大 学 ア ー バ ナ・ シ ャ ン ペ ー ン 校 の Jefferey S. て、グラフェンの大量合成技術の開発を進めることを発表 Moore ら、自己修復する導電性インクを作製(2012.4.10) した。R2R による連続合成技術の実現も視野に入れ、PET 米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の Jefferey S. などへの転写技術の確立も行っていく。 Moore らは、コアシェル型のカプセルを用いることで、自 TASC HP:http://www.tasc-nt.or.jp/index.html 己修復する導電性インクを作製した。このインクで作製し た銀配線の導電性は、ダメージを受けても数分以内に自己 修復する。銀配線中のマイクロカプセルが機械的ダメージ 日本写真印刷、金属に直接フィルムを転写する技術確立 (2012.4.16) 日本写真印刷は、アルミニウム表面にグラビア印刷した を受けると、酢酸ヘキシルが流れ出して、自己修復現象が 生じる。 http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201200196/abstract フィルムを転写し、紫外線で固める方法で、装飾や機能を 付加する技術を開発した。本技術を用いると、陽極酸化皮 膜をつくる工程を省け、品質の安定化及び環境負荷の低減 に加え、白色をきれいに出すことが可能となる。超薄型パ ソコンの加飾での採用を狙っている。 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520120416cbak.html 山形大学の栗原ら、異なる基板上にプルシアンブルーの薄 膜製作に成功(2012.4.5) 山形大学の栗原らは、エレクトロクロミック性を示すプル シアンブルー微粒子の n-BtOH 分散液を種々の基板上にス ピンコートすることで、均一なプルシアンブルー薄膜を作 製することに成功した。プルシアンブルーは従来溶媒分散 ト リ ニ テ ィ カ レ ッ ジ の J. N Coleman ら、 透 明 導 電 膜 性に乏しいが、Na4[Fe(II)(CN)6] と低分子鎖のアルキルア における銀ナノワイヤの長さと直径の影響を明らかに ミンで化学修飾することでこの問題を解決した。今後、多 (2012.4.13) アイルランドのダブリン大学トリニティカレッジの J. N 機能性インクとしての応用が期待される。 http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/gc/c2gc35079c Coleman らは、銀ナノワイヤの長さがフィルムの光透過率 とシート抵抗に与える影響を bulk-like と percolation モデ ルを用いて理論的に解析した。その結果、直流伝導率はナ ノワイヤの長さと相関があるが、光学電導度はナノワイヤ の長さと無関係であった。 http://iopscience.iop.org/0957-4484/23/18/185201 56 PEN May 2012 JNC、タッチパネルの絶縁層形成に利用可能な透明インキ を開発(2012.4.17) チッソ事業会社(JNC)は、高透明・高絶縁性・高耐熱性で、 タッチパネルの絶縁層形成に利用可能な透明インキを開発 した。この透明インクは、紫外線硬化型のアクリル系イン PE ヘッドライン No .42(4 月 19 日) クと熱硬化型のポリイミド系インクの 2 種類があり、事業 化へ向けた検討がされている。 北京大学の Dechun Zou ら、市販の万年筆インクから色素 http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/17-6255.html 増感太陽電池を作製(2012.4.5) 万年筆のインクは、カーボンナノ粒子がよく分散しており、 大きな比表面積を有する。中国の北京大学の Dechun Zou 東京大学の古賀大尚ら、有用化学物質をつくる紙を開発 (2012.4.3) らは、万年筆用のカーボンナノ粒子インクを用いて平面タ イプ・繊維タイプの色素増感太陽電池の対電極を作製した。 東京大学の古賀らは、リパーゼ酵素を固定化した濾紙を インクに TiO2 ナノ粒子を加えることにより、デバイスの 使って、有用化学物質を合成することに成功した。シラン 直列抵抗、電解質の拡散インピーダンスが減少した。 カップリング技術を応用して市販のセルロース濾紙にメタ http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/JM/C2JM16265B クリロキシ基を導入することで、高効率なリパーゼの固定 化と優れた反応効率が達成される。この紙は繰り返し反応 に使えるだけでなく、多孔質構造を持っているため、フロー LG Chem Research Park の Sangki Chun ら、銀塩を用い プロセスによる目的化学物質の連続生産にも適している。 た新インクで透明導電膜を作製(2012.4.4) http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/JM/C2JM30759F 韓国の LG Chem Research Park の Sangki Chun らは、銀 塩でコートした銀ナノ粒子を用いた新しい導電性インク を開発し、グラビア印刷でグリッド状透明導電膜を作製 ウィンザー大学の Tricia Breen Carmichael ら、大規模な した。従来の銀ナノ粒子インクはポリマー分散剤がコー 伸縮性発光デバイスを作製(2012.3.26) トしてあったため高温の熱処理が必要であったが、銀塩 カナダのウィンザー大学の Tricia Breen Carmichael らは、 エラストマーマトリックス中にイオン性遷移金属錯体を分 散させることで、発光面積の大きな(〜 175mm2)発光 デバイスを作製した。最大 27%の歪みと 15%の連続的な 伸縮にも耐えることが可能であった。大面積にわたって均 でコートすると低温の熱処理で十分になる。銀塩として C10H19AgO2 を用いた新インクで作製した透明導電膜の 最高性能値は、線幅 20 µm・加熱温度 150℃、シート抵 抗 1 Ω / □、光透過率 85%であった。 http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/JM/C2JM30198A 一な発光が必要な用途への利用が期待される。 http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201200448/abstract ヨハネスケプラー大学の Martin Kaltenbrunner ら、ラッ 漢 陽 大 学 の Ungyu Paik ら、electrohydrodynamic jet プより薄い有機太陽電池の実現に成功(2012.4.3) オ ー ス ト リ ア の ヨ ハ ネ ス ケ プ ラ ー 大 学 の Martin printing で透明薄膜トランジスタ用の酸化物半導体をパ Kaltenbrunner らは、高いフレキシブル性を持った極薄、 ターニング(2012.3.8) 軽量の有機薄膜太陽電池を作製した。膜厚 2 μ m 未満の 韓 国 の 漢 陽 大 学 の Ungyu Paik ら は、 米 国 の イ リ ノ イ 大 学 の John A. Rogers グ ル ー プ と と も に、 electrohydrodynamic jet printing で透明薄膜トランジスタ 用の酸化物半導体をパターニングした。このパターニング 方法では、残留電荷や意図的なにドープを行わなくしなく ても、32 cm 2/(V・s) の移動度、オンオフ比 10^3、閾値 スレッショルド電圧 2 V のトランジスタを作製できる。 http://apl.aip.org/resource/1/applab/v100/i10/p102108_s1 プラスチックフィルム上に作成された有機薄膜太陽電池 は、ガラス基板上に作製した太陽電池と同等の変換効率を 示し、大きな変形に対して耐えた。この太陽電池は、従来 の技術で作製されたどんな太陽電池よりも 10 倍以上薄く、 軽く、高いフレキシブル性を持つ。この研究は、東京大学 の染谷隆夫、関谷毅との共同研究により実施された。 http://www.nature.com/ncomms/journal/v3/n4/full/ncomms1772.html http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2012/120404.html 山形大学の時任静士ら、トランジスタをプラ基板上に試作、 印刷技術も開発へ(2012.3.30) 山形大学の時任静士らは、有機エレクトロルミネッセンス (EL)ディスプレイ用の駆動用トランジスタをプラスチッ ク基板上に作製する技術を開発した。塗布法などを用い、 PEN May 2012 57 全工程を 150℃以下で行うことでプラスチック基板上での される予定である。 作成が可能となった。従来のガラス基板で作成したものに http://www.oled-info.com/lg-display-start-producing-flexible-e-ink-panels-plastic- 比べて強度が高まる他、軽くて安全性の高いディスプレイ substrate が作れると見ている。また、製造コストも現在の約 5 分の 1 に出来る見通し。 http://organic.yz.yamagata-u.ac.jp/news/20120404_1.html ライス大学の James Tour ら、透明でフレキシブルなメモ リチップを作製(2012.3.27) 米国ライス大学の James Tour らは、透明でフレキシブル 日 本 黒 鉛 工 業 株 式 会 社、 水 溶 性 導 電 性 材 料 を 開 発 (2012.3.30) 日本黒鉛工業株式会社は、リチウムイオン電池の電極用導 電性塗料において、揮発性有機化合物を含まない水溶性の なメモリチップを作製した。メモリは、シリコン酸化物で 作製されており、メモリのサイズが微小であるため透明で ある。シリコン酸化物詳細は後日論文にて掲載される。 http://news.rice.edu/2012/03/27/transparent-memory-chips-are-coming-2/ 新製品を開発した。黒鉛粉末に界面活性剤と接着剤を混ぜ、 不純物が入らないように工夫している。 シ ェ フ ィ ー ル ド 大 学 の Patrick J. Smith ら、Reactive inkjet printing(RIJ)技術の総説を発表(2012.3.26) JAEA の圓谷志郎ら、グラフェンの精密層数制御と高均質 化に成功(2012.3.30) 日本原子力研究開発機構(JAEA)の圓谷志郎らは、 グラフェ ンの大面積・層数制御成長法を開発した。グラフェンの原 料分子が触媒金属の表面で成長する過程をモニターするこ とで、グラフェンの成長条件を明らかにし、グラフェンに 英国シェフィールド大学の Patrick J. Smith らは、化学反 応する二つ以上の物質をインクジェット印刷することで、 パターニングする RIJ 印刷技術を紹介した。本記事には、 Single RIJ と Full RIJ に関する詳しい情報が記載されてい る。 http://feeds.rsc.org/~r/rss/JM/~3/0FN-hLYbXg8/C2JM30649B 含まれる炭素原子層数の精密制御を初めて実現した。グラ フェンの電気的性質も精密に制御できるため、高度な電子・ スピン機能性を有するグラフェンデバイスの創製につなが ることが期待される。 http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12033001/index.html 住友化学、「Light+Building 2012」に高分子有機 EL 照明 を初出展(2012.3.26) 住友化学は独フランクフルトで開催される世界最大級の照 明・建築技術見本市「Light+Building 2012」に高分子有 機 EL 照明を初出展した。電極以外の全てを塗布技術で作 ゲント大学の Isabel Van Driessche ら、インクジェット印 刷で光触媒活性 TiO2 フィルムを作製(2012.3.30) ベルギーのゲント大学の Isabel Van Driessche らは、酸化 チタンナノ粒子の水懸濁液をインクジェット印刷し、光触 媒活性及び透明性を有する酸化チタンフィルムを作成する 製した 60 色・10 cm 角の大型照明を展示した。有機 EL ゆえの柔らかく目に優しい光、高分子ゆえの無限の色調、 塗布印刷作製による環境負荷の低減といった特徴を有す る。 http://www.sumitomo-chem.co.jp/newsreleases/docs/20120323.pdf ことに成功した。酸化チタンナノ粒子懸濁液は、チタンプ ロポキシド水溶液をマイクロ波で水熱処理して合成した。 http://iopscience.iop.org/0957-4484/23/16/165603 PragmatIC Printing Ltd.、カード型 PE 製品の開発に向け て Enfucell と提携(2012.3.26) 英国の PragmatIC Printing Ltd. とフィンランドのフレキシ LG Display 社、フレキシブルな電子ペーパー用パネルの量 産を開始(2012.3.29) LG Display 社は、フレキシブルな電子ペーパー用パネル の量産を開始した。パネルの寸法は 6 型で、厚さが 0.7 mm、重さが 14g である。ガラス基板を用いたパネルと 比較して、厚さは 1/3 以下、重さは半分以下になった。 2012 年 4 月初めに欧州で発売される電子書籍端末に搭載 58 PEN May 2012 ブル電池会社 Enfucell は、両者の強みを活かしたカード型 PE 製品の開発の為、提携を結んだ。両者は、カード型 PE 製品のパイロット生産を検討しており、PE の技術要素提 供を行う。 http://www.pragmaticprinting.com/userfiles/file/PPL-ecosystem-PR-120326.pdf http://www.enfucell.com/enfucell-strengthens-pe-ecosystem-teams-up-withpragmatic-printing-and-pel 次世代モバイルパネル用表示材料技術研究組合(TRDIM)、 ~ 80%の透過率、~ 30 K Ω / □ のシート抵抗を達成した。 曲げられる液晶ディスプレイを開発(2012.3.22) この技術を用いれば、フレキシブルで透明なグラフェンデ 材料、加工、パネルなど関係 12 社の企業が参加する次世 バイスを任意の基板上に印刷プロセスのみで作成可能とな 代モバイルパネル用表示材料技術研究組合 (TRDIM) は、 る。 凹面にも凸面にも曲げることが可能な曲面液晶ディスプレ http://feedproxy.google.com/~r/acs/ancac3/~3/k-fwNE2i_5s/nn2044609 イを開発したと発表した。ロール・トゥ・ロール方式で連 続的に作製したパネルで、半径 30cm の円柱に巻きつけて も表示に乱れがない。 カリフォルニア大学の Daniel J. Cohen ら、ナノチューブ のパーコレーションネットワーンを利用した高弾性の容量 型歪みゲージを作製(2012.3.12) IT MONOist、プリンテッド・エレクトロニクス業界の開 発競争について解説(2012.3.21) IT MONOist の菅田正夫(知財コンサルタント)は、プリ ンテッド・エレクトロニクス業界の開発競争について解説 した。前半では、各地域、国の技術開発状況を概観し、後 半ではプリンテッド・エレクトロニクスの要素技術とその 米国のカリフォルニア大学の Daniel J. Cohen らは、誘電 エラストマーで分けられたカーボンナノチューブ電極の静 電容量センサーを基に高弾性の歪みゲージを作製した。こ の歪みゲージは、数千回の完全歪みを加えても 3% 以内の 変動と高い信頼性を示した。 http://feedproxy.google.com/~r/acs/nalefd/~3/WPMcwCFHRtU/nl204052z 現状について解説されている。 http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1203/21/news005.html ケンブリッジ大学の Andrea C. Ferrari ら、グラフェンデ バイス電子をインクジェット印刷(2012.3.9) シンガポール国立大学の G. W. Ho ら、フレキシブル基板 英国のケンブリッジ大学の Andrea C. Ferrari らは、液相剥 上で ZnO ナノロッドを作成(2012.3.21) 離法でグラフェンインクを合成した。グラフェンインクで シンガポール国立大学の G. W. Ho らは、これまでリジッ 薄膜トランジスタを印刷し、~ 95 cm2 V-1 S-1 の移動度、 ド基板に制限されていた垂直型 ZnO ナノ構造体の作成を、 ~ 80%の透過率、~ 30 K Ω / □ のシート抵抗を達成した。 Laser writing lithography 法を用いることで、透明フレキ この技術を用いれば、フレキシブルで透明なグラフェンデ シブル PET 基板上で行うことに成功した。PET 基板上で バイスを任意の基板上に印刷プロセスのみで作成可能とな 作成した ZnO ナノロッドは、曲げた状態でも優れた電気 る。 伝導率を示した。 http://feedproxy.google.com/~r/acs/ancac3/~3/k-fwNE2i_5s/nn2044609 http://feeds.rsc.org/~r/rss/JM/~3/hpkHMP81KNo/C2JM00027J バイロイト大学の Josef Breu ら、フレキシブルで透明か つ酸素バリア性をもつコーティング剤を開発(2012.3.19) ドイツのバイロイト大学の Josef Breu らは、新規合成した リチウムヘクトライトと紫外線硬化型のカチオン性ポリウ レタンを組み合わせ、ポリマー・層状ケイ酸塩ナノコンポ ジットコーティング剤を開発した。新規合成したリチウム ヘクトライトは、既存のモンモリロナイトに比べ、優れた 酸素ガスバリア性を示した。 http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104781/abstract ケンブリッジ大学の Andrea C. Ferrari ら、インクジェッ ト印刷したグラフェンエレクトロニクス(2012.3.9) 英国のケンブリッジ大学の Andrea C. Ferrari らは、液相剥 離法でグラフェンインクを合成した。グラフェンインクで 薄膜トランジスタを印刷し、~ 95 cm2 V-1 S-1 の移動度、 PEN May 2012 59 バイオミメティクス研究会より バイオミメティクス研究会より、研究会等イベントの ご案内、関連書籍のご案内、注目トピックなどをお届 けします。 研究会のご案内 第 5 回 Evo-devo 青 年 の 会「 原 義 の “epigenetics” から進化を理解する」 Evo-devo 青年の会では、来たる 6 月 16 日(土曜日)に研究会を開催いた します。表現型の進化(Evolution) を、 発 生 過 程(Development) で 作 用 す る遺伝子群の変異によって説明した い―これが、Evo-Devo(進化発生学) における現在の研究の大きな流れで す。しかし、表現型を特定の遺伝子 群の配列や働きと結びつけて直接的 に説明する試みは必ずしも成功を収 めておらず、両者の間に横たわる深 い闇にジレンマを抱く研究者も多い と思います。このジレンマにどのよ うに向き合い、どう乗り越えるか、 参加者の皆様と議論を深める場にし たいと考えています。 日時:2012 年 6 月 16 日(土) 11:00 ~ 18:00 会 場: 自 然 科 学 研 究 機 構 岡 崎 コ ン ファレンスセンター(基礎生物学研 究所の共同利用による研究会) 60 PEN May 2012 懇親会:同会場にて 18:00 ~(ポスターセッションを兼 ねています) ○研究者が教える動物飼育 第 2 巻 ―昆虫とクモの仲間― http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320057197 ○研究者が教える動物飼育 第 3 巻 プログラム: ―ウニ,ナマコから脊椎動物へ― 11:00-11:20 企画説明 http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320057203 11:20-12:00 講演 三浦岳 京都大学大学院医学研究科生体構造医学講座 形態形成 機構学教室 准教授 12:00-12:40 講演 近藤武史 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター態形成 シグナル研究グループ 研究員) (昼休み) 14:00-14:40 講演 宮坂恒太 東北大学 加齢医学研究所 神経機能情報研究分野 助教 14:40-15:20 講演 松村洋子 北海道大学 農学研究院 博士研究員 (休憩 30 分) 15:50-16:30 講演 椎野勇太 東京大学総合研究博物館 特任助教 16:30-17:10 講演 杉本靖博 大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 助教 17:10-17:20 コメント 中尾央 名古屋大学大学院情報科学研究科 日本学術振興会特別 研究員 PD 17:20-17:40 総合討論 18:00- 懇親会・ポスターセッション 世話人:田尻怜子(東大) ・梶智就(北大) 会の詳細、プログラムおよび参加の申し込み方法は、本会 ホームページ http://evo-devo.net/index.html をご覧くだ さい。参加申し込み期限は 5 月 25 日(金)です。皆様の ご参加をお待ちしております。 書籍のご案内 「研究者が教える動物飼育」出版のご案内 日本比較生理生化学会の編集による「研究者が教える動 物飼育(全 3 巻)」が共立出版より刊行されます。5 月 25 日に店頭にならぶ予定です。各巻とも定価 2940 円(税込) です。 ○研究者が教える動物飼育 第 1 巻 ―ゾウリムシ,ヒドラ,貝,エビなど― http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320057180 PEN May 2012 61 シンポジウム、研究会等のご案内 1. 第 6 回マイクロシステム融合研究 会 日 時:5 月 17 日( 木 )10:00 ~ 12:00、16:00 ~ 17:50 場所:東北大学片平キャンパス 片 平さくらホール 2F(駐車場がありま せん。公共交通機関をご利用下さい。 ) 主 催: 東 北 大 学 マ イ ク ロ シ ス テ ム 融 合 研 究 開 発 セ ン タ ー( μ SIC)、 マイクロシステム研究センター (UMEMUSUME)、MEMS パークコン MEMS 関連情報 東北大学原子分子材料科学高等研究機構教授江刺正喜 氏の MEMS 関連情報をお届けします。 ソーシアム(MEMSPC) 概要: 「マイクロシステム融合研究開 発拠点」と「最先端研究開発支援プ ログラム」を実施する組織として発 足した「マイクロシステム融合研究 開発センター」の、第 6 回研究会です。 ご参加をお待ちしております。仙台 市長などをお迎えし前日 5 月 16 日 (水)に新しい「仙台 MEMS ショールー ム」の開所式が行われますが、午前 にはその関係の紹介をいただき、ま た午後の後半には「暮らしにおける センシング」について講演していた だきます。参加費は無料、当日直接 参加が可能です。 問 合 先: 東 北 大 学 江 刺・ 田 中 研 究 室 大 賀 理 佐(Tel:022-795-6936、 Fax:022-795-6935、E-mail:oga@ mems.mech.tohoku.ac.jp) 62 PEN May 2012 プログラム: 次審査(書類審査)を通過した 13 校 (括弧内はチーム数) 1 0 : 0 0 - 1 0 : 3 0 D r. L o r e n z G r a n r a t h ( F r a u n h o f e r は、高校:福島県立郡山北工業高(1) 、宮城県仙台第一高 Representative Office Japan) (2)、宮城県工業高(1)、高専:豊田工業高専(1) 、一関 Fraunhofer - Europes biggest organization for applied 工業高専(1)、大学:日本大学(1)、京都大学(1) 、東 research for industry 北工業大学(1)、東北大学(4)です。世界各国・地域で 10:30-11:00 米山貢(IMEC 日本事務所) IMEC 紹介および東北大学との戦略提携 11:00-11:20 戸津健太郎(東北大) 「仙台 MEMS ショールーム」 と「試作コインランドリ」 11:20-11:40 柳沢寛(MEMS コア) 予選を行い、2012 年 7 月 5 ~ 8 日に北京で世界大会を行 います。 問合先:東北大学マイクロシステム融合研究開発センター 戸津健太郎(Tel:022-229-4113、E-mail:totsu@mems. mech.tohoku.ac.jp) メムス・コア;受託開発 10 年 11:40-12:00 亀井利浩(産総研) マイクロ流体バイオチップ診断デバイス(仮題) 3. 第 6 回集積化 MEMS 技術研究会「PZT・圧電 MEMS」 16:00-16:30 櫛引淳一(東北大学) 音響デバイス(仮題) 16:30-16:50 室山真徳、巻幡光俊(東北大) 触覚センサネットワーク 16:50-17:20 田中洋介、黒川隆志(東京農工大) 日時:2012 年 5 月 18 日(金)13:00 ~ 16:40 場所:兵庫県立大学姫路書写キャンパス内書写紀年会館 1 階ホール 主催:応用物理学会集積化 MEMS 技術研究会 MEMS を用いた光センサノードによる光給電型広域 ファイバセンサ網 17:20-17:50 長谷川有貴(埼玉大) 植物育成とアグリセンシング 概要:集積化 MEMS は、次世代のデバイス・システムの 成長原動力となる More than Moore 技術の 1 つとして、 最近、注目を集めています。本研究会は、MEMS と LSI の * 13:00-16:00 に、 下 記 iCAN'12 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ 両技術分野の融合と新たなテーマ開拓に向けて、材料、プ ン が 行 わ れ ま す の で、 参 加 い た だ け れ ば 幸 い で す。 ま ロセス、デバイス構造、実装技術、高歩留まり技術、高信 た 18:00-18:40 の MEMS パ ー ク コ ン ソ ー シ ア ム 総 会 と 頼化技術などを視野に入れ、基礎研究から実用化に至るま iCAN'12 表彰式の後、 18:40-20:00 に交流会が行われます。 での様々な段階に関する活発な議論の場を提供します。今 翌 17 日午前には、企業の方にお使いいただいております 回は主として「PZT・圧電 MEMS」に焦点を当てて、最近 「試作コインランドリ」や「仙台 MEMS ショールーム」の の動向について一線でご活躍の講師をお招きして研究会を ある、西澤記念研究センター(旧半導体研究所 ) の見学会 開催いたします。また、本研究会を兵庫県立大学で開催す を計画しておりますので、ご希望の方は上記問合先にご連 るにあたり、同大学で「ERATO 前中センシング融合プロ 絡ください。なおそれ以外の日でもご見学いただけます。 ジェクト」を推進しておられる前中一介氏の研究室を見学 させていただけますので、多くの方の御参加をお待ちして おります。 2.第 3 回 国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテス 参加費:A 会員(応物会員以外) 、B 会員(応物会員) 、賛 ト(iCAN'12)国内予選 助会員、学生、および入会手続き中の会員は無料、非会員 は 5000 円。 日時と場所:2012 年 5 月 16 日(水)10:00 ~ 17:00 見学会:ERATO 前中センシング融合プロジェクト 展示と講演、 18:00-19:30 交流会(仙台メディアテーク) 16:50 ~ 17:50(16:50 までに研究会会場に集合) 2012 年 5 月 17 日( 木 )10:00 ~ 13:00、16:00 ~ 参加方法 : 下記あて平 2012 年 5 月 7 日までに電子メール 18:00 展示、18:00 ~ 18:40 MEMSPC 総会の後、 でお申し込みください。ただし、お申し込み頂いていなく 表彰式(東北大片平さくらホール 1F) ても、研究会と見学会には参加できます。 主催:MEMS パークコンソーシアム、µSIC 問合先:東北大学田中秀治(E-mail:[email protected]. 詳細:http://www.rdceim.tohoku.ac.jp/iCAN12/ tohoku.ac.jp ) 概要 : MEMS デバイスを用いたアプリケーションを提案 し、試作した成果を競う国際コンテストで、対象は高校生、 高専生、専門学校生、大学生、大学院生のチームです。1 PEN May 2012 63 プログラム : 13:00-13:10 委員長挨拶 益一哉(東工大) 13:10-13:50 基調講演 前中一介(兵庫県立大) 5. Electronic Journal 第 1168 回 Technical Seminar 「圧力センサ / マイク / 加速度センサ / ジャイロ★徹底解説」 - 最先端 MEMS デバイスの設計・製造・組立技術を詳解 - 「低消費電力小型センシングノードと PZT デバイス」 日時:2012 年 7 月 30 日(月)10:00 ~ 17:00 第 1 部 圧電材料の成膜技術 座長田中秀治(東北大) 場所:東京都千代田区総評会館 13:50-14:15 清水勝(兵庫県立大) 主催:(株)電子ジャーナル 「MOCVD 法によるナノ強誘電体 Pb(Zr,Ti)O3 の作製」 14:15-14:40 藤井隆満(富士フイルム(株) ) 「RF スパッタリング法による高圧電定数 Nb-PZT 薄膜の 講師:東北大学原子分子材料科学高等研究機構 教授江刺正喜 詳細:http://www.electronicjournal.co.jp/ 作製」 14:40-15:05 小林健(産総所) 「ゾルゲル法による PZT 薄膜の形成とセンサへの応用」 6. 第 29 回「センサ ・ マイクロマシンと応用システム」シ ンポジウム 第 2 部 圧電薄膜を用いたデバイス 座長石井仁(豊橋技 科大) 日時:2012 年 10 月 22 日(月)~ 24(水) 15:25-15:50 神野伊策(神戸大学) 場所:北九州国際会議場および西日本総合展示場(北九州 「金属基板上に形成した PZT 圧電薄膜デバイス」 15:50-16:15 上田政則(太陽誘電(株) ) 「AlN 薄膜を使用した FBAR デバイスの開発」 市) 発表申込締切:2012 年 5 月 25 日(金) 詳細:http://www.sensorsymposium.org/29/ 16:15-16:40 赤井大輔(豊橋技科大) 「シリコン基板上のエピタキシャル PZT 薄膜と超音波ト ランスデューサーへの応用」 書籍のご案内 16:50-17:50 見学会(ERATO 前中センシング融合プロ ジェクト関係の研究施設等) 1.「検証 東北大学江刺研究室・最強の秘密」(江刺正喜、 18:30-20:00 懇親会(要申込。姫路駅近辺を予定。20: 本間孝治、出川通)、彩流社、2009 年 6 月 30 日、1600 29 姫路発の新幹線で東京に帰ることができます。会費は 円 3000 円(予定)。 ) 2.「はじめての MEMS」(江刺正喜 )、森北出版、2011 年 4. Electronic Journal 第 998 回 Technical Seminar 3月 28 日、2500 円 「MEMS 集積化と組立・実装・テスト」 日時:2012 年 5 月 30 日(水)10:30 ~ 16:30 場所:東京都千代田区総評会館 主催: (株)電子ジャーナル 講師:東北大学原子分子材料科学高等研究機構 教授江刺正喜 詳細:http://www.electronicjournal.co.jp/t_seminar/998.html 64 PEN May 2012 3. 技術コラム「若手エンジニアへのメッセージ」 (江刺正喜) (株)日本情報技術センター http://www.mmjp.or.jp/tmc-seminar/column/es-column/es-column.html 「ナノテクノロジーの研究開発と社会受容 ‐ 豊かな未来のための技術革新 ‐ PEN2011 年度版」 出版のご案内 出版について 産総所ナノシステム研究部門ナノテクノロジー戦略室は、 新しい科学技術の道を拓き、その価値を社会に創出しよう とする研究開発者を支援するとともに、社会との相互の理 解を深めることを目的に、 「ナノテクノロジーの研究開発 と社会受容 ‐ 豊かな未来のための技術革新 ‐ PEN2011 年度版」を共同文化社より出版いたしました。 ナノテクノロジー戦略室は、2010 年 4 月より、ナノテク ノロジーを基盤とする新興科学技術の責任ある研究開発の 推進とその社会受容の促進のために PEN を配信してきま した。本書は、2011 年 4 月から 2012 年 3 月までに配信 された PEN をまとめ、この一年のナノテクノロジー関連 の動向を時系列に沿って俯瞰できるようにしたものです。 PEN2011 年度版が、ナノテクノロジーをはじめとする新 興の科学技術と社会の調和により、よりよい社会を構築す るためのツールとして、様々な形で科学技術のガバナンス に関わる多くの皆様にご活用いただければ幸いです。 書籍概要 書名: 「ナノテクノロジーの研究開発と社会受容 ‐ 豊かな 未来のための技術革新 ‐ PEN2011 年度版」 編著:関谷瑞木 / 安順花 / 阿多誠文(産総研ナノシステム 研究部門ナノテクノロジー戦略室) 発行:株式会社共同文化社 出版日:2012 年 4 月 28 日 ISBN 978-4-87739-220-8 お問合せ先: 株式会社共同文化社 〒 060-0033 札幌市中央区北 3 条東 5 丁目 5-91 電話 011-251-8078 FAX 011-232-8228 http://kyodo-bunkasha.net/ PEN May 2012 65 イベント案内 イベント案内への掲載を希望される方は [email protected] までご連絡ください。 Editor's Pick 特別講義「すイエんサーと科学コミュニケーション」を一 3.11 後の科学技術と 市民社会の関わり方 般公開 日時:2012 年 05 月 19 日 ( 土 ) から 2012 年 05 月 26 日 ( 土 ) 日時:2012 年 5 月 12 日(土)13:00 ~ 14:30(開場 場所:大阪大学中之島センター 12:30) 主催:大阪大学 21 世紀懐徳堂 / 朝日カルチャーセンター 場所:北海道大学理学部 大講堂 概要:東日本大震災と福島第一原子力発電所事故を経て、 主催:北海道大学 CoSTEP 科学技術と社会・市民との関係は大きく変わったといわれ 概要:NHK・E テレで放送中の「すイエんサー」は、 「科学」 ています。科学技術の専門家や行政に対する不信が広がる という言葉が一切出てこない、科学番組です。番組中には 一方で、科学技術に潜む巨大なリスクの問題に十分な関心 科学コミュニケーションに欠かせない様々な要素が盛り込 を払ってこなかった私たち自身にも、市民としての責任が まれています。番組プロデューサーの村松秀氏が番組制作 問われるといえます。これからの科学技術と社会・市民の について語ります。本講演は 2012 年度 CoSTEP の開講式 関わりはどうあるのが望ましいのでしょうかについて議論 の一部です。一般の方にも公開しますので、どなたでも聴 します。 講できます。参加費は無料です。事前にお申込み下さい。 http://21c-kaitokudo.osaka-u.ac.jp/events/hq800r http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/news/article/168/ 日本学術会議公開シンポジウム 新しい遺伝子組換え技術の開発と植物研究・植物育種への 利用 ~ 研究開発と規制を巡る国内外の動向 ~ 日時:2012 年 5 月 14 日(月)13:00 ~ 17:00 場所:日本学術会議講堂 主催:日本学術会議「遺伝子組換え作物分科会」 概要:植物研究と育種の最新の研究成果の発表ならびに遺 伝子組換え作物の最新の研究と規制の国際動向について紹 介します。参加費無料、事前登録も不要です。 http://ptrad.gene.tsukuba.ac.jp/H24documents/nbtSympo_program.pdf 66 PEN May 2012 ナノ学会第 10 回大会における 産学連携シンポジウムの一般公開のご案内 ナノ学会第 10 回大会は来る 6 月 14 日(木)~ 16 日(土)に大阪大学豊中キャンパス大学会館にて開催されます。詳し くはナノ学会大会ホームページをご参照下さい。 http://www.ac-square.co.jp/nano/10thsnano/index.html 今回は、基調講演、招待講演、 一般講演、ポスターセッション以外に、6 月 15 日午後 3 時半よりシンポジウム「産学連携 でナノ理工学をこれからの日本の未来科学技術 ・ 産業にいかに活かすべきか」(共催:大阪大学ナノサイエンスデザイン教 育研究センター)が開催されます。以下に、シンポジウムの詳細をご案内します。本シンポジウムは学会関係者以外の企 業を含む一般の方々にも無料で公開されますので、奮ってご参加下さい。当日参加も可能ですが、参加ご希望の方はなる べく事前に大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センターまでお申し込み下さい。 シンポジウムテーマ: 産学連携でナノ理工学をこれからの 場所:大阪大学豊中キャンパス 大学会館講堂 日本の未来科学技術 ・ 産業にいかに活かすべきか 日時:2012 年 6 月 15 日(金)15:30 ~ 18:10(予定) 開催趣旨:科学技術基本計画でナノテクノロジーが重点項 引き続いて、懇親会を開きます。参加費 5000 円。 目として取りあげられて 10 年が経過し、アカデミアの基 礎科学技術の成果であるナノサイエンス・ナノテクノロ 参加費:非会員がシンポジウムのみに参加の場合は参加登 ジーをこれからの日本の未来科学技術 ・ 産業にどう活かす 録費を免除します。 懇親会は参加費 5000 円 (当日支払い) 。 べきかについて、新しい視点からの議論があってしかる べき時期と思われる。人材育成から研究・技術テーマの出 参加事前申込み:非会員がシンポジウムのみに参加の場合 口まで、潜在的なものも含めたニーズとシーズの効果的な 下記事項について、 大阪大学ナノサイエンスデザイン教育 マッチングに向けて、今後、産学官がどのようにスクラム 研究センターの伊藤正宛にメールにて期日までにお申し込 を組めば良いかについて議論する。 み下さい。当日受付にて資料をお渡しいたします。 申込先メールアドレス:[email protected] 申込必要事項:氏名、所属組織、懇親会出席の有無 締め切り:2012 年 6 月 11 日(月) プログラム 司会 荒木勉(大阪大学大学院基礎工学研究科教授) 15:30-15:35 はじめに 伊藤正(大阪大学特任教授)より趣旨説明 5 分 15:35-16:05 北岡康夫(経済産業省産業戦略官 製造産業局 ファインセラミックス・ナノテクノロジー・材料戦略室) 「ナノの人材育成・研究・技術をどう展開すべきか」30 分 16:05-16:35 伊藤正 ( 大阪大学特任教授 ナノサイエンスデザイン教育研究センター ) 「ナノ理工学の産学連携人材育成で大学は何をなすべきか」30 分 16:35-17:05 須藤亮( (株)東芝 執行役専務) 「ナノテク企業におけるイノベーションの創出と産学連携のあり方」30 分 17:05-17:35 萬伸一(NBCI テクノロジー委員会副委員長、NEC スマートエネルギー研究所 研究部長) 「NBCI のナノ技術の見える化活動について」30 分 17:40-18:10 パネル討論「ナノテクの高度人材育成から新規製品化の出口まで」30 分 PEN May 2012 67 PEN 編集室 編集長 関谷瑞木 編集委員 安順花 発行責任者 阿多誠文 連絡先: (独)産業技術総合研究所 ナノシステム研究部門 ナノテクノロジー戦略室 〒 305-8565 つくば市東 1-1-1 産総研つくばセンター中央第 5 編集後記 1 号館 3106 室 Email:[email protected] Tel:029-860-5108 http://unit.aist.go.jp/nri/nano-plan/index.html ゴールデンウィーク最終日の 6 日、つくば市とその周辺が竜巻に見 舞われ、大きな被害を受けた。竜巻発生の予測は極めて難しい。し かし、かつては全く予測できなかった竜巻も研究の積み重ねと技術 開発により、少しずつ予測の精度を上げている。自然災害へのアプ ローチには時間がかかるが、科学技術の可能性を信じたい。今月は タイ王国 NANOTEC の Ramjitti Indaraprasirt 氏と Sirasak Teparkum 氏を外部編集委員として迎えた。よりグローバルな情報共有ネット ワークの構築に向けて、歩み続けたい。 PEN 編集室 一同 外部編集委員 安宅龍明 伊藤正 李佾炯 Endo, Charles-Anica 亀井信一 Krivtsov, Andrey 下村政嗣 Sirasak Teparkum 宋清潭 豊蔵信夫 山根秀信 Ramjitti Indaraprasirt 68 PEN May 2012 2012 年 5 月 10 日