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Vol.7 - 農業経営者と求職者をつなぐ農業雇用改善推進事業

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Vol.7 - 農業経営者と求職者をつなぐ農業雇用改善推進事業
農業さんぽ
雇用管理研修会・雇用管理改善相談会を開催いたします!
雇用環境を改善し
経営発展を目指す!
本研修会では、
求職者が応募したくなる
ような労働条件や、
従業員が安心して働け
会場
定員
実施予定日
時 間
開催
都道府県
12月27日(火)
13:30∼
17:00
高知県
高知市
1月19日(木)
13:00∼
16:00
1月19日(木)
13:30∼
16:00
宮城県
石巻市
JAいしのまき 農業情報センター2階
大会議室
1月20日(金)
13:30∼
16:00
三重県
松阪市
三重県農林水産支援センター 会議室
30名
1月20日(金)
13:30∼
16:00
徳島県
吉野川市
吉野川農業支援センター 101会議室
50名
1月20日(金)
13:00∼
15:10
大分県
大分市
ホルトホール大分4階 403会議室
24名
1月25日(水)
13:30∼
16:30
山口県
防府市
防府市地域協働支援センター 研修室2
30名
2月3日(金)
13:30∼
16:30
島根県
出雲市
島根県出雲合同庁舎 702会議室
30名
るような職場環境をつくることを目的とし、
社会保険・労働保険の適用、就業規則の
作成、賃金の設定、魅力ある組織づくり等
について、
労務管理のプロである社会保険
労務士からわかりやすくお伝え致します。
また、研修会終了後には相談会も実施
し、採用計画の立て方、就業規則の作成
方法、
社会保険・労働保険の適用など、
人
材の採用・定着に関する悩みを直接、社
会保険労務士に相談することができます。
雇用管理研修会への参加のお申込や、
日程・内容に関するお問合せは本事業事
務局までお待ちしております。
地域アドバイザーの 視 点
第6回 滋賀県編
実施会場
JA高知ビル1F フォーラム
北海道
JA北ひびき本所3階 会議室1・2・3
士別市(道北)
60名
50名
100名
労働環境の整備と、牛舎の衛生管理の徹底で、
牛も人もストレスのない酪農を目指します
牛がのびのび育つ飼育環境
滋賀県のほぼ中央に位置する近江八幡
降、
シフトをしっかりと組み、家族も含めた社員は定期的に休暇を取
ることを実践しています。
それは、
「健康管理も大切な仕事」
という鈴
木社長の考えによるものです。牧場の仕事は危険が伴うものが多く、
市の株式会社ウッドベル鈴木牧場。元々は
機械の扱い、牛の扱いなどに細心の注意を払わなければなりませ
稲作を中心とした専業農家でしたが、昭和
ん。
ケガのないように仕事に集中するためには、十分な休息が必要
49年(1974年)家族経営の酪農へと転換
なのです。実際に、定期的な休暇を取って
しました。当初の40 60頭程度の経営規模
いるおかげで効率よく仕事をすることがで
から、徐々に拡大し、2011年11月に法人化。現在は、正社員2名、家
きるようにもなりました。
族4名の計6名で約210頭の乳牛を飼育しています。
「生き物相手の仕事ですから、時間通りに
牧場経営で心がけていることは、
「衛生管理の徹底」
と、鈴木隆良
進まないこともあります。場合によっては休
社長は話します。
みの日でも、駆けつけてもらわなければならないことも起こります。社
「健康に育て、新鮮な生乳を搾乳することが牧場の命ですから、牛の
員がそういった対応が可能なのは日頃からコミュニケーションをしっ
状態を常に観察しています。
また、
ストレスのない飼育環境を整える
かり取っているから。
なんでも話せる雰囲気を作り、
酪農ならではの特
ために、牛舎内は牛が牛床(おが粉)の上を自由に歩きまわれるよう
質を理解してもらうことも大切です」
と鈴木社長は話してくれました。
な構造にし、牧草もそれぞれが好みの量を食べられるような工夫もし
今後は規模を少しずつ大きくして、経営規模を拡大し、後継者を
ています」
育成していくことが目標です。
また、
ゆくゆくは6次産業化についても
粗飼料は、地域から購入したイネWCS(ホールクロップサイレー
考えていきたいとのこと。
そのためにも、労働環境を整え、人材育成に
ジ)を使用。遊休地を利用したストックヤードで管理するなど、循環
力を入れるのがいま一番大切なことだと、鈴木社長は考えています。
型酪農も実践しています。
定期的な休みを取ることで
効率よく仕事ができるように
酪農は1年365日、1日たりとも休むことができませんが、法人化以
発行元
株式会社
ウッドベル鈴木牧場
代表 鈴木隆良
(滋賀県近江八幡市大中町446番地)
株式会社 マイナビ
〒163-1504 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー4F
TEL:03-5909-1958 FAX:03-5909-1970 E-mail:[email protected]
農業雇用改善推進事業ホームページ http://nougyou.koyou-kaizen.jp
| 厚生労働省委託事業 | 農業雇用改善推進事業 |
農業に
自由を
2016.12
Vol.7
日本の
農業事業者
アラカルト
農業だからできる
「自由な労働時間」
を設定し、
よりよい労働環境を整えよう
機械化が変える日本の農業
テーマ
農業の労働時間等が労基法の適用除外となっていることの理由に、農
水稲作10a当たり直接労働時間の変化(全国平均)
閑期と農繁期での業務量の差が大きいことがあげられます。特に播種や苗
植え、収穫期には早朝から夜遅くまで働く必要があるのが農業の特徴で
昭和45年
平成27年
削減率
育 苗
7.4
2.9
▲61%
耕起整地
11.4
3.3
▲71%
田 植
23.2
3.1
▲87%
除 草
13.0
1.3
▲90%
管理(※)
10.8
6.0
▲44%
刈取脱
35.5
3.0
▲92%
16.5
3.4
▲79%
す。
そういった作業を少しでも軽減し、効率よく農作業を行うための農業機
農業の労務管理で難しいのが、労働時間の設定です。
械も数多く開発され、
日々進化しています。
それは農業分野の労働時間の設定は労働基準法の適
一番、機械化が進んでいるのは稲作です。田植えは田植機の普及で昭
用外とされているためです。農業ならではの性質を踏ま
和45年の10a当たり23.2時間から平成27年には3.1時間に、刈り取り・脱
穀は35.5時間から3.0時間へと大幅に労働時間を削減しています。
えて、労働条件を整え、働きやすい労働時間を設定する
一方で野菜や果物など園芸分野は徐々に作物ごとの定植や収穫機械
ために知っておくべき制度をご紹介します。
が増えてはいますが稲作ほどは進んでいません。
それは稲作に比べ市場
規模が小さい上に作物の特性に合わせた機械が必要で、
ほかの作物へ
の応用が難しいことなどがその理由としてあげられます。
しかし、
たとえば、
ねぎの収穫を機械化することで、効率が3倍よくなるな
ど、機械化は確実に労働力の軽減につながっていることを考えると、高齢
その他
化や後継者難などの労働力不足を補う力として機械化をより進めていくこ
とが期待されています。
※畦畔の草刈り、灌漑等の作業
(単位:時間/10a)
参考:農林水産省HP「農業経営統計調査」より
「農産物生産費統計」
能です。
それは農業が以下のような性質のある
労働基準法(以下・労基法)では、1週40時
れる❷事業および労働の性質から1日8時間や
間以内、1日8時間以内と労働時間に制限が設
週に1日の休日等の規制になじまない❸天候の
けられており、
これを法定労働時間といいます。
悪い日、農閑期等、適宜に休養をとれるので、
仕事であるためです。
❶事業の性質上天候等の自然条件に左右さ
金の対象とはなりません。
農林水産省が「平成26年度以降農の雇用
しています。農業経営を行う使用者にとって労
れています。休憩時間は労働者に一斉に与え
的ですが、農業は月に4∼6日程度というケー
働時間の規則の整備が重要なものになってい
なければならず、
その時間は労働者が自由に使
スが多く、
その分農閑期に増やすことで、年間
ることがうかがえます。
用できる時間とされています。
さらに、休日は毎
を通じた休日数を他産業並みに付与している
今回ご紹介した労働時間の設定は、
あくまで
週少なくとも1日が原則で、例外として4週間を
という例もあります。
も「最低基準」に基づくものです。使用者は優
通じて4日以上付与することも可能です。
また、労基法には変形労働時間制という労
良な労働力を確保し、
より働きやすい環境で働
働時間の例外措置もあります。農繁期と農閑期
くために、他産業並み、
あるいは他産業を上回
60
法定労働時間を越えて時間外労働を行う場合は、次の時間数を限度とされています。
期 間
一 般
1年単位の変形
1週間
15時間
14時間
設定をして、
より働きやすい環境をつくることを
1ヶ月
45時間
42時間
目指しましょう。
3ヶ月
120時間
110時間
1年間
360時間
320時間
農業が法定労働時間の
適用外の理由
のように季節によって必要な労働時間の差が
るような労働条件を整えることが大切です。最
ある場合、
より効率的に働くために、農閑期に
低基準以上の環境を整えるために、
「労基法の
休日を増やすなどして柔軟に対応できる制度
適用外」の産業だからこそできる自由度の高い
農業や水産業は、労働時間等が労基法の
です。労基法で定められた手続きを行えば、1ヶ
適用除外となっているため、休憩をのぞいた1
月もしくは1年の単位で、一定の変形期間(変
日8時間の法定労働時間を超えて設定すること
形労働時間の対象期間)を平均し、1週間40
ができます。1週間に40時間を超える労働も可
時間の労働時間を超えなければ、割り増し賃
55
33
■ 表1 時間外労働の限度
78
10
32
25
18
17
16
16
13
12
中長期的な
社員の育成計画・給与計画
︵キャリアパス等︶
の明示
整備に取り組んでおり、14%が今後行いたいと
れます。休日も、他産業では週休2日制が一般
69
61
44
トライアル雇用の実施
に調整をして労働時間を管理することが求めら
74
78
労働安全衛生に関する
研修を受けさせる
場合は少なくとも45分、労働時間が8時間を超
える場合は少なくとも1時間を設定するものとさ
73
60
20
0
67
新規採用者への
研修プログラムの整備
として法人経営体の85%が労働時間の規則の
85
54
就業イベントや大学等での
会社説明会の実施
対に農閑期には労働時間を短くするなど、柔軟
91
インターンシップの実施
また、休憩時間は労働時間が6時間を超える
40
92
経営者・指導者が
労務管理や人材育成
に関する研修を受講
者の確保・定着を図るための取り組み」
(図1)
63
60
退職金制度の整備
ん。たとえば、農繁期には労働時間を長く、反
41
従業員に
会社の5年後・ 年後の
将来ビジョンを示す
は8時間になります。
37
定期昇給制度の整備
おける経営体の回答結果を見ると、
「雇用就農
27
賞与制度の整備
業が18時、休憩が1時間あれば所定労働時間
労働をさせてもよい」ということではありませ
25
n = 1,509
年次有給休暇制度の整備
象にした「農の雇用事業に関するアンケート」に
80
就業規則の整備
ただし、
これは使用者が「労働者に長時間
14
労働時間の規則
︵始業・終業の時刻、
休憩時間︶
の整備
間が所定労働時間です。始業時間が9時で終
8
社会保険
︵厚生年金保険︶
の適用
事業を実施した農業法人等及び研修生」を対
8
社会保険
︵健康保険︶
の適用
労働者保護に欠けるところがない
出展元:農林水産省HPより
「農の雇用事業に関するアンケート
(H28)」
(%) ■ 今後行いたい ■ 現在行っている
100
働きやすい労働時間の
設定を目指そう!
一方で、事業所ごとに定められている労働時
農業さんぽ http://nougyou.koyou-kaizen.jp
■ 図1 雇用就農者の確保・定着を図るための取組
法 人
法定労働時間と
所定労働時間とは?
■ 表2 1年単位の変形労働時間制について
労働日数の限度
対象期間が1年の場合は、
労働日数は280日が限度です。
1日及び1週間の
労働時間の限度
1日の労働時間の限度は10時間、
1週間の限度は52時間です。
ただし、
対象期間が
3箇月を超える場合は、
次のいずれにも適合しなければなりません。
[1]労働時間が48時間を超える週を連続させることができるのは3週以下。
[2]対象期間を3箇月ごとに区分した各期間において、労働時間が48時間を超え
る週は、
週の初日で数えて3回以下。
連続して労働させる
日数の限度
対象期間における連続して労働させる日数の限度は、
6日です。
特定期間における連続して労働させる日数の限度は、
1週間に1日の休日が確保で
きる日数です。
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