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及 ボス影響 ニ就 テ

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及 ボス影響 ニ就 テ
3175
163.
612. 442:
612. 015. 31.
上 皮 小 體 ノ 「カ ル チ ウ ム」新 陳 代 謝 ニ
及 ボ ス 影 響 ニ就 テ
岡 山醫科大學泉外科敎室(主 任泉敎授)
兼 松 徳 次 郎
[昭 和7年11月16日
Aus
der
I. Chirurgischen
Klinik
der
受 稿]
Medizinischen
Universitat
Okayama
(Director: Prof. Dr. G. Izumi).
Uber
den Einfluss der Epithelkorperchen
auf den
Kalzium-
Stoffwechsel.
Von
Tokujiro Kanematsu.
Eingegangen
Uber
die Beziehungen
bisherigen
kalzium,
schon
den
Arbeiten
am
zwischen
Epithelkorperchen
das Verhaltnis
chemische
im
pathologisch-histologische
Epithelkorperchen
Forschungen
1932.
als Hauptthema
zu der Kalziumausscheidung
fruh
16. November
Harn
und
den
aber
bestehen
uber
Stoffwechselvorgangen
uber
Kalkstoffwechsel
diesen
behandelt,
die
des
noch
die
im Blut
auch
Beziehungen
bezugl.
Gegenetand
haben
Schwankungen
zur Tetanie
Forschungen
und
und
zu den
gabs
es
zwischen
Gewebskalziums,
nicht.
Verf. hat nun an weissen Ratten (Mannl. Korpergewicht zwischen 145-160g)
Untersuchungen uber den Einflussder Epithelkorperchenauf den Stoffwechselin dem
sog. flussigenKalzium des Blutes,weiter auch, uberdie Umsatzverhaltnissein dem
Mobilisierungskeln,
der
ist dabei
bezw.
abdominalen
zu den
Ablagerungsvorgang
parenchymatosen
w. u. mitgeteilten
Bei den Untersuchungen
in dem
Organe
Ergebnissen
dienten
sog.
und
der
Ablagerungskalzium
Knochen
der Mus
etc. angestellt
die folgenden
Kalziumbestimmungsmethoden
Bestimmung.
143
1.
Kalziumgehalt
des Serums
2.
Kalziumgehalt
des Gewebes
nach Kramer
und
gekommen.
und Tisdall.
nach Autklav-Methode
von Corley und
Denis.
zur
3176 兼
Die Ergebnisse
1.
繰
der Untersuchungen
Als Standard
habe
ich
徳
衣
waren
in 10 Fallen
郎
kurz gefasst
bei
die folgenden:
gesunden,
mannlichen,
erwachsenen,
weissen Ratten (Korpergewicht 145-160g) den Kalziumgehalt des Serums and der
Gewebe bestimmt und habe dabei die folgenden Durchschnittswerte erhalten:
Serum…
…10.74mg%
Abdominale
parenchymatose
Organe…
Muskeln…
2.
…7.640〃
…8.326〃
Knochen…
…17.498g%
Nach
der Epithelkorperchen
Serums und
der Exstirpation
der Gewebe beutlich
korperchen
wird
allmahlich
wieder
das Minimum
ab.
nimmt
der Kalziumgehalt
Eine Woche nach der Exstirpation
in der Abnahme
des Kalziums
erreicht,
des
der Epithel-
danach
nimmt
es
zu.
Nach der partiellen Exstirpation der Epithelkorperchen (I. E. -K.) wird der Kalziumgehalt des Serums, der Muskeln und des abdominalen parenchymatosen organe nach 3
Wochen wieder normal, eine Ausnahme davon macht nur der Kalziumgehalt der
Knochen, der dann die Norm noch nicht wieder erreicht hat.
Nach der Totalexstirpation
der Epithelkorperchen
(2 E. -K.) erreicht
der Kalzium-
gehalt der Muskeln und
der abdominalen
parenchymatosen
Organe nach 3 Wochen
wieder den normalen Wert, wahrend das bei dem Kalziumgehalt
des Serums und der
Knochen
dann noch nicht der Fall ist.
3.
Wenn
plantation
den parathyreoidektomierten
oder
Serum und
4.
Homoiotransplantation
Gewebe
vermindert,
wurden,
Wenn an normale
Ratten
wurden,
Epithelkorperchen
dann
wurde
d. h. es war eine deutliche
Batten
Epitbelkosperchen
durch
Autotrans-
Kalziumverminderung
Kompensation
in
zu beobachten.
durch Homoioplastik
uberpflanzt
dann nahm der Wert fur das flussige Kalzium zu, wahrend der fur das Ablage-
rungskalzium
abnahm.
5. Durch Injektion eines Epithelkorperchen-Extraktes an parathyreoidektomierte
atten wurde die Verminderung in dem flussigen ebenso wie demRAblagerungs-Kalzium
gehemmt.
6. Nach der Injektion von Epithelkorperchen-Extrakt an normale Ratten wurde
zwar eine Steigerung des Serumkalziums beobachtet, dagegen aber eine Verminderung
in dem Gewebskalzium.
7. Bei peroraler oder auch sonstiger Kalzillmzufuhr an Ratten wird der Gehalt an
flussigem Kalzium
Diese Verminderung
gesteigert, der Gehalt an Ablagerungskalzium
ist bei der peroralen
Zufuhr
geringer als
aber vermindert.
bei sonstigen
Zufuhr-
methoden.
8. Wenn bei peroraler undauch sonstiger Kalziemzufuhrdiesem Epithelkorperchen-Hormon zugesetztwird, dann erfahrtder Kalziumstoffwechseleineentsprechende
Korrektion.
144
上 皮 小 體 ノ「カ ルチ ウ ム」新 陳 代 謝 ニ及 ボス 影響 Das
will sagen,
dass
bei Zusatz
von
3177
Epithelkorperchen-Hormon
bei Kalziumzufuhr
ebenso wie bei der Homoiouberplantationvon Epithelkorperchen,der Injektionvon nur
Epithelkorperchen-Hormon
Serums
und
Diese
bei
gegenuber
Gewebes
Tatsache
peroraler
Die
sondern
auch
des
Knochenkalzium
Ergebnisse
Kalziums
der
besonders
Erfolg
dieser Untersuchungen
klinisch sehr wichtig.
der
deutlich.
Zufuhr
緒
第2章 歴 史及 ビ文獻
第3章 解
第4章 實驗 動物及 ビ實驗 方法
言
量
第2節 謝 ノ變 化
第1節 實 驗方法
第2節 1側 上 皮 小 體(1箇)摘 出 後 ノ「カル チ ウ
同 種 上皮 小 體 脾 臟 内過 移 植 後 ノ 「カ
ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 實驗方法
第2目 實驗成績
第2項 同 種 上 皮 小 體 肝 臟 内過 移 植 後 ノ 「カ
ル チ ウム」代 謝 ノ變 化
ム」代 謝 ノ變 化
出 後 ノ 「カ ル チ
ウ ム」代 謝 ノ變 化
括
ニ及 ボ ス影 響
145
第1目 實驗方法
第2目 實驗成績
第3項 同 種 上 皮 小 體 腹 壁 内過 移 植 後 ノ 「カ
ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
上 皮 小 體 移 植 ガ生 體 内「カ ル チ ウ ム」代 謝
上皮小體代償的移植實驗
自 家 上皮 小 體脾 臟 内移 植 後 ノ「カ ル チ
ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 實驗方法
第2目 實驗成績
括
ウ ム」代 謝 ニ及 ボ ス影 響
第1項 第1項 als bei sonstiger
同 種 上 皮 小 體 過 移 植 ガ生 體 内 「カ ル チ
上 皮 小 體 摘 出 後 ノ生 體 内「カ ル チ ウ ム」代
第1節 ist
實驗成績
概
正 常 白 鼠 ノ體 内種 種臟 器 ノ「カ ル チウ ム」
第7章 Falle
實 驗 方法
第2目 實 驗 方 法(「カ ル チ ウ ム」測 定法)
概
sicherer
diesem
上 皮 小 體 摘 出 兼 同 種 上皮 小 體 脾 臟 内
第3項 第2節 兩 側 上 皮 小 體(2箇)摘
In
次
第1目 剖
實 驗動物竝 ニ飼育法
第4節 des
移 植 後 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1節 第3節 Kalziumgehalt
sind nicht nur theoretisch interessant
第2項 第1章 第6章 der
(Autoreferat).
目
第5章 Kalziumzufuhr
zunimmt.
ist beim
Zufuhr
Zufuhr.
der
第1目 實驗方法
第2目 實驗成績
第4項 第8章 概
括
上 皮 小 體 「エ ク ス トラ ク ト」ガ生 體 内 「カ
ル チ ウ ム」代謝 ニ及 ボ ス影 響
第1節 上皮 小 體「エ クス トラク ト」ノ製 法
3178
兼
第2節 松
徳
次
上 皮小 體 「ヱ クス ト ラ ク ト」ガ上 皮 小 體
摘 出 白 鼠 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ニ及 ボ ス
郎
第4項 第2節 概
非 經 口的 竝 ニ經 口的 「カ ル チ ウ ム」輸 入
影響
時 ニ於 テ 生 體 内「カル チウ ム」代謝 ニ及
第1項 實 驗 方 法 竝 ニ對 照 實 驗
第2項 實驗成績
第3節 括
ボ ス上 皮小 體 機 能 ノ意 義
第1項 同 種 上 皮 小體 過 移 植 白 鼠 ニ鹽 化 「カ
上 皮 小 體 「エ クス ト ラ ク ト」ガ 正常 白 鼠
ル チウ ム」靜 脉 内 注 射 後 ノ生 體 内 「カ ル
體 内「カ ル チ ウ ム」代 謝 ニ及 ボ ス 影 響
チ ウ ム」代謝 ノ變 化
第1項 實 驗 方 法竝 ニ對照 實 驗
第1目 實 驗 方法
第2項 實驗成績
第2目 實 驗 成績
第4節 第9章 概
括
第2項 同 種 上皮 小 體過 移 植 白 鼠 ニ沈 降 炭 酸
非 經 口的竝 ニ經 口的 生 體 内 「カル チ ウム 」
「カ ル チ ウ ム」經 口的 投 與 後 ノ生 體 内
輪 入 ガ生 體 内「カル チ ウム」代 謝 ニ及 ボ ス
「カル チウ ム」代 謝 ノ變 化
影 響 及 ビ之 ニ對 ス ル上 皮 小 體 機 能 ノ意 義
第1節 第1目 非 經 口的 竝 ニ經 口的 生 體 内 「カ ル チ ウ
第2目 ム 」輸 入 ガ生 體 内 「カル チウ ム」代 謝 ニ
第3項 ル チウ ム」代 謝 ノ變 化
鹽 化 「カ ル チ ウ ム」靜 脉 内注 射 後 ノ生
體 内「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 實 驗 方 法 竝 ニ對 照 實 驗
第2目 實驗成績
第2項 實 驗成 績
同 種 上 皮 小 體過 移 植 白 鼠 ニ鹽 化 「カ
ル チ ウ ム」經 口的 投 與 後 ノ生 體 内「カ
及 ボス 影 響
第1項 實驗方法
第1日 實 驗方法
第2目 實 驗成 績
第4項 上 皮 小 體「エ クス ト ラク ト」注 射 竝 ニ
沈 降 炭 酸 「カル チ ウ ム」經 口的 投 與 後
鹽 化「カル チ ウ ム」經 口的 投 與 後 ノ生
ノ生 體 内「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
體 内「カ ル チ ウ ム」代謝 ノ變 化
第1目 實驗方法
第1目 實 驗方 法
第2目 實驗成績
第2目 實驗成績
第3項 鹽 化 「カ ル チ ウ ム」經 口的 投 與 後 ノ生
體 内「カ ル チ ウム」代 謝 ノ變 化
第1目 實 驗 方法
第2目 實驗成績
第1章 第5項 概
括
第10章 總 括竝 ニ考 案
第11章 結
緒
論
言
甲状 腺 ニ關 ス ル研 究 ノ盛 ナル 之 ニ關 ス ル諸 問 題 ヲ殆 ド闡 明 シ盡 シタ ル如 キ觀 アル ニ反 シ,上
皮 小體 ニ關 シテ ハ其 ノ發 見 尚 ホ 日淺 キ ト,目 的 物 小 ニ シテ比 較 的 取扱 ヒ難 キ ニ由 ル カ,其 ノ研
究 ニ 不 備 ナ ル 點 尠 カ ラ ズ.Steinleinノ
ベ タ リ.此
Erdheimニ
記 載 ヲ 見 ル ニ甲 状 腺 摘 出 動 物 ハ 「テ タ ニ ー 」 ヲ起 ス ト述
ノ上 皮 小 體 ハ1880年Sandstromニ
依 リテ 初 メ テ 發 見 サ レタ ル
レモ ノ ニ シテ,1906年
ヨ リテ 其 ノ機 能 殊 ニ石 灰 新陳 代 謝 ト主要 ナル 關 係 アル ヲ主 唱 サ レ シ以 來 本 小 體 機
146
3179
上 皮 小 體 ノ「カル チ ウ ム」新 陳 代 謝 ニ及 ボ ス影 響
能 ノ 研 究 漸 ク各 方 面 ニ盛 トナ リ,生
ラ ル ル ニ 至 レ リ.然
體 ノ生 活 現 象 ニ缺 ク可 ラ ザ ル 内 分 泌 腺 ト シテ 何 人 ニ モ認 メ
レ共 本 小 體 發 見 サ レ テ ヨ リ此 處 僅 カ ニ 五 十 餘 年 ニ 過 ギ ズ,其
能 ニ關 シ幾 多 先 人 ノ業 績 ア リ ト雖 モ,未
ノ間本 小體 機
ダ完 備 サ レタ ル モ ノ殆 ド之 無 キ ガ 如 シ.仔
レバ 其 ノ最 モ闡 明 サ レタ リ ト見 ル 可 キ 「カ ル チ ウ ム 」陳 新 代 謝 機 能 ニ關 シテ モ,猶
カ ラ ザ ル ナ リ.先
人 諸 家 ノ 文 獻 ヲ渉 獵 ス ル ニ,從
體 ト血 中 「カ ル チ ウ ム」ノ消 長,或
トサ レ タ ル ガ 如 シ.又
細 ニ討檢 ス
未 知 ノ點 尠 ナ
來 報 告 セ ラ レタ ル 大 多 數 ノ業 績 ハ,單
ニ本 小
ハ排 泄 現 象 ニ 關 スル モ ノ ニ シ テ,「 テ タ ニ ー 」 トノ 關 係 ヲ 主 題
上 皮 小 體 ガ組 織 「カ ル チ ウ ム」ノ 新 陳 代 謝 ニ 及 ボ ス研 究 ハ,病
方 面 ニ ハ 比 較 的 早 ク 行 ハ レ タ ル モ,之
ガ化 學 的 檢 索 ニ 至 リテ ハ,其
理組織學的
ノ研究極 メテ寥 寥 タ ル ナ
リ.
依 テ余 ハ上 皮 小體 ガ血 液 中 ニ存 ス ル所 謂 流動 「カ ル チ ウ ム」 ノ消 長 ニ及 ボ ス影 響 ヲ檢 査 スル
外,筋
肉・内 臟・骨 組 織 等 ニ存 スル 所 謂 沈 着 「カ ル チ ウ ム」 ノ移 動 状 態 竝 ニ 沈 着 ノ相 互 的機 轉 ヲ,
上 皮 小 體 ヲ摘 出 セル 場 合,全
カル場 合,或
ハ其 ノ抽 出「ホ ル モ ン」ヲ使 用 セル場 合,其
ノ他 ニ就
キ テ,化 學 的 ニ討 究 シ,尚 ホ「カル チ ウ ム」ヲ其 ノ個 體 ニ與 フル ニ經 口 的 ナル可 キカ或 ハ非 經 口
的 ナル 可 キ カ等 ニ關 シテ實 驗 ヲ重 ネ タ リ.
第2章 1880年sandstromハ
キ テ 檢 索 シ,甲
シ テ,之
ケテ
人,犬,猫,其
ノ他 動 物 ニ 就
状 腺 ノ兩 側 縁 中 或 ハ 其 ノ附 近 ニ 存 在
ト區 別 ス 可 キ 腺 樣 臟 器 ア ル ヲ 發 見 シ,名
「副 甲 状 腺 」
"Beischilddruse"ト
"Glandula
parathyreoidea"
付
od.
諸 動 物 ニ就 キ テ 之 ヲ
ノ 甲 状 腺 退 化 物 ナ リ ト想 像 セ リ.同
胎 見 ニ 就 キ テ 之 ヲ 檢 出 シ,頸
ル 名 稱 ヲ 附 シ,續
ヲ 記 載 セ リ.然
Nicolas等
豚 ノ
動 脉 腺"Glandula
イ テWolferモ
ca
同樣形態
ノ他Cris
モ各 動 物 ニ就 キテ 其 ノ存 在
ル ニ 當 時Gley始
Sandstromノ
檢
シ,胎 生 期
年Stiedaハ
ヲ 有 セ ル 腺 様 臟 器 ノ存 在 ヲ 報 告 セ リ.其
tinni, Prenan,
メ其 ノ他 ノ論 者 ハ
副 甲 状 腺 ナ ル モ ノ ハ,離
在 セ ル胎 生 期
發 育 状 態 ニ止 マ レ ル 甲 状 腺 ノ一 部 ナ ラ ソ ト想 像 シ居
タ リ.加之Gley
ノ結 果,殊
(1891)ハ 甲 状 腺 ノ全 般 或 ハ 一 部 摘 出
ニ 甲状 腺 及 ビ副 甲状 腺摘 出 後,外 側副 甲
状 腺 肥 大 シ且膠 樣 物質 ヲ形成 シテ,甲 状腺 樣 組 織 ニ
變 態 ス ル傾 向 ア リトテ,副 甲 状腺 ハ甲 状 腺 ノ作 用 ヲ
147
營 爲 擔 任 ス ル モ ノ ナ リ ト想 像 シ テ,特
thyreoidenni"ナ
對
ニ "Glandula
ル 名 稱 ヲ附 シ タ リ. Gleyノ
シPrenant,
Moussu,
Nicolas,
Quervain, Verstraeten,
1894)等
稱 セ リ
1881年Baberハ
rotica"ナ
歴史及ヒ文獻
von
之 ヲ 追 試 セ リ.サ
就 キ テ 之 ヲ 實 驗 シ,其
之 ト相 前 後 シ テA.
レ
Hofmeister,
der
Linden
(1895)ハ
(1892家 兎 ニ
ヲ 否 定 シ,又
解 剖 學 的 研 究 ニ基
キ 副 甲 状 腺 ハ 固 有 獨 立 ノ臟 器 ニ シ テ,甲
關 係 ナ ル意 味 ヲ 表 示 セ ン ガ 爲,
"Glandula
parathyreoidea",及
"Glandula
thyreoidenni"ナ
續 イ テSchaperノ
Capobianco等
状 腺 トハ 無
Sandstromノ
稱 セル
ビGleyノ
稱 セ ル
ル 名 稱 ヲ 改 メ テ
小 體 」 "Epithelkorperchen"ト
uxeau,
de
ド モErdheimハ
ノ 結 果Grey説
Kohn
研究 ニ
「上 皮
命 名 セ リ.
解 剖 學 的 研 究 及 ビEdmund,
Po
ノ研 究 ガ 報 告 セ ラ レ タ リ.其
ノ後GleyハNicolasト
ノ 共 同 研 究 ニ於 テ 自 己 ノ初 説
ヲ 訂 正 シ, Blumreich,
Tokoby等
コ ト ヲ 認 メ,爾
モ之 ガ獨 立 腺 ナ ル
來 幾 多 ノ 學 者 モ兩 腺 ガ 形 態 學 上 全 全
相 異 レ ル 臟 器 ナ リ ト思 考 シ,續 イ テVasale,
Generali,
3180 兼
Mossn等
松
徳
モ 同樣 意 義 ノ研 究 報 告 ヲ爲 セ リ.然 ル ニ其
ノ後 又Vincent,
Jolly等 ハ再 ビ上 皮 小 體 ハ 甲 状 腺 ノ
次 郎
モ 亦該 臓 器 ノ機 能 ヲ代 表 ス ル ニ 適當 ナ ル者 ト見 做 シ
難 キ モ 今 日 ニ於 テ ハSandstrom及
ビKohnノ
附 シタ
機 能 缺損 ヲ代 償 ス 可 キ モ ノ ナ ラ ン ト ノ見 解 ヲ提 唱 シ
ル 兩 者 ガ 主 トシテ 竝 用 セ ラ ル. Gley, Stiedaノ 附 シ
テ,嘗
タル 名 稱 ハ 普 ク用 ヒ ラ レザ ルナ リ.
テGleyノ
初 説 ヲ復 活 セ リ.爾 來 其 ノ本 質 ニ
次該 腺 固 有 ノ機 能及 ビ
次 ニ本 小 體 機 能 ニ關 ス ル研 究 業 續 ハ 實 ニ多 種 多 樣
組 織 學 的 研 究 ノ發 展 ト共 ニ,甲 状 腺 トハ別 個 ノモ ノ
ニ シテ 枚 擧 ニ遑 非 ル ナ リ.爰 ニ其 ノ繁 雜 ヲ避 ケ ンガ
タル 事 ハ最 早 何 人 モ疑 ハザ ル所 ナ リ・乍 然之 等 名 稱
爲 各 章 ニ就 キテ 之 ガ詳 細 ヲ記 述 ス ベ シ.
關 シ種種 論 議 サ レタ ル モ,漸
第3章 解
上 皮 小 體 ノ解 剖 ニ 就 キ テ ノ 記 載 ヲ 見 ル ニSand
溯 リ テKohnノ
stron(1880), Scheper (1895), Kohn (1895-1897),
Schreiber(1898), Benjamin (1902), Erdheim (1903),
Petersen (1903), Geiss (1908), Pfeifferu. Meyer
(1908)等
ヲ 以 テ 重 ナ ル 者 トス.就
究 ヲ 遂 ゲ シ ハKohnニ
シ テ,人
中 最 モ綿 密 ナ ル 研
間 ノ上 皮 小 體 ノ解 剖
竝 ニ組 織 學 的 研 究 ハBenjaminノ
ト ス . 其 ノ他Erdheim,
業 績 ニ俟 ツ所 多 シ
Petersen,
Verebelly等
研 究 モ 亦 大 ニ 光 輝 ア ル モ ノ ナ リ.本
作 彌 氏(1924)ハ
剖 檢107例
ノ
邦 ニ於 テ ハ 執 行
ニ 就 キ テ ノ 上 皮 小 體 ノ位
置 ・形 態 ・數 等 ニ 就 キ テ精 細 ナ ル 研 究 ヲ 發 表 セ リ.
1)
數,上
皮 小 體 ノ 發 見 者 タルSandstromハ
其 ノ双 對 的 ノ臟 器 ナ ル 事 ヲ 説 キ, Welsch,
Mac
Callum等
檢 索100例
皆 之 ニ 賛 セ リ.尚
中 大 多 數 ニ 於 テ,各
ル ニ 過 ギ ズ ト云 ヘ ド モ,
存 在 ス ト稱 シ,内2箇
側1箇
Pepere
既 ニ
Gavalleri,
ホPetersenハ
彼 ノ
宛 ヲ見 出 シ タ
(1908)ハ一
般 ニ4箇
ハ 甲 状 腺 組 織 中 ニ 埋 没 シ,他
ハ 甲 状 腺 ヲ 包 ム 組 織 中 或 ハ 其 ノ附 近 ニ 在 リ ト稱 シ,
Benjaminノ50例
中 大 多 數 ニ 就 キ テ,及
ノ138例
ニ 於 テ 各 側2箇
中108例
ビVerebely
宛 即 チ 總 ジテ4箇
ヲ 見 出 セ シ ヲ 以 テ 見 レ バ,人
間 ニ 於 テ ハ4箇
以 テ 常 態 ト見 倣 シ得 可 シ.初
メ テ4箇
シ ハSchreiberニ
シ テ,
Ginsburg,
之 ニ 賛 セ リ. Schreiberノ4箇
ニ1ト3ナ
ハ1側
存 在 説 ヲ樹 テ
氏 モ
存 在 説 ハ 時 ト シテ 兩 側
ル 事 ア リ得 ベ シ ト 稱 ス レ ドモ,
ニ於 テ2箇
存在 ヲ
Habelfeld兩
剖
Verebely
以 上 發 見 セ シ事 ナ シ ト云 ヘ リ.又
正 ニ4箇
動 物 ニ就 キ テ ノ所 見 ヲ參 照 ス ル モ,
殊 ニ 兩 側2箇
宛 ノ 説 ノ正 鵠 ヲ 得 タ ル ガ如
シ.
然 レ 共 人 及 ビ 動 物 又 動 物 ニ 於 テ モ 其 ノ種 類 ニ ヨ リ
テ一 樣 ナ ラ ズ,白
lipeaux
(1884)等
heimモ
各 側1箇
鼠 ニ 於 テ ハScbiff (1884)及
ハ 各 側1箇
ビPhi
宛 ノ 存 在 ヲ 示 シ, Erd
宛 ノ存 在 ヲ 確 示 セ リ.極 メ テ 稀 ニ ハ
異 型 ト シテ1側2箇
他 側1箇
ノ存 在 ヲ 認 ム ル 事 ア リ
ト云 ヘ リ.
余 モ 亦 本 實 驗 ニ 際 シ白 鼠 ハ 其 ノ 大 部 分 ハ 兩 側1箇
宛 ノ存 在 ヲ 認 メ, Erdheim等
ノ説 ニ一 致 シ,極
メテ
稀 ニ ハ 其 ノ異 型 的 數 ヲ 詔 メ タル 事 ア リ タ リ.其
ノ他
犬,牛,兎
等 ニ 就 キ テ モ 余 ノ檢 索 ニ 據 レバ,犬
各 側2箇
宛.牛
1箇 宛,稀
タ リ.兎
ハ殆 ド
ハ 其 ノ摘 出 シ 得 ル モ ノ ノ多 ク ハ 各 側
ニ異 型 的 ニ1側2箇
ヲ發 見 ス ル コ トア リ
ハ 概 シ テ 其 ノ數 不 定 ニ シテ,外
得 ル モ ノ左 右1箇
宛,極
見 ス ル コ トア リ.又
メ テ 稀 ニ ハ1側
部 ニ見 出 シ
ニ2箇
ヲ發
屡屡 甲 状 腺 内 ニ 於 テ 或 ハ 頸 動 脉
ニ附 着 シ テ 認 メ ラ レ 其 ノ數 一 定 シ難 シ.
是 ニ 由 テ 之 ヲ觀 ルモ 動 物 ノ種 類 ニ依 リテ 其 ノ數 ヲ
異 ニ ス ル ハ 明 ナ ル 所 ナ リ.
2)
位 置,上
皮 小 體 ノ 位 置 ニ 關 シ ハ,
Sandstrom
ハ 甲 状 腺 ノ側 葉 ノ 上 部 又 ハ下 甲 状 腺 動 脉 ノ近 部 ニ 存
在 ス ル ヲ唱 ヘ, Geissモ
細 ヲ 發 表 シ,其
リ. Gruberハ
之 ガ 位 置 及 ビ形 態 ニ 就 キ テ 詳
ノ 他 諸 家 モ一 體 ニ 於 テ 之 ヲ 標 準 トセ
其 ノ解 剖 學 的 記 載 ヲ 爲 シ,人 間 ニ 於 テ
148
上 皮小 體 ノ「カ ル チ ウ ム」新 陳代 謝 ニ及 ボ ス影 響 特 ニ 甲 状 腺 主 體 ニ對 ス ル 位置 的 關 係 上 上,下 及 ビ後
25)),又
ノ3類
ノ(Pearman
ニ區 別 シ, Madelungハ
礎 トシテ 上・下・前・後
其 ノ 臨 牀的 所 見 ヲ 基
及 ビ側 ノ5類 ニ 區 別 ス ベキ ヲ
3181
前 縱 隔 賓 連 續 組 織 中 又 ハ 氣 管 ニ附 着 セ ル モ
(1924),大
動 脉 弓,肺 動 脉 ニ連 結 セ ル組
織 中 (Biedle (1922))等 ニ在 ル 事 ヲ報 ゼ リ.
圭 張 シ, Wolflerハ 之 ニ反 シテ 自 己 ノ臨 牀 的 知 見 ヲ以
余 ノ經 驗 ヲ以 テ ス レバ動 物 ニ 於 テ 上 皮小 體 全 摘 出
テ 正 中副 甲 状 腺 及 ビ側 方副 甲状 腺 ノ2種 ニ大 別 ス可
最 モ適 當 ナ ル ハ白 鼠 ニ シテ,犬 及 ビ兎 ハ 之 ニ適 セザ
キ ヲカ 説 セ リ.
ル ガ如 シ. 即 チ各 種 動 物 ニ就 キテ 之 ヲ檢 ス ル ニ,白
又Schreiberモ
ノ1側2箇
人 ニ 於 テ4箇 存 在 説 ヲ 唱 ヘ, Welsch
ノ 上 皮 小 體 ヲ名 付 ケ テ.上
下 前 上 皮 小 體 トナ シ,以
後 上 皮 小 體,
テ 其 ノ位 置 ヲ指 示 セ リ.乍
鼠 ハ 甲 状 腺 ノ外 側 中 央 部 ニ淡 赤 色 光 澤 ア ル粟 粒 大 ノ
亞 圓 形 隆 起 トシテ 甲 状 腺 被 膜 下 ニ介 在 ス.而
クハ1側1箇
シテ 多
ニ シ テ,只 稀 ニハ 甲 状 腺 中 或 ハ 周 圍 脂
然 此 ノ 名 稱 ハ 必 ズ シ モ 其 ノ當 ヲ得 タ ル ト言 ヒ難 シ.
肪 組 織 内,又 ハ 胸 腺 内 ニ其 ノ一 二 ヲ認 ム ル事 ア リ.
時 ト シ テ ハ 可 成 著 シ ク 其 ノ位 置 ヲ 變 ズ ル モ ノ ア リ.
犬 ニ於 テ ハ 甲 状 腺 外 表 ニ認 メ ラル ルモ ノ各 側1箇 宛
Verebellyハ
ヲ有 シ,概 ネ甲 状 腺 外 側 中央 部 ニ於 テ 甲状 腺 被 膜 下
其 ノ 位 置 ニ 就 キ テ 綿 密 ニ 記 載 セ リ.即 チ
上 腺 ハ甲状 腺 側 葉 ノ後 内 方縁 ノ中3分
ノ1ニ 位 シ,
ニ灰 白赤 色 ノ光 澤 ア ル帽 針 頭 大 ノ橢 圓 形 物 トシテ 認
食 道 周 圍 疎 鬆 組 織 或 ハ脂 肪組 織 中 ニ埋 没 シ,廻 歸 神
メ ラ ル.他 ハ甲 状 腺 内面 ノ氣 管 トノ附 着 面,或
經 ノ 後 部 ニ 存 ス ル モ ノ76%ニ
ハ甲
シ テ,15%ハ
之 ヨ リ
状 腺 組 織 中 ニ介 在 ス.依 テ 其 ノ位 置 及 ビ數 ノ關 係 上
少 シ ク 高 ク 甲 状 腺 側 葉 ノ 上 極 迄 存 シ,9%ハ
之 ヨ リ
之 ガ全 摘 出 ヲ行 ハ ン トス ル ニ際 シテハ,甲 状 腺 組 織
低 シ トセ リ.故
ニ 上 腺 ハ 大 略 環 状 軟 骨 ノ高 サ ニ 於 テ,
ヲ傷 害 スル ヲ避 ケ難 シ.
牛 ニ於 テ ハ 殆 ド大 多 數 ガ甲 状 腺 側 葉 ノ後 縁 ガ食 道
氣 管 後 面 ニ 接 ス ル 前 額 平 面 中 ニ 存 ス ル モ ノ ト考 フ レ
バ 過 不 及 ナ シ.而
シ テ 下 腺 ハ 甲 状 腺 ノ下 極 或 ハ 胸 腺
ノ 上 極 ニ 位 ス ル モ ノ76%
ヲ算 ス.其
状 腺 鞏 膜 ニ 密 着 セ ル 事 ア リ.又
ノ他 時 ニハ 甲
人ニ於テハ上皮小體
體 ニ 於 テ 下 腺 ハ 下 甲 状 腺 動 脉 ト廻 歸 神
人 體 ニ於 ケ ル 詳 細 ナ ル 檢
索 ニ 於 テ 見 ル 如 ク 同 種 ノ者 ニ 於 テ モ 其 ノ位 置 ハ 相 當
異 ル ヲ 知 レ リ.況
ヤ 動 物 ノ種 類 ニ ヨ リテ ハ 其 ノ 位 置
極 メ テ 雜 多 ニ シ テ一 樣 ニ 論 ジ難 シ.異
10),
ト シ テ.胸
Pappenheimer
常 位 置 ヲ執 レ
腺 組 織 中 ニ 在 ル モ ノ (Hammer
(1910),
兎 ハ其 ノ數 不 定 ナ ル ノ ミナ ラ ズ,其
Nicolas
u. Swingle
第4章 第1節 一 定 シ難 ク,甲 状 腺 下 方,外 方,前 方 或 ハ甲 状 腺 内
ル
ア リ.概 シテ 氣 管 軟 骨 第7,第10ノ
間 ニ存 ス ル
ト考 フレ バ 大 差 ナ カ ラ ン.
由 是觀 之 ニ白 鼠 ハ他 ノ動 物 ニ比 シテ其 ノ數及 ビ位
置 比 較 的 一 定 シ,且 摘 出 ニ便 ナ ル ヲ以 テ,上 皮 小 體
(19
摘 出 實 驗 ニ白 鼠 ノ適當 ナ ル ハ 從來 諸 家 ノ定 説 トセ ラ
(19
ル.
實驗動物及 ヒ實驗方法
實 驗 動 物 竝 ニ 飼 育法
實 驗 ニ 供 セ ル動 物 ハ 總 テ 健 康 成 熟 白 鼠 ノ 雄 ノ ミニ 限 リ,體
149
ノ位 置 極 メテ
又 ハ 甲 状 腺 ノ外 壁 ニ附 着 シ,時 ニハ 頸 動 脉 ニ附 着 セ
經 ノ 後 方 ニ 存 在 ス ル ガ 如 シ.
以 上 ノ 如 クVerebellyノ
ニハ 甲 状腺 下極 ノ
脂 肪 組 織 中 或 ハ甲 状 腺 内面 ノ氣 管 ニ接 ス ル部 ニ過 剩
ダ 稀 ニ ハ 前 面 ニ 於 テ 下 端 ヨ リ上 方 ニ 位 セ
ル 事 ア リ.大
ル1例
形 状 小 豆 大 ニテ 橢 圓 形 ヲ爲 ス.時
ノ上 皮 小 體 ヲ詔 ム ル事 ア リ.
ガ 甲 状 腺 後 面 ニ 存 ス ル モ ノ 比 較〓 多 數 ニ シ テ21%
ヲ 算 シ,甚
ニ接 ス ル部 ノ脂 肪 組 織 中 ニ埋 没 獨 立 シテ 存 シ,其 ノ
重145gヨ
リ160g迄
ノ モ ノ ヲ 使 用 セ リ.余
ガ
3182 兼
松
徳
次
郎
實 驗 動 物 使 用 ニ際 シ,其 ノ性 ヲ雄 ノ ミニ限 リ體 重 ヲ
シ,菜 葉 ハ 食 餌 ノ一 定 ヲ期 セ ンガ爲,特
嚴 選 セ ル ノ所 以 ハ,雄 ハ妊 娠,分
ジテ得 ラル ル當 地 方 ニ於 テ「し らな 」ト稱 スル モ ノヲ
娩 等 ニ依 ル影 響 無
ク,體 重 ヲ限 定 セ ルハ 發 育 經 過 ニ依 ル「カ ル チ ウ ム」
ノ動 搖 ヲ 避 ケ ンガ 爲 ナ リ.飼 育 ニ際 シテ ハ特 ニ注 意
ニ四 季 ヲ通
常 用 セ リ.
實 驗 動 物 ハ總 ジテ 所 要 體 重 ニ滿 タザ ル モ ノヲ購 入
ヲ拂 ヒ,常 ニ一 定 條 件 ノ下 ニ之 ヲ飼 育 セ リ.飼 料 ト
シ,尠 クモ10日
シテ ハ 玄 米 及 ビ靑 菜 ノ一 定 量 ヲ 以 テ 標 準 食 餌 ト ナ
テ 飼 育 シ,所 定 體 重 ニ至 ル ヲ待 チテ 實 驗 ニ供 セ リ.
第2節 1)
血 液.血
Kramer
u. Tisdall氏
ル チ ウ ム 」ノ 定 量 ヲ 行 ヘ リ.即
モ ニ ウ ム 」液 ヲ 加 ヘ,更
レ,然
法 ニ ヨ リテ 「カ
チ 血淸2cc或
ハ1cc
ノ半 量 ノ 飽 和 蓚 酸
ニ 蒸 溜 水2ccヲ
江 氏 法 ノ長 所 ヲ 取
加 ヘ,
リテ 約24時
速1500囘15分
ヲ分
分 混 和 シ,再
フ.斯
3囘,最
澱 物 ニ2%
ナ シ,沈
澱物 ヲ十
ノ如 ク「ア ム モ ニ ア 」水 ヲ 以 テ 洗 滌 ス ル 事 前 後
後 ニ 「ア ム モ ニ ア 」水 ヲ 毛 細 管 「ピ ペ ツ ト」ヲ
沈 澱 物 ヲ 溶 解 セ シ ム.之
n/100-KMnO4液
ヲ70℃
2ccヲ
加 ヘテ
ノ 重 湯 煎 上 ニ 於 テ,
用 セ ルn/100-KMnO4液
量 ヲ 以 テ 「カ ル
チ ウ ム 」含 有 量 ヲ算 出 ス,
2)
用 ヒ タ ル モ,該
Denis
來 多 クハ 灰 化 法 ヲ
法 ハ 其 ノ 灰 化 操 作 ニ 際 シテ 實 驗 的 誤
差 ヲ 生 ジ 易 シ.仍
テ 余 ハ 特 ニR.
(1925)ノAutklav-Methode
& Denis氏
C.
(The
Corley
W.
Denis兩
等 ノ報 告 及 ビ余 ノ實 驗 結
織
「カ ル チ ウ
&
Journal
等 以 外 余 ノ檢 ベ シ範 圍 内 ニ 於 テ ハ
組 織 ハ心 臟 穿 刺 採 血 後 直 チ ニ 取 リ テ 實 驗 ニ 供 セ リ.
即 チ 筋 肉 ハ 可 及 的 純 粹 筋 肉 組 織 ト シ テ 得 ン ガ 爲,採
取 容 易 ナ ル 大 腿 筋 肉 ヲ使 用 シ,筋
W.
of
膜,神
等 ヲ精 密 ニ 除 去 シ タ ル モ ノ10gヲ
臟,腎
經,血
取 リ,内
管,腱
臟 ハ肝
臟 等 ノ腹 部 内臟 賀 質 性 臟 器 ノ全 組 織 ヲ
合 シテ 秤 量 シ,兩
者 ハ 各各n/10-NaOH50ccト
硬 質 硝 子 「コ ル ベ ン」ニ 採 リ,骨
共 ニ
ハ可 及 的全 身 各 部 ニ
渉 リ テ ノ 平 均 値 ヲ 求 メ ン ガ 爲,比
較 的 純 粹 骨 ト シテ
得 易 キ 兩 側 上,前
腿,骨
膊 骨,大
頭 蓋 骨 等 ヲ 使 用 シ,腱
腿,下
盤,肩
胛 骨,
及 ビ 筋 肉 等 ヲ乾 燥淸 淨 「ガ ー
ゼ 」ヲ 以 テ 入 念 ニ 拭 除 セ シ モ ノ ヲ 秤 量 シ,之 ヲ 大 ナ ル
サ16.5cm)ニ1On-NaOHト
サ2.5mm,内
間10氣
經4cm,深
共 ニ 收 容 シ テ,三
モ 容 器 ロ ハ 錫 箔 ヲ 以 テ 蔽 閉 シ テ,共
入 レ テ180℃2時
沈 着 「カ ル チ ウ ム 」(組 織 「カ ル チ ウ ム 」)組 織
「カ ル チ ウ ム 」定 量 ニ 關 シ テ ハ,從
&
選 ビ
ム 」ヲ測 定 ス ル ニ ハ 最 モ 用 ユ 可 キ モ ノ ノ如 シ.而 シ テ
「バ イ ロ 硝 子 製 」試 驗 管(厚
ヲ 以 テ 滴 下 反 態 ヲ 行 ヒ,尠 ク モ1分
間 以 上 消 失 セザ ル淡 紅 色 ヲ呈 ス ル ニ至 リテ終末 反態
ト見 做 シ,使
氏 ノ報 告 セ ル モ ノ ニ テ,氏
臟,脾
ビ前 述 ノ諸 條 件 ノ下 ニ 遠 心 沈 澱 ヲ行
以 テ 注 意 シテ 吸 除 シ タ ル 後,n-H2SO4
C. Corlep
1925)ヲ
本 法 ニ基 ル 「カ ハ チ ウ ム 」定 量 ノ報 告 ヲ觀 ザ ル ナ リ.
液 ヲ 水 流 「ポ ン プ 」ニ蓮 結 セ ル 毛 細 管 「ピ ペ ッ ト 」ヲ 用
ノ 「ア ム モ ニ ア 」水 ヲ加 ヘ テ6ccト
法 ハ1925年R.
P. 601,
Clark
ル 後 其 ノ上 澄
ヒ テ 極 メ テ 靜 カ ニ 注 意 シ ツ ツ 吸 除 シ.沈
タ リ.本
Vol. 66
Corley
ナ シ,之
間 遠 心 沈 澱 ヲ 行 フ.然
Chemistory
「ア ム
間 氷 室 ニ入
ル 後 再 ビ 蒸 溜 水 ヲ 加 ヘ テ6ccト
biological
果 ヨ リ見 ル モ 其 ノ成 績 確 實 ニ シテ,組
量 ノ先 端 尖 レ ル 「カ ル チ ウ ム 」測 定 用 特
定 遠 心 沈 澱 管 ニ 採 リテ,其
氏 法,近
ヲ
間 遠 心 沈 澱 ヲ 行 ヒ テ 分 離 シ得 タ ル
血淸 ヲ 用 ヒ テ,
ヲ 約15cc容
實 驗 方 法(「カル チ ウ ム」測 定 法)
液 ハ 心 臟 穿 刺 ニ ヨ リテ 探 血 シ,之
分 速1500囘15分
間 以 上 一 定 條 件 ノ下 ニ標 準 食 餌 ヲ以
者孰 レ
ニ 「Autklav」
壓 ノ 下 ニ 加 熱 ス.此
ニ
ノ際 筋
肉 及 ビ 内 臟 ハ 高 熱 ト壓 ト ニ依 リ テ 「ア ル カ リ」液 中 ニ
テ 細 胞 ハ 破 壞 シ盡 サ レ,骨
ハ 其 ノ 有 機 物 ヲ 「ア ル カ
リ」液 中 ニ 游 離 セ シ ム.
斯 ク シ テ 得 タ ル 筋 肉 及 ビ 内 臟 ノ組 織 液 ニ 濃 鹽 酸 ヲ
加 ヘ テ 強 酸 性 ト爲 シ,更
ニ 蒸 溜 水 ヲ 加 ヘ テ60ccト
150
上 皮 小 體 ノ「カ ル チウ ム」新 陳 代謝 ニ 及 ボ ス 影響 爲 ス.
ツ ト」ヲ 以 テ 靜 カ ニ 上 澄 液 ヲ 吸 除 シ,n-H2S04ヲ
骨 ハ 極 メ テ 靜 カ ニ 注 意 シ テ 「ア ル カ リ」液 ヲ 流 除 セ
シ メ タル 後,約20ccノ
濃 鹽 酸 ヲ 加 ヘ テ 溶 解 セ シ ム.
此 ノ際 余 ノ經 驗 ニ據 レ バ 硝 子 棒 ヲ 以 テ 骨 ヲ 鹽 酸 中
ニ テ 細 挫 ス ル 時 ハ,骨
ナ リ.鹽
ノ溶 解 ヲ容 易 ナ ラ シ ム ル ニ 便
酸 ニ テ 骨 ガ 溶 解 ス ル ヲ 待 チ テ,蒸
テ60ccト
1時
溜水ヲ以
爲 ス 事 前 述 ニ 同 ジ、斯 ク シ テ 得 タ ル モ ノ ヲ
間 以 上 放 置 ス 可 ク,余
置 セ ル後.筋
H.
3183
肉 及 ビ 内 臟 液 ハ 之 ヲ無 灰 漏 紙(瑞
Munetels製),「
漏 過 シ,骨
692頁)ヲ
ハ常 ニ 一 夜室 温 ニ於 テ 放
ハ精 製 無 灰 石 綿(須
藤 憲 三 著 醫 化學 實 習
坩 堝 ニ 入 レ「ア ス ビ ラ ト
ー ル 」 ニ 連 結 シ テ 之 ヲ 漏 過 ス.而
定 量 ヲ 取 リ テ,蒸
シ テ 此 ノ漏 液 ノ一
溜 水 ヲ 以 テ100倍
ト爲 ス.以
操 作 ニ 依 リ テ 得 タ ル 各 漏 液 ノ15cc(骨
釋 セ ル モ ノ)ヲ 取 リテ,容
量50ccノ
ハ100倍
ニn/10-KMnO4液
ヲ以テ
1分 間 以 上 消 失 セ ザ ル 淡 紅 色 ヲ呈 ス ル 迄 滴 加 シ テ 之
ヲ 還 元 シ,約15分
間 經 過 セ シ メ タ ル 後,4%ノ
「ア ム モ ニ ア 」液5ccヲ
フ.然
加 ヘ,更
蓚酸
ニ 蒸 溜 水5ccヲ
加
ル 後 再 ビ 「メ チ ー ル 赤 」液 ヲ 表 示 藥 ト シ テ 加 ヘ
濃 「ア ム モ ニ ア 」水 ヲ 以 テ 中 性 ニ 誘 導 セ シ ム.萬
一此
ノ際 中 性 點 ヲ過 キ 「ア ル カ リ」性 ニ移 行 セ バ,n-ClH
ヲ 以 テ 再 ビ 中 性 點 ニ 還 歸 セ シ ム.
典J
フア ル テ ン フヰ ルテ ル」ヲ 以 テ
充 填 セ ルGooch氏
テ 沈 澱 物 ヲ 溶 解 セ シ ム.之
以
上 ノ
ニ稀
先 端 尖 レ ル 「カ
以 上 ノ操 作 ヲ 爲 シ タ ル 後 之 ヲ1時
沈 澱 ノ生 ズ ル ヲ 待 チ テ,遠
心 沈 澱 ヲ行 ヒ,上
除 去 ス ル 事 前 囘 ニ 同 ジ.斯
ビ 遠 心 沈 澱 ヲ ナ シ タ ル 後,上
最 後 ニ 得 タ ル 沈 澱 物 ハ 之 ヲn-H2SO4
シ メ,70℃
澄液 ヲ
クシテ 得 タル 沈 澱 物 ハ 氷
ヲ 以 テ 冷 却 セ ル 蒸 溜 水25cc-30ccヲ
シ,再
間 放 置 シテ十 分
ノ 温 浴 上 ニ於 テ,
以 テ混 和 水洗
澄 液 ヲ 除 去 ス.
5ccニ
テ 溶解 セ
n/1000-KMnO4ヲ
以テ
ル チ ウ ム 」測 定 用 特 定 遠 心 沈 澱 管 ニ收 容 シ,之 ニ 各各
1分 間 以 上 消 失 セ ザ ル 淡 紅 色 ヲ 呈 ス ル ニ 至 ル マ デ 滴
其 ノ半 量 ノ4%ノ
定 反 應 ヲ 行 フ.此
蓚 酸 「ア ム モ ニ ア 」水 ヲ加 ヘ,更
「メ チー ル 赤 」液 〔(Methylrot
300cc)+H2O.
0.1g+Alkohol
200cc〕2滴
ニ
absolut
ヲ表 示 藥 ト シ テ 加 ヘ,之
血淸 及 ビ 組 織 檢 査 時 ニ 使 用 セ ル 藥 品 ハ,總
Merck製
酸 「カ ル チ ウ ム 」ト シ テ 之 ヲ 折 出 沈 澱 セ シ ム.而
ハ 孰 レ モ 概 ネ1箇
1時 間 經 過 セ シ後,分
行 ヒ,而
速1500囘15分
間遠 心沈澱 ヲ
品 ヲ使 用 シ,特
テE.
ニ 滴 定 用 ノn/1000-KMnO4
月2囘
ハ 新 シ ク 調 製 シ,毎
使用時
ニ 之 ガ 補 正 ヲ 怠 ラ ザ リキ.
ル 後 水 流 「ポ ン プ 」 ニ連 結 セ ル 毛 細 管 「ピ ペ
第5章 正常白鼠ノ體内種種臟器 ノ「カルチ ウム」量
實 驗 ニ當 リ先 ヅ 正 常 白鼠 體 内 ノ血淸 竝 ニ組 織 ノ流
竝 ニ 種種 組 織 ノ 「カ ル チ ウ ム」 量 略略 一 定 セ ル ヲ認
動 或 ハ沈 着 「カ ル チ ウム 」ガ如 何 ナ ル數 量 ニ存 ス ル ヤ
ム.而
ヲ知 ラ ンガ爲,標
ム 」量 最 モ 高 キ ハ 骨 ニ シ テ, Berenosy,
準食 餌 ヲ以 テ 一 定 期 間 馴 飼 セ ル,
所 定 體 重 ノ 正常 白 鼠10例
ニ就 キテ,前 述 測 定 法 ニ基
sky,
シ テ 其 ノ 量 ハ 先 人 ノ 云 ヘ ル 如 ク,「 カ ル チ ウ
Blair等
藏 所 ト稻 セ ル 如 ク.他
ウ ム 」 量 ヲ測 定 シ,其 ノ各 平 均 ヲ求 メ,以 テ 血淸 竝
ナ リ.
ニ 種種 組 織 ノ正 常 標 準 「カル チ ウム 」量トセ リ.
白 鼠 間 ニ於 テ,體 重 略略 一定 セ ル モ ノ ニテ ハ
ニ 比 シテ 共 ノ含 有 量 特 ニ 著 明
之 ニ 次 グ ハ 血淸 ニ シテ,筋
實 驗 結 果 ヲ觀 ルニ,一 定 條 件 ノ下 ニ馴 飼 セ ル正 常
血淸
Joffe, Bodan
ハ 骨 ヲ 稱 シ テ 生 體 内 ノ「カ ル チ ウ ム 」貯
キ テ 下 記 ノ如 キ體 内 ノ血淸 竝 ニ種種 組 織 ノ 「カ ル チ
151
使
用 量 ヨ リ「カ ル チ ウ ム 」ノ含 有 量 ヲ 算 出 ス.
ニ 濃 「ア ム モ ニ ア 」水 ヲ 以 テ 「ア ル ヵ リ」性 ト爲 シ,蓚
シテ
ノ 際 使 用 セ ルn/1000KMnO4ノ
肉 及 ビ内臟 實 質 性臟 器
ニ 至 リ テ ハ 其 ノ含 量遙 ニ 少 シ.
Hetenyiニ
從 ヘ バ 生 體 内 組 織 「カ ル チ ウ ム 」ノ98%
3184 兼
第1表 ハ 骨 ニ 含 有 サ レ,他
ル ト説 ケ リ.余
松
徳
郎
正常 白 鼠體 内 種 種臟 器 ノ「カ ル チ ウ ム」量
ハ主 ト シテ軟 部 組 織 中 ニ有 セ ラ
ノ實 驗 例 ノ平 均 値 ハ 骨17.498g%,
第6章 次
血淸10.74mg%,筋
器7.460mg%ナ
障 碍 ヲ 惹 起 ス ル 事 實 ハ,1906年Erdheimニ
皮 小 體 摘 出 ガ 齒 牙 ノ 不 完 全 石 灰 化,骨
依 リ上
ノ石 灰 減 少 ヲ
起 ス ヲ 發 見 セ ラ レ タ ル ヲ 以 テ 嚆 矢 トス.氏
リ.
ガ此 ノ發
1910)ハ
猫 ニ 就 キ テ,上
dheim
(1911)ハ
(1908),
シ テ モ,其
Morel (1911)等
補 遺 シ,豐
Hohlbaum
Preiswerek
モ 實 驗 的 ニErdheimノ
説 ヲ
福 氏 モ 組 織 學 的 ニ 之 ヲ 證 明 セ リ.其
(1912),
生 田(1924)氏
(1924),小
Canal (1909),
Hilbick
(1913),
Gottlieb
ノ他
(1920),
等 モ 同 樣 ナ ル 意 見 ヲ 發 表 セ リ.淺
川(1925)氏
等 モ,上
田
皮 小 體 摘 出 ニ依 ル骨
「ラ ツ テ 」ノ 上 皮 小 體 摘 出 ヲ 試 ミ,之
ガ 骨 折 治 癒 ニ 及 ボ ス 影 響 ヲ 觀 察 シ,其
灰 量 減 少 シ,且
(1909),
皮 小 體 ノ 骨 折 治 癒 時 ニ於 ケ
ル 石 灰 沈 着 現 象 ニ 對 シ テ 關 係 ア ル ヲ報 告 セ リ. Er
見 以 來 之 ニ 關 ス ル 實 驗 的 研 究 翕 然 ト シ テ 起 リ,Iselin
(1911),
臟 實質 性臟
上皮小體摘 出後 ノ生體内「カルチウム」代謝ノ變化
上 皮 小 體 缺 損 或 ハ 其 ノ機 能 障 碍 ガ 石 灰 ノ 新 陳 代 謝
Fleischman
肉8.386mg%,内
ノ假 骨 内 ノ石
新 タ ニ石 灰 沈 着 ヲ要 ス可 キ箇 所 ニ對
ノ 沈 着 障 碍 ヲ 起 ス モ ノ ナ リ ト稱 セ リ.小
川 氏 モ 亦 同 樣 ナ ル報 告 ヲ ナ シ,上
皮小體機能缺損ハ
生 理 的 意 義 ノ ミナ ラ ズ 治 療 的 ニ モ 重 大 ナ ル 意 義 ア
ル ヲ 記 載 セ リ.
上 皮 小 體 機 能 ノ 血 液 「カ ル チ ウ ム 」 代 謝 ニ 關 シテ
ハ,1908年Loeb,ガ
上 皮 小 體 摘 出 後 血 中 「カ ル チ ウ
ノ 變 化 ハ 骨 ノ 石 灰 缺 損 ナ ル 事 ヲ 記 載 シ, Waltner u.
ム 」 ノ 減 少 ヲ 唱 ヘ テ 以 來 此 ノ 方 面 ノ 業 績 續 出 シ,
H.
Mac Callum
R.
ミ,自
Coburnハ
「ラ ツ テ 」 ニ於 テ 上 皮 小 體 摘 出 ヲ 試
然 死 ニ至 ル ヲ待 チ テ 檢 セ ル 結果 著 明 ナ ル 骨
u. von
Reussハ
上 皮 小 體 摘 出 後 骨 「カ ノル
チ ウ ム 」量 ノ 變 化 ラ 初 メ テ 定 量 的 ニ 證 明 セ リ.其 ノ他
Canal
(1910-1919)ハ
「ラ ツ テ 」 ニ,
Hasting,
Murry
Trendelenburg
「カ ル チ ウ ム 」ノ 缺 損 ア ル ヲ 認 メ タ リ.
Leopold
u.
Morel
(1909-
Pincus,
Reiss,
(1921),
(1921)
Petersen,
レ タ リ.近
Voegtlin
Harald,
(1923),
Kramer
時Trendelenburg,
Salversonハ
(1910),
Neurnth
(1911),
Salverson
(1923),
Greenwald
(1926)等
(1924),
ノ研 究 發 表 セ ラ
Goebel
(1921),
von
上 皮 小 體 摘 出 時 ニ ハ 血 中 「カ ル チ
152
上 皮 小 體 ノ「カ ル チ ウ ム」新 陳 代 謝 ニ及 ボ ス影 響 ウ ム イ オ ン 」ノ減 少 ヲ 述 ベ,
Herxheimerハ
上皮小體
僅 ニLoughridgeガ
「テ タ ニ ー 」時 ニ 於 ケ ル 筋 肉 「カ ル
摘 出 時 ノ 「カ ル チ ウ ム イ オン」 減 少 ニ 就 キ テ 總 括 的 ニ
チ ウ ム 」ノ減 少 ヲ唱 ヘ,
記 述 セ リ.
シ ト云 ヘ ル ノ ミ ニ シ テ,未
此
ノ外Urechie,
Parthon egtlin (1908)等
ハ 「テ
Mac
Callum,
シ テ,上
皮 小 體
ノ 病 的 機 能 障
ハ 手 術 的 缺 損 ニ 依 ル 「テ タ ニ ー 」 時 ノ 血 中 「 カ
ル チ ウ ム 」代 謝
tzenellbogen,
Hasting,
ノ 研 究 行 ハ レ,續
Cameron,
Murry,
Goebel,
Goecel,
Moorhouse,
Bass,
MacCallum,
Paul,
Salverson等
Howland,
ハ 人 間 ノ「テ タ ニ ー 」症 ニ 於 テ,
見 「テ タ ニ ー 」ニ 就 キ テ,血
較 的 尠 ク,僅
1,2ノ
報 告 ヲ 見 ル ノ ミ.氏
以 上諸 家 ノ報 告 ヲ通 覧 ス ル ニ上 皮 小 體 摘 出,又 ハ
中 「カ ル チ ウ ム 」ノ減 少 ニ
レ モ其 ノ研 究 範圍 斷 片 的 ナ ル ノ感 ア リ,多 ク ハ流 動
「テ タ ニ ー 」
日 マ テ 此 ノ方 面 ノ業 績 比
チCybulskyガ
「カ ルチ ウ ム」ノ消 長 ヲ以 テ 其 ノ新 陳代 謝 ヲ論 ゼ ン ト
シ,組 織「カル チ ウ ム」新 陳 代謝 ノ報 告 ハ多 ク ハ組 織
學 的 ニ檢 セ ル モ ノニ シテ,化 學 的 檢索 ヲ爲 シ タ ル者
同 樣 ナ ル 發 表 ヲ 爲 セ リ.
ビ
人 ニ ヨ リテ 筋 肉 「カ ル チ ウ ム 」 ノ變 化 ニ 關 ス ル
「テ タ ニ ー 」時 ノ
極 メテ 尠 シ.曾 テLeopold
u. von Reussガ 長 時間 ト
繁 雜 ナ ル手 數 ヲ要 ス ル組 織 學 的 檢 査法 ヲ轉 換 シテ,
簡易 ニ シテ 正確 ナ ル化 學 的 方法 ニ據 リテ,上 皮小 體
ノ「カ ル チ ウ ム」新 陳代 謝 ヲ研究 セ ン ト企 テ シ以 來,
漸 ク此 ノ方 面 ノ檢 索 ニ志 ス 者 ア リ ト雖 モ,未 ダ 完 壁
組 織 「カ ル チ ウ ム 」ノ 減 少 ヲ 提 唱 シ テ 以 來 漸 ク 此 ノ 方
ヲ盡 サ レ タ リト稱 ス ル ヲ得 ズ.而
面 ノ研 究 行 ハ ル ル ニ 至 リ, Quest (1908)ハ
告 ハ,其
小 兒 ノ腦 ニ 就 キ テ,
Ramacii,
Pexa,
Czerny,
Silbesteri等
MacCallum,
Kellers,
「テ タ ニ ー 」
Ascheim
Leopold
u.
(1910),
von
Reuss,
ハ 上 皮 小 體 摘 出 ニ 依 ル 腦 中 「カ ル
テ ウ ム 」ノ 減 少 ヲ 唱 ヘ,之
ニ據 レバ 上
見解 ヲー ニセ リ.然 ル ニ以 上 諸 家 ノ業 績 ヲ見 ル ニ孰
ニ 之 ガ 腦 中 「カ ル チ ウ ム 」ノ變 化,及
報 告 ヲ 見 ル ノ ミ.即
ノ文 獻 上 ニ知 ラ レ タル 者 ハ僅
ウ ム」 ヲ共 ニ減 少 セ シム ル事 ハ 孰 レノ學 者 モ 皆 其 ノ
次 ニ 上 皮 小 體 機 能 ガ一 般 組 織 「カ ル チ ウ ム 」代 謝 ニ
及 ボ ス 影 響 ニ 就 キ テ ハ,今
ノ變 化 ニ 至 リテ ハ,共
特 ニ乳
ノ經 過 ト血 中 「カ ル チ ウ ム 」ノ消 長 ニ 就 キ テ 詳 細 ナ ル
Cybulskyモ
内 臟 ノ上 皮 小 體 缺 損 時 ニ 於 ケ ル 「カ ル チ ウ ム 」代 謝
機 能 缺 損 ハ,血 液 及 ビ組 織 ノ流 動 竝 ニ沈 着 「カ ル チ
Gross等
關 ス ル 詳 細 ヲ 記 載 セ リ.又Tocobowitzハ
研 究 ヲ 遂 ゲ,
ダ賓 驗的 ニ上 皮 小 體 摘 出
量 ヲ減 少 ス ト述 ベ タ リ.
Trendelenburg,
Stehenmanハ
ハ 變化 ナ
皮 小 體 摘 出 後 ノ内臟 大 部 分 ハ 其 ノ「カ ルチ ウム」含 有
Waltner,
Greenwald,
Dixon等
報 告 セ ル 者 無 シ.
ニ一 本 杉 氏(1926)ノ
ハ 動 物 ニ 於 ケ ル
Marriot,
Voegtlin,
Ka
Tocobowitz,
Trendelenburg,
Schwarz.
研 究 ヲ 發 表 シ,
イ テNeurath,
Berhard,
ニ ヨ ル 筋 肉「 カ ル チ ウ ム 」ノ變 化 ニ 就 キ テ 其 ノ詳 細 ヲ
Vo
タ ニ ー 」 時 ニ 於 ケ ル血 中 「カ ル
チ ウ ム 」 ノ 減 少 ヲ 提 唱
碍,或
(1907),
3185
ニ 對 シ テCooke
(1910ハ
シテ 從 來 多 ク ノ報
ノ研 究 範 圍 比 較 的狹 ク,之 ヲ生體 内 ノ流 動
「カ ル チ ウ ム」及 ビ沈 着 「カ ル チ ウ ム」ノ二 方 面 ノ變 化
ヲ觀 察 シテ,上 皮 小 體 ノ「カル チ ウ ム」新 陳代 謝 ニ及
ボス 機 能 ヲ檢 索 セ ル モ ノ未 ダ非 ザ ル ナ リ.依 テ 余 ハ
本 章 ニ於 テ ハ 上 皮 小 體 摘出 ガ生 體 内 ノ流 動 「カル チ
「テ タ ニ ー 」 ニ テ 死 亡 セ ル 犬 ニ 就 キ テ 腦 中 「カ ル チ ウ
ウ ム 」竝 ニ沈 着 「カル チ ウ ム」ニ如 何 ナル 變 化 ヲ及 ボ
ム 」ノ增 加 ヲ 唱 ヘ,
ス ヤ,且 又其 ノ變 化 ノ時 間的 關 係 ニ就 キテ 之 ヲ檢 セ
Parhon
(1908),
ニ 此 ノ際增 加 ス ト稱 シ, Kohnハ
Teppsonモ
同樣
變 化 ナ シ ト云 ヘ リ.
筋 肉 「カ ル チ ウ ム 」ニ 就 キ テ ノ文 獻 ハ 極 メ テ 少 ク,
153
リ.
3186 兼
松
第1節 徳
次
郎
實 驗 方 法
標 準 食 ヲ以 テ 一 定 期 間 馴飼 セ ル,所 定 體 重 ノ白鼠
小 サ キ「ビ ンセ ツ ト」二 本 ヲ用 ヒ テ,電 燈 照 射 ノ下 ニ
ヲ使 用 シテ,「 エ ーテ ル」麻 醉 ノ下 ニ前 頸 部 正中 切間
可 及 的 甲 状 腺 組織 ヲ破 壞 セ ザ ル 樣 ニ之 ヲ摘 出 セ リ.
ヲ以 テ 上 皮 小 體 摘 出 ヲ行 ヘ リ.白 鼠 ノ上 皮 小 體 ハ 既
摘 出 セ ル 上皮 小體 ハ 必 ズ 之 ヲ檢 鏡 シテ,摘 出 セ シ組
ニ解 剖 ノ條 下 ニ於 テ 詳 述 セ ル如 ク,甲 状 腺 外 側 中 央
織 ガ 上 皮 小 體 組 織 ナ ル ヲ確 認 セ ル モ ノ ノ ミニ 限 リテ
部 ニ左 右1箇 宛,淡 赤 色 ニ シテ 光 澤 アル 粟 粒 大 ノ亞
實 驗 ニ供 セ リ.
圓 形 ノ隆 起 ト シテ,甲 状腺 被 膜 下 ニ介 在 ス.之 ヲ完
實 驗 ヲ2種 ニ分 ヂ テ,一
ハ1側 上 皮 小 體(1箇)ヲ
全 ニ摘 出 ス ルハ 相 當 困 難 ナ ル事 ニ シテ,從 來 多 ク ノ
摘 出 セ ル モ ノ,他 ハ 兩 側 上 皮 小 體(2箇)即
研 究 者 ハ 之 ヲ燒 灼 セ ル モ,此 ノ焼 灼 除 去 ニ依 リテ 將
ヲ行 ヒ シモ ノ ト ノ2樣 ニ分 チ テ,孰
シテ 完 全 ニ 上 皮小 體 全 組 織 ヲ燒 灼 シ盡 サ レ シ ヤ 否
日,第1週,第2週,第3週
ヤ,又 燒 灼 シ タル組 織 ガ 必 ズ 上 皮 小 體 ナ リシヤ 否 ヤ
チ ウ ム」ノ定 量 ヲ行 ヘ リ.
チ 全摘出
レ モ手 術 後第3
ニ於 ケル 各各 ノ 「カ ル
ノ疑 問 ヲ避 ケ ンガ 爲 ニ,余 ハ 眼 科用 ノ尖 端 ノ極 メテ
第2節 1側 上 皮 小 體(1箇)摘
1側 上皮 小 體(1箇)摘
器,筋 肉,骨
出後 ノ血淸,内
臟實質性臟
出 後 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ 變 化
ノ如 シ.
ノ「カ ル チ ウ ム」含 有 量 ノ時 間 的 變 化 次
第2表 實 驗 ノ結 果 ハ 第2表
1側 上皮 小體(1箇)摘
ニ示 ス如 ク血淸,腹
部 内臟 實
出後 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
一 致 セ リ.即 チ上 皮 小 體 摘 出後,第3日
ニ於 テ 既 ニ
質 性 臟 器,筋 肉,骨 等 ニ於 ケ ル 「カ ル チ ウ ム」量 ハ著
孰 レノ「カ ル チ ウ ム」量 モ著 シキ減 少 ヲ認 メ,術 後第
明 ナ ル減 少 ヲ認 メ,既 述 文 獻 上 ニ於 ケ ル先 人 ノ報 告
1週 ニ於 テハ 共 ノ減 少 最 モ 著明 ニ シ テ,1週 以後 ニ於
154
上 皮 小 體 ノ「カ ル テ ウ ム」新 陳 代 謝 ニ及 ボ ス影 響 第1圖 ハ テ血淸,筋
3187
1側上 皮 小體(1箇)摘 出 後 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ消長(平 均 値)
肉 腹 部 内臟 實 質 性 臟 器 中 ノ 「カ ル チ ウ
下 セ ル ハ 第1週
ナ ル ヨ ト ヲ 知 ル.又
上 皮 小體缺
ム 」量 ハ漸 次 上昇 スル ヲ認 ム.第2週
ニ於 テ ハ 骨 以 外
最 モ 著 明 ナ ル 影 響 ヲ 被 ル ハ 骨 ニ シ テ,之
ハ 略略 正 常 量 近 クニ上 昇 シ,第3週
ニ至 リテ 正 常 値
清 「カ ル チ ウ ム 」ノ變 化 ナ リ.此
ニ復 歸 ス.然 ル ニ骨 ノ ミハ第2週
ニ至 リテ 其 ノ 「カ
ル チ ウム」量稍稍 上 昇 ス ト雖モ 第3週ニ
正 常値ニ 復歸 ス ル能 ハ ズ.略略2週
至 ル モ未 ダ
ト大 差 ナキ 状 態
ヲ經續 セ ル ヲ認 ム.
第1圖
於 テ ハErdheim,
Loeb,
MacCallum,
Leopold
u.
損 ガ
ニ衣 ギテ 血
ノ 結 果 タ ル ヤ,骨
von Reuss,血淸
筋 肉 ニ於 テ ハLoughlidge,
ニ 於 テ ハ一 本 杉 氏 ノ提 唱 ニ一 致 ス ル 所 ニ シ テ,余
ニ
ハ
内臟
ハ
之 等 ノ各各 ニ 就 キ テ 其 ノ「カ ル チ ウ ム 」量 ノ時 間 的 變
ハ各經 過 中 ノ實驗 例 ノ平 均値 ヲ消 長 曲線 ト
爲 シ タル モ ノ ニ シテ,此
ノ結 果 ヲ觀 察 ス ル ニ1側 上
化 ニ 關 ス ル檢 索 ヲ遂 ゲ,此處
化 學 的 ニ總 合 立證
ニ 之 等 諸 家 ノ説 ヲ 新 ニ
シ得 タ ル モ ノ ト信 ズ.
皮 小體 摘 出 後,流 動竝ニ 沈 着「カ ル チ ウ ム」ノ最 モ低
第3節
兩 側 上 皮 小體(2箇)摘
兩 側 上皮 小 體(2箇)摘
臟 器,筋 肉,骨
出後 血淸,腹
部 内臟 實 質 性
ノ「カ ル チ ウ ム」量 ノ時 間 的變 化次 ノ
2箇 摘 出 ノ場 合 ハ 其 ノ體 重 ノ減 少著 明 ニ シテ,一
般 ニ羸痩 ノ傾 向 ヲ呈 シ,2週
155
ヲ認 ム.泉敎 授(1927)ノ 實驗 ニ於 テ モ 白 鼠 ノ左 右 兩
上 皮 小 體 摘 出 後 門齒 ノ光 澤 消失,溷
濁竝 ニ 脆 弱 ヲ呈
セ ル ヲ認 メ,余 モ亦 之 ガ爲 ニ 門齒 ノ病的 挫 折 ヲ來 セ
如 シ.
化 所 謂Erdheim生
出 後 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
以後ニ 至レ バ 門齒 ノ變
田及 ビ泉敎 授 等ノ記 載 セル變 化
ル 例 ヲ經驗 セ リ,尚 ホ 泉敎 授 ハ上 皮 小體 機 能 不全 ノ
有 無,喚 言 ス レバ上 皮小體 ガ完 全 ニ全 部 ガ摘 出 サ レ
タル カ 否 カ ヲ知 ル ニ ハ門齒 ノ變化如 何 ヲ見 ル ヲ便 ト
3188 兼
第3表
第2圖
松
徳次
郎
兩 側上 皮 小 體(2箇)摘 出 後 ノ「カル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
兩 側 上 皮 小體(2箇)摘
出後 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ消 長(平 均 値)
シ,左 右 兩 上 皮 小 體 摘 出後 門齒 ノ變化 ヲ呈 セ バ,上
而 シテ 其 ノ體 内「カ ル チ ウ ム」ノ 減 少 度 ヲ見 ル ニ1
皮 小 體 機 能不 全 ヲ來 タセ ル モ ノ ト見做 シテ可 ナ ラ ン
側 上 皮 小 體(1箇)摘
ト記 セ リ.
シテ,既
出ノ 場 合 ニ比 シテ 極 メテ 著 明 ニ
ニ術 後 第3日ニ
於 テ,1箇
摘 出 時 ノ「カ ル チ
156
上 皮 小 體 ノ「カ ル チ ウ ム」新 陳代 謝 ニ及 ボ ス影 響 ウム」
減 少 度 最 モ著 明 ナ ハ 第1週
ヨ リモ遙 ニ少 ク,就
8mg%ノ
3189
低 下 ヲ示 ス ト稱 シ, Greenwald
(1911,
1913)
中 血淸 「カ ル チ ウ ム」量 ハ 略 略正 常 ノ半 量 ニ減 ゼ ル ヲ
モ 犬 ニ 於 テ 血淸 「カ ル チ ウ ム 」量 ノ 正 常 値 約10mg%
認 ム.術 後 第1週
ナ ル ニ 比 シ,上
ニ至 レ バ其 ノ減 少極 點 ニ達 ス ル事
皮 小 體 全 摘 出 後 既 ニ 第2日
示 ス トセ リ.此
ニ於 テ
前 實 驗 ニ同 ジ ト雖 モ,此 ノ期 ニ於 ケ ル血淸 及 ビ内 臟
3.5mg%ヲ
ノ外MacCallum
實 質 性 臟 器 ノ「カル チ ウム」量 ノ減 少 ハ1箇 摘 出 ニ比
egtlin (1909),
Hasting
皮 小 體 ノ 全 摘 出 ハ 部 分 的 摘 出 ニ 比 シ,
u. Murry
u. Vo
(1921),
Salvesen
シテ 遙 ニ著 明 ナ リ.第1週
以 後 ハ 一般 ニ稍稍 上昇 ス
(1923)等
ト雖 モ前 實 驗 ニ比 シ第2週
ニ至 ル モ未 ダ尚 ホ正 常 値
血淸 「カ ル チ ウ ム 」量 ノ減 少 著 明 ナ ル 事 ヲ 記 載 セ リ.
ヨ リモ遙 ニ少 ク,第3週
ニ至 リテ漸 ク筋肉 及 ビ内 臟
實 質 性 臟 器 ノ 「カ ル チ ウ ム」 量 ノ ミハ 正 常値 ニ復 歸
ス.然 レ共 骨 及 ビ血淸 「カ ル チ ウ ム」量 ハ第3週
ニ於
テ 依 然 ト シテ 正 常 値 ヨ リモ遙 ニ少 ナ シ(第3表
及ビ
第2圖參
照)第2圖
ハ 各經 過 ニ於 ケル實 驗 例 ノ平 均
本 實驗 ノ結 果 ヲ前 實 驗 ト比 較 スル ニ,上 皮 小 體 ヲ
1箇 摘 出 セ ル場 合 ト2箇 摘 出 セ ル場 合 ト ニ 於 テ其 ノ
ハ 吾 人 ノ容 易 ニ思 考 シ得 ル所 ニ シテ,既
ノ相 違
ニHarrald,
Salvesenハ 犬 ニ於 テ 血淸 「カル チウ ム」 ノ正
常値 約
10mg%ナ
即 チ 犬 ニ 於 テ 正 常 値10-11mg%ナ
ハ5-4mg%,部
ル モ,全
分 的 摘 出 ハ8-7mg%ナ
摘出後
リト稱
セ リ.
然 ル ニ 上 皮 小 體 ノ1箇
摘 出 ト2箇
摘 出(全 摘 出)ト
ノ相 違 ヲ 沈 着 「カ ル チ ウ ム 」ニ 於 テ,而
索 セ ル 者,及
値 ヲ求 メ,之 ガ消 長 曲 線 ト爲 シ タル モ ノナ リ.
「カ ル チウ ム」ノ減 少 度 ノ相 違 セ ル ヲ認 ム.此
ハ,上
モ時 間 的 ニ檢
ビ流 動 竝 ニ沈 着 カ 「ル チ ウ ム 」ノ相 互 的
關 係 ヲ同一 動 物 ニテ 檢 シ時 間 的 ニ例 ヲ重 ネテ 之 ヲ檢
索
セ ル 者 余 ノ寡 聞 ナ ル 未 ダ 之 ア ル ヲ 知 ラ ザ ル ナ リ.
余 ハ 流 動 竝 ニ 沈 着 「カ ル チ ウ ム 」ニ 於 テ1側
兩 側 上 皮 小 體 摘 出 後 ハ,其
ヨ リモ
ノ「カ ル チ ウ ム 」量 ヲ多 大
ニ 減 少 セ シ ム ル モ ノ ナ ル ヲ 時 間 的 ニ 實 驗 セ リ.
ル モ 上 皮 小體 ノ部 分 的 摘 出 ノ 際 ハ大 略
第4節 概
括
1)
上 皮 小體 摘 出 後 ノ「カル チ ウ ム」ノ減 少 ハ流 動 竝 ニ沈 着「カ ル チ ウ ム」共 ニ著 明 ナ リ.
2)
上 皮 小體 ノ2箇 摘 出(全 摘 出)ハ1箇
摘 出 ニ比 シテ生體 内 「カル チ ウ ム」ノ減 少 度 著 明 ナ
リ.
3)
上 皮 小 體 摘 出 ハ 術 後 第1週
其 ノ 量 ハ 後 漸 次 上 昇 ス.1箇
ニ於 テ 體 内 「カ ル チ ウ ム」ノ 減 少 ヲ最 モ 著 明 ナ ラ シ ム.而
摘 出 ノ場 合 ニ 於 テ ハ 第2週
性 臟 器 ノ「カ ル チ ウ ム 」量 略略 正帶 値 近 ク ニ 上 昇 シ,第3週
「カ ル チ ウ ム 」量 ハ 第3週
液,筋
肉,腹
部 内臟 實 質
ニ 至 リテ 正 常 値 ニ 復 歸 ス.然
ル ニ骨
ニ 至 ル モ 未 ダ 尚 ホ 正 常 値 ヨ リ遙 ニ 少 シ.
2箇 摘 出 ノ場 合 ハ,第2週
週 ニ 至 リテ 筋 肉,腹
ニ 至 リテ,血
シテ
ニ 至 ル モ 孰 レ モ 其 ノ 「カ ル チ ウ ム 」量 正 常 値 ヨ リモ 遙 ニ少 ク,第3
部 内 臟 貫 質 性 臟 器 ノ ミ正 常 値 ニ 復 歸 シ,血淸
竝 ニ 骨 「カ ル チ ウ ム」ハ 未 ダ減
少 状 態 ニ在 リ.
4)
上 皮 小 體 摘 出 ハ 血淸 及 ビ骨 「カ ル チ ウ ム 」ニ於 テ 其 ノ影 響 最 モ 著 明 ナ リ.
第7章 上 皮 小 體 移 植 ガ 生 體 内 「カ ル チ ウ ム 」代 謝 ニ 及 ボ ス 影 響
上皮小體移 植 ニ關 シテハ從來 幾多 ノ業績 ア リ, Biedleハ 犬,猫 等 ニ於 テ上皮小體 ノ脾臟内移植 ヲ試 ミタ
157
31 90
兼
ル 後,自
松德
家 甲 状 腺 及 ビ 上 皮 小 體 ノ全 摘 出 ヲ 行 ヒ,手
術 後 數 箇 月 間 「テ タ ニ ー 」症状 ヲ 起 サ ザ ル ヲ 認 メ,然
ル 後 二 次的 ニ 脾臟 中 ノ上 皮 小 體 組 織 ヲ摘 出 スル 事 ニ
因 リテ,著
明 ナ ル 「テ タニ ー 」症 ヲ 起 シ痙 攣 死 ニ 陷 リ
タ ル ヲ 報 告 セ リ. Iselin, Peper,
ル 實驗
Halsted等
ヲ試 ミ タ リ.又Erdheimノ
モ 同樣 ナ
記 載 ニ 據 レ バ,上
皮 小 體 摘 出 ニ 依 リ テ 齒 牙 ノ變 化 ヲ 起 サ シ メ タ ル 「ラ
ツ テ 」ニ,同 種 上 皮 小 體 移 植 ヲ 行 ヒ 齒 牙 ノ變 化 ヲ囘 復
セ シ メ タ ル ヲ 報 告 セ リ.其
(1907)ハ
Pfeifferu.
Mayer
犬 ニ於 テ 同 種 上 皮 小 體 ノ 腹 壁 筋 肉 内 ニ 移 植
ヲ 試 ミ,其
Pool
ノ他H.
u.
ノ 他Enderlein,
Eiserberg,
Payr,
Perthes,
Mac
Callum,
Wahlbaum等
von
ハ手術的
次 郎
ア ル モ,基
礎 組 織 中 ニ 於 テ 其 ノ 機 能 ヲ 營 爲 ス 可 キ點
ニ 於 テPertbesト
以 上 多 ク ハ 動 物 實 驗 ニ 於 テ 同 種 間 ノ移 植 ニ 就 キ テ
ノ 實 驗 ナ ル モ,之
ク之 ガ文 獻
的 追 究 ヲ 試 ミ ン ト ス.
Gulkes
(1913),
F.
Landois,
E.
Lexer
(1922)ハ
各
種 異 リ タ ル 上 皮 小 體 移 植 ニ 關 ス ル 研 究 ヲ 發 表 セ リ.
之 等 學 者 ハ 「テ タ ニ ー 」患 者 ニ 應 用 シテ 其 ノ治 療 的
效 果 ヲ 發 表 セ リ.即
チ 動 物 ヨ リ取 リ タ ル 上 皮 小 體 ヲ
人 間 ニ 移 植 シテ 其 ノ 目 的 ヲ 達 セ リ ト稱 シ,又
或 ル人
ハ 移 植 片 ガ 基 礎 組 織 中 ニ於 テ 生 活 現 象 ヲ經 續 セザ ル
モ,一
甲 状 腺 組 織 内 或 ハ 皮 下 組 織 内 等,特
云 ヘ リ.然
脾臟
ヲ異 種 間 移 植 ニ 於 テ ハ 如 何 ナ ル結
果 ヲ 來 タ ス ヤ ハ 興 味 ア ル 問 題 ニ シ テ,暫
「テ タ ニ ー 」症 ニ 對 シ テ 各 種 動 物 ニ 於 テ 腹 壁 筋 肉 内.
ニPayrハ
同樣 ナ ル 見 解 ヲ 發 表 セ リ.
時 的 ト雖 モ 治 療 的效 果 ヲ 奏 シ 得 ル モ ノ ナ リ ト
レ共 一 般 移 植 説 ヨ リ 考 フ ル モ,組
織學的
内 ニ 上 皮 小 體 移 植 ヲ 行 ヒ 孰 レ モ 「テ タ ニ ー」ニ 對 ス ル
ニ ハ 異 種 移 植 ハ 或 ル 特 種 ナ ル 場 合 ヲ 除 ク ノ外,其
治 療 的 效 果 ヲ 納 メ シ ヲ 報 告 セ リ.就
可 能 性 尠 キ 事 ハ 何 人 モ容 易 ニ思 考 シ得 ル 所 ナ リ.
Tubingen
Klinikニ
於 テ,肩
胛 骨 上 部,皮
中Pertbesハ
於 テ 多 數 ノ 手 術 後 「テ タ ニ ー 」ニ
下 組 織 内,腹
壁,腹
膜 前 組 織 内 等 ニ 上 皮 小 體 移 植 ヲ 試 ミ,此
治 療 的 ニ異 種 上 皮 小 體 移 植 ヲ 試 ミ シ 者 ハ 以 上 ノ外
直 筋 鞘,腹
ニ, Kalbern,
ノ移 植 組 織
シ, Breitnerハ
Kreckeハ
mgenheimハ
レ,而
其 ノ 下 腹 部 ニ移 植 シ,孰
營 爲 セ ル ヲ 認 メ シ ヲ 報 告 セ リ.其
05)ハ
ノ機 能 ヲ
ノ他Gristiani
(19
「ラ ツテ 」 ニ 於 テ上 皮 小 體 移 植 實 驗 ノ組 織 學 的
研 究 ヲ ナ シ, Halstedモ
植 シ テ,其
リ.此
ノ移 植 片 ガ 解 剖 的 ニ成 功 セ ル ヲ 認 メ タ
ノ 外 ニ モ 哺 乳 動 物 ニ 於 ケ ル 同 種 移 植 ハCar
raro, Leischner,
Farneru.
Davidson,
Landois,
上 皮 小 體 ヲ 腹 壁 筋 肉 内 ニ移
Klinger,
Johanovics,
Minkivicz,
Kocher,
Bircher,
Danilsen,
Caumus等
schmukowa,
Beebe,
Trubina,
Lorenz,
Lanvelongue,
移 植 ハ 相 當 長 キ 期 間 移 植 陽 性 ニ シテ,移
有 ノ 機 能 ヲ 營 爲 ス 可 キ ヲ 確 證 セ リ.殊
ル ニ,移
Felix,
諸 家 ニ依 リ テ 各 種 動
物 ニ於 テ 種 種 ナ ル 場 所 ニ移 植 ヲ 試 ミ ラ レ,上
ハ 上 皮 小 體 ノ移 植 實 驗 ニ 於 テ,之
Garre,
皮小 體
植 後 其 ノ固
ニEnderlein
ヲ組 織 學 的 ニ驗 セ
植 片 中央 部 ニ極 メテ 輕 度 ノ變 性 ヲ認 ム ル事
馬 ノ上 皮 小 體 ヲ人 間 ニ移 植
犢 ノ上 皮 小 體 ヲ 人 間 ニ 移 植 シ, Fre
ガ 數 箇 月 後 ニ 於 テ檢 鏡 ノ 結 果 結 締 織 ヲ 以 テ 取 卷 カ
モ 依 然 ト シテ 生 活 状 態 ヲ保 持 シ,其
ノ
重 症 テ 「タ ニ ー 」患 者 ニ 犢 ノ上 皮 小 體 ヲ
云 ヘ リ.此
レ モ治 療 ノ 目 的 ヲ達 セ リ ト
ノ外 ニ モ 人 體 上 皮 小 體 缺 落 症 状 ニ 對 シ治
療 目 的 ニ異 種 上 皮 小 體 ノ移 植 ヲ 試 ミ シ 者 ハv,
berg, Th.
Kocher,
Elorken,
u.
Stembers,
Lorenz,
等 ヲ擧 ゲ,孰
Bose,
Fritsche,
Toll, Danilsen,
N.
Roth,
J. Nicolaysen,
H.
Landois,
H. Jager,
Eiser
Thierry,
Krabbel,
H. Brown
レ モ 或 ル 程 度 マ デ ハ 其 ノ治 療 目 的 ヲ達
セ リ ト云 ヘ リ,之
等 多 ク ノ異 種 移 植 ニ 關 ス ル 報 告 ハ
殆 ド治 療 ノ 目 的 ニ ノ ミ用 ヒ ラ レ タ ル モ,其
恐 ラ ク 一 時 的 ノモ ノ ニ テ,將
ノ效 果
ハ
シテ 移 片 ガ基 礎 組 織 中
ニ於 テ 其 ノ生 活 機 能 ヲ營 爲 スル ヤ 否 ハ 大 イ ニ疑 ハ シ
ク,多
數 ノ 人人 ハ 其 ノ 永續 性 尠 キ 事 ニ 左 袒 セ リ.之
ニ 反 シ テ 自 家 移 植 ハ 論 ヲ 待 タ ズ,同
ル 事,而
種 移 植 ノ可 能 ナ
モ 基 礎 組 織 中 ニ於 テ 生 活 現 象 保 持 ト同 時 ニ
其 ノ機 能 營 爲 持 續 ノ可 能 ナ ル 事 實 ハ,前
述 幾 多 ノ報
158
上 皮 小 體 ノ「カ ルチ ウ ム」新 陳代 謝 ニ及 ボ ス影 響
3191
告 ニ徴 シテ 明 ナ リ.乍 然 飜 テ 今 日迄 報 告 セ ラ レタル
ニ關 ス ル實 驗 的 研 究 」ナ ル業 績 ヲ記 載 セ リ.氏ハ 上
多 數 ノ業 績 ヲ觀 察 ス ル ニ,殆
皮 小體 機能 過 剩 ナ ラ シム可 ク,健 康 家 兎 ニ馬 或 ハ
ド孰 レモ治 療 目的 ナ ル
カ,或 ハ 單 ナ ル移 植 實 驗 トシテ ノ研 究 ニ止 マ リ,更
犬 ノ上 皮 小 體移 植 ヲ試 ミ,血 液 「カル チ ウ ム」ノ上
ニ進 ミテ 上 皮小 體 移 植 ガ生 體 内「カ ル チ ウ ム」新 陳 代
昇 スル ヲ認 メ タ リ.又 上 皮 小 體 摘 出 犬 ニ同 種 上 皮
謝 ニ如 何 ナ ル 影 響 ヲ及 ボ ス ヤ ニ就 キ テ之 ヲ化 學 的 ニ
小 體 移 植 ヲ試 ミ血 液「カル チウ ム」ヲ正 常 近 ク ニ保
檢 索 セ ル 者 ナ シ.依 テ 余 ハ上 皮 小 體 移 植 ニ依 ル生 體
持(一 時 的)セ シ メ得 タ リ ト稱 シ,又 他 ノ上 皮 小 體
内「カル チ ウ ム」代 謝 ノ消 長 ヲ檢 ス ル ニ當 リ,一 ハ 上
摘 出 犬 ニ同 種 或 ハ異 種 上 皮 小 體 移 植 ヲ行 ヒ,骨「カ
皮 小 體 ヲ摘 出 セ ル動 物 ニ代 償 的 ニ 自 家或 ハ同 種 上皮
ル チウ ム」ノ減 少 ヲ低減 セ シ メ得 タ リ ト記 セ リ.此
小 體 ノ移 植 ヲ行 ヒ,一 ハ 正常 動 物 ニ 同 種 上 皮 小 體 ノ
ノ上 皮 小 體 移 植 竝 ニ代 償 的 移 植 ニ於 ケル 結 果 ハ氏
過 移 植 ヲ試 ミ,之 等 ノ結 果生 體 内 ノ流 動 「カル チウ
モ 亦 余 ノ成 績 ニ一 致 セ ル ヲ認 メ,偶 然 ノ事 ナ ガ ラ
ム」竝 ニ 沈着 「カ ル チ ウ ム」ガ 如 何 ナ ル變 化 ヲ受 ク ル
意 ヲ強 フセ リ.然 シナ ガ ラ余 ノ如 ク同 一 動 物 ニ於
ヤ ヲ化 學 的 ニ檢 索 セ リ.
テ 移 植 ニ依 ル「カ ル チ ウム 」代 謝 ノ變 化 ヲ,全 身 各
偶偶 余 ガ 本 研 究 全 部 ヲ完 結 シ論 文 ノ記 述 完 了後
ニ於 テ,兵 藤周 吉 氏 ハ東 京 醫 學 會 雜 誌 第46卷
第7
部 ニ渡 リテ 流 動 竝 ニ沈 着 「カ ル チ ウ ム」ノ相 互 的 關
係 ニ就 キテ ノ檢 索 ヲ見 ザ ル ナ リ.
號 ニ於 テ 「上 皮 小 體 機 能 ノ骨 「カル シュ ーム」代謝
上皮小體代償的移植實驗
第1節
第1項
自 家 上 皮 小體 脾 臟 内 移植 後 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 使 用 動 物 及 ビ 其 ノ體 重 竝 ニ飼 育 前 章 ニ同 ジ.移 植
部 位 ハ曾 テBiedle, Payr等
ノ行 ヒ シ脾 臟 ニ求 メ,之
實 驗 方 法
ニ摘 出 セル 上 皮 小 體 ヲ移 植 セ リ.
脾 臟 ニ於 ケル 移 植 部 位 ハ,脾 臟 頭 部 前 面 ニ於 テ 下
ニ自 家 上 皮 小 體 ノ移 植 ヲ行 ヘ リ.即 チ「エ ー テ ル」麻
極 ニ平 行 シテ 極 メテ 小 ナ ル 切 開 ヲ加 ヘ,此 ノ切 開 口
醉 ノ下 ニ前 章 方 法 ニ 從 ヒテ摘 出 セ ル 上皮 小 體 ハ,滅
ヨ リ脾 臟 組織 内 ニ上 皮 小體 組 織 ヲ挿 入 シテ,移 植 片
菌 生 理 的 食鹽 水 ヲ浸 シ タル「ガ ー ゼ」ニ包 ミ,之 ヲ滅
ノ腹 腔 中 ニ 出 デ ザ ル 樣 切開 口 ヲ血 管 縫合 絲 ヲ以 テ 一
菌 有 蓋 硝 子 器 中 ニ收 容 シテ,温 浴 上 ニ於 テ常 ニ容 器
針 縫 合 ヲ施 セ リ.
内 ノ温 度 ヲ動物 ノ體 温 ト同 一 温 度 ニ保 持 セ リ.上 皮
小 體 摘 出 後 ハ可 及 的迅 速 ニ正 中 開 腹 ヲ行 ヒ,脾 臟 内
第2目 對 照 動 物 ハ正 中單 開 腹 術 ヲ施 セ ル モ ノ ヲ 使 用 セ
リ.
實 驗 成 績
參 照)特
是 レ即 手 上 皮 小 體 摘 出 ニ因 ル 機能 缺損 ハ,移 植 ニ ヨ
記 ス可 キ變 化 ヲ認 メズ.上 皮 小 體 自 家 移 植 實 驗 ニ於
リテ 代償 サレ,生 體 内「カル チ ウ ム」ノ減 少 ヲ防 ギ得
テ ハ,第
タル 事著 明 ナ リ.此 ノ現 象 タル ヤ明 ニ移 植 上 皮 小 體
實 驗 結 果 ヨ リ考 察 ス ル ニ對 照 例 ハ(第4表
1週 ニ於 テ 流 動「カル チウ ム」 沈 着「カル チ
ウ ム 」共 ニ對 照 ニ比 シテ幾 分 ノ減 少 ヲ認 ム ル モ,之 ヲ
ガ 基 礎 組 織 中 ニ於 テ,其
上 皮 小 體 拙 出 例 ト比 較 スル ニ(第3圖,第4圖,第5
ラ ン ト考 ヘ ラル.但
圖,第6圖
認 ム ル ハ 自 家 上 皮小 體 ニ テ モ,自 然 位 ニ在 ル ト人 工
159
參照),其
處 ニ著 明 ナル相 違 ア ル ヲ認 ム.
ノ機 能 ヲ營 爲 シ居 ル モ ノナ
シ正 常 値 ニ比 シテ 多少 ノ相 違 ヲ
兼 松德
3192
第4表 第5表 第3圖 次 郎
單開腹術 對照 實驗
自家 上 皮 小體 脾 臟 内移 植 後 ノ「カ ル チ ウム 」代 變 ノ變 化
自家 上 皮 小體 移 植 ト上 皮 小 體摘 出 トノ血淸 「カル チ ウ ム」代 謝 ノ比 較
160
上 皮小 體 ノ「カ ル チ ウ ム」新 陳 代 謝 ニ及 ボ ス影 響
第4圖 自家 上皮小體移植 ト上皮小體摘 出 トノ腹 部内臟 實質 性臟器 ノ
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ比較
第5圖
自家 上 皮 小 體 移 植 ト上 皮 小 體摘 出 トノ筋 肉 「カ ル チ ウ ム」
代 謝 ノ比 較
161
3193
兼
3194
第6圖 的 移 動 トニ於 テ,其
松德
自家 上 皮 小體 移 植 ト上 皮小 體 摘 出 トノ骨 「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ比 較
ノ機 能 營爲 上 ノ差 違 ニ歸 因 ス ル
モ ノニ 非 ズ ヤ ト思 惟 セ ラ ル.第2週
ビ筋 肉 「カ ル チ ウ ム 」ハ 第1週
本 實 驗 ノ結 果 ヲ通 觀 ス ル ニ其 ノ經 過 ニヨ リテ多 少
ト大 差 ナ キ モ,内 臟 及
ノ動 搖 ア リト雖 モ,大 體 ニ於 テ 自 家移 植 ノ結 果 ハ生
體 内 ノ「カ ル チ ウ ム」量 ノ減 少 ヲ防 止 得 ル事 著 明 ニ シ
ニ於 テ ハ 血淸 ハ 殆 ド正 常 値 ヲ示 シ.内 臟 「カ
ル チ ウ ム」ハ略略1週
ト大 差 ナ キ ヲ認 ム.
ニ於 テ ハ 血淸 及
ビ骨 「カル チ ウ ム 」量 ハ多 少 ノ減 少 ヲ示 セ リ.
第3週
次 郎
ト等 値 ヲ認 メ,筋 肉 「カ ル チ ウ
テ,今 之 ヲ上 皮小 體 摘 出 例 ト比 較 セバ(第3, 4,5,6圖)
1目 ニ シテ 此 ノ事 實 ヲ認 メ 得 ル ナ リ.而 シ テ摘 出 例
ム」ハ 血淸 同 樣 殆 ド正 常 値 ヲ呈 セ ル ニ カカ ハ ラ ズ,骨
トノ差 違著 明 ナ ル ハ 第2週 マ デ ニ シテ,第3週
「カ ル チウ ム 」ハ 漸 次 減 少 シテ 上皮 小 體摘 出 ノ第3週
リテ ハ 最 早 兩 者 ノ差 違 判 然 タ ラズ.
第2項 ニ至
上 皮小體摘 出兼同種 上皮 小體脾臟 内移植後 ノ
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 實 驗 方 法
實 驗 動 物 體 重 及 ビ 飼 育 前 ニ 同 ジ.上 皮 小 體 摘 出
(1箇)後
種,同
之 ト同 一 時 期 ニ同 一 條 件 ノ下 ニ飼 育 セ ル 同
性,略 略 同 體 重 ノ動 物 ノ 上 皮 小體(1箇)ヲ
脾
臟 内 ニ移 植 セ リ.摘 出 法 竝 ニ移 植 法 ハ前 章 及 ビ前項
ニ準 ジ之 ヲ 略 ス.摘 出 セ ル 自家 上 皮 小 體 ハ檢 鏡 ニ依
リテ 毎 例 其 ノ摘 出 ノ確 實 ナ リシ事 ヲ檢 セ リ.觀 察 期
間 ハ 前 項 ノ自家 摘 植 ニ於 テ モ2週 以 後 ハ摘 出例 ト其
ノ差 違 明 ナ ラザ ル ヲ以 テ 術 後 第2週 マ デ之 ヲ檢 セ リ.
162
上 皮 小 體 ノ「カ ル チウ ム」新 陳代 謝 ニ及 ボ ス影 響 第2目 對照=第4表
實驗
3195
成 績
參照
第6表 上 皮 小體 摘 出兼 同種 上 皮 小體 脾 臟 内 移植 後 ノ
「カ ル チ ウ ム」代謝 ノ變化
實驗 ノ結 果 ヲ觀 ル ニ第1週
ニ於 テ ハ 各 部 ノ 「カ ル
低 キ 部 位 ニ 於 テ ハ 其 ノ差 異 明 ナ ラ ザ ル モ.「 カ ル チ ウ
チ ウ ム」量 對 照 ニ比 シテ 幾 分 減少 ス ル モ,前 實驗 同 樣
ム 」 含 有 量 ノ高 キ 骨 ニ 於 テ兩 者 ノ 間 ニ 相 違 ヲ 認 ム.
自 家 上 皮 小 體 摘 出 ニ依 ル機 能缺 損 ハ 同 種 上 皮 小 體 移
即 チ 自 家 移 植 ニ 於 テ 第1週
植 ニ ヨ リテ 代 償 サ レ,體 内「カル チ ウ ム」量 ノ減 少 ハ
14.867g%-15.296g%,第2週
著 明 ニ防 止 サ レ シヲ認 ム.第2週
14.543g%ナ
軟 部 組 織 タ ル筋 肉,腹
ニ於 テ ハ 血淸 及 ビ
部 内 臟實 質 性 臟 器 ニ於 テ ハ第
1週 ト大 差 ナ キ モ,骨 「カ ル チウ ム 」ニ於 テ ハ 第1週
ノ骨
「カ ル チ ウ ム 」 量 ハ
ニ 於 テ14.045g%-
ル ニ 比 シ,同
種 移 植 ニ 於 ケ ル 第1週
ハ
14.389g%-15.095g%,第2週ハ13.763g%-14.
208g%ナ
リ.是
レ自 家 上皮 小 體 ヲ 母 體 組 織 中 ニ移
ニ比 シテ稍稍 減 少 ノ傾 向 アル ヲ認 ム.尚 ホ 本實驗 ヲ
植 ス ル ト,他
前 實 驗 ニ 比 ス ル ニ,同 種 移 植 ト自家 移 植 トハ,血 清
中 ニ移 植 スル 事 ニ 由 テ 來 ル 機 能變 化 ノ相違 ニ 因 ル ニ
内 臟,筋 肉 等 ノ生 體 内 ニ於 テ 「カ ル チ ウ ム」含 有 量 ノ
非 ズ ヤ ト推 意 サ ル.
第3項 第1項
及 ビ第2項
概
家 上 皮 小 體 ヲ 母 體 ヲ 異 ニ セ ル基 礎 組 織
括
ノ實 驗 ノ 結 果 ヲ概 括 ス ル ニ次 ノ 如 シ.
1) 上 皮 小 體 摘 出 ニ 因 ル 機 能缺 損 ハ,自
家 上 皮 小 體或 ハ 同種 上皮 小體 脾 臟 内移 植 ニ依 リテ其
ノ 「カ ル チ ウ ム」新 陳 代 謝 機 能ヲ 代 償 スル 事 明 ナ リ.
2) 上 皮 小 體 代 償 的 移 植 後 ノ「カ ル チ ウ ム 」代 謝 ノ變 化 ヲ 時 間 的 ニ觀 察 ス ル ニ,第2週
出 例 トノ 差 違 著 明 ニ シ テ,既
ニ2週
3) 上 皮 小 體 摘 出 白 鼠 ニ,自
合 トヲ 比 較 ス ル ニ,生
以 後 ニ於 テ ハ 其 ノ差 明 カ ナ ラ ズ.
家 上 皮 小 體 移 植 ヲ 行 ヘ ル 場 合 ト,同 種 上 皮 小 體 移 植 ヲ 行 ヘ ル 場
體 内 ニ於 テ 「カ ル チ ウ ム」量 ノ 少 キ 血淸,筋
肉,腹
部 内臟 實 質 性 臟 器 等 ニ
於 テ ハ 大 差 ナ キ モ,「 カ ル チ ウ ム 」量 最 モ 多 キ 骨 ニ於 テ 其 ノ 差 違 ヲ認 ム.即
週 ニ 於 ケ ル 骨 「カ ル チ ウ ム 」量 ハ, 14.867g%-15.296g%,第2週
163
マ デ摘
チ 自 家 移 植 例 ノ第1
ハ14.045g%-14.543g%
兼
3196
ナ ル ニ 比 シ,同
14.208g%ナ
種 移 植 ニ 於 ケ ル 第1週
松德
次
郎
ハ14.389g%-15.095g%,第2週
ハ13.763g%-
リ.
第2節 同種 上皮 小 體 過 移 植 ガ生 體 内「カル チ ウ ム」
代 謝 ニ及 ボ ス影響
上 皮 小 體 ノ病 的 機 能 缺 損 時,或 ハ 其 ノ一 部 又 ハ大
部 摘 出 ニ對 シテ,自
家或 ハ同 種 上 皮小 體 ノ移 植 ヲ ナ
ス 時 ハ 其 ノ缺損 機 能 ヲ代 償 シ得 ル事 實 ハ,既
言 ニ據 レバ 「此 ノ事 實 ハ 全 ク上 皮 小體 ノ機 能 ノ外 ニ
之 ガ因 子 ヲ求 ム ル能 ハ ズ,從 テ移 植上 皮 小 體 ノ移 植
ニ諸 家
地 ニ於 テ,依 然 其ノ 分 泌 機 能 ヲ營 ム事 自 ラ明 ニ シテ
ノ前 節 ニ於 ケル 化 學 的檢 索 ニ依
該 實驗 ハ明 ニ上 皮 小 體 機 能 亢進 ヲ招 致 セ シ メ得 タル
リテ モ 明 ナル 事 實 ナ リ.然 レ共 上 皮 小 體 ヲ摘 出 セザ
モ ノ ト信 ズ」 ト述 ベ タ リ.即 チ移 植陽 性 ナ リシ上 皮
ル 正 常 動 物 ニ同 種 上皮 小 體 ノ過 移 植 ヲ試 ミタル時,
小 體 ハ 組 織 學 的 ニ 全 ク健 康 像 ヲ保 持 シ,周 圍 ニ對 シ
果 シテ 上 皮 小 體 機 能 ガ亢進 ス ルモ ノナ ル カ否 カ ニ就
テ極 メテ安靜 状 態 ニ移 植地 ニ存 在 シ,此
キ テ 未 ダ確 實 ナ ル解 決 ナ キ ナ リ.
物 固 有 ノ上 皮 小體 モ亦 全 ク 健 常 組 織 像 ヲ呈 セ ル ヲ認
ノ報 告 ニ於 テ モ,余
1908年Minkivitschハ
ノ際 其 ノ動
上 皮 小 體 ヲ摘 出セ ザ ル正 常
メ タ リ ト報 告 セ リ.而 シテ 氏 ハ 人 工 的 上 皮 小 體 機 能
白 鼠 ノ脾 臟 ニ多數 ノ 同 種 上 皮 小 體 ノ 移 植 ヲ 試 ミ シ
亢 進 ニ因 ル 組 織學變 化 ハ,一 種 ノ新 陳 代 謝 障 碍 ニ シ
モ,孰 レ モ吸收 サ レテ 其 ノ目的 ヲ達 スル能 ハ ザ リキ
テ.之
Pool. Leischner,
驗 ハ 從 來 困 難 トサ レ タル,過 移 植 ニ因 ル實 驗 的機 能
Kohler等
モ同 樣 ナ ル 目的 ニ 於 テ.
ヲ中 毒 現 象 ト見做 セ リ.斯 ク シ テ黑 川 氏 ノ實
レモ 不成 功 ニ終 リ,正 常 動 物 ヘ ノ同種 過 移 植 ハ
孰悉
亢 進 ヲ可 能 ナ ルモ ノ ト シテ 之 ヲ闡 明 シ,依 テ來 ル生
ク異 物 トシテ 吸收 サ ル ル モ ノ ト シテ抛 棄 サ レ,從 テ
體 内 ノ新 陳 代 謝 ノ變化 ヲ組 織 學 的 ニ 明 ニ セ シモ ノナ
過 移 植 ニ 依 ル 上皮 小 體 ノ實驗 的 機能亢 進 ハ 遂 ニ不 可
リ.然 レ共 此 ノ際 生 體 内 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變化
能 ト思 惟 サ レタ リ.
等 ハ 之 ヲ檢 索 シ居 ラザ ル ナ リ.他 ニ ハ此 ノ種 ノ實 驗
然 ル ニ黑 川(淸 之)氏(1924)ハ 初 メテ 白鼠 ニ於 テ,
ニ ヨ リテ,生 體 内 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變化 ヲ檢 セ
腹 壁 筋 肉 内 ニ此 ノ種 ノ移 植 ヲ試 ミ,其 ノ可 能 ナ ル事
ル報 告 ナ シ.依 テ余 ハ黑 川 氏 ニ ヨ リテ 立證 サ レ タル
ヲ立證 シ得 タ リ.即 チ上 皮 小 體 移 植 ニ依 リテ 實驗 的
過 移 植 ニ因 ル上 皮 小 體 機 能 亢進 時 ニ於 ケル,生 體 内
ニ其 ノ機 能亢 進 ヲ起 サ シ メ,是 ニ 由 リテ 其 ノ本 態 ヲ
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化 ニ就 キ テ,之
探 究 セ ン ト試 ミタ リ.斯 クシテ 機 能 亢 進 ヲ惹 起 セ シ
何 ナ ル結 果 ヲ招來 ス可 キ カ ヲ檢 索 セ リ.尚 ホ余 ハ 此
メ タ ル 動 物 ニ 就 キ テ,期
ノ際 脾臟,肝 臟,腹 壁,皮
日的 ニ之 ヲ觀 察 シ其 ノ病 理
解 剖學 的竝 ニ病 理 組 織學 的研 究 ヲ行 ヒ.其
植 陽 性 動 物 ハ,常
ノ結 果 移
ニ一 定變 化 ヲ 呈 ス ト云 ヘ リ.氏 ノ
第1項 ガ化 學 的 ニ如
下 組 織 内 等 各 部 位 ニ同 種
上皮 小體 過 移植 ヲ試 ミ,夫 レ ノ陽 牲 時 ニ於 ケル,體
内「カル チウ ム 」代 謝 ノ變化 ヲ時 期 的 ニ探 究 セ リ.
同種上 皮 小體 脾 臟 内過 移植 後 ノ「カル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 正 常 白鼠 脾 臟 内 ニ 同 種 上 皮 小 體(1箇)ヲ 移 植 シ テ
體 内 各 部 ノ「カ ル チ ウ ム」代謝ノ變 化 ヲ時 期 的 ニ檢 セ
實 驗 方 法
リ.使 用 動物 及 ビ飼 育 法 竝 ニ上 皮 小體 移 植 方法 前節
ニ準 ジ省 略.
164
上 皮 小 體 ノ「カル チ ウ ム」新 降代 謝 ニ及 ボス 影響
第2目 對 照=第4表
同 種 上 皮小體 脾臟 内 過 移 植 後 ノ「カル チ ウ ム」代 謝 ノ變化
實 驗 ノ 結 果 ヲ觀 ル ニ 第1週
ム 」ハ 上 昇 シ,筋 肉,内臟
ハ 對 照 ト大 差 ナ シ.然
ニ 於 テ 血淸
「カ ル チ ウ
實 質 性 臟 器 「カ ル チ ウ ム 」量
ル ニ 骨 「カ ル チ ウ ム 」量 ハ 既 ニ
内 臟 實質 性 臟 器 ハ第2週 ニ 比 シ テ 第3,第4週
ニ 於 テ ハ 血淸 「カ ル チ ウ ム 」ハ 第1週
ト大 差
ナ ク,筋
肉 及 ビ 内 臟 實 質 性 臟 器 ノ「カ ル チ ウ ム 量 減
少 ス.骨
「カ ル チ ウ ム 」量 ハ 第1週
ヨ リ稍稍增
加ス ト
ホ少 ク,筋 肉 「カル チ ウ ム 」ハ 第3週
ヨ リ殆 ド正 常 量
シテ骨 「カル チ ウ ム 」量 ハ 第2週 以 後 ハ
差 シ タル 動搖 ナ ク正 常 量 ヨ リ少 キ状 態 ヲ經續 セ リ.
以 上 ヲ通 覧 ス ル ニ本 實 驗 ニ於 テ ハ,同 種 上皮 小 體
ヲ脾臟 内 ニ過 移 植 スル 時 ハ,概
シテ 流 動 「カ ルチ ウ
ム」上 昇 スル ニ反 シ,他 部 ノ沈 着 「カル チウ ム 」ハ 減
雖 モ 未 ダ 正 常 量 ヨ リ少 シ.
ニ 於 テ モ 血淸
ハ
幾 分 上 昇 ノ傾 向 ヲ認 ム ル モ 正常 量 或 ハ 對 照 ヨ リモ 尚
ニ復 歸 ス.而
著 明 ナ ル 減 少 ヲ 認 ム.
第3,第4週
實 驗 成 績
參照
第7表 第2週
3197
「カ ル チ ウ ム 」量 ハ 大 シ
少 ヲ示 ス.是
レ興 味 ア ル事 實 ナ リ.
タ ル 動 揺 ナ ク依 然 ト シ テ 上 昇 ヲ示 ス.
第2項 同 種 上 皮 小體 肝 臟 内過 移植 後 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變化
第1目 正 常 白 鼠肝 臟 内 ニ 同 種 上 皮 小 體(1箇)ヲ 移 植 シ體
實 驗 方 法
育 法 ヲ及 ビ使 用 上 皮 小體,移植
法 等 前節 ニ同 ジ.
内 各部 ノ「カ ル チ ウ ム」量 ヲ檢 セ リ.使 用 動 物 竝 ニ飼
第2目 本 實 驗 ノ結 果 ハ 第1週
ニ於 テ 血淸 「カル チ ウ ム」ノ
上 昇 著 明 ナ ル モ,筋 肉 竝 ニ腹 部 内臟 實 質 性 臟 器 「カ ル
165
實 驗 成 績
チ ウ ム 」量 ニ 著變 ナ シ.然
ル ニ骨 ニ於 テ ハ 其 ノ「カ ル
チ ウ ム 」量 既 ニ 著 明 ナ ル 減 少 ヲ 認 ム.
3198
兼
對照=第4表
次
郎
參照
第8表 第2週
松德
同 種 上 皮 小體 肝 臟 内 過 移植 後 ノ「カル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
ニ至 リテ ハ 血淸 「カ ル チ ウ ム」量 第1遇
ト大
差 ナ ク筋 肉 及 ビ内 臟「カ ル チ ウ ム」量第1週
ニ此 シテ
稍 稍 減 少 セ リ.骨 「カ ル チ ウ ム 」量 ハ 第1週
ニ比 シ稍
第3項 稍增 加 ノ傾 向 ア ル モ未 ダ 正常 量 ヨ リ遙 ニ少 シ.
本 實 驗 ノ結 果 モ大 略前 項 ト同 樣 ナ リ.
同種 上皮 小體 腹 壁 内 過 移 植 後 ノ「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 正 常 白鼠 ノ腹 壁 皮 下 組 織 内 ニ,之 ト同 一 時 期 ニ同
實 驗 方 法
ヘ,皮 下 組 織 ヲ僅 ニ剥 離 シ,前 方法 ニ從 ヒ テ摘 出 セ
一 條件 ノ下 ニ飼 育 セ ル同 種 同性 略略 同 體 重 ノ動 物 ノ
ル同 種 上皮 小 體 ヲ剰 離 口 ヨ リ挿 入 シテ,血
上 皮 小 體(1箇)ヲ
ヲ以 テ 剩離 口 ヲ閉 ヂ,次 デ 腹壁 皮 膚 縫 合 ヲ行 フ.
移 植 シテ,`各 部 ノ「カ ルチ ウ ム」量
管縫 合線
ヲ檢 セ リ.即 チ正常 白 鼠 ノ上 腹 部 正 中 皮 膚 切 開 ヲ加
第2目 對 照=第4表
實 驗 成 績
參照
第9表 同種 上皮 小體 腹 壁 皮下 組織 内過 移植 後 ノ「カ ル チ ウ ム」代謝 ノ變 化
實 驗 ノ結 果 ヲ觀 ル ニ,第1週
ニ於 テハ 血淸 「カ ル
チ ウ ム」量對 照 ニ比 シテ 上 昇 著 明 ニ シテ,腹 部 内臟 實
質 性 臟 器,筋
肉,骨
等 ノ 沈 着 「カ ル チ ウ ム 」量 減 少 セ
リ.
166
上 皮 小 體 ノ「カル チ ウム」新陳 代 謝 ニ及 ボ ス影 響
第2週
ニ於 テハ,血淸 「カ ル チ ウ ム」量1週
ニ比 シ
テ 稍 稍減 少 セ ル モ未 ダ高 「カ ル チ ウ ム」血 ノ状 態 ニ在
リ,腹 部 内臟 實質 性 臟 器 ノ「カ ル チ ウム 」量 第1週
ニ
比 シテ 幾 分 減 少 ノ傾 向 ヲ示 シ,筋 肉 「カ ルチ ウ ム 」第
第4項 1週
3199
ニ 比 シ テ 稍 略 増 加 ノ 傾 向 ア リ.骨
ハ 第1週
「カ ル チ ウ ム 」
ニ 比 シ テ 減 少 セ リ.
本 項 ノ 實 驗 結 果 ヲ 通 覧 ス ル ニ 前2項
ノ結 果 ト軌 ヲ
一 ニ ス ル モ ノナ リ.
概
括
同種 上皮 小體 過 移 植 ニ於 テ ハ余 ハ之 テ脾 臟 内,肝 臟 内,腹 壁 内 ノ三 部位 ニ試ミ ,人 工 的 ニ上
皮 小體 機 能 亢 進 ヲ惹 起 セ シム ル際 ハ,孰
ウ ム」 減 少 スル テ認 ム.此
レモ流 動 「カル チ ウ ム」上 昇 スル ニ反 シ,沈 着 「カル チ
ノ現 象 ハ後 述 ノ正 常 白 鼠 ニ上 皮 小體 「エ ク ス トラ ク ト 注 射ヲ 行 ヒ,
上 皮小 體 機 能 亢進 ヲ起 サ シ メタル 際 ノ生 體 内 「カル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化 ト比 較 ス レバ,白
ラ兩 者
ノ 間 ニ共 通 的 結果 ヲ認 メ得 ラル 可 シ.此 ノ結 果 ハ從 來 諸 家 ニ ヨ リテ提 唱(後 述)セ ラ レタ ル,上
皮 小體 機 能 亢 進 時 ニ於 ケ ル 生體 内「カ ル チウ ム」代 謝 ノ變 化 ト一 致 スル 所 ニ シテ,余 ハ未 ダ何 人
モ 試ミ ザ ル上 皮 小體 過 移 植 ノ結 果 テ化 學 的 ニ檢 索 シ,先 人 ノ見解 ヲ立證 シ得 タル モ ノ ト信 ズ.
第8章 上 皮 小 體 「エ ク ス トラク ト」ガ 生 體 内 「カ ル チ ウム 」
代謝 ニ及ボス髭響
上 皮 小 體 「ホ ル モ ン」ヲ 人 工 的 ニ 抽 出 セ ン トハ,古
ハ 治 療 目 的 ニ 對 シ テ 研 究 セ ラ レ タ ル モ,近
時 上皮 小
來 多 ク ノ學 者 ニ ヨ リ試 ミ ラ レ タ ル 所 ニ シ テ,Vasale
體 「エ ク ス ト ラ ク ト」ノ「カ ル チ ウ ム 」新 陳 代 謝 ニ 關 ス
(1905)ハ
ル 種種 ナ ル 研 究 發 表 サ ル ル ニ至 レ リ.就
上 皮 小 體 ノ 有效 成 分 ヲ 「エ ク ス ト ラ ク ト」ト
シ テ 作 ラン ト書 策 セ ル モ,彼
セ リ.次
デSchulten
ハ 其 ノ製 法 ニ 於 テ 失 敗
(1905),
Berman
(1909)等
ノ 上 皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク ト」ヲ 造 リ,之
摘 出性
ハ牛
「テ タ ニ ー 」 ニ 用 ヒ テ 之 ヲ 救 助 シ 得 タ リ ト報
Loomer,
u. Beebe
(1909)モ
同 樣 ナ ル報 告 ヲセ
其 ノ他Gley,
(1909),
(1922),
Calson
Vogel,
Vasale,
MacCa1lum
(1924),
(1921),Paton
u. Tindaly
Beumer,
u. Jolly等
Generali,
u.
Simpson
(1916),
Falkenheim,
Voegtlin,
(1924),
Jacobson
Brehme,
Moussu,
Biedle
Fischer-Larsson,
Collip (1925)及
Berman
(1926),
Lissn-Shepherdson,
Da
Moritz,
ビ 彼 ノ 共 同 研 究 者Clark
ビHjort-Robinson-Tendick
(1925)等
u.
種種
當 時 米 國 ニ 於 ケ ル 此 ノ方 面 ノ 研 究 ハ 實 ニ 絢爛 ノ 美 ヲ
競 ヒ シ ノ 感 ア リ.中
ニ モJ.
Boothby
最 モ 著 明 ニ シ テ,彼
ハ 牛 ノ 上 皮 小 體 ヨ リ有 效 確 實 ナ
(1924),
リ ト稱 セ ル 「エ ク ス ト ラ ク ト」ノ抽 出 ニ 成 功 シ,之
Gyorgy,
正 常 犬 ニ 用 ヒ テ 其 ノ 血 中 「カ ル チ ウ ム 」ヲ 上 昇 セ シ
モ 上 皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク ト」ヲ 以
テ 上 皮 小 體 摘 出 動 物 或 ハ 「テ タ ニ ー 」症 ニ應 用 シテ,
其 ノ 治 療 的效 果 ヲ 發 表 セ リ.
斯 ノ如 ク 上 皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク ト」ノ作 製 ハ 多 ク
167
Scott及
1925),Ellington-Bell,
ナ ル 形 式 ニ 於 ケ ル 「エ ク ス ト ラ ク ト」ノ研 究 績 出 シ,
Berman
Vincet
1914,
vidson,
リ.
Hanson,
ニ 於 テ ハ 此 方 面 ノ研 究 最 モ 盛 ニ シ テ,Hanson(1923,
ヲ上 皮 小 體
告 シ,Berkely
中米 國學 派
メ,上
B. Collip (1925)ノ
研究
ヲ
皮 小 體 摘 出 犬 ニ 用 ヒ テ 血 中 「カ ル チ ウ ム 」ノ減
少 ヲ防 ギ テ 正 常 位 ニ 保 持 セ シ メ 得 タ リ ト云 ヘ リ.氏
ノ研 究 一 度 發 表 サ ル ル ヤ 此 ノ方 面 ノ研 究 ニ 一 大 光 明
ヲ 與 ヘ,爾
來 諸 家 競 ヒ テCollipノ
「エ ク ス ト ラ ク ト」
3200
兼松德
ニ 就 キ 之 ガ 實證,研
究,批
範 ヲ 爲 ス 者 績 出 シ,又
次
上
郎
ウ ム 」ノ上 昇 ス ル ヲ 認 メ タ リ. M. ToldteハCollipノ
皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク ト」ト「カ ル チ ウ ムJ新 陳 代 謝 ノ
「エ ク ス ト ラ ク ト
」ハ 人 體 及 ビ 犬ニ 於 テ 最 モ 著 明 ナ ル
關 係 ニ 就 キ テ ノ研 究 長 足 ノ進 歩 ヲ遂 ゲ,此
影 響 ヲ 認 メ,他ノ
機 軸 ヲ開 ク ニ 至 レ リ. Collipノ
「エ ク ス ト ラ ク ト」ニ
就 キ テ ノ研 究 報 告 ヲ觀 ル ニBerman,
vidson,
Lissa,
テCollipノ
處 ニ一 新
Shepherdson,
Grrenwald,
Moritz,
Da
Loomer等續
馬 ノ上 皮 小 體 ヲ 以 テCollipノ
リテ 「エ ク ス ト ラ ク ト」ヲ 造 リ,之
其 ノ效 果 ヲ 確 認 シ,
イ
法 ニ依
ヲ臨牀 的 ニ 用 ヒ テ
Zimmermanハ
之 ヲ 「テ タ ニ ー 」
患 者 ニ應 用 シ テ 其 ノ臨牀 的 效 果 ヲ 記 載 セ リ.
Percival,
Stewart,
Questハ
ガ 行 ハ レ タ リ.
之 ヲ經 口 的 與 ヘ 其 ノ 效
果 著 明 ナ ラ ザ ル ヲ 報 告 シ, Vasaleハ經
注 射 ヲ 行 ヒ, Greenwald-Gross
MacCallum,
M.
ミ, Csepai,
Inaba
(1925),
Pellathy,
(1930)等
M.
口的 又 ハ皮 下
Hanson
(1923)
ハ主 ニ皮 下 注 射 ヲ試
Inaba,
Moussu等
「エ ク ク ト ラ ク ト」 ガ生 體 内
「カ ル チ ウ ム 」新 陳 代 謝 ニ 就 キ 如 同 ナ ル 作 用 ヲ 爲 ス ヤ
ヲ 文獻 的 ニ 考 察 セ ン ト ス.
Collip氏
上 皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク ト」ヲ 用 ヒ タ ル 報
告 ニ 據 レバ,之
ガ 正 常 犬 ニ 對 シ テ ハ 血 中 「カ ル チ ウ
ム 」ノ 上 昇 ヲ 認 メ(Collip,
Clark, Scott
1925),上
皮小
體 摘 出 犬 ニ 對 シ テ ハ 「テ タニ ー 」發 作 ヲ 防 ギ,「 カ ル チ
次 ニ「エ ク ス ト ラ ク ト」ノ使 用 法ニ 關 シ テ ハ 從 來 經
口 的 ・皮 下 注 射 ・靜脉 内 注 射 ノ 三法
難 キ ヲ 報 告 セ リ.
最 後 ニ 此 ノ上 皮小 體
「エ ク ス ト ラ ク ト」ノ 實證 ヲ 行 ヒ, Berman,
Falkenheimハ
動 物 ハ 人 及 ビ 犬 ホ ド ノ效 果 ヲ 認 メ
ハ 靜脉
ウ ム 」 ノ減 少 ヲ 防 止 シ テ 之
(Collip
1925.
Bermnn
1526.尚
1926.
ヲ 正常 値 ニ 保 持 セ シ メ
Hjort-Rubinson-Tendik
1525
ホ 大 量 ニ 注 射 セ バ 血 中 「カ ル チ ウ
ム 」ノ上 昇 ヲ 認 ム.而 シ テ 此 ノ學 實 ハ 臨牀 的 ニ モ 一 致
ス ト稱 セ リ(Collip
1925.
Creenwald
1926).之以
來
上 皮小 體 中 ニ ハ 「カ ル チ ウ ム 」新陳 代 謝 ノ調 節 ヲ營 爲
ス ル 「ホ ル モ ン」ヲ 有 ス ル 事 ニ 諸 家 ノ見 解 等 シ ク一 致
内 注 射 又 ハ 皮 下 注 射 ヲ 以 テ 一 般 ノ用 法 トセ リ. Collip
セ リ.即
チGreenwald,
ハ經
ヨ リ,上
皮 小 體 「ホ ル モ ン」 ヲ 正 常 犬 ニ 與 フ レ バ,血
口 的 ・皮 下 注 射 ・靜 脉 内 注 射 ノ三 法 ヲ用 ヒ タ ル モ
主 ト シテ 皮 下 注 射 ヲ 行 ヘ リ, Berencsyノ説
中 「カ ル チ ウ ム 」ハ 著 明ニ 上 昇 ス ル ニ 反 シ,組
織中殊
副 症状 ヲ 呈 シ易 ク 依 テ 皮 下 注 射 ヲ
ニ 骨 「カ ル チ ウ ム 」量 ノ減 少 ス ル 事 實 ヨ リ,此
ノ際 生
日 ニ 於 テ ハ 兩 者孰 レ モ 用 ヒ ラ ル.
次 ニ上 皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク ト」ノ各 種 動 物 ニ 對 ス
ル 效 果 ニ 關 シ テ ハ,
Collipノ
彼 等 ノ實驗 ノ結果
ニ依 レ バ
靜 脉 内 注 射 ハ應應
推 薦 セ ル モ,今
Gross等ハ
Herxbeimer及
ビZimmerハ
「エ ク ス トラ ク ト」ヲ 種種 ナ ル 動 物 ニ 試 ミ,
體 内 ニ 於 テ 「カ ル チ ウ ム 」 ノ貯 藏 所 タ ル 骨ニ 於 テ 「カ
ル チ ウ ム」ガ 游 離 シテ,血 中ニ 移 行 ス ル モ ノナ ラ ン ト
考 ヘ タ リ.
反 對 ニ 上 皮 小 體 摘 出 犬ニ 「ホ ル モ ン 」ヲ 與 フ レ バ,
其 ノ 結 果 動 物 ノ種 類 ニ ヨ リ テ 效 果 區區タ ル 事 ヲ認 メ
血 中 竝 ニ骨 及 ビ他 ノ組 織 「カ ル チ ウ ム 」ノ減 少 ヲ防 止
タ リ.即
ス ト云 ヘ リ. Halistereseモ
チ 人 體 及 ビ犬 ニ ハ 其 ノ 效 果 著 明 ナ ル モ,家
兎 及 ビ 「ラ ツ テ 」ニ ハ 其 ノ 作 用 用 確 實 ナ ラ ズ ト 記 セ
LaMehr,
リ. Schltenモ
モ ン」 ヲ長 ク 與 フ レ バ,骨
之 ヲ 猫 ニ 用 ヒ テ 良 結 果 ヲ 得 ズ ト述 ペ,
Greenwald-Grossハ
猫 及 ビ 大黑 鼠 ニ 用 ヒ テ 完 全 ナ ル
結 果 ヲ 得 ズ ト報 告 シ, Moritzモ
樣 ナ ル 結 果 ヲ 報 告 シ.
Macleodハ
之 ヲ家 兎 ニ用 ヒ テ同
草 食 動 物 バ一 般 ニ
「エ ク ス ト ラ ク ト」ニ 對 ス ル 抵 抗 力 ア リ ト稱 セ ル モ,
Robinson,
Huffmanハ
之 ヲ犢ニ 用 ヒ テ 血 中 「カ ル チ
Chrown
(1925)等
同 樣 ナ ル 考 ヘ ヲ 述 ベ, Holt,
ハ 正 常 犬ニ 上 皮 小 體 「ホ ル
「カ ル チ ウ ム 」 ハ 游 離 排 泄
サ レ テ 骨 ハ 著 シ ク 其 ノ「カ ル チ ウ ム」量 ヲ減 ズ ト云 ヘ
リ. Bauer,
Aubハ
家 兎 ニ 於 テ 上 皮 小 體 「ホ ル モ ン」
ノ連續 的 注 射 ニ 因 リテ 骨 梁 ノ脱灰 的變 化 ヲ 「レ ン ト
ゲ ン」所 見 上ニ 認 メ. Waltnerハ
「ラ ツ テ 」ニ 於 テ 上 皮
小 體「 ホ ル モ ン 」ノ連續 的 輪 入 ノ結 果 骨 「カ ル チ ウ ム 」
168
上 皮 小 體 ノ「カル チウ ム」新 陳 代謝 ニ及 ボ ス影 響 減 退 シ テ 粗鬆 的變 化 ヲ「 レ ン ト ゲ ン」檢査 上 明 ニ 認 メ
進 ノ結 果,生
タ リ ト云 ヒ, G.
テ1)血
Bischoffモ
之 ト同樣 ナ ル 結 果 ヲ 認 メ
シ ヲ 報 告 セ リ.
又Quick
(1931)ニ
ト 同 一 ナ ル 見 解 ヲ發 表 シ,續
ニ 體 内 「カ ル
worth,
織 ノ脱 灰 現 象 ヲ
Baar等
ノ實驗 ニ ヨ レ バ,幼
間 ニ シ テ 急 速 ナ ル 骨 系 統 ノ脱
成 熟 海〓
毎 日 反 覆 的 ニ 注 射 セ バ,骨
中 「カ ル チ ウ
& Gross,
呈
Hoag
Ropes, David,
イ テAlbright,
Harald
Ells
Henry,
Dixon,
モ 前 述 諸 家 ノ提 唱 ニ 對 シ 同 樣 ナ ル 意 見 ヲ 述
ベ タ リ.
Blair (1931)
弱 海〓 ニ 大 量 ノ「バ ラ ト ル モ ン」
ニ48時
灰 現 象 ヲ 呈 ス.又
Bodansky,
Bauer,
2)尿
ノ"Rarefaction"ヲ
液 「カ ル チ ウ ム 」ハ
チ ウ ム 」 ノ 平 衡 状 態 ハ 障 碍 サ レ,組
誘發 ス ト 説 ケ リ.最 近Jaffe,
3)骨
ス ト云 ヘ リ. Waltner,ハGreenwald
然 之 ノ注 射 ヲ 反 覆 ス レ バ,遂
ヲ 注 射 セ バ,既
中 「カ ル チ ウ ム 」 ノ上 昇.
據 レバ 上 皮 小體
「エ ク ス ト ラ ク ト」ヲ 注 射 セ バ,血
上 昇 ス.乍
體 内 ノ「カ ル チ ウ ム 」代 謝 ノ變 化 ヲ擧 ゲ
ム 」 ノ異 状 排 泄 亢 進.
& Humburger
3201
以 上 幾 多 ノ 意 見 ヲ 總 合 ス ル ニ,何 レ モ 上 皮 小 體 「ホ
ル モ ン」ヲ 正 常 動 物 ニ 起 加 セ シ ム レ バ,流
ニ小 量 「バ ラ ト ル モ ン」ヲ
ウ ム ハ 上 昇 ス ル ニ 反 シ,沈
ニ定 形 的 ノ 吸收 作 用 ヲ 起
シ來 ル.即
着
動 「カ ル チ
「カ ル チ ウ ム 」 ハ 減 少
チ 此 ノ際 沈 着 「カ ル チ ウ ム 」ハ 游 離 排 泄 サ
シ繊 維 性變 化 ヲ招 來 ス ト 云 ヘ リ.Stewart,
Percival
レ,體
内 「カル チ ウ ム」 ノ平 衡 状 態 ハ 失 調 サ ル.然
レ
モ 上 皮 小 體 「ホ ル モン 」 ノ生 理 的 機 能 ハ,「
カ ルチ ウ
共 上 皮 小 體 機 能缺 損 セ ル 際 上 皮 小 體 ホ ル モ ン ヲ 與 フ
ム 」ノ吸收 或 ハ 排 泄 ヲ 司 ル モ ノ ニ テ,必 要 ニ應 ジ 組 織
ル 時 ハ,「
ヨ リ血 中 ニ 「カ ル チ ウ ム 」ヲ移 行 セ シ メ,常 ニ 血 中 「カ
體 内 各 臟 器 ノ「カ ル チ ウ ム 」ヲ シ テ 正 常 値 ニ 等 シ カ ラ
シ ム ル 働 キ ヲ 有 ス トセ ル ガ 如 シ.
ル チ ウ ム 」 ノ 濃 度 ヲ 調 節 ス ル モ ノ ナ ラ ン ト云 ヘ リ.
氏 等 ハ 又 正 常 動 物 ニ 上 皮 小 體 「ホ ル モ ン」ヲ 與 ヘ テ 血
液 「カ ル チ ウ ム 」ノ 上 昇 ヲ 招 致 ス ル ハ,其
少 ス ル ニ 非 ズ,消
モ 非 ズ,主
ノ排 泄 ノ 減
化 管 内 ニ 於 ケ ル 吸收
ノ高 マ ル 爲 ニ
ト シ テ 組 織 「カ ル チ ウ ム 」ノ游 離 ニ 基 ク モ
ノ ナ リ ト稱 セ リ.尚
ホ 氏 等 ノ見 解 ニ 據 レ バ 此 ノ 游 離
セ ル 「カ ル チ ウ ム 」ハ 速 ニ 血 中 ニ擴 散 シ,其
カ ル チ ウ ム 」代 謝 ノ平 衡 状 態 ヲ 保 持 シ テ,
ノ擴 散 ノ
最 近Bischoff, Bomoskow,
Cristianiハ
「ホ ル モ ン」 ニ對 シ テ次 ノ如ク
上皮小體
總 括 的意 見 ヲ 述 ベ タ
リ.「 上 皮 小 體 「ホ ル モ ン」 ハ 「カ ル チ ウ ム 」新 陳 代 謝
ヲ調 節 ス ル モ ノ ニ シ テ,一
方 ニ 於 テ 貯 藏 所 ニ 「カ ル
チ ウ ム 」ヲ 沈 着 セ シ メ,他 方 ニ 於 テ 特 種 状 況 ニ應 ジ テ
其 ノ貯 藏 所 ヨ リ「カ ル チ ウ ム 」ヲ 移 動 セ シ メ,而
モ全
状 態 ニ 因 リ テ 血 中 「カ ル チ ウ ム 」 ノ上 昇 度 ヲ 示 ス モ ノ
ク 相 反 ス ル 二 ツ ノ作 用 ガ 同 一 物 質 ニ 依 リテ營 マ ル 」
ナ ラ ン ト考 ヘ,此
ト セ リ.
ノ 際 ノ「カ ル チ ウ ム 」ノ移 動 ハ 骨 ノ
ミナ ラ ズ 他 ノ軟 部 組 織 ニ 於 テ モ 行 ハ ル ト云 ヘ リ.
Greenwald
& Gross等ハ
此 ノ現 象 ハ 内 分 泌 學 上 極 メ テ 興 味 ア ル 問 題 ニ シ
正 常 動 物 ニ 上 皮 小 體 「エ ク
テ,正
常 動 物 體 内 ニ 在 リテ 其 ノ 固 有 ノ 上 皮 小 體 ガ 生
ス ト ラ ク ト」ヲ 注 射 セ ル 結 果 生 體 内 ニ於 ケ ル 「カ ル チ
理 的 状 態 ニ 於 テ 適 當 ノ 「ホ ル モン 」ヲ 常 ニ 分 泌 シテ,
ウ ム 」 新 陳 代 謝 ノ變 化 ヲ 次 ノ如 ク總 括 的 ニ 説 明 セ リ.
體 内 「カ ル チ ウ ム 」ヲ シ テ 平 衡 状 態 ヲ持 續 ス ル モ,一
1)血
液 「カ ル チ ウ ム 」ノ 上 昇.
織 「カ ル チ
朝 之 ガ 機 能 ノ病 的缺 損 或 ハ 手 術 的 摘 出 ニ依 リ テ 「ホ
3)「 カ ル チ ウ ム 」排 泄 ノ增 進 等 ニ 因
ル モ ン」ノ分 泌 ヲ 害 セ ン カ,體 内 「カ ル チ ウ ム 」ノ著 明
リ テ 生 體 内 ノ 血 液 及 ビ 組 織 間 ノ「カ ル チ ウ ム 」平 衡 状
ナ ル減 少 ヲ惹 起 スル 事 ハ 既 ニ 吾 人 ノ 熟 知 セ ル 所 ナ
ゥ ム 」 ノ游 離.
態 失 調 ヲ 來 ス 卜 述 ベ タ リ.其
Gyorgy等
ノ 他Hoag,
リ.然
Brehme,
Keneth,
Geddieハ
上皮小體機能
ル ニ 此 ノ 際 人 工 的 ニ「ホ ル モ ン」ノ輸 入 ヲ 試 ム
ル カ,乃
モ 同 樣 ナ ル 意 見 ヲ發 表 セ リ.
又Penberton,
169
2)組
亢
バ,血
至 ハ 移 植 ニ 因 リテ 其 ノ機 能 ヲ 代 償 セ シ ム レ
液竝 ニ 組 織 中 ノ「カ ル チ ウ ム」量 ノ減 少 ヲ 防 止
3202 兼
松德
次 郎
シ得 ル事 ハ,諸 家 ノ實 驗 或 ハ余 ノ移 植 實 驗 ノ結 果 ニ
シ,所謂 沈 着「カル チ ウム」ノ變 化 ニ關 ス ル研 究 ハ,多
徴 シテ モ明 ナ リ.然 レ共 反 對 ニ健 康 動 物 ニ對 シ必 要
クハ「レ ン トゲ ン」檢査 ニ依 リ,或 ハ 又 組 織 學 的檢 査
以 上 ノ「ホ ル モ ン」ガ 加 ヘ ラ レタル 際 ニハ,前 述 諸 家
ニ ヨ リ,之 ガ假 説 ニ對 ス ル 説 明 ヲ加 ヘ ン トシ,極 メ
ノ唱 フ ル「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ失調 ヲ惹 起 セ シム ル モ
テ少 數 ノ者 ニ於 テ 定 量 的檢 索 ア リ ト難 モ,尚
ノナ リ.此 ノ現 象 タ ルヤ 余 ノ過 移 植 實驗 ノ結 果,及
ナ ル點尠 ナ カ ラサ ル ガ如 シ.依 テ余 ハ 上 皮 小 體 「エ
ビ 次 ニ 記 述 ス ル正 常 體 ニ「エ クス トラ ク ト」注射 ノ結
クス トラ ク ト」ヲ用 ヒ テ,之 ヲ上 皮 小 體 摘 出動 物 或 ハ
果 ニ 於 テ モ,明 白 ニ此 ノ事實 ヲ裏 書 ス ル モ ノナ リ.
正 常 動 物 ニ作 用 セ シ メテ,依 テ 來 ル生 體 内 ノ流 動 竝
斯 ノ如 ク既 述 諸 家 ノ提 唱 殆 ド相 一致 セ ル モ,各 自
ノ實驗 的檢 索 ヲ見 ル ニ,血 中或 ハ尿 中等 ノ所 謂 流 動
ホ不 備
ニ沈 着 「カ ル チウ ム」ノ變 化 ニ就 キテ 之 ヲ化 學 的 ニ測
定 シ,其
ノ相 互 的 機 轉 ヲ探 究 セ リ.
「カル チ ウ ム」ニ對 ス ル ノ 業 績 幾 多認 メ ラ ル ル ニ 反
第1節 上 皮 小 體 「エ ク ス トラ ク ト」ノ製 法
余 ハ 上 皮 小 體 「エ クス ト ラ ク ト」ヲ造ル
ニ 蒸溜水
脂 肪 組 織,結 締 織 等 ハ 可 及 的精 細 ニ之 ヲ除 去 シタ ル
「エ ク ス トラ ク トヲ」選 ベ リ.其 ノ他 ノ溶 媒 例 ヘバ 食
後 秤 量 シ,之 ヲ化 學 的,細 菌 學 的 ニ淸淨 セ ル細 粒 金
鹽 水 ノ如 キ ヲ以 テ シテ ハ,生 體 内 鑛 質 代謝 ニ影響 ヲ
剛 砂 ト共 ニ十 分 摺 挫 ス.而 シテ 余 ハ材 料 ノ都 合 上 組
及 ボス 恐 ア リ.依 テ 此 ノ製 法 ナ レバ其 ノ刺 戟 少 ク,
織 重 量 ニ對 シテ 之 ガ100倍
且 其 ノ製 作 比 較 的 簡單 ナ ル ヲ以 テ ナ リ.材 料 トシテ
ス可 ク滅 菌 蒸 溜 水 ヲ加 ヘテ,摺 挫 セ ル上 皮 小 體 組 織
ハ 屠 殺 後1時 間 以 内 ノ牛上 皮 小 體 ヲ使 用 セ リ.之 ヲ
ヲ12時 間 電 氣 振盪 器 ニ ヨ リテ 振盪 セシ メテ 浸 出 ス.
獲 ル ニハ 屠 殺 場 ニ於 テ 甲状 腺,氣 道,食 道 等 ヲ一 塊
後 之 ヲ氷室 ニ保 存 シ,摺 挫 後24時
トセ ル モ ノヲ採 リ,直 チ ニ上 皮 小 體 ヲ探 求 摘 出 セ リ.
摘 出 セ ル上 皮 小 體 ハ 必 ズ其 ノー 部 ヲ檢 鏡 シテ確 メ タ
ル モ ノ ニ限 リテ 使 用 ス.此
ノ「エ ク ス トラ ク ト」ト爲
間 目 ニ 遠 心 沈澱
ヲ行 ヒ,上 澄 液 ヲ滅 菌 無 灰 漏 紙 ヲ以 テ 漏 過 シ,滅 菌
容 器 ニ收容 シテ氷 室 内 ニ保 存 ス.
ノ際 上 皮 小體 ニ 附着 セ ル
第2節 上 皮 小 體 「エ ク ス トラ ク ト」ガ 上 皮 小 體 摘 出 白 鼠 ノ
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ニ 及 ボ ス影 響
第1項 實驗 方 法竝 ニ對照 實 驗
標 準 食 餌 ヲ以 テ飼 育 セ ル所 定 體 重 ノ白 鼠 ノ1側 上
對 照 實驗 對 照 實 驗 トシテ 前 者 ト同 一 條 件 ノ白鼠
割合
ノ1側 上 皮 小 體 ヲ摘 出 シ,之 ニ上 皮 小 體 「エ クス ト
ニ 前 記 製 法 ニ基 キテ 製 セ ル上 皮小 體 「エ クス ト ラ ク
ラ ク ト」 ト同 樣 ナ ル 製 法 ニ從 ヒテ 製 セ ル牛 腎臟 「エ
ト」ヲ毎 日皮 下 ニ注 射 シ,1週 及 ビ2週 後 ニ於 テ各 各
ク ス トラ ク ト」 ヲ前 者 ト同樣 ナ ル 條件 ノ下 ニ注 射 セ
ノ「カ ル チ ウ ム」量 ヲ檢 セ リ.
リ.
皮 小 體 ヲ摘 出 シ,之 ニ毎 體 重1kgニ
就 キ3ccノ
第2項 實
實 驗 ノ結 果 ヲ觀 察 ス ル ニ,對 照 實驗 ト シテ上 皮 小
驗
成
績
然 ル ニ 上 皮 小 體 ヲ摘 出 シ,之 ニ 上 皮 小 體 「エ ク ス ト
體 ヲ摘 出 セル 白 鼠 ニ腎 臟 「エ ク ス トラ ク ト」ヲ注射 セ
ラ ク ト」ヲ 注 射 セ シ 實 驗 例 ニ 於 テ ハ,前 表 ノ如 ク 上 皮
ル モノ ニ於 テハ,「 カ ル チウ ム」ノ減 少 ニ對 シ何 等 防
小 體 摘 出 ニ 因 ル全 「カ ル チ ウ ム 」 ノ減 少 ハ,「 エ ク ズ ト
止 的 作用 ナ ク,上 皮 小 體 摘 出 時 ト其 ノ結 果大 差 ナ シ.
ラ ク ト」注 射 ニ ヨ リ テ 之 ニ防 止 シ 得 ル ヲ 明 ニ セ リ.
170
上 皮 小 體 ノ「カル チ ウ ム」新 陳 代 謝 ニ及 ボ ス影 響 第10表 第11表 對
照
實
3203
驗
上 皮 小體 摘 出 兼 上 皮 小體 「エ ク ス トラ ク ト」注 射 後 ノ
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
即 チ注 射 後 第1週
ニ於 テ ハ,血淸
「カ ル チ ウ ム」量
ハ 殆 ド正 常 値 ニ之 ヲ保 持 ス.骨 ニ於 テ モ其 ノ 「カ ル
チ ウ ム」 ノ減 少 度 對 照 實 驗 ニ比 シ テ遙 ニ少 キ モ ノナ
リ.然 レ ドモ筋 肉,腹
部 内臟 實質 性 臟 器 等 ノ軟 部組
比 シ テ稍 稍 減 少 ノ傾 向 ヲ 示 セ ル モ,尚
ホ 對 照 ニ比 シ
テ ハ 遙 カ ニ其 ノ「カ ル チ ウ ム 」量 ノ多 キ ヲ 認 ム.
本 實驗 ヲ 通 ジ テ 考 察 ス ル ニ.上
「カ ル チ ウ ム」 ノ減 少 ハ,上
皮 小 體 摘 出 ニ因 ル
皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク ト」
織 ニ 於テ ハ「エ ク ス トラ ク ト」ノ效果 骨及 ビ血淸 ニ 比
注 射 ニ 因 リテ 防 止 サ ル ル 事 明 ニ シ テ,殊
シテ 明 ナラ ズ.此
ハ 血淸 及 ビ 骨 ニ 於 テ 著 明 ナ リ.而
ノ結 果 ヨ リ考 フル モ 上 皮 小體 機 能
ニ 其 ノ影 響
シ テ 本 「エ クス ト
ハ 骨 及 ビ 血 液 ノ「カ ル チ ウ ム」代謝 ニ最 モ密 接 ナ ル 關
ラ ク ト」中 ニ ハ 「カ ル チ ウ ム 」代 謝 ニ 關 與 ス ル 物 質 ノ
係 ア ル ヲ思 惟 セ ラル.
浸 出 サ レ タ ル 事 明 ニ シ テ,其
2週 ニ至 リテ 血淸 「カ ル チ ウ ム」ハ 幾分1週
ニ比 シ
缺 損 セ ル 場 合,體
増 加 シ,内 臟 竝 ニ筋 肉 「カ ル チ ウム」モ僅 ニ1週 ヨ リ
ム ル モ ノナ
モ增 加 セ リ.然 レ ドモ 骨「カ ル チ ウ ム」ノ ミハ1週
Gross始
第3節 ニ
ノ作 用 ハ 上 皮 小 體 機 能
内 「カ ル チ ウ ム 」ノ 減 少 ヲ防 止 セ シ
リ ト ノ點 ニ於 テ,
Collip. Greenwald,
メ 諸 家 ノ成 績 ニ 一 致 セ ル ヲ 認 ム.
上 皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク ト」ガ正 常 白 鼠 體 内
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ニ 及 ボ ス影 響
第1項 實驗 方法竝 ニ對照 實驗
標 準 食餌 ヲ以 テ飼 育 セ ル所 定 體 重 ノ正 常 白鼠 ニ,
前 實 驗 ト同 樣 ナ ル上 皮 小 體 「エ クス トラ ク ト」ヲ,毎
171
體 重1kgニ
週 及 ビ2週
就 キ3ccノ
割 合 ニ 毎 日 皮 下 ニ 注 射 シ,1
後 ノ 各 部 「カ ル チ ウ ム 」量 ヲ檢 セ リ.
3204 兼 松德
次 郎
ラ ク ト」ヲ,毎
對 照 實 驗 對 照 實 驗 トシテ 前 者 ト同 一 條件 ノ正 常
白 鼠 ニ,前 節 對 照 實 驗 ト同 樣 ナ ル 牛 腎臟 「エ クス ト
第2項 就 キ3ccノ
割 合 ニ 毎 日皮
下 ニ 注 射 セ リ.
實
驗
成
績
對
照
實
驗
第12表 第13表 體 重1kgニ
正 常 白 鼠 ニ上 皮 小 體 「エ ク ス トラク ト」注 射 後 ノ
「カ ル チウ ム」代 謝 ノ變 化
實 驗 ノ結 果 ヲ觀 ル ニ 對 照 實 驗 ニ 於 テ ハ 各 部
「カ ル
チ ウ ム 」 量 殆 ド 影 響 無 キ ヲ 知 レ リ.
代 謝 ノ失 調 ニ基 ク モ ノ ニ シ テ,組
然 ル ニ 正 常 白 鼠 ニ 上 皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク ト」ヲ 注
射 セ ル 場 合 ハ,血淸
昇 シ,骨
チ 第1
「カ ル チ ウ ム 」 量ハ 對 照 ニ比 シテ 上
第1週
臟 及 ビ 筋 肉 「カ ル チ ウ ム 」量 ハ1週
ト略
ル ニ 骨 「カ ル チ ウ ム 」量
ハ
ニ 比 シ テ 減 少 ノ傾 向 ア リ.即 チ 上 皮 小 體 「エ ク
ス ト ラ ク ト」注 射 ノ 經 續 サ ル ル ニ從 ヒ テ,骨
ノ所 見 ハGreenwald
次 ニ第7章
ニ 於 テ ハ 血淸 「カ ル チ ウ ム 」量 依 然 ト シ デ 上
同 程 度 ノ含 有 量 ニ 在 リ.然
リ.此
一 致 ス ル モ ノ ニ テ ,先
及 ビ 内 臟 「ガ ル チ ウ ム 」量 減 少 著 明 ニ シ テ,
昇 ス ル モ,内
「カ ル チ
ウ ム 」ハ 漸次 減 少 ニ 向 ヘ ル ヲ 知 ル.
之 等 現 象 ハ 明 ニ 既 述 諸 家 ノ主 唱 セ ル 如 ク,生
象 ニ 因 リテ 減 少 ス ル モ ノ ト
就 中 骨 「カ ル チ ウ ム 」 ニ 於 テ 其 ノ 影 響 最 モ 著 明 ナ
筋 肉 「カ ル チ ウ ム 」量 モ 亦 減 少 セ ル ヲ認 ム.
第2週
所 謂"Mobilisation"現
織 「カ ル チ ウ ム 」ガ
思 考 セ ラ ル.
「カ ル チ ウ ム 」上 昇 ス ル ニ 反 シ.
組 織 「カ ル チ ウ ム 」著 明 ニ 減 少 セ ル ヲ 認 ム.即
週 ニ 於 テ ハ 血淸
上 皮 小 體 「ホ ル モ ン」ノ過剩 ニ 因 ル 「カ ル チ ウ ム 」新 陳
第2節
& Gross始
人 ノ 説 ヲ 確 認 セ ル ナ リ.
ニ 於 テ 述 ベ ダル,余
ノ上 皮 小 體
過 移 植 實 驗 ノ 結 果 ト之 ヲ 比 較 ス ル ニ,兩
者 略 略同 一
ナ ル 結 果 ヲ 認 ム.即
小 體 過 移 植 ヲ 試ミ,後
ト」 注 射 ニ 依 リテ.共
チ前 者 ハ 正 常 體 ニ對 シ同 種 上 皮
者 ハ 上 皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク
ニ 實 驗 的ニ 上 皮 小 體 機 能 亢 進
ヲ 惹 起 セ シ メ タ ル モ ノニ シ テ,其
動 「カ ル チ ウ ム」上 昇 ス ルニ 反 シ,沈
體内
メ 諸 家 ノ説 ト
ノ結 果 ハ 等 シ ク流
着 「カ ル チ ウ ム」
ノ 減 ウ ス ル 事 ニ 一 致 セ ル ヲ 認 ム.
172
上 皮 小 體 ノ「カル チウ ム」新 陳 代謝 ニ及 ボ ス 影 響 第4節
概
3205
括
上 皮 小 體 「ヱ ク ス トサ ク ト」ハ之 ヲ上 皮小體 摘 出 白鼠 ニ作 用 セ シム レバ ,上 皮 小 體 機能 缺 損 ニ
因 ル,生 體 内「カ ル チ ウ ム」ノ減 少 ヲ防 止 セ シムル 事 著 明 ナ リ.就 中其 ノ数 果 最 モ著 明 ナル ハ血
清 及 ビ骨 「カ ル チ ウ ム」ナ リ.即 チ血淸 「カ ル チ ウ ム」量 ハ殆 ド正 常 ノ近似 値 ヲ示 シ.骨 ニ於 テ モ
明 ニ其 ノ「カ ル チ ウ ム」量 ノ減 少 度 極 メテ少 キ ラ認 ム.他 ノ軟 部組 績 ニ於 テ ハ 血 清 及 ビ骨 ニ比 シ
テ 其 ノ影 響 著 シカ ラズ.是
レ上 皮小 體 ノ「カル チ ウ ム」新陳 代謝 機 能 ハ血淸 及 ビ骨 ニ最 モ著 明 ナ
ル關 係 アル ヲ知 ル.
次 ニ 上 皮 小 體 「ヱ ク ス トラ ク ト」ヲ 正 常 動 物 ニ作 用 セ シ ム レバ 血淸 「カ ル チ ウ ム 」量 上 昇 ス ル ニ
反 シ,骨
及 ビ他 ノ 組 織 「カ ル チ ウ ム」量 ノ 減 少 ヲ 認 ム.此
小 體 摘 出 ニ對 シテ 其 ノ 機 能 缺 損 ヲ代 償 シ,後
新 陳 代 謝 ノ失 調 ヲ 意 味 ス ル モ ノ ニ シ テ,其
氏 等 ノ 見 解 ニ 一 致 セ リ.而
ノ 兩 者 ノ 實 驗 結 果 タ ル ヤ,前
者 ハ上 皮
者 ハ人 工 的 上 皮 小 體 機 能 亢 進 ニ基 ク 「カ ル チ ウ ム 」
ノ 結 果 ハ明 ニCollip,
Greenwald,
Gross,
Waltner
シ テ 余 ハ 諸 家 ノ 見 解 ニ封 シ從 來 完 壁 ニ 至 ラ ザ リ シ,上 皮 小 體 「ヱ ク ス
トラ ク ト」ヲ 與 ヘ タ ル 際 ニ 於 ケ ル,組
織 「カ ル チ ウ ム」ノ變 化 ヲ 化 學 的 ニ檢 索 シ,又
ル チ ウ ム 」ノ 移 動 ト流 動 「カ ル チ ウ ム 」 ノ 變 化 トノ 相 互 的 機 轉 ニ就 キ テ,之
此 ノ沈 着 「カ
ヲ化 學 的 ニ檢 索 シ,
其 ノ變 化 ヲ數 學 的 ニ 實 證 シ得 タ リ.
第9章 非經 口的竝 ニ經 口的生體内「カルチウム」輸入ガ生體内
「カルチウム」代謝 ニ及ボス影響及 ヒ之ニ對スル上皮小
體機能 ノ意義
「ヵ ル チ ウ ム 」ノ生 體 内 輸 入 ニ 就 キ テ ハ 治 療 目 的 タ
Dadley,
太 田,一
本 杉 氏 等 從 來 多 數 ノ 學 者 ニ 依 リテ
ル ト 實 驗 的 研 究 タ ル ト ヲ 問 ハ ズ,古
來之 ガ業 績 ニ關
反 覆 檢 索 セ ラ レ,共
シ テ ハ 實 ニ 學 ゲ テ 算 ス ル ヲ 得 ズ.其
ノ使 用 法 ハ 主 ト
成 績 大 體 ニ一 致 セ リ.即
シ テ 非 經 口 的 竝 ニ 經 口 的 ト ニ 大 別 シ,非
經 口的 ニ ハ
ノ業 績 枚 學 ニ 遑 非 ズ ト雖 モ 其 ノ
チHeubner
&
Ronaハ
猫 ヲ
用 ヒ テ 吸 入 法 ・直 腸 内 注 入 法 ・皮 下 竝 ニ 靜 脉 内 注 射
吸 入 法 ・直 腸 内 注 入 法 ・皮 下 又 ハ 靜 脉 内 注 射 等 行 ハ
法 等 ニ ヨ リ テ 血 中 「カ ル チ ウ ム 」ノ 消 長 ヲ比 較 セ リ.
ル.治
吸 入 法(CaCl2
療 的 ニハ 主 ト シテ經 口 的又 ハ靜 脉 内 注射 法施
行 セ ラ レ,實
pro kg)ニ
於 テ ハ 血 液 「カ ル チ ゥ
ム 」量 ハ 最 高 正 常 値 ノ約1/3ノ 上 昇 ヲ 認 メ,靜 脉 内 注 射
驗 的 ニ ハ 孰 レ ノ 方 法 モ用 ヒ ラ ル.
Spietz-Drangerハ
O.27g
「カ ル チ ウ ム 」鹽 類 ノ 水 溶 液 ノ吸
(CaCl2
0.12-0.27g
pro kg=5%)ニ
於 テ ハ 注射 後 極
入 ヲ 行 ヒ 血 中 「カ ル チ ウ ム 」量 ノ上 昇 ヲ 認 メ, Zuelzer
メ テ 短 時 間 ニ シテ 血 中 「カ ル チ ウ ム 」ノ著 明 ナ ル 上 昇
ハ 鹽 化 「カ ル チ ウ ム 」 ノ水 溶 液 吸 入 ヲ 治 療 的 ニ 應 用 セ
ヲ 認 メ,最
リ.
射 前 ノ 値 ニ 復 歸 シ,皮
生 體 内 ニ 輸 入 セ ラ レ タ ル 「カ ル チ ウ ム 」ノ運 命 ニ 就
キ テ ハ,
Fenyversy
Billigheimer,
173
Sieburg
u. Freund,
u. Kessler,
Henbner
Jansen,
&
Rona,
Astnmin.
pro kg=5%)ハ
高 正 常 ノ2-3倍
ニ達 シ,2時
下 注 射(CaCl2
注 射 後1時
間 後 ニハ 注
0.17-0.25g
間 ニ シ テ 大 略 正 常 値 ノ1
倍 半 ニ達 シ, 5-6時
間 後 ニ ハ 完 全 ニ 注 射 前 ノ値 ニ 復
歸 セ ル ヲ 認 メ リ.尚
ホ 直 腸 内 注 入(CaCI2
0.24g
pro
3206 kg)ハ
兼
松
徳
著 明 ナ ル 結 果 ヲ 認 メ 得 ザ リ シ ヲ 報 告 セ リ.一
本 杉 氏 ハ 家 兎 ニ5%ノ鹽
kgニ
就 キ5cc靜
逹 シ,約2時
後 ニ 最高 ニ
間 後 ニ 血 中 「カ ル チ ウ ム 」量 ハ 注 射 前 ノ
値 ニ 歸 ル ヲ報 告 セ リ.此
ス 者 多 キ モ,孰
歸 ル 事 實 ハ,何
ノ外 ニ モ 同 樣 ナ ハ 實 驗 ヲ 爲
レ モ 一 時 的 血 液 「ガ ル チ ウ ム 」ノ著 明
ナ ル 上 昇 ヲ 認 メ,一
郎
射 ヲ行 ヒ胸 ・腹 部 内 臟 各臟 器 ・生 殖 腺 ・腦 ・骨 髓 ・
化 「カ ル チ ウ ム 」ヲ 毎 體 重1
脉 内 ニ 注 射 シ5-10分
次
定 時 間 後 ニ ハ 再 ビ 注 射 前 ノ値 ニ
人 ノ 研 究 モ 等 シ ク 一 致 セ ル 所 ナ リ.
次 ニ經 口 的 「カ ル チ ウ ム 」投 與 ニ 於 テ ハ, Berencsy
神 經 ・膽 汁 等 ニ就 キテ 各 時 間 的 消 長 ヲ檢 セ リ.其 ノ
結 果 ハ 各臟 器 ニ ヨ リテ 其 ノ上 昇 速 度 ヲ異 ニ ス ル モ,
孰 レ モ 注 射 後 一 時 的 上 昇 ヲ 認 メ,3-4時
泄 シ 盛 サ レテ 正 常 値 乃 至 正 常 値 以 下 ニ 至 ル ヲ 報 告 セ
リ.
又Kostハ
家 兎 ニ於 テ 鹽 化 「カ ル チ ウ ム 」 ノ連 續 的
投 興 ヲ行 ヒ,體 内 「カ ル チ ウ ム 」量 ヲ 檢 セ ル ニ 血 液 ・肝
臟 及 ビ 筋 肉 ・骨 ノ「カ ル チ ウ ム 」量 著 明 ニ 上 昇 シ,脾 臟 ・
ハ 「カ ル チ ウ ム 」ノ 經 口 的 投 與 ヲ 行 ヒ ,血 液 「カ ル チ ウ
腎 臟 ハ僅 少 ノ增 加,腦
ム 」 ノ 上 昇 ヲ 證 明 シ,
量 却 テ 減 少 著 明 ナ リ シ ヲ 報 告 セ リ.
Kohn(1926-1927),
nsen(1924)等
Waltner,
Lusob
Krane(1927)Rose
u. Neumayer(1926),
モ 同 樣 ナ ル 實 驗 ヲ 試 ミ,孰
「カ ル チ ウ ム 」ノ一 時 的 上 昇 ヲ 認 メ,後
Ju
レ モ 血液
一 定 時 間 ヲ經
過 ス レ バ 正 常 量 ニ 復 歸 セ ル ヲ報 告 セ リ.即
間 後 ニハ 排
以 上 ノ 如 ク 人 工 的 ニ生 體 内 ニ 輸 入 セ ラ レ タル 「ヵ ル
チ ウ ム 」ハ 組 織 ニ 對 シ テ モ,一
ノ 上 昇 ヲ 來 ス モ,遂
ニ シ テ,主
チJunsen
及 ビ 心 臟 ハ 其 ノ「カ ル チ ウ ム 」
時 的 ノ 「カ ル チ ウ ム 」
ニ ハ 輸 入 前 ノ値 ニ還 歸 ス ル モ ノ
ト シ テ 腎 臟,腸
管 ヨ リ排 泄 サ ル ル ニ 因 ス
ノ 實 驗 ニ 據 レ バ 「カ ル チ ウ ム 」 ノ 經 口 的 投 與 後4-5
ル ハ,吾
時 間 後 ニ 最 高 ニ逹 シ, 24時
レ タ ル 「カ ル チ ウ ム 」ノ一 部 ハ 骨 系 統 ニ 沈 着 ス ル モ ノ
間 後 ニ ハ最 初 ノ量 ニ歸 ル
ヲ 認 メ タ リ. 一 本 杉 氏 ハ 家 兎 ニ 於 テ10%ノ
ル チ ウ ム 」30-50ccヲ
リ2時
鹽 化 「カ
經 口 的 ニ 投 與 ス レ バ,30分
ヨ
ナ リ トハ, Heubner-Rona,
主 唱 ス ル 所 ナ リ.サ
Hetenti,
レ共 此 ノ 輸 入 セ ラ
Hect,
氏 等 ノ見 解 ニ 同 意 シ難 シ.何
間 後 ニ ハ 投 與 前 ノ値 ニ 復 歸 セ ル ヲ 報 告 セ リ.
代 謝 ニ 何 等 ノ 異 常 ナ キ 正 常 體 ニ 於 テ,而
又Max
與 ヘ,投
Reiss(1928)ハ
與 後30分
犬 ニ 鹽 化 「カ ル チ ウ ム 」20gヲ
ヨ リ2時
間 内 ニ 於 テ 血 液 「カ ル チ
ウ ム 」ノ 上 昇 最 高 ニ 逹 シ,其
ノ使 用 犬 ノ體 重 ニ ヨ リテ
間 乃 至12時
間 後 ニ ハ 正 常 量 ニ 至 ル ヲ 實 驗 セ リ.
斯 ノ如 ク 「カ ル チ ウ ム 」ノ經 口 的 投 與 モ,一
時的 ニ血
中 「カ ル チ ウ ム 」量 ヲ 上 昇 セ シ ム ル ト雖 モ,其
持 續 ス ル ニ 非 ズ シ テ 遂 ニ ハ 排 泄 サ レテ,投
ノ上 昇
與 前 ノ値
ニ 復 歸 ス ル ヲ 知 ル.
以 上諸 家 ノ研 究 ハ非 經 口的 竝 ニ經 口的 ニ生 體 内 ニ
Kost等
ノ
レ ド此 ノ點 ニ 關 シ 吾 人 ハ 直 チ ニ
間 内 ニ 血 液 「カ ル チ ウ ム 」ノ 上 昇 最 高 ニ 逹 シ,
略5時
5時
人 ノ 熱 知 セ ル 所 ナ リ.然
トナ レバ 「カ ル チ ウ ム 」
モ生 理 的 健
常 量 ノ「カ ル チ ウ ム 」ヲ 保 持 セ ル 骨 ニ 對 シ テ,人
工的
ニ 輸 入 セ ラ レ タル 生 理 的 ニ 必 要 ナ キ 「カ ル チ ウ ム 」ガ
果 シ テ 骨 中 ニ 沈 着 シ テ,其
得 可 キ ヤ.而
保 チ,就
ノ「カ ル チ ウ ム 」量 ヲ 高 メ
モ諸 種 鹽 類 及 ビ燐 等 ガ復 雜 ナ ル構 成 ヲ
中 燐 及 ビ 「カ ル チ ウ ム 」ガ 常 ニ 一 定 比 率 ヲ 保
持 セ ル ハ 既 ニMoc
Cnllumノ
説 ク 所 ニ シ テ,此
ノ如
キ 正 常 骨 ニ 於 テ,何
等 ノ 「カ ル チ ウ ム 」 ノ供 給 ヲ 必 要
トセ ザ ル 場 合 ニ,單
ニ 外 部 ヨ リ輸 入 セ シ メ ラ レ タ ル
「カ ル チ ウ ム 」ガ 直 チ ニ 沈 着 結 合 シ テ,正
常量以上 ノ
「カ ル チ ウ ム 」ヲ 輸 入 セ ル 場 合 ノ血 液 「カ ル チ ウ ム 」ノ
骨 「カ ル チ ウ ム 」量 ノ上 昇 ヲ 來 シ 得 可 キ ヤ 否 ヤ ハ 余 尚
消 長 ニ 就 キ テ ノ ミ檢 索 セ ル モ ノ ナ リ.然
ホ 疑 義 無 キ 能 ハ ザ ル 所 ナ リ.
レ共 生 體 内
ニ 輸 入 サ レ タ ル 「カ ル チ ウ ム 」ハ 組 織 「カ ル チ ウ ム」ニ
對 シヲ 如 何 ナ ル 影 響 ヲ 招 致 ス可 キ 歟.之
本 杉 氏 ハ 家 兎 ニ5%ノ
ニ 對 シテ一
鹽 化 「カ ル チ ウ ム 」ノ 靜 脉 内 注
最 近Mac
Cnllumノ
實 驗 ニ ヨ レ バ 「カ ル チ ウ ム 」ト
燐 ト ノ相 互 的 關 係 ハ 骨 發 育 ニ 重 大 ナ ル 影 響 ヲ 來 タ ス
ト稱 シ,供
給 セ ラ レ タル 「カ ル チ ウ ム 」或 ハ 燐 ノ 何 レ
174
上 皮 小 體 ノ「カ ル チ ウ ム」新 陳代 謝 ニ及 ボ ス影 智 ニ 過 不 足 ア ル モ,化
骨 障 碍 ヲ 惹 起 ス 可 キ モ ノ ニ シ テ,
斯 ル 不 平 均 ヲ有 セ ル 際 ニ ハ,啻 ニ 供 給 セ ラ レ タ ル 「カ
ル チ ウ ム 」ヲ 結 合 セ ザ ル ノ ミ ナ ラ ズ,反 テ 既 存 骨 内 石
灰 ヲ モ 排 除 シ テ 骨 萎 縮 ヲ 起 シ,引
イ テ 血 液 「カ ル チ
此 ノ 「カ ル チ ウ ム 」過 剩 食 飼 ヲ 供 給 シ タ ル 場 合 之 ガ
骨 發 育 ニ及 ボ ス 影 響 ニ 就 キ テ ハ,實
驗 的 佝僂 病 ニ 於
テ 屡 屡 檢 索 セ ラ レ タ ル 所 ニ シ テ, Mac
Parsons,
Shipley
碍 ヲ 惹 起 ス ト唱 ヘ,最
&
ニ至 レ リ.
即 チ佐 伯 氏 ハ 之 ヲ實 驗 的 骨 折 治 癒 ニ於 テ 實證 シ,
氏 ハ 鹽 化 「カ ルチ ウ ム」注 射 ヲ以 テ 骨 折 治癒 ヲ促 進 セ
Rabl等
Callum,
Sim
ノ考 察 ニ據 レ バMac
CullUmノ
主 唱 セ ル如 ク,此 ノ
際 「ヵ ルチ ウム」ノ平 衡 害 サ レテ,供 給 セ ラ レ タル「カ
ル チ ウム 」ガ利 用 同 化 サ レザ ル ノ ミナ ラズ,却 テ異 化
孰 レモ却 テ 骨 障
作 用 起 リ,物 質 代 謝 妨 ゲ ラ レ テ 骨質 ノ萎 縮 ヲ招 來
近 白 麟 濟 氏 ハ 更 ニ之 ガ詳細 ナ
シ,鹽 化「カル チ ウム」使用 動 物 ハ 結 局 骨 折 治癒 ニ不
ル檢 索 ヲ試 ミ, Mac Callumノ
提 唱 セ ル炭 酸 「ヵ ル チ
ウ ム」過 剩食 飼 ヲ以 テ 白 鼠 ヲ飼 育 セ バ,臨 牀 的 徴 候 及
ビ骨 格 ノX線
見解 ニ於 テ ハ 却 テ 有害 ニ作 用 可 キ モ ノ ト考 ヘ ラル ル
シメ ン トシ,其 ノ目的 ニ反 シタ ル結 果 ヲ得 タ リ.氏
ウ ム 」量 ノ增 加 ヲ 來 ス ト云 ヘ リ.
monds,
3207
的 所 見.病 理 解 剖 的 及 ビ組 織 學 的 ニ小
良 ナ ル所 以 ヲ明 ニセ リ ト論 ゼ リ.
又 大 野(一 信)氏 モ鹽 化「カル チウ ム」ノ靜脉 内 注射
ヲ反 覆 使 用 スル事 ニ於 テ,假 骨 組 織 ノ石 灰化 障 碍 即
兒 佝 僂 病 ニ酷 似 セ ル ヲ報 告 セ リ.氏 ハ此 ノ變 化 ノ招
チ假 骨 ノ化 骨 遲帶 ヲ招 致 ス ル ヲ認 メ,中 野(岩 吉)氏
來 ス ル 原 因 ハ體 内 ノ燐 及 ビ「カ ル チ ウ ム」ノ平 衡 失 調
モ之 ト同樣 ナ ル實 驗 ヲ報 告 セ リ.之 等 諸 家 ノ實 驗 ハ
ニ基 因 ス ル石 灰 沈着 ノ障 碍 サ ル ル ニ因 ル モ ノノ如 ク
余 ノ疑 義 ニ對 シ大 イ ニ得 ル 所 ア リト雖 モ,未 ダ 余 ノ
思 考 セ リ.
滿 足 ヲ得 ル ニ至 ラズ.依 テ 余 ハ「カ ル チウ ム」ノ非經
此 ノ現 象 タル ヤ 正常 動物 ニ於 テ ノミナ ラ ズ.骨 折
口的 竝 ニ經 口的 投 與 ヲ行 ヒ,之
ガ生體 内流 動 竝 ニ沈
時 ニ於 テ モ認 メ得 ル所 ニ シテ,嘗 テ ハ 之 ガ臨 牀 的 ニ
着 「カル チ ウ ム」ニ及 ボ ス 結 果 ヲ檢 索 シ,尚 ホ進 ミテ
石 灰 沈 着 ヲ增 進 セ シ メ,骨 折 治 癒 促 進 セ シ メ ン ガ爲
「カ ルチ ウ ム」投 與 ニ 對 シテ 上皮 小體 機 能 ガ如 何 ナ ル
從 來 屡 屡 用 ヒ ラ レ タハ「カ ル チ ウ ム」注 射 モ,今
意 義 ヲ有 セ リヤ ニ就 キテ 之 ヲ探 求 セ リ.
第1節 日ノ
非 經 口 的 竝 ニ 經 口 的 生 體 内 「カ ル チ ウ ム」輪 入 ガ
生 體 内 「カ ル チ ウ ム」代 謝 ニ 及 ボ ス 影 響
第1項. 鹽 化 「カル チ ウ ム」靜 脉 内注 射 後 ノ生 體 内「カル チ ウ ム」代謝 ノ變 化
第1目 使 用 動 物 諸 條件 前 ニ 同 ジ. 0.5%ノ
ム 」水 溶 液 ヲ毎 體 重1kgニ
内 注 射 ヲ行 ヒ,
實 驗方 法竝 ニ對照實驗
鹽 化「カ ル チウ
附 キ4ccノ 割 ニ 毎 日靜 脉
1週 間 後 ニ 各 部 ノ「カ ル チウ ム」量 ヲ
血 管 ヲ露 出 セ シメ得,此 處 ニ於 テ内 經1/4mm,
ノ靜
脉 注 射 針 ヲ以 テ 「カ ル チ ウム」溶 液 ノ靜脉 内 注 射 ヲ行
ヘ リ,注 射 後 ハ皮 膚 切開 口 ヲ一 針 縫 合 ヲ施 シ置 ケ リ.
檢 セ リ.靜 脉 内注 射 ハ 主 トシテ 注 射 比 較 的 容 易 ナ ル
斯 ク シテ 毎 日上 方 ニ皮 膚 切開 口 ヲ移 轉 セ シム レバ,
股 靜 脉 ヲ選 ビ,時 ニ尾 靜 脉 内 注 射 ヲ用 ヒ タ リ.白鼠 ノ
兩 側 ニ於 テ7囘 ハ 注 射 施 行 シ得 可 ク,血 管走 行 ガ 注
股 靜 脉 ハ 其 ノ走 行 明 ニ シテ,下 肢 内 側 ノ毛 ヲ舅 除 シ
射 ニ不 便 ナ ル モ ノハ 尾 靜 脉 内 注 射 ヲ以テ 代 用 セ リ.
「ア ル コー ル」ヲ以 テ 消 毒 スレ バ,既 ニ血 管 走 行歴 然
ト シテ皮 下 ニ透 視 シ得 ラ レ,成 ル 可 ク下 部 ニ於 テ約
半 糎 足 ラ ズ ノ極 メテ小 ナ ル皮 膚 切開 ヲ施 セ バ直 チ ニ
175
對 照 實 驗 トシテ ハ同 一 條 件 ノ動 物 ニ同 一 割 合 ニ滅
菌 蒸 溜 水 ノ靜脉 内 注 射 ヲ行 ヒ タル モ ノヲ使 用 セ リ.
3208 兼
松
徳
第2目 第14表 次
郎
實 驗 成 績
正 常 白 鼠 ニ鹽 化「カ ル チ ウ ム」靜脉 内注 射 後 ノ
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
對照=滅 菌蒸溜水 靜脉 的注射
實 驗 ノ結 果 ヲ按 ズ ル ニ,對 照 實 驗 ニ於 テ ハ 各 部「カ
供 給 セ ラ レ タル 「カ ル チ ウ ム 」ハ 沈 着 セ ザ ル ノ ミ ナ ラ
ル チウ ム」 量 ハ 殆 ド何 等 ノ影 響 ナ キ ヲ認 ム.然 ル ニ
ズ,
鹽 化「カル チ ウ ム」靜 脉 内 注 射 ニ於 テ ハ 血清 「カ ル チ
人 工 的 「カ ル チ ウ ム 」過 剩 現 象 ハ 體 内 ノ「カ ル チ ウ ム 」
ウ ム」量 ノ著 明 ナ ル上 昇 ヲ認 ム ル ニ反 シ,骨 「カ ル チ
代 謝 ノ障 碍 ヲ 惹 起 セ シ メ,輸
Mac
Callumノ
主 唱 セ ル 如 ク健 常 生 體 内 ニ於 テ
入 セ ラ レタル
ウ ム」 量 ハ 却 テ 減 少 著 明 ナ リ.即 チ余 ノ賓 驗 ノ結 果
ウ ム 」ハ 寧 ロ 異 物 ト ナ リテ 働 キ,既
ニ於 テ モ「カ ル チ ウ ム」ノ蓮 續 的 生 體 内輸 入 ハ,明
ム 」 ノ 移 動 ヲ 起 シ,其
組 織 「カ ル テ ウ ム 」ノ 減 少 ヲ 認 ム.殊
第2項 ニ
ニ骨 ニ 對 シ テ ハ
「カ ル チ
存 沈 着 「カ ル チ ウ
ノ減 少 ヲ 招 致 ス ル モ ノ ナ ラ ン
ト推 意 セ ラ ル.
沈 降炭 酸 「カ ル チ ウ ム」經 口的 投 與 後 ノ生 體 内
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
Mac
Callumノ
提 言 ニ從 ヘ バ 「カ ル チ ウ ム 」ノ過 剩
食 餌 ヲ 以 テ 白 鼠 ヲ飼 育 セ バ 骨 ニ 石 灰 減 少,骨
ビ 脆 弱 ヲ認 ム ル ノ事 實 ニ基 キ,余
萎 縮及
モ 亦標 準 食 餌 ニ對
シ「カ ル チ ウ ム 」鹽 類 ヲ 加 ヘ テ 「カ ル チ ウ ム」過 剩 食 餌
「カ ル チ ウ ム 」鹽 類 添 加 ニ 際 シ 其 ノ 標 準 ヲ 定 ム ル
Mac
Cullumノ
所 謂 「適 合 度 」(Optimum
Cullum)ハCa:P=1:0.67ト
ニ對 シテ5倍
メ テ,骨
ノ發 育 不良 ニシ テ石 灰 化 障 碍 ヲ認 メ タ リ.
又 木 村,和
nach
ナ セ ル ニ ヨ リ,之
ノ「カル チ ウ ム」過 剩 食 ナ ラ シ
田兩 氏 ハ「「ラ ツテ 」ノ飼 育 法」ナ ル 研究
ニ於 テ種 種 ナ ル飼 料 ノ化 學 的 構 成 ヲ檢 シ,其 ノ飼 料
ノCa:
ト ナ シ共 ノ結 果 ヲ檢 セ リ.
爲Muc
timum"
Pヲ"Optimum"
「カ ル チ ウ ム 」CaCo3ヲ
依 テ 余 ハMac
木 村,和
ニ ス ル可 ク常 ニ沈 降 炭 酸
添 加 セ リ.
Callumノ
提 言,櫻
井 氏 ノ實 驗 及 ビ
田 兩 氏 ノ報 告 言基 キ テ,余
ノ用 ヒ シ 標 準 食
ヲ 基 準 ト シ テ 任 意 ノ 「カ ル チ ウ ム 」 ヲ 添 加 ス レ バ 「カ
餌 ニ 對 シ テ 之 ヲ5*Ca
ル ヂ ウ ム 」過 剩 食 タ ラ シ メ 得 可 シ.
沈 降 炭 酸 「カ ル チ ゥ ム 」CaCo3ヲ
櫻 井 氏 ハ 彼 ノ 實 驗 ニ 於 テMac
Callumノ"Op
第1目 「カ ル チ ウム 」過 剩 試 驗食 餌 作製 ニ當 リ,標 準 食 ニ
使 用 セ シ ト同 樣 ナ ル原 米 ヲ之 ト同樣 ナ ル乾 燥 度 ニ於
nach
Mac
Cullumト
爲 ス可 ク
添 加 シ テ 「カ ル チ ウ
ム 」過 剩 食 餌 トセ リ.
實 驗 方 法
テ粉 末 卜爲 シ,之 ニ5*Caト
爲 ス可 ク沈 降 炭 酸 「カ
ル チ ウ ム」(CaCo3)ヲ 加 ヘ充分 混 和 セ リ.立 米 粉 作 製
176
上 皮 小 體 ノ「カ ル チ ウ ム」新 陳代 謝 ニ及 ボ ス影 響 3209
ハ 常 ニ其 ノ粉 粒 ノ一 定 ヲ期 セ ン ガ タメ ニ,當 院 藥 局
リ.依 テ 成 規 ノ條 件 ニ叶 ヘ ル 白 鼠 ニ,早 朝15gノ
ニ依 頼 シテ 同 一 條件 ノ下 ニ粉 末 ト爲 セ リ.投 與 ニ當
ル チ ウ ム」 混 合 原米 粉 ヲ水 ヲ以 テ 煉 リ之 ニ一 定 少 量
リ此 ノ粉 末 一 定 量 ヲ水 ヲ以 テ 煉 リ與 フル事 トセ リ.
ノ茶葉 ヲ 加 ヘテ 與 ヘ シ ニ,常 ニ孰 レノ例 モ全 量 ヲ食
余 ノ多 數 ノ例 ニ就 キ幾 囘 カ ノ觀 察 ノ結 果,個 體 ノ食
ヒ盡 セ リ.
欲 状 態 ニ ヨ リテ多 少 ノ相 異 アル モ,略 略1日15gヲ
斯 クシ テ1週 間試 驗食 餌 ノ投 與 ヲ行 ヒ タル後 各 部
投 與 ス レバ過 不 足 ナ ク食 ヒ盡 ス 限 度 ヲ 探 知 シ得 タ
第2目 第15表 正 常 白 鼠 ニCaCo3經
「カ
ノ「ヵ ル チ ウ ム」量 ノ測 定 ヲ行 ヘ リ.
實 驗 成 績
口 的投 與 後 ノ「カ ル チ ウム」代謝 ノ變 化
本 實 驗 ノ結 果 ニ於 テ モ血 清 「カ ル チ ウ ム」ニハ著 明
事 實 ハ 獨 リ實 驗 的 ノ ミナ ラ ズ,臨 牀 的 ニ モ亦 重 要 ナ
ナ ル 上 昇 ヲ認 ム ル ニ拘 ハ ラ ズ,組 織 「カ ルチ ウ ム」殊
ル 意 義 ア ル モ ノ ト思 考 セ ラ ル.此 處 ニ於 テ 佐 伯,大
ニ骨 及 ビ腹 部 内臟 實質 性臟 器「カ ル チウ ム」量 ハ減 少
野,中 野 氏 等 ノ實 驗 ノ結 果 モ余 ノ檢 索 ニ徴 シテ 首 肯
セ リ.特 ニ本 實 驗 ニ於 テ ハ 筋 肉 「カル チウ ム」量 ハ 正
シ得 ラ ル ル所 ナ リ.
常 量 ト大 體 ニ於 テ 大差 ナ シ.骨 「カル チ ウム」量 ノ減
次 ニ此 處 ニ與 味 ア ル事 實 ハ 同 ジ ク生 體 内 「カ ル チ
井 氏 ノ實 驗 ト相
ウム 」輸 入 ニ於 テ モ,其 ノ靜 脉 内 注 射 ト經 口的 投 與 ト
口的「カル チ ウム」投 與 モ 亦 正
ニ於 テ骨 「カ ル チ ウ ム」量 ノ變化 ニ差 異 アル 事 實 ニ シ
常 生 體 ニ對 シ骨 「カル チ ウ ム」量 ノ增 加 セ ザ ル ノ ミナ
テ,強 制 的 ニ 注 射 ニ因 リテ 血 管 内 ニ輸 入 サ レタ ル場
ラ ズ寧 ロ其 ノ減 少 ヲ認 ム ル ノ結 果 ヲ得 タ リ.前 項 實
合 ト,消 化 管 ヨ リ吸 收 セ ラ レタル 場合 トニ於 テ,共
驗 ニ於 テ モ 本 實 驗 ニ於 テ モ亦 同 樣 ナ ル結 果 ヲ認 メ,
處 ニ何 等 カ ノ生 體 内「カ ル チ ウム」代 謝 ニ及 ボ ス影 響
人 工 的 生 體 内「カ ル チ ウ ム」輸 入 ハ 正 常 骨 ニ對 シ テ有
ノ差 異 ア ラ ン モ ノ ト想 像 サ ル.依 テ余 ハ 尚 ホ 次 ノ直
害 ニ作 用 シ,既 存 骨 「カ ル チ ウ ム」ノ減 少 ヲ來 タス ノ
驗 ヲ試 ミタ リ.
少 セ ル點 ニ關 シテ ハMacCallum,櫻
一 致 セ ル所 ニ シテ,經
第3項 鹽 化 「ヵ ル チ ウ ム」經 口的 投 與後 ノ生體 内
「カ ル チ ウ ム 」代 謝 ノ變 化
余 ハ 前2項 實 驗 ニ於 テ 經 口的 竝 ニ非 經 口的 「カル
タ リ.依 テ 尚 ホ之 ヲ追 究 セ ンガ 爲 ニ靜 脉 内注 射 ニ使
チ ウ ム」投 與 ガ骨 及 ビ他 ノ組 織 「カ ル チ ウ ム」 ノ減 少
用 セ ル ト同 一 鹽 類 ヲ使 用 シテ 之 ヲ比 較 セ ン トス.即
ヲ來 タ ス ノ事 實 ヲ認 メ タル モ,靜 脉 内注 射 ト經 口 的
チ靜 脉 内 注 射 時 ニ使 用 セ ル鹽 化 「カ ルチ ウ ム」 ヲ用
投 與 トニ於 テ兩 者 ノ間 ニ 沈 着 「カ ル チウ ム 」殊 ニ 骨
ヒ,血 清 「カ ル チ ウ ム」量 ガ靜 脉 内注 射 時 ト略 略 同 量
「カ ル チ ウ ム」ノ變 化 ニ差 異 ヲ認 ム ル ノ事實 ヲ認 知 シ
ノ「カル チ ウ ム」量 ヲ示 セ ル 際 ニ,骨 及 ビ他 ノ組 織「カ
177
3210 兼
松德
次
郎
ル チ ウ ム」ガ如 何 ナ ル比 率 ニ存 ス ル ヤ ヲ 檢 セ リ.之 ニ
ニ ヨ リテ 靜脉 内 注 射 時 ト略 略同 量 ノ血淸 「カル チウ
對 シテ 余 ノ檢 索 ニ依 レ バ 玄 米 粉100gニ
ム」 量 ノ上 昇 ヲ認 ムル ヲ探 知 シ得 タ リ.
チ ウ ム」2gヲ
混 ジ タル モ ノ15gヲ
鹽 化 「カ ル
毎 日投 與 ス ル事
第1目 實 驗 方 法
使 用 動 物 諸 條 件 前 ニ同 ジ.前 項 實 驗 ニ使 用 セ ル ト
同 樣 ナル 玄 米 粉100gニ
鹽 化 「カ ル チ ウ ム」2gヲ
混
第2目 實 驗 ノ結 果 ヲ 觀 ル ニ,鹽
水 ヲ以 テ 煉 リ,一
定 少 量 ノ菜葉 ト共 ニ毎 早 朝 投 與 シ, 1週 間 之 ヲ經 續
ジ充 分 混 和 セ ル モ ノ ヲ以 テ 試 驗 食 餌 トナ ス.此 ノ鹽
第16表 化「カ ル チ ウ ム」混 合 玄 米 粉15gヲ
セ ル後 各部 「カ ル チ ウ ム」量 ノ測 定 ヲ行 ヘ リ.
正 常 白鼠 ニCaCl2經
實 驗 成 績
口的 投 與 後 ノ「カル チウ ム」代 謝 ノ變 化
化 「カ ル チ ウ ム 」經 口 的 投
チ今 非 經 口的 ニ輸 入 セ ラ レ タル「カル チウ ム」ハ 所謂
與 ニ 於 テ モ 前 實 驗 同 樣 組 織 「カ ル チ ウ ム 」ノ減 少 及 ビ
流 動 「カ ル チ ウ ム」トシテ 血 中 ニ增 量 ス ル ニ 拘 ハ ラ
血淸 「カ ル チ ウ ム 」ノ 上 昇 ヲ認 メ, Mac
提言
ズ,組 織 中 ニ沈 着 固 定 ス ル事 ナ ク,更 ニ進 ミテ 斯 ル
實 驗 ノ結 果 ト比 較 ス
状 態 ニ於 テ ハ 組 織 ト血 液 間 ノ「カ ル チ ウ ム」ノ平 衡 ヲ
ニ 一 致 セ リ.而
ル ニ,血淸
12-12.5mg%,經
%ニ
シ テ 之 ヲ 第1頂
Callumノ
「カ ル チ ウ ム 」量 ハ 靜 脉 内 注 射 時 ニ 於 テ ハ
口的 投 與 ノ場 合 ハ12.2-12.8mg
シ テ 兩 者 間 ニ 大 差 ナ キ ニ 拘 ハ ラ ズ,骨
「カ ル チ
失 シ,却 テ 組 織「カ ル チウ ム」ノ減 少 ヲ招 來 ス ル ヲ認
ム,之 即 チ 非 經 口的 ニ 投 與 セ ラレ タル「カル チ ウ ム」
ハ,單 ナ ル異 物 トシテ 血 中 ニ輸 入 サ レ,速
ニ排 泄 サ
ウ ム 」量 ハ 靜 脉 内 注 射 時 ニ ハ15.058-15.918g%,經
ニ ル 反 シ,今 經 口的 ニ輸 入 セ ラ レタル 「カ ルチ ウ ム」
口 的 投 與 時 ニ ハ16.679-17.188g%ニ
ハ腸 管 通 過 ニ際 シ,生 體 ニ適 應 セル 固 有 ノ「カ ル チ ウ
シ テ 明 ニ其 ノ
ム 」状 態 トシテ 血 中 ニ移 行 ス ルモ ノ ナ ラ ン.此 ノ兩 者
間 ニ 差 異 ア ル ヲ 認 メ ラ ル.
惟 フ ニ此等 ノ事 實 ハ實 驗 的 ニ興 味 ア ル ノ ミ ナ ラ
ズ,臨 牀 的 ニモ 著 シ ク重 要 ナ ル意 義 ア ル ヲ信 ズ.即
第4項 ノ相 違 ハ 引 イテ 生 體 内 ニ於 ケル 「カ ルチ ウ ム」代 謝 ニ
及 ボ ス影 響 ニ差 異 ヲ及 ボ ス モ ノナ ラ ン ト推 セ ラル.
概
括
非 經 口的 竝 ニ經 口 的 生體 内 「カ ル チ ウ ム」輸 入 ハ 共 ニ生體 内 「カ ル チ ウ ム」新 陳 代 謝 ヲ障 碍 セ シ
メ,血 中「カル チ ウ ム」量 ノ上 昇 スル ニ反 シ,組 識「カ ル チ ウ ム」ノ減 少 ヲ來 セ リ.而 シテ非 經 口
的 「カ ル チ ウ ム」輸 入 ハ經 口的 「カ ル チ ウ ム」輸 入 ニ比 シテ沈 着 「カル チ ウ ム.」
ノ減 少度 著 明 ニ シ
テ,就
中骨 「カ ル チ ウ ム」ニ於 テ其 ノ影 響 最 モ著 シ,之 即 チ前 者 ハ 單 ナル異 物 トシテ血 管 内 ニ輸
178
上 皮 小 體 ノ「カ ル チウ ム」新 陳 代 謝 ニ及 ボ ス影 響 入 セ シ メ ラ レタ ル モ ノ ニ シテ,後
3211
者 バ 一 度 腸 管 ヨ リ固 有 「カ ル チ ウ ム」 ト シ テ 吸 收 サ レ,兩
者間
ノ 由 テ 來 ル 生 體 内 「カ ル チ ウ ム 」 代 謝 ニ及 ボ ス影 響 モ 亦 相 違 ス ル ニ 基 ク モ ノ ナ ラ ン ト思 考 セ ラ
ル.此
ノ 現 象 ハ 實 驗 的 ニ 興 味 ア ル ノ ミ ナ ラ ズ,臨
牀 的 ニ モ 亦 重 要 ナ ル 意 義 ア ル モ ノ ト思 惟 セ ラ
ル.
第2節 非 經 口的 竝 ニ 經 口 的 「カ ル チ ウ ム」輸 入 時 ニ 於 テ
生 體 内「カル チ ウ ム」代 謝 ニ 及 ボ ス上 皮 小 體 機 能
ノ意 義
余 ハ前 節 實 驗 ニ 於 テ 非 經 口的 竝 ニ 經 口的 生體 内
シ トセ リ.此
關 係 ハ 經 口 的 「カ ル チ ウ ム 」投 與 ト共 ニ
「カル チ ウ ム」輸 入 ガ,生 體 内「カ ル チ ウ ム」代 謝 ニ及
上 皮 小 體 「エ ク ス ト ラ ク ト」注 射 ヲ 爲 シ タ ル 場 合 モ 同
ボ ス影 響 ニ就 キ テ 檢 索 ヲ遂 ゲ タ リ.依 テ本 節 ニ於 テ
樣 ナ ル 結 果 ナ ル ヲ 報 告 セ リ.稻 葉 氏 モ 亦 鹽 化 「カ ル チ
ハ 此 ノ際 上 皮 小 體 機 能 ガ如 何 ナ ル意 義 ヲ 有 セ ル ヤ ニ
ウ ム 」 ト共 ニ 上 皮 小 體 製 劑 タ ル 「パ ラ チ レ ニ ン」 ノ 靜
關 シ之 ヲ考 究 セ ン トス.
脉 内 注 射 ヲ 行 ヒ テ,血
此 ノ問 題 ニ關 シテ ハ 今 日マ デ 幾多 ノ報 告 ア ル モ,
中 「カ ル チ ウ ム 」ノ增 量 程 度 ヲ
單 獨 「カ ル チ ウ ム」注 射 時
ト 比 較 シ,其
ノ「カ ル チ ウ
其 ノ多 クハ 血 液 「カ ル チ ウ ム」即 チ流 動 「カル チ ウム」
ム」ノ 上 昇 度 大 差 ナ キ モ,高 「カ ル チ ウ ム 」血 ノ持 續 著
新 陳 代謝 ノ ミノ研 究 多 ク シテ,組 織 「カ ル チ ウ ム」即
シ ク 延 長 セ ル 事 實 ヲ 認 メ タ リ.又Bomoskow
チ 沈 着 「カ ル チ ウ ム」ノ新 陳 代 謝 ノ檢 索 極 メテ 寥 寥 タ
ハ 正 常 家 兎 ニ 鹽 化 「カ ル チ ウ ム 」 又 ハ 乳 酸 「カ ル チ ウ
ル モ ノ ナ リ.
ム」 ヲ 皮 下 又 ハ 經 口 的 ニ 投 與 シ.血
文 獻 ヲ按 ズ ル ニ1925年Collipガ
分 ノ抽 出 ニ成 功 シテ以 來,漸
上皮小體有效成
漸此 ノ方 面 ノ業 績 續 出
ノ上 昇 ヲ 來 サ シ メ,之
ス ル カ,又
(1930)
中 「カ ル チ ウ ム 」
ニ 上 皮 小 體 「ホ ル モ ン」ヲ 供 給
ハ 豫 メ上 皮 小 體 「ホ ル モ ン」ニ テ 處 置 セ ル
セ リ ト雖 モ,未 ダ 其 ノ研 究 ハ血 液 竝 ニ尿 中 ヘ ノ排 泄
家 兎 ニ 鹽 化 「カ ル チ ウ ム 」又 ハ 乳 酸 「カ ル チ ウ ム 」ヲ 同
現 象 ニ於 ケ ル 範圍 ヲ出 デザ ルモ ノ多 シ.即 チ其 ノ多
樣 ニ 投 與 ス レ バ,孰
クハ 「カ ル チ ウ ム」ヲ 投 與 セ シ場 合 ニ上 皮 小 體 「ホ ル
下 ヲ 來 タ シ,後
モ ン」ヲ符 與 セ シ變 化 ニ就 キテ ハ,血 液 「カ ル チ ウ ム」
上 皮 小 體 「ホ ル モ ン」ハ 「カ ル チ ウ ム 」輸 入 ニ 對 シテ 何
ノ消 長 或 ハ 尿 中 ヘ ノ排 泄 現 象 ニ於 ケ ル檢 索 ニ止 リ,
等 カ ノ關 係 ア ル ヲ 認 ム ト稱 セ リ.Dragestedtハ
此 ノ際 ニ於 ケ ル組 織 「カ ル チ ウ ム」ノ新 陳 代 謝 ヲ檢 索
小 體 「エ ク ス トラ ク ト」注 射 ト「カ ル チ ウ ム 」ノ經 口 的
セ ル モ ノハ極 メ テ 尠 シ,更 ニ進 ミテ此 ノ際 ニ於 ケル
投 與 トヲ 併 用 シ,之
血 液 及 ビ組 織 間 ノ「カ ル チ ウ ム」新 陳代 謝 即 チ流 動 竝
ウ ム 」量 遙 ニ 高 キ 事 實 ヲ 證 明 セ リ.
ニ 沈 着「カ ル チ ウム 」ノ相 互 關 係 ニ 就 キ テ之 ヲ探 究 セ
レ モ 瞬 時 血 中 「カ ル チ ウ ム 」ノ低
著 明 ニ 上 昇 ス ル ノ 事 實 ヨ リ考 フ レバ,
上皮
ガ 單 獨 使 用 ヨ リ モ 血 中 「カ ル チ
次 ニ 組 織 「カ ル チ ウ ム 」ニ 對 ス ル,人
工 的 「カ ル チ
ル モ ノニ 至 リテ ハ余 ノ寡 聞 ナ ル未 ダ之 ア ル ヲ知 ラザ
ウ ム 」輸 入 ト上 皮 小 體 「ホ ル モ ン」 ト ノ關 係 ハ 其 ノ報
ル ナ リ.
告 實 ニ寥 寥 タル モ ノ ナ リ.僅 ニBoez (1919)ハ
Max Reiss (1927)ハ 犬 ニ 於 テ鹽 化 「カル チ ウ ム」ヲ
家兎ニ
馬 ノ上 皮 小 體 ト共 ニ燐 酸 「カ ル チ ウ ム 」ヲ 與 ヘ タ ル ニ
注 射 シ,同 時 ニ上 皮小 體「エ クス トラ ク ト」ヲ注 射 セ
骨 「カ ル チ ウ ム 」 ノ增 加 ヲ 認 メ,
バ 單 獨 「カ ル チ ウ ム」注 射 ニ比 シテ 血 中「カ ルチ ウ ム」
餌 中 ニ 「カ ル チ ウ ム 」 ヲ 添 加 シ 同 時 ニ上 皮 小 體 「ホ ル
ノ上 昇 著 明 ニ シテ,高 「カ ル チ ウ ム」血 ノ持 續 時 間 長
モ ン」ノ 適 量 ガ 注 射 サ レ タ ル 際,始
179
Heuper
(1927)ハ
食
メ テ 假 骨 中 ノ「カ
3212 兼
松德
ル チ ウ ム」 ノ沈 着 良 結 果 ヲ奏 セ ル ヲ報 告 セル ノ ミナ
リ.
次
郎
工 的 上 皮 小體 機 能 亢進 ヲ起 サ シ メ シ際 ニ,流 動 竝 ニ
沈 着 「カ ル チ ウ ム」ニ如 何 ナ ル影 響 ヲ及 ボ ス ヤ ニ就 キ
以 上 諸 家 ノ業 績 ハ 孰 レモ 斷 片 的 ニ シテ,其
ノ實 驗
テ 之 ヲ檢 セ リ.殊 ニ人 工 的上 皮 小 體 機 能 亢進 ヲ起 サ
方 法 不完 全 ニ シテ 信 ヲ置 キ 難 キ モ ノ ア リ.余 ハ非 經
シ ムル 爲 ニ ハ同 種 上 皮 小 體 過 移 植 或 ハ 上 皮小 體 「エ
口的 或 ハ經 口的 ニ「カル チ ウ ム」ヲ投 與 シ,同 時 ニ人
クス トラ ク ト」注 射 ヲ行 ヘ リ.
第1項 同種 上 皮 小體 過 移 植 白 鼠 ニ鹽 化 「カ ル チ ウ ム」靜 脉 内 注 射 後 ノ
生 體 内 「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 成 規 ノ諸 條 件 ニ適 セ ル正 常 白 鼠 ニ,之
ト同 一 時 期
ニ飼 育 セ ル同 種.同 性 略 略同 體 重 ノ正常 動 物 ノ上 皮
小 體 ヲ,腹 壁 皮 下 組 織 内 ニ過 移 植 ヲ行 ヒ テ,之 ニ毎
第2目 第17表 實 驗 方 法
日0.5%ノ
就 キ4ccノ
鹽 化 「カ ル チ ウ ム 」水 溶 液 ヲ 毎 體 重1kgニ
割 ニ 靜 脉 内 ニ 注 射 ス.斯
ク シ テ1週
間 ヲ
經 過 セ シ メ テ 各 部 ノ「カ ル チ ウ ム 」量 ヲ 測 定 セ リ.
實 驗 成 績
同種 上 皮 小體 過 移植 白 鼠 ニCaCl2靜
脉 内注 射 後 ノ
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ 變 化
本 實 驗 ノ結 果 ハ之 ヲ單 獨 鹽化 「カ ルチ ウ ム」靜 脉 内
斯 ノ如 ク鹽 化 「カ ル チ ウ ム」靜 脉 内注 射 ト共 ニ同 種
注 射 ノ場 合 ト比 較 ス レバ明 ニ兩 者間 ニ差 異 ア ル ヲ認
上 皮 小 體 過 移 植 ヲ併 用 セ ル場 合 ハ,之 ヲ單 獨 鹽 化 「カ
ム(第14表
チ血淸 「カ ルチ ウ
ルチ ウ ム」靜 脉 内注 射 ノ場 合 ト比 ス ル ニ,流 動 「カ ル
ム」ハ其 ノ上 昇 著 明 ニ シテ 單 獨 鹽 化 「カ ル チ ウ ム」靜
チ ウ ム」ノ上 昇 度 著 明 ニ シテ,沈 着 「カ ル チ ウ ム」 ノ
脉 内 注射 ト比 較 スル ニ其 ノ上昇 度 著 シ.又 腹 部 内臟
減 少度 少 シ.此 ノ差 異 タ ル ヤ明 ニ上 皮 小 體 機 能 過剩
實 質 性 臟 器 ノ「カ ル チ ウ ム」量 ハ 正常 量 ヨ リ少 シ ト雖
ニ基 因 ス ル モ ノ ト思 考 セ ラ レ,此 ノ際 ニ於 ケ ル上 皮
モ單 獨「カ ル チ ウ ム」注 射 ノ場 合 ニ比 シ其 ノ減 少 度 遙
小 體 機 能 亢 進 即 チ「ホ ル モ ン」ノ增 加 ハ 「カ ル チ ウ ム」
ニ少 ク,骨 「カ ル チ ウ ム」ニ於 テ モ 同 樣 ナ ル結 果 ヲ得
ノ生 體 内輸 入 ニ因 ル生體 内「カ ル チウ ム」新 陳 代 謝 ノ
タ リ.而 シテ 筋 肉 「カ ル チ ウ ム」量 ハ 殆 ド正 常 値 ヲ示
失 調 ヲ調節 ス ル モ ノナ ル ベ シ ト信 ズ.
及 ビ 第17表
參 照).即
セ ル ヲ認 ム.
第2項 同種 上皮 小 體過 移植 白 鼠 ニ沈 降 炭 酸 「カル チ ウ ム」
經 口 的 投 與 後 ノ生 體 内 「カ ル チウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 實 驗 方 法
180
上 皮 小 體 ノ「カ ル チ ウ ム」新 陳 代 謝 ニ及 ボ ス影 響 前 項 同 樣 ニ成 規 ノ諸 條件 ニ適 セ ル 正 常 白 鼠 ニ同 種
項 參 照)ヲ 投 與 シ1遇 間 後 ニ生 體 内 各 部 ノ「カ ル チ ウ
上 皮 小 體 ヲ腹 壁 皮 下 組 織 内 ニ過 移 植 ヲ行 ヒ,之 ニ毎
日沈 降 炭 酸 「カル チ ウ ム」混 合試 驗 食餌(第9章
ム量 ヲ檢 セ リ.
第2
第2目 第18表 3213
實 驗 成 績
同 種 上 皮 小體 過 移 植 白 鼠 ニCaCo3經
口的 投 與 後 ノ
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
本 實 驗 ノ結 果 ヲ觀 ル ニ之 ト沈 降 炭 酸 「カ ル チ ウ ム」
ノ單 獨 經 口 的投 與(第9章
第2項)ト
ヲ 比較 ス ル ニ兩
者 間 ノ差 異 著 明 ナ リ.就 中 血淸 及 ビ骨 「カ ル チ ウ ム」
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ障 碍 度 ノ僅 少 サ ル ヲ證 明 シ得 タ
リ.然 ル ニ今 又 「カ ル チ ウ ム」ノ經 口的 投 與 ニ加 フル
量 ニ於 テ其 ノ差 異 明 ナ リ.
即 チ血淸 「カ ル チ ウ ム」量 ハ單 獨經 口的 投 與 ノ場 合
ハ13.3-13.6mg%ナ
既 ニ余 ハ 前 節 實 驗 ニ於 テ生 體 内「カ ル チ ウ ム」輸 入
ハ 經 口的 投 與 ト靜 脉 内 注射 トニ於 テ,前 者 ハ生 體 内
ニ,同種 上 皮 小 體 過 移 植 ヲ併 用 セ ンカ,一般 ニ體 内「カ
ル ニ比 シ本 實 驗 ニ於 テ ハ14.2
ル チ ウ ム」 量 ハ 單 獨 經 口的 投 與 ニ比 シ テ其 ノ增加 ヲ
シテ 前 者 ニ比 シテ其 ノ上 昇 度 ノ著 明
示 ス ノ ミナ ラ ズ,骨 「カ ル チ ウ ム」量 ハ正 常 量 以 上 ニ
ナ ル事 歴 然 タ リ.又 骨 「カル チ ウ ム」量 ハ單 獨 經 口的
上 昇 ノ傾 向 ヲ示 セ リ.即 チ今 日 マ デ先 人 ノ期 待 セ ル
投 與 ノ場 合 ハ16.368-17.154g%即
骨 「カ ル チ ウ ム」 ノ增加 ハ,經 口的 「カ ル チ ウ ム」投
-14.7mg%ニ
チ正 常 量 乃至 正
常 量 以 下 ナ ル ニ反 シ本 實 驗 ニ於 テ ハ17.532-18.232
與 ト同 時 ニ同 種 上皮 小 體 過 移 植 ヲ行 ヒテ 始 メ テ其 ノ
g%即
目的 ヲ逹 セ ル モ ノ ニ シテ, Boez, Heuper, Dragestedt
チ 正 常 乃至 正 常 量 以上 ニ シテ骨 「カ ル チ ウ ム」
ハ 上 昇 ノ傾 向 ヲ認 知 セ リ.内 臟 「カ ル チ ウ ム」モ 正常
等 ノ上 皮 小 體 「エ ク ス トラ ク ト」ヲ應 用 セ ル結 果 ト一
ノ近 似 値 ヲ示 シ筋 肉 「カ ル チ ウ ム」ハ正 常 量 ニ在 リ.
致 シ氏 等 ノ説 ノ眞 ナ ル事 ヲ確 認 セ リ.然 リ而 シテ 未
此 ノ結 果 ニ於 テ モ生 體 内「カ ル チ ウ ム」輸 入 ニ 因 ル
ダ移 植 ヲ利 用 シテ 此 ノ結 果 ヲ化 學 的 ニ闡 明 セ ル モ ノ
生 體 内「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ失 調 ハ,過 移 植 ニ 因 ル上
余 ノ寡 聞 ナ ル未 ダ之 ア ル ヲ知 ラザ ル ナ リ.余 ハ 本 實
皮 小 體 機 能 亢 進 ニ因 リテ 明 ニ調 節 サ レ,殊 ニ本 實 驗
驗 ニ於 テ骨 「カ ル チ ウ ム」ノ ミナ ラ ズ,之 ヲ生 體 内流
於 テ姶 メテ 骨 「カ ル チ ウ ム」 ノ增加 ノ傾 向 ヲ認 メ得
動 竝 ニ沈 着 「カ ル チ ウ ム」ニ就 キ テ化 學 的 ニ闡 明 シ得
クル ナ リ.
タ リ.
第3項 同 種 上皮 小 體 過 移 植 白 鼠 ニ鹽 化 「カ ル チウ ム」經 口的 投 與 後 ノ
生 體 内「カル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 前 實 驗 同 樣 ニ正 常 白 鼠 ノ腹 壁 皮 下 組 織 内 ニ同 種 上
皮 小 體 ノ過 移 植 ヲ行 ヒ,之 ニ鹽 化「カ ルチ ウ ム」混 合
181
實 驗 方 法
試 驗食(第9章
第3項 參 照)ヲ 毎 日投 與 シ,1週
ノ各 部「カル チ ウ ム」量 ノ測 定 ヲ行 ヘ リ.
間後
3214 兼
松德
第2目 次
第19表 郎
實 驗 成 績
同 種 上皮 小體 過 移 植 白 鼠 ニCaCl2經
口的 投 與 後 ノ
「カル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
實 驗 ノ結 果 ヲ按 ズ ル ニ 前 項 ト同 樣 ナ ル結 果 ヲ得 タ
シ ク,内 臟 「カル チ ウ ム」量 ハ 正常 ノ近 似 値 ヲ示 シ,
リ.之 ヲ單 獨 鹽 化 「カル チ ウ ム」經 口的 投 與 ノ場 合 ト
筋 肉 「カル チウ ム」量 ハ 正 常 量 トナ リ,骨 「カ ル チウ
比 ス ル ニ,一 般 ニ其 ノ體 内「カ ル チ ウ ム」電增 加 セ リ
ム」量 ハ寧 ロ上 昇 ノ傾 向 ヲ 呈 セ リ.此 處 ニ於 テ 今 靜
(第16表
脉 内 鹽 化 「カル チ ウ ム」注 射 ト同 時 ニ同 種 上 皮 小體 過
及 ビ第19表
參 照).即
チ單 獨 鹽 化 「カ ル チ
ウ ム」經 口的 投 與 ノ場 合 ニ於 テ ハ,血淸 「カル チウ ム」
移 植 ヲ併 用 セ ル結 果(第9章
量 上 昇 ス ル ニ反 シ,筋 肉 及 ビ 内臟 「カ ル チウ ム」量 ハ
モ猶 「カ ル チ ウ ム」新 陳 代 謝 ニ對 シテ 本 實 驗 ノ有 效 ナ
正 常 量 以 下 ニ低 下 シ,骨 「カル チ ウム」量 ハ 正 常 乃 至
ル コ トヲ認 ム.依 テ經 口的 「カル チ ウ ム」投 與 ト共 ニ
正 常 量 以 下 ノ値 ヲ示 セ リ.然 ル ニ鹽 化 「カル チ ウ ム」
同 種 上 皮 小 體 過移 植 ヲ行 ヒ シ際 ニ於 テ,最 モ生 體 内
ノ經 口的 投 與 ト共 ニ 同 種 上皮 小 體 過 移 植 ヲ 試 ミ ン
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ニ良 結 果 ヲ齎 シ,殊 ニ骨 「カ ル チ ウ
カ,血淸 「カ ル チ ウ ム」量 前 者 ニ比 シテ 其 ノ上 昇 度 著
ム」增加 ニ効 果 ア ル モ ノ ト信 ズ.
第4項 第2節 第1項)ト
比 スル
上 皮 小體 「エ ク ス トラ ク ト」注 射 竝 ニ鹽 化 「カル チウ ム」經 口 的
投 與後 ノ生體 内 「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ變 化
第1目 余 ハ 前2項
實 驗 方 法
ノ實 驗 ニ 於 テ,同 種 上皮 小 體 過 移 植 ノ
於 テ 使 用 セ ル ト同 樣 ナ ル上 皮 小 體 「エ ク ス トラ ク ト」
代 リニ,上 皮 小 體 「エ クス トラク ト」注 射 ヲ併 用 セ バ,
ヲ,之 ト同 樣 ナ ル條 件 ニ基 キテ 注 射 ヲ行 ヒ,前 項 ト同
生 體 内「カ ルチ ウ ム」代 謝 ニ如 何 ナ ル結 果 ヲ招 來 ス可
樣 ナ ル 鹽 化 「カ ル チ ウ ム」混 合試 驗 食 ノ投 與 ヲ行 ヒ,
キ カ ヲ檢 セ リ.
之 ヲ1週 間 經 續 シ タル後 體 内各 部 ノ「カ ル チウ ム」量
依 テ 成 規 ノ諸 條件 ニ適 セ ル 正 常 白鼠 ニ,第8章
第2目 第20表 CaCl2經
ニ
ヲ檢 セ リ.
實 驗 成 績
口 的 投 與 竝 ニ 上 皮 小 體 「エ ク ス トラ ク ト」注 射 後 ノ
「カ ル チ ウ ム 」代 謝 ノ 變 化
182
上 皮 小 體 ノ「カ ル チウ ム」新 陳 代 謝 ニ及 ボ ス 影 響 本 實 驗 ノ結 果 ニ於 テ モ前2項
ト同 樣 ナ ル結 果 ヲ認
結 果 略 略 同 樣 ニ シ テ,孰
メ,「カ ルチ ウ ム」ノ經 口 的 投 與 ト共 ニ上 皮 小 體 「エ ク
投 與 ト共 ニ,一
3215
レ モ 「カ ル チ ウ ム 」ノ經 口 的
ハ 上 皮 小 體 過 移 植 ヲ以 テ,一
ハ 上皮
ス トラ ク ト」 ヲ以 テ上 皮 小 體 機 能 亢進 ヲ起 サ シメ タ
小 體 「エ ク ス トラ ク ト」ヲ 以 テ,上
ル際 ハ,單 獨 「カ ル チ ウ ム」經 口的 投 與 ヲ行 ヒ シ場 合
惹 起 セ シ メ タ ル モ ノ ニ シテ,要
ニ 比 シテ,一 般 體 内「カ ル チ ウム 」增加 ,殊 ニ骨 ニ於 テ
ル 上 皮 小 體 「ホ ル モ ン」ノ增 加 ハ 「カ ル チ ウ ム 」代 謝 ニ
其 ノ影 響 著 明 ナ ル ヲ認 ム(第16及
重 要 ナ ル 意 義 ヲ 有 シ,殊
惟 フ ニ前2項
ビ第20表
參 照).
ノ實 驗 ニ於 テ モ本 實 驗 ニ於 ノ モ其 ノ
皮小 體 機能 亢 進 ヲ
スル ニ 此 ノ際 ニ於 ケ
ニ 骨 「カ ル チ ウ ム 」增 加 ニ 必
第5項 要 ナ ル モ ノ ト信 ズ.
概
括
非 經 口的 竝 ニ經 口 的生 體 内 「カル チ ウ ム」輸 入 ト同時 ニ上 皮 小體 ノ機 能 ヲ亢 進 セ シム レバ,「カ
ル チウ ム」輸 入 ニ因 ル體 内 「カ ル チ ウ ム」代 謝 障碍 ヲ調 節 セ シムル ニ重 大 ナル 意 義 ヲ有 ス.
即 チ「カル チ ウ ム」ノ靜 脉 内 注射 ト同 時 ニ同 種 上皮 小 體 過 移 植 ヲ行 ヘバ,之
ガ單 獨注 射 ニ比 シ
テ,體 内 「カ ル チウ ム」量 ヲ シテ 正 常 ニ近 付 カ シム.
鹽 化 「カ ル チウ ム」或 ハ沈 降 炭 酸 「カ ル チ ウ ム」ノ經 口的 投 與 ト共 ニ同種 上 皮 小 體 過 移植 ヲ併 用
ス レバ,單 獨 鹽 化 「カル チ ウ ム」或 ハ沈 降 炭 酸 「カル チ ウ ム」經 口 的投 與 ノ場 合 ニ比 シテ,體 内「カ
ル チ ウ ム」量 遙 ニ增 量 ス.即 チ後 者 ハ孰 レモ血淸 「カ ル チ ウ ウ」上昇 スル ニ反 シ筋 肉竝 ニ腹 部 内
臟 實 質 性 臟 器「カル チ ウ ム」量 ハ 正 常 量 以 下 ニ低 下 シ.骨 「カル チ ウ ム」量 ハ正 常乃 至 正 常量 以 下
ナ リ.之
ニ反 シ前 者 ハ其 ノ血淸 「カ ル チ ウ ム」量 ハ其 ノ上 昇 度 後 者 ヨ リ著 明 ナル ノ ミナ ラ ズ.
内臟 「カ ル チ ウ ム」量 ハ正 常 ノ近 似 値 ヲ示 シ.筋 肉 ハ正 常 量 ヲ認 メ骨 「カ ル チ ウ ム」ハ寧 ロ上 昇 ノ
傾 向 ヲ呈 ス.此 ノ現 象 ハ上 皮 小體 「エ ク ク トラク ト」注 射 ヲ以 テ スル モ同樣 ナ ル結 果 ヲ認 ム.
由 是 觀 之 ル ニ「カル チ ウ ム」ノ經 口的 投 與 ト同時 ニ上 皮 小體 ノ機 能 ヲ亢 進 セ シム レバ.體 内「カ
ル チ ウ ム」量 テ正 常 ニ 向 ハ シムル ノ ミナ ラズ.進
ンデ 骨「カ ル チ ウム」ノ增 加 ノ傾 向 ヲ認 ム.
即 チ此 ノ際 ニ於 ケ ル 上 皮小 體 「ホ ル モ ン」ノ增 加 ハ生 體 内「カル チ ウ ム」代 謝 ニ重 大 ナ ル意 義 ヲ
有 シ.就 中 骨 「カ ル チ ウ ム」ニ最 モ 密接 ナ ル 關 係 アル ヲ認 ム.
第10章 組
總括及 ヒ考案
織
「カ ル チ ウ ム」測 定 ニ關 シ在 來 多 ク用 ヒラ レタル 灰 化法 ハ,其
ノ灰 化操 作 ニ際 シテ實 驗 的
誤 差生 ジ易 ク,從 ツ テ余 ノ特 ニ選 ビシ"Autklav-Methode"ナ
ル 一新 法 ニ比 シ,正 確 度 ニ於
テ異 常 ナ ル 差 異 アル ハ余 ノ實 驗 數 字 ニ據 リテ モ思 考 シ得 可 ク,從
テ從 來 文 獻 上 ニ 表 ハ レタル 實
驗 數 字 ノ差 異 ノ多 キ ハ其 ノ測 定 法 ヲ灰 化 法 ニ選 ビ シ結 果 ト惟 思 セ ラル.
上 皮 小體 摘 出 ニ因 ル機 能 缺 損 ハ先 人 ノ提 唱 セル如 ク,生 體 内 ノ「カ ル チ ウ ム」量 著 明 ニ減 少 ス
ル ヲ認 メ,兩 側 上皮 小體 摘 出 ハ1側 上 皮 小 體摘 出 ニ比 シテ,血淸 竝 ニ組 織 「カル チウ ム」量 ノ減
少 著 明 ナ リ.上 皮 小 體摘 出 後 第1週
側 上 皮 小體(1箇)摘
183
ニ於 テ其 ノ減 少 最 モ著 明 ニ シテ 爾後 漸次 上昇 ス.而
出 ニ於 テハ 血淸,筋 肉,腹 部 内臟 實 質 性 臟 器「カル チ ウ ム」量 ハ 第3週
シテ1
ニ至 リ
3216 兼
松德
次
郎
テ 正 常 量 ニ復 歸 スル モ骨 「カ ル チ ウ ム」量 ノ ミハ第3週
小體(2箇)摘
ニ至 ル モ未 ダ健 常量 ヲ示 サ ズ.兩 側 上 皮
出 ニ於 テ ハ筋 肉,腹 部 内臟 實 質性 臟 器 「カル チ ウ ム」量 ハ第3週
復 歸 ス ル ニ反 シ,血淸
竝 ニ 骨 「カ ル チ ウ ム 」量 共 ニ 第3週
ニ至 リテ 正 常 量 ニ
ニ 至 リ テ モ 正 常 量 ニ 復 歸 ス ル コ トナ
シ.
上 皮 小體 摘 出 白 鼠 ニ自 家 上 皮 小體 或 ハ 同種 上 皮 小體 ヲ以 テ 代償 的 移植 ヲ行 ヒ,生 體 内 「 カル
チ ウ ム」量 ヲ測 定 セル ニ,流 動 竝 ニ沈 着 「カル チ ウ ム」共 ニ其 ノ減 少 ヲ防 止 シ得 ル事 著 明 ニ シテ 上
皮 小 體 摘 出 ニ 因 ル機 能 缺 損 ハ,移 植 ニ ヨ リテ代 償 營 爲 セ ラル ル ヲ認 ム.
又 上 皮 小 體 摘 出 白 鼠 ニ上 皮 小體 「エ ク ス トラ ク ト」注 射 ヲ行 ヒタル 結 果 モ明 ニ 體 内 「カル チ ウ
ム」ノ減 少 ヲ防 止 シ得 同樣 ナル 結 果 ヲ得 タ リ.
同 種 上 皮 小體 過 移 植 ハ生 體 内 ニ於 テ,流 動「カ ル チ ウ ム」ヲ上 昇 セ シメ,沈 着 「カル チウ ム」ヲ
減 少 セ シ ム.
上 皮 小 體 「エ ク ス トラ ク ト」 ヲ 正 常 白 鼠 ニ 注 射 セル 際 モ亦 流 動 「カ ル チ ウ ム 」ノ 上 昇 ス ル ニ反
シ,沈
着 「カ ル チ ウ ム 」ノ減 少 著 明 ニ シテ,前
此 兩 者 ノ結 果 ヨ リ考 ア レバ,上
者 ト同 樣 ナ ル 結 果 ヲ得 タ リ.
皮 小 體 機 能 亢 進 ハ,沈
動 「カ ル チ ウ ム」量 ヲ上 昇 セ シ ム ル ノ 事 實 明 ニ シテ,
等 ノ提 唱 ニ 一 致 セ リ.而
化 學 的 ニ 闡 明 シ,以
着 「カ ル チ ウ ム」テ 游 離 減 少 セ シ メ,流
Collip,
Greenwald
&
Gross,
Waltner氏
シ テ 余 ハ 同 種 止 皮 少 體 過 移 植 ニ 因 ル 生 體 内 「カ ル チ ウ ム 」代 謝 ノ變 化 ヲ
テ 氏 等 ノ 説 ニ 一 新 立 證 ヲ附 加 シ得 タ ル モ ノ ト信 ズ.
之 等 ノ結 果 ヲ 考 察 ス ル ニ,先
人 ノ 云 ヘ ル 如 ク 上 皮 小 體 「カ ル チ ウ ム」新 陳 代 謝 機 能 ハ,生
「カ ル チ ウ ム」代 謝 ヲ調 節 ス ル モ ノ ニ シ テ,一
方 ニ 於 テ 體 内 「カ ル チ ウ ム」ヲ上 昇 セ シ メ,他
ニ 於 テ ハ 之 ガ 貯 藏 所 ヨ リ 「カ ル チ ウ ム」 ヲ 血 中 ニ游 離 セ シ ム ル,二
「ホ ル モ ン」 ニ テ 營 爲 ス ル ガ 如 シ.即
方面
ツ ノ相 異 リタ ル 作 用 ヲ 同 一
チ 上 皮 小 體 機 能 缺 損 時 ニ於 ケ ル 「ホ ル モ ン」 ノ 給 與 ハ 體 内
「カ ル チ ウ ム」ヲ シ テ 正 常 ニ 向 ハ シ メ ン ト シ,正 常 生 體 ニ於 ケ ル 「ホ ル モ ン」ノ增 加 ハ,血
チ ウ ム 」ヲ上 昇 セ シ ム ル ニ反 シ,既
體 内
中 「カ ル
存 沈 着 「カ ル チ ウ ム」ヲ 游 離 減 少 セ シ ム.
生 體 ニ經 口 的 竝 ニ非 經 口 的 「カ ル チ ウ ム」輸 入 ヲ 行 ヘ ル 場 合 ハ 反 テ 體 内 「カ ル チ ウ ム 」ノ新 陳 代
謝 ノ失 調 ヲ 招 來 シ,既
存 沈 着 「カ ル チ ウ ム 」ヲ 減 少 セ シ ム ル ノ 事 實 ヲ 認 メ, Mac
ト同 樣 ナ ル 結 果 ヲ 得 タ リ.而
Callumノ
シ テ 余 ハ 此 ノ際 經 口 的 「カ ル チ ウ ム」輸 入 ハ 非 經 口 的 「カ ル チ ウ ム 」
輸 入 ニ比 シテ 其 ノ 沈 着 「カ ル チ ウ ム」ノ減 少 度 少 キ 一 新 事 實 ヲ 認 メ得 タ リ.即
チ 非 經 口 的 ニ投 與
セ ラ レ タ ル 「カ ル チ ウ ム 」ハ 單 ナ ル 異 物 ト シ テ 血 中 ニ 輸 入 サ レ速 ニ排 泄 サ ル ル ニ 反 シ,經
投 與 セ ラ レ タ ル 「カ ル チ ウ ム 」バ 一 度 腸 管 内 ニ 於 テ,生
シ テ 吸 收 サ ル ル モ ノ ニ シ テ,從
提言
口的 ニ
體 ニ 適 應 セル 固 有 「カ ル チ ウ ム」ノ状 態 ト
テ此 ノ 兩 者 ノ相 違 ハ生 體 内 「カ ル チ ウ ム 」新 陳 代 謝 ニ及 ボ ス 影 響
モ 亦 自 ラ相 異 ル モ ノ ナ ラ ン ト推 意 サ ル.此
ノ現 象 タ ル ヤ 實 驗 的 ニ興 味 ア ル ノ ミ ナ ラズ,臨
牀的
ニ モ 亦 重 要 ナ ル 意 義 ア ル モ ノ ト信 ズ.
非 經 口 的 竝 ニ經 口 的 生 體 内 「カ ル チ ウ ム」輸 入 ト共 ニ 上 皮 小 體 ノ機 能 ヲ 亢 進 セ シ ム レバ,「 カ ル
184
上 皮 小 體 ノ「カ ル チ ウ ム」新陳 代 謝 ニ及 ボ ス影 響 3217
チ ウ ム」輸 入 ニ 因 ル 生體 内 「カ ル チ ウ ム」代 謝 障 碍 テ調 節 セ シムル ニ重 大 ナ ル意 義 ヲ有 ス.就 中 上
皮 小體 「エ ク ス トラク ト」注 射 又 ハ同 種 上皮 小體 過 移 植 ヲ行 ヒ,同 時 ニ生體 内 「カ ル チ ウ ム」ノ基
材 タ ル 「カ ル チ ウ ム」ヲ經 口的 ニ投 與 スル場 合 ニ於 テ始 メテ骨 「カル チ ウ ム」ヲ增 加 セ シム.
是 レ又 實 驗 上 ハ勿 論 臨 牀 上 ニ モ亦最 モ有 意 義 ナル 事 實 ト信 ズ.
第11章 結
論
Ⅰ 健 康 成 熟 白 鼠 ノ體 内「カル チ ウ ム」量 ヲ測 定 シ,其 ノ平 均 値 テ求 ムル ニ次 ノ如 シ.
1) 流 動 「カ ル チ ウ ム 」
血淸 10.74mg%
2) 沈 着 「カ ル チ ウ ム 」
イ) 腹 部 内臟 實 質 性 臟 器 7.460mg%
ロ) 筋 肉 8.376mg%
ハ) 骨 17.498g%
Ⅱ 上 皮 小體 摘 出 ハ生 體 内「カル チ ウ ム」量 ヲ著 明 ニ減 少 セ シ メ,摘 出 後 第1週
ニ於 テ其 ノ減
少 最 モ著 シク爾 後 漸 次 上昇 ス.而 シテ1側 上 皮小 體(1箇)摘 出 ノ場 合 ハ 血淸,筋 肉,腹 部 内臟 實
質 性 臟 器 ノ「カ ル チウ ム」量 ハ第3週
ニ週 至 リテ 正 常量 ニ復 歸 シ,骨 「カル チ ウ ム」量 ノ ミハ第3
週 ニ於 テ モ未 ダ 正常 量 ニ至 ラズ.兩 側 上皮 小體(2箇)摘
器 ノ「カ ル チ ウ ム」量 ハ 第3週
第3週
出 ニ於 テ ハ筋 肉 竝 ニ 腹 部 内臟 實 質性 臟
ニ至 レバ 正常 量 ニ復 歸 スル ニ反 シ,血淸 竝 ニ骨「カル チ ウ ム」量 ハ
ニ至 ル モ正 常 量 ヲ示 サ ズ,而
シテ 兩 側 上 皮 小體 摘 出 ハ1側 上皮 小體 摘 出 ニ 比 シテ 各 部
「カル チ ウ ム」量 ノ減 少 著 明 ナ リ.
Ⅲ 上 皮 小體 摘 出 白鼠 ニ自 家 上 皮 小體 或 ハ同 種 上 皮 小體 ノ移植 ヲ行 ヘバ,生 體 内 ノ流 動 竝 ニ
沈 着 「カ ル チ ウ ム」ノ減 少 ヲ防 止 シテ,上 皮 小體 摘 出 ニ因 ル機 能 缺 損 ヲ 代償 スル 事 著 明 ナ リ.
Ⅳ 同種 上 皮 小體 過 移植 ハ其 ノ移植 部位 ニ依 リテ多 少 ノ差 異 アル モ,一 般 ニ流 動 「カ ル チ ウ
ム」ヲ 上昇 セ シムル ニ反 シ,沈 着 「カル チ ウ ム」ハ反 テ減 少 ス.
Ⅴ 上 皮 小體 摘 出 白 鼠 ニ上 皮 小體 「エク ス トラク ト」ヲ注 射 セバ,流
動竝 ニ沈 着「カル チ ウ ム」
ノ減少 ヲ防 止 或 ハ僅 少 ナ ラ シム.
Ⅵ 正 常 白鼠 ニ上 皮 小體 「エ ク ス トラ ク ト」 ヲ注 射 セバ,流 動 「カル チ ウ ム」量 上昇 スル ニ反
シ,沈 着 「カル チ ウ ム」ハ却 テ 減少 ス.
Ⅶ 非 經 口 的 竝 ニ經 口的 生體 内 「カ ル チウ ム」輸 入 ハ,生 體 内「カル チ ウ ム」ヲ シテ流 動 「カ ル
チ ウ ム」量 上昇 スル ニ反 シ,沈 着 「カル チウ ム」ヲ減 少 セ シム.而
シテ經 口的 生體 内 「カ ル チ ウ
ム」輸 入 ハ,非 經 口的 生體 内「カ ル チ ウ ム」輸 入 ニ比 シテ,沈 着 「カ ル チ ウ ム」量 ノ減 少 極 メテ少
シ.
185
3218 兼
Ⅷ 松德
次
郎
非 經 口的 竝 ニ經 口 的 生體 内 「カル チ ウム」輸 入 ト共 ニ,上 皮 小體 「ホ ル モ ン」ヲ增 加 セ シ
ム レバ,「 カ ル チ ウ ム」輸 入 ニ因 ル 生體 内 「カ ル チ ウ ム」代 謝 ノ失 調 ヲ調 節 セ シ ム.
即 チ上 皮 小體 「ホ ル モ ン」ヲ過 剩 ナ ラ シム 可 ク,同 種 上 皮 小體 過 移植 又 ハ「エク ス トラ ク ト」注
射 ト共 ニ「カル チ ウ ム」ノ輸 入 ヲ行 ヘバ 單 獨 「カル チ ウ ム」輸 入 ニ比 シテ體 内 「カル チ ウ ム」量 ヲ増
加 セ シ ム.此 ノ現 象 ハ骨 「カル チ ウ ム」ニ於 テ特 ニ顯 著 ナ リ.而 シテ經 口的 「カル チ ウ ム」投 與 ハ
非 經 口 的 ノ場 合 ヨ リモ其 ノ效 果 確 實 ナ リ.
擱 筆 ス ル ニ臨 ミ本 研 究 ヲ御 下 命 下 サ レ,終 始御 懇 篤 ナ ル御 指導 ト御 校 閲 ヲ忝 フセ シ恩 師 泉敎 授 ニ謹 ミ
テ滿 腔 ノ謝 意 ヲ捧 グ.
又 化 學 的 檢 索 ニ際 シ御 懇 切 ナ ル御敎 示 ヲ賜 ハ リシ生 化 學敎 室 助敎 授 上 代 博 士,竝 ニ本 研 究 中 常 ニ多 大
ノ御 援 助 ヲ賜 ハ リ シ當敎 室 前 助敎 授 榊 原 博士 ノ御 好 意 ニ對 シ深甚 ノ謝 意 ヲ表 ス.
尚 「ホ エ ク ス トラ ク ト」作製 ニ 際 シ常 ニ貴 重 ナ ル 材 料 ヲ御提 供 下 サ レシ岡 山縣 衛 生 課 坂 上 獸 醫 ノ御 好意
ヲ深謝 ス.
文
1) 1926.
淺 田 爲 義,日
3)
Wochenschr.
Jg.
1902.
6)
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Blumreich,
Pfluger
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der
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10)
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Berkeley,
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Bauer,
Beitrage
f. Path.
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Zeitschr.
17)
Med.
168,
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Frankfurter
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Brehme,
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Bergeim
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