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東南アジア医療事情
東南アジア医療事情 東南アジアの医療事情 バンコク病院日本人マーケット部 田中耕太郎 2012年04月11日東京 プレゼンテーション内容 1. 私、とバンコク病院について 2. 日本人のための 東南アジア医療事情 3. 海外での保険と医療搬送 田中耕太郎の職歴 1997年-2004年 ・日系の保険アシスタンス会社でジャカルタ、バンコクを 中心として勤務。 (業務内容) 海外旅行保険の現地(黒子)スタッフとして、保険業務、 医療アシスタンスを主な仕事とする。東南アジアで病院 ネットワーク開拓も担当。 2004年-現在 ・バンコク病院日本人マーケットスタッフとして、日本人 患者(東南アジアの韓国人患者)を担当。 バンコク病院本館 バンコク病院概要 1972年開院 1978年、日本人向けサービス開始 2006年タイ国首相優秀ビジネス賞受賞 2006年JCI取得 医師数800名(常勤300名・非常勤500名) 専門外来科 30科 入院病床 630床(個室) (そのうち97床が集中治療室) • 手術室15室 • • • • • • • バンコク病院概要 • • • • • • • • • • 救急車16台 救急バイク3台 ヘリコプター(グループで)1機 カフェ(スターバックス、オーボンパン、など5箇所) レストラン(日本食・アラブ食・タイ食など4箇所) 銀行1箇所・外貨両替所1箇所 コンビニ1箇所 医療機器販売店4箇所 看護士数:650名 職員数:800名(医療通訳100名) バンコク病院概要 • • • • • • グループ病院数(国内26、海外2病院) アジア・オセアニアで2番目に大きなグループ タイ株式市場上場の株式会社 筆頭株主:バンコクエアーウェーズ 日本人患者数:年間36,000名 検診患者数:300社、5,000名 • 日本の医療機関と、患者相互紹介提携(医療連携) (92病院と提携中) バンコク病院グループ 〔私見〕日本人のための 東南アジア医療事情 東南アジア各国の現状 1.タイ 2.ヴェトナム 3.カンボジア 4.ミャンマー 5.ラオス 6.バングラデッシュ 7.インド 8.シンガポール 9.マレーシア 10. インドネシア 11. フィリピン タイ • 邦人人口 約48,000人 • タイの医師免許必要 • 日本人医師2名 • 総合病院レベル高い • ロングステイ 約4,000人 • メディカルツーリスト 年間約1,500,000人 他国への搬送必要なし 日本人が利用する医療機関 総合病院 • Bumrungrad Hospital • Bangkok Hospital • Samitivej Hospital • BNH Hospital • Rama 9 Hospital • Bangkok Pattaya Hospital • Samitivej Sriracha Hospital • Bangkok Phuket Hospital • Chiangmai Ram Hospital ヴェトナム • 邦人人口約12,000人 • 日本医師免許書換OK • 日本人医師7-8名 • 外資クリニック7軒 • 日本人歯科医師3-4名 • 総合病院レベル低い 入院案件は他国へ飛べ ホーチミンシティー 日本人が利用する医療機関 クリニック • Lotus Clinic (HCMC) • Family Medical Practice (HCMC, Danang & Hanoi) • SOS International Clinic (HCMC & Hanoi) • Columbia Asia Saigon & Gia Denh Hospital (HCMC) 総合病院 • Franco Vietnamese Hospital (HCMC) • Hanoi Frenchi Hospital (Hanoi) 歯科クリニック • Naomi dental Clinic (HCMC) • European Dental Clinic (HCMC) • West Coast Dental Clinic (HCMC & Hanoi) カンボジア • • • • • 邦人人口 約900人 日本の医師免許書換可能 日本人クリニックあり 幣院の2グループ病院あり プノンペンは大使館と JICAスタッフが過半数 • シェムリアップは観光関係 • マルハンが銀行経営 重篤案件はバンコクへ飛べ 日本人が利用する医療機関 クリニック • Ken Clinic Dr.奥澤健 (プノンペン) • International SOS Clinic(プノンペン) • Somali Raffles Medical Services(プノンペン) 総合病院 • Royal Rattanak Hospital(プノンペン) • Royal Angkor International Hospital (シェムリアップ) ミャンマー • • • • • • 邦人人口 約650名 ほとんどがヤンゴン在住 日本の医師免許でOK(?) 外資クリニックがある VIPはタイで治療している 元英国植民地なので英語 を話す人が多い 重篤案件はタイへ搬送 ヤンゴン 日本人が利用する医療機関 総合病院 • Asia Royal Cardiac & Medical Care(ヤンゴン) • Shwe Gon Dine Specialist Centre(ヤンゴン) クリニック • Myanmar International Clinic (ヤンゴン) • Asia Pacific Centre for Medical & Dental Care (ヤンゴン) ラオス • 邦人人口 約500名 • 病院レベル低い • 外国人医師 不可 • 出来るだけタイで治療 • バーツ圏 即刻タイへ搬送すること ヴィエンチャン 日本人が利用する医療機関 国内ヴィエンチャンのクリニック • Centre Medical de I’ Ambassade de France (ベルギー人医師) • Mahosot Hospital 内 International Clinic • タイ国内 • Nongkhai Wattana General Hospital(ノンカイ)/5分 • Aek Udon International Hospital(ウドンタニ)/1時間 バングラデッシュ • • • • • • 邦人人口 約550名 日本の医大卒の医師 日本の医師免許書換不可 アメリカ人歯科医1名 ユニクロ進出で邦人人口増加 ダッカに日本食レストラン2軒 重篤案件はタイへ搬送 ダッカ 日本人が利用する医療機関 総合病院 • Apollo Hospital • Aichi Hospital • Yamagata Dhaka Friendship Hospital クリニック • Memory Diagnostic Center • Dr. M A Wahab’s Clinic 歯科クリニック • Sapporo Dental Care • Johnson Dental Clinic インド • 邦人人口 約3,000人 • New Delhi 1,500 • Bangalore 500 • Kolkata 300 • Mumbai 300 • Chennai 150 • 医療レベル高い病院あり • サービス面で難あり 重篤案件は搬送 ニューデリー バンガロール 日本人が利用する医療機関 総合病院 • Indraprastha Apollo Hospital (ニューデリー) • Max Super Spatiality Hospital (ニューデリー) • Fortis Hospital (ニューデリー) • Medanta The Medcity (ニューデリー) • Apollo Hospital (バンガロール) • Columbia Asia Referral Hospital (バンガロール) シンガポール シンガポール • 邦人人口 約30,000人 • 医師免許互換制度 日本人医師15名枠 • 現在26名の医師が活躍(クリニック内勤務) • シンガポール医師免許取得医師 Dr.橋口 • 国立と私立の差はない (カスタマーサービス差はある) • 日本人歯科医師11名 他国への搬送必要なし シンガポール • 2008年の新規医師免許取得者 1,248名(外国人取得者739名) • 2009年のメディカルツーリスト患者数 665,380人 (インドネシア人50%、マレーシア11%、 その他アラブ諸国) • アラブ諸国からはVIPが多い (国民の16%はアラブなので受け入れ万全) 日本人が利用する医療機関 総合病院 • Mt Elizabeth Hospital • Gleeneagles Hospital • Raffles Hospital クリニック • Japan Green Hospital • Nihon Premium Clinic • Raffles Japanese Clinic • Healthway Japanese Medical Clinic • Nippon Medical Clinic マレーシア • 邦人人口 約11,000人 • 日本の医師免許書換不可 (国立大学+慶応、慈恵、 順天堂卒、で国立病院 で奉仕すれば数年後OKも) • 日本人医師1名Dr.山村 • ロングステイ者数 約4,000人 他国への搬送必要なし マレーシア 2 日本人が利用する医療機関 総合病院 • Gleneagles Medical Centre( Intan & Penang) • Subang Jaya Medical Centre (KL) • Pantai Hospital Kuala Lumpur(KL) • Prince Court Medical Centre(KL) • Island Hospital (Penang) クリニック • HSC Japan Clinic (KL) Dr. Yamamura • Sime Darby Medical Centre Subang Jaya (KL) • Japan Medical Centre (KL) インドネシア インドネシア • 邦人人口約13,000人 • 日本人医師免許書換 不可 • 日系クリニックで活躍する日本人医師2名 (たけのこ先生・日本人会クリニックの医師) • 総合病院レベルもまあ問題ない • インドネシアVIPはシンガポールで治療 • バリ島にロングステイ者が3,000人いる 重篤案件はシンガポールへの搬送 日本人が利用する医療機関 クリニック • Jakarta Japan Club日本人医療相談室 • たけのこ診療所(ジャカルタ2箇所、バリ島) • J-Clinic • 共愛ヘルスケア(ジャカルタ&バリ島) • International SOSクリニック (クンニガン、チプテ、バリ島) • Bali International Medical Clinic (バリ島) 総合病院 • RS Pondok Indah(ジャカルタ) • RS Surabaya International (スラバヤ) フィリピン • • • • 邦人人口 約18,000人 ロングステイ約1,000人 日本人医師 Dr.菊池 日本の医師免許書換不可 重篤案件は日本への 搬送がベター マニラ 日本人が利用する医療機関 総合病院 • Makati Medical Center(Manila) • St. Luke’s Medical Center Global City(Manila) • Asian Hospital(Manila) • Cebu Doctors University Hospital (Cebu) • Mactan Doctors Hospital (Mactan) クリニック • マニラ日本人会診療所 Dr.菊池 • Kクリニック Dr.Y 歯科クリニック • Kデンタルクリニック Dr.K 外国の病院治療費用 • 海外の病院は治療費用(デポジット)を事前に支払わない と治療してくれない • 重篤入院治療の場合、手遅れになることもある 海外旅行保険加入やクレジットカード所持、またはすぐ動 かせるある程度の現金を事前に用意すること 海外での保険と医療搬送 海外で駐在員が利用できる保険 1.海外旅行保険(アシスタンスサービスが使える) 2.企業の組合保険 (日本で事後請求&申請) 3.国民健康保険 (日本で事後請求&申請) 海外旅行保険は絶対に加入しろ(大手企業以外) 医療搬送とその種類 • 医療レベルが低い国から近隣諸国の医 療レベルの高い国へ飛ぶ必要がある (主な搬送の種類) • ヘリコプター搬送 • チャーター飛行機搬送 • コマーシャル飛行機トレッチャー搬送 ヘリコプター搬送 小型チャーター機搬送 チャーター機搬送 コマーシャルフライト搬送 海外旅行保険がなかったら? (脳梗塞になった50代の方) • • • • • 海外旅行保険が切れていたのに気がつかなかった 発作を起こし、脳の緊急手術後弊院へ転送される 意識が戻らずに集中治療室で1ヶ月治療 コマーシャル飛行機で日本の病院へ搬送 現在も意識不明のまま • 1ヵ月半の病院治療費 ⇒ • 日本の病院までの搬送費 ⇒ 800万円 200万円 搬送 (30代日本人男性) • ヴェトナム、ホーチミンからチャーター機搬送 (症状): 顔面複雑骨折(20箇所以上の眼窩骨折) バイク後部座席に乗っていて交通事故にあう ⇒FV病院収容(緊急手術) ⇒翌日搬送手配 ⇒プライベートジェット機にてバンコクへ搬送(夕方) ⇒バンコク病院で緊急手術後、入院2ヵ月後退院 ⇒日本での継続治療必要(視力に後遺症あり) (搬送費用約250万円・治療費用500万円超) (日本総務担当と保険会社の相談) 搬送 (20代日本人女性) • カンボジア、シェムリアップからヘリコプター搬送 (症状): 頭部外傷 。アンコール寺で落下事故? ⇒RAH病院収容(6時間滞在) ⇒搬送手配(2時間) ⇒ヘリコプター搬送(2時間) ⇒バンコク病院で緊急手術後、入院2ヶ月 ⇒コマーシャル便でのストレッチャー搬送で日本へ再 搬送後、継続治療 (2ヵ月後死亡) (搬送費用約500万円・治療費用700万円超) (日本の親族と現地大使館の相談) 搬送 (40代日本人男性) • ベトナム、ハノイからチャーター機搬送 (症状): 脳内出血。職場で意識を失い倒れる ⇒HF病院収容(手術) ⇒チャーター機でバンコク病院へ搬送(翌日) ⇒バンコク病院で手術3回、入院2ヶ月 ⇒コマーシャル便でのストレッチャー搬送で日本 へ再搬送後、継続治療。完治 (搬送費用約500万円・治療費用1,000万円超) (日本の産業医の判断) 搬送 (50代日本人男性) • タイ・カンボジア国境から救急車搬送 (症状): 建設現場でクレーンが倒れ下敷きに (脳挫傷、全身複雑骨折) ⇒事故後最寄の病院へ搬送(応急処置) ⇒最寄病院から救急車搬送要請 ⇒途中で落ち合い、バンコク病院へ搬送 手術。入院2ヶ月 ⇒ビジネスクラスで看護師エスコートで帰国後継続治 療 (搬送費用約250万円・治療費用1,200万円超) (現地総務担当と保険会社の相談) 搬送 (60代日本人男性) • 救急車搬送 (症状):ゴルフコンペ中意識を失って倒れる (脳梗塞) ⇒最寄の病院へ搬送(緊急手術) ⇒1週間後バンコク病院へ転送 (再手術) ⇒順調に回復。3ヶ月間リハビリ治療後、日本へビ ジネスクラスにて帰国。 (治療費用600万円超) (現地総務担当と日本の産業医の相談) タイ国の(非公式)遺体搬送チーム タイ国内では年間80-100名の死亡案件あり (メンバー) ・在タイ日本大使館邦人保護部 ・航空会社 ・アシスタンス会社 ・病院 ・運輸会社 ・葬儀社 予防医学の大切さ 駐在員の突然死はその多くが生活習慣病を持っ ていた。実際には病気を認識することがなくて、 適切な健康管理が出来ていない場合が多い もし健康管理をしっかりしていたら死亡者のう ち、10-15%の方は死ぬ必要がなかったと思う 海外駐在員のために 大切なこと 1.予防医学 ⇒ 定期的健康診断と検査結果 に即した健康管理 2.海外旅行保険 ⇒ 海外では医療費は高い 3.搬送と準備 ⇒ 事前に、現地で使う医療 機関と、近隣国の搬送先 病院への下見をすべし ご清聴ありがとうござ いました。