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参考資料 - 防衛省・自衛隊

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参考資料 - 防衛省・自衛隊
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砲撃跡と思われる円形状の裸地部
車両が置かれている
何らかの資材が整列して置かれて
いる
普天間
新城
安仁屋
喜友名
車両または何らかの資材が置かれ
ている
車両が整列して置かれている
車両が整列して置かれている
この空中写真は、国土地理院長の承認を得て、同院、日本陸軍及び米軍撮影の空中写真を複製したものである。(承認番号 平 26 情複、第 21 号)
なお、この空中写真を第三者がさらに複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければならない。
図3-17 1945(S20)年 8 月撮影航空写真の箇所別拡大図
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3.1.3 地形図による調査結果
地形図による履歴調査は、参考資料3に示した 4 時期の地形図および図1-3に示した沖縄
防衛局より提供を受けた 2013(H25)年作成の航空測量地形図(以下、「防衛局地形図」とする)
によって行った。
(1) 地図記号などによる土地利用履歴
地形図に記載された地図記号などの情報をまとめると、表3-2に示すとおりである。
表3-2 地形図による履歴調査一覧表
地形図
発行・
作成年
地図記号・記載情報
作成・縮尺
1921年
井/荒地/水田/針葉樹林
(T10年)
参謀本部陸地測量部1/25000
1948年 CANP FUTEMA WATER POINT(キャンプ普天間給水所)/
(S23年) CULTIVATED AREA NON-IRRIGATED(非灌漑耕作地)/建物
米軍1/4800
1974年
広葉樹林/建物
(S49年)
国土地理院1/25000
2005年
喜友名泉/広葉樹林/建物
(H17年)
国土地理院1/25000
2013年
喜友名泉/広葉樹/荒地/建物
(H25年)
沖縄防衛局1/1000
1921(T10)年の参謀本部陸地測量部作成の地形図では、広範囲にかけて荒地、水田、樹
林の地図記号の記載があり、「イメージスケッチ」や戦前の航空写真で確認できた土地利用
状況と同様であるものと判断される。また、1948(S23)年の米軍作成地形図(以下、「米軍地
形図」とする)では、広範囲に耕作地の記載が確認でき、米軍による対象地の本格利用が始
まる以前の地形や土地利用状況が反映されているものと判断される。なお、1974(S49)年、
2005(H17)年の国土地理院作成地形図および「防衛局地形図」では、ほぼ現況に近い土地
利用状況が反映されている。
(2) 等高線の平面比較による造成等の履歴
「米軍地形図」は米軍による対象地の本格利用が開始される以前の地形や土地利用状
況が反映されているものと判断されることから、「米軍地形図」と「防衛局地形図」の等高線
を平面的に比較することにより、米軍による造成等が行われた箇所を把握することとした。
「米軍地形図」と「防衛局地形図」における等高線の重ね図を図3-18に示す。また、これら
2 つの地形図を比較することにより確認できる対象地の造成等に関する事項を以下に示す。
なお、「米軍地形図」に示される標高値はフィート表示のため、1 フィートを 0.3048m として
「防衛局地形図」との比較を行った。ただし、「米軍地形図」においては、地図精度や高さの
基準に関しては不明点が多いため、2 つの地形図に示される標高値を比較する際には地図
精度や高さの基準点の違いによるばらつきが生じることを考慮する必要がある。
① 住宅用地部分

住宅用地(微高地部分を除く)は、宅地造成によるものと考えられる等高線の変
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化がみられるが、標高値の分布に大きな変化は確認できないため、大規模な切
り土や盛り土を伴う造成は行われなかったものと考えられる。

「米軍地形図」で確認できる新城地区の 2 つの微高地は、「防衛局地形図」では
確認できないことから、宅地造成の際に切り土されたものと考えられる。

「米軍地形図」で確認できる安仁屋地区の 3 つの微高地は、「防衛局地形図」で
も確認できることから、これら 3 つの微高地は宅地造成に伴う土地の改変は行わ
れていないものと考えられる。

グラウンド部分は、平坦化されていることから、切り土や盛り土による造成が行わ
れたものと考えられる。
② 緑地部分

喜友名地区から新城地区の緑地部分は、傾斜方向や勾配分布および標高値の
分布に大きな変化は確認できないが、喜友名地区の北部から新城地区の北西
部においては沖縄防衛局が残土置き場として利用したことによる盛り土が確認
できる。

安仁屋地区の緑地部分において確認できる南南東-北北西の谷は、大きな変化
がないまま残っている。
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50.0
グラウンドとして平坦化されてお
り、切り土や盛り土が行われたと
考えられる
沖縄 防 衛 局 が残土 置き場と
して利用したことによる盛り土
7.6
15.2 22.8
30.5
38.1
38.1
45.7
38.1
45.7
15.0
30.0
25.0
60.9
50.0
35.0
10.0
53.3
53.3
35.0 40.0
40.0
45.0
40.0
55.0
55.0
普天間
安仁屋
45.7
60.0
53.3
60.9
60.0
新城
20.0
25.0
55.0
45.0
30.0
50.0
35.0
60.0
60.9
40.0
7.6 10.0
45.0
60.0
45.7
15.0
喜友名
50.0
20.0
55.0
25.0
15.2
防 衛 局 地 形 図 でも微 高 地
として残っている
53.3
30.0
60.0
60.0
55.0
60.9
55.0
防 衛 局 地 形 図 で は微 高 地
は確 認 され ず、切 り土 さ れ
ているものと判断される
60.9
22.8
38.1
30.5
図3-18 米軍地形図と防衛局地形図における等高線の重ね図
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(3) 等高線から作成した断面図の比較による造成等の履歴
図3-18で造成等が行われていることが確認できた範囲や「3.1.2 航空写真による調
査結果」により確認できた土地の改変範囲について、断面図を作成することにより、造成等
の状況を把握することとした。断面図作成箇所図を図3-19、A-A’~G-G’断面図を図3-
20~図3-22に示す。また、各断面図より確認できる造成等の状況に関する事項を以下に
示す。
なお、地形図における等高線のデータ精度は標準偏差で表され、「公共測量の作業規定
の準則」(平成 20 年 3 月 31 日、国土交通省告示第 413 号)によれば、縮尺相当 1/1000 で
標準偏差 0.5m 以内、縮尺相当 1/5000(≒「米軍地形図」1/4800)で標準偏差 2.5m 以内とさ
れていることから、2 つの異なる地形図の等高線によって高さを比較する際には、実際に地
表面の高さの変更がない場合であっても数 m 程度でばらつきが生じることがある。
① 沖縄防衛局の残土置き場(喜友名地区の北部から新城地区の北西部)

A-A’断面から最大 9m 程度、B-B’断面から最大 8m 程度、E-E’断面から最大
5m 程度の盛り土を示す比高差が確認できる。
② 1962(S37)年 7 月撮影の航空写真で確認できる土地の改変範囲(喜友名地区)

B-B’断面からは明確な比高差は確認できなかった。

当該範囲においては、図3-18でも等高線の形状に明確な変化が確認できな
かったことから、緑地の伐採や整地程度の土地の改変であったものと考えられ
る。
③ 1984(S59)年 10 月撮影の航空写真で確認できる土地の改変範囲(喜友名地区)

C-C’断面から最大 4m 程度の切り土を示す比高差が確認できる。なお、D-D’断
面からは明確な比高差は確認できなかった。

当該範囲の C-C’断面上においては、切り土を示す比高差が確認できたが、切り
土であることを考慮すると、廃棄物の埋設等による地形変化を直接的に示すも
のではないと考えられる。
④ グラウンド部分(新城地区)

E-E’断面から最大 4m 程度の盛り土を示す比高差が確認できる。

当該範囲においては、グラウンドの西側部分では盛り土され、反対の東側部分
では切り土が行われたものと判断される。

グラウンド整備に伴う造成と考えられ、廃棄物の埋設等による地形変化を直接
的に示すものではないと考えられる。
⑤ 住宅用地部分

F-F’断面から新城地区の切り土が行われたと考えられる微高地において、最大
11m 程度の切り土を示す比高差が確認できる。

G-G’断面から現在も残っている安仁屋地区の微高地が確認できる。なお、この
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微高地部分においても切り土を示す比高差が確認できることから、宅地造成の
際に頂部が切り土されたものと考えられる。

住宅用地部分においては、図3-18でも標高値の分布に大きな変化が確認で
きなかったことから、大規模な切り土や盛り土を伴う宅地造成は行われなかった
ものと判断される。
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G
A
F
B
E
現在も残っている安仁屋
地区の微高地
グラウンド
沖縄防衛局が残土置き場と
して利用したことによる盛り
土・改変範囲
E’
宅地造成の際に切り土さ
れたと考えられる新城地
区の微高地
1962(S37)年 7 月撮影の
航空写真で確認できる
土地の改変範囲
D
G’
C
1984(S59)年 10 月撮影
の航空写真で確認できる
土地の改変範囲
F’
D’
A’
B’
C’
図3-19 断面図作成箇所図
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1962(S37)年 7 月撮影の航空写真
で確認できる土地の改変範囲
沖縄防衛局が残土置き場として利
用したことによる盛り土・改変範囲
沖縄防衛局が残土置き場として利用したことによる盛り土・改変範囲
最大比高差約 9m
沖縄防衛局が残土置き場として利用したことによる盛り土・改変範囲
1962(S37)年 7 月撮影の航空写真で確認できる土地の改変範囲
最大比高差約 8m
図3-20 断面図による標高の変化(A-A’および B-B’断面)
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1984(S59)年 10 月撮影の航空写真
1984(S59)年 10 月撮影の航空写真
で確認できる土地の改変範囲
で確認できる土地の改変範囲
最大比高差約 4m
沖縄防衛局が残土置き場として利用
したことによる盛り土・改変範囲
グラウンド
最大比高差約 4m
最大比高差約 5m
図3-21 断面図による標高の変化(C-C’、D-D’および E-E’断面)
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宅地造成の際に切り土造成されたも
のと考えられる新城地区の微高地
最大比高差約 11m
現在も微高地として残って
いる安仁屋地区の微高地
最大比高差約 5m
図3-22 断面図による標高の変化(F-F’および G-G’断面)
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3.1.4 住宅地図による調査結果
住宅地図による履歴調査は、住宅地図を閲覧することによって行った。閲覧した10時期の
住宅地図における記載情報を表3-3に示す。なお、対象地の一部は住宅地図作成の対象外
となっており、また、個々の建物に表札情報などの記載がないため、住宅地図からは対象地に
立地する建物用途などを把握することはできなかった。
表3-3 住宅地図による履歴調査一覧表
住宅地図
発行年
地図記号・記載情報
出版者
1971年
米軍施設(建物3棟/針葉樹林/道路)(一部地図なし)
(S46年)
沖縄住宅地図
出版社
1978年
米国陸軍施設(家族部隊)(建物56棟/水路/道路)(一部地図なし)
(S53年)
善隣出版社
1985年
米国海兵隊施設(家族部隊)(建物56棟/水路/道路)(一部地図なし)
(S60年)
(株)ゼンリン
1990年 CAMP FOSTER・キャンプフォースター(米国海兵隊施設)(建物150棟/
(H2年) 墓地/広葉樹林/芝地/荒地/水路/道路)(一部地図なし)
(株)ゼンリン
1995年 CAMP FOSTER・キャンプフォースター(米国海兵隊施設)(建物150棟/
(H7年) 墓地/広葉樹林/芝地/荒地/水路/道路)(一部地図なし)
(株)ゼンリン
1998年 CAMP FOSTER・キャンプフォースター(米国海兵隊施設)(建物149棟/
(H10年) 墓地/広葉樹林/芝地/荒地/水路/道路)(一部地図なし)
(株)ゼンリン
2000年 CAMP FOSTER・キャンプフォースター(米国海兵隊施設)(建物149棟/
(H12年) 墓地/広葉樹林/芝地/荒地/水路/道路)(一部地図なし)
(株)ゼンリン
2005年 キャンプフォースター・米国海兵隊施設(建物186棟/墓地/高塔/広葉
(H17年) 樹林/芝地/荒地/池/水路/道路)(一部地図なし)
(株)ゼンリン
2010年 キャンプフォースター・米国海兵隊施設(建物186棟/墓地/高塔/広葉
(H22年) 樹林/芝地/荒地/池/水路/道路)(一部地図なし)
(株)ゼンリン
2013年 キャンプフォースター・米国海兵隊施設(建物186棟/墓地/高塔/広葉
(H25年) 樹林/芝地/荒地/池/水路/道路)(一部地図なし)
(株)ゼンリン
住宅地図は 1971(S46)年から発行が確認できたが、1971(S46)年から 2013(H25)年まで米軍
の住宅用地として利用されている状況が確認でき、航空写真や地形図で確認できた土地利用
状況と同様であった。
3.1.5 土地登記簿による調査結果
土地登記簿による履歴調査は、別冊資料の土地登記簿によって行った。土地登記簿の記
載内容をまとめると、表3-4~表3-6に示すとおりです。
表3-4から、対象地は 9 つの字の 1,044 筆から構成されていることが確認でき、地積合計は
509,176.21 ㎡であった。また、表3-5から、地積合計に対する地目ごとの地積割合は、畑が
30.2%と最も高く、次いで雑種地、原野、山林、墓地、田、宅地、池沼の順であった。なお、畑は
喜友名地区や新城地区において割合が高く、山林は現在も緑地が残っている安仁屋地区や
喜友名地区において高かった。また、田は低地部分を有する喜友名地区や新城地区において
高く、土地登記簿の地目分布は戦前の航空写真や「イメージスケッチ」で確認できた対象地の
土地利用状況を反映しているものと考えられる。
次に、表3-6から、全 1,044 筆に対する所有者ごとの割合は、個人が 93.5%と大部分を占め
ており、次いで国(財務省)、法人(個人との共有を含む)、自治体(宜野湾市)、組合の順であ
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った。なお、確認できた法人名は(名)えいらん開発、エイ企画(有)、(株)いしかわ文明堂、(株)沖
縄コクヨ、(株)豊住建、(有)マックスビル、(有)赤帽の 7 社であった。
表3-4 土地登記簿一覧表
字名
喜友名山川原
喜友名西原
喜友名下原
新城西原
新城大道原
新城下原
安仁屋前原
安仁屋東原
普天間石川原
計
筆数
地積(㎡)
222
61
221
1
91
194
13
157
84
128,795.5
30,323
56,865
51
52,447
64,008.64
2,520
118,279.56
55,886.51
1,044
509,176.21
表3-5 地目分類一覧
地目
筆数
地積(㎡)
割合(%)
田
畑
雑種地
宅地
山林
原野
墓地
池沼
164
193
242
14
147
145
134
5
28,061
153,600
115,963
7,185.46
81,402
87,066
34,942.75
956
5.5
30.2
22.8
1.4
16.0
17.0
6.9
0.2
計
1,044
509,176.21
100
宅地
池沼
田
墓地
畑
畑
雑種地
原野
山林
山林
墓地
田
宅地
原野
雑種地
池沼
表3-6 所有者分類一覧
所有者
筆数
地積(㎡)
割合(%)
個人
個人・法人
法人
国
自治体
組合
1,001
1
9
23
9
1
476,013.76
1,099
4,599.45
18,438
6,187
2,839
93.5
0.2
0.9
3.6
1.2
0.6
計
1,044
509,176.21
100
個人・法人
自治体
法人
組合
国
個人
国
法人
個人・法人
自治体
組合
個人
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3.1.6 行政届出資料による調査結果
行政届出資料による履歴調査は、参考資料4に示した下水道法に基づく特定施設届出状況
表および水質汚濁防止法に基づく特定事業場台帳によって行った。
(1) 下水道法に基づく特定施設届出状況表
宜野湾市下水道課から入手した 2009(H21)年度から 2012(H24)年度の特定施設届出状況
表によると、宜野湾市内においては 8 事業場で届出の履歴が確認できたが、対象地におい
ては特定事業場の立地履歴は確認されなかった。
なお、対象地の周辺地区(伊佐・喜友名・新城・普天間・安仁屋)において確認できたのは
表3-7に示す 1 事業所であった。
表3-7 対象地周辺で確認された下水道法上の特定事業場
No
6
事業場名
所在
届出年月日
業種
特定施設名
(株)沖縄環境科
宜野湾市新城 1-24-13
1997(H9).11.10
科学技術に
洗浄施設
学研究所
関する研究
※表中の「No」は特定施設届出状況表の「No」と対応
(2) 水質汚濁防止法に基づく特定事業場台帳
沖縄県中部保健所から入手した特定事業場台帳によると、宜野湾市内おいては 46 事業
場で届出の履歴が確認できたが、対象地においては特定事業場の立地履歴は確認されな
かった。
なお、対象地の周辺地区(伊佐・喜友名・新城・普天間・安仁屋)において確認できたのは
表3-8に示す 9 事業場であった。
表3-8 対象地周辺で確認された水質汚濁防止法上の特定事業場
No
事業場名
所在
状況
排水規制適用
33
宜野湾浄化センター
宜野湾市伊佐 3-12-1
現存
50m3 以上・有害物質
56
東洋実業(株)
宜野湾市伊佐 181
下水道接続
有害物質
倉浜衛生施設組合
宜野湾市伊佐 289-262
現存
50m3 以上
90
し尿処理場
149
ママランドリー
宜野湾市普天間 652
不明
不明
226
中央ランドリー
宜野湾市普天間 157
不明
不明
229
東洋ランドリー
宜野湾市伊佐 629
現存
不明
236
ヘルスランドリー
宜野湾市伊佐 633
現存
不明
239
丸優ホームクリーナー
宜野湾市普天間 476
不明
不明
440
ブルーポート伊佐 SS
宜野湾市伊佐 3-305
現存
不明
※表中の「No」は特定事業場台帳の No と対応
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3.2 地下水に関する調査
対象地の地形および地質区分や水利区分に関する資料を収集・整理した。
3.2.1 地形概要
対象地の地形は、標高 40~60mの台地状の平坦面、標高 10m以下の低地、そして低地と
台地の境にある傾斜地の3つに区分できる(図3-23参照)。
台地の平坦面は宜野湾市の中央部に楕円形状に広がっており、対象地の台地はこの北端
に位置している。この楕円形状の台地上には普天間飛行場をはじめ、住宅街・商業施設が密
集している。次に、海岸沿いに分布する低地は沖縄本島の中南部の西海岸沿いに 500~1km
の幅で広がっており、かつては田畑であったが、近年急速に開発が進み、商業施設が建ち並
んでいる。また、台地と低地の間の斜面は場所によっては急崖となっており、利活用が難しく、
数少ない森林地帯となっている。
なお、対象地の安仁屋地区には対象地を縦断するように谷が存在しており、谷の上流側は
暗渠で県道 81 号を横断して普天間~新城市街地へと続いていることから、対象地外の周辺住
宅地から集められた雨水も流入するものと考えられるが、晴天が続いた現地踏査当日には流
水は確認されなかった。
3.2.2 地質概要
対象地の地質は、地形と調和的に分布しており、台地には琉球石灰岩、低地には沖積層、
斜面地には琉球石灰岩の急崖や崩積土が覆っている。また、これら地層の下位には基盤層と
なる島尻層群泥岩が分布している(図3-24、図3-25参照)。
沖積層は主に第四紀完新世の堆積物であり、粘土、シルト、砂、サンゴ礫など供給される背
後の岩相により様々な様相を呈する。既存資料では細砂や高塑性の粘土層が確認されてい
る。
琉球石灰岩は第四紀更新世の石灰質堆積物であり、岩盤状に固結した部分と砂礫状の未
固結の部分が複雑に混ざり合っている。この琉球石灰岩は空隙率が大きい透水性の地層であ
り、場所によっては貯留層となっている。対象地の現地踏査では、台地の一部や斜面地におい
て露頭が確認できた。
島尻層群泥岩は沖縄本島中南部における地質的また工学的な基盤層となっており、第三紀
漸新世~中新世の堆積物である。N値 50 以上の十分な強度を保持し、また不透水層となって
いる。対象地の現地踏査では、湧水箇所の底盤にわずかに露出している程度であった。
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国土地理院「1:25,000 地形図」
図3-23 対象地の地形区分図
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「平成 18 年度 宜野湾自然環境調査報告書」P2-15 を加筆・修正
図3-24 対象地付近の地質分布及び地下水流向図
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対象地
出典:宜野湾市自然環境データベース
図3-25 宜野湾市の地層および地下水の推定断面図
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3.2.3 地下水概要
対象地の地下水は、既存資料および現地踏査の結果から豊富に存在していると考えられ、
現地踏査では斜面地と低地の境界付近に計 7 箇所(写真3-1参照)の湧水を確認できた。な
かでも対象地の喜友名地区西端に位置する喜友名泉(チュンナガー)の水量は大きく、相当量
の湧水が確認できた。既存のボーリング柱状図や現地踏査結果に基づいて基盤層(島尻泥岩
層)の等高線を引くと、島軸と平行に北東-南西方向に非常に緩やかに北西傾斜で分布して
いると予想される。したがって、地下水も普天間飛行場付近から県道を横断して南東-北西方
向に流れていると考えられる。また、対象地中央部より北側の区域はやや西側に向いていると
予想され、東南東-西北西方向と考えられる。
なお、「平成 18 年度 宜野湾市自然環境調査報告書」P2-15 によれば、対象地の南側には
地下水盆の存在が想定されており、喜友名泉の豊富な水量の水源は、この地下水盆による可
能性が考えられている。
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1号湧水
2号湧水
3号湧水
4号湧水
5号湧水
6号湧水
7号湧水
写真3-1 対象地において確認された湧水
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3.2.4 既往の環境調査結果
行政機関が実施した対象地および周辺の環境調査結果を入手し、対象地および周辺にお
ける水質汚濁や土壌汚染の状況について確認を行った。
(1) 基地排水水質等監視調査
沖縄県環境保全課が実施している基地排水水質等監視調査結果を表3-9~表3-12
に示す。また、調査実施位置を図3-26に示す。
平成 20 年度から平成 24 年度に石川原川において水質環境基準項目(生活環境項目、
健康項目)に係る水質調査(表3-9、表3-10参照)が実施されており、生活環境項目で
ある大腸菌群数において水質環境基準の不適合が確認されたものの、健康項目はすべて
の年度で水質環境基準に適合していたことが確認できた。
平成 20 年度から平成 24 年度にチュンナガー(喜友名泉)において水質環境基準項目(健
康項目)に係る水質調査(表3-11参照)が実施されており、すべての年度で水質環境基準
に適合していたことが確認できた。
平成 17 年度にチュンナガー(水質)、平成 23 年度に石川原川(底質)においてダイオキシ
ン類に係る水質等調査(表3-12参照)が実施されており、いずれの地点ともダイオキシン
類に係る環境基準に適合していたことが確認できた。
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表3-9 基地排水水質等監視調査結果(石川原川:平成 20 年度~平成 22 年度)
出典:沖縄県環境保全課提供資料
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表3-11 基地排水水質等監視調査結果
表3-10 基地排水水質等監視調査結果(石川原川:平成 23 年度および平成 24 年度)
(チュンナガー:平成 20 年度~平成 24 年度)
出典:沖縄県環境保全課提供資料
出典:沖縄県環境保全課提供資料
表3-12 基地排水水質等監視調査結果(ダイオキシン類)
年度
地点名
測定結果
水質(pg-TEQ/L)
平成 17 年度
チュンナガー
平成 23 年度
石川原川
底質(pg-TEQ/g)
0.13
4.0
環境基準
1
150
引用:沖縄県環境保全課提供資料
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