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ラウンドアバウト・ イン・ヤンゴン
[A プログラム] 構成・出演:ティーモーナイン [Program A] Concept, Cast: The Maw Naing 演出・出演:ニャンリンテッ 出演:スーモンアウン Direction, Cast: Nyan Lin Htet Cast: Suu Mon Aung [B プログラム] 音楽・出演:ターソー 出演:キンニーラーセイン、シュエイーウィン、チッスーカイン、ティーリーハン 会場構成:佐野文彦 照明、舞台監督コーディネート:田代弘明(株式会社 DOTWORKS) 音響コーディネート:堤田祐史(WHITELIGHT) 音響オペレーター:亀崎 誠(WHITELIGHT) テクニカルコーディネート:遠藤 豊(LUFTZUG) 翻訳:山本文子、本行沙織、足立チョチョアイ(ミャンマー語) 、岸本佳子(英語) 通訳:石井園子 記録写真:片岡陽太 記録撮影:株式会社採高堂「西池袋映像」 制作:松嶋瑠奈、喜友名織江 制作アシスタント:堀 朝美 インターン:穴迫 楓、川縁芽偉子、細井優花、松村亜矢 共催:独立行政法人国際交流基金アジアセンター 主催:フェスティバル /トーキョー [Program B] Music, Performer: Thxa Soe Dancers: Khin Nilar Sein, Shwe Yee Win, Chit Su Khaing, Thiri Han Venue Design: Fumihiko Sano Lighting Co-ordination, Stage Manager: Hiroaki Tashiro (DotWorks Co., Ltd.) Sound Co-ordination: Yuji Tsutsumida (WHITELIGHT) Sound Operator: Makoto Kamezaki (WHITELIGHT) Technical Co-ordination: Yutaka Endo (LUFTZUG) Translation: Ayako Yamamoto, Saori Hongyo, Cho Cho Aye Adachi (Myanmar language), Kako Kishimoto (English) Interpretation: Sonoko Ishii Photography: Yohta Kataoka Video Documentation: SAIKOUDO, CO., Ltd. Production Co-ordination: Luna Matsushima, Orie Kiyuna Production Assistant: Asami Hori Interns: Kaede Anasako, Meiko Kawabuchi, Yuuka Hosoi, Aya Matsumura Co-produced by the Japan Foundation Asia Center Presented by Festival/Tokyo Co-produced by the Japan Foundation Asia Center Presented by Festival/Tokyo ポスト・パフォーマンストーク (1)11/13(金)15:00 の回(公演終了後 16:15 頃から) 「ミャンマーの映画シーン」 登壇者:ティーモーナイン×清 恵子(キュレーター、メディア・アクティビスト、著述家) フェスティバル /トーキョー実行委員会 野村 萬 公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 会長、能楽師 顧問 福原義春 株式会社資生堂 名誉会長 名誉実行委員長 高野之夫 豊島区長 実行委員長 荻田 伍 アサヒグループホールディングス株式会社 相談役 副実行委員長 市村作知雄 NPO 法人アートネットワーク・ジャパン 会長 栗原 章 豊島区文化商工部長 東澤 昭 公益財団法人としま未来文化財団 常務理事/事務局長 委員 尾 元規 公益社団法人企業メセナ協議会 理事長、花王株式会社 顧問 熊倉純子 東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科 教授 斉藤幸博 株式会社資生堂企業文化部長 鈴木敦子 アサヒビール株式会社経営企画本部社会環境部 部長 鈴木正美 東京商工会議所豊島支部 会長 永井多恵子 公益社団法人国際演劇協会日本センター 会長 小澤弘一 豊島区文化商工部文化デザイン課長 岸 正人 公益財団法人としま未来文化財団 部長 蓮池奈緒子 NPO 法人アートネットワーク・ジャパン 理事長 小島寛大 NPO 法人アートネットワーク・ジャパン 理事 監事 鈴木さよ子 豊島区総務部総務課長 福井健策、北澤尚登(骨董通り法律事務所) 法務アドバイザー 登壇者:ニャンリンテッ×久野敦子(公益財団法人セゾン文化財団 プログラム・ディレクター) Supervisor: Sayoko Suzuki (General Affairs Division, Director of General Affairs Section of Toshima City) 広報・営業 経理 総務 チケットセンター 葦原円花 小島寛大、河合千佳 喜友名織江、十万亜紀子、荒川真由子、砂川史織、松嶋瑠奈、松宮俊文、 横井貴子、岡崎由実子、三竿文乃 長原理江、横川京子 堤 久美子、谷口美和 平田幸来、蓮池奈緒子、一色壽好 佐々木由美子、佐藤久美子 技術監督 技術監督アシスタント 照明コーディネート 音響コーディネート 寅川英司 河野千鶴 佐々木真喜子(株式会社ファクター) 相川 晶(有限会社サウンドウィーズ) アートディレクション & デザイン メインビジュアル ウェブサイト 広報 広報協力 海外広報・翻訳 物販 票券 執筆・編集 共催 アジアシリーズ共催 協賛 後援 特別協力 アジアセンターは 2014 年 4 月国際交流基金内に新設された特別ユニットです。東京オリンピック・パラリン 宣伝協力 アジアセンターが目指すことは、交流→共有→協働→創造の 4 つのキーワードで表すことができます。ま ずアジア域内で相互理解の裾野を広げて交流を深める。そして互いの知識や経験を共有し、未来志向の ネットワークを作る。そのネットワークを元に幅広い分野での連携を深め、共同製作や共同研究といった Vice Chair of the Executive Committee: Sachio Ichimura (Director, NPO Arts Network Japan [NPO-ANJ]) Akira Kurihara (Director of Culture, Commerce and Industry Division of Toshima City) Akira Touzawa (Director of Secretariat of Toshima Future Culture Foundation) 事務局長 制作 国際交流基金アジアセンター な分野で事業を実施しながら、アジアの人々の交流・創造活動をいろいろなかたちで応援していきます。 Chair of the Executive Committee: Hitoshi Ogita (Advisor to the Board, Asahi Group Holdings, Ltd.) フェスティバル /トーキョー実行委員会事務局 ディレクターズコミッティ 代表 市村作知雄 副代表 小島寛大、河合千佳 メンバー 葦原円花、喜友名織江、十万亜紀子、長原理江、横堀応彦 協力 ピックが開催される 2020 年に向けて、音楽、演劇、映画やスポーツから日本語教育、学術まで、さまざま Honorary President of the Executive Committee: Yukio Takano, Mayor of Toshima City Committee Members: Motoki Ozaki (President, Association for Corporate Support of the Arts, Corporate Advisor, Kao Corporation) Sumiko Kumakura (Professor, Department of Musical Creativity and the Environment, Tokyo University of the Arts) Yukihiro Saito (General Manager, Corporate Culture Department, Shiseido Co., Ltd.) Atsuko Suzuki (General Manager, Social & Environmental Department, Asahi Breweries, Ltd.) Masami Suzuki (Chairman, Tokyo Chamber of Commerce and Industry Toshima) Taeko Nagai (Chairman, Japanese Centre of International Theatre Institute [ITI/UNESCO]) Kouichi Ozawa (Culture, Commerce and Industry Division of Toshima City, Director of Cultural Design Section) Masato Kishi (Executive Manager of Toshima Future Culture Foundation) Naoko Hasuike (Representative, NPO Arts Network Japan [NPO-ANJ]) Hirotomo Kojima (Board Member, NPO Arts Network Japan [NPO-ANJ]) 主催 (2)11/15(日)15:00 の回(公演終了後 16:15 頃から) 「ミャンマーの演劇シーン」 Festival/Tokyo Executive Committee Advisors: Man Nomura (Chairman, Japan Council of Performers Rights & Performing Arts Organizations, Noh actor) Yoshiharu Fukuhara (Honorary Chairman, Shiseido Co., Ltd.) 氏家啓雄(有限会社氏家プランニングオフィス) naomi@paris,tokyo 竹下雅哉(有限会社氏家プランニングオフィス) 株式会社 フロンティア・エンタープライズ 湯川裕子 ウィリアム・アンドリューズ 渡辺 淳 株式会社ヴォートル 鈴木理映子 フェスティバル /トーキョー実行委員会 豊島区/公益財団法人としま未来文化財団/ NPO 法人アートネットワーク・ジャパン、 アーツカウンシル東京・東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) 公益社団法人国際演劇協会日本センター 独立行政法人国際交流基金アジアセンター アサヒビール株式会社、株式会社資生堂 外務省、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会、 J-WAVE 81.3 FM 西武池袋本店、東武百貨店池袋店、東武鉄道株式会社、 株式会社サンシャインシティ、チャコット株式会社 東京商工会議所豊島支部、豊島区商店街連合会、豊島区町会連合会、 一般社団法人豊島区観光協会、一般社団法人豊島産業協会、 公益社団法人豊島法人会、池袋西口商店街連合会、 特定非営利活動法人ゼファー池袋まちづくり、ホテルメトロポリタン、 ホテル グランドシティ、池袋ホテル会 株式会社ポスターハリス・カンパニー 平成27年度 文化庁 文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業 (池袋 / としま / 東京アーツプロジェクト事業、としま国際アートフェスティバル事業) 公益社団法人企業メセナ協議会 2021 芸術・文化による社会創造ファンド採択事業 インターン:浅利瑠璃、穴迫 楓、上原彩加、大野ちはる、大橋桃奈、尾崎夏美、金山咲恵、川縁芽偉子、北原七海、 久木野実玖、胡 瀾、合田桃子、佐藤 凌、鈴木里咲、多田彩華、千葉ゆり、中條 愛、鄧 詩瑤、都丸杏樹、西本万耶、 比留間晴子、細井優花、松村亜矢、儘田章子、三友遥菜、山本菜絵、吉田明理、林 嘉琦 スペシャルサンクス:F/T サポーターのみなさま 会期:2015 年 10 月 31 日(土) 12 月 6 日(日) Legal Advisors: Kensaku Fukui, Hisato Kitazawa (Kotto Dori Law Office) Festival/Tokyo Executive Committee Secretariat Directors Committee Representative: Sachio Ichimura Deputy Representative: Hirotomo Kojima, Chika Kawai Members: Madoka Ashihara, Orie Kiyuna, Akiko Juman, Rie Nagahara, Masahiko Yokobori Administrative Director: Madoka Ashihara Production Co-ordinators: Hirotomo Kojima, Chika Kawai, Orie Kiyuna, Akiko Juman, Mayuko Arakawa, Shiori Sunagawa, Luna Matsushima, Toshifumi Matsumiya, Takako Yokoi, Yumiko Okazaki, Ayano Misao Public Relations, Sales & Planning: Rie Nagahara, Kyoko Yokokawa Accounting: Kumiko Tsutsumi, Miwa Taniguchi Administrators: Saki Hirata, Naoko Hasuike, Hisayoshi Isshiki Ticket Center: Yumiko Sasaki, Kumiko Sato Technical Director: Eiji Torakawa Assistant Technical Director: Chizuru Kouno Lighting Co-ordination: Makiko Sasaki (Factor Co., Ltd.) Sound Co-ordination: Akira Aikawa (Sound Weeds Inc.) Art Direction & Design: Yoshio Ujiie (Ujiie planning office) Main Graphic Design: naomi@paris,tokyo Website: Masaya Takeshita (Ujiie planning office) PR: Frontier Enterprise Co., Ltd. PR Support: Yuko Yukawa Overseas Public Relations, Translation: William Andrews Merchandise: Jun Watanabe Ticket Administration: Votre, Ltd. Writing & Editing: Rieko Suzuki Organizers: Festival/Tokyo Executive Committee Toshima City, Toshima Future Culture Foundation, NPO Arts Network Japan (NPO-ANJ) Arts Council Tokyo & Tokyo Metropolitan Theatre (Tokyo Metropolitan Foundation for History and Culture) Produced in association with Japanese Centre of International Theatre Institute Asia Series co-produced by the Japan Foundation Asia Center Sponsored by Asahi Breweries, Ltd., Shiseido Co., Ltd. Endorsed by Ministry of Foreign Affairs, GEIDANKYO, J-WAVE 81.3 FM Special co-operation from SEIBU IKEBUKUROHONTEN, TOBU DEPARTMENT STORE IKEBUKURO, TOBU RAILWAY CO., LTD., Sunshine City Corporation, Chacott Co., Ltd. In co-operation with Tokyo Chamber of Commerce and Industry Toshima, Toshima City Shopping Street Federation, Toshima City Federation, Toshima City Tourism Association, Toshima Industry Association, Toshima Corporation Association, Ikebukuro Nishiguchi Shopping Street Federation, NPO Zephyr, Hotel Metropolitan Tokyo, Hotel Grand City, Ikebukuro Hotel Association PR Support: Poster Hari s Company Supported by Association for Corporate Support of the Arts, Japan (2021 Fund for Creation of Society by the Arts and Culture) [Aプログラム] ティーモーナイン(パフォーマンス、インスタレーション、映像作品) ニャンリンテッ(演劇作品) [Bプログラム] ターソー(音楽ライブ) Asia Series Vol.2: Myanmar Roundabout in Yangon Program A: The Maw Naing (performance, installations, video works) Nyan Lin Htet (theatre performance) Program B: Thxa Soe (live music) 11.13 Fri – 11.15 Sun アサヒ・アートスクエア Asahi Art Square うものです。協働を通してアジアの文化をともにつくりながら、アジアに住む人々の間に、ともに生きる隣 人としての共感・共生の意識を育んでいきたいと考えています。 具体的には、「日本語パートナーズ」、文化 ・ 知的交流、助成・フェローシップの3種類の事業を展開して います。詳細はウェブサイトをご参照ください。 http://jfac.jp/ ラウンドアバウト・ イン・ヤンゴン Supported by the Agency for Cultural Affairs, Government of Japan in the fiscal 2015 Period: October 31 (Sat) to December 6 (Sun), 2015 協働の取り組みを進める。その中から新しい文化を創造し、その成果をアジア内外に還元していく、とい アジアシリーズ vol.2 ミャンマー特集 発行:フェスティバル /トーキョー実行委員会 〒170-0001 東京都豊島区西巣鴨 4-9-1 にしすがも創造舎 TEL:03-5961-5202 http://www.festival-tokyo.jp/ 編集:鈴木理映子、フェスティバル /トーキョー実行委員会事務局 デザイン:小林 剛( UNA ) ※内容は変更になる場合がございます。ご了承ください。 禁無断転載 作品ノート ティーモーナイン この作品は 4 つのパート、4 つのメディアを用いて作っ たものである。いつものように、最初にでき上がったのは、 詩のアイデアだった。 1:ビジュアル・ポエム 制作したのは 2004 年。かなり以前からこうした詩を書く ことを考えていた。私は絵描きでもあり、線、曲線、直線、 色に慣れ親しんできた。そこから私が考えたのは線と言 葉とをどのように混ぜようかということだ。 私は 1971 年生まれだが、私が生まれる前、1962 年から 軍当局はビルマに存在していた。そして生まれてからも、 この詩を書いた 2004 年においても。さらに現在私は 30 歳 を越えたが、軍当局は存在している。私たちはそれを嫌 1988 年には革命を起こした。次の世代もそれに続いた。 い、 それでも彼らは権力を持ち続けている。 ビルマ国民の多くが、劣悪な状況の中で暮らしており、 食べることも飲むこともできない。そして人々は教育、経 済、未来を忘れ去った。多くの人がどうしてよいかさえ分 かっていない。とくに若者が。この国が軍の支配下になっ て 40 年以上が経った。 私自身も塞がれている。生まれる前から続く軍の支配。 キングダム・ヴォイド (空白の王国) ニャンリンテッ 今私は 30 歳を越えている。この劣悪な環境は閉じられて いる。そのことを、どのように言葉にすることができるだ ろうか。詩で書いてみても、いかにも詩を書きましたとい 3: パフォーマンス 私たちは塞がれ、塞がれ、塞がれ……。軍政の下に生 きる、その窮屈さを表現したい。詩とともにある線にした うかたちにはしたくない。 がって、いくども周りながら、言葉を発する。そんな人生 この詩の中の言葉には、始まりがない。そして、終わり には本当に嫌気がさしている。 もない。この始まりと終わりのない詩と線とを混ぜてみ 私たちは仏教の影響下にいる。人生とは輪廻だと仏陀 た。よくある、一行終わったらまた一行というような詩に は言う。循環する円のように、いつまでも終わることがな はしたくない。塞がれ、閉じた環境を作ってみた。 い……平穏が訪れるまでは。 自由にはなりえないという状況。これは国の(政治)状 …たちは、そのように、つながって、話すことのある隙間 況とは関係ない。仏陀の考え方、哲学について考えること と、引きずって、含まれてしまって、つながり、残った、と と、現実の出来事はつながる。 4:ショート・フィルム 『 are not as 』 映像では、ヤンゴンの現状、閉塞感を表現した。客席に 周りを回らなければならない。 平穏は訪れない。音楽も穏やかな楽器の音色ではない。 2:テキスト・インスタレーション イツの音楽家による実験的なものだ。 詩の内容にもとづき、自然の音を口で表現したそれは、ド プラスチックの上に詩を印刷し、インスタレーションと して展示する。プラスチックを用いる目的は、透明感が気 に入ったから。書物で使われる紙は不透明だから。 私たちは飢えている。ものごとをはっきり見ることので きる環境を、私は求めている。だが、現実にはそれは不可 能だ。だから私は文字を使い、テキスト・インスタレーショ ンをつくり上げた。そこに書かれた言葉のほとんどは、検 閲を通ることがない。プラスチックの板に書かれた言葉は、 空気の中にばらばらに止まっている。すべて透き通って。 (2015 年 10 月) ティーモーナイン 映画監督、詩人、パフォーマー。1971 年生まれ。 Yangon Film Schoolとプラハの FAMU(プラハ 芸術アカデミー映像学部)で映画製作を学ぶ。 2004 年、初めての詩集を発表。詩をもとにした インスタレーションやパフォーマンス、映像作 品を手がける。長編ドキュメンタリー映画『ナル (2009)や長編フィク ギス – 時間が止まった時』 ション映画デビュー作となった『 The Monk 』 (2014)は、数々の国際映画 祭で上映されており、世界的な注目を集めている。 東京公演によせて ターソー 敬虔な仏教徒としての穏やかな民族性と良識。変わらな いローカルな生活や環境、アナログな仕事と日々の営み。 2011年に軍事政権から民主化し、外からの文化、物、金、仕 事など、さまざまなものの流入など、ミャンマーは今まさに さまざまな顔を見せ始めている。 今回ここに集まるアーティストたちは軍事政権下に海外 へ留学し、西洋的な価値観やコンテクストを学び、自分なり の表現を作ってきた。 民族、国家、政治、宗教、価値、技術、文化。鎖国状態だっ た国家が変化しようとする大きな時代の流れの中で彼らは 何を感じ、何を思い、何を表現しているのだろうか。 海外へ出たからこそ感じる自分たちのミャンマー人とし てのアイデンティティ、しかし外から見たミャンマーに対す る複雑な思い。そして変化していく国家。 スし始めたのは、 「何か新しいものを作り出したい!自分 MIX も作った。新しく作った曲は2曲で、一つは日本のスラ 組んだ関係を模索することを意図してつくられた。この のスタイルを生み出し、何か新しいモノをミャンマーの ングを使っていて、一つは初来日の時に印象的だった発車 作品は、国家にとっての成功と失敗、その命運を左右す オーディエンスに与えたい!」そういった想いと、 「1000 年 メロディを使用しているから、電車に乗る人は好きになっ る、国家自体の役割と社会の構成員が持つべき責任につ 以上も前からあるミャンマーの音楽を自分なりにリメイク てくれると思う。自分の音楽を聴いてもらえるのに興奮し いて問いを投げかける。君主政治と幽霊たちが登場する してみたい!」という想いからだった。そうやって作って ている。みんなに会えるのがとにかく楽しみで仕方ない! 戯曲の中で、過去と現在がもつれ合い、蛇行していく。 みたら、全然今までとは違うものができて、自分でもそれ は最高だと思ったし、ミャンマーのみんなも好きになって くれると確信した。ミャンマーの音楽史上、自分が作り出 したような音楽は全然なかったから、音楽シーンだけで なく社会にも影響を与えることができた。なかには伝統を 壊すといって嫌味をいう人たちもいたけれど、ミャンマー の若者には浸透していった。 今回は初の東京公 演。呼んでくれたフェスティバ ル / トーキョーには本当に感謝している。東京でプレイするた めにたくさん選曲したけど、大好きな日本のオーディエン ターソー ミュージシャン、ラッパー、エレクトロ・ヒッ プ ホップ・プロデューサー。1980 年 生まれ。 中学生の頃から音楽を始め、高校卒業後、ア ンダーグラウンド・ヒップホップシーンとか かわるようになり、数 々のグ ル ープ でア ル バムを発表。2001 年よりロンドンにある SAE Institue でオーディオ・エンジニアリングを 学びながら、ミャンマー音楽についての研究も始める。2004 年に帰国 し、2006 年よりミャンマーの伝統音楽をミックスしたエレクトロミュー ジックの創作を始め、ファーストソロアルバムをリリースする。2015 年までに7枚のソロアルバムを発表。 『 The Monk 』 監督:ティーモーナイン 脚本:アウンミン PRODUCED BY FAMU (Vít Jane ek) 2014 /チェコ、ミャンマー/ 91 分/ミャンマー語/ 日本語、英語字幕 青年・ザーワナーは、小さな村の僧院に忍びこみ、僧侶として 1:『 The Monk 』上映会・トーク 11.18 Wed 18:00 ∼ 本作で脚本を担当したアウンミンが、国際交流 基 金アジアセンターの「アジア・文 化人招へい 暮らし始める。彼は日々の生活に疑問を抱きながらも、年老い た住職に従う。やがて経済的な理由から、他の僧侶たちが僧院 を離れていくなか、住職が病にかかってしまう。誰かが住職、 ひいては村全体の面倒を見なければならない。ザーワナーは自 身が立ち上がる決意を固めるのだった─。 プログラム」で来日。本編の上映に加え、監督の ティーモーナインとのトークで、映画の背景や脚 本執筆にいたる経緯を語る。ミャンマーの映画 制作事情などを知る貴重な機会ともなる。 登壇者:ティーモーナイン、アウンミン ※ミャンマー語(日本語通訳あり) 料金:500 円(予約優先) ※15 分前開場・受付開始 アウンミン 脚本家、医師、映画監督。医師として医療に従事する一方、小 説や現代アート書籍を執筆。2007 年から映画脚本を手がける (2012)で ようになり、短編ドキュメンタリー映画『 The Clinic』 は監督をつとめた。現在、映像専門学校 Yangon Film School などで若い映像制作者の指導に力を注いでいる。2011 年から プラハの FAMU(プラハ芸術アカデミー映像学部)が主催す る若手映画制作者育成プログラム MIDPOINT に参加。 『Beauty of Tradition -ミャンマー民族音楽への旅 - 』 監督・音楽・プロデューサー:川端 潤 2015 /日本/ 105 分/ドキュメンタリー 製作:プロジェクトラム/エアプレーンレーベル ヤンゴン郊外の小さなスタジオに機材を持ち込み、現地の演 奏家による演奏を録音、撮影したミャンマー伝統音楽のドキュ メンタリー。演奏家たちの思考や日々の悩みが生々しく伝わっ つり込み、パフォーマンスによってアーティストと観客の位 てくるほか、僧院や祭りの様子なども見ることができる。100 置が入れ替わる導線の配置などによって表現した。 曲以上にのぼる収録曲は世界的にも珍しく、アーカイブとして 表現の自由のなかった中で、表現者として生きた彼らが のある国家を舞台に、絶対的権力と国家の崩壊との入り 演劇の訓練を受ける。以後、積極的に世界のパ フォーマンスアートや演劇シーンに携わってい © Theatre of the Disturbed る。2005 年にヤンゴンに 拠 点を置く「 Theatre of the Disturbed」を設立してからはシェイクスピア、ベケット、イヨネス コ、カフカなどの作品の翻案、演出も手がけている。 た人々の熱気と強さを感じた。 伝えたいものとはなんなのだろうか。時代の変化の真った スに自分の音楽を好きになってほしいし、今回スペシャル フォーマー。ミャンマーとフランスを拠点に活 動。2000 年代初頭にパフォーマンスアートを製 作、その後の日本の劇団「 Annees Follies」にて かと思う程度。しかしさまざまな場所や人に触れたとき、こ 今回の会場構成では彼らのさまざまな想いのぶつかり合 ミャンマー伝統音楽とエレクトロミュージックをミック Theatre of the Disturbed 主宰、演出家、パ 今年の年始にはじめてミャンマーという国に行った。全く 前知識がなく、ビルマの竪琴と言われたら、ああ、そうなの ミャンマー映画特集 at 東京芸術劇場 アトリエイースト いや交錯、価値の転換などを、太い帯の交わりや天井への 『キングダム・ヴォイド(空白の王国)』は、大量殺戮後 ニャンリンテッ 佐野文彦(会場構成) れから発展していこうとする野性的な、しかし優しさをもっ きは、さらに、生起することがらではなく… 普通のかたちでは読ませたくない。読みたいなら、本の 大きな時代の変化、 さまざまな想いが ぶつかる場所 だ中にいる彼らの持つ苦悩や矛盾、意思やエネルギーを彼 らと同じ時間を共有しフェスティバル /トーキョーで感じて みてほしい。 2:ミャンマー映画 3 作品上映 11.20 Fri – 23 Mon アートシーンのみならず、大きく情勢が変化する ミャンマーのいまを感じ取ることのできる 3 作品 を連日 2 本立てで上映。 料金:各日 500 円(予約優先) 11/20(金) さの・ふみひこ 建築家 美術家。奈良県生まれ。京都、中村外 18:00『 The Monk 』 19:45『Beauty of Tradition』 11/21(土) 13:00『ナルギス』 14:45『Beauty of Tradition』 PHENOMENONを 設 立。大 工として、技 術 や 素 11/22(日) 13:00『 The Monk 』 14:45『Beauty of Tradition』 二工務 店にて数寄屋大工として弟子入り。設 計 事 務 所 など を 経 て、2011年 佐 野 文 彦 studio 材、文化などと現場で触れ合った経験を現 代 の感覚と合わせ未来への新しい日本の価値観 を作ることを目指してデザインやインスタレー ションを手がけている。ELLE DECOR Japan Design Award 2014 にて Young Japanese Talented Designer に選出された。21_21DESIGNSIGHT にて開催 された「単位展」に作品を出展するなど活躍を広げている。東南アジア企 業と日本のデザイナーによる商品開発プロジェクト「グッドデザイン・メ コンデザインセレクション」で、ミャンマーの企業とマッチングされた。 11/23(月・祝) 18:00『ナルギス』 19:45『 The Monk 』 の価値も高い作品となった。 『ナルギス – 時間が止まった時』 監督:ティーモーナイン、ペマウンセイン 2009 /ミャンマー、ドイツ/ 90 分/ミャンマー語/ 日本語、英語字幕/ドキュメンタリー © Lindsey Merrison Film 2008 年にエーヤワディー川を襲ったサイクロン「ナルギス」。本 作は、14 万人もの死者を出したこの大災害直後の様子を追っ たドキュメンタリーだ。政府によって撮影が禁止されているな か、サイクロン発生の 7 日後、若手の映画製作者たちは荒れ果 てた村を訪れ、災害によりすべてを失ってしまった人々に会う ─。 [お申し込み] F/T チケットセンター:03-5961-5209 オンライン: festival-tokyo.jp/15/program/roundabout-in-yangon/ QR コードを読み取ると直接予約フォームが開きます。→