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OM, 357 XP, 359, 2004-10

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OM, 357 XP, 359, 2004-10
チェンソー取扱説明書
357XP 359
チェンソーをご使用になる前にこの取扱説明書を注意深
くお読みいただき、内容を必ずご確認ください。
Japanese
シンボルマークの意味
シンボルマークの意味
警告!チェンソーには危険がつきものです!
不注意な取扱や誤った取扱は作業者や周囲
の人などに深刻な、時には致命的な傷害を
引き起こすことがあります。
チェンソーをご使用になる前にこの取扱説
明書を注意深くお読みいただき、内容を必
ずご確認ください。
常に下記のものを着用してください。
•
承認されたヘルメット
•
承認されたイヤマフ
•
保護メガネまたはバイザー
この製品は EC 指令に準拠しています。
環境に対する騒音レベルは EC 指令に準拠。
本機の騒音レベルは、主要諸元の章とステ
ッカーに記載されています。
その他のシンボルやステッカーなどは、諸地域固有の各種
基準に対応したものです。
点検やメンテナンスを行うときは、まずス
トップスイッチを STOP の位置にして、エ
ンジンを切ってください。
常に承認された保護手袋を着用してくださ
い。
定期的な清掃が必要です。
目視点検。
保護メガネまたはバイザーを必ず着用して
ください。
給油。
チェンオイル補充と流量調節。
2
- Japanese
お持ちのチェンソーにこのステッカーが
ある場合、キャブレターヒーターが装備
されています。
お持ちのチェンソーにこのステッカーが
ある場合、触媒コンバーターが装備され
ています。
目次
目次
新しいチェンソーをお使いになる前に
シンボルマークの意味
シンボルマークの意味 ........................................................
目次
目次 ........................................................................................
新しいチェンソーをお使いになる前に ............................
安全注意事項
使用者の身体保護具 ............................................................
•
取扱説明書をよくお読みください。
2
•
3
3
ガイドバーとチェンが正しく装着・調整されていること
を確認してください。「組立」の説明を参照してくださ
い。
•
給油してチェンソーを始動し、キャブレターの設定を点
検します。「燃料の取扱」および「始動と停止」を参照
してください。
•
チェンオイルがチェンに十分な皮膜を作るまで、チェン
ソーを使わないでください。「ガイドバーとチェンの潤
滑」を参照してください。
チェンソーの安全装置 ........................................................
チェンソー安全装置の点検・メンテナンス・サービス
ガイドバーとチェン ............................................................
キックバックの避け方 ........................................................
安全に関する予備知識 ........................................................
一般的な作業方法 ................................................................
各部名称
チェンソーの各部名称 ........................................................
組立
ガイドバーとチェンの取付 ................................................
燃料の取扱
燃料 ........................................................................................
始動と停止
始動と停止 ............................................................................
メンテナンス
キャブレターの調整 ............................................................
可動リミター装備のキャブレター ....................................
可動リミター不装備のキャブレター ................................
スターター装置 ....................................................................
エアフィルター ....................................................................
スパークプラグ ....................................................................
マフラー ................................................................................
ニードルベアリングの潤滑 ................................................
オイルポンプの調節 ............................................................
冷却システム ........................................................................
遠心力クリーニング「エア・インジェクション」 ........
ヒーティングハンドル ........................................................
キャブレター電気ヒーター ................................................
冬期の使用 ............................................................................
毎日行うメンテナンス ........................................................
毎週行うメンテナンス ........................................................
毎月行うメンテナンス ........................................................
主要諸元
主要諸元 ................................................................................
EC 適合宣言..........................................................................
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重要!キャブレターの空燃比が希薄すぎると、エンジン損
傷の危険性が高くなります。エアフィルターの手入れが悪
いとスパークプラグにカーボンが付着し、始動が困難にな
ります。チェンの調整が不適正だと、ガイドバーやドライ
ブスプロケット、およびチェンへの摩耗や損傷が進行しま
す。
警告!いかなる理由であれ、製造者の承認を
得ることなくチェンソーの設計に変更を加え
ないください。常に純正の部品をお使いくださ
い。不認可の設計変更や付属品は、使用者やそ
の他の人の重傷や致命傷の原因となることがあ
ります。
警告!不注意な取扱や誤った取扱をすると、チ
ェンソーは危険な道具となり、重傷や時には致
命傷の原因となります。本書をよくお読みにな
り、内容を理解することが非常に重要です。
警告!マフラーには発ガン成分となり得る化学
物質が使われています。万が一マフラーが損傷
した場合、これらの物質に触れないようにして
ください。
警告!エンジンの排気ガスやチェンオイルのミ
スト、切りくずの粉塵などを長期間にわたって
吸引すると、健康を害する原因となることがあ
ります。
ハスクバーナ社は継続的に製品の開発を行っています。そ
のため、設計や外見などが予告なく変更されることがあり
ます。
35
37
Japanese -
3
安全注意事項
使用者の身体保護具
警告!チェンソー事故の大半は、チェンが使用
者に当たった際に発生します。
本機を使用する際は、承認を受けた身体保護具
を必ず着用してください。身体保護具で負傷の
危険性を排除できるわけではありませんが、万
が一事故が起こった場合、負傷の度合いを軽減
することができます。身体保護具の選択につい
ては、チェンソーの販売店にご相談ください。
チェンソーの安全装置
このセクションでは、チェンソーの各種安全装置とその目
的について、また、各安全装置が正しく機能するための点
検やメンテナンスの方法について説明しています。安全装
置の配置については「各部名称」を参照してください。
警告!安全装置に欠陥のあるチェンソーは決し
て使用しないでください。このセクションの説
明にしたがって点検、メンテナンス、およびサ
ービスを定期的に行ってください。
•
チェンブレーキとフロントハンドガード
•
スロットルロック
•
チェンキャッチャー
•
右手ガード
•
防振装置
•
ストップスイッチ
•
マフラー
•
ガイドバーとチェン詳細は「ガイドバーとチェン」を参
照してください。
警告!長時間または継続的に大きな騒音にさら
されると、恒久的な聴覚障害の原因となること
があります。チェンソーを使用する際は、必ず
承認されたイヤマフを着用してください。
•
保護ヘルメット
•
イヤマフ
•
保護メガネまたはバイザー
•
•
•
チェンソー用防護手袋
チェンソー用防護ズボン
チェンソー用防護靴、つま先部スチール製、ノンスリッ
プ靴底
一般的に、動きの自由な体に合った衣服。
•
4
救急箱
- Japanese
安全注意事項
チェンブレーキとフロントハンドガード
•
チェンブレーキを解除するにはフロントハンドガードを
後ろへ、つまり前ハンドルの方へ引きます。
•
キックバックは突然強い力で起こることがあります。キ
ックバックのほとんどは弱いもので、いつもチェンブレ
ーキが自動的にかかるとは限りません。このような場合
はチェンソーをしっかり握り、決してコントロールを失
わないでください。
•
手動式にしろイナーシャ機構にしろ、チェンブレーキの
作動はキックバックの強さと、ガイドバーのキックバッ
クゾーンに触れた物とチェンソーとの位置関係によって
左右されます。
ガイドバーのキックバックゾーンが身体から最も離れた
位置にあると、チェンブレーキはキックバックの方向に
おけるカウンターウェイト(イナーシャ式)の働きで作
動します。
このチェンソーにはチェンブレーキが備わっており、キッ
クバックが発生した場合、直ちにチェンを停止します。チ
ェンブレーキは事故発生の危険性を軽減しますが、何より
も大切なのは慎重な取扱です。
チェンソーの使用に当たっては、ガイドバーのキックバッ
クゾーンが他の物に触れることのないよう、注意してくだ
さい。
•
チェンブレーキ (A) の作動には、手動式(左手を使う)
とイナーシャ機構(チェンソーにかかる振り子運動力を
応用)による自動式があります。(弊社のチェンソーは
ほとんどのモデルで、キックバック発生時のカウンター
ウェイトとしてフロントハンドガードが動作します。)
チェンブレーキは、フロントハンドガード (B) が前へ倒
れるとかかります。
この動きにバネを使用したメカニズムが反応し、エンジ
ン駆動装置(クラッチドラム) (D) 周囲のブレーキバン
ド (C) が締まります。
•
フロントハンドガードは、チェンブレーキをかけるため
だけのものではありません。前ハンドルを持つ左手が滑
ったときに、手がチェンに当たるのを防ぐという重要な
役割もあります。
•
チェンソーを始動する際は、必ずチェンブレーキをかけ
ておいてください。
•
チェンブレーキは、作業位置を変えるときや短時間チェ
ンソーを地面に置くときなどの一時的なブレーキとして
も使用できます!チェンブレーキ付きのチェンソーでは
キックバックによる事故の危険性が大幅に軽減していま
すが、近くの人や物にチェンが触れる危険性があるとき
は、手動でチェンブレーキをかけてください。
キックバックが比較的弱い場合やガイドバーのキックバ
ックゾーンが身体から近い位置にあるときは、左手によ
る操作でチェンブレーキをかけてください。
•
伐木の際には、左手は図のように前ハンドルを握ってい
るため、チェンブレーキをかけることができませんフロ
ントハンドガードを操作できないこのような姿勢のとき
は、カウンターウェイトによるイナーシャ式によっての
みチェンブレーキがかかることになります。
•
イナーシャ式によるチェンブレーキは安全性を高めます
が、注意すべき点がいくつかあります(上記参照)。
Japanese -
5
安全注意事項
スロットルロック
スロットルロックはスロットルトリガーの操作ミスを防ぐ
ためのものです。スロットルロック (A) を押える(ハンド
ルを握る)とスロットルトリガー (B) が開放されます。ハ
ンドルから手を放すと、スロットルトリガーとスロットル
ロックはともに元の位置に戻ります。この動作は、2つの
独立したリターンスプリングが制御しています。この構造
はつまり、アイドリングではスロットルトリガーが自動的
にロックされることを意味します。
また、硬木(広葉樹のほとんど)は軟木(針葉樹のほとん
ど)より振動が激しくなります。刃先が丸くなっていたり
チェンに不具合(不適なタイプや目立てが悪いなど)があ
る場合も、振動がさらに大きくなります。詳細は「ガイド
バーとチェン」を参照してください。
本機の防振装置は、エンジンやチェンからハンドルへ伝わる
振動を軽減します。チェンソー本体とチェン部に振動軽減ユ
ニットを取り付け、ハンドルを振動から守っています。
チェンキャッチャー
チェンキャッチャーは、チェンが破断したり外れたりしたとき
に受け止める役割をします。ただし、チェンの張り具合が適正
で(「組立」参照)、ガイドバーとチェンの保守サービスが正
しく行われている場合(「一般的な作業方法」参照)、チェン
が破断したり外れたりすることはありません。
警告!循環器系に障害のある人が振動を長期間
受け続けると、循環器障害や神経障害を起こす
ことがあります。振動が原因と思われる症状が
出たときは、医師に相談してください。症状に
はしびれ、感覚まひ、うずき、ちくちくする痛
み、刺すような痛み、力が入らない、皮膚の色
の変化などがあります。これらの症状は通常、
指や手の甲、手首に現れます。また、気温が低
いと症状が出やすくなります。
ストップスイッチ
右手ガード
ストップスイッチはエンジンを切るときに使用します。
チェンが破断したり外れたりしたときに手を守るだけでな
く、大小の枝などが右手に当たってじゃまになるのを防ぎ
ます。
マフラー
防振装置
マフラーは騒音のレベルを最小限に抑え、排気ガスを使用
者から遠ざける働きをします。
本機には防振装置がついており、振動をやわらげ操作しや
すいようになっています。
チェンソーの使用中は、チェンと木材との間の不均等な接
触により振動が生じます。
警告!エンジンの排気ガスは高温で火花を含む
こともあり、火災発生の原因となり得ます。屋
内や可燃物の傍では、決して本機を始動しない
でください!
気候が高温・乾燥の地域では、山火事の危険性が高くなり
ます。これらの地域では法的規制により、承認されたタイ
プのスパーク防止ネットをマフラーに装備することが他の
条件と並んで義務付けられている場合があります。
マフラーに関しては、点検、メンテナンス、およびサービ
スの指示に従うことが非常に重要です。詳細は「安全装置
の点検・メンテナンス・サービス」を参照してください。
6
- Japanese
安全注意事項
警告!使用中および使用直後のマフラーは非常
に熱くなっています。熱くなっているマフラー
には決して触れないでください!
警告!触媒コンバーター付きのマフラーは、使
用中および使用直後ともに非常に熱くなります。
このことはアイドリング中にも該当します。特
に可燃物や可燃性ガスの近くで作業をするとき
は、火災の危険性に注意してください。
イナーシャ式ブレーキの点検
木の切り株や堅い物の上にチェンソーをかざします。前ハ
ンドルのみを放し、ガイドバーが切り株の上に落ちるのに
任せます。
チェンソー安全装置の点検・メンテナ
ンス・サービス
警告!本機のサービスや修理はいずれも、特別
な教育を必要とします。チェンソーの安全装置
には、特にこのことが該当します。お持ちのチ
ェンソーの安全装置が下記のチェック項目の一
点でも満たさない場合は、必ずお近くのサービ
ス代理店にご連絡ください。弊社では、製品お
買い上げの際に、専門家による修理とサービス
を保証しています。お買い上げになった販売店
がサービス代理店でない場合は、その販売店に
最寄のサービス代理店の所在地をお問い合わせ
ください。
チェンブレーキとフロントハンドガード
ブレーキバンド摩耗の点検
ガイドバーが切り株に当たった瞬間、ブレーキがかかりま
す。
チェンブレーキハンドルの点検
チェンソーを固い地面に置き、始動します。チェンが地面
やその他の物に触れないよう、注意してください。始動方
法は「始動と停止」を参照してください。
チェンブレーキとクラッチドラムから、木くず、樹脂、汚
れなどをブラシで取り除きます。汚れや摩耗は、ブレーキ
機能障害の原因となることがあります。
親指と残りの指でハンドルを包むようにして握り、チェン
ソーをしっかりと持ちます。
ブレーキバンドの厚みが少なくとも 0.6 mm あるかどうか、
定期的に測定してください。
フロントハンドガードの点検
フロントハンドガードに損傷がないか、また、ヒビなどの
目に付く外傷がないかどうかを点検します。
フルスロットルにしてから、左手首でフロントハンドガー
ドを前に倒してチェンブレーキをかけます。このとき、前
ハンドルから手を放さないでください。チェンは直ちに停
止します。
フロントハンドガードを前後に動かしてみて、スムーズに
動くか、クラッチカバーで確実に止まるかなどを点検しま
す。
Japanese -
7
安全注意事項
スロットルロック
防振装置
•
スロットルロックを放したとき、スロットルトリガーが
アイドリングの設定になっていることを確認します。
防振ユニットにヒビや変形がないか、定期的に点検します。
•
スロットルロックを押し、指を放すと元の位置に戻るこ
とを確認します。
•
スロットルトリガーとスロットルロックがスムーズに動
き、リターンスプリングが正しく機能していることを点
検します。
防振ユニットがエンジンユニットとハンドルユニットにし
っかり固定されていることを確認します。
ストップスイッチ
エンジンを始動し、ストップスイッチをストップの位置に
すればエンジンが停止することを確認します。
•
チェンソーを始動し、フルスロットルにします。スロッ
トルトリガーを放せばチェンの走行が停止し静止状態を
保つことを確認します。スロットルトリガーがアイドリ
ングの位置にあるにもかかわらずチェンが走行する場合
は、キャブレターのアイドリング調整をチェックしてく
ださい。
マフラー
欠陥のあるマフラーを装着したチェンソーは決して使用し
ないでください。
チェンキャッチャー
チェンキャッチャーに損傷がないか、チェンソー本体にし
っかりと固定されているかどうかを点検します。
右手ガード
マフラーがチェンソーにしっかりと固定されているかどう
か、定期的に点検してください。
お持ちのチェンソーのマフラーにスパーク防止ネットが装
着されている場合は、ネットを定期的に清掃する必要があ
ります。ネットが詰まっているとエンジンがオーバーヒー
トを起こし、深刻な損傷につながることがあります。
右手ガードに損傷がないか、ヒビなど見て明らかな欠陥が
ないかどうかを点検します。
スパーク防止ネットが装着されていなかったり、ネットに
欠陥のあるマフラーは、決して使用しないでください。
8
- Japanese
安全注意事項
警告!安全装置に欠陥のあるチェンソーは決し
て使用しないでください。本機の安全装置は、
この章の説明にしたがって点検とメンテナンス
を行ってください。お持ちのチェンソーがこれ
らの点検項目を一点でも満たさない場合は、お
近くのサービス代理店に修理を依頼してくだ
さい。
キックバックを最小限に抑えるガイドバーと
チェン
警告!ガイドバーとチェンに欠陥があったりガイ
ドバーとチェンの組み合わせが誤っていると、キ
ックバックの危険性が高くなります。弊社指
定のガイドバーとチェンの組み合わせのみを
使用してください。「主要諸元」を参照してく
ださい。
ガイドバーとチェン
この章では、下記の4点を達成するためのガイドバーとチ
ェンの選び方、手入れの方法について説明しています。
キックバックを避ける唯一の方法は、ガイドバーのキック
バックゾーンに物が触れないようにすることです。
•
キックバックの危険性を低減する。
•
チェンが破断したり外れたりする危険性を低減する。
防キックバック設計のガイドバーとチェンを使用する、チ
ェンの目立てを怠らず行き届いた手入れをする、などでキ
ックバック現象を軽減することができます。
•
最大の鋸断性能を引き出す。
•
ガイドバーとチェンの耐用年数を延ばす。
一般的な注意事項
•
弊社指定のガイドバーとチェンのみをお使いください。
「主要諸元」を参照してください。
•
チェンの目立てを正しく行ってください!指示に従い、
指定のファイルゲージをご使用ください。損傷があるチ
ェンや目立の悪いチェンは、事故の危険性を高めます。
ガイドバー
先端半径が小さければ小さいほどキックバックゾーンも小
さくなり、キックバック発生度は減少します。
チェン
チェンは多数のリンクで構成されています。リンクの種類
には標準タイプと低キックバックタイプとがあります。
なし
•
デプスの高さを適正に保ってください!指示に従い、指
定のデプスゲージをご使用ください。デプスが大きすぎ
ると、キックバックの危険性が高くなります。
標準
低キックバック
カッターリンク
ドライブリンク
サイドリンク
•
チェンの張り具合を適正に保ってください!チェンにた
るみがあると外れやすくなり、ガイドバーやチェン自体、
またドライブスプロケットの摩耗が進行する原因となり
ます。
これらのリンクの組み合わせ方によって、キックバック軽
減効果が異なります。キックバック軽減のみを目的とした
場合、それぞれのリンクに4つのタイプがあります。
キックバック軽
減効果
•
ガイドバーとチェンの潤滑状態を良好に保ち、正しいメ
ンテナンスを行ってください!潤滑状態の悪いチェンは
破断しやすく、ガイドバーやチェン自体、ドライブスプ
ロケットの摩耗が進行する原因となります。
カッターリ
ンク
ドライブリ
ンク
サイドリンク
低
標準
高
特高
Japanese -
9
安全注意事項
ガイドバーとチェンについて
•
本機をお買い上げの際に装着されていたガイドバーとチェ
ンが摩耗したり損傷したりした場合、弊社指定のガイドバ
ー、チェンから新しいものを選び交換していただく必要が
あります。「主要諸元」を参照してください。
キックバック軽減効果。チェンごとのキックバック軽減
度は、チェンのモデルナンバーとして示されています。
お持ちのチェンソーに適合した指定のチェンのモデルナ
ンバーについては、「主要諸元」を参照してください。
ガイドバー
•
長さ(インチ/cm)
•
ノーズスプロケットの刃の数(T)。数が少ない=先端半
径が小さい=キックバックの危険性が低い
•
チェンピッチ(インチ)。ドライブリンク同士の間隔と、
ノーズスプロケットの刃とドライブスプロケット間の間
隔とが一致するようにしてください。
•
ドライブリンクの数。ドライブリンクの数は、ガイドバ
ーの長さ、チェンピッチ、およびノーズスプロケットの
刃の数によって決まります。
•
ガイドバーのレール溝幅(インチ/mm)。レール溝の幅
は、チェンのドライブリンクの幅と一致するようにして
ください。
•
チェンの目立てとデプスの調整
警告!チェンの目立てが悪いと、キックバック
が起こりやすくなります!
刃の目立てについて
•
•
•
刃先の丸くなったチェンを使わないでください。チェン
の刃が丸くなっているかどうかは、ガイドバーを押し付
けないと切り込まない、切りくずが非常に小さい、など
の現象で判断できます。極端に鈍い刃の場合、木くずで
はなく木の粉しか出なくなります。
目立てのよい鋭い刃は抵抗なく木に切り込み、長く大き
な木くずが出ます。
チェンの木を切る部分をカッターリンクと呼び、刃 (A)
とデプスリップ (B) から成っています。切り込みの深さ
は、この2つの高さの高さの差(デプス)によって決ま
ります。
チェンオイル孔とチェンテンショナ孔。ガイドバーはチ
ェンソーの設計に合わせてください。
刃の目立てに当たっては、下記の5つの点に注意してくだ
さい。
チェン
10
•
チェンピッチ(インチ)
•
ドライブリンクの幅(mm/インチ)
•
ドライブリンクの数
- Japanese
1 目立て角度
2 切削角度
3 ヤスリの位置
安全注意事項
4 丸ヤスリの直径
•
ヤスリは刃の内側からかけ、引くときは力を抜いてくだ
さい。まずすべての刃の片側にヤスリをかけ、次にチェ
ンソーの向きを変えて反対側にヤスリをかけます。
•
刃の長さが揃うようにヤスリをかけてください。長さが
4 mm 以下になった刃は、新しいものと交換してくださ
い。
5 ヤスリの深さ
チェンの目立てを正しく行うには、正しい道具が必要です。
弊社では、弊社製のファイルゲージをおすすめします。ファ
イルゲージの使用でキックバックの発生を最小限に抑え、チ
ェンの性能を引き出すことができます。
デプスについて
目立ての詳細については、「主要諸元」を参照してくださ
い。
•
警告!次のような間違いは、キックバックの発
生率を大幅に高めてしまいます。
目立てで刃にヤスリをかけると、デプス(切削の深さ)
が小さくなります。最高の切削性能を維持するには、デ
プスリップにもヤスリをかけて指定の高さにしてくださ
い。
お持ちのチェンソーに適したデプスについては、「主要
諸元」を参照してください。
目立て角度が大きすぎる
•
低キックバックタイプのカッターリンクは、デプスリップ
の先端が丸くなっています。デプス調整の際は、この先端
部分の半径と傾斜角度を保つことが非常に重要です。
切削角度が小さすぎる
ヤスリの直径が小さすぎる
•
適正なデプスの高さやデプスリップの傾斜角度を維持す
るためには、弊社製のデプスゲージの使用をおすすめし
ます。
刃の目立て
目立てには丸ヤスリとファイルゲージが必要です。お持
ちのチェンソーに適したヤスリとゲージのサイズについ
ては、「主要諸元」を参照してください。
•
警告!デプスが大きすぎると、キックバック発
生の危険性が高くなります!
チェンの張り具合が正しいかどうか点検します。チェン
にたるみがあると横滑りを起こし、正しい目立てが難し
くなります。
Japanese -
11
安全注意事項
デプスの調整
•
デプスの調整は、刃の目立ての後で行ってください。デ
プスの調整は、刃の目立て3回に1回の割合で行うこと
をおすすめします。注記!これは、刃が著しく短くなっ
ていない場合に限ります。
•
デプス調整には、平ヤスリとデプスゲージが必要です。
•
ゲージをデプスリップに当てます。
•
ゲージの上に出ているリップ部分にヤスリを当て、削り
取ります。ヤスリを引くときに抵抗を感じなくなったら、
デプスは正しく調整されています。
•
クラッチカバー/チェンブレーキを固定しているバーナ
ットをゆるめます。コンビレンチを使用してください。
次に手で、できる限りきつくナットを締めます。
•
ガイドバーの先端を持ち上げ、チェンの張り調整ネジを
コンビレンチで締めてチェンを張ります。ガイドバーの
下側にチェンが軽く沿うまで、ネジを締め込みます。
•
ガイドバーの先端を持ち上げながら、コンビレンチを使
用してバーナットを締め込みます。チェンを手で自由に
回せること、ガイドバーの下側にたるみがないことを確
認してください。
チェンの張り具合
ガイドバーとチェンの潤滑
警告!ガイドバーとチェンの潤滑が不十分だと
チェンが切れ、重傷や時には致命傷の原因とな
ることがあります。
警告!チェンにたるみがあると外れやすくな
り、重傷や時には致命傷の原因となることがあ
ります。
チェンは使用を重ねると次第に伸びてきます。そのため、
定期的にチェンを点検してたるみを取ることが重要です。
給油のたびにチェンの張りを点検してください。注記!真
新しいチェンは、慣らし運転の期間が必要です。この期間
中は、より頻繁に点検を行ってください。
チェンの張り調整ネジの位置は、チェンソーのモデルによ
って異なります。お持ちのチェンソーの調整ネジの位置を
「各部名称」でご確認ください。
チェンはできる限り強く張りますが、両手で自由に回せる
だけの余裕は残してください。
チェンオイル
チェンオイルは夏期、冬期の気温差に関わらずその粘性を
維持し、チェン表面に滑らかな皮膜を形成しなければなり
ません。
チェンソーのメーカーとして、弊社ではこの条件を満たす
チェンオイルを開発しました。植物油をベースとし、生物
分解するオイルです。チェンの寿命のためにも環境保護の
ためにも、弊社製のオイルの使用をおすすめします。弊社
製のチェンオイルが入手できない場合は、標準のチェンオ
イルをおすすめします。
チェンソー用の潤滑オイルが入手不可能な地域では、トラン
スミッション用オイル EP 90 を代用することができます。
廃油は絶対に使用しないでください。廃油は使用者、チェ
ンソー、環境のすべてに対し有害です。
チェンオイルの補充
•
12
- Japanese
弊社のチェンソーはすべて、チェンの自動注油システム
を装備しています。またモデルによっては、オイルの流
量調節が可能となっています。
安全注意事項
•
チェンオイルタンクとエンジン用の燃料タンクは、チェ
ンオイルより先に燃料が切れるようなサイズに設計され
ています。つまり、乾燥した状態でチェンが走行するこ
とは起こり得ません。
ただし、この安全設計は正しいタイプのチェンオイルを
使用すること(オイルが希薄すぎると燃料より早く切れ
る)と、キャブレターを指定どおり正しく調整すること
(空燃比が希薄だと燃料がオイルより長持ち)、および
指定のガイドバーとチェンを使用すること(ガイドバー
が長すぎるとより多くのチェンオイルを消費)を前提と
しています。上記の条件は、オイルポンプが調節できる
モデルにも該当します。
ノーズスプロケットの潤滑
ノーズスプロケットは給油のたびに注油します。専用のグ
リースガンと良質のベアリンググリースを使用してくださ
い。
チェン潤滑状態の点検
•
給油のたびにチェンの潤滑状態を点検します。
表面の色が薄い物を、ガイドバーの先端で約 20 cm 離
れたところから狙います。3/4 スロットルで約1分間運
転すると、表面にオイルの線がはっきりと見えるはず
です。
ニードルベアリングの潤滑
クラッチドラムには、次のドライブスプロケットのいずれ
かが取り付けられています。
A スパースプロケット(チェンスプロケットをドラムに溶
接)
B リムスプロケット(交換可能)
チェンの潤滑状態が悪い場合
•
ガイドバーのオイル孔が詰まっていないかどうか点検し
ます。必要に応じて清掃します。
どちらのスプロケットにおいても、ドライブシャフトにニー
ドルベアリングが使用されているため、定期的(週1回)の
注油が必要です。注意!高品質のベアリンググリースまたは
エンジンオイルを使用してください。
ガイドバーとチェンの摩耗の点検
•
•
ガイドバーの端にあるレール溝が汚れていないかどうか
点検します。必要に応じて清掃します。
ノーズスプロケットがスムーズに回転するか、また、ス
プロケットのオイル孔が詰まっていないかどうか点検し
ます。必要に応じて清掃し、注油します。
上記の通りに手入れしたにもかかわらず潤滑システムが依
然として機能しない場合は、お近くのサービス代理店にご
連絡ください。
下記の点に注意してチェンを毎日点検してください。
•
リベットやリンクにヒビが入っていないか。
•
チェンが硬くなっていないか。
•
リベットやリンクの摩耗が激しくないか。
ご使用中のチェンと新品のチェンを並べて、摩耗の度合い
を比較することをおすすめします。
チェンの刃が 4 mm 以下になったら、チェンを交換してく
ださい。
Japanese -
13
安全注意事項
チェンドライブスプロケット
クラッチドラムには、次のドライブスプロケットのいずれ
かが取り付けられています。
A スパースプロケット(チェンスプロケットをドラムに溶
接)
B リムスプロケット(交換可能)
警告!チェンソー事故の大半は、チェンが使用
者に当たった際に発生します。
身体保護具を着用してください。「使用者の身
体保護具」参照。
技能を超えていると感じる作業を、無理に進め
ないでください。(「使用者の身体保護具」、
「キックバックの避け方」、「ガイドバーとチ
ェン」、「一般的な作業方法」参照)
キックバックが起こりやすい状況を避けてくだ
さい。(「チェンソーの安全装置」参照)
ドライブスプロケットの摩耗度を定期的に点検します。摩耗
が激しい場合は交換してください。チェンを交換したら、必
ずドライブスプロケットも交換してください。
指定の防護具の使用・点検を守ってください。
(「一般的な作業方法」参照)
ガイドバー
チェンソーの安全装置がすべて正常に機能して
いるか点検してください。(「一般的な作業方
法」、「安全に関する予備知識」参照)
下記の項目を定期的に点検してください。
•
ガイドバーの縁にバリがないか。必要に応じヤスリをか
けます。
•
ガイドバーのレール溝の摩耗が激しくないか。必要に応
じガイドバーを交換します。
キックバックの避け方
警告!キックバックは突然激しく起こるもので、
チェンソーがはじき返されてガイドバーとチェン
が使用者に向かってくる現象を言います。チェン
の走行中にキックバックが発生すると、重傷や時
には致命傷の原因となることがあります。キッ
クバックが起こる理由を理解し、正しい技術
と慎重な作業で発生を避けることが非常に重
要です。
キックバックとは何か?
•
•
ガイドバーの先端が欠けていないか、摩耗が激しくない
か。ガイドバーの先端下側にへこみができている場合、
チェンのたるみが原因です。
ガイドバーの耐用年数を延ばすには、バーの上下を毎日
入れ替えてください。
キックバックとは、ガイドバーの先端上部1/4のところ
(キックバックゾーン)が何か他のものに接触し、チェン
ソーが突然激しくはじき返される現象を言います。
キックバックは、常にガイドバーの切削面で起こります。
通常、チェンソーがガイドバーを先にして、使用者の方に
斜め上にはじき返されます。ただし、キックバックゾーン
が何かに触れたときのチェンソーの使い方により、異なる
方向にはじき返されることもあります。
キックバックは、ガイドバーのキックバックゾーンに何か
が接触したときにのみ起こります。
14
- Japanese
安全注意事項
一般的な注意事項
1 キックバックとは何か、またそれがどのようにして起こ
るのかを理解していれば、実際に発生したときにうろた
えずに対応できます。予備知識は危険の軽減にもつなが
ります。キックバックは通常小さいものですが、時に突
然激しく発生することがあります。
2 右手で後ろハンドルを、左手で前ハンドルをしっかり握
ってください。親指とその他の指でハンドルを包むよう
に持ちます。右利き、左利きに関わらず、この方法で握
ってください。キックバックの影響を最小限に抑え、チ
ェンソーのコントロールを保つのに適した握り方です。
ハンドルから手を放さないでください。
7 ガイドバーの上側で切るとき、つまり木の下側から切る
ときは、特に注意してください。これを押し切りといい
ます。このとき、チェンソーを使用者のほうに押し戻そ
うとする力がチェン内に働きます。
この力を抑えきれないとチェンソーが徐々に後退し、つ
いにはキックバックゾーンが木に接触する状態となって
キックバックが発生します。
3 キックバックのほとんどは枝払いの際に発生します。足場
が良く、邪魔になるものやつまずいたりバランスを失った
りする原因になるものがないか、確認してください。
集中力が欠けると、近くの枝をキックバックゾーンにう
っかり当ててしまい、キックバックの原因となります。
4 肩より高い位置でのチェンソーの使用や、ガイドバー先
端の使用は絶対におやめください。決してチェンソーを
片手で操作しないでください!
ガイドバーの下側で切る方法、つまり木の上から下に向
かって切る方法を引き切りといいます。このときチェン
ソーは自ら木のほうに引き寄せられ、チェンソー本体の
前端がちょうど幹に乗る格好となります。引き切りの方
が、チェンソーやキックバックゾーンの位置の制御が簡
単です。
8 ガイドバーとチェンの目立て・メンテナンス方法の指示を
守ってください。ガイドバーとチェンを交換する際は、弊
社指定の組み合わせのみをご使用ください。詳細は「ガイ
ドバーとチェン」、「主要諸元」を参照してください。
警告!誤ったガイドバーやチェン、また、目立
てが正しくないチェンを使用するとキックバッ
クの発生率が上がります。ガイドバーとチェン
の組み合わせが誤っている場合にも、キックバ
ックが起こりやすくなります!
安全に関する予備知識
•
5 チェンソーのコントロールを保つには、安定した足場が
必要です。梯子や木に登っての作業、足場が悪い場所で
の作業は絶対に行わないでください。
•
チェンソーは木を切ることのみを目的に設計されていま
す。また、本機のエンジンユニットに使用できるガイド
バーとチェンは、「主要諸元」に示されている弊社指定
の組み合わせだけです。
疲労時や飲酒後、視野・判断力・動作に影響を及ぼすよ
うな医薬品を服用している場合は、本機を使用しないで
ください。
6 常にフルスロットルで作業してください。
Japanese -
15
安全注意事項
警告!密室や換気の悪い場所でエンジンをかけ
ると窒息死や一酸化炭素中毒の原因となること
があります。
•
•
•
•
身体保護具を着用してください。「使用者の身体保護具」
参照。
オリジナルの仕様を変更したチェンソーは、絶対に使用
しないでください。
欠陥のあるチェンソーは絶対に使用しないでください。本
書の内容に従って、点検、メンテナンス、およびサービス
を行ってください。メンテナンスやサービスの内容によっ
ては、専門家でなければできないものもあります。詳細は
「メンテナンス」を参照してください。
本書指定の付属品以外の部品を使用しないでください。
詳細は「ガイドバーとチェン」、「主要諸元」を参照し
てください。
警告!誤ったガイドバーやチェン、また、目立
てが正しくないチェンを使用すると事故の発生
率が上がります。ガイドバーとチェンとの組み
合わせが間違っている場合にも、事故が起こり
やすくなります。
•
チェンソーを始動する際は、必ずチェンブレーキをかけ
ておいてください。「始動」参照。決してチェンソーを
宙に浮かせて始動しないでください。この方法はチェン
ソーのコントロールを失いやすく、きわめて危険です。
「始動」参照。
•
ガイドバーやチェン、クラッチカバーが正しく装着され
ていない状態で、絶対にチェンソーを始動しないでくだ
さい。「組立」の説明を参照してください。
•
本機を室内で始動しないでください。排気ガスを吸入す
ると危険です。
•
周囲を良く見回し、人や動物がチェンに触れる危険がな
いことを確認してください。
•
チェンソーを地面に置き、右足で後ろハンドルを押さえ
ます。左手で前ハンドルをしっかり握ります。チェンソ
ーがぐらつかないこと、チェンが地面やその他のものに
接触していないことを確認します。右手でスターターハ
ンドルを握り、スターターロープを引っ張ります。スタ
ーターロープは絶対に手に巻き付けないでください。
使用前に、以下の項目を点検してください。
,
1 チェンブレーキが正しく機能し、損傷がないことを確認し
ます。「チェンブレーキの点検」を参照してください。
2 後ろ右手ガードに損傷がないことを確認します。
3 スロットルロックが正しく機能し、損傷がないことを確
認します。
4 始動/停止スイッチが正しく機能し、損傷がないことを
確認します。
5 ハンドル部にオイルが付着していないことを確認します。
6 防振装置が正しく機能し、損傷がないことを確認します。
7 マフラーがしっかりと固定され、損傷がないことを確認
します。
8 チェンソーのすべてのボルト類にゆるみがないか、また
損傷を受けたりなくなったりしていないか確認します。
9 チェンキャッチャーが指定位置に取り付けられ、損傷が
ないことを確認します。
始動
警告!エンジンの排気ガスやチェンオイルのミ
スト、切りくずの粉塵などを長期間にわたって
吸引すると、健康を害する原因となることがあ
ります。
•
16
ガイドバーやチェン、カバー類が正しく装着されていな
い状態で、絶対にチェンソーを始動しないでください。
- Japanese
燃料の安全について
警告!触媒コンバーター付きのマフラーは、使
用中および使用直後ともに非常に熱くなります。
このことはアイドリング中にも該当します。特
に可燃物や可燃性ガスの近くで作業をするとき
は、火災の危険性に注意してください。
警告!燃料や燃料のガスは非常に引火性の高い
ものです。燃料やチェンオイルの取扱には十分
注意してください。火災発生や爆発、有毒ガス
の吸引などの危険にご注意ください。
安全注意事項
•
•
•
•
-
エンジンの走行中は絶対に給油を行わないでください。
燃料の補給や混合(ガソリンと2サイクルオイル)を行
うときは、十分に換気してください。
給油後は、給油した場所から少なくとも 3 m 離れたとこ
ろで始動してください。
下記の条件では、決して本機を始動しないでください。
1 チェンソーに燃料やチェンオイルをこぼしたとき。
きれいに拭き取り、表面に残った燃料が蒸発するの
を待ちます。
2 皮膚や衣服に燃料をこぼしたときはまず着替え、皮
膚についた燃料を洗い流してください。石鹸と水を
使用します。
3 燃料が漏れている場合は、燃料キャップと燃料ホース
から漏れていないか、定期的に点検してください。
近くの人や動物、または他の物がチェンソーに接触
したり、木が倒れるときに損傷を受ける危険性がな
いことを確認します。
上記の事項は守らなければなりませんが、事故が起こった
場合に助けを求めることができない状況下では、チェンソ
ーを使用しないでください。
• 濃霧、豪雨、強風、厳寒など、気象条件の悪いときは本
機を使用しないでください。悪天候下での作業は疲れや
すく、また、地面が凍結していたり予期せぬ方向に木が
倒れたりして危険です。
• 小枝を払うときは十分に注意してください。藪を切るこ
と(多数の小枝を同時に切ること)は避けてください。
小枝がチェンにはじき飛ばされ、重傷の原因になること
があります。
搬送と保管
•
•
•
•
•
チェンソーと燃料は、電気機器、電気モーター、リレー
/スイッチ、ボイラーなど、火花や裸火を発するものか
ら離して保管し、液体漏れやガスによる火災発生の危険
性をなくしてください。
燃料の保管には、保管専用に承認された容器を使用して
ください。
チェンソーを長期間保管する場合や搬送する場合は、燃
料とチェンオイルを抜いて、両方のタンク内を空にして
ください。廃油の廃棄方法については、お近くのガソリ
ンスタンドにお問い合わせください。
長期間保管する際は、必ず事前に本機を清掃し入念なサ
ービスを行ってください。
搬送や保管の際は、ガイドバーとチェンに必ずカバーを
取り付けてください。
•
身体の動きが自由に取れ、足場が良いことを確認してく
ださい。とっさに身をかわさなければならない場合に邪
魔になる物(木の根、岩、枝、溝など)が周囲にあるか
どうか確認してください。斜面での作業は特に注意して
ください。
•
張力を持った枝や木を切るときは、最大の注意を払って
ください。張力を持った枝や木は、切る前や切った後に
突然、元の自然な状態に反り返ることがあります。立っ
ている場所が悪かったり切り始める場所が間違っている
と、枝や木が作業者やチェンソーに当たることもあり、
コントロールを失いかねません。こうなると、深刻な事
故につながります。
•
チェンソーを移動するときは、まずエンジンのスイッチ
を切り、チェンブレーキでチェンをロックしてください。
ガイドバーとチェンを後ろ向きにして、チェンソーを持
ち運びます。チェンソーを搬送するときは、搬送先がど
んなに近くてもガイドバーにカバーを取り付けてくださ
い。
一般的な作業方法
警告!このセクションでは、チェンソーの使用
に際しての基本的な安全注意事項について説明
しています。しかし、ここに記載されている事
項は、技術と経験をもつ専門家の知識にかなう
ものではありません。作業をしていて判断に迷
う状況に遭遇した場合は作業を中断し、専門家
のアドバイスを受けてください。チェンソーを
お買い上げになった販売店、サービス代理店や
チェンソー使用の経験が長い人などに相談して
ください。確信をもてない作業は行わないでく
ださい!
チェンソーを使用する前に、キックバック現象とその避け
方について理解してください。「キックバックの避け方」
参照。
チェンソーを使用する前に、ガイドバーの上側で切る場合
と下側で切る場合との違いを理解してください。「キック
バックの避け方」参照。
安全に関する基本事項
•
周囲を見渡してください。
- 近くの人や動物、または他の物がチェンソーの操作
に影響しないことを確認します。
Japanese -
17
安全注意事項
4 キックバックの危険性はありませんか。
•
エンジン作動中にチェンソーを地面に置くときは、チェ
ンブレーキがかかっていることを確認し、目の届く範囲
に置いてください。チェンソーから離れるときは、どん
なに短時間でもエンジンを切ってください。
基本的鋸断技術
警告!決してチェンソーを片手で握らないでく
ださい。片手ではチェンソーのコントロールが
十分にできず、自分自身を切ることになりかね
ません。常に、ハンドルを両手でしっかりと握
ってください。
5 周囲の地面や状況で、作業中の安全や機動性に影響する
ことはありませんか。
チェンが挟まれたり木が裂けたりするのには、2つの要因が
あります。ひとつは木の支え方、もうひとつは木が張力を
持っているかどうかです。
ほとんどの場合、まず上から、次に下からと2段階に分けて
切ることによってこれらの問題を回避することができます。
チェンが挟まれたり鋸断中に避けたりしないよう、木を支え
る必要があります。
警告!鋸断中にチェンが挟まれてしまったらエ
ンジンを止めてください。チェンソーを力任せ
に引き抜こうとしないでください。チェンソー
を引き抜いた瞬間にチェンが外れて負傷する恐
れがあります。てこなどで切り口を広げ、チェ
ンソーを抜き取ります。
はじめに
•
•
常にフルスロットルで切ってください。
切り終えるごとにスピードをアイドリングに落とします。
(チェンに抵抗がかからない無負荷の状態でエンジンを長
時間フルスロットル運転すると、深刻なエンジン損傷の原
因となることがあります)。
• 上から切る=引き切り
• 下から切る=押し切り
押し切りではキックバックが起こりやすくなります。「キ
ックバックの避け方」参照。
次に、チェンソーの使用中に遭遇する、もっとも典型的な
場面での対応の仕方を説明します。
鋸断
木は地面に倒れています。チェンが挟まれたり木が裂けた
りする危険はほとんどありません。しかし、切り終わった
ときにチェンが地面に接触する恐れがあります。
語句について
鋸断=一般的に木を切ること
枝払い=切り倒した木の枝を取り除くこと
裂ける=切り終わる前に切っている木が裂けてしまうこと
実際に切り始める前に考慮すべき重要なポイントが5
つあります。
上からまっすぐ下へ、木を切ります。切り終わるときにチ
ェンが地面に接触しないよう、気をつけてください。フル
スロットルで切りますが、次の瞬間に起こり得る事態に常
に備えてください。
1 鋸断中にガイドバーとチェンが切り口に挟まれないよう
にしてください。
2 切っている木が裂けないようにしてください。
3 鋸断中や鋸断後、チェンが地面や他の物に接触しないよ
うにしてください。
18
- Japanese
木を転がすことが可能であれば、全体の 2/3 を切ったとこ
ろで1度止めます。
木を転がし、反対側から切り終えます。
安全注意事項
木の片側に支えがあります。木の裂ける可能性が高くなり
ます。
伐倒技術
警告!伐倒には多くの経験が必要です。チェ
ンソー使用の経験が浅い人は伐倒を行わないで
ください。確信をもてない作業は行わないでく
ださい!
下側から(およそ 1/3 のところまで)切り始めます。
安全な距離
切ろうとする木と周囲の作業者との安全な距離は、少なくと
も木の 2.5 倍の長さが必要です。伐倒前・中は、この「危険
ゾーン」内に誰もいないことを確認してください。
切り口が合うように、上から切ります。
伐倒の方向
木の両側に支えがあります。チェンの挟まれる危険性が高
くなります。
その後の枝払いや玉切りにもっとも都合の良いように、伐
倒の方向を決めます。良好な足場と機動性を確保できる場
所に倒すことが必要です。もっとも避けたいのは、伐倒し
た木が他の木に倒れかかることです。詳細は「かかり木の
処理」を参照してください。
上側から(およそ 1/3 のところまで)切り始めます。
倒したい方向を決めたら、木が自然に倒れる方向を見極め
ます。
切り口が合うように、下から切ります。
倒れる方向の判断材料
• 木の傾き
• 木の屈曲
• 風向き
• 枝の生え方
• 雪の重さ
枝払い
太い枝を払うときは、木の鋸断方法と同じテクニックを用
います。
難しい枝は数回に分けて切ってください。
1
2
3
場合によっては、これらの要素により、初めに決めた方向
に倒すのは不可能あるいは危険であることが判明し、木が
自然に倒れるに任せざるを得ないこともあります。
伐倒方向には関係ないながら作業者の安全に大いに関わる
こととして、伐倒中に折れて頭上に落ちてきそうな割れ枝
や枯れ枝がないかどうかを確認することも、非常に重要で
す。
警告!伐倒作業では、木を切り終わったら直ち
にイヤマフを外してください。木が倒れるとき
の音や危険な兆候を聞き取る必要があります。
Japanese -
19
安全注意事項
枝払いと退避路の確保
邪魔になる枝はすべて取り払います。上方の枝から始め、
常に身体とチェンソーとの間に幹を置くようにしてくださ
い。肩より高い位置での枝払いは絶対に行わないでくださ
い。
2つの切り口が出会ってできる線を、受け口線と呼びま
す。この線は完璧に水平で、木の倒れるべき方向に対し
て直角(90°)になるようにしてください。
追い口
追い口は木の反対側に作り、完璧に水平である必要があり
ます。木の左側に立ち、バーの下側を使って切ります。
木の周辺の下草や茂みを払い、木が倒れ始めたときの退避
路に障害物(石や枝、穴など)がないかどうかを確認しま
す。退避路は、伐倒見込み方向から約 135 度の角度になる
ように取ります。
受け口の下切り口から約3-5cm 上に追い口を作ります。
つるの後ろ側にスパイク(装備されている場合)を当てま
す。フルスロットルでチェン/ガイドバーをゆっくりと押し
進めます。倒す方向の反対側に木が傾き始めないことを確
認してください。切り口が十分深くなったら、直ちにクサ
ビかフェリングレバーを差し込みます。
伐倒
木は3つの切り口によって切り倒します。まず、木の倒れ
る方向を決める受け口を作ります。受け口は上切り口と下
切り口から成っています。次に追い口を作ります。これら
の切り口を正確に作ることによって、木の倒れる方向を非
常に正確にコントロールすることができます。
受け口
受け口は、まず上切り口から作ります。木の右側に立ち、
上から切ります。
受け口線と追い口との間が少なくとも幹の直径の 1/10 の長
さになるように、受け口線に平行に追い口を切り終えます。
幹のこの切らない部分をつると呼びます。
次に下切り口を作ります。上切り口の終端と出会うように
切り進みます。
つるは、木の倒れる方向をコントロールする役目をします。
受け口は幹の直径の 1/4 に当たる深さに、また上切り口と
下切り口の角度は 45°になるようにします。
つるの幅が狭すぎたりまったくない場合、また、受け口と
追い口の位置が悪い場合は、倒れる方向をコントロールす
ることができなくなります。
20
- Japanese
安全注意事項
追い口と受け口が完成すると、木は自らの重みで、あるいは
クサビやフェリングレバーの助けを借りて倒れ始めます。
かかり木の処理
"引っかかった"木の外し方
他の木に倒れかかった木を外す作業は難しく、事故の確率
も高くなります。
もっとも安全なのはウインチを使う方法です。
木の直径より長いガイドバーの使用をおすすめします。ガ
イドバーが十分に長いと、追い口や受け口を1回の切り込
みで作ることができます。お持ちのチェンソーに合ったガ
イドバーの長さについては、「主要諸元」を参照してくだ
さい。
•
ウインチ付きトラクター
•
携帯ウインチ
張力を持つ木や枝の鋸断
ガイドバーより幹の直径が長いときの伐倒方法もあります。
が、ガイドバーのキックバックゾーンが木に接触する危険性
が非常に高くなります。
警告!特別な訓練を受けていない限り、ガイド
バーの長さより直径の大きい木を切ることはお
すすめできません!
枝払い
準備
張力があるのはどちら側か、また、張力の最大点はどこに
あるか(つまり、さらに曲げたらどこで折れるか)を見極
めます。
どの方向に張力を逃がすのがもっとも安全か、また、それ
を安全に行えるかどうかを判断します。複雑な状況での唯
一安全な方法は、チェンソーの使用を止め、ウインチを用
いることです。
一般的アドバイス
警告!キックバックのほとんどは枝払いの際に
発生します!張力を持った枝を切るときは、キ
ックバックゾーンの位置に常に注意を払ってく
ださい!
良好な足場と機動性を確保してください。幹の左側に立っ
て作業をします。チェンソーをできるだけ身体に近づけて
持ち、コントロールを失わないようにします。可能な場合
は、チェンソーの重みを幹にかけます。
木や枝の張力が放たれたとき、当たらない場所に立ちます。
張力最大点の真上または近くに、1ヵ所または複数の切り
口を作ります。張力を逃がし張力最大点で木や枝が折れる
のに十分な深さと数の切り口が必要です。
張力のある木は、絶対に1度で切り倒そうとしないでくだ
さい!
身体とチェンソーの間に幹がくるように、幹に沿って作業
を進めます。
玉切り
「基本的鋸断技術」を参照してください。
Japanese -
21
各部名称
Husqvarna XXX
XXXX
XXXXXXX
Husqvarna AB
Huskvarna, SWEDEN
チェンソーの各部名称
1 シリンダーカバー
2 前ハンドル
3 フロントハンドガード
4 スターター装置
5 チェンオイルタンク
6 スターターハンドル
7 キャブレター調整ネジ
18 クラッチカバー
19 右手ガード(チェンが外れたり破断した際、右手を保護)
20 スロットルトリガー
21 スロットルロック(スロットルトリガーの万が一の動作
ミスを防止)
8 チョークコントロール/スタートスロットルロック
22 デコンプバルブ (359)
自動デコンプバルブ (357XP)
9 後ろハンドル
23 コンビレンチ
10 ストップスイッチ(イグニション ON/OFF スイッチ)
24 チェンの張り調整ネジ
11 燃料タンク
25 チェンソー取扱説明書
12 マフラー
26 バーカバー
13 ノーズスプロケット
27 オイルポンプ調整ネジ
14 チェン
28 ヒーティングハンドルのスイッチ(357 XPG、359 G)
15 ガイドバー
29 警告ステッカー
16 スパイク
22
17 チェンキャッチャー(チェンが外れたり破断した際、チ
ェンを捕らえる)
- Japanese
組立
ガイドバーとチェンの取付
コンビレンチを用いて張り調整ネジを時計方向に回して締
め、チェンを張ります。チェンがガイドバーの下側でたる
まなくなるまで締めてください。
警告!チェンを取り扱う際は必ず手袋を着用し
てください。
フロントハンドガードを前ハンドルの方に引いて、チェン
ブレーキがかかっていないことを確認します。
ガイドバーの下側にたるみがなく、しかもチェンを手で自由
に回せる程度になったら、チェンは正しく張れています。ガ
イドバーの先端を持ち上げ、コンビレンチでバーナットを締
め込みます。
バーナットとクラッチカバー(チェンブレーキ)を取り外
します。輸送リング (A) も取り外します。
新品のチェンに取り替えたときは、チェンがなじむまで張
り具合を頻繁に調整する必要があります。定期的に点検し
てください。正しく張ったチェンは切れも良く、寿命も長
く持ちます。
ガイドバーをバーボルトにはめ、バーを一番後方へスライ
ドさせます。チェンをドライブスプロケットとガイドバー
のレール溝に装着します。ガイドバーの上側から装着作業
を始めてください。
スパイクの取付
スパイクの取付については、お近くのサービス代理店にお
問い合わせください。
カッターリンクの刃がガイドバーの上側で前向きになって
いることを確認します。
クラッチカバーをはめ、チェン調整ピンをガイドバーの穴
に通します。チェンのドライブリンクがドライブスプロケ
ットの上に正しく乗っているか、チェンがガイドバーのレ
ール溝にきちんと入っているかを確認します。バーナット
を指で締めます。
Japanese -
23
燃料の取扱
混合比
燃料
注意!本機は2サイクルエンジンを搭載しているため、運
転にはガソリンと2サイクルエンジンオイルとの混合燃料
が必要です。正しい混合率を確保するためには、オイルの
量を正確に計量することが重要です。少量の燃料を混合す
る場合は、わずかな誤差でも配合に多大な影響を及ぼすこ
とがあります。
エンジン容量が 80 cc まで:01:50 (2%)
エンジン容量が 80 cc 以上:01:33 (3%)
警告!燃料を取り扱う際は、常に十分な換気を
行ってください。
ガソリン
•
ガソリンは良質のものをご使用ください。
•
オクタン価(RON)は 90 以上をおすすめします。オク
タン価が 90 以下のガソリンを使用すると、ノッキング
の原因となります。ノッキングが起きるとエンジンの温
度が上がってベアリングの負荷が増大し、エンジンの深
刻な損傷につながることがあります。
•
連続高速回転を必要とする作業(枝払いなど)には、ハ
イオクガソリンをおすすめします。
ガソリン、リッ
トル
2サイクルオイル、リットル
2% (1:50)
3% (1:33)
5
0.10
0.15
10
0.20
0.30
15
0.30
0.45
20
0.40
0.60
混合
•
ガソリンとオイルを混合するときは、常に清潔な燃料用
容器をご使用ください。
•
必ず使用予定の半量のガソリンを、最初に容器に入れま
す。次にオイルの全量を入れ、燃料の混合物を良く混ぜ
(振り)ます。最後に残りのガソリンを加えます。
•
チェンソーの燃料タンクに給油する前に、混合燃料を良
く混ぜ(振り)ます。
•
1ヵ月分以上の混合燃料を一度に作らないでください。
•
チェンソーをしばらく使わないときは、燃料タンクを空
にし、清掃してください。
環境に優しい燃料
ハスクバーナ社は、Aspen(アスペン)2サイクル燃料、ま
たは4サイクルエンジン用のエコガソリンに2サイクルオイ
ルを下表のとおり混合したものなど、アルキレート燃料の使
用をおすすめします。燃料のタイプを変更した場合、キャブ
レターの調整が必要です。ご注意ください。(「キャブレタ
ー」参照。)
慣らし運転
24
最初の 10 時間は、高速にしすぎないでください。
触媒コンバーターを搭載したチェンソー
2サイクルオイル
必ず高品質の無鉛ガソリン(最低オクタン価 95)を使用し
てください。有鉛ガソリンを使用すると触媒コンバーター
が破壊され、その目的を果たさなくなります。触媒コンバ
ーター付きのチェンソーにある緑色の燃料キャップは、無
鉛ガソリンしか使用できないことを示しています。
•
必ずハスクバーナの2サイクルオイルを使用してくださ
い。このオイルは弊社の2サイクルエンジン専用に開発
されています。
•
ハスクバーナ社では、異なる用途や気候に合わせた2サ
イクルオイルをご用意しています。お持ちのチェンソー
とご使用範囲に最適なオイルに関する情報は、お近くの
取扱店にお問い合わせください。
•
アウトボードオイルとも呼ばれる水冷式船外機用の2サ
イクルオイルは絶対に使用しないでください。
•
4サイクルエンジンオイルも絶対に使用しないでくださ
い。
- Japanese
警告!触媒コンバーターを装備したマフラーは、
チェンソーの使用中および使用後しばらくの間、
非常に高温になっています。これは、アイドリン
グ中にも該当します。触れると、やけどの恐れ
があります。火災の危険性にも注意してくだ
さい!
燃料の取扱
チェンオイル
•
チェンの注油システムは自動になっているため、粘性
の高い専用オイル(チェンオイル)の使用をおすすめ
します。
給油
警告!火災を避けるため、以下の注意を守って
ください。
燃料付近で喫煙したり、近くに高温の物を置か
ないでください。
給油の際には必ずエンジンを止めてください。
給油の際には、超過圧力が徐々に放出されるよ
う、燃料キャップをゆっくり開けてください。
•
専用チェンオイルの入手不可能な国では、トランスミッ
ション用オイル EP90 をお使いください。
•
廃油は絶対に使用しないでください。オイルポンプやガ
イドバー、チェンの損傷の原因となります。
•
外気温に合わせ、正しいオイル(適正な粘性)を使用す
ることが重要です。
•
気温が0℃以下になると、粘性が高くなりすぎるオイル
もあります。オイルの粘性が高すぎるとオイルポンプに
負担がかかり、ポンプのコンポーネントの損傷の原因と
なります。
•
チェンオイルの選択に当たっては、お近くのサービス代
理店にお問い合わせください。
給油後は燃料キャップをしっかり閉めてくだ
さい。
チェンソーを始動する際は、必ず給油場所から
移動してください。
燃料キャップの周囲をきれいにします。燃料タンクとチェン
オイルは、定期的な清掃が必要です。燃料フィルターは、少
なくとも年に一度交換してください。タンク内に汚れが侵
入すると、故障の原因となります。混合燃料は、給油前に
良く振って混ぜてください。チェンオイルタンクと燃料タ
ンクの容量は、お互い釣り合うように設計されています。
チェンオイルタンクと燃料タンクは必ず同時に補充するよ
うにしてください。
Japanese -
25
始動と停止
始動と停止
警告!始動に当たっては、下記の注意点を守っ
てください。
自動デコンプバルブ (357XP)
バルブは始動前は常に開いており、始動すると自動的に閉
じます。
暖機エンジン
ガイドバーやチェン、カバー類が正しく装着さ
れていない状態で、絶対にチェンソーを始動し
ないでください。クラッチが外れて負傷の原因
となることがあります。
チェンソーを始動する際は、必ず給油場所から
移動してください。
チェンソーを固い地面に置き、足場が良いこと
とチェンが他の物に接触しないことを確認して
ください。
始動方法は冷機エンジンとほぼ同様ですが、チョークコン
トロールをチョークの位置に入れることはしません。チョ
ークコントロールを一度チョークの位置に引いてすぐ元に
戻すと、チョーク/スタートスロットルは正しく設定されま
す。
作業現場に関係者以外の人や動物がいないこと
を確認してください。
始動
冷機エンジン
始動:チェンソーを始動する際は、必ずチェンブレーキを
かけておいてください。フロントハンドガードを前に倒し
てブレーキをかけます。
イグニション、チョーク:チョークコントロールをチョー
クの位置に引きます。すると、ストップスイッチは自動的
にスタートの位置に入ります。
左手で前ハンドルを握ります。右足で後ろハンドルを踏み、
チェンソーをしっかり押さえます。右手でスターターハン
ドルを持ち、抵抗を感じるまで(スターター爪が噛み合う
まで)スターターロープをゆっくり引いて、抵抗を感じた
ら一気に強く引きます。スターターロープは絶対に手に巻
き付けないでください。
スタートスロットル:チョークコントロールをチョークの
位置にすると、チョーク/スタートスロットルの正しい設定
になります。
注意!スターターロープをいっぱいに引き出したところか
ら、スターターハンドルを急に放さないでください。チェ
ンソーが損傷を受ける可能性があります。
デコンプバルブ (359)
デコンプバルブ (A) 装備の機種バルブを押すとシリンダー
内の圧力が下がり、始動が容易になります。始動の際は必
ずデコンプバルブを使用してください。チェンソーが始動
すると、バルブは自動的に元の位置に戻ります。
A
26
- Japanese
エンジンに点火したら直ちにチョークコントロールを押し
込み、エンジンが始動するまでロープを引き続けます。エ
ンジンが始動したら、すぐフルスロットルにします。スロ
ットルスタートロックは自動的に解除されます。
始動と停止
チェンブレーキがかかっているため、できるだけ速やかにエン
ジンの回転数をアイドリングに落とす必要があります。スロッ
トルロックをすばやく解除して、アイドリングにします。こう
することにより、クラッチやクラッチドラム、ブレーキバ
ンドを不要な摩耗から守ることができます。
フロントハンドガードを前ハンドルの方に倒して、チェン
ブレーキをかけてください。これでチェンソーは使用準備
完了です。
停止
イグニションスイッチでエンジンを止めます。
Japanese -
27
メンテナンス
キャブレターの調整
•
キャブレターの設計は、現在定められている環境や排気ガ
スに関する規制によって異なります。キャブレターの調整
ネジに可動リミターを装備したチェンソーはそのひとつで
す。これらのリミターにより、調節できるのは最高 1/2 回
転までとなっています。
キャブレターには3種類の調整ネジがあります。
- L = 低速ネジ
- H = 高速ネジ
- T = アイドリング調整ネジ
H
L
H
L
1/2
1/2
お持ちのチェンソーのキャブレターに可動リミターが装備
されている場合、「可動リミター装備のキャブレター」の
説明に従ってキャブレターの調整を行ってください。
お持ちのチェンソーのキャブレターに可動リミターが装
備されていない場合は、「可動リミター不装備のキャブ
レター」の説明に従ってキャブレターの調整を行ってくだ
さい。
T
•
H
•
L ネジと H ネジは、スロットルが開くことによって流入
する空気量に比例して必要となる燃料の量を調節するの
に使用します。ネジは、時計方向に回すと空燃比が希薄
に(燃料が少なく)なり、反時計方向に回すと濃厚に(
燃料が多く)なります。空燃比が希薄だとエンジンの速
度が速くなり、濃厚だと遅くなります。
T ネジはアイドリングでのスロットル設定を調節します。
時計方向に回すとアイドリングの速度が速くなり、反時
計方向に回すと遅くなります。
L
基本設定と慣らし運転
お持ちのチェンソーのキャブレターのタイプが分からない
ときは、お近くのサービス代理店(販売店)にお問い合わ
せください。
可動リミター装備のキャブレター
キャブレターは工場出荷時のテストに伴い、基本設定に調
整されています。最初の 10 時間は、高速にしすぎないでく
ださい。
注意! アイドリングでチェンが走行する場合は、チェンが
停止するまで T ネジを反時計方向に回してください。
推奨のアイドリング速度:2700 rpm
H
警告!アイドリングの速度設定ができずチェン
が停止しない場合は、お近くのサービス代理店
にご連絡ください。チェンソーのご使用は調整
または修理が完了するまでお控えください。
L
1/2
1/2
ハスクバーナ社の製品は、有害な排気ガスを軽減するよう
な仕様に設計・製造されています。
微調整
機能、基本設定、最終微調整
慣らし運転を終えたら、キャブレターの最終的な調整を行い
ます。微調整は資格のある人が行うようにしてください。ま
ず L ネジ、次にアイドリングネジ、最後に H ネジを調整し
ます。
警告!ガイドバー、チェン、クラッチカバー
(チェンブレーキ)を装着しない状態でチェン
ソーを始動しないでください。クラッチが外れ
て負傷の原因となることがあります。
28
燃料タイプの変更
燃料のタイプを変更した後、始動や加速、最高速度などの
状態が変更前と異なる場合は、チェンソーの微調整が必要
です。
機能
調整時の厳守条件
•
キャブレターはスロットルトリガーを介してエンジンの
速度を制御します。キャブレター内で空気と燃料が混合
されます。空燃比は調節可能です。本機の性能を最大限
に引き出すには、正しく調整することが重要です。
•
•
キャブレターを調整するということはすなわち、使用地
域の気候や標高、ガソリンや2サイクルオイルのタイプ
など、個々の条件に合わせてエンジンを適応させるとい
うことです。
- Japanese
•
調整を行う前に必ずエアフィルターを清掃し、シリンダ
ーカバーを取り付けてください。エアフィルターが汚れ
たままキャブレターの調整を行うと、後にフィルターを
清掃したときに空燃比が希薄になってしまいます。これ
はエンジンの深刻な損傷につながります。
L ネジと H ネジは、ストップ位置を越えて無理に回そうと
しないでください。損傷の原因となることがあります。
メンテナンス
可動リミター不装備のキャブレター
L
•
始動方法に従ってチェンソーを始動し、温まるまで約
10 分運転します。注意! アイドリングでチェンが走行
する場合は、チェンが停止するまで T ネジを反時計方向
に回してください。
ガイドバーが向こうを向くように、またバーやチェンが
地面や他の物と接触しないように、平らな場所にチェン
ソーを置きます。
H
•
低速ジェット L ネジ
L ネジを止まるところまで時計方向に回します。エンジンの
加速状態が悪かったりアイドリングが不安定な場合は、状
態が良くなるまで L ネジを反時計方向に回してください。
注意! アイドリングでチェンが走行する場合は、チェンが
停止するまで T ネジを反時計方向に回してください。
機能、基本設定、最終微調整
アイドリング T ネジの微調整
アイドリングの調整は T ネジで行います。調整が必要な場
合は、エンジンがかかっている状態で、まず T ネジをチェ
ンが走行し始めるまで時計方向に回します。次にチェンが
停止するまで反時計方向に回します。どの位置でもエンジ
ンがスムーズに回転し、チェンが走行し始めるまでの回転
数に余裕があれば、アイドリングスピードは正しく調整さ
れています。
警告!ガイドバー、チェン、クラッチカバー
(チェンブレーキ)を装着しない状態でチェン
ソーを始動しないでください。クラッチが外れ
て負傷の原因となることがあります。
機能
•
警告!アイドリングの速度設定ができずチェン
が停止しない場合は、お近くのサービス代理店
にご連絡ください。チェンソーのご使用は調整
または修理が完了するまでお控えください。
高速ジェット H ネジ
工場出荷時のエンジンは海水準に合わせて調整されていま
す。海抜高度の高い場所や異なる気候条件や気温、湿度下
で使用する場合、高速ネジの微調整が必要になることがあ
ります。
注意!高速ネジを締めすぎると、ピストンやシリンダーの
損傷の原因となることがあります。
工場における試運転では、エンジンが最高の性能を発揮す
ると同時に法的規則を満たすよう、高速ネジを設定してい
ます。その後キャブレターの高速ネジはいっぱいに緩めた
位置で、リミターキャップでロックされています。リミタ
ーキャップは、最高半回転分しか高速ジェットの調節がで
きないように制限します。
キャブレターの調整を正しく行うには、回転計を備えた整
備施設をご利用ください。
•
•
L
H
T
適正調整のキャブレター
キャブレターが適正に調整されていると、チェンソーの加
速がスムーズに行われ、フルスロットルでわずかに4サイ
クル音となります。アイドリングでチェンが走行しないこ
とも重要です。低速ネジの設定が希薄すぎると、始動困難
や加速不良の原因となります。高速ネジの設定が希薄すぎ
ると出力不足や加速不良になり、さらにエンジン損傷につ
ながることがあります。
キャブレターはスロットルトリガーを介してエンジンの
速度を制御します。キャブレター内で空気と燃料が混合
されます。空燃比は調節可能です。本機の性能を最大限
に引き出すには、正しく調整することが重要です。
キャブレターを調整するということはすなわち、使用地
域の気候や標高、ガソリンや2サイクルオイルのタイプ
など、個々の条件に合わせてエンジンを適応させるとい
うことです。
キャブレターには3種類の調整ネジがあります。
L = 低速ネジ
H = 高速ネジ
T = アイドリング調整ネジ
•
T ネジはアイドリングでのスロットル設定を調節します。
時計方向に回すとアイドリングの速度が速くなり、反時
計方向に回すと遅くなります。
基本設定と慣らし運転
キャブレターは工場出荷時のテストに伴い、基本設定に調
整されています。基本設定は H = 1 回転、L = 1 回転です。
慣らし運転期間中はエンジンのコンポーネントの潤滑状態
が良好に保たれるよう、使用開始後の最初の 3-4 時間は燃
料を少し濃いめにします。このためには、高速アイドリン
グスピードを推奨の最大速度より低い 600-700 rpm にして
ください。
タコメータを使用しての高速アイドリングスピード測定が
不可能な場合は、H ネジを基本設定より希薄に設定するこ
とはお止めください。推奨の最大高速アイドリングスピー
ドを超えた設定はしないでください。注意! アイドリング
でチェンが走行する場合は、チェンが停止するまで T ネジ
を反時計方向に回してください。
Japanese -
29
メンテナンス
なります。チェンソーをフルスロットルで 10 秒ほど運
転します。H ネジを反時計方向に 1/4 回転分回します。
さらに約 10 秒間フルスロットルで運転し、高速アイド
リング速度の音の違いを聞き取ります。H ネジをさらに
1/4 回転分、反時計方向に回します。
微調整
慣らし運転を終えたら、キャブレターの最終的な調整を行
います。微調整は資格のある人が行うようにしてください。
まず L ネジ、次にアイドリングネジ、最後に H ネジを調整
します。
推奨のエンジン回転数は次のとおりです。
357XP
14000
アイドリング回転
数、rpm
2700
359
13500
2700
無負荷時の最大速度、rpm
調整時の厳守条件
•
•
•
•
調整を行う前に必ずエアフィルターを清掃し、シリンダ
ーカバーを取り付けてください。エアフィルターが汚れ
たままキャブレターの調整を行うと、後にフィルターを
清掃したときに空燃比が希薄になってしまいます。これ
はエンジンの深刻な損傷につながります。
L ネジと H ネジを止まるまで時計方向に回します。次に、
双方のネジを1回転分、反時計方向に回します。これで、
キャブレターの設定は H = 1、L = 1 になりました。
始動方法に従ってチェンソーを始動し、温まるまで約
10 分運転します。注意! アイドリングでチェンが走行
する場合は、チェンが停止するまで T ネジを反時計方向
に回してください。
ガイドバーが向こうを向くように、またバーやチェンが
地面や他の物と接触しないように、平らな場所にチェン
ソーを置きます。
低速ジェット L ネジ
L ネジをまず時計方向に、次に反時計方向に回して、最大
アイドリング速度を見つけます。最大アイドリング速度が
見つかったら、L ネジを反時計方向に 1/4 回転分回してく
ださい。
+ 1/4
H
•
この段階で、基本設定に対して H =±0、H=+1/4、およ
び H=+1/2 の設定で運転したことになります。エンジン
はフルスロットルでそれぞれ異なった音を出したはずで
す。エンジンがわずかに4サイクル音に聞こえたら、H
ネジは正しく調整されています。笛のような高い音が聞
こえたら、設定が希薄すぎます。マフラーから多量の排
気ガスが出て4サイクル音が強い場合は、設定が濃厚す
ぎます。正しい音が聞こえるまで、H ネジを時計方向に
回してください。
注意!正しい調節を行うには、タコメータを備えた整備施
設をご利用ください。推奨の最大高速アイドリングスピー
ドを超えた設定はしないでください。
適正調整のキャブレター
キャブレターが適正に調整されていると、チェンソーの加
速がスムーズに行われ、フルスロットルでわずかに4サイ
クル音となります。アイドリングでチェンが走行しないこ
とも重要です。低速ネジの設定が希薄すぎると、始動困難
や加速不良の原因となります。高速ネジの設定が希薄すぎ
ると出力不足や加速不良になり、さらにエンジン損傷につ
ながることがあります。
L ネジと H ネジの設定がともに濃厚すぎると、加速不良や
速度不足などの問題が生じます。
スターター装置
警告!リコイルスプリングは張力を持った状態
でスターターハウジングに組み込まれているた
め、不注意に取り扱うとスプリングが飛び出し
て負傷の原因となることがあります。リコイル
スプリングやスターターロープを交換する際は
十分に注意してください。常に保護メガネを着
用してください。
L
注意! アイドリングでチェンが走行する場合は、チェンが
停止するまで T ネジを反時計方向に回してください。
アイドリング T ネジの微調整
アイドリング速度を再調整する必要がある場合は、アイド
リング T ネジで調整します。まず、チェンが走行し始める
まで T ネジを時計方向に回します。次に、チェンが停止す
るまで T ネジを反時計方向に回します。エンジンがどの位
置にあってもスムーズに走行するようになれば、アイドリ
ング速度は正しく設定されています。また、チェンが走行
し始めるまでのアイドリング速度に十分な余裕があるはず
です。
警告!アイドリングの速度設定ができずチェン
が停止しない場合は、お近くのサービス代理店
にご連絡ください。チェンソーのご使用は調整
または修理が完了するまでお控えください。
高速ジェット H ネジ
•
30
高速ジェット H ネジ は、エンジンのパワーと速度に影
響します。H ネジの設定を濃厚にしすぎる(ネジを締め
込みすぎる)と過回転となり、エンジン損傷の原因と
- Japanese
摩耗または破損したスターターロープの交換
•
スターター装置をクランクケースに固定しているネジを
緩め、スターター装置を取り外します。
メンテナンス
•
•
ロープを約 30 cm 引き出し、プーリー外周の切欠部に
かけます。プーリーをゆっくりと逆方向に回し、リコイ
ルスプリングの張力を逃がします。
プーリー中央のネジを外し、プーリーを取り外します。
新しいスターターロープをプーリーに差し込み固定しま
す。スターターロープを3回ほどプーリーに巻きつけて
ください。リコイルスプリングの端がプーリーにかかる
ようにはめます。プーリー中央のネジを止めます。スタ
ーターロープをハウジングの穴とハンドルの穴に通しま
す。ロープが抜けないよう、端に結び目を作ります。
スターター装置の組立
•
スターター装置の組立には、まずスターターロープを引
き出し、スターター装置をクランクケースにあてがいま
す。次にプーリーに爪がかかるよう、スターターロープ
をゆっくりと戻します。
•
ネジでスターター装置を固定します。
エアフィルター
下記のような問題の発生を防止するため、エアフィルター
は定期的に清掃し、ホコリや汚れがたまらないようにして
ください。
•
キャブレターの不具合
•
始動不良
•
エンジンのパワー不足
リコイルスプリングを張る
•
エンジン部品の不要な摩耗
•
•
燃料の異常消費
スターターロープをプーリーの切欠部にかけ、プーリー
を時計方向に約2回転します。
エアフィルターを毎日、過酷な条件下ではより頻繁に清掃
します。
•
エアフィルターカバーを取り外し、エアフィルターを取り
出します。再組立時は、エアフィルターとフィルターホル
ダーとの間に隙間ができないようにしてください。ブラシ
をかける、振るなどしてフィルターを清掃します。
•
水と洗剤を使って洗うと、さらにきれいになります。
注意!スターターロープを全部引き出した後でも、プー
リーが少なくとも半回転する余裕が残っていることを確
認してください。
破損したリコイルスプリングの交換
•
プーリーを外します。「摩耗または破損したスターター
ロープの交換」参照。
•
プーリーの内側を下にして作業台などに軽く打ちつけ、
リコイルスプリングをプーリーから取り外します。取り
付け中にスプリングが飛び出した場合は、外側から内側
に向かって巻き直してください。
•
リコイルスプリングに薄いオイルを塗布します。プーリ
ーを取り付け、リコイルスプリングを張ります。
一定期間使用したエアフィルターはどんなに洗っても完全
にきれいにはなりません。定期的に新しいフィルターと交
換してください。破損したエアフィルターは必ず交換して
ください。
ハスクバーナのチェンソーは、作業環境や気候、季節など
に合わせて、異なるタイプのエアフィルターを取り付ける
ことができます。詳細はお近くの代理店にお問い合わせく
ださい。
Japanese -
31
メンテナンス
スパークプラグ
警告!触媒コンバーター付きのマフラーは、使
用中および使用直後ともに非常に熱くなります。
このことはアイドリング中にも該当します。特
に可燃物や可燃性ガスの近くで作業をするとき
は、火災の危険性に注意してください。
スパークプラグの状態は下記の点に影響されます。
•
不適切なキャブレター調整
•
誤った混合燃料(オイル過多)
•
エアフィルターの汚れ
上記の要因によりスパークプラグ電極にカーボンが付着し、
運転中の不具合や始動困難などの原因となります。
•
エンジンのパワーが出ない、なかなか始動しない、アイ
ドリングが安定しないなどの場合は、何よりもまずスパ
ークプラグを点検してください。スパークプラグが詰ま
っていたら清掃し、電極ギャップが 0.5 mm であること
を確認します。スパークプラグは使用時間が延べ1ヶ月
に達したら、また必要に応じてそれ以前に交換してくだ
さい。
ニードルベアリングの潤滑
クラッチドラムには、次のドライブスプロケットのいずれ
かが取り付けられています。
•
A スパースプロケット(チェンスプロケットをドラム
に溶接)
•
B リムスプロケット(交換可能)
どちらのスプロケットにおいても、ドライブシャフトにニー
ドルベアリングが使用されているため、定期的(週1回)の
注油が必要です。
注意!必ず指定のタイプのスパークプラグを使用してくだ
さい!不適正なスパークプラグは、ピストンやシリンダー
の損傷の原因となります。
マフラー
マフラーは騒音レベルを下げ、排気ガスを使用者から遠ざ
けるように設計されています。排気ガスは高温である上に
火花を含んでいることがあり、乾燥した可燃物に接触する
と火災の原因となりかねません。
注意!高品質のベアリンググリースまたはエンジンオイル
を使用してください。
オイルポンプの調節
オイルポンプは調節可能です。ドライバーかコンビレンチ
でネジを回して調節します。工場出荷時の設定は2になっ
ています。ネジを時計方向に回すとオイルの量が減り、反
時計方向に回すとオイルの量が増えます。
2
3
1
特殊なスパーク防止メッシュを備えているマフラーもあり
ます。お持ちのチェンソーがこのタイプのマフラーの場合
は、少なくとも週に1回、ネットを清掃してください。ワ
イヤーブラシでこするのがもっとも効果的です。
注意!破損したネットは交換してください。ネットが詰ま
るとチェンソーはオーバーヒートを起こし、シリンダーや
ピストンの損傷の原因となります。また、マフラーの状態
が悪いチェンソーは決して使用しないでください。
触媒コンバーターを搭載したマフラーは、排気ガスに含ま
れる炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)、およびアルデヒ
ドの濃度を大幅に低減します。ただし、無臭の一酸化炭素
(CO)は全く低減されません!決して密室や換気の悪い場
所で作業しないでください。また、積雪によるくぼみや谷
間、周囲を取り囲まれた場所での作業では、空気が十分に
循環していることを確認してください。
32
- Japanese
+ –
警告!調節する際は、必ず先にエンジンを切っ
てください。
推奨の設定
ガイドバーが 13-15 インチの場合:1 の位置
ガイドバーが 15-18 インチの場合:2 の位置
ガイドバーが 18-20 インチの場合:3 の位置
メンテナンス
冷却システム
キャブレター電気ヒーター
(357 XPG, 359 G)
運転時の温度をできる限り低く保てるよう、本機には冷却
システムが装備されています。
冷却システムの構成は以下のとおりです。
1 スターター装置の吸気口
2 エアガイドプレート
3 フライホイールのファン
4 シリンダーの冷却ファン
5 シリンダーカバー(冷たい外気をシリンダーへ誘導)
5
機種名に XPG/G がついているチェンソーは、キャブレタ
ーに電気ヒーターが組み込まれています。電気ヒーターは
キャブレター内の着氷を防止します。サーモスタットによ
る制御で、キャブレターは常に運転に最適な温度に保たれ
ます。
冬期の使用
冬期や粉雪が降るような天候では、下記の問題が発生する
ことがあります。
4
3
•
エンジンの温度が低すぎる。
•
エアフィルターやキャブレター内に着氷。
これらの問題を避けるには、特別な対策が必要です。
2
1
冷却システムをブラシで週に一度、過酷な使用環境ではよ
り頻繁に清掃してください。冷却システムが汚れたり詰ま
ったりしているとチェンソーがオーバーヒートを起こし、
ピストンやシリンダーの損傷の原因となります。
遠心力クリーニング「エア・インジェ
クション」
遠心力クリーニングとは、次のことを意味します。空気は
すべて、スターター装置を通ってキャブレターへ流入しま
す。空気に含まれる汚れやホコリは、冷却ファンにより遠
心分離されます。
重要!遠心分離清浄システムの機能を維持するには、定期
的なメンテナンスが必要です。
• スターター装置の吸気口、フライホイールのファン、フ
ライホイール周辺のスペース、インレットパイプ、およ
びキャブレターユニットを清掃してください。
ヒーティングハンドル
(357 XPG, 359 G)
機種名に XPG/G がついているモデルでは、前ハンドルの握
り部分と後ろハンドルに電気コイルのヒーターが組み込ま
れています。電気コイルに供給される電気は、チェンソー
内蔵の発電機によって生成されます。
•
スターター装置の吸気口を一部覆い、エンジンの運転温
度を上げる。
気温が0℃またはそれ以下のとき:
シリンダーカバーは、冬期の使用にも耐えられるよう設計
されています。ウインターフラップをねじると、予熱され
た空気がシリンダーからキャブレターに流入し、エアフィ
ルターなどへの着氷を防止します。
気温が -5 ℃またはそれ以下のとき:
冬期や粉雪が降るような天候でチェンソーを使用する場合
は、スターターハウジングに取り付ける専用のカバーをご
用意しています。カバーによって冷たい外気の流入が制限
されるため、雪がキャブレター内に入り込むのをほぼ完全
に防ぐことができます。
注意!チェンソーに冬期キットが装備されていたり温度を
上げるための対策が施されている場合は、通常の気温で使
用する前にこれらを取り外して元の状態に戻すようにして
ください。エンジンがオーバーヒートを起こし、深刻な損
傷につながる恐れがあります。
スイッチを押し上げると、ヒーターが入ります。スイッチ
を押し下げると、ヒーターが切れます。
Japanese -
33
メンテナンス
重要!本書に記載されている内容以外のメンテナンスは、
お近くのサービス代理店(販売店)に依頼してください。
毎週行うメンテナンス
1
2
4
3
0,5 mm
ここでは一般的なメンテナンスについて説明してい
ます。
毎日行うメンテナンス
5
7
8
3
2
1
6
1 防振装置に損傷がないかどうか点検します。
4
5
6
2 クラッチドラムベアリングに注油します。
3 ガイドバー縁のバリをヤスリで削り取ります。
4 スパークプラグを清掃します。電極ギャップが 0.5 mm
あるかどうか点検します。
7
8
9
10
5 フライホイールのファンを清掃します。スターター装置
とリコイルスプリングを点検します。
6 シリンダーの冷却ファンを清掃します。
7 マフラーのスパーク防止ネットを清掃、または交換しま
す。
8 キャブレターユニットを清掃します。
1 スロットルトリガーのコンポーネントが正しく機能する
かどうか点検します。(スロットルロックおよびスロッ
トルトリガー。)
2 チェンブレーキを清掃し、正しく動作するかどうか点検
します。チェンキャッチャーに損傷がないかどうか点検
し、必要に応じ交換します。
毎月行うメンテナンス
1
3
3 エアフィルターを清掃します。必要に応じ交換します。
4 ガイドバーは毎日上下を入れ替え、均等に摩耗が進むよ
うにしてください。ガイドバーの注油孔が詰まっていな
いことを確認します。ガイドバーのレール溝を清掃しま
す。ガイドバーにノーズスプロケットがついている場合
は、注油してください。
5 ガイドバーとチェンに十分な量のオイルが行き渡ってい
るかどうか点検します。
1 チェンブレーキのブレーキバンドに摩耗が進んでいない
かどうか点検します。
6 チェンの目立てをし、張り具合と状態を点検します。ド
ライブスプロケットの摩耗度を点検し、必要に応じて交
換します。
2 クラッチハブ、クラッチドラム、およびクラッチスプリ
ングの摩耗度を点検します。
7 スターター装置の吸気口を清掃します。スターター装置
とスターターロープを点検します。
8 すべてのナットやボルト類が確実に締まっているかどう
か点検します。
9 ストップスイッチが正しく機能することを確認します。
10 触媒コンバーター付きのチェンソーの場合、冷却システ
ムを点検します。
34
- Japanese
3 キャブレターの外側を清掃します。
4 燃料フィルターと燃料ホースを点検します。必要に応じ
交換します。
5 燃料タンクの内側を清掃します。
6 オイルタンクの内側を清掃します。
7 すべてのケーブルと接続部を点検します。
主要諸元
主要諸元
エンジン
排気量、cm3
口径、mm
行程、mm
アイドリング回転数、rpm
出力、kW/ rpm
イグニションシステム
メーカー
型式
スパークプラグ
電極ギャップ、mm
燃料および潤滑システム
キャブレターのメーカー
キャブレターの型式
燃料タンク容量、リットル
9,000 rpm におけるオイルポンプ能力、ml/分
オイルタンク容量、リットル
オイルポンプの型式
重量
ガイドバーとチェン不装着およびすべてのタンクが空の
場合、kg
騒音レベル
(注記1参照)
実測音響レベル dB(A)
保証音響レベル LWA dB(A)
音量レベル
(注記2参照)
使用者聴覚での等価音圧レベル、国際基準に基づく実測
値、dB(A)
振動レベル
(注記3参照)
前ハンドル、m/s2
後ろハンドル、m/s2
チェン/ガイドバー
標準のガイドバーの長さ、インチ/cm
推奨のガイドバーの長さ、インチ/cm
切断できる長さ、インチ/cm
最大出力におけるチェン速度、m/秒
ピッチ、インチ/mm
ドライブリンクの厚み、インチ/mm
ドライブスプロケットの歯数
357XP
359
56.5
46
34.0
2700
3.2/9600
59.0
47
34.0
2700
2.9/9000
SEM
CD
NGK BPMR 7A/
Champion RCJ 7Y
SEM
CD
NGK BPMR 7A/
Champion RCJ 7Y
0.5
0.5
Walbro
HDA 191A/199A
0.68
6-17
0.38
自動
Walbro
HDA 191A/199A
0.68
6-17
0.38
自動
5.5: 357 XP, 357 XP E-tech
5.5: 359, 359 E-tech
5.6: 357 XPG, 357 XPG E-tech 5.6: 359 G, 359 G E-tech
113: 357 XP/G
111: 357 XP E-tech/G E-tech
113: 359 /G
111: 359 E-tech/G E-tech
114: 357 XP/G
112: 357 XP E-tech/G E-tech
114: 359 /G
112: 359 E-tech/G E-tech
101: 357 XP/G
100: 357 XP E-tech/G E-tech
101: 359 /G
100: 359 E-tech/G E-tech
3.9
4.2
3.9
4.2
15"/38
13-24"33-61
12-23"/31-58
21.4
0.325/8.25
3/8" /9.52
0.058/1.5
7
15"/38
13-24"/33-61
12-23"/31-58
20.0
0.325/8.25
3/8" /9.52
0.058/1.5
7
注記 1: EC 指令 2000/14/EC に則し音響効果 (LWA) として測定した、環境への騒音排出量。
注記 2: 等価騒音レベルは ISO 7182 に則し、アイドリングと最高速度の作動状態における騒音レベルの時間加重エネルギー
として計算されます。そのとき分割比をアイドリング 1/3、最大負荷 1/3、最高回転数 1/3 としています。
注記 3: 等価振動レベルは ISO 7505 に則し、アイドリングと最高速度の作動状態における振動レベルの時間加重エネルギー
として計算されます。そのとき分割比をアイドリング 1/3、最大負荷 1/3、最高回転数 1/3 としています。
Japanese -
35
主要諸元
ガイドバーとチェンの組み合わせ
下記の組み合わせは CE タイプ承認を受けています。
ガイドバー
チェン
長さ、インチ
ピッチ、インチ
ノーズスプロケットの最
大歯数
13
0.325
10T
15
0.325
10T
16
0.325
10T
18
0.325
10T
20
0.325
12T
13
0.325
10T
15
0.325
10T
16
0.325
10T
18
0.325
10T
20
0.325
10T
15
3/8
11T
16
3/8
11T
18
3/8
11T
20
3/8
11T
24
3/8
11T
Husqvarna H25, Oregon 21BP
Husqvarna H30, Oregon 95VP
Husqvarna H42, Oregon 73LP
L
D
D
=_
2
36
- Japanese
主要諸元
EC 適合宣言
(ヨーロッパにのみ適用)
Husqvarna AB、SE-561 82 Huskvarna、スウェーデン、tel: +46-36-146500 は、シリーズ番号が 2002 年以降(製造年とシ
リーズ番号は銘板に明記)のチェンソー Husqvarna 357XP/XPG、357XP E-tech/ XPG E-tech および 359 /G、
359 E-tech/ G E-tech が、評議会指令の次の規定に従うことをここに宣言します。
1998 年 6 月 22 日付け「機械に関する」 98/37/EC、補足 IIA
1989 年 5 月 3 日付け「電磁波適合性に関する」 89/336/EEC、および適用補足文書
2000 年 5 月 8 日付け 「環境への騒音排出に関する」 2000/14/EC
騒音排出に関する詳細は「主要諸元」を参照してください。次の標準規格にも適合しています:EN292-2, CISPR 12:1997,
EN608.
試験機関:0404、SMP Svensk Maskinprovning AB(スウェーデン機械テスト)、Fyrisborgsgatan 3、SE-754 50 ウプサ
ラ、スウェーデンが機械指令(98/37/EC)の条例 8、項目 2c に基づき EC タイプコントロールテストを実施しました。補足
VI に則した EC タイプコントロールの結果報告書番号は、404/99/679 – 357XP/G、357 XP/ E-tech G/ E-tech,
404/99/681 – 359/G、359 E-tech /G E-tech です。
さらに SMP、Svensk Maskinprovning AB、Fyrisborgsgatan 3、SE-754 50 ウプサラ、スウェーデンは、2000 年 5 月 8 日付
けの「環境への騒音排出に関する」評議会指令 2000/14/EC の補足 V に適合することも認定しました。承認証番号:
01/161/013 - 357XP/G, 359 /G, 01/161/014 - 357XP E-tech/G E-tech, 359 E-tech/G E-tech.
納品されたチェンソーは、EC タイプコントロール適格のサンプル品に相当するものです。
Huskvarna、2002 年 8 月 19 日
開発部長 Bo Andréasson(ボー・アンドレアソン)
Japanese -
37
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1140281-79
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2004-08-13
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