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第98号 2016年3月28日発行 全12ページ
Empowering Women since 1900 P.❶ 國枝マリ学長退任のご挨拶 P.❷ 2015 年度卒業式式辞(要旨) クリスマス礼拝要約 P.❸ 2015 年度 各賞受賞者報告 2015 年度前期 授業に関するアンケート 実施結果 P.❹∼❺ 総合政策学部について P.❻ Beyond Boundaries 構想 P.❼ シンポジウム開催報告 P.❽ 学生報告 P.❾ 2016 年度入試結果報告、寄付者ご芳名、 2016 年度オープンキャンパスなど 退職者ご挨拶 P. ∼ P. 公開講座のご案内、お知らせなど 98 発行日 2016年3月28日 発 行 津田塾大学 編 集 企画広報課 〒187-8577 東京都小平市津田町2-1-1 Tel.042-342-5113 Fax 042-342-5121 http://www.tsuda.ac.jp/ 國枝マリ学長 退任のご挨拶 國枝マリ先生は、1992 年に本学専任教員として着任され、2012 年 11 月からは学長として、大学を取り巻く環境が激しく変動する困 難な時期に、3 年 5 ヶ月に渡って本学の運営にご尽力下さいました。 任期満了にあたり、國枝先生よりメッセージを頂きました。 このたび、2016 年 3 月末日をもって学長の職を退任することとな 津田塾大学学長 國枝 まりました。千駄ヶ谷駅前という好立地にあ るこの場所を大学としてどう活用していくか は難しい課題でした。津田塾大学の将来につ いて真剣に考えるにつけ、教職員のあいだで の議論は沸騰しました。理事会の後押しもあ りました。在職期間中に公私にわたって支えてくださった皆様方に、 り、やがて千駄ヶ谷チームを発足させて具体 私が学長の職を拝命しましたのは 2012 年 11 月のことでした。以 には文部科学省への新学部設置認可申請を行 心より感謝申し上げます。 マリ 案を詰めました。その成果として、この3月 来、補佐していただく先生方としてアルトハウス先生、小川先生、新 うところまでこぎつけたことは喜ばしい限りです。新校舎の建設も着々と と呼ぶべき時期に津田塾大学の運営に携わってまいりました。着任 らぬご協力を得ることが出来ましたことに、心より感謝申し上げます。こ しての仕事を並行して開始したことで大きな困難も経験いたしました してくれることを願ってやみません。 びとなりました。皆様のご理解に、深く感謝を申し上げます。 せることにとどまらず、長年にわたる教学の中心である小平キャンパ 喜ばしい年となりました。これを記念して学内では、研究者の方々に えるべく改革をすすめることが課題として残りましたが、これは近い 本先生のご協力を仰ぎつつ、3 年 5 ヶ月にわたり、まさに変革の時代 年度は学期途中の 11 月に、通常の授業をもちながら学長室チームと 進んでおります。ここに至るまで、教職員はじめ実に多くの皆様の並々な のような新しい取り組みが、津田塾大学全体の将来に明るい光をもたら が、今回、次期学長には 4 月からお仕事をスタートしていただける運 津田塾大学としては、千駄ヶ谷キャンパスであらたな学部を発足さ 在任中の 2014 年は、津田梅子先生のご生誕から 150 年を数える スにおいて、さらに魅力的な教学体制、さらに現代的な教育環境を整 よるシンポジウムをはじめとする各種記念事業を展開するとともに、 将来実現されることと期待しております。梅子先生にならうことから 駆けて海を越え、女性の社会進出の道を切り拓いた梅子先生の先進性 える知性を備えた女性たちが両キャンパスから世界に羽ばたいてゆくこ 海外で学び、活動する学生への奨学金を拡充いたしました。時代に先 に思いを馳せつつ、あとに続く学生たちへの応援を形にできましたこ とを何よりも嬉しく思っております。 1900 年に梅子先生が女子英学塾を創設されて以来、津田塾大学は関 東大震災による校舎焼失をはじめ、数々の困難を経験してまいりました が、そのときどきの学長は関係者の方々と力を合わせて、それを津田塾 大学のいっそうの発展につなげてこられました。現在の小平キャンパス での4学科による教学体制はその賜物といって良いでしょう。しかし、 今日、津田塾大学を取り巻く環境は新たに厳しさを増しています。大学 教育の大衆化が進む一方、18 歳人口は大きく減少し、女子大学の存在 意義が問われるようになっています。日本全体の景気後退もあって、家 計に占める教育費の負担感から、国公立大学に志願者が流れることも顕 著です。そのような状況の中で大学進学を目指す若者に津田塾大学をど のようにアピールしたらよいか、どうしたら建学の精神をいかした質の 高い教育を提供し続けることができるのか、多くの教職員の方たちと知 恵を出し合って、改善に取り組んでまいりました。 その一つの結果が、2017年4月設立予定の総合政策学部です。これ は、本誌でもさきにご紹介したように、津田塾大学にとっては、1969年 に国際関係学科を設立して以来の大事業です。飯野前学長の時代に、財 団法人津田塾会から千駄ヶ谷の校地を寄贈されたことからこの事業は始 生まれたあらたな教学構想 “Beyond Boundaries” のもと、境界を越 とを楽しみに、かげながら津田塾大学の発展をお祈りしております。長 年にわたり、お力添えをいただき有難うございました。 新学長に髙橋裕子教授が就任 國枝マリ学長の退任にともない、2016 年 4 月1日付に て髙橋裕子(現津田塾大学 学芸学部 英文学科教授)が 新学長に就任します。任期は 4 年となります。 略歴 学歴 1980 年 3 月 津田塾大学 学芸学部 英文学科卒業 1983 年 10 月University of Kansas, Graduate School, Dept. of History, M.A. in History(1981 年 9 月~ 1982 年 6 月 学生国際交流制度に基づく日本 政府派遣留学生、1982 年 8 月~ 1983 年 5 月 ロータリー財団奨学生) 1984 年 3 月 筑波大学大学院修士課程地域研究研究科(国際学修士) 1989 年 10 月University of Kansas, Graduate School, School of Education, Dept. of Educational Policy and Administration, Ph.D. in Education 職歴 1990 年 4 月~ 1993 年 3 月 桜美林大学 国際学部専任講師 1993 年 4 月~ 1997 年 3 月 同助教授 1997 年 4 月~ 2004 年 9 月 津田塾大学 学芸学部 英文学科助教授 2004 年 10 月~現在 同教授 学内役職 2005 年 1 月~ 2007 年 3 月 広報・学生担当学長補佐 2007 年 1 月~ 2007 年 3 月 学務担当学長補佐兼務 2007 年 4 月~ 2009 年 1 月 学務担当学長補佐 2009 年 2 月~ 2012 年 10 月 研究支援担当学長特別補佐 1 no. 98 2015年度卒業式式辞(要旨) 信念と高い志を もって 津田塾大学学長 國枝 皆様、ご卒業おめでとうございます。また、今日の日まで学生たち 戸惑ったりしたこともあったでしょう。 す。学部、大学院ともに、それぞれの夢と希望を胸に津田塾大学で貴 解もすすんだのではないでしょうか。 をご支援くださった保護者および関係者の皆様、おめでとうございま 重な学びの日々を過ごされ、これから社会に巣立っていかれる皆様、 そしてご家族の方々に、心より祝福の言葉を申し上げたいと思います。 新鮮な驚きとともに未知の世界への理 友人や先生方と過ごした 4 年間は、 大人としての自立に向けて準備する 皆様が入学される前年には東日本大震災が日本中を不幸の渦に巻き 貴重な時間だったはずです。これから に向けた取り組みを進めるに当たり、多くの方々から暖かいご支援を う新たな世界に踏み出すことになりま 今日では、高校卒業後、半数以上の人たちが大学に進学するように ちに出会って教えを受けたと思います。先輩たちはまぶしく輝いて見え 込みました。以来 5 年の年月が経ちますが、その間、被災学生の支援 賜りましたことに、心より感謝申し上げます。 なりました。専攻分野も男女の差なく、かなり自由に選択できるよう になってきました。従来、主に男性を労働力の中心としてとらえてき た日本社会は、人口減少に対応するためにも、今や女性の力を必要と しています。同等の教育を受けた女性が男性と共に社会を支えていく のは当然のことでしょう。その意味で、ご家族の理解や経済的支援を 受けて、高等教育を受けられた本日の卒業生の皆様にかけられた期待 は多大なものです。 1900 年に、津田梅子先生が東京麹町の地に「女子英学塾」という 学校を開かれたことは、今日の日本を 115 年も先取りされていた証 です。今では想像もできないことですが、当時は女性が学問をし、そ の上で社会参加していくことは当たり前ではありませんでした。しか し、アメリカで大学教育まで受けられた梅子先生は、先見の明をも ち、新たに必要とされた英語教員という職業に注目し、質の高い教育 を授けることで自立する女性を応援されました。それがこの津田塾大 学の始まりでした。その後、英文学科だけではなく理科、数学科、国 際関係学科、情報科学科と、時代のニーズを反映したかたちで津田塾 大学は展開をしてきました。 規模としては決して大きな大学ではありませんが、実に多様な人々が 集まっていることが津田塾大学の強みだといえます。1学年650 人ほど は、大学の枠を出て、さらに社会とい す。進路選択にあたっては、すでに社会人として活躍している先輩た たかもしれません。皆様にとって心強いロールモデルであり、未来へ の道標です。 卒業後の道のりが決して易しいものではないということは、梅子 先生も 100 年前の卒業生へのメッセージの中で強調しておられます。 しかし、社会に出てからの荒波をひとつひとつ乗り越えていくだけの 知恵とパワーの源を皆様はすでに手にいれておられます。大切なこと は、その知恵とパワーを十二分に活かして、直面する新たな課題を解 決するためにこれからも学び続けるという態度です。あとに続く後輩 たちにとって、次には皆様がまぶしく輝くロールモデルとなられるこ とを期待しています。 今日、女性の時代の到来ということが盛んに言われますが、肝心なの はそこに登場する女性たちの貢献の質だと思います。多様な選択肢の中 から賢く道を見極め、息長く、これからも自己研鑽に努められ、信念と 高い志をもって人生を歩んで下さい。津田塾大学も千駄ヶ谷に新たな学 部を加え、さらに女性たちの未来を応援していくつもりです。最後になり ましたが皆様の健康とお幸せを祈って、ご卒業への祝辞といたします。 2015年度 卒業・修了 (終了) 者数 学 部 大学院 のなかには、語学・文化を学ぶ学生、理系に強い学生、社会科学に関心 英文学科 260 人 文学研究科 国際関係学科 241 人 国際関係学研究科 るいは世界各地から集まった人々との出会いは、新しい発見や喜びをも 数学科 56 人 情報科学科 54 人 を持つ学生が肩を並べあっています。家族や地域を越えて、日本全国あ たらしたでしょう。異なったものの考え方に出会い、ぶつかり合ったり クリスマス礼拝要約 合 計 理学研究科 合 計 2016年3月18日現在 修士課程 後期博士課程 17 人 (2) 人 3人 (1) 人 6人 2(1) 人 26 人 2(4) 人 611 人 「死ぬことで生きる」 ヨハネによる福音書 第 12 章 24 ~ 25 節 栗本 一紀 氏(パリ在住映像ジャーナリスト) クリスマスは悦びの日ですが、不幸と悲しみに 満ちた世界を目の当たりにしますと、深く内省す べき時でもあります。遥か2000年前に語られた ことです。 2015年1月、シリアでIS・イスラム国に拘束され帰らぬ人となった 後藤健二さんは、命がけで、イエス・キリストの愛を行動で表しました。 イエスの言葉から、21世紀に生きる私達も多くの 「永遠の命に至る」とは、自分の命を他人のために使い切ることです。 「一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、そ え付け、その精神はずっと生き続けます。しかし世界はその愛を忘れて、 ことを学んでいることは驚くべきことです。 れは一つのままです。しかし、もし死ねば、そこ 「献身」 、 「無償の愛」 、そして「自己犠牲」は多くの人たちの心に愛を植 復讐の連鎖が無差別な暴力に繋がることが危惧されます。世界中に難民 から豊かな実を結びます。 」 (ヨハネによる福音書12章24 節)とイエスは が溢れ、世界は右傾化、保守化していっています。後藤さんが最期まで ご自身を指しており、イエスの死によって、多くの人に愛と永遠の教えが 強さと平安で満たし続けていたからだと思います。目を閉じて神に祈って 十字架にかかられる前の日に弟子に告げました。 「一粒の麦」とはイエス 落ち着き、尊厳を保てていたのは、傍らにイエスがおられて、彼の心を 与えられることを話されました。 「自分の命を愛する者は、それを失うが、 いたのだと思います。 よる福音書12章25節)の「自分の命を愛する」とは、自己中心に生き ます。内戦で多くの親族をなくしている傷ついた人々の会話や思いの中 生を憎み、世俗的な価値観に支配されないで、利他的に生きようとする たのです。 この世で自分の命を憎む人は、それを保って永遠の命に至る。 」 (ヨハネに ることであり、 「自分の命を憎む」とは、利己的な自分、罪多き地上での 2 マリ Tsuda Today 後藤さんの蒔いた種からシリアのジャーナリストのグループが育ってい に、後藤さんは生き続けることでしょう。後藤さんは「死ぬことで生き」 Empowering Women since 1900 2015年度 各賞受賞者報告 ◎ De Ford(ド・フォード)賞 フルブライト客員教授として本学で教鞭をとっ た Sara de Ford(サラ・ド・フォード)先生の寄 付を基金として制定され、優秀な卒業論文を書 いた英文学科の学生に授与。 英文学科 鈴木 千枝 ◎星野あい賞 第 2 代学長・星野あい先生の寄付を基金として制 定された賞。成績優秀な数学科 4 年生に授与。 数学科 樋之津 景子、堀江 まどか、 根ヶ山 慶 ◎藤田たき賞 第 4 代学長・藤田たき先生の寄付を基金として 制定された賞。優秀な論文(英文)を書いた国 際関係学科 4 年生に授与。 英文学科 於保 恵理、鈴木 千枝、 和田 華子 情報科学科 星 眞維美 国際関係学科 村主 倫子、野尻 聡穂 ◎多文化・国際協力コース賞 優秀なフィールドワーク報告論文を作成した、多文化・ 国際協力コース4年生に授与。 国際関係学科 前田 愛理、徳重 沙也佳 ◎メディアスタディーズ・コース賞 優秀な卒業論文または卒業制作を作成したメディ アスタディーズ・コース 4 年生に授与。 英文学科 矢島 絵里 情報科学科論文賞 優秀な卒業研究を行った情報科学科 4 年生に授与 阿部 百合 「あなたはごはんにいくら使いますか? ~Rによる時系列解析と分割表の検定~」 星 眞維美 「三角形三色問題の拡張とその証明」 中西 ゆな、岡田 悠里 「VR 空間で創作活動を支援する知的生 産作業システムの研究」 山崎 茉莉 「人認識を用いた訪問者通知システム」 国際関係学科 原田 梨奈 ◎石坂泰三賞 元本学理事長・石坂泰三氏の寄付を基金として 制定された賞。大学院に進学し、かつ成績優秀 な 4 年生に授与。 2015年度前期 授業に関するアンケート実施結果 2015 年度前期の授業に関するアンケートを 7 月に実施しました。延べ 11,261 人の履修者に対して回答者数は 8,945 人、回答率は 79.4% でした。ほとんどの設問において高評価(5 点または 4 点)の回答が最多でした。設問 16(授業時間外の学習時間)については 1 科目あたり平 均 1 ~ 2 時間でしたが、講義科目では減少する傾向がみられ、設問 14 でも同様の傾向がみられました。この結果について学内でさらに検討し、 授業改善に努めてまいります。 平均値 共通設問 1 この授業を受講する際に、シラバスは有用でしたか。 2 各回の授業のねらいは明確に理解できましたか。 3 各回の授業の内容は理解できましたか。 4 授業で到達目標としている内容が身についたと思いますか。 5 課外学習の指導(参考文献の提示、文献の調べ方など)は適切でしたか。 6 この授業を受講して、テーマとする分野への問題意識や関心が深まりましたか。 7 この授業はよく準備・計画されていたと思いますか。 8 教員は受講者とコミュニケーションをとる努力をしていましたか。 9 教科書・授業レジュメプリントや参考文献は、講義内容の理解に効果的でしたか。 10 教員の声の大きさや話し方は適切でしたか。 11 板書やパワーポイント等の資料はわかりやすかったですか。 12 教員は静かな環境で受講できるよう努力していましたか。 13 授業を静かな環境で受講できるよう努力しましたか。 14 この授業に積極的に参加し、意見や質問を述べるよう努力しましたか。 15 この授業の今までの欠席回数は何回ですか。 16この授業に関して、授業時間外で学習に当てた時間は毎週どれくらいでしたか。 17 総合的に判断してあなたはこの授業に満足しましたか。 平均値 区分別設問 18 教員は何回ぐらい休講(補講のないもの)をしましたか。 19 教員はクラスレポート(口頭発表)を課し、論評していますか。 20 教員はレポート等の返却(またはその告知)をしていますか。 21 教員は自主的発言を重んじ、評価していますか。 22 教員は学生一人一人の学習状況、理解の程度を把握していますか。 23 教員は質問の機会を与え、適切に答えていますか。 24 教員は宿題や小テストを課しましたか。 25 教員は授業の時間を守っていましたか。 ※ 設問16は学習時間を回答としているため、他の設問とは異なったグラフ要素となっています。 ※ 設問別 回答内容 問1 ~ 14 問15 欠席回数 問16 授業外学習時間( 週 ) 問17 総合満足度 [5]:大いにそう思う [5]:0回 [5]:3時間以上 [5]:満足 [4]:そう思う [4]:1回 [4]:2-3時間 [4]:やや満足 [3]:どちらともいえない [3]:2回 [3]:1-2時間 [3]:ふつう [2]:あまりそう思わない [2]:3回 [2]:1時間未満 [2]:やや不満 [1]:そう思わない [1]:4回以上 [1]:ほとんど行わなかった [1]:不満 Tsuda Today 3 no. 98 特集 ─ 津田塾大学の将来を見据えた取り組み 現代社会の諸問題の解決に向けた実践的な課題解決力を養成 総合政策学部 総合政策学科 (仮称) 2017 年 4 月、開設申請準備中 学びの特色 3 分野の基礎科目で力をつけ、4 つの課題領域のもとで実践的に学ぶ 現代社会における国内外の課題に取り組む基礎学力を身につけるため、以下 3 分野を柱として学びます。 ① 実践的な英語力 ② データ解析力を養う「ソーシャル・サイエンス」 ③ 社会の仕組みに対する基礎的な知識と理解力を身につける「データ・サイエンス」 た、4 つの課題領域を「コース」として設定。従来の政治学や経済学、情報学・社会工学、社会政策学などの学問分野にとどま ま らず、各領域の枠組みを超えて、さまざまな課題を解決するための能力を養います。 基礎科目 3 分野 英 語 ソーシャル・サイエンス バランスのとれた4 技能を基礎 として、課題解決や交渉に必要 な高い英語力を培う 政治学、経済学、社会学など、 社会の様々な側面を分析する 力を養う データ・サイエンス 集められたデータを科学的に 分析し、具体的に課題を特定 する力を身につける 4 つの課題領域 パブリックポリシー エコノミック・マネジメント ソーシャル・アーキテクチャ ヒューマン・ディベロップメント 社会のルール・枠組みを定 める公共の決定やパワーの配 分を考えることで、諸課題の 解決方法を導き出す 人々の生産活動や消費活動 のなかで生じる諸課題の解決 方法や、資源や富の最適な分 配や利用を考える 社会基盤である情報通信技 術を積極的に活用すること で、状況に応じた適切な課題 解決方法を考える 貧困や差別など人間の生存 や尊厳を脅かす要因を取り除 き、各人の豊かな可能性を引 き出せる社会作りを考える 〈公共政策〉 〈経済経営〉 〈社会情報〉 〈人間社会〉 獲得できる力 社会の諸相を的確に把握する 認識力 社会の課題を適切に抽出できる データ分析力 英語を用いた高度な コミュニケーション能力 課題解決型学習、少人数教育の活用 ・PBL(Project-Based Learning):課題解決型学習の活用 現代社会が直面している諸課題の解決に取り組んでいくためには、主体的に問題に関わってい く姿勢と、根拠や条件に基づいて現実的な解決方法をねばり強く探求していく力が必要となり ます。新学部では、具体的な問題や事例を素材とし、その解決に向けて、学生や個人やグルー プで主体的に学ぶ PBL の手法を活用することで、自立的に判断する力や、ねばり強く考える力 をもつ人材を育成します。 ・セミナー、演習、ワークショップなどの少人数教育 ある課題に対して考えられた解決策を現実に移すためには、他者と協調しながら力強くプロジェ クトを推進できる行動力が必要となります。新学部では、セミナー、演習、ワークショップなど を通じた丹念な少人数教育によって、課題解決に必要な行動力や協調性を高めます。 4 Tsuda Today 独自の構想を現実に移すための 行動力とリーダーシップ Empowering Women since 1900 ココ が ポ イ ン ト 千駄ヶ谷という、都心の好立地を活かして学ぶ Point 1 JR 総武・中央線「千駄ヶ谷」駅、 都営大江戸線「国立競技場」駅 徒歩約 1 分という好立地 【新校舎概要】 ・所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷 1-18-24 ・地上 5 階、地下 1 階 ・建築面積:約 1,800㎡ ・敷地面積:約 7,340㎡ ・延床面積:約 6,840㎡ 国連大学などの国際機関や企業の本社、官公庁へのアクセスが 良く、社会が抱える諸問題を肌で感じ、より実践的に学ぶこと ができる。 Point 2 神宮外苑、新宿御苑に隣接 都心でありながら、周囲は緑が多く落ちついた環境で勉強に取 り組むことができる。 新校舎完成予定図(建物内部) Point 3 2020 年開催の東京オリンピック開催予定地や 各種文化施設に隣接 新国立競技場(徒歩5分) 神宮球場(徒歩15 分) 東京体育館(徒歩1分) 国立能楽堂(徒歩5 分) ⇒ボランティアやサービスラーニングにも有利な立地。 期待される進路 新校舎完成予定図(建物内部) 国際協力、シンクタンク、民間企業、公務員 (国家・地方・国際)、 国内外の大学院への進学 本学部で獲得できる力は、社会の諸相を的確に把握する認識力、社会の課題を適切に抽出できるデータ分析力、英語を用いた高度 なコミュニケーション能力、新しい社会の構想を現実に移すための行動力とリーダーシップなどです。 そのため、卒業後は多くの分野において活躍が期待できます。国際協力分野、シンクタンク、民間企業、公務員(国家・地方・国際) 、 国内外の大学院進学など、目指せる将来像は多岐にわたります。 ・1 学年定員:110 名 ・総合政策学部に入学した学生は、1 ~ 4 年次を千駄ヶ谷キャンパスで学びます。 ・総合政策学部開設に際して、既存の小平キャンパス学芸学部定員に変更はありません。 ・詳細は、総合政策学部創設準備室ウェブサイトにて、随時お知らせします。(http://fcpd.tsuda.ac.jp/) ※構想の段階のため、教育内容等が変更となる場合があります。 Tsuda Today 5 no. 98 特集 ─ 津田塾大学の将来を見据えた取り組み Beyond Boundaries 構想 境界を越えて、知性をはぐくむ Beyond Boundaries とは、本学が進めている大学改革の構想であり、その一端を担う学外学修活動を組織的に支援してい くための体制整備が、文部科学省「大学教育再生加速プログラム」に採択されたことは、Tsuda Today 97 号でもお伝えした 通りです。今回は、採択された事業概要をご紹介します。 リベラルアーツ教育の中に学外学修活動をバランスよく取 り入れ、その相乗効果を最大化し、かつより多くの学生が学 外学修活動に取り組めるよう、左図の改革事業を段階的に実 施する予定です。 この改革では、学生の領域横断的な知性、高度な語学力、 少人数教育で培った主体性と行動力を基盤に、地域社会、国 際社会において、境界を越えて人と人をつなぐ懸け橋とな り、より良い社会の実現に貢献することのできる女性の育成 を目指します。 第 2 ターム + 夏期休暇 ギャップタームを有効利用し、海外の語学研修等に参加 学年暦の見直し 2017 年度からクォーター制(4 ターム制)を導入します。これ までのセメスター(2 ターム制)よりも 1 タームの期間を短く設定 し、集中して学ぶことで学習効果を高めることを狙いとしていま す。また、正課外科目の開講を主とする第 2 タームを設け、学生 の興味・関心に応じた学修の機会を提供します。第 2 タームと夏 ギャップタームの活動例 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ activity library 多様な学外学修活動の記録を 蓄積・共有 事前指導、事後指導 学習支援システム (ジャーナル) 単位認定 実施サポート、安全サポート 学外学修センター activity incubator 学生、教員、企業等のアイデアを 適切な学外学習活動として孵化させる仕組み 学外学習活動を行いたい学生、 受け入れたい外部組織が出会う場 publicity 学生への周知 一般への周知 supporter network opportunities intersection Tsuda Today 社会経験を積むことを目的とした1 ヶ月程度のインターンシップや、 自身の専門を強化するサマースクールの参加をはじめとしたインディ ペンデントスタディなどの学外学修活動を、カリキュラムの一環とし て組み入れ、単位として認定する制度を導入し、リベラルアーツ教育 の現代化を推進します。 learning support 学外学修活動に関する ワンストップ サ ー ビ ス webサイト The Beyond Campus Boundaries Center 6 カリキュラム 改善 インターンシップ等への参加 海外サマースクールへの参加 長期ボランティア活動への参加 選択科目の受講 集中講義の履修 TOEFL 講座、資格試験対策等の受講 キャリア支援講座への参加 activity portal 期休暇を合わせた 2 ヶ月半以上をギャップタームと称し、この期 間を長期学外学修活動に充てることも可能です。ギャップターム は多くの欧米諸国や一部のアジアの大学等の夏期休暇期間と一致 するため、現地のサマースクールや語学研修参加など国際交流の 一層の促進が期待されます。 学外のサポーターとの連絡協議会 学外学修センター 設置 学外学修を組織的・安定的に支援する体制を確立するために、学外 学修センターを設置し、学外学修に対する啓発・指導、安全管理、受 入先の開拓、システム開発を行うことで、学生が学外学修に取り組み やすい環境を整備します。これまで、学生生活課、国際センター、多 文化・国際協力コース事務室と分散していた学生サービスがここに集約 されることになるため、学生にとっての利便性の向上が期待されます。 (2017 年度より本格稼働予定) Empowering Women since 1900 シンポジウム開催報告 日本語教員養成課程25周年記念シンポジウム 「多文化社会で日本語教育ができること」 津田塾大学非常勤講師(日本語科目担当)関 麻由美 日本語教員養成課程の 25 周年を記念して、これからの日本語教育を考えるうえで、多文化社会 の今、私たちは社会にどのようにかかわっていけばよいのかをテーマに、2015 年 11 月 21 日、シ ンポジウムが開催されました。学内外から多くの方に関心を持っていただき、筆者を含め、課程修 了生も加わって 120 名が参加する会となりました。 國枝マリ学長のご挨拶に続いて、「グローバル社会の日本語教育 ─ 地球市民養成を目指して ─ 」と題し山田泉先生(法政大学教授)基調講演が行われました。外国語あるいは第二言語とし ての日本語教育においては、言語の習得のみならず世界の現状を読み取り、目指す社会の実現に向 けて議論できる能力の養成が、日本語学習者だけではなく、日本語の母語話者の側にも必要で、そ の意味でも日本語教育の知見が社会に貢献できるというお話でした。次に、石井恵理子先生(東京 女子大学教授)林さと子先生(本学教授)が加わり、鼎談が行われました。石井先生は、ことばには人と人を「つなぐ、開く」ほかに「わけ る、隔てる」力もあり、その一例として日本語母語話者ではない子どもの問題に触れられました。林先生は、唱歌に込められた隠れたカリキュ ラムを読み解くリテラシーに言及され、当時の社会背景に思いを馳せながら会場全体で歌ったのが印象的でした。 後半は、日本語教育が大きくかかわっている7つのテーマ別セクション(留学生、子ども、地域・ボランティア・自治体、ビジネス・企業、 介護・看護、難民、海外の日本語教育)に分かれてラウンドテーブル形式で議論しました。その後、テーブルごとに提案されたアクションプラ ンを全体で共有し、一人ひとりの行動への一歩を期待しつつ会を終えました。 数学科67周年、現数学科10周年記念シンポジウム 数学科 教授 中屋敷 厚 「未来へ向けて」と題した数学科 67 周年、現数学科 10 周年記念シンポジウムを去る 2015 年11月11日に開催しました。当日は講師、パネリスト、在学生(学部学生、大学 院生)、卒業生合わせて 108 名の参加があり、活発な質疑応答が行われました。 前半は、岡本和夫先生(東京大学名誉教授・元日本数学会理事長)による「数学の エスプリ」、石井志保子先生(東京大学大学院数理科学研究科教授)による「Nash 問 題顛末記」と題した講演が、後半は「私たちの挑戦」というタイトルで石井志保子先 生、奥田千鶴氏(都立両国高校主任教諭)、榎本康子氏(みずほ銀行リスク管理業務 部)、石谷紗知氏(本学大学院理学研究科修士課程 1 年)によるパネル討論が行われま した。 岡本先生は、数学を研究するとは一体どんなことなのか、ということについて分か り易い例とともにお話しされ、石井先生は、映画「ビューティフルマインド」で有名な John Nash の提示した特異点解消に関する問題が、ご 自身の貢献を鍵として解決された歴史的な様子を、多くの映像を交えてお話しされました。お二人の話に興味を強く喚起された学生が多数いた ようです。また石井先生の講演では、話の内容とともに、話をされる石井先生の姿にも魅了された人が多かったように見えました。 後半は大学ホールで立食形式の懇親会が行われ、講師やパネリストの方々と打ち解けて話をする大学院生や学部学生の姿が見受けられました。 学生に勇気と刺激を与えるよいシンポジウムだったと思います。 情報科学科開設10周年記念フォーラム 情報科学科 教授 来住 伸子 情報科学科では、2015 年 10 月 11 日、ホームカミングデーの日に、小平キャンパス5号館にて、フォーラム「これからの情報科学、これか らの大学」を開催しました。これは、2006 年から始まった情報科学科の開設 10 周年を記念して企画したものです。 フォーラムでは、東京大学名誉教授の原島博氏による招待講演「情報科学技術は文化を目指す」と卒業生によるパネルディスカッションを行 いました。卒業生パネリストは、岩手県立大学教授 村山優子氏、中央大学教授 今井 圭子氏、青山学院大学助教 吉田葵氏、SONY/ お茶の水女子大学大学院博士課程 斉 藤優里氏の 4 名で、学生時代の思い出、その後のキャリア、在学生へのアドバイスなど を語っていただきました。本学科助教の原山智恵子氏がモデレータを務め、参加者との 意見交換などを行いました。参加者は、卒業生 25 名、在学生 15 名、一般の方 11 名の 総勢 50 名以上となりました。 フォーラム終了後、情報交換会を開催し、食事を楽しみつつ、卒業生、教員、在校生 が少人数グループに分かれて互いに自己紹介や近況報告を行いました。久しぶりに母校に 来た、同級生に会ったという方もいて、情報科学科、情報数理科学科、数学科の卒業生の ネットワークづくりの第一歩となるイベントになりました。 Tsuda Today 7 no. 98 学生報告 「トビタテ! 留学JAPAN」一期生としてのアメリカ留学 官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学 JAPAN 日本代表プログラム」の一期生としてアメリカのセントアンドリュース大学に留学した 国際関係学科 4 年生の芦澤理恵子さんが、第 1 回留学成果報告会で審査員特別賞「Great Job 賞」を受賞しました。 国際関係学科 4 年 芦澤 私には将来地元福島県で英語教育に携わりたいという夢があり、夢 実現への第一歩として「トビタテ!留学 JAPAN」の多様性人材コー スに応募し、一期生として、2014 年 8 月から 2015 年 4 月までアメ リカの小さな私立大学に留学しました。留学中はアメリカ文学とアメ リカの歴史を主に履修し、英語教育に携わるための英語力向上だけを 目的とせず、教会に通い地元の人々と交流をしたり、学校の合唱団に 理恵子 テ!留学 JAPAN」を通して知り合った方々との出会いが、新たな道 を切り開くきっかけにもなりました。 官民協働で行う海外留学支援制度は、世界では例にないと言われて います。津田塾生のより多くの人達にトビタテ生として、世界に飛び 立って行ってほしいと願っています。 所属したりもしていました。 今回の留学で、私は「World Englishes」の存在に気がつきまし た。留学前の私はネイティブスピーカーが話すような英語を目指し、 そんな英語を体得している人が英語教育により多く関わるべきだと 思っていました。しかし留学をして、どんな人が話す英語もれっきと した英語の一つであることが分かり、ネイティブスピーカーの英語に 縛られなくなりました。 帰国後、「トビタテ!留学 JAPAN」一期生による留学成果報告会 がありました。私は審査員特別賞「Great Job 賞」をいただき、報告 会を通じて、この経験をどう活かすかについて深く考えることができ ました。普段話せないような支援企業や団体の方々から多くのアドバ イスを受け、大変参考になるとともに、留学経験だけでなく「トビタ 学校の合唱団に所属し、アメリカの音楽に触れました 就職体験記 日常生活を楽しんで 英文学科 4 年 眞板 響子(出版社内定) およそ 5 ヵ月間の就職活動の中で最も苦労したのは、序盤のエント 私は、特に就職活動を意識して大学生活を送った訳ではありませ 自分の記憶や経験を引っ張り出し、白紙の上に文字を置いていかなく もらっていました。真剣に議論したり、くだらないことで大笑いした ました。3 年生の 11 月には大学主催の「エントリーシートの書き方 野が広げられました。充実した学生生活を送れたからこそ、就職活動 リーシート(ES)を書く段階でした。ES の作成は、ゼロの状態から ん。しかし、津田塾大学で出会った友人たちにはいつも新鮮な刺激を てはならない作業です。何度も書き直し、かなり時間をかけて作成し り、自分の知らない映画や本を教えてもらったりすることで自然と視 講座」に参加し、「何のために ES を書くのか」 「何も思いつかないと においても納得のいく良い結果が残せたのだと思います。 きの対処法」などを外部講師の方から教わりました。基本的なことか ら分かりやすく説明して下さったので、実際に書くときに大変参考に なりました。 普段の習慣で役に立ったことは、記録をつけることです。映画や本 の気に入ったセリフや旅行先で見て感動したもの、授業で面白いと 思った問題、友達と話して気が付いたことなど、些細なことでもノー トに書き留めていました。そのノートを読み返すことで、ES のタネ を見つけることができたり、面接で突飛な質問をされたときにも上手 く答えることができたりしました。 当初より興味のあった書籍に関わる会社を中心に受けましたが、最 終的にはいちばんに希望していた出版社から内定を頂きました。中規 模ながらも歴史のある会社で、さっぱりとした会社の雰囲気と、広い 購買層を持っているところに魅力を感じています。 8 Tsuda Today 就活を題材にした人気小説。 学内セミナーで頂いたレジュメと、 共感する部分がたくさんあります それを参考にしたエントリーシート Empowering Women since 1900 B I L LBOA R D 寄付者ご芳名 2016年度 入試結果報告 2016 年 3 月 8 日現在 学部(学芸学部) 英文学科 国際関係学科 数学科 情報科学科 合計 大学院(修士課程) 文学研究科 国際関係学研究科 理学研究科 合計 大学院(後期博士課程) 文学研究科 国際関係学研究科 理学研究科 合計 募集人数 245 245 45 45 580 募集人数 15 10 10 35 募集人数 5 3 3 11 志願者数 2,125 1,703 283 415 4,526 志願者数 24 3 15 42 志願者数 3 2 0 5 受験者数 2,044 1,616 272 402 4,334 受験者数 21 2 15 38 受験者数 3 2 0 5 合格者数 992 799 147 169 2,107 合格者数 19 2 14 35 合格者数 3 1 0 4 ※単位は人数。いずれも全入試方式合計数(学部編入学試験、千駄ヶ谷 3月期を除く) 2016 年度 オープンキャンパス 2016 年 6 月 19 日(日) 7 月 24 日(日) 8 月 13 日(土) 8 月 14 日(日) 12 月11日(日) 小平キャンパス 小平キャンパス 小平キャンパス 小平キャンパス 千駄ヶ谷キャンパス 2017 年 3 月 26 日(日) 小平キャンパス 【学生スタッフ募集】 【小平キャンパス開催】 6 ~ 8月は模擬授業や在学生による大学紹介、7・8月は入試 のポイント解説や入試制度説明会も開催します。事前申込不 要、入退場は自由です。詳細は各開催日の1 ヶ月前頃に大学 ウェブサイトで公開します。 【千駄ヶ谷キャンパス開催】 2017 年 4 月開設予定の総合政策学部も含め、入試制度の 説明や個別相談を開催します。事前申込制です。詳細は 開催 1 ヶ月前頃に大学ウェブサイトで公開します。 津田塾大学の魅力を学外に伝 える学生スタッフを募集しま す。在学生であれば、学科学年 は問いません。人と接すること が好きな方、津田塾大学を高校 生におススメしたいという方な ど、多数のご応募をお待ちして います! 応募方法の詳細は、4月初め に企画広報課より在学生の皆 さんにメールでご案内します。 (2016年2月29日現在 掲載希望者のみ) 教育研究のため 水谷 正大 様 株式会社 喜代川 様 50,000 円 1,000,000円 奨学金として 1,000,000 円 池田 和子 様(英大16回) (一般社団法人)津田塾大学同窓会 様 25,102 円 英文学科の学生のスカラシップとして 故 Yoko Osawa Itabashi 様(Class of 1943) $25,000(U.S.) 難民に対する入学試験で入学する学生のための 奨学資金として 卒業30周年同期会 様(英大34回・数大33回・国大 13回) 234,654 円 瀬川 ゆかり 様 50,000 円 東日本大震災被災学生支援のため 瀬川 ゆかり 様 50,000 円 礼拝委員会での活動のため 匿名 898 円 教育振興資金 井上 和明 様 近藤 之雄 様 島津 公保 様 他 65名 様 育児と学業の両立支援 本郷 三和子 様 池野 みさお 様 木村 真希子 様 根本 和彦 様 小笠 恵美子 様 斉藤 治人 様 山本 真之 様 他 20名 様 理事会・評議員会開催報告 ▶第172 回評議員会 2015 年 10 月 23 日 【諮問事項】 1. 2015 年度補正予算(案)に関する件 2. 2016 年度在学生学費に関する件 【報告事項】 1. 千駄ヶ谷キャンパスについて 2. 小平キャンパスの教学組織について 3. その他 ▶第 246 回理事会 2015 年 10 月 23 日 【審議事項】 1. 2015 年度補正予算(案)に関する件 2. 2016 年度在学生学費に関する件 3. 2017 年度以降の津田塾大学の運営体制 に関する件 【報告事項】 1. 千駄ヶ谷キャンパスについて ▶第 247 回理事会 2015 年 11 月 27 日 【審議事項】 1. 学長の退任に関する件 2. 学長選考規程の制定に関する件 3. 寄附行為第 20 条第 2 項の変更に関する件 4. 2017 年度以降の津田塾大学の運営体制 に関する件 【報告事項】 1. 監事からの報告 2. 大 学改革総合支援事業の選定結果について 3. 総合政策学部の専任教員人事について ▶第173 回評議員会 2015 年 12 月 3 日 【諮問事項】 1. 学長の退任に関する件 2. 学長選考規程の制定に関する件 【報告事項】 1. 千駄ヶ谷キャンパスについて 2. 私 立大学等改革総合支援事業の選定結 果について 3. 大 学教育再生加速プログラム(AP)の 申請結果について ▶第 248 回理事会 2015 年 12 月 15 日 【審議事項】 1. 学長の退任に関する件 2. 寄附行為第 20 条第 2 項の変更に関する件 3. 学長選考規程の制定に関する件 4. 2 017 年度以降の津田塾大学の運営体制 に関する件 【報告事項】 1. その他 ▶第 249 回理事会 2015 年 12 月 21 日 【審議事項】 1. 寄附行為の一部改正に関する件 2. 学則の一部改正に関する件 3. 人 事院勧告に伴う本学教職員給与の改 定に関する件 【報告事項】 1. 千駄ヶ谷キャンパスの広報計画について 2. 千駄ヶ谷キャンパスについて ▶第174 回評議員会 2016 年 1 月 8 日 【審議事項】 1. 寄附行為第 20 条第 2 項の変更に関する件 【諮問事項】 1. 学長選考規程の制定に関する件 長の任期に関する規程の制定に関する件 2. 学 【報告事項】 1. 千駄ヶ谷キャンパスについて ▶第 250 回理事会 2016 年 1 月 8 日 【審議事項】 1. 学長選考規程の制定に関する件 2. 学 長の任期に関する規程の制定に関する件 3. 総 合政策学部設置にかかる寄附行為の 一部改正に関する件 4. 総 合政策学部設置にかかる学則の一部 改正に関する件 【報告事項】 1. その他 Tsuda Today 9 no. 98 退職者ご挨拶 英文学科 Mary E. Althaus 先生 The Classroom and the Teachers’ Room When I look back over my career and think of the things that have mattered to me as a teacher on a daily basis, of course it is classroom interactions with students that come to mind first. If I had not felt happy in the classroom, in my work with Tsuda students, I would probably have returned to the United States forty years ago. But when a student’s eyes light up, and she says “Oh!” then a teacher feels that life is rewarding. I have been blessed to feel those moments in Tsuda’s classrooms, and so I have stayed. Another kind of interaction that matters very much to me took place in the teachers’ rooms. In 1969, all faculty picked up notices and made cups of tea in the room that is now called Daiichi Osetsushitsu. That was the first faculty room that I remember, and it was there that I met many of the older faculty members, both full-time and part-time, who gave me hints about how to teach, taught me about Japanese culture and how to say things in Japanese, and told me moving and funny stories about Tsuda’s history. Our Teachers’ Room was next moved to the back of the second floor of Shin-kan, then to the room connecting the second floors of Shin-kan and Hartshorne Hall, and by then there were new faces, many near my own age. I remember a dynamic young man who brought a can of beer for lunch each week--and perhaps thereby incurred Prof. T’s raised eyebrows--and two professional women whose husbands worked, respectively, for the New York Times and the Washington Post. We had lively conversations about all sorts of current issues, from Ezra Vogel’s Japan as Number One to gun madness in the United States and of course about how to teach better classes. The Teachers’ Room is now in Building One. But it is still the site of laughter, teaching tips, comforting advice, and even all kinds of homemade treats at lunchtime. Virtually all the voices there are younger than mine--and it is a pleasure to realize that many of them belong to former students. The classroom and the Teachers’ Room have connected and overlapped beautifully. 国際関係学科 牧野 裕 先生 津田における研究をふりかえって 惜別の辞としては研究活動にふれるのが無難でしょう。『冷戦の起源とアメリカの覇権』 (御茶の水書房、1993 年)は、画期的な力作(と自画自賛しうる業績)です。1944 〜 1947 年を輪切りにして、ブレトンウッズ協定 の批准からトルーマン・ドクトリンに至る米国の政策展開過程を究明し、封じ込め政策と冷戦起源論争について の従来説に批判を加えました。同様に研究史を大きく塗り替えた研究として自負しうるのが『IMF と世界銀行の 誕生』( 日本経済評論社、2014 年 ) です。英米にも本書に匹敵する研究はないでしょう。(友人は、この舌鋒鋭 い、近くに寄るだけでヤケドしかねない 500 頁の本に圧倒され、人は決して手にしないであろうと非情に評しま した。)これらと三部作を構成するのがニクソン政権の金・ドル交換性停止を考察した『日米通貨外交の比較分 析』( 御茶の水書房、1999 年 ) です。また、大学の上級生向け教科書(『国際金融史』有斐閣、2007 年)では、「ブ レトンウッズ」期を概観しました。これらによって米国を中心とする国際通貨体制の研究をまとめることができたのは幸いでした。 ただ、『現代世界認識の方法』 (日本経済評論社、2008 年)は、入門書として国際関係理論の認識論的基礎を扱ったものの、衒学的 なやや難解な書となってしまいました。退職後は、仲間と経済・金融危機に関する研究を刊行する予定です。また、「邦語で書かれ た世界的業績」と毀誉褒貶、揶揄もされる拙著の英訳を試みるつもりです。 国際関係学科 若松 準 先生 進歩 プラスとマイナス 1980 年に津田に奉職しましたので、35 年間小平に通いました。当時は西武国分寺線が1時間に3本で、乗り遅 れると20 分待たなければなりませんでした。今 6 本になり、本当に楽になりました。試験問題を作るのも、タイプ ライターでドイツ語を打ち、手書きで日本語を入れていました。その後ワープロ専用機が生まれ、さらに PC + ワープロソフトと便利になっていきました(私の場合は、エディター+ TeX になりました)。数台しかなかった電 話ボックスには、休み時間になると学生さんが長い列を作っていました。小平に来ればほぼ孤立した環境におかれ、学 生さんは勉学に励むしかなかった昔に比べ、今は普及した携帯により外界と密接に繋がり、その分自分の時間が減って しまったようです。 ドイツ語を教える私にとっては、本当に困った技術の進歩は電子辞書の普及です。紙の辞書は、見開き2 頁(1 頁が 2 段組みなので)4 欄を1度に見渡すことが出来ます。電子辞書は、1度に小さなディスプレイ1面しか見えません。スクロールし ながら前の画面を覚えていくのは困難です。さらにはスクロールもせず最初の画面だけで勝負する勝負師の学生さんもいて、いつも負け ています。重たくても、かさばっても紙の辞書を持ってくるように指導していますが、2 年生になると、電子辞書命の学生さんが大勢 です。最後は体力で勝負なので、筋肉トレーニングになるから、と説得しても聞いてもらえません。「見よ、教育のこの無力!」 10 Tsuda Today Empowering Women since 1900 国際関係学科 横山 久 先生 パクチィーの香りのする経済学を目指して:つだつだしい津田生と共に 表題は1月に開催した私の最終講義の題名です。私自身はパクチィーの香りを探ってはいたものの、大した業 績も蓄積できなかったダメ教員でした。が、学生たちは違いました。 超真面目で、金ない、暇ない、彼氏ない?という「つだつだしい」学生ですから、必然的に一人ひとり独立に行 動し、アルバイトも効率的にこなします。そうして世界、とりわけ発展途上国に出かけます。現地の事情に触れ、 経験を体に刻み付けて帰国し、それを材料に喧々諤々、丁々発止、議論を交わします。私はただそれを聞きなが ら、たまに議論をけしかけたり、交通整理・文献紹介するだけでした。楽しく、かつ充実した 20 数年間でした。 この間私は、学生たちが書き上げた年平均 14 本の卒業論文を人類の財産である、と勇気づけておりました。 後に後輩たちがそれを読み刺激を受け、さらに質の高い論文にしていくからです。実際ゼミからは多くの卒論賞 受賞作品が生まれてきました。 しかし、オリエントを現地で探ろうという、こうした賑やかで活動的な学生と教員の集団は、静謐で伝統ある 本学のオキシデント文化の下では、時には軋轢をもたらしてきました。にも拘らず、本学の教職員の皆様はそれ を新しい方向性と黙認してか、暖かく見守ってきて下さいました。感謝いたします。これからも、伝統ある津田 が、無・多極化した地球上の多様な地域に触れ、そこからこれまでにない知見を引き出す作業に携わり、新しい 津田を構築していかれることを期待します。 数学科 坂本 幸一 先生 退職に際して 私が津田へ着任したのは 39 年前、29 歳になったばかりでした。その当時、入学試験は年に 1 回だけで委員会 も少なく、着任してから 1、2 年はいろいろな雑用は免除されていたという、のどかな時代でした。テニスをし て汗と泥にまみれたウェアを研究室のハンガーにかけておいたら、掃除のおばさんが、「うちの息子がラグビー をやっているので」と言って、私のウェアまで一緒に洗濯してくれて大変恐縮したことも懐かしい思い出です。 第一会議室で行われた教授会に出ると、テーブルの上には灰皿が並び、煙の中で議論が交わされていました。近 年は、大学をめぐる環境も厳しくなり、組織も若干制度疲労をおこしている感じがしますが、皆様がそれを撥ね 退けて、今後の発展につくされることをお祈りします。 情報科学科 大槻 真 先生 退職に際して思うこと 私が津田塾大学に着任した年に生まれた娘が今年で 36 歳、3 児の母になっています。この間子供も成長しま したが、私自身もいろいろな方のおかげで成長することができました。この場を借りて皆様に感謝を申し上げま す。 37 年の間に、津田は大きく変わりました。私が来た頃は何人もの教職員が校内に住んでおられました。図書 館裏にあったその 1 つの家屋を大学に提供していただいてさくらんぼ共同保育所が発足し、私の娘もそこで育ち ました。この保育所は今も健在です。しかし現在校内にお住いの教職員はおられません。 また、昔の合格発表は正門を入った道の右に大きな掲示板を立て、墨の色もみずみずしい大きな字の合格者の番号が 貼り出されていました。そして津田のような小さな大学でも臨時の公衆電話が設置されてその前には長い列ができてい ました。今では考えられない光景です。 そのように変わっていく中で、津田塾会からの寄付によりできた千駄ヶ谷キャンパスでは、いよいよ 2017 年 4 月から新学部が発足しようとしています。これは津田塾大学のこれまでの 100 年の実践を踏まえて、これから の 100 年に津田梅子先生の考えたあるべき教育を実践していく大きな機会です。日本では、大学にとって厳し い環境がこれからも続いていきますが、津田塾大学は発展する力を持っています。私もこれからは津田塾大学の 外で、自分のために小さくとも発展できたら嬉しいと思っています。 Tsuda Today 11 no. 98 公開講座のご案内、お知らせなど 津田梅子記念交流館プログラム 「企画展 戦後 70 年をこえて―あの時代を語り継ぐ」 戦地で幼い一人娘に宛てて絵手紙を書き続けた父、入隊直前に 自死した兄 ─ 二人の遺品を集めた企画展 お申込み・お問合せ:津田梅子記念交流館事務室 ℡042-342-5146 場 所:小平キャンパス(一部のプログラムは千駄ヶ谷キャンパス) 「大人のための英語講座 多読のすすめ」 ■講 師:石黒 真理子氏(津田塾大学オープンスクール講師) ■日 時: 5 月 17 日∼ 6 月 14 日 全 5 回 火曜日 10:30 ∼ 12:30 ■参加費:10,000 円 〇展示 日時: 3 月 28 日(月)∼ 4 月 10 日(日)10:00 ∼ 16:00 (3 月 28 日は 13:00∼16:00、4 月 10 日は 10:00∼12:00) 「クンダリーニヨガ入門」 入場無料・申込不要 ■講 師:加来 禎治氏 ( クンダリーニヨガインストラクター ) 〇トークイベント ■日 時:6 月 18 日(土)13:00 ∼15:00 日時: 4 月 2 日(土) 、4 月 3 日(日) 、4 月 9 日(土) ■参加費:2,000 円 (各日 13:30∼15:30) 講師は幼い娘だった宮 黎子さん、お兄様を亡くされた 寺尾絢彦さん 参加費無料・申込要 「翻訳を体験しよう」 ■講 師:柳田 利枝氏(翻訳家) ■日 時:5 月 14 日、28 日、6 月 11 日、25 日、7 月 9 日 隔週土曜日 全 5 回 10:00 ∼ 12:00 ■参加費:10,000 円 「アサーティブネス・トレーニング講座」 ■講 師:岩井 美代子氏(精神保健福祉士) ■日 時: 5 月 18 日∼ 6 月 15 日 全 5 回 水曜日 10:30 ∼ 12:30 ■参加費:10,000 円 「心を動かすスピーチ&プレゼン講座」 ■講 師:小林 茂氏 ■日 時:6 月 4 日∼ 7 月 2 日 全 5 回 土曜日 10:00 ∼ 12:00 ■参加費:10,000 円 「夏休み子ども英語プログラム―津田塾生とつくる英語劇」 ■監 修:吉田 真理子氏(本学教授) ■日 時:7 月 25 日(月)∼ 7 月 31 日 ( 日 ) (7/28(木)を除く 6 日間 10:30 ∼ 14:30) ■参加費:12,000 円 於)千駄ヶ谷キャンパス 「英語教員のためのワークショップ」 ■講 師:田口 徹氏 (千代田区立九段中等教育学校主任教諭)他 4 名 ■日 時:8 月 6 日(土)、7 日(日) ■参加費:10,000 円 「数学教員のためのワークショップ」 ■講 師:黒田 俊郎氏(元東京電機大学非常勤講師)他 3 名 ■日 時:7 月 30 日(土)、31 日(日) ■参加費:16,000 円 「心と身体のバランスをとりもどす ヨーガ体験」 ■講 師:剱持 和子氏(アーナンダヨーガスタジオ代表) ■日 時:5 月 13 日、20 日、27 日 全 3 回 金曜日 13:00 ∼ 15:00 ■参加費:6,000 円(60 歳以上の方は無料) 詳細は交流館ウェブサイトをご覧ください。/本学在校生の参加費は半額です。 ウェルネス・センター公開講座 お問合せ:ウェルネス・センター TEL 042-342-5147 会 場:小平キャンパス 2016 年度も「希望 ─ Challenge ─ 」をテーマに公開講座を開催いたします。 講座の詳細は本学ホームページ等でご案内いたします。 総合2016 お問合せ:教務課 TEL 042-342-5130 会 場:小平キャンパス 現代のさまざまな問題を取り上げ、学生が主体となり教員と協力して運営にあたる「総合」。 今年度は「『進歩』再考 ―その先の私―」をテーマに、各界でご活躍の方々にご講演いただきます。 ■講 師:講演予定者については、本学ウェブサイトをご参照ください。 ■日 時:授業期間中の毎週木曜日 13:00 ∼ 14:30 ■参加費:無料。どなたでも参加できます。 ■お申込み:不要。本学正門守衛所にて、住所、氏名等をご記入ください。 女性学 お問合せ:教務課 TEL 042-342-5130 会 場:小平キャンパス ■講 師:【前期】山田 ゆかり 氏(早稲田大学スポーツ科学部非常勤講師) 【後期】熱田 敬子 氏(大学非常勤講師、ゆる・ふぇみカフェ運営委員) ■日 時:【前期】授業期間中の毎週月曜日 13:00 ∼ 14:30 【後期】授業期間中の毎週木曜日 16:20 ∼ 17:50 ■参加費:無料。18 歳以上であれば、どなたでも参加できます。 ■受付期間:4 月 11 日(月)∼ 25 日(月) 9:00 ∼ 16:00(11:15 ∼ 12:15 を除く)、先着 50 名 ■お申込み:教務課窓口で受け付けます。 12 Tsuda Today