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資料2 信託協会提出資料(PDF形式:269KB)
資料2 後見制度支援信託の概要・取扱状況について 平成28年10月24日 一般社団法人信託協会 調査部長 西川 紀之 1 目次 1.後見制度支援信託とは 2.後見制度支援信託の特徴 3.後見制度支援信託の現在の利用の状況 4.信託協会の取組み 2 1.後見制度支援信託とは ● 後見制度支援信託の概要 後見制度を被後見人の財産管理面でバックアップする信託であり、家庭裁判所の 指示書に基づいて被後見人が金銭を信託するもの。 信託された金銭から、被後見人の生活費用などの支出に充当するための定期交付や 被後見人の医療目的などの臨時支出に充当するための一時金の交付が行われる。 後見制度支援信託を利用できるのは法定成年後見制度および未成年後見制度の 被後見人のみ。 (法定成年後見制度の被保佐人・被補助人、任意後見制度の被後見人は利用できない) ● 取扱開始の背景 高齢化の進展や介護保険制度の導入などを背景とした成年後見開始事件の増加に 伴い不正事例が発生していたことを踏まえ、被後見人の財産の管理・保護のあり方を 含め、適切な後見事務を確保するために信託を利用することができないかという問題 意識から、最高裁判所事務総局家庭局の提案で、法務省民事局、信託協会の三者で 勉強会を実施。 平成23年2月に後見制度支援信託の仕組みが取りまとめられ、平成24年2月から取扱を 開始。 3 1.後見制度支援信託とは 4 1.後見制度支援信託とは 5 2.後見制度支援信託の特徴 ● 特別な法律に基づく制度ではないが、信託契約の締結、一時金の交付、信託の変更、 解約の手続は、すべて家庭裁判所の指示書にもとづいて行われるため、被後見人の 財産を安全・確実に管理することができる。 ● 被後見人の財産を安定的に運用するために金銭の信託(元本補てん付)を利用。 ● 信託できる財産は金銭のみ(不動産や株式などの財産はこの信託の対象とはならない)。 ● 信託銀行等が被後見人の金銭を管理することにより、後見人の財産管理に係る負担や、 管理方法等をめぐるトラブルへの懸念が軽減されることが期待できる。 ● 信託銀行等は後見人に対して定期的に報告書を送付するが、この報告書は、後見人が 後見事務の状況について家庭裁判所に報告する際に利用できる。 6 3.後見制度支援信託の現在の利用の状況 ● 現在の取扱社:三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、りそな銀行、千葉銀行 14,000 400,000 受託残高(百万円、右目盛り) 受託件数(件、左目盛り) 376,022 後見制度支援信託の受託残高・受託件数 12,918 350,000 12,000 300,000 10,000 269,082 8,840 250,000 8,000 200,000 165,431 6,000 150,000 5,188 4,000 100,000 83,073 2,492 2,000 50,000 35,028 1,464 0 49 平成24年9月末 5,965 174 平成25年3月末 14,394 1,048 411 平成25年9月末 0 平成26年3月末 平成26年9月末 平成27年3月末 平成27年9月末 平成28年3月末 7 3.後見制度支援信託の現在の利用の状況 ● 後見制度支援信託の契約締結手続は、信託銀行等もしくはその契約代理店の窓口、または郵送で 行う。 ● 後見制度支援信託を取扱う信託契約代理店の店舗数は、平成26年3月に信託契約代理業に係る規制 が適正化されたことに伴う金商法定義府令の改正以降、増加を続けている。 450 後見制度支援信託を取扱う信託契約代理店の店舗数 400 392 358 350 306 300 263 250 223 200 150 100 50 0 平成26年3月末 平成26年9月末 平成27年3月末 平成27年9月末 平成28年3月末 8 4.信託協会の取組み ● 広報活動 リーフレット 「後見制度支援信託」の作成・配布、協会ホームページへの掲載 各地の消費者団体等からの依頼に応じ、後見制度支援信託等に関する講演の実施 ● 信託相談所に寄せられた主な相談事項 「家庭裁判所から利用を薦められているが、利用しなければならないのか」 「任意後見制度の被後見人や、被保佐人・被補助人は利用できないのか」 「信託可能な財産について知りたい」 「取扱金融機関について知りたい」 「ペイオフについて知りたい」 など 9