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第5章 歯面の焼付きと摩耗の評価法 51 緒 r`î ウォームギヤの
可..-- 第5章 51 歯面の焼付きと摩耗の評価法 緒 r'î ウォームギヤの使用限界を規制する設計項[ 1のひとつにl街1Mの焼付き及び摩耗 の検討がある。従来のウォームギヤ的而焼イJき限界は伝述トルクとInl'似�J支ある Eは歯面すべり速度の積で決定されているだけで,歯当たりのばらつきまで定;it 的に考慮したものはない。1) - 3)しかし, ウォームギヤの|指��たりは|京i 形ぷ九三や 組立て誤差により大きく変化するため,歯当たりを考慮したかみあい的而の}n} Jví 面圧やすべり速度などの摺動条件と歯面の焼付きや摩耗発生状況との閃述がわか れば,損傷防止のための歯面修整や諸元などを最適化することができ, ウォーム ギヤ設計精度の向上につなぐことができる。 この観点か第4章で各種誤差を考慮できるウォームギヤのI山弁たり解析手法を 述べた。本章は計算により求められる面圧, すべり速度や油膜!立さなどの条件と 歯面損傷発生状況との対応がつくかどうかにつき,誤差を与えたウォームギヤを 負荷運転して調べた結果をまとめたものである。検討の結果, 1者団上の局所最大 国圧などを基準にすれば,歯面損傷発生限界をかなり定法的に推定できることが わかった。 5.2 52.1 試験方法及び試験条件 試験装置 注転しながら試験トルクを滑らかに変化させることができる動力循環式ウォー ムギヤ試験機を製作し実験に川いた。以1 5 1に試験装荷の外観と動力術環系の概 - 89 可� (a)外 観 ①試験ウォームギヤ 向、 ハノホイーjレ /②増速ウォームギヤ ト-tI} /④駆動モータ ⑤差動歯車装置 ウォーム 油圧ユニット ハンドル (トルク付与) 動力循環方向 フーリ (b)概略図 図5-1 試験装置 90 、� 略凶を示す。試験ウォームホイール①と明述川ウォームホイール②をrI iJ芯でキ11 -'(l て,増述ウオーム装置のウォーム軸③を千五動モーター④にて.\��I 10)する。術環トル クは差動向111装置①をnJいてイ,j-与し,系を侃環するトルクのイ11'[は作rl!ll!にキIL込んだ トルクメーター①⑦③により検出し,検{ll,偵をモニターしながらトルクを設定す るようにした。 駆動モーター7.5kWで, il立大循環トルクは約150N . mである。 5.2.2 試験歯車 試験歯車の歯形はJIS 3形とし, 表5-1に示す2種類の組合せを選んだ。 試験 歯車Iは通常のウォームギヤでホイールに歯筋方向のクラウニングを設けないも ので,試験歯車Eは歯筋方向に中高(8μm)のクラウニングを設けたものである。 試験歯車材料はウォームがSCM415浸炭焼入れで研削仕上げ ホイールはPBC2 (りん青銅, 硬さ90HB)でシェーピングホブ仕上げである。 的而仕上げの状況 は図5-2に示すように歯たけ方向でウォーム約3μmRy, ホイール約4μmRy であ る。 5.2.3 潤滑油 潤滑油は通常のウォームギヤ油相当(VG220,位圧添加剤なし)及び中,1; J立が小 i の割合でかみあい部に強制給 さい作動対j (VG56, VG32)を500Cにて, 5R/mn 油した。 5.2.4 試験方法 試験的車をキrL立て,f1E負荷にて所定の的当たりを雌認した後, ウォームIIlJ転速 j支を上井させ, 9定に保持した後に試験トルクをSN'mまたはI ON. m好:に附段 91 、� 表5-1 試験歯車の諸元 試験歯車 ウ オ ム ホ イ jレ 11 条数 3 ねじれ方向 右 右 リード 58.434 18.535 進み角 17V 53'46" 4 15'37.4" 歯直角圧力角 20 deg 15 deg ピッチ円直径 57.8 mm 歯直角圧力角 20 deg 15 deg モジュール 6.2 5.9 4k二 陸l 数 31 48 4陸上二l 好3 JIS3形 JIS3形 中心距離 125 92 mm v 79.2 180 mm mm 、� 3pm 図5-2 歯面仕上げ状況 93 � 状にi斬増させて行った。- . 1',;f ili段附でのifr 1',;j逆転H、?iiijは60m inとし,作イ�;j 1[(段附 が終了する令J�に試月食機の点検カバー を開放してl術rM飢討さを行った。 I山1mにスク ラッチやホイール材の ウォームへの溶ポ(移お)などの焼イJきが ない'jLを付;認し て, 次の荷重段階へ進んだ。 またウォームかみあい的には,れ1hj逆転による|柄本体の?lrÆ )文宏化をモニターす るため, ピッチ線上, 1指厚万向中央部にクロメル ・ アルメル(CA)熱電対をJqt 込み, 運転に異常がないことを確認しながら試験を進めた。 歯面摩耗量の計測は,各荷重段階にてホイ ール歯而のレプリカを採取し,負荷 (かみあい)部と非かみあい部の段差にて確認した。 5.2.5 試験条件 試験条件の一覧表を表5-2 に示す。 摩耗試験(試験呑サ16, 17)を|徐き, 11 荷は荷重漸増方式で各試験にて運転できた最大トルクを示した。また試験寄号8 と10は複数回実験を行い, データが再現できたものである。 試験歯車は円使用 せず,各試験毎に新たなウォームギヤ対を使川した。なお友5-2の中で誤差を示 してい ないのは表記のある値よりも1桁以上小さな値で而圧計算等に際してはそ の値を無視した。 5.3 5.3. 1 試験結果 焼付き発生限界 各試験にて1缶百に焼付きが生じた条件を鉄則した結栄を!以I 5 - 3にぷす。償11411は ピッチ円)N] JÆ (V)で歯而のすべり速度と はほぼr'îJじである。 たて制!は出傷が生 94 、� 表5-2 試験条件と結果一覧表 誤差 番号 試験 潤滑油VG 歯車 220 イ ール 軸方向 ホ 中心距離 進み角 一 0.4mm噛 一 回転速度 負荷トルク (最大) rpm Nm 1800 100 4シ 140 。 100 そ少 120 ij 120 ,タ 80 700 40 3000 10 2000 40 。 30 ij 25 1200 50 1000 50以上 500 50以上 3000 15 備考 2 川ン 4シ 3 ij ij 4 ij ,タ 5 ij ij 6 Jン 32 7 jシ ろ, 8 11 56 9 ij ij 10 ij ij 11 。, ij 12 Jン ij 一 13 ペ少 ij 一 14 ij 'シ 一 15 ij ,ク 16 Jン る, 一 2000 10 150H 17 ,ク 。 一 3000 10 150H 18 ,ク 220 一 ij 20 19 tン ,ク 一 2000 10 一 外れ側 0.17mm:t首 0.4 0.17 一 15 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 0.7 」ー一一 9S 3ケース 2ケース 可� "140 Ez トムヘム定 叫 "100 主 80 ム 60 40 ろ ム 試験 歯 車 l ー "120 ト ほ: • 3 0\ VG220 11 詩子生 あり なしありi なし • 口 く〉 一 56 一 32 ム 一 一 Q \υ ... \、o \、V.. .G220 ぢVG56 ..... ⑤λ 20 dID.‘ 。 2 4 6 8 ウォームピッチ円周速 図5-3 "10 V, "12 m/s 焼付き試験結果 96 "14 。 一 • 一 � じた桁ífI段|;??の負術トルク (T)で, 試験ウォームの人)Jトルクを/Jどした。 凶'11 の上向き矢印(↑)はその何fli段階では焼付きJiifUは作.じなかったeJ4を/Jえしてい る。試験的-'Ilが同じ場合はT-V線はお下りになりþ)t 1Jき先生限界トルクがVの 上昇とともに下がって行く手が確認できた。 しかし, 組立て誤差を与えた場合, 焼イJき発生トルクは安わり, 誤疋をィラ!志し た実働面圧などを把握しなければ全く説明がつかない。また試験的点訪厄による 焼付き発生トルクの定量的把握も同様の検討が必要である。 潤滑油の粘度(VG) による焼イ寸き発生限界市立が変わった。 この場合はfr1î皮に よる歯面の潤滑状態の変化を求める必要がある。 これらの歯面摺動条件の把握は第3章の歯当たり解析手法によってI1J能であ り, 計算値との対応を検証した。 5.3.2 各試験歯車の歯当たり(接触応力分布)計算例を図 5 -4に示す。すべり述皮は 歯面上でほぼ一定であるので, 接触応力の最大値が歯而ヒのPV(接触応ノJ Xす べり速度)最大値になる。ホイールl歯分のかみあい に対するウォームの向転fJj を10等分し,各回転角での同時接触線上の接触応力分布を示したも のである。計 算値がある所が歯当たりのある領域である。 このような接触応力計算値を基準に図 5 -3に示したたてf�IJをJik大筏削!応力P" に変えて焼付き発生条件を幣理しl直した結果を図 5 - 5 にぷす。I�I 5 3でづ|くこ - とができなかった出傷発生の打無を示す境界線(凶 5 - 5 依級) がぶまった。 刊行↑ 97 一一一一一ー -_.�・・一一 (a)油膜厚さ I1・e噌"・・OIÆ・ 図5-4 l.・・ー-・" 接触応力・PV値・油膜厚さ分布計算例 98 ろ 〆2 100 ⑬ 川\ 〈 \ \ 煩 / ム ふ8 Ru nJ G V VG 200 150 阻 \ 圃爪 ・-、-4 F H 1 、 ! 止〔で足 三工 丘 何 脳 υ帆 和 山川 裏 700 600 500 400 300 損傷なし領域 50 5 ウォームピッチ円周速 図5-5 10 V, m/s 20 30 最大接触応力による焼付き限界の整理 99 ?rll粘J交が大きい(VG220)場合と 小さい(VGS6, VG32) �易介のそれぞれに 対してややばらつきはあるが限界線を引くことができる。これより的rM Hl似の先 生の布無には局所的な接触応力の大きさが大きく彩縛していることがわかった。 特にサイズや速度,歯当たり形状が異なる2種類の試験lおよ11が最大後削!応)J計算 値を介して同じ限界線で焼付き現象を議論できることがわかった。 そこで次に局所摺動条件と温度等の関連をさらに検討する。 5.3.3 歯本体温度の上昇 各運転条件での負荷トルク漸増による歯本体jR度上昇の様子を図5-6にぷす。 試験歯車Iではリード誤差を与えた場合は初期から異常な高温となり,後述する ように歯面摩耗も大きかったが,他の条件ではトルク値に対応して歯の泊皮が上 昇した。 各試験に対する右端のデータが歯面に局部焼付きが生じた場令である が, 歯厚中央部の温度は極端に上昇することはなかった。 そこで歯の局所PVぽ 大値との関連を調べた。 PV 値と温度との対応を図5-7に示す。 PV値のよ幹加と ともにウォーム歯の温度が上昇するが, 各試験条件(各誤差)での上昇の程度は 異ったものとなった。 しかし, 図中の記号をOで囲んだ運転初期のデータは太い 破線で示すようにPV値と温度に明らかな相関が認められた。 これは歯面局所PV値の計算を初期の誤差をもとに計算しているためで, 厳常 には各負荷ステップ毎の歯面なじみによる誤差変化量を考慮して局所PV仰を計 77:する必要がある事を示している。 ハU ハU 150 -、, , ・: ‘ 后 ; ./ ; 記号 。 一 試験番号 }J 田国 世 S 宅金 盟 +4 4 L 5 /イ:::11 し / 100 、4 十マ f、 50 0 20 40 60 80 100 120 トjレク司 N'm 図5四6 トルクと歯本体温度の関係 140 ハU 号一 番一 験一 12 3 4 5 試一 ・ 口。ム O ハU nu 子 骨 1 4 掴 長 M本 G 唄 ,Mm o υ 150 . リード誤差 \ 初期データ 20 0 10 20 30 PV‘(GPa.m/s) X 10-1 図5-7 PV値と歯本体温度の関係 102 40 5.34 的I町l埜燦係数を考慮したよ先イナき限界 ウオームかみあい歯面で発生する熱エネルギーは防隊イL 'jf.であるので[';fi I (!j )�r燃 係数を計算により求め試験結果と対応づけた。 摩擦係数(f)は歯面同時接触線上のEHL �ru)J失J1tさを計算により求め, rdlj I*i- rflî の最大粗さの和との比D値を用いて次に示す摩擦係数推定式.))により求めた。本 推定式はカム ・ タペット及び二円筒ローラより求めた実験式であり, 大すべり条 件でのデータも含んでいるので適用を試みた。すべりの大きなウォームギヤでは 完全な弾性流体潤滑状態になるとは考えにくい。 しかし ウォームギヤでD 1p1îを 考慮した摩擦係数推定式も見当たらないため 次式を用いて潤滑油粘度も合めた 評価を行っ た。 f = ここで 0.01 . (51ogD+1) に摩擦係数 D:向歯面の最大粗さの和/ EHL最小油膜厚さ 摩擦仕事は摩擦係数(f) X面圧( P) >くすべり速度( v )で示されるので, たて 軸に摩擦力に対応するfPをとり横軸にVをとって図5 - 3で示したデータを見 直した結果を図5 - 8に示す。試験歯車日に対する焼付き発生限界線はほぼ一本と なり, 高粘度油によるデータもfの減少として説明できることがわかった。 これ より ウォーム歯面の焼付きを規定しているのは歯面の川所摩擦仕事であ り, fPV合!I[が設計限界を示す数値になり作るといえる。 1 03 ろ 100 、 / 一 且同 一G一 一 W一 節一 試 一由一辺 一 5 験 歯て 一O 一6 』 n凶 2 , 市内比 50 10 105 104 V司mm/s 図5-8 摩擦係数( f ) X面圧( p )と滑り速度( 104 v )の関係 『司, S.4 柄I面の摩耗 ウォームホイール歯面の摩耗をホイール|山川かみあい部と)1:かみあい市段jCを レプリカ係取し,表面粗さ計で確認した。レプリカを測定した段去の状況を1�1 59に示す。 平行部がないため段差(摩耗深さ) の計測にはやや問題はあるが, 微 少なかえり部分を無視し図中のwで示す深さを摩耗量とした。 図5-1 0はトルク10Nm試験時間を1 50Hrとし, 試験番号[ 16]とい7]での摩耗 量の変化を示したものである。ホイール摩耗量の進行は初期摩耗の段階から勾配 が小さくなる定常摩耗の段階へと推移して行く。これは前述の焼付き発生限界以 下の条件での運転であることより理解できるo No17(3000rpm) より No16 (2000rpm)の方が摩耗が多い理由は, No17はすべりは大きいが油膜が厚く, 摩 擦係数が小さくなり, 温度上昇が大きくならないためと推定される。 なぜ勾配すなわち摩耗の進行度が変わるのかについて検討した。図5-10に小 す各部の勾配をよヒ摩耗量(摩耗深さ/(接触応力×総すべり距離)) で示し, 各 領域の摩擦仕事との関係を求めたのが図5-1 1である。比摩耗量が多いという事 は歯面がなじまず, 歯面摩耗が進展することを示している。 図5-11からわかる ようにfPV値が小さい領域では比摩耗量は小さいが, fPV > 3.5 X 105 N /mm 2 ・ mm/sの領域では比摩耗量が急激に増加する。PV値の限界は別の意味では異常摩 耗域へ進展するかによって決まると設定することも可能 である。 105 かみあい始め側 中央かみあい終り仮IJ 差 段 かみあい始め側 図5-9 中央 かみあい終り倶IJ 歯面摩耗量計測例 106 � 40 トノレク 10Nm 潤滑油 VG56 30 E ごL r rnl耐 凶骨怜 刊 20 幽 阻 �� / � -ー、 、十三、 試験番号16 試験番号17 10 。 。 100 50 試験時間電 H 図5-10 歯面摩耗量の時間変化 107 150 『司・r 10-8 εE・N Eε\ Z\ EE 酬…底剛回以叫 10-9 105 106 fPV司 図5-11 N/mm2・mm/s 歯面摩擦仕事と比摩耗量の関係 108 『司..- 5.5 結言 ウォームギヤ歯而の損傷として,焼付きと!営粍につき検11、jーするために, かみあ い歯面上の面圧(接触応力) , すべり速度 潤滑�III股計算及びそれからi'H� íとされ る摩擦係数と試験歯車負荷運転結果を対応づけ 次の結来をf!?た。 ( 1 )ウォームギヤ歯面の焼付きを規定しているのは歯而の局所摩擦仕‘Jlであ り, 潤滑油粘度が異なっても摩擦係数( f ) X面)王( P ) Xすべり速度( V ) の積が設計限界を示す数値になり得る。 (2 ) 歯面の摩耗の進行度も歯面の局所摩擦仕事であるfPVの他と相関が深く, 摩擦仕事が限界値を超えると摩耗も急増する。 ( 3 )歯面焼付き及び摩耗は歯面の局所摩擦仕事に対応しており 予測精度を向 上させるためには運転中の歯面誤差を考慮する必要がある。初期の的而誤 差で実用上問題のない程度で焼付き及び異常摩耗を予測できることがわ かった 。 109 『司� 第5章の参考文献 1) British Standard Institution, Worm Gearing, B.S.721 (1963). 2)和栗明編:歯車の設計・製作とその耐久力, (OR 55), 33 , 主主賢泣 3) AGMA, Surface durability of cylindrical worm gearing, 213, 02 (1952). 4)朝鍋・綾部・松本・金丸:潤滑, 22, 2 (昭52) 77. ハU 『司岡「 第6章 6. I 高速形商Ijり盤用主ウォームギヤ改善への展開 給 n 歯車加工機械のマスタウォームギヤは,製,�f, I街'ILの)]11 J�粁í )立を決定するiはも市: 要な機械要素であるが, 自動車用歯車のはすば化 量産化に十I�いl期市形l'J1jり幣 (ギヤシェーノて)のマスタウォームギヤ歯面に過度の摩耗が生じ製品歯車の車内度 が確保できなくなる課題が生じた。もともとウォームギヤはl�Î而が摩耗すること を前提としており, 摩耗量に応じてギヤ背隙を調整することになっている。 しか し,摩耗が急速に進んで調整の間隔が短くなり,頻繁な製造ラインの停止により 産工程に支障を来たす障害が生じてきた。 本章では,歯車形自Ijり盤に作用している荷重の計測及び歯面摩耗再現試験など を行い,摩耗量の定量化及びその評価にこれまで本論文で提案してきた手法を適 用し, それ が有効であることを示す。 6.2 6.2. ウォームギヤの歯面摩耗状況 1 高速形削り盤と対象ウォームギヤ 歯車形削り盤は歯車形のカッタを歯すじ方向に往復運動を与えるとともに彼自リ 増市の回転割り 山 し運動と 同期させ歯を加工する工 作機械である。 普通の外歯車 の他に内歯車,段付歯車及びブローチ加工できない底付の内前車も容易に切削 す ることができる。歯車形削り盤の外観を図6 - 1に示す。また装置の代表的な寸法 l刈を凶6-2に示す。詳細は省略するがNC化により段取り符えのH .��問を従米のがJ 22分から7分に低減し, カッタの上下位前(1 1VJ調諮や定寸イ立川111J ïEが谷幼にわ: i l l 『司町 孟。圏 �.e‘: ・‘・‘・ 図6-1 ギヤシェ-パ装置の外観(三菱SA25NC型) 112 図6-2 ギヤシェーパの寸法例 113 『司・「 ぇ, 1 0種類の切削条件を予めプログラムできることなど多将少泣加工にも刈- }必 できるようになっている。 テーブルとカッタヘッドの位置関係を12<(1 6 - 3にIJミすが カッタが[--ドにれ彼ill 勤し,そのストローク周期に合わせて被削歯市を載せたテーブルをrnl転させる機 構を持っている。図ふ4はカッタヘッド部の構造を示したものである。 ホイール と同芯でカッタ主軸をセットし,台形スプラインのヘリカルガイドで往復と折動 回転運動を与える。 このカッタヘッド部のウォームギヤを上ウォームギヤ,被i引j 材を回転させるウォームギヤを下ウォームギヤと呼んで区別している。 摩耗が過度に生じたのは上ウォームギヤである。 ウォームギヤの諸元をぷ6lに示す。 歯形はJ1S 3 形ウォームで減速比は84である。 ウォーム歯面の進み角 を右と左で若干異なら せた複リードウォームとしている。また本機種 の特徴とし て正逆転の運転があり,正逆転時に潤滑油が導入され易いようにホイールl�羽田iは 中高のクラウニング1) (歯幅中央対称に8μm中凸)形状としてある。材料はウォー ムがS CM415の浸炭焼入 れ, ホイールがABB3 (アルミ青銅棒材切出し) であ り, 規格硬さ160HB以上である。 ウォームギヤは形状が複雑で精密に作ること がむずかしいことから,真の接触面積が大きい状態で,すなわち完全にJIメいill1肢 を維持した状態、で働くことを期待するのはむずかしい。 また, すべりが大きい。 ゆえに材料の組み合わせも円筒歯車などとは違ってくる。基本的な考え万として は,働く回数が多く,かつ正維な形に作りやすいウォ ームに硬く焼入れした銅を )]JしEて1持続に研rfリ仕上をし,ホイールになじみやすくまた銅と添え守しにくい材料 114 『司・r カッタヘッド ON N スピンドル最上端位置 。 +ー O ぱ3 co ぱ3 寸 れj 270 図6-3 スピンドル最下端位置 テーフル・ カッタヘッド位置関係図 115 『司町 ホイール (上ウォーム) オーム ヘリカルガイド ホイール (戸笥 50山 スト口一ク最大70mm) 主軸 - と3 +下 任 期 上川 同 ‘ … 被削材 図6-4 ム ォ 内ノ 至下 円1什1 カッタヘッド部概略図 116 表6-1 ウォームギヤ諸元 ホイール ウォーム モジュール 3.05 (右) 2.95 (左) 口数及び歯数 1口 84枚 ピッチ円径 件60mm 件156mm 進み角 2.91 (右) 2.820 15 圧力角 有効歯幅 材料 (左) 27.5mm 一 SCM415 (浸炭) 117 ABB3 『・r を用い , ウォームの形になじませて川いており , 内定にはりんN- JIII]が多く)11いら れ, 好結果を得ている02)しかし, 今回の的Lli 7f� ['jリ り幣の場介, イ泌さがr', ;Jく慣川 的に耐摩耗材と認識されてピッチングが発生しない限界の[1立大技触j必ノJが111jい3) アルミ青銅が用いられているo歯面の仕上げはウォームが研['íリ(約2μm Ry), ホ イールがホブ切り(約 1 0μm Ry) である。 主軸のストローク速皮はわ'i分250 ---1,350回, 最大ストロークは70mm である。 6.2.2 歯面摩耗の状況 図6-5にウォーム歯たけ方向に計測した歯面粗さを示す。被巾j 歯車のねじれf(J 31degに設定し, 500時間非切削運転した結果である。 ホイールとかみあう部分 が最大で約1 5μm摩耗している。通常ウォームはホイールより硬いので摩耗しな いが,今回はホイール材料に含まれる硬質マトリックスによる影科が大きく さ らにかみあい回数が多いことによりウォームの摩耗 が生じた。 実製造ラインで稼動したウォームギヤの摩耗状況を調べたところ,表6-2に不 すように, 上ウォームの摩耗がはすば歯車切削時に特に大きいことが判明した。 下ウォームもはすば歯車切削時には摩耗が生じていることもわかった。製造ライ ンでのパックラツシを積算値で示したのが図6-6である。通常条件(平向車切削 時)の約2 ---- 3倍の調整が必要になっているoすなわち調整間隔が半分以下に短 くなっていることになる。 ここで着目すべ きは, 通常条件と摩耗が過度に生じる条件の速いである。 通常 条件ではほとんどが平的平か はすば歯車で もねじれ角が10deg台と小さい場介 118 『司・r 摩耗量の内訳: ウォーム『 ホイールとも摩耗している。 図6-5 歯面摩耗の例 119 表6-2 製造ラインでの摩耗状況 上ウォーム 実測値 摩耗量問ゐOH 下ウォーム 平 はすば‘ 10'"'"'20 50'"'"' 70 36'"'"'48 (平均15) (平均60) (平均42) 120 平 はすば‘ 『司咽『 ハU ハU u n o ハ ] 埋 掛 眠時 れ [ Eミ)酬 鮒馬 会 公 六 く ( [摩耗例] ....... ..- .... "fI' 通常条件 ,凋r /初期摩耗 /I(守じlみ) o 2 4 6 8 10 12 14 運転時間, 月 図6-6 製造ラインでのウォームギヤバックラッシ調整量 (積算値) 121 -咽『 で, 摩耗が過度に生じた場合では, はすば的IドのねじれJfJ 1J\ 3 0 d e g台と大きい条 件の時になっている。 そこで,摩耗低減対策を講じるに当たって, ウォームギヤに作川しているfF11lt :j 条件が異なっているのではないかと考え,稼勤時の諸条件の測定を行うことにし た。 6.2. 3 ( 1) ウォーム挙動計測による摩耗原因の検討 計測項目と計測部位 計測の目的は,被削歯車のねじれ角が大きくなって行く場合のウォームギヤに 作用する荷重や振動(加速度)を把握することである。 刈6-7に上ウォームギヤの計測項目と計測位置を示した。ウォーム軸はリード ワイヤを軸端部のスリップリングに繋いでいる半導体歪みゲージによりトルクと スラスト荷重を, ホイールは上面2ケ所に圧電型加速度センサを同定し, 上下)f 向加速度と円周方向加速度を測定することにした。またウォーム軸IMI受部の加速 度はケーシング外側に貼り付けた歪みゲージ式加速度ピックアップで測定した。 回転速度はウォーム軸回転パルス, カッタストローク上死点パルス, ホイール位 置を渦電流型変位計で測定することにした。データは同時記録し, 相互の関連か ら挙動を検討することにした。 (2) ウォーム軸ゲージ較正 本測定の主項目であるウォーム軸に作用する力(トルク, スラスト術主)はII�I! 直径が大きく通常の盃みゲージでは検出他が微小となる。そこで半導体iliみゲー 122 『司・E カッタカム上死点、パルス モータ倶IJ しコ 渦電流型変位計 鉄片 ウォーム軸 ホイール ホイール上面 上下方向 加速度 ウォーム軸受 加速度3点 y �斗 x� 卜jレク ウォーム軸回転パルス スリップリング 図6-7 ウォーム挙動計測概念図 123 ホイール上面 加速度2点 J上下司 円周方向 『司咽E ジ(ゲージ長2m m, ゲージ抵抗116 D, 共和電業)を)11い, [ヌ1 6 - 8にぷす方法 でトルク, スラストに対する較正を行った。トルクはウォーム'IQUをパイス介で同 定した後, 分銅によるデツドウエイトによりトルクを加え較正した。 また, スラ ストは締付けボルトによる負荷を加え較正した。図6-9に較正結果をIJミす。トル クは 1.0 X 10-3ストレインま で, スラストは5 X - ストレインまでの帝京Jf3- '['fj:カf 103 確認できた。 ( 3 ) 測定結果 刈6 - 1 0に荒歯切り及び仕上げ時のウォーム軸計測結果を示す。荒歯切りH与の 切削により切削なしの時から大幅にトルクとスラストの発生が雌認できる。イ1: 1こ げ加工時は切削の有無による差違は小さい。 ねじれ角Fの違いの影響を図6- 1 1に示す。 荒歯切りn�Fに大きなトルク スラ スト変動が生じている。また仕上げ時にはねじれ角がある場合に大きな荷電発生三 が認められる。 カッタオフセットを行わず干渉させた場合 と干渉しない場合の違いを調べた結 果を図6- 1 2に示す。 カツタ干渉では, 時間は短いが切削による場合とほぼ同等 の荷重が発生することがわかった。 両速切削の影響を調べた結果を図6- 13に示す。 荒歯切り, 仕上げとも大きな 差異はないことがわかった。 背141を変えた結果を図6 - 1 4に示す。 荒歯切り, 仕上げとも大きな差は認めら れない。 124 『咽『 トルク計測用 (a) トルク較正要領 �締付ボルト スラスト言十測周 ゲージ なまり薄板 �出 力 ロードセル (b)スラスト力較正要領 図6-8 計測ウォームのトルク『 スラストの較正 125 『咽『 酬 屯い わ +(正回転) ' 、、.1' 長 / 長 川UU 平 由 \ 《 \ ー , 一,+ ' a ,、 ユ IA 一 ' e , ,, '' ノ 、 勺J +A, L内J ,J/. 平 〆 〆' 〆 〆 〆 〆 〆J 〆 ノ '' J 〆/ノ 〉 ~〆 〆 』 ノノ 'J ' 〆 ノ 〆 〆 ' 'J ~4 ~ 司一 t ' G山 芯小 司 e椛 二 、 + 判 り ,一 , = ンナ … ユ , A ,, , 、、‘, u 門u 'KH 11J ( 一一 2 m ' E 3C 芦 F f 今 し・ F 4 '〆大 込 \ “ 市軸 / /' ノ '' ' ' a γt Aソ ''J '' ノ ''J ''J a, J ,, J ae i、BF h 、 、, a ' 直\ '' f a i - a , , ' ← ヨ ケ 恒 巨ナ Lー 口 一 一 = 400 (kg) ''ノ ''J ,,〆 ι, , , , . N・ r r r f / , ,,・ ,,, ,,, J '' ノ '' J '' J '' J '' 〆〆 ノノ '' r '' i ' J, ' ノ ' 〆 〆 i l i , 『同峨 〆 J ''〆 ''J ''J ''ノ 〆 ノ ''J 1J 6 nu 4l ×r /\O ハU FhJ 酬 母い わ 126 算 F +1 ==口 J '' ''J 〆〆 ,,ノ 〆v ' e' Ju , h, H ・ H・ r r r f f J '' J '' 〆ノ 〆ノ ノ '' J '' '' 〆 ' , , 〆 4・ ' , , .' ', a e J' . ' ' 6 ハu 4l ×r f1、 ハU ハU FhJ 酬明 tNb b トルク『 スラスト較正結果 図6-9 (kg' m) 卜jレク ウォーム軸スラスト較正 共通条件 試験 No. 切削 34 毎 33 有 五有\認E!!!寺 仕上 u 主1) 主 ストローク数 700 1050 ストロ-1/min 円周送り 0.5 ラジアル送り 0.3 mm/ストローク 0.023 0.011 mm/ストローク ブレーキ設定 約3 約3 N バックラッシ 15 15 μ円1 右ねじれカッタ正転時 β=36 -2 Z /切削あり(T.No.33) -4 -9 -8 -10 上死点 v E トムヘム諒 4 l hnひ ム審 4.i 特 ハ」 E ・Z) トムヘ ( ねじれ角 点 死v 下 点 死 上 々f llO ツ可 カ 点 死v 下 点 死 上 ゐノ ツV10 力 上死点 v 〔荒歯切り〕 � 時間 -2 -4 -6 -8 〔仕上げ〕 �時間 -10 ト-→ ト→ 0.01 sec 0.01 sec 5 ハU ハU ハU ハU ハU ハu nu ハU 0 0 5 J Z)4Uκ 刊 代 詩 4.| 骨 子 〔仕上げ〕 〔荒歯切り〕 図6-10 。 計測結果1 127 (切削条件の影響) 共通条件 五�寺 試験 ねじれ No. 角 ア 。 16 22 33 36 .Jlt... さ 仕上 ストロ-ク数 700 1050 ストロ-7/min 円周送り 0.5 0.3 mm/ス卜口-7 ラジアル送り 0.023 0.011 mm/ストローク ブレーキ設定 約3 約3 N バック ラッシ 15 15 μm 右ねじれカッタ正転時 E ・Z) トムヘム審 4 1 骨 子 ( 。 E Z -2 いえ ム審 4.l hnh」 ー4 -6 -8 -10 β=36 〔荒歯切り〕 一一予時間 点 死 上 上死点 v 々f -。 ツ可 カ 点 死v 下 カッタ上死点 v 下死点 上死点 'y 'y T.No.7(β=0- ) ー2 -7 -6 T.No.33(β=36- ) -8 ト 〔仕上 げ〕 一� - 10 ト---1 0.01 sec 0.01 sec ハu nu ハU ハU ハU ハU ハu nu nu 「ヘ》 ハU FhJ JZ)斗 代 州 代 語 斗 | 特 ひ 戸2000 Z ム1500 「く |ト1000 代 そ忍 雪 。 十マ ひ \ β=36。 500 。 〔 仕 上 げ〕 〔荒歯切り〕 図6-11 時間 ←→ 計測結果2 128 (ねじれ角の影響) 共通条件 干渉 オフセット 41 有 。 38 値 試験 詰メ却型i No. 仕上 荒 ストローク数 700 1050 ストローク/min 円周送り 0.8 0.3 mm/ストロ-'J 左22mm ラジアル送り 0.023 0.011 mm/ストローク 3 N ねじれ角 36 degree /\ックラッシ 15 μ円1 ブレーキ設定 カッタ上死点 v 上死点 v 点 死V 下 点 死v 下 カッタ上死点 v E -2 Z ト ムヘム 藩 d l 令 れ』 E ・Z ) ト ムヘム 審 斗 | 骨 子 ( 。 。 -4 -6 -8 〔荒歯切り〕 � 時間 ト-→ 0.01 sec -2 -4 -10 200 ___1500 ___1500 ム1000 ム1000 Z Z ぷ500 代 L:; 「く If\ 500b rく 毛E -HI!t 幅十 、3 、司 十マー500 b 令-500 ひ -1000 -1000 〔仕上げ〕 〔荒歯切り〕 図6-12 計測結果3 (カツタ干渉の影響) 129 上死点 v 共通条件 試験 切削 円周 送り ラシーアル モ.11さu 2.0 0.015 仕上 0.8 さ1.1 さu No. 高速条件 (A) 品速条件 (8) 従来条件 主�寺 送り 0.01 ねじれ角 31 31 degree 1.0 0.023 ブレーキ設定 3 3 N 仕上 0.67 0.01 さ1.1 さu 0.5 0.023 パックラッシ 15 15 μ円1 仕上 0.3 0.01 77 76 52 下 77 ij 52 E ・Z ) ト ム「ム 審 4 l h円ひ ( E ・Z ) ト ムヘム 審 4 l hnh』 ( -2 タ -4 下No.77 -8 〔荒歯切り〕 � -10 v -2 -7 -6 -8 '-...-./ 〔仕上げ〕 一一争 -10 時間 ←→ 0.01 sec Z ム1500 ム1500 「く rく 「く lト1000 ・・ 代 ・ ・ 雪 -æ 500 。 500 十で ひ 〔仕上げ〕 〔荒歯切り〕 図6-13 計測結果4 130 時間 ト-→ 0.01 sec 戸2000 11'1000 上死点、 。 Z 骨 子 点 死v 下 点 死V v T.No.76 。 カッタ上死点 v 上死点 --2000 き 1050 ストローク/min 700 v モE 仕上 ストロ-ク数 カッタ上死点 -6 さ.11さu (高速切削の影響) 共通条件 試験 No. 63-2 57-2 五�寺 ハー ッケ フツン m 35μ m 15μ -2 T.No.63・2(1\ックラッシ35μ) -6 -8 0.3 mm/ストロ-7 0.023 0.011 mm/ストロ-7 ブレーキ設定 3 3 N ねじれ角 36 36 degree カッタ上死点 v 〔荒歯切り〕 一一争時間 上死点 v 。 E -2 Z トム「ム 諒 4 1 骨 子 トム「ム 事 d l hnh』 -4 -4 T.No.63-2 -6 -8 -10 ト-→ 0.01 sec 〔仕上げ〕 �時間 ←→ 0.01 sec 2000 2000 。 0 ハU ハU nU ハU 5 十で-500 -t" 5 代 1[\ 500 代 T.No.63・2 0 ム1000 ハU ハU ハU ハU ハU 門u Z 5 Z)ム 代 小 代 語 4 1 骨 子 ( ____1 ___ 500 4 0.5 上死点 v T.No.57-2( / \ックラッシ15μ) -10 モヨ -HIIt 円周送り 下 E Z 700 1050 ストロ-7/min 点 死v 下 。 点 死v カッタ上死点 v 仕上 ストローク数 ラジアル送り し一一 iJ さ1.1 さ -1000 -1500 〔仕上げ〕 〔荒歯切り〕 図6-14 計測結果5 (バックラッシ設定の影響) 131 課題が生じたのは高速使用のNC改善型であるが 従米r6J刷機とのjc iさを制べ た。 図6 1 5にその結果を示す が, 機橋間に大きな先兵はないことが分かった。 - これらの結呆をまとめると通常の切削条件に対して次のような特徴的な不動が あることが分かった。 1 )ねじれ角が大きくなるのに伴いウォームへのスラスト方向の作nJ術取が明 す。 2 )荒歯切り切削時の荷重変化が大きい。 3 )正転加工時の切削力は荷重を緩和させる。 これらをモデル化して行くと, 図6 1 6のように荷重モデルと荷重の向きが表 - せることが把握できた。 すなわち,摩耗の原因は被加工歯車のねじれ角が大きくなり,志向-'Iï.加工fI.ÿ.に平 歯車加工時の荷重の2-----3倍の荷重が作用したためと推定できた。 この荷主よl月の 程度は摩耗量がほぼ荷重に比例するとすれば, 摩耗増の程度に合致する。 従って歯車形削り盤の摩耗対策としては, 従来よ りも大きな荷重が作用する ウォームギヤの摩耗を従来並み以下にすることを目標とする。 6.3 歯面摩耗再現試 験 6.3. 1 試験装置と試験ウォームギヤ 前節で明らかになった荷重変動を与えられる試験機を作成した。装置の概念凶 を凶6 1 7に示す。上ウォームギヤ部分を試験片とし, ホイール仙に歯車を設け, - 減速歯車 とタイミングベルトを介して負侍モータで変動負荷制御を行った。変動 132 共通条件 使用 機種 ねじれ 切削 角 34 SH251 36 毎 56 SH251 改(_N C) 36 鉦 33 SH251 36 有 57 SH251 望�C) 36 5 カッタ上死点 v o -2 ペ? ム語 4 1 骨子 トムヘ 川ン -4 -8 -10 時間 ト-→ 0.01 sec 2000 2000 �1500 _......1500 Z Z ム1000 「く If\ 500 「く モ在 価+ 斗 ム1000 1.... 代 If\ 5001uC… 「く 事 、ゴ 。 十で-500 サマー500 ひ ひ -1000 -1000 〔仕上げ〕 〔荒歯切り〕 図6-15 計測結果6 133 (機種の影響) 3 4 6 7 3 3 5 5 E ・Z ) ( ム審 d l h円れ」 E・Z) トムヘ ( ム↑ 一一争 3 nu v ん 、 Mげ 3 j v T.No.56 〔荒歯切り〕 -10 0.8 下 下 上死点 -4 -8 0.4 有 T.No.33(SH251) T 中心 ウォームモシ。ユーjし T.No.57(SH251改NC) -6 中心より 後方 リリーヒ‘ンゲ量mm 。 -2 SH251 改(NC) カッタヘッド支点 点 死v カッタ上死点 v 註当と SH251 死 VT 試験 No. 上死点 v 荷重モデル [仕上] [荒仕上] 上死点下死点上死点 +1 I _ 。 上死点下死点上死点 + I 切削力0 荷重の向き右ねじれ正転時 | ホイール は逆転時も向変わらず ー ー〉は逆転時方向反転 一→ ウォーム 図6-16 ウォームに作用する荷重とその方向 134 � 1/5減速モータ 0.75kW GLM-2B-5-075 360rpm � [実測295] 300rpm 日精工業 [180rpm] m3 1/50 [m5 1/83J 1kW DCモータ C-1000-15 山洋電気 43rpm 25z 図6-17 歯面摩耗再現試験装置(概念図) 135 負ィ可制御の電気回路構成図を8Z1 6-18 に 示す。 試験にjjたっての計測は1;;(1 6- 1 9 に示すように ,ウォーム軸の トルクを歪みゲージで測定し スラス トノJは!官僚係 数を0.05と仮定しトルクの値から換算した。ウォーム11111似数は300rpm -どとし た。 試験ウォームギヤの諸元と形状を図 6-20に示す。試験前の歯!市平11さrtll *)�をi災l 6 - 21 に示す。 歯車形自Ijり盤に使用しているウォームギヤをそのまま川い たが ウォーム は約lμm R , ホイールは約3 y � 5μm R にした。 使用した潤滑�IÜは 3程 y 類で, 性状表を表6-3 に示す。 油A,Bはパラフイン系鉱hlJ. �r�l cはイ7機モリブ デン入り極圧ギヤ油である。 油A, Bは作動油と共用にすることを前提とし, �III Cは高粘度による潤滑改善を期待した。 6.3.2 試験結果 表6-4に試験結果総括を示す。 試験番号順に実験を行った。 以下表6-4にア した)11買に述べる。 試験①は摩耗挙動の再現試験である。 荷重1500N (通常の100 %定格スラス ト)をかけて80時間で摩耗量(パックラッシの増加量)が25μmになることが 確認でき,本試験を基準として 摩耗対策試験を進めることにした。試験①までは ホイール材aカ\A BB3である。 試験②では, 歯面相lさを小さくした。砥粒含有ナイロンブラシにより, ホイー ルを約2μm R , ウォームを約lμm R に仕上げて試験を行った。 総摩耗泣に改 y y 持が凡られ, 約1 0011守問で摩耗に飽和の傾向が見られた。 1 601時間後のウ ォーム 136 低周波発信器負荷率切換回路電力増幅器 負荷方向切換器 f=1 0'"'-'1 OOHz 図6-18 (電流) 変動負荷制御回路 137 SLlP RING REB-8A 共和電業 STRAIN GAUGE KFC-2-D 16-16 共和電業 図6-19 試験機での計測部位と計測項目 138 ホイール ウォーム リード 3.0 ピッチ円直径 口 60 歯 mm 84 数 モジュール 3 圧力角 15度 数 中心距離 156 mm ウォーム詳細図 ーυ一 突 一什 通一 深 り一 ハり 会」一 P 4 l座 ら一 一 /\ 1- 分一泊 等一世 <D ぱ3 等分6・ゅ8テーハ・ピン穴 件10座ぐり深10 。ωN NmN OON 図6-20 試験ウォーム ・ ホイールの諸元と形状 139 し側 R但Ij 使用前(1 ) 使用前(1 ) Feínpn:ïf 作1akroQre.ph (a)ウォーム R倶IJ し倶Ij f 仁川戸 'l Per1hen 江土二i �ー} 1206 門「εkrogreph (b)ホイール 図6-21 ウォーム『 ホイールの歯面粗さ (使用前『 歯丈方向) 140 表6-3 潤滑油性状表 単位 銘 ネ丙 引火点 動粘度 40VC 100UC C X1 X10-6m2/s 0・6m2/s イ蒲 考 シェルテラスオイル32 32.0 5.5 204 パラフィン系鉱油 B シェルテラスオイル56 56.0 7.8 240 パラフィン系鉱油 C オプチギヤBM5150 218 18.8 232 有機モリブデン 入り極圧ギヤ油 A 141 摩耗試験結果一覧表 表6-4 ま蕨耳 (歯百〕 試験目的 Test ウォーム ホイール ウォーム ||回転数 No |・予備試験 I ABB3-SI SCM4151295rom 。 I (現行ホイール・ウォームの本試験|桝02・R I R I 正転 装置上での摩耗挙動チ工/;) |・面粗度向王王イール追加試験| T R-① ↑ R-⑦ |試験 I ⑤I (河川で40H運転した同一1#299・L L-② I PBC3 | ・ホイール材質変更試験 | ③ I (テスト7と同一条件歯面に I 対し‘150kgfを与える) ↑ �ックうッシ調整試験 ⑨I (テスト8で当たりのついたホ T イール歯面に対し司ハ'ックうッシを 調整によるウォーム新歯面との 組合せ) |・最高対策試験 ⑪I (テス卜9の歯面に対し.オア チキ'アBM5150潤滑にて 250kgfを与える) -準最高対策試験 L L- ① L 干 し② o 2040 60 80 100 120 1 ミ20ト / 圃 _I fI .... 時 10← リ ーー ν 。Oす古(H ) オ7'チγJ7BM5150 テラス#32 250 250 250 ;:1二k 30ト E 1161 三20ト / 圃 / • 金 150 150 1/ 001γ古(H) oH「tEIH1 250 I 19) 18) 円イ770 し L -② 正転 140 160(H) ー 30ト E 1 31 /' オアチキ'J7BM5150 250 「 ) __, 110), '2t:"-20ド , 圃lOt- o 20 40(H) 笹口」一一ι一一』ー し L-② 正転 テうス#56 250 - � 2サ .い1) 圃10十 世0' 20406060 180 142 63---67 '00 120H) H 正転 n 内u L-② ミd圃 } 司 を L ぃ件|叫|目 。 (テスト10と同一歯面組合せ に対し司潤滑油をテラス#56 に変え、引続き250kgfを 加えた) ・120%通常負荷500時間 連続試験 (テスト11と同一歯面組合せ に対し.通常負荷の120% すなわち180kgf負荷に て500時間) R-① 250 TA l ゐl T蹴 ・ 逆 面に司いきなり250kgfを 加える) R ーーーーー- '' '! 守' Jas' nU nu nu ハu nu nu 1 2 3 4 5 6 『 E、ご圃古島電 .ホイール材質変更試験 ⑦I (PBC3ホイールの新規製作歯I 20ト "---, ーを TA 6It 正 M35 |・ ハイスウォーム試験 ↑ ⑤ I (テスト1の現行ホイールのL歯面|桝02・LIL と新作ハイスウォームとの組合せ 試験) 『E 晶 121 1 � 'OI/ o ll: A T T瀞 歯面に対し、テラス#32潤滑 にて、250kgfを加える) 150 L-② • ウォームスラストl| (kgf) I 150 1 """ 2 , 11) ./ 20Hz 1 _� CI / T 正転 A T 十 @ i4+ 逆 |・特殊潤滑油当たり付ホイール1 百じを示す) 結果 ウォーム摩耗回 世oll:4 TA ↑法 ③ I (テスト2のホイール歯面に対し I #299-R ‘ウォームを新位置として 250kgfのスラストをかけホイール 面粗度の効果の確認) 11 |・特殊潤滑油潤滑試験 ④ I (テスト2のホイールの逆歯面に 1#299・L て、オアチrアBM5150によ る潤滑効果の確認) 潤滑油 テラス#32 E TE I t |・面組度向上 ホイール試E夷 ②I (砥粒含有ナイロンTうyシくオ;z: 1#299・ R fーン社製>による面粗度向 上ホイールの試験) 運転条存 歯面の摩耗量は1 9μm であった。 fお而粗さを小さくすることで ,摩耗52改汗の傾向がよよられたため,�A験①はl試験 ⑦のホイールを用いて, ウォーム位i�'I�を変え, 仰îfi=をIWやして,iA験を継続した。 試験②のスラスト1500N で摩耗量が飽和した的而は 2500Nで は大きな初WJ摩 耗になり,歯面仕上げ改善や歯面なじみ改善のみ ではl匂術主域まで述転できない ことが分かった。 40時間試験後の歯面は摩耗JEが大きくなり 1 2μm, ホイール8から ウォーム22μm となった。 試験④は試験②の裏側の歯面を用いて潤滑油を変史して試験したものであるo ?FJJ Cをなじみ油と位置付けたものである。 初期に40 時間す,'î度の大きいirjJ Cを使 用した。 初期摩耗率が大きく減少した。 試験①はその後, これまでの試験に用いた油Aに変えたものであるが, 40 1I与 問で10μmの摩耗となり泊Cによる歯面なじみの効果は持続しなかった。 試験⑤はS CM415浸炭焼入れ材の硬さがABB3のマトリクス巾の硬質組織に 対して不十分なので摩耗が起こると考え, ウォームを工具銅(ハイスM 35 )に変 えたものである。 歯面粗さは試験①と同様であるが, ウォーム硬さ増の効果は まったく認められな かった。 試験⑦は, ホイール材を摺動基礎試験で効果があったPBC3(リン??銅鋳造材) に変え, 2500Nの荷重をかけたものである。初期摩耗が非常に大きく, ',1_ WJに運 Inえ不能になった。 試験③は試験⑦ で荷重を 2500Nかけた ことが問題と考え, 143 去前而1をJ I Jいて 1500Nで試験を行った。 60時間で摩耗飽和の傾向がUjた。 試験①は試験③で得られたホイール的而を 新たなウォームとキ1[合わせたもの である。 摩耗量が80時間で約2μmに激減した。 試験⑪は試験①の継続として, 潤滑油を i!il Aからi!iJ Cに変えて 何i立を2500N に増やしたものである。 歯面摩耗が進展しなくなった。 試験⑪は摩耗が停止した試験⑬に継続して 潤滑油を油Bに戻し2500Nで逆 転したところ, 120時間で2μm程度の良好な摩耗状況が実現した。 試験⑫は1500N (100%)を超える1800N (120%)で述続運転を行ったもの である。500時間でlμm程度の摩耗になり, 実用域の摩耗レベルに到達したこと が確認できた。 6.4.1 狙い 大ねじれ角のはすば歯車加工に耐えるように設計基準を作成した。本論文で提 案したウォームギヤ歯当たり解析で確実に歯面の作動条件を定量化し,歯面なじ み手順を確実に行うこととした。以降の歯面摩耗トラブルは生じていないことよ り, 本基準は有効であるとして, 三菱重工業(株)京都精機製作所の工作機械のマ スタウォーム設計に活用されている。 6.4.2 改善設計の基本的な考え 摩耗対策試験の結果を踏まえ, 次の3項を基本的な考えとした。 (A)十分な硬さと歯面粗さの得られる材料のウォームと, 144 なじみ'1''1:の良いホ イール材の組合わせとする。 (B)運転中のかみあい而のhll股厚さを缶 l 百[} ;IIJ脱分離状態にすることを1 I 1��1{にす る。 (C)常に適正な潤滑油を供給する。 特にす14 }交とhl!中異物に1Ì:なする0 6.4.3 設計の手}II貢 図6-22にマスタホイール設計手順を示す。 本設計手}II買のポイントは, かみあ い歯面の面圧,すべり速度及び潤滑状態を前章までに述べた繭当たり解析プログ ラムを活用する点である。 ポイントになる手}II買の内容を以下に述べる。 ①負ィ苛の想定 設計の出発点となる。回転速度と負荷パターンの例を図6-23に示す。 スラ スト最大負荷で歯面焼イ寸きの検討を, 時間平均負荷で歯而摩耗の検討を行 つ。 ② 歯車諸元の設定 定の負荷に対し, 最大PV値に対する歯車諸元の影響を図6-24に示す。 削述の歯当たり解析プログラムで検討した結果である。PV値の低減にはホ イール径固定でモジュールを大きくし面圧を低減させることがもっとも効 呆的である。 したがって, 従来機種のマスタホイールの諸元を参考に, 許 容範囲でモジュールをより大きく選定する。 歯形の中高は�[I!膜形成にイT効 であり, 両端を4 ---- 8μm j存とした歯7杉イ彦経とする。 145 一 、'つ か 度 一 一 度 精 一 一 一 精 求 一 nv 工要 一 一 加 の一 一 「1111し レ 一何 転 llIL- 抗 抵 負 力 一「 蹴 回 モジュール 転位係数 圧力角・歯形 ウォーム すべり速度・トルク ト 一一一一一 (2) ホイーjレ: PBB2司PBC2 ウォーム: SCM 415 HRC62以上 卜(3) (歯元応力) し一一一一一一一ー 1 -- + - (5)ウォ ー ム歯車の歯当たり解析プログ ム ラ 「〔ベーシックデータ〕 NO NO I I I . :歯形・規格・モジ、ユール・圧力角・進 . み角・中心距離・転位係数・. . 〔潤滑油〕 粘度・粘度圧力係数・比重・摩擦係数 〔ウォームデータ〕 :条数・平均径・ピッチ径・ 〔ホイー ルデータ〕 歯数・平均径・ピッチ径・ 〔砥石データ〕 〔荷重データ〕 ふ 「歯元曲げ応力司接触応力司PVイ直司j由属 L厚さ司Dイ直司荷重 各分布図 ーーー田ーー」i 図6-22 マスタウォーム ・ ホイール設計手順 146 ← 。v一 焼イ寸きチェック 代 小 M門司冊4.1 ...L 一一-里喪主王乙7_____ f� f� �小 冊 $' 1 -k tトI rn医 � ar;;:;' … 皿ー 刊↑7・ 30秒サイクル 図6-23 ワークオート ローディング 負荷パターン例(三菱GH250P型) 147 計算条件 (モジューjレ) x (ホイール歯数) 5.9 X 48 283.2 mm 180 -中心距離 - ホイールピッチ円径 283.2 mm 76.8 mm ・ ウォームピッチ円径 50 N'm トルク 3,000 rpm ・ 回転速度 = � 50 = 坦 〉止村 階 nU ハU ハU ハU 4 3 2 1 Z EE・εε\ × )ω \ F ば3 Cコ -�失ふこよーー一一 3 4 5 6 7 8 モジュール -1 .0 図6-24 0 1.0 転位係数 (ウォーム) 20- 30 圧力角 歯面PV値計算例 148 510 進み角 ①ギヤ材研 工i支終的に はfruJ 摩耗試験で良好であったウォーム(SCM415泌氏焼入れ), ホ イール(リン青銅PBB2,PBC2)を選定する。 なお ウォームの似託収点fM 処理(セラミックスやイオンプレーティング)は'1性能改芹に寄与しない。な お, 従来はABB (アルミ青銅)であったが, これは硬さが大きく'1良川的に 耐摩耗材と認識され使われていた。 ④潤滑油 作動油でウォーム を潤滑することを止め できるだけ粘度の大きいウォー ムギヤ油を選定する。 ①歯当たり解析 かみあい歯面の作動条件や 潤j骨解析に歯当たり解析を利ハ]する。 ⑤焼イ寸きチェック 図6-25に図6-24の諸元にて計算したP-Vマップと焼付き限界の関係を不 す。 潤滑油により限界の設計を変える。 斜めの限界線の範問内かどうかを 検討する。 ⑦摩耗チェック 図6-26に図5- 1 1のデータを元に摩耗量と潤滑状態、(歯面*Jlさの和/ iril JJ英 厚さ)の設計マップを示す。 比摩耗量で, 所定の時間運転した時の摩耗]f( を計算し許容範 囲にあるかどうかを検討 する。 149 500 VG 56 (テラスオイル56) ハU ハu qu NE E \ Z 400 ,/VG 220 (ウォームギア油) 200 伊 工止 •• . " .. 5 100 モヨ司 � 叫判 50 2 3 すべり速度 図6-25 10 4 5 V. X10 15 20 mm/s 焼付き設計限界図 150 50 X103 1 OX10-9 (GH300のホイール司 EE-N EE\ Z\ EE r 酬 …底魁 試 潤滑油テラス56) 50X10・10 40X10・10 30X10-10 20X10-10 10X10-10 , 50X10・11 0.5 s , , , , 5 D値(表面粗さの和/油膜厚さ) 図6-26 摩耗量推定図 151 6.5 結言 高速歯車形削り盤(ギヤシェーノマ)のマスタウオームギヤのl向1[11 摩耗対策とそ の結果を踏まえた設計手)11:gの策定を行った。 歯面摩耗対策としては, まずギヤシェーパ稼勤時(切削加工作) にウォームに 作用する荷重の実測を行い,何重パターンやスラストの発生状況を把捉した。次 に把握した荷重パターンを再現できる試験機を作成し, 実物ウォームで述伝し 影響因子の検討を行った。その結果, ホイールをアルミ青銅からリン背jlrí]へ材料 変更,歯面なじみのための潤滑油の選定と負荷運転方法をゆjらかにできた。これ により, 本製品の摩耗トラブルが解消でき た。 さらに本成果を, ギヤシェーパのマスタウォームギヤ設計に爪かすため, 設計 手)11買を取り纏めた。 ウォームギヤの歯当たり解析による|病而PV仙の定hilt Jt併を 柱にして,新たな手法を構築し,設計基準として運用する道をつけることができ た。 152 第6章の参考文献 1 ) 山田 ・上野・石津: (間滑, 23, 9 (1977) , 671. 2)上野:潤滑, 20, 4 (197 5),234. 3 ) 111田 ・上野:潤滑, 25, 10 (1979), 7 0S. 153 第7章 結 きと〉 白岡 本研究では,従来研究例の少なかったウォームギヤの峨粍を合むl治則強)文IW fllli 法を確立するために,円筒歯車に関して笑川化されているかみあい[1.):の1fT] 11ぷ抜刷! 線の荷重分布を求める手法を, 産業界で良く使われているJ 1 S 3形とNicmann 附 形の二種類のウォームギヤへの適用に取り込んだ。また, 本研究で提案した的三lj たり解析手法を利用して,歯面焼付き限界及び摩耗の評価法を示し,lstagj i主的rlL形 内jり盤のマスタウォーム歯面摩耗トラブル解消を試み次の結果を得た。 ( 1 )工具とウォーム歯而との接触線を旬:山線としてウォーム的而を表示する ことにより, 任意の歯形について同一手順でかみあい解析をIlJ能とし, イ壬 意の歯形について, ウォームとホイールの接触級, 歯形誤差, 系II立誤乏を 考慮した歯面間隙間, 接触点における歯面曲率, すべり速度及びすべり必 の計算手法を示した。 ( 2 )産業界で良く使われているJIS 3形とNicmann歯形の二種類のウォーム とウォームホイールについてホログラフイを用いて歯のたわみ特性を求め た。 ( 3 )ウォームギヤの工作誤差, 組立誤差が歯当たりに与える影響を考慮した 上で, 同時接触線上の荷重分布を求め, この荷重分布をもとに緩触而!王及 び歯元山げ応力を計算する手法を構築した。 さらにウォームギヤの逆転試 !投を行い歯当たり及び歯元 I tllげ応力の実iHlJ他と 計 算イlむを比較した結果, �I� 者はよく一致し, 本手法の実用性をI�Jらかにした。 154 ( 4 )新たに作成した歯当たり解析子法を手Ij ) l Jして, ]�イ/1:ぷP三, キ11. \j'.ぷぷみえび 歯面修整量などを考慮したかみあい体í I討のJll]所前i}正すべり.iiliJ主及び;111 )]則三 さなどの摺mjJ条件に基づく歯而焼付き限界及び摩耗の許制!d去をぶした。 ( 5 )本研究で提案した手法を用い高速歯車形目iJり権のマスタウォーム的1M J�� 耗について影響因子の検討を進め, ホイールの適切な材料及び潤滑{lllの変 更によって摩耗トラブルを解消することができた。 さらに, このjぷよKをギ ヤシェーパのマスタウォームギヤ設計に活かすため, 設計手)IIITをとりまと めた。 本研究から, ( 1 下記の成果が得られた。 )産業界で良く使われているJIS 3形とNiemann歯形 の二穐類 のが奇形につい ての歯当たり解析手法作成と設計限界を示すことによるウォームギヤIÎ支社 時の信頼性向上 ( 2 )高速歯車形削り盤のマスタウォームギヤ設計への適用によるウォームl山市 の使用範囲拡大 155 謝 辞 本論文をまとめるにあたり, 終始懇切な御J行導とfa:p縦J注を11易りました九州大 学・有mr泰常教授に深甚なる感謝の意を表します。また,イf 11在な御ωJ iIをいただ きました九州大学 ・ 市丸和徳教授, 鬼鞍宏猷教授に厚く感謝の立をぶします。 また, 本研究開始の機会を与えていただき,暖かい励ましと御鞭縫をJ1易りまし た元・ 三菱重工業(株)広島研究所 ・ 強度研究室川111奇巌室長, 長崎大学 ・rm釧定11二 教授(前 ・ 三菱重工業(株)長111奇研究所長) , 引続き研究を展開するに当って多大 の御協力と御支援をいただいた三菱重工業(株)長崎研究所・ 松本71守主??,|lfjトラ イボロジー研究室・ 東崎康嘉主任に深く感謝致します。 本研究の発表につき御認許下さった三菱重工業(株)技術木部・間rll TfI秘常務取 締役に感謝申上げます。 本研究の遂行にあたり, 三菱重工業(株)長崎研究所, 名古屋研究所, )本山研究 所の多くの方々の多大の御支援と御尽力をいただきました。特に長崎研究所・強 度研究室田中保幸主査, 元 ・ 名古屋研究所河町洋主査, 広島研究所実験諜梶 原友幸主任に厚く御礼を申上げます。 - 156-