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寺報第156号
光 2014(平成26)年 6月10日 第156号 慧 光 ね はん 思い通りにならなかったりすれば、これらはいず いかでか涅槃をさとらまし ちゅうしゃくばんせいてん れも苦悩に結びつきます。苦悩の原因はいろいろ ぼんのう (『注釈版聖典』六〇六頁) たた と考えられますが、その根本は煩悩にあると説く と讃えられるように、「信心の智慧」によって目 のが仏教の教えです。厳しい修行をして煩悩を断っ 覚めさせられる中に、煩悩に惑わされて優劣・善 むな たり、コントロールできるようになれば苦悩はな 悪・損得ばかり重視していた見方の虚しさが知ら とら そな 人生、思い通りに物事が運んでいる間は、中々 すた は、願望通りになることによって苦悩は解決する 自分をあてにする心は廃りません。逆に、思い通 と考えます。新興宗教の勧誘に心が揺らぐのはそ りにならないという苦悩を何度か体験していく中 のような状態のときではないでしょうか。 に、あてにしていた自分はあてにならないのでは かな 浄土真宗の教えは、厳しい修行や願望が適えら なかろうかということが少しずつわかってきます。 れることによって苦悩を超えていく教えではあり 人生での悲しみや苦しみも自分を知るための学び しょうぞうまつ わ さん ません。親鸞聖人が『正像末和讃』に、 ち え ねんぶつ 智慧の念仏うることは ほうぞうがんりき 法蔵願力のなせるなり の場であり、そのときこそ聴聞の大きな機会でも あります。 (本願寺出版社刊「大乗」誌より転載) 住職ひとりごと とではありません。また苦悩のどん底にあるとき ホームページ開いてます。 URL http :/ /konkhoji.jp / 6月9日現在 アクセス数 74,166人 今 月三日 、鞍岡 小学校 二年生 六人 の児童 が担任 の先生 引率で ﹁鞍 岡探検 ﹂と題 して当 山に来 てく れまし た。当 山来寺 のきっ かけ は、朝 、梵鐘 を撞い て県道 の落 ち葉掃 除をし ている と、見 慣れ ない人 が近づ いてき ます。 何事 かと思 ってい ると、 ﹁鞍岡 小学 校二年 生の担 任○○ です。 今度 、子供 たちが 鞍岡探 検をす るの ですが 、神社 の説明 をして いた だけな いです か﹂と 声かけ があ ったこ とによ ります 。﹁私 はこ のお寺 の住職 で神社 のこと は説 明でき ないの ですが 、当山 に来 られる なら、 梵鐘を 子供た ちに 撞かせ ますよ ﹂と返 答する と、 少し困 られた 様子が うかが えま したが 、後の 言葉に 心が動 かれ たので しょう 。当山 訪問が 決ま りまし た。本 堂でい くつか 質問 を受け た後、 いよい よ鐘撞 きで す。ま ず、外 陣にあ る大金 を一 人ひと りたた いた後 、梵鐘 へ。 うれし そうに 梵鐘を 撞く姿 は可 愛らし いもの でした 。そう 大き な音で はあり ません でした が、変な時間に梵鐘がなってびっ くり された 方もあ ったの ではな いでしょうか。お許しください。 ︵住職 松井卓郎︶ ぼん ぶ くなりますが、私たち凡夫にはなかなかできるこ され、それに執われない心が具わってきます。 仏教用語豆辞典 え ねん ち 信心の智慧なかりせば くて、 本願力 の自ず からな るは からい によっ て、往 生成仏 せし められ るこ とを自 然とい い﹂ ﹁自然と法爾を同義語とされた﹂ と﹃注 釈版聖 典﹄︵ 千五百 頁︶ は解説しています。 自然 環境の 破壊が 問題と なっ ていま すが、 みなさ んの心 の中 は大丈夫ですか。 しんじん 重い病気になったり、愛する人との別れや孤独、 5月、次の金 光寺門信徒の方がご 往生 なさいました。 謹んでお悔やみ申し 上げ ます。 2014年 5月14日寂 満86歳 原尾野 藤 田 昭 吉 様 2014年 5月15日寂 満65歳 熊本市 甲 斐 幸 三 様 ︵本願寺出版社発行 辻本敬順著 ﹁仏教用語豆辞典一〇〇 パートⅡ﹂から︶ 深い悲しみ 苦しみを通してのみ 見えてくる世界がある ( 平 野 恵 子 ) じ 8 3−2 338 今月のことば 然 宮崎県西 臼杵郡 五ヶ瀬町大 字鞍岡 592 7番地 ℡0982 今年も白い花が咲き、参詣者の目を愛でてくれました 6月10日 も多いことでしょう。 ﹁自然 ﹂は、 おのず からそ う な ってい るさま 、天然 のまま で 人 為の加 わらな いこと をいう 言 葉ですが、英語の﹁ネイチャー﹂ を ﹁自然 ﹂と訳 してか らは、 自 然 界、自 然科学 、自然 主義、 自 然 食品な ど、各 方面で 用いら れ るようになりました。 仏教では、﹁ジネン﹂と読み、 人 為を加 えずに 、おの ずから そ う なって いるこ とを意 味し、 仏 教の真理を表わす語です。 親鸞聖 人は﹁ 自然法 爾﹂を 説 き ます。 ﹁救済 は人間 のはか ら い によっ て成立 するこ とでは な こ う 金 光 寺 寺報 第 1 5 6号 発 行 所 金光 寺 ▲ 自 え 光 4月26日(月)、梶原崇史さん・亜希さ んご夫妻のご長男で、2014(平成26) 年4月22日ご誕生の悠辰(ゆうしん)くん がご両親、お姉さんとご両家おじいさん・お ばあさんに伴われ、初参式(初参り)に来て くれました。 健やかなるご成長をお念じ申し上げます。 おめでとう。ございます。 目に青葉 山ほととぎす初鰹 金光寺よもやまコーナー 2014(平成26)年 自 然は躍 動して います 。この 連休 には、 自然を 満喫さ れる方 慧 慧 第156号 4 1 六月六 日、本山 ︿西本願寺 ︶ の重要性 を認識し ていらっし ゃ ることを明らかにされました。 まさに ﹁新たな 始まり﹂の 先 導をして くださる ご門主のご 誕 生は、宗 門にとっ て新たな幕 開 ます﹂と お答えに なり、組巡 教 本山法統継承なる のご門主 が即如ご 門主から専 如 新門さま へ継承さ れる﹁法統 継 承式﹂が午前十時から執行され、 西本願寺 第二十五 代の専如ご 門 主がご誕 生になり ました。併 せ おん がっしょう しょうにん けです。 とき に ょらい て本願寺 ご住職に もご就任に な りました。 また、 法統継承 式に先立ち 、 六月五日 午後三時 半から即如 ご 門主の﹁ 退任に際 しての消息 ﹂ 発布式と 、阿弥陀 堂・御影堂 両 門が閉門 後の午後 六時過ぎか ら ﹁御譲渡 式︵非公 開︶﹂も行 わ れました。 専如ご 門主は、 ご門主就任 前 新門さま の時に、 ﹁伝わらな い 時代に、 何をなす べきか﹂と い うテーマ で本願寺 新報のイン タ ビューを 即如前門 さまとお受 け になりま した。そ の中でこれ か らの活動 として﹁ 全国各地に 行 くという のは大事 だと思って い 文︾ そうろ ︻ ご 門主 略年 譜 ︼ 19 4 5・ 昭和 2 0 19 6 0・ 昭和 3 5 19 7 0・ 昭和 4 5 19 7 4・ 昭和 4 9 19 7 7・ 昭和 5 2 19 7 8・ 昭和 5 3 19 8 0・ 昭和 5 5 19 9 6・ 平成 8 20 0 6・ 平成 1 8 20 1 4・ 平成 2 6 ご誕 生 得度 浄土 真 宗本 願寺 派 新門 就任 東京 大 学大 学院 修 士課 程修 了 浄土 真 宗本 願寺 派 第二 十四 代 門 主、 本 願寺 住職 就 任 全日 本 仏教 会第 十 三期 会長 就 任 ︵十 八 期、 二十 五 期も 会長 就 任︶ 即如 門 主伝 灯奉 告 法要 全国 教 誨師 連盟 総 裁就 任 日本 国 際連 合協 会 京都 本部 本 部長 就 任 法統 継 承で 前門 、 本願 寺前 住 に ◇ 主な ご 著 書 ﹃ 朝 に は 紅 顔 あ って ﹄ ︵ 角 川 書 店 ︶ 、 ﹃世 の なか 安穏 な れー 現代 社 会と 仏 教﹄ ︵ 中央 公論 社 ︶、 ﹃ 愚 の力 ﹄ ﹃ 今 を 生 か さ れ て ﹄ ︵ 文藝 春 秋 ︶ 、 ﹃ 今 、 こ こ に 生き る 仏 教 ﹄ ︵ 共 著 ・ 平 凡 社 ︶、 ﹃ す く い と よ ろ こ び﹄ ﹃ 願い の力 ﹄ ︵本 願寺 出 版社 ︶ ︻ 新 門さ ま略 年 譜︼ 19 7 7・ 昭和 5 2 19 9 2・ 平成 4 19 9 3・ 平成 5 20 0 3・ 平成 1 5 20 0 5・ 平成 1 7 20 0 8・ 平成 2 0 20 1 0・ 平成 2 2 20 1 4・ 平成 2 6 ご誕 生 得度 ︵ 新門 ︶就 任 大谷 光 淳新 門立 嗣 奉告 法要 浄土 真 宗本 願寺 派 仏教 青年 連 盟 総裁 就 任 龍谷 大 学大 学院 博 士 課程 単位 取 得 築地 本 願寺 副住 職 就任 ボー イ スカ ウト 日 本連 盟 特別 顧問 就 任 法統 継 承に より 浄土 真 宗本 願寺 派 第二 十五 代 門主 、 本願 寺住 職 に 第 六 十 四回 高 千 穂組 仏 教 夏 季講 座 の ご案 内 と き とこ ろ ご講 師 持参 品 その 他 昨年、8月以降に身近な方がお亡くなりにな 法語 の世 界 ︽原 ご ぜん そうろ 御 前 まゐ り 候ふ 時 には 、 御合 掌 あ りて 、 如来 ・ 聖 人 おお 午後1時・午後2時 く 記 き だいた順にご希望の時間で法要を設定いたします。 ご ゆう 考えのお宅は、早めにご連絡ください。連絡いた し んらん 習がありますが、本年、そのような形で法要をお 平 成 二十 六年 七 月二 十 三日 ︵ 水︶ 五 ヶ 瀬町 三ケ 所 浄 専 寺 福 岡 教区 志 摩 組 海 徳寺 住 職 浄 土真 宗本 願 寺派 布 教使 松 月 博 宣 師 経 本 ・念 珠・ 門 徒式 章 ・筆 記 具・ お 茶 金 光 寺か ら十 名 参加 の 予定 で す。 参 加 を 希 望さ れる 方 は金 光 寺ま で お申 込 み 下 さ い。 などをお迎えして初盆会法要をおつとめになる風 百 六 十 九︶ がっしょう き 鞍岡地区では、ご親族やご縁のあった地域の方 れんにょしょうにん ご い ちだい き き きがき め き もの をお迎えになられることと存じます。 ︵蓮如上人御一代記 聞書 しょく じ しんらんしょうにん られ、本年、初盆をお迎えの皆さま、寂しいお盆 ︵親鸞︶の 御用にて衣食 ふよと仰せ られ候ふ。 だ にょらい なお、次の時間は法要が決まっております。 ︽現代語訳 ︾ み れんにょしょうにん あ おお 午前11時 3時 午後 蓮如上人は、お食事を召しあがるときは、まず合掌されて、 しょく じ ﹁阿弥陀如来と 親鸞聖人のおはた らきにより、着 物を着させ 3時 午後 ていただき、食 事をさせていただ きます﹂と仰せ になりまし た。 午前10時 8月14日 午前11時・正午 8月13日 ︽用語の解 説︾ 衣 食 ふ ⋮⋮着物を着、食事をいただくこと。 初盆をお迎えになられるご家庭へ 6月10日 2014(平成26)年 光 慧 第156号 6月10日 2014(平成26)年 光 慧 第156号 2 3