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宇宙の尺度 - 大阪大学X線天文グループ
宇宙地球科学1 2014/04/15 イントロダクション+宇宙の尺度 林田 清 http://wwwxray.ess.sci.osaka-u.ac.jp/~hayasida/ の下の“授業”に資料あり 大阪大学CLEにも同じ資料を置く予定 授業概要・目標 • 授業の目標:人類は、自分自身が存在するこの世界を理解するた め、長きにわたってさまざまな観測や実験を重ねてきた。この講義で は、宇宙と地球に関わるいくつかの重要な基本概念の紹介を行うとと もに、遠い宇宙から地球に至る様々な天体について、それらを構成す る物質やその起源、あるいはそれらの歴史について述べ、そこで発生 する種々の現象やその原因、物理化学的構造、またそれらを探る科 学的手段などについて、初等的な知識から最新の観測に至る宇宙観・ 地球観の解説を行う。 • 成績評価(宇宙編も地球編も)はレポートと出席。 • 宇宙編では小テストや宿題によって出席点に代替します • 参考文献(宇宙編に関して) • 宇宙科学入門 尾崎洋二著 (東京大学出版会) • 教養のための天文学講義、米山忠興著(丸善) • http://glencoe.mcgraw-hill.com/sites/0010202009/student_view0/ (Explorations: An Introduction to Astronomy! という本のホームペー ジ) ストーンヘンジ(イギリス) 夏至の日の日の出 写真は http://www.mhhe.com/physsci/astronomy/arny/instructor/ch01imagebank.html より転載 Copyright ©1999 The McGraw-Hill Companies 星座 全天で88個 メソポタミア起源 ギリシア時代48星座 16世紀以降南天が加わり 1928年に88星座に確定 写真は http://www.mhhe.com/physsci/astronomy/arny/instructor/ch01imagebank.html より転載 Copyright ©1999 The McGraw-Hill Companies 西洋占星術と黄道12星座 • 西洋占星術の源流は、今から約4千年ほど前、チグリス・ ユーフラテス川流域 。 図は http://www.mhhe.com/physsci/astronomy/arny/instructor/ch01imagebank.html より転載 Copyright ©1999 The McGraw-Hill Companies 日食 写真と図は http://www.mhhe.com/physsci/astronomy/arny/instructor/ch 01imagebank.html より転載 Copyright ©1999 The McGraw-Hill Companies • 中国の日食,月食の観測記録で最も古いものは紀元前 776年8月の月食と同じ年の9月の日食で,これはバビロニ アでの記録より,各々55年,13年早い. (美星町 星の データベースより) 2012/05/21 7:30 7:29 8:41 撮影:林田 理学研究科F棟より 月食 写真と図は http://www.mhhe.com/physsci/a stronomy/arny/instructor/ch01i magebank.html より転載 Copyright ©1999 The McGrawHill Companies 2011/12/10の月食 撮影by林田 2015/4/15 ハワイ月食の中継 http://weathernews.jp/eclipse2014/ 図は http://www.mhhe.com/physsci/a stronomy/arny/instructor/ch01i magebank.html より転載 Copyright ©1999 The McGrawHill Companies 地球の大きさを測る (エラトステネス BC235頃) 7.2° 7.2° • シエネとアレクサンドリア(南北に位置する)の距離 800km • アレクサンドリアでの影の角度7.2度 • これから推定される地球の半径は? エラトステネスの測定から計算する地球の 半径 •R = 800 × 360 7.2 × 1 =6366km 2𝜋𝜋 •最新の測定によると •赤道半径:6378km •極半径: 6357km 付録)三角関数を使わずに • θが小さいとき(角度をradian単位でとると) a c θ c =a sinθ ~aθ =b tanθ ~bθ b A θ B C C =2A sin(θ/2) ~aθ =2B tan(θ/2) ~bθ アリスタルコスによる月の大きさの測定 図は http://www.mhhe.com/physsci/a stronomy/arny/instructor/ch01i magebank.html より転載 Copyright ©1999 The McGrawHill Companies アリスタルコスの地動説 (1) 恒星と太陽は 不動である。 (2) 地球は太陽を 中心として円運動で 回転している。 (3) 恒星天球は膨 大な大きさをもって いる。 月は地球の 大きさの約 1/3.5 http://kakuda.ed.niigata-u.ac.jp/semi/ob/thesis/99niwata_thesis2-21/space/before/before.html 太陽までの距離 図は http://www.mhhe.com/physsci/a stronomy/arny/instructor/ch01i magebank.html より転載 Copyright ©1999 The McGrawHill Companies 90° • アリスタルコスは半月のときの太陽と月の角度から太陽ま での距離を月までの距離の約20倍と推定(現在の測定で は約400倍) 月までの距離、太陽の大きさ D d l l d = L D L 例えばlmを決めてdmを測定する。 月の大きさ Dmがわかっていれば月までの距離Lmが決まる。 太陽に関しても同様の測定をすると、太陽まで の距離Lsがわかっていれば太陽の大きさDsが きまる。 (もっとも古い科学)天文学の発展 •観測して現象に気がつくこと •現象を記録すること •多様な現象を(数字を使って)整理すること •現象を説明するための描像をたてて、それ を検証すること •他の人、後世の人に伝えること(著書、論 文) •より深く現象を見るための装置を開発する こと 天文学特有の単位 ~長さ 地球の1周 40,000km, 半径6,400km 太陽の大きさ~地球の約110倍 天文単位(AU):太陽と地球の距離~1億5000万km 光年:光が1年間に進む距離 (光速=3x108 m/s=30万km/s) パーセク 1光年~9.5x1015m “遠くの天体を見ること~昔をみること” 年周視差1秒角の距離 1pc=3.1x1016m=3.3光年 天体の大きさと距離 典型的に 恒星間の距離~1pc 銀河の半径~10kpc 銀河と銀河の距離~1Mpc 宇宙の地平線まで~5000Mpc 1pc 1AU 1″ 質量、時間の尺度 質量 地球の質量~6x1024kg 太陽の質量~1M◎=2x1030kg 銀河の質量 ~ 1011M◎ 時間 恒星の年齢 100万年~100億年 宇宙の年齢 138億年