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新規POPsによる日本およびアジア地域の汚染実態
内分泌かく乱作用が疑われる 生物蓄積性化学物質の野生生物汚染 新規POPsによる日本およびアジア地域の汚染実態 田辺 信介 愛媛大学沿岸環境科学研究センター o Clm m + n = 1 ~ 10 Cln Brm m + n = 1 ~ 10 Europe Asia ? Brn North America POPs および候補物質の生産・利用・規制に関する推移と現状 既存のPOPs POPs候補物質 PFOS PCBs PBDEs F2 F2 F2 F2 Clm m + n = 1 ~ 10 Cln 日本:1970年代に生産・使用禁止 ストックホルム条約(POPs条約)等 による国際的な規制・対策 汚染レベルの漸減 汚染 レベル F3 F2 F2 F2 R Brm m + n = 1 ~ 10 Brn 近年における汚染レベルの上昇 が欧米で指摘 POPs 条約締約国会議で規制が 検討/開始 一部製剤の使用継続 POPs候補物質 ? 既存POPs 過去 o 現在 未来 PBDEs PBDEs:: Polybrominated Diphenyl Ethers (ポリ臭素化ジフェニルエーテル) 家電やOA機器など、プラスチック製品に難燃剤と して添加 構造・物理化学性がPCBsやDDTsなどの有機塩素 化合物と類似しているため、環境汚染や生物影響 が懸念 一部の製剤は今なお使用、近年まで環境汚染レ ベルが上昇 ペンタ製剤等はPOPROC4/RoHS指令により規制 報告されている毒性 –甲状腺ホメオスタシス撹乱 –神経行動学的異常 –発ガン性 m + n = 1-10 HBCDs HBCDs:: Hexabromocyclododecans (ヘキサブロモシクロドデカン) Br • 断熱材用のポリウレタンフォームや室内装飾 の繊維製品に難燃剤として添加 Br Br Br • ヨーロッパでの使用が顕著 • アジアでは日本の消費量が多い • 今なお使用量が増加(22,000トン/年) • -HBCDが工業製剤の主成分(80%) • 生体中には-HBCDが主に残留 • 難分解・生物蓄積性 • 化審法第一種監視化学物質(2004年) • 鳥類の生殖機能に影響 Br Br 臭素系難燃剤の地域別年間需要量と割合 世界 アジア % % 日本 日本 56,150 56,150 tt 23,000 23,000 tt 10% 10% 3,790 3,790 tt 1,500 1,500 tt 0% 0% 7,500 7,500 tt 150 150 tt 0% 0% その他 Deca-BDE アジア Octa-BDE アジア 北米 Penta-BDE HBCDs ヨーロッパ アジア 16,700 16,700 tt 3,900 3,900 tt 56% 56% TBBPA アジア 119,600 119,600 tt 89,400 89,400 tt 31% 31% 0% 50% 100% アジアの途上国に PBDEs の汚染源存在? HBCDs の主要な発生源は先進国(日本)? (BSEF and Watanabe & Sakai, 2003) 既往研究の結果:アジア諸国のヒト母乳中の PBDEs 濃度 韓国 韓国 日本 日本 中国 中国 インド インド フィリピン フィリピン ベトナム ベトナム カンボジア カンボジア マレーシア マレーシア 途上国 ≒ 先進国 途上国≒ 2 ng/g lipid wt. Fig. 2. Geographical distribution of PBDEsインドネシア in milk from Asia. インドネシア 既往研究の結果:ヒト母乳中 PBDEs 濃度の国際比較 78 74 アジア地域 ≒ ヨーロッパ諸国 ≪ 北米地域 4 0 (6) ng/g lipid (12) (8) (9) (7) (4) (12) (5) Europe (12) (10) Asia (3) North America (1) (2) (11) (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) She et al., 2004 Schecter et al., 2003 Ohta et al., 2000 Olga et al., 2004 Schumahcher et al., 2004 Fangstrom et al., 2004 Kalanzi et al., 2004 Noren and Meironyte, Meironyte, 2000 Strandman et al., 2000 Ryan and Patry, Patry, 2000 Lopez et al., 2004 Ryan, 2004 途上国にもBFRsの汚染源が存在 グローカルな汚染の現状と推移に影響? アジア途上国における廃棄物問題 急速な工業化に伴う環境汚染や公害の発生、廃棄物投棄量の増加、 急速な工業化に伴う環境汚染や公害の発生、廃棄物投棄量の増加、 電子・電気機器廃棄物( waste)等の輸入・不適正処理・・・ 電子・電気機器廃棄物(ee--waste)等の輸入・不適正処理・・・ 地球規模での POPs 動態にみるアジア地域の重要性 Mid-latitudes Mid-latitudes High High latitudes latitudes Global Global distillation distillation Deposition > evaporation with fractionation according to global mobility Seasonal cycling of deposition and evaporation High mobility Relatively high mobility Long-range atmospheric transport Low Low latitudes Evaporation > deposition Relatively low mobility ? Low mobility Cited from Wania and Mackay (1996) アジア地域における急速な人間活動・産業活動の進展は 地球汚染の大きな発生源であり負荷源となる可能性大 アジア地域の BFRs 汚染実態に関する情報は少ない 目 的 日本を含むアジアー太平洋地域における POPs および 候補物質(BFRs)の汚染調査を開始 最近の調査で得た試料と es-BANK 保存試料を活用 1. 汚染の実態と分布の特徴 2. 経時的な汚染の推移 について解析した。 生物環境試料バンク(es-BANK) 平成17年11月竣工(764m22) 超冷凍試料保管液体窒素タンク 冷凍試料保管室(-25℃) 愛媛大学の生物環境試料バンク (es -BANK) es-BANK 過去半世紀の間、世界各地で環境調査を実施 多様な生物・環境試料を採取し冷凍保存 約 1,300種類・11万試料 約1,300種類・11万試料 BFR 汚染の時空間分布解明研究に活用 (2008年12月現在) 爬虫類 鳥類 鳥類 水棲哺乳類 陸棲 哺乳類 ヒト その他 試料 魚介類 種数 765 9 364 50 16 39 1 試料数 17511 2237 28287 29913 9355 3332 7514 鯨類 鰭脚類 総計 1294 9571 107720 50 分析法 Biological Tissue (20-30g) PBDEs: 14 congeners o Soxhlet Extraction (Hex/DEE = 1:3) Brm Clean-up spike Gel Permeation Chromatography m + n = 1~10 Brn PCBs: 62 congeners Silica Gel Chromatography Clm 5% DCM/ Hexane 25% DCM/ Hexane m + n = 1~10 HBCDs: 3 isomers Syringe spike GC-MS Cln Br LC-MS/MS Br Br PCBs•PBDEs HBCDs Br Br Br 目 的 日本を含むアジアー太平洋地域における POPs および 候補物質(BFRs)の汚染調査を開始 最近の調査で得た試料と es-BANK 保存試料を活用 1. 汚染の実態と分布の特徴 2. 経時的な汚染の推移 について解析した。 アジア海域における二枚貝イガイ( Mussel)の PBDEs 汚染 アジア海域における二枚貝イガイ(Mussel)の 240 120 180 420 250 Japan China China Hong Kong Korea India India Philippines Vietnam Cambodia Malaysia 新興国で高濃度 Indonesia 10 20 ng/g ng/g lipid lipid wt アジア海域における二枚貝イガイ( Mussel)の HBCDs 汚染 アジア海域における二枚貝イガイ(Mussel)の 1400 1400 980 980 900 900 660 660 240 Korea China Hong China Kong Japan India India Philippines Vietnam Cambodia Malaysia Indonesia 先進国(日本と韓国)で高濃度 10 ng/g 200 lipid wt. ng/g lipid 鯨類の脂皮から検出された PBDEs の濃度分布 鯨類の脂皮から検出された PBDEs の濃度分布 鯨類の脂皮から検出されたPBDEsの濃度分布 6000 2600 スナメリ スジイルカ 沿岸性鯨類 外洋性鯨類 200 ng/g lipid wt カズハゴンドウ 日本 イシイルカ 香港 シナウスイロイルカ オウギハクジラ ハシナガイルカ他 インド 途上国≒日本 フィリピン Data cited from Kajiwara et al. (2006) 鯨類の脂皮から検出された HBCDs の濃度分布 100 ng/g lipid wt. カズハゴンドウ スジイルカ JAPAN シナウスイロイルカ スナメリ HONG KONG 日本>途上国 カツオから検出された PBDEs の濃度分布 カツオ (Katsuwonus pelamis) PBDEs PBDEs 東シナ海 東シナ海 近海・外洋汚染の指標生物 日本 日本 インド インド ブラジル ブラジル nd ng/g ng/g 10 10 脂肪重当たり 脂肪重当たり 東シナ海で高濃度・途上国に汚染源 カツオから検出された カツオから検出された HBCDs HBCDs の濃度分布 の濃度分布 カツオ HBCDs (Katsuwonus pelamis) nd nd nd nd nd nd 55 ng/g ng/g lipid lipid wt wt nd nd 日本近海で高濃度・日本に汚染源 カツオから検出された カツオから検出された BFRs BFRs および および POPs POPs の濃度分布の比較 の濃度分布の比較 PBDEs PBDEs HBCDs nd nd nd 10 10 ng/g ng/g 脂肪重当たり 脂肪重当たり PCBs PCBs nd nd nd nd 55 ng/g ng/g 脂肪重辺り 脂肪重辺り nd nd PCDDs PCDDs nd nd nd nd nd nd nd nd nd nd 15 ng/g 15 ng/g 脂肪重当り 脂肪重当り nd nd nd nd nd nd nnd d 33 pg/g pg/g 脂肪重当り 脂肪重当り BFRs は外洋のカツオに残留( PCBs に類似) は外洋のカツオに残留(PCBs BFRs BFRs および および POPs POPs の環境挙動 の環境挙動 PCDD/DFs,DDTs PBDEs,HBCDs,PCBs,HCHs PBDEs,HBCDs,PCBs,HCHs 発生源 DDTs, PCDD/DFs 地域汚染型 陸上 PBDEs, HBCDs,PCBs, HCHs 沿岸 地球汚染型 外洋 PBDEs および HBCDs は長距離輸送型(地球汚染型)の化学物質 カツオから検出されたPBDEs濃度の南北変化 北方海域 T3BDE(28) T4BDE(47) H6BDE(154) 北太平洋-1 北太平洋-1 日本沖-1 日本沖-1 日本沖-2 日本沖-2 東シナ海-1 東シナ海-1 東シナ海-2 東シナ海-2 台湾沖 台湾沖 南方海域 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 5 10 15 濃度 濃度 (ng/g (ng/g 脂肪重当たり) 脂肪重当たり) 20 0 5 10 15 20 カツオから検出された PBDEs 組成の南北変化 北方海域 BDE28 BDE28 BDE15 BDE15 BDE47 BDE47 BDE100 BDE100 BDE99 BDE99 BDE154 BDE154 BDE153 BDE153 BDE183 BDE183 北太平洋-1 北太平洋-1 日本沖-1 日本沖-1 日本沖-2 日本沖-2 東シナ海-1 東シナ海-1 東シナ海-2 東シナ海-2 台湾沖 台湾沖 南方海域 00 25 25 50 50 75 75 100 100 組成 組成 (%) (%) 低臭素化 PBDEs の割合が北方海域ほど増大 カツオから検出された HBCDs 組成の南北変化 γ-HBCD α-HBCD 北方海域 北太平洋-1 日本沖-1 日本沖-2 日本海 北太平洋-2 東シナ海-2 東シナ海-1 台湾沖 香港沖 フィリピン沖 南方海域 0 25 50 75 100 組成 組成 (%) (%) α--HBCD HBCD の割合が北方海域ほど増大 カツオから検出された HBCDs 組成の南北変化 γ-HBCD α-HBCD 北方海域 北太平洋-1 日本沖-1 HBCD は 低臭素化PBDEs(2~4 Br)およびα--HBCD 日本沖-2 選択的に大気輸送 日本海 北太平洋-2 東シナ海-2 東シナ海-1 台湾沖 北方の寒冷な海域に集積 香港沖 フィリピン沖 南方海域 0 25 50 75 100 組成 組成 (%) (%) α--HBCD HBCD の割合が北方海域ほど増大 目 的 日本を含むアジアー太平洋地域における POPs および 候補物質(BFRs)の汚染調査を開始 最近の調査で得た試料と es-BANK 保存試料を活用 1. 汚染の実態と分布の特徴 2. 経時的な汚染の推移 について解析した。 汚染の過去復元に用いた試料(es--BANK BANK 保存試料) キタオットセイ 堆積物柱状試料 (東京湾) バイカルアザラシ 1972~1998 1972~1998 ♀ ♀ nn=35 =35 1992-2005 1992-2005 ♂ 30 ♂ nn= =30 日本 カズハゴンドウ 中国 中国 南シナ海 1982~2011 1982~2011 ♂ ♂ nn=20 =20 スナメリ 1990・ ・2000/01 1990 1990・2000/01 ♂ =12 ♂ nn=12 スジイルカ 1978~2003 1978~2003 ♂ =20 ♂ nn=20 目 的 アジアー太平洋地域における POPs および候補物質(BFRs) の汚染調査を開始 最近の調査で得た試料と es-BANK 保存試料を活用 1. 汚染の実態と分布の特徴 2. 経時的な汚染の推移 (先進国・途上国の実態:ローカル・リージョナル) について解析した。 汚染の過去復元に用いた試料(es--BANK BANK 保存試料) キタオットセイ 堆積物柱状試料 (東京湾) バイカルアザラシ 1972~1998 1972~1998 ♀ ♀ nn=35 =35 1992-2005 1992-2005 ♂ 30 ♂ nn= =30 日本 カズハゴンドウ 中国 中国 南シナ海 1982~2011 1982~2011 ♂ ♂ nn=20 =20 スナメリ 1990・ ・2000/01 1990 1990・2000/01 ♂ =12 ♂ nn=12 スジイルカ 1978~2003 1978~2003 ♂ =20 ♂ nn=20 東京湾堆積物柱状試料 PCBs ・PBDEs・DeBDE・HBCDs濃度の鉛直プロファイル PCBs・PBDEs・DeBDE・HBCDs濃度の鉛直プロファイル PBDEs (1-9Br) PCBs 210Pb年代測定 2000 DeBDE (10Br) HBCDs 0 0 0 0 5 5 5 5 10 10 10 10 15 15 15 15 20 20 20 20 25 25 25 25 30 30 30 30 35 35 35 35 40 40 40 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 0 10 20 30 40 50 1988 1982 1975 堆積深度 (cm) 1995 0 50 100 150 200 40 0.0 1.0 2.0 濃度 (ng/g dry wt) PCBs の汚染は改善 BFR とくに HBCDs の汚染が進行 三陸沖キタオットセイ BFRs およびPOPs濃度の経年変化 BFRsおよびPOPs濃度の経年変化 120 30000 PBDEs* 80000 PCBs* DDTs* 60000 20000 80 40000 10000 40 濃度 (ng/g lipid wt) 20000 0 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 80 60 0 1970 1975 1980 1985 1995 2000 0 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 15 2500 HBCD HBCD 1990 HCB* HCHs* 2000 10 1500 40 1000 5 20 nd 0 1970 1975 500 1980 1985 1990 1995 2000 0 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 0 1970 1975 1980 1985 1990 調査年 沿岸の PCBs 汚染は低減:規制の効果 BFR とくに HBCDs による汚染の進行が顕著 1995 2000 国内のPBDEs・HBCDs消費の推移 12000 HBCDs Deca-BDE 消費量 (t) 10000 8000 6000 4000 2000 0 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 年 Data from Watanabe and Sakai (2003) and FRCJ (2006) • テトラ製剤は 1991年、オクタ製剤は1998年に使用規制 テトラ製剤は1991年、オクタ製剤は1998年に使用規制 • デカ製剤は 1991年以降使用量減少 デカ製剤は1991年以降使用量減少 • HBCDs は使用量増加 日本の HBCDs 汚染が顕在化した主要因 目 的 日本を含むアジアー太平洋地域における POPs および 候補物質(BFRs)の汚染調査を開始 最近の調査で得た試料と es-BANK 保存試料を活用 1. 汚染の実態と分布の特徴 2. 経時的な汚染の推移 (先進国・途上国の実態:ローカル・リージョナル) について解析した。 汚染の過去復元に用いた試料(es--BANK BANK 保存試料) キタオットセイ バイカルアザラシ 堆積物柱状試料 (東京湾) 1972~1998 1972~1998 ♀ ♀ nn=35 =35 日本 日本 カズハゴンドウ 1992-2005 1992-2005 ♂ 30 =30 ♂ nn= 中国 中国 南シナ海 1982~2011 1982~2011 ♂ ♂ nn=20 =20 スナメリ 1990・ ・2000/01 1990 1990・2000/01 ♂ =12 ♂ nn=12 スジイルカ 1978~2003 1978~2003 ♂ =20 ♂ nn=20 南シナ海沿岸のスナメリ BFRs および POPs 濃度の経年変化( 1990 -- 2000/01 ) およびPOPs 濃度の経年変化(1990 2000/01) 10000000 HBCDs HBCDs PBDEs PBDEs PCBs PCBs DDTs DDTs CHLs CHLs HCHs HCHs :1990 :2000/01 1000000 濃度 (ng/g lipid wt) 100000 10000 HCB HCB *** *** 1000 100 10 1 0.1 過去10年間で… ***: p < 0.001 途上国での利用が急速に進展 PBDEs: 10 倍以上に増加 途上国での利用は未だ進行していない HBCDs: 2倍程度 PBDEs の汚染が進行、HBCDs は低レベル 目 的 アジアー太平洋地域における POPs および候補物質(BFRs) の汚染調査を開始 最近の調査で得た試料と es-BANK 保存試料を活用 1. 汚染の実態と分布の特徴 2. 経時的な汚染の推移 (先進国・途上国の実態:ローカル・リージョナル) (遠隔海域の実態:グローバル) について解析した。 汚染の過去復元に用いた試料(es--BANK BANK 保存試料) キタオットセイ バイカルアザラシ 堆積物柱状試料 (東京湾) 1972~1998 1972~1998 ♀ ♀ nn=35 =35 日本 カズハゴンドウ 1992-2005 1992-2005 ♂ 30 =30 ♂ nn= 中国 中国 1982~2011 1982~2011 ♂ ♂ nn=20 =20 スナメリ スジイルカ 南シナ海 1990・ ・2000/01 1990 1990・2000/01 ♂ =12 ♂ nn=12 1978~2003 1978~2003 ♂ =20 ♂ nn=20 カズハゴンドウ BFRs および POPs 濃度の経年変化( 1982, 2001, 2006, 2011 ) 濃度の経年変化(1982, 2011) 1000000 HBCDs HBCDs PBDEs PBDEs PCBs PCBs * 濃度 (ng/g lipid wt) 100000 DDTs DDTs HCHs HCHs HCB HCB ** * 10000 1000 CHLs CHLs ** ** 100 10 :1982 :2001 :2006 :2011 1982: 1982: HBCD<<PBDEs HBCD<<PBDEs 2000s: 2000s: HBCD>PBDEs HBCD>PBDEs 1 過去30年間で… *: p < 0.05; **: p < 0.01 PBDEs: 約10倍に増加 HBCDs: 約50倍に増加 日本+途上国での暴露 日本での暴露 スジイルカ BFRs BFRs および POPs 濃度の経年変化 1000 800 1200 PBDEs 80000 600 400 400 40000 200 200 0 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 0 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 0 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 50000 1000 800 HCHs 800 600 濃度 (ng/g lipid wt) 1000 DDTs 120000 HBCDs 40000 600 30000 400 20000 200 10000 0 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 PCB 12000 CHLs 8000 4000 0 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 0 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 採取年 既存POPsの濃度は減少または横ばい PBDEsの濃度は1993年まで急速に、その後はゆるやかに上昇 HBCDsの濃度は1993年以降も上昇中 PBDEs の暴露: 日本+途上国 HBCDs の暴露: 日本 外洋域の汚染は先進国・途上国両方の影響を反映 目 的 日本を含むアジアー太平洋地域における POPs および 候補物質(BFRs)の汚染調査を開始 最近の調査で得た試料と es-BANK 保存試料を活用 1. 汚染の実態と分布の特徴 2. 経時的な汚染の推移 (先進国・途上国の実態:ローカル・リージョナル) (遠隔海域の実態:グローバル) (遠隔陸域の実態:グローバル) について解析した。 汚染の過去復元に用いた試料(es--BANK BANK 保存試料) キタオットセイ バイカルアザラシ 堆積物柱状試料 (東京湾) 1972~1998 1972~1998 ♀ ♀ nn=35 =35 日本 カズハゴンドウ 1992-2005 1992-2005 ♂ 30 =30 ♂ nn= 中国 中国 1982~2011 1982~2011 ♂ ♂ nn=20 =20 スナメリ スジイルカ 南シナ海 1990・ ・2000/01 1990 1990・2000/01 ♂ =12 ♂ nn=12 1978~2003 1978~2003 ♂ =20 ♂ nn=20 鰭脚類に残留する PBDEs 濃度の地域比較 カリフォルニアアシカ / アメリカ沿岸 ゼニガタアザラシ / サンフランシスコ湾 ゼニガタアザラシ / セントローレンス川河口 アメリカ ゼニガタアザラシ / ワデン海 ゼニガタアザラシ / オランダ沿岸 ハイイロアザラシ / バルト海 ワモンアザラシ / バルト海 バイカルアザラシ / 本研究 ヨーロッパ セイウチ / グリーンランド沿岸 ワモンアザラシ / グリーンランド沿岸 バイカル湖 キタオットセイ / 三陸沖 北極域と同等の低レベル10 1 102 103 104 濃度 (ng/g 脂肪重当り) 105 水棲哺乳類に残留する HBCDs 濃度の地域比較 ネズミイルカ / イギリス沿岸 19000 ゼニガタアザラシ / ワデン海 ゼニガタアザラシ / オランダ沿岸 バイカルアザラシ / 本研究 ヨーロッパ シナウスイロイルカ / 香港沿岸 スナメリ / 香港沿岸 キタオットセイ / 三陸沖 アジア ベルーガ / カナダ極海 カリフォルニアアシカ / アメリカ沿岸 低い汚染レベル( ≒ 極海) ≒極海) アメリカ 100 101 102 濃度 (ng/g 脂肪重当り) 103 104 バイカルアザラシ(幼獣) BFRs 濃度の経年変動 PBDEs HBCDs 10 20 p<0.01 15 5 10 5 0 2006 2004 2002 2000 1998 1996 1994 1992 2006 2004 2002 2000 1998 1996 1994 1992 1990 0 1990 濃度 (ng/g 脂肪重当り) p=0.16 地球規模の汚染は進行中、 HBCDs 汚染の拡大顕著 地球規模の汚染は進行中、HBCDs アジア地域の環境汚染レベル将来予測 ローカル・リージョナル グローバル 汚染レベル POPs ? PBDEs ? HBCDs 過去 現在 未来 過去 現在 未来 結 論 日本およびアジア地域におけるBFRs汚染の実態と経年変化 汚染の実態と分布の特徴 途上地域(新興国)にPBDEs汚染が拡大 HBCDs汚染は先進国で顕在化、途上国は低レベル 広域拡散する地球汚染型の化学物質 経時的な汚染の推移 規制の進んでいる既存のPOPsに比べ、BFRsによる汚染レベ ルは近年明らかに上昇 先進国のPBDEs汚染は低減傾向、一方HBCDs汚染は急増中 途上国のPBDEs汚染も増大、HBCDs汚染は低レベル・漸増で あるが PBDEs 規制後に急増の可能性(代替としての利用拡 大)、今後要監視 遠隔地のBFRs汚染は進行中、汚染の長期化が懸念