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サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析

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サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
佐 伯 親 良
1 問題 所在
景気動向 探 上 ,日本
利用 広 普及 政府,日本銀行,民間
定期的
調査 実施
.
指標,消費動向 作成 欧米,
Center
代表的
,Michigan 大学
四半期
類似
算出
費者態度指数 公表
抽出
景気動向
日本
量的経済変数
,今日
公表
行
試
.他方,
向
景気
,
,
行
景気指数( Diffusion Index,Composite Index)
.
景気指数作成 基
質的情報
分析
反映
上
先験的 見
.
Diffusion Index
意味 質的
質的変数 選択,組
.消費者態度指数 導出 毎月
導出
,
試
消費者 景
.
Dynamic Factor Model
Watson (1993),Stock and Watson (2009)
重要 問題
持
考
一
考
選択
種 偏
.現在
,消費者態度指数 選択
今日,景気動向
系列
以上 景気実感 表 情報 含
景気動向指数
,伝統的 生
.企業 生産活動,雇用,消費
適切 対応
,内閣府「消費動向調査」 基
関
.
内閣府 引 継
情報 分析 景気判断 重要 意味 持
気実感
把握
系列選択
.一般的 ,業況判断
込
日銀 DI
経済変数 分類(先行系列,一致系列,遅行系列) 一貫
量的経済変数
方
.日本
企業 業況判断,家計 暮
指標
開発 経済企画庁 中心 進
産指数
示
毎月「消費動向調査」 実施 消費者意識指標,消
詳細 示
本的 考 方
,Melbourne (2016)
景況感 示 指標
.
基
田原 (1983)
Survey Research
指標 作成 広 行
家計 消費動向 把握
質的情報
指標
景気
日本銀行 「全国企業短期経済観測調査」−以降日銀短観 呼 −
行 ,
内閣府 主
,Michigan 大学
広 行
Index of Consumer Sentiment
企業 景況感 把握
利用
先駆的
重要
研究
∗ 本論文 ,科学研究費補助金・基盤研究(C)
「経済変動 個人間所得分布 及
番号24530230) 助成 受
.
-29-
位置
占
,
.Stock and
分析法
利用
計量分析」
(平成24‐27年度:
(課題
経 済 学 研 究 第83巻 第1号
多岐 亘
.本論文 関心
抽出
,
,
先駆的
研究
景気実感 表 要因
適用範囲
広
,本論文 景気分析,特 ,景気実感 抽出 焦点
景気判断 有用
,
析 進
報
多
貴重
提供
伴 幾
問題点 焦点 当
分
.
情
,家計 消費動向,景気実感 推測
.以下,次
1. Logistic Business Surevey Index(− LBSI
点
焦点
表記
当
−)
分析
進
.
最近
DFM
上
景気判断.
再考察.
2. LBSI
3. 「消費動向調査」
消費者意識指標
最近 景気判断
再考
Logistic BSI
消費者態度指数
,日銀短観
Logistic BSI,日銀 DI,
基準化指数
最近時点
,Stock-Watson
,
厳
分布
考慮
条件 課
点 注目
回答項目
析 進
.現実
,
,
重要 時点 情報
単純平均 作成
,
「消費動向調査」
可変
分
行
,原
散見
避
.
情報
方法 情報
.一時的 結果 差異
影響 生
情報
系列
分析 行 .
5
負
方法 志向
.
求
導出
与 方 客観的
,採用
3 項目調査 同 分析方法
観点
定式化
.
示 .
「消費動向調査」
客観的 共通因子 抽出
,回答項目
提唱
分析 進
導出
意味 持
5
,佐伯 (2014)
,消費者 反応 対
明確
消費者態度指数
延長
,可変
LBSI
持 意味
再考察.
景気指数 導出
消費者意識指標 消費者態度指数 再考察
合計
持 質的情報
「消費動向調査」 焦点 当
質的情報,判断情報 含
情報
.
,
,質的情報 取 扱
.特 ,内閣府 公表
試
,本論文
見
,
観点
点 焦点 当
.
全国企業短期経済観測調査
2
日本経済 ,2008 年
,対
国際競争力 低下 景気後退 経験
化 改善 ,景気局面 緩
費者
影響 少
転
.
1.期間
1 日本銀行
参照.
景況感 LBSI
上昇
,
為替
,
転
急速 円高進行
後 金融政策 変更
1975 年 3 月
意味,
延長
Logistic BSI
観察
.
,正規分布 想定
-30-
消
最近時点 景気 足踏 状態
日銀短観
2015 年 9 月
外部環境 悪
,2015 年 4 月以降 消費税
.
,海外経済 環境変化
,最近時点
企業
基準化 CP
刈屋 (1994c)
サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
7000
Manu
Non-Manu
6000
5000
4000
3000
2000
1000
1975
1980
1985
1990
1995
図 1 日銀短観
日銀短観
数
2015 年
基
作成
,非製造業,製造業
譲
.非製造業
期間
,概
非製造業
方
一
要因
金融業 景況感 低迷
小
味
.
,BSI
,図 4
,佐伯 (2014)
2015 年
LBSI
詳細
値
.1990 年
,
(-0.2021,-0.1944)
,
(0.3528,0.3857)
焦点
当
2010 年
景況
急速 改善
.
期以降 不動産,
,2008 年 金融危機以降,近年 業績 回復,景況感 好転 非製
見
.雇用面 見
要因 多様
.需要減少 生産
2景況感 図
.
変動
1975 年
,LBSI
2.
.最近時点
.他方,2015 年 景況感 注目
善
描
不動産,金融業 景況感 好転
来
.2014,
.図 2,図 3,
,非製造業 回復 製造業
造業 景況感 回復 寄与
向
景況感
小
感 全産業 改善傾向 示
.
景況観
,同様 平均 標準偏差 求
示
.佐伯 (2014)
示
製造業
2015
.
,
(0.3528,0.3788)
,
( -0.1358,-0.1535)
平均 標準偏差 算出
2015 年
基
LBSI
検討
4000 強
指標
2010 年
推移
見
景況感,全産業
2010
推移
,製造業
変動 非製造業 製造業
2005
,図 1
6000 強
分析 ,景況感 表
1990 年代
数
変更
企業数 非製造業
,LBSI
2000
足踏 状態
,大
影響 徐々 浸透
日銀 算出
指数
要因 一
非製造業 雇用環境 改
,景況感 更 改善
方
外部環境 悪化,海外需要 縮
製造業 景況感 停滞
.
-31-
,Non-Manu,Non-Man
非製造業,Manu
製造業 意
経 済 学 研 究 第83巻 第1号
0.8
Logistic Non-Man
BSI Non-Manu
0.6
0.4
0.2
-0.0
-0.2
-0.4
-0.6
-0.8
1975
1980
1985
1990
1995
図 2 非製造業
0.75
2000
2005
2010
2015
2005
2010
2015
景況感 Logistic BSI
Logistic Manu
BSI Manu
0.50
0.25
0.00
-0.25
-0.50
-0.75
-1.00
-1.25
1975
1980
1985
1990
図 3 製造業
1995
2000
景況感 Logistic BSI
-32-
サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
0.75
LBSI
BSI
0.50
0.25
0.00
-0.25
-0.50
-0.75
-1.00
1975
1980
1985
1990
図 4 全産業
1995
2000
2005
2010
2015
景況感 Logistic BSI
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
1985
1988
1991
図 5 Stock-Watson
1994
1997
2000
2003
2006
2009
2012
景気指数 1985 年 1 月 - 2016 年 1 月
-33-
2015
経 済 学 研 究 第83巻 第1号
.他方,
産業 停滞 国内需要 縮小
,所得水準 伸
,1985 年 1 月
利用
興味深 .採用
証株価指数
.
足踏
,Dynamic Factor Model
3
LBSI
景況感
.
読
従
取
,
,集計
,良
一般化
上 場合
回答者
展開
,東
系列 用
推定結果
指標
.
,
回答
企業 割合
限界
意識
直近 景気 状
分布
提唱
LBSI
製造業,非製造業
平均的
同様 考 方 沿
場合 限
3
点
,選択肢 3 以
推定
選択肢
点
適用可能
比 利用
.加納 (2006)
容易 計算
景況感 十分 導出
特殊 場合
0
分布
.LBSI
適用結果
方法 判断項目 選択肢
判断項目 含
.
行
.
景況感 関
,
示
難点
生産 労働 焦点 当
佐伯 (2014)
,新
可能
点 含
再考察
方法
仮定
,
.図 5
可変
推定
推定
Dynamic Factor Model
生産 労働 焦点 当
状態
.
系列 鉱工業生産指数,所定外労働時間,新規求人数,
共通因子 導出
態
改善
考
3 .Stock and Watson (2011)
述
,雇用環境
鈍化,消費税増税 影響 受
2016 年 1 月
補完
限界
考
可能
示
日銀短観 念頭 景況感 導出 考察
3
.
日銀短観 業況 関
回答
.
,
(1)良 ,
(2)
回答者 割合
.
比
,st =
.
λ
σt
考慮
次式
得
.
λμt
σt
� u1t �� ∼ N
,�
u
� 2t �
. (s t , mt )
�
0
Σ
�
.
⎤⎥ ⎡⎢
⎥⎥ = ⎢⎢ −δ1
⎥⎥ ⎢⎢ −δ
2
⎦ ⎣
,λ =
√π
3
⎤⎥ ⎡⎢
⎥⎥ + ⎢⎢ u1t
⎥⎥ ⎢⎢ u
⎦ ⎣ 2t
�
�
, μ, σ 2
.
関係式
仮定
,
Xt = F Xt−1 + vt
景気指標
.
⎤⎡
1 ⎥⎥ ⎢⎢ st
⎥⎢
1 ⎥⎥ ⎢⎢ mt
⎦⎣
yt = H X t + u t
3Stock-Watson
,
(3)悪
分布 近似
� r �
⎡⎢
1t
log 1−r
⎢
� 1−r1t �
yt = ⎢⎢
⎢⎣ log r3t3t
,m t =
良
, (r 1t , r 2t , r 3t )
,回答者 判断分布
従
散
判断
刈屋 (1994a)
参照.
-34-
状態空間
想定
選択肢
3
故,r 1t + r 2t + r 3t = 1
,加納 (2006)
⎤⎥
⎥⎥
⎥⎥
⎦
(1)
分布 平均 分
形式
表現
次
サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
.
,
⎡⎢
⎤
st ⎥⎥
⎥
Xt = ⎢⎢⎢
⎢⎣ mt ⎥⎥⎦
2
0 ��
� � σ
��
,vt ∼ N �0, � 1
.
0 σ22
��
� �
V BSI =
指標(− VBSI 呼 −)
注目
,LBSI
定義
μt
σt
,
利用
,V BSI =
s t ,m t
μt
σt
求 ,一
√
3
π mt
=
景気
.
√
��
�
�
r i3t
r i1t
1 3
log
LBSI ==
2 π
1 − r i1t 1 − r i3t
,(1) 式
関係
代入
,
LBSI =
=
=
.
,δ1
1
2
1
2
√
3
√π
3
π
log
5
,内閣府 毎月
− log
�
��
ri3t
1−ri3t
閾値
,誤差項 平均的
方
V BSI =
強 仮定 基
適用可能
,
行
「消費動向調査」
形 次節以降 分析 進
分布 想定
離
(1) 式
誤差項
4,(3) 式 佐伯 (2014)
増
利用
,ut
0
.LBSI
展開 拡張
拡張可能
�
分布 想定
,LBS
方法 選択肢
ri1t
1−ri1t
(δ2 − δ1 ) mt + ut
δ2
明
�
(−δ1 st + mt + δ2 st − mt ) + ut
同
LBSI
,
�
√
1 3
2 π
.今,δ1 = −1,δ2 = 1
導出
(2)
比較
μt
σt
.
述
注意
柔軟
,
点
選択肢
.
,
上
.例
5
状態空間
一般的
Dynamic Factor Model
5.
指摘
4 消費者意識指標 消費者態度指数 意味
内閣府 実施
施
「消費動向調査」 ,家計 消費意識 変動 把握
.調査対象
,最近
全国
、外国人・学生・施設等入居世帯
8,400 世帯
調査項目 ,
(1) 暮
.
,
(2)
(r 1t )
,調査時点
除
実
約 5,061 万世帯
毎月 15 日
.
向 ,
(2)収入 増 方,
(3)雇用環境,
(4)耐久消費財 買 時判断,
,
(5)資産価値
(r 5t )
世帯
目的
,5
良
.
4佐伯 (2014) 参照.
5加納・斎藤 (1994) 参照.
選択肢 用意
.例
(r 2t )
,
(3)変
,括弧 中
,
(r 3t )
,
(4)
t 時点
分布
,暮
向
悪
選択肢 選
完全
想定
-35-
仮定
,
(1)良
(r 4t )
,
(5)悪
割合 示
.
.収
経 済 学 研 究 第83巻 第1号
入 増 方,資産価格
同等
(r t )
,2004 年
4月
月次調査
「消費動向調査」 場合 ,日銀短観
,日銀短観
「消費動向調査」
計算
良
景況感
選択肢
点 取 扱
同
方法
踏襲
,
」
0.5,「
.日銀短観
3 段階評価
.
意味
」
0.25,「悪
結果
合計 ,各項目
作成
消費者意識指標
」
考
7.
」
0
1,「
得点 与 、
消費者意識指標 算出
+1,0,-1
少
問題
消費者態度指数
「良
悪
BSI
四
困難
集計
.消費者意識指標 ,5 段階評価
0.75,「変
選択肢
6.
5
抽出
得点 各回答区分 構成比 乗 、
対応
変更
,各調査項目毎 消費者意識指標 算出
公表
」
異
.観測
.調査時期 ,2004 年 3 月期
r 1t + r 2t + r 3t + r 4t + r 5t = 1
半期調査
.
選択肢 与
5
得点 与
.
0.4
0.35
0.3
0.25
0.2
0.15
0.1
0.05
0
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
図 6 消費者意識指標
図6
離散型確率変数 Y
表 確率変数 Y
想定 ,上 述
0,0.25,0.5,0.75,1
,消費者 反応 対
0.7
0.8
(a1, a2, a3, a4, a5 )
Pr(Y = a2 ) = p2 ,Pr(Y = a3 ) = p3 ,Pr(Y = a4 ) = p4 ,
1
意味
具現化
確率変数
0.9
.
考
8.
.
,Pr(Y = a5 ) = p5
,消費者意識
一般的 考
,Pr(Y = a1 ) = p1 ,
.
時
平均
6 「消費動向調査」 詳細
,内閣府 http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html
参照
.
7「日銀短観」
3
選択肢 場合
,
「消費動向調査」 内閣府 採用
方法 踏襲
可能
.
8本来 ,5 項目 関
消費者 反応 多項分布
捉
,
消費者意識指標 作成 焦点 当
離散型 確率変数
考察
.
-36-
サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
( μ)
分散(σ 2 )
5
�
,μ =
i=1
ai · pi ,σ 2 =
5
�
i=1
.消費者意識指標
ai2 · pi − μ2
,a1 = 0,a2 = 0.25,a3 = 0.5,a4 = 0.75,
値 求
対応
,2 倍
.
,分散
4倍
者意識指標
.
値 加
.標準偏差
基準化
指数
,消費者意識指標
変動
捉
得
μ̂
σ̂
故,基準化
緩
時系列
見
見
指標
,
,平均値
分増
, 増加分
σ
形
.実際
推定
.
基準化消費者意識指標
,分散
, μ̂ =
推定値
5
�
i=1
.
時間
観測
μt
.
ai · r i
σ̂ 2 =
5
�
i=1
.
平均値
,分散 同一
平均値 μt
確率変数 Yt
期待
.同様 ,消費
上
見做
回答比率
一
考
想定
時系列的
同
述
点 問題点
平均 分散 特性
指数
μ
σ
上
与 ,確率変数 Y
与 方 恣意的
,a1 = 0,a2 = 0.5,a3 = 1,a4 = 1.5,a5 = 2
2倍
恣意性
,a5 = 1
作成
ai2 · r i − μ̂2
,
50.0
47.5
45.0
42.5
40.0
37.5
35.0
32.5
30.0
27.5
1985
1988
図7暮
以下
1991
向
1994
1997
四半期
9 四半期
月次
月次
変換
2009
2012
2015
,
後,毎月
変換
9,
Estima 社
向 ,
(2)収入 増 方,
(3)
,
(5)資産価値 関
導入
Dynamic Factor Model
四半期調査
2006
意識調査,
(1) 暮
雇用環境,
(4)耐久消費財 買 時判断,
3 月期
2003
:消費者意識指標 1985 年 1 月 - 2015 年 10 月
「消費動向調査」 対象
分析 進
2000
.「消費動向調査」 実際 調査
調査
変更
長期的 動向 見
WinRats
消費者意識指標 動向
利用
-37-
.
.
,
2004 年
補完
.図 7,図 8,図 9,図 10,図 11
経 済 学 研 究 第83巻 第1号
52.5
50.0
47.5
45.0
42.5
40.0
37.5
35.0
32.5
30.0
1985
1988
1991
図 8 収入
増
1988
1991
1994
1997
2000
2003
2006
2009
2012
2015
方:消費者意識指標 1985 年 1 月 - 2015 年 10 月
55
50
45
40
35
30
25
20
15
1985
1994
1997
2000
2003
2006
2009
図 9 雇用環境:消費者意識指標 1985 年 1 月 - 2015 年 10 月
-38-
2012
2015
サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
55
50
45
40
35
30
25
1985
1988
1991
図 10 耐久消費財
買
1994
1997
2000
2003
2006
2009
2012
時:消費者意識指標 1985 年 1 月 - 2015 年 10 月
55
50
45
40
35
30
25
1992
1995
1998
2001
2004
2007
2010
図 11 資産価値:消費者意識指標 1992 年 1 月 - 2015 年 10 月
-39-
2013
2015
経 済 学 研 究 第83巻 第1号
,将来半年先
比較
暮
消費財 買 時,資産価値 変動
意識 景気変動
.
向
消費者 意識 動向 示
関連 示
内閣府 公表
与 方
各意識指標
値
[0, 100]
.図 6
見
排除
異
,別
,a1 = 0,a2 = 0.25,a3 = 0.5,a4 = 0.75,
,
図示
,調査期間 少
.消費者意識指標 平均値 水準
,消費者
消費者意識指標間 相関関係
,資産価値 意識指標
異
.
景気 基準日付 参考
各消費者意識指標 統計的基本特性
.
合
良 ,収入 増 方,雇用環境 状況,耐久
与
,a5 = 1
分布 偏
場
与
平均的
値
50
.
表 1 消費者意識指標 基本特性
平均
標準偏差 中央値
暮
向
収入
増
方
雇用環境
耐久消費財
買
時
暮
暮
向
収入
増
4.2907
43.000
28.400
49.499
43.379
4.8578
42.614
31.700
51.660
38.796
9.5171
38.875
16.500
54.800
44.913
4.8401
45.758
28.200
52.317
表 2 意識指標 相関関係
向
収入 増 方 雇用環境
1.0000
表1
差
0.8976
1.0000
0.5539
0.6862
1.0000
0.4405
平均的
50 以下
.
基準日付 対比
基準日付
,指数
,雇用環境 先行
.表 2
線形的
,
1985 年
相関関係
対
.他方,
推察
他
示
変動
図 12
見
,公表
景気
示
,
指標 明確
3
,当然
.他方,雇用環境 関
,暮
暮
向
指標 ,企業
向 ,耐久消費財 買 時 指標
.
各消費者意識指標 単純平均
2015 年
悲観的
,雇用環境
消費者 反応 図 9
高 相関関係 示
低
意識
.標準偏
.
各意識指標 相関関係
生産活動 密接 関係
対
同一
大
見 取
収入,消費関連 指数 極
指数
先行
反応
範囲 雇用環境
一致
指摘
間
,消費者
向 ,収入 増 方,耐久消費財 買 時
大
時
1.0000
.特 ,雇用環境 先行
暮
買
0.5772
時
各意識指標
示
耐久消費財
0.9041
雇用環境
買
最大値
42.591
方
耐久消費財
最小値
示
-40-
総合化
消費者態度指数
.基準日付
関連
注目
.
転換
サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
点
類似
,2002 年,2003 年,2012 年 時点
2010 年以降
注意深
検証
必要
若干 相異
.特 ,
.
55
50
45
40
35
30
25
1985
1988
1991
1994
1997
2000
2003
2006
2009
2012
2015
図 12 消費者態度指数 1985 年 1 月 - 2015 年 10 月
各消費者意識指標 単純平均
見
考慮
MTV
作成
分析
消費者態度指数 ,
10 .
意味 持
利用
上
意識指標,
(2)収入 増 方 意識指標,
(3)雇用環境 意識指標,
買
時
意識指標
.資産価値
成分
結果
10MTV
0.7659
0.7659
第 2 主成分
0.6179
0.1545
0.9204
第 3 主成分
0.2962
0.0740
0.9944
第 4 主成分
0.0223
0.0056
1.0000
全体
図
75 % 強 説明
,
.実際,第 1 主成分
明
成分
.
同等 動
参照.
-41-
消費者意識
第 4 主成分
内閣府 景気基準日付 呼応
成分 消費者態度指数 比較
,刈屋 (1994b)
入
固有値
貢献度 累積貢献度
3.0637
判断
.
.
表 3 MTV
固有値
向
,
(4)耐久消費財
組
第 1 主成分
第 1 主成分
変動 包含
制約
(1)暮
循環的
変動 図 13
成分 第 1 主成分
示
.
間
経 済 学 研 究 第83巻 第1号
20
First
Second
Third
Fourth
10
0
-10
-20
-30
-40
1985
1988
1991
1994
1997
2000
2003
2006
2009
2012
図 13 MTV 第 1 主成分−第 4 主成分 1985 年 1 月 - 2015 年 10 月
4.0
Life
Income
Emp
Durable
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
2004
2006
図 14 基準化
2008
2010
2012
2014
消費者意識指標 2004 年 4 月 - 2016 年 3 月
-42-
2015
サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
相関係数
高 .
0.97
成分) 導出
消費者態度指数
見
化消費者意識指標
.先
述
.
基準化消費者意識指標
.
2004 年 4 月
景気 基準日付
異
,景気 先行
消費者意識指標
同様
向
,回答者
回答
想定
.以下,同様
場合
.
⎡⎢
r1t
⎢⎢ log 1−r1t
⎢⎢ log r1t +r2t
1−(r1t +r2t )
⎢⎢
r +r +r
⎢⎢ log 1−(r1t1t +r2t2t +r3t3t )
⎢⎢
r1t +r2t +r3t +r4t
⎣ log 1−(r1t +r2t +r3t +r4t )
.
,s t =
,
.
方(Income),雇用環境
2016 年 3 月
2000 年以降 景気実感
判断分布
,
「消費動向調査」 意識項目 場合 ,5
.
.図 14
増
基準
形
描
景気実感
.
2 節 日銀短観
.暮
成分(第 1 主
柔軟 対応
(Life),収入
見
5 可変
11 .
向
図
.特 ,公表
見
与 方
,暮
,耐久消費財 買 時(Durable)
(Emp)
示
個別意識指標 共通
4
√π 1 ,
3 σt
,状態空間
mt =
μ
√π t
3 σt
導出
分布
回答
zit > δ1 ,
�� st �� = �� 1
0
m
� t � �
想定
,r 1t +r 2t +r 3t +r 4t +r 5t = 1
良
回答
,基準化
⎤⎥
⎥⎥ �� −δ1
⎥⎥ �� −δ2
⎥⎥ = ��
⎥⎥ �� −δ3
⎥⎥
⎦ � −δ4
�
, st ,
近似
場合 ,δ1 < zit < δ2 ,
分布
1
�� v1t
��
�
1 � � st � �� v2
� + ��
��
1 �� mt
v
� �� 3
��
1 �
� v4
�
mt
想定
,
��
��
��
��
(3)
�
従
0 � � st−1 � � u1t �
��
�+�
�
1
m
u
� � t−1 � � 2t �
表現
次
(4)
.
yt = c � x t + vt
, y �t =
�
�� −δ1
� −δ2
c � = ���
�� −δ3
� −δ4
11
(5)
x t = Ax t−1 + ut
r1t
log 1−r
1t
分布
1
1
1
1
想定
r1t +r2t
log 1−(r
1t +r2t )
��
��
��
��
�
r1t +r2t +r3t
log 1−(r
1t +r2t +r3t )
st �
�
x t = ��
mt
�
�
佐伯 (2014)
r1t +r2t +r3t +r4t
log 1−(r
1t +r2t +r3t +r4t )
1 0 �
�
A = ��
0 1
�
�
参照.
-43-
仮定
�� v1t
� v2
vt = ���
�� v3
�
v4
��
��
��
��
�
�
,
u1t �
�
ut = ��
u2t
�
�
経 済 学 研 究 第83巻 第1号
2
0 ��
� � σ
��,vt ∼ N (0, Ω)
,ut ∼ N �0, � 1
0 σ22
��
� �
,Ω̂ 利用
.
,Ω̂ 対称行列
.
推定量
1
Ω̂ =
N
.
先 述
試
閾値
2004 年 4 月
示
閾値
暮
向
収入
適用 ,先
5
.推定 利用
,表 4
要素
⎡⎢
−1 ⎤
⎥⎥
5
i
⎫
�
�
⎪
⎪
⎢⎢ ⎧
⎪
⎪
⎨
⎬
ωi j (i ≥ j) =
r st
r st ⎪ ⎥⎥
⎢⎢ ⎪
⎪
⎪ ⎥
s=1
s=j+1
⎢⎣ ⎩
⎭ ⎥⎦
状態空間
指標 抽出
,加納 (2006)
,対角要素,右下側
,
「消費動向調査」 消費者意識項目
.
定
12.
項目
消費者意識
2016 年 3 月
.
表 4 閾値 推定値
方 雇用環境 耐久消費財
増
買
時
資産価値
0.436
0.4239
0.5469
0.5066
0.9328
δ2
0.1872
0.1422
0.2089
0.1458
0.4149
δ3
-0.2182
-0.2524
-0.0467
-0.191
-0.2231
δ4
-0.4144
-0.4185
-0.1969
-0.406
-0.4976
値 妥当
(−
.
,推定
消費者意識指標− 呼 ).
図
(Asset)
変動 表
消費者意識指標 図 15
買
時(Durable),
,特 ,雇用環境 変動
,
(5)資産価値
大
示 ,
2000 年以降 景気 変動 人々 景気実感 強 反映
意識指標
留意
.
導出
導出
μt
σt
各
平均
各意識指標
0
消費者意識指標 総合化
指数 導出
多様 方法 考
前節 適用
.
2013 年
景気低迷
2
指数 作成
成分
.5
.図 18
12実際 推定
,σ12 = 1
13 判断項目 回答 , 0 散見
.
点
側面 考慮
景気実感
95 % 説明
抽出
総合
指数(−
2008 年
-44-
値
変換
計算
.
続
判断
消費者態度指数
消費者態度指数− 呼 ) 描
小
得
5
,他方,第 2 主成分
見
,0.0001
基準化
消費者意識指標 適用
.第 1 主成分
景気回復
全変動
.
,景気指標
第 1 主成分 第 2 主成分 変動 図 16,図 17
消費者意識指標 景気実感 抽出
見
行 ,消費者態度指数 対応
方法 利用
MTV
示
,
(2)収入 増
向 (life)
(1)暮
,(3)雇用環境(Emp),
(4)耐久消費財
方(Income)
応
13 .推
δ1
推定
.
,
月次 情報 利用可能
5
2004 年 4 月
期間
従 ,Ω
対
サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
0.75
Life
Income
Emp
Durable
Asset
0.50
0.25
0.00
-0.25
-0.50
-0.75
-1.00
-1.25
-1.50
2004
2006
2008
図 15
2010
2012
2014
消費者意識指標 2004 年 4 月 - 2016 年 3 月
1.0
0.5
0.0
-0.5
-1.0
-1.5
2004
図 16 5
2006
意識指標
2008
得
2010
第 1 主成分
-45-
2012
2014
変動 2004 年 4 月 - 2016 年 3 月
経 済 学 研 究 第83巻 第1号
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
-0.2
-0.4
-0.6
2004
図 17 5
2006
意識指標
2008
得
2010
第 2 主成分
2012
2014
変動 2004 年 4 月 - 2016 年 3 月
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
-1.0
-1.5
-2.0
2004
図 18
2006
2008
2010
2012
2014
消費者態度指数 2004 年 4 月 - 2016 年 3 月
-46-
サーベイデータによる景気、消費者意識指標の分析
.
消費者態度指数
推移 明確 示
図
,
公表
,直近
前
,消費
最近 景気 山谷
関係
感
低下
長 景気低迷 示唆
,消費
短 期間
見 景気実
見 方
.
消費者態度指数 含
通
.
消費者態度指数
消費者態度指数 ,公表
,
,2012 年
.
後
点 利点
示唆
関係 示
点 示
以降 家計 景気実感
恣意性
家計 景気実感 表
自由
考
.
暫定的結論
6
本論文
景気分析
利用
.
景気分析
析方法 広
見
費動向調査」
焦点
当
指標 家計 景気実感 抽出
一
見
必要
景気指標 基
Stock-Watson
況感 抽出
状況
示唆
,本論分
最近
取 扱
極
.企業活動 視点
景気
順調
言
回復局面
導出
意味
厳
点 着目
抽出
基
.LBSI
制約 基
厳密
方法
各国
情報
時判断,資産価値
利用
比 利用
.
適用
取
上
景況感 抽出
-47-
LBSI
試
,
比 利用
,本論文
可変
「消費動向調
.
入
,5
適用
「消費動向調査」
.
特別
,判断項目
取
反応
可変
想定
応用範囲 広 点 指摘
特徴 消費者 意識調査 視点
買
分布
回答者
点 指摘
抽出
抽出
.
代表的 一
Michigan 大学 中心
境,耐久消費財
景気実感
分布 従
公表
調査
情報
分布
消費者意識指標,消費者態度指数
内閣府
示唆
,直近 国内景気 停滞
.他方,
,
景況感 抽出方法
査」
見 景
,大幅 金
転換
分布 想定
容易
可能
LBSI
.
与
景況感
景気動向
外部環境 悪化,円高等
景気回復 足取
着目 ,回答者 反応
5
全体 景気
出発
「日銀短観」
LBSI
Dynamic Factor
.
,2015 年 消費税増税 影響,海外需要 減少等
.
,新
指数
考慮
2013 年
円安効果
分
「消
意図
概観
2012 年
企業 国際競争力低下
転換
行
,2008 年
指標
融緩和策
再考
,抽出
.
関
特 ,内閣府 公表
再構築
指標
目的
,
消費者意識指標,消費者態度指数
視点
一
利用 広 行
点 注目 ,本論文
Model,可変
対応
考察
暮
回答
.
向 ,収入 増 方,雇用環
得
.本論文
.問題
内閣府
,一般 行
経 済 学 研 究 第83巻 第1号
方法
意味 明確
,
恣意性 残 点 指摘
消費者意識指標,消費者態度指数 抽出 行
者意識指標,
消費者態度指数 提案
以降 開始
,直接的 長期
蓄積
抽出
示唆
.
「消費動向調査」 月次調査
,提案
,2004 年 4 月
消費者態度指数 景気実感
指標
十分
意味
,可変
試 ,
利用
待
.次
消費
2004 年 4 月
指数 有効性
2016 年 3 月
基
消費者 意識,消費者 消費志向
.
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,岩波書店,1-21 頁.
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・
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,岩波書店.
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〔九州大学名誉教授〕
-48-
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