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資料1-2

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資料1-2
資料1−2
「愛知の教育を考える懇談会」中間報告に対する意見募集(パブリック・コメント)の結果
<意見募集期間> 平成16年3月31日∼4月30日
<意見提出件数> 45通
<意見の概要>
※ 提出された意見を要約し、項目ごとに整理したもの。
① 「基本認識」に関する意見 1
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愛知の教育が目指す教育理念が不明確。
行政が市民に向かって徳目を掲げ、それらを実行させる典型的な徳目主義・規範主義である。
目標としている「人間像」、「教育のあり方」が、管理主義的なものであり、これを家庭にまで拡大しようとしている。
子どもたちや学校がさまざまな困難を抱える一方で、ボランティア活動への意欲と参加の高まりなどの成長が顕著になっているが、その視点がない。
5 家庭、地域、学校、(これらをすべて規定している)企業社会の問題性に一切触れていない。
6 教育と発達に関する科学、教育に関する法律や国際条約などについての認識が欠落している。
7 子どもは大人のパートナー、しかも、子どもはこれからの社会の主人公であるという基本認識が不足しているように思われる。
② 「問題の所在」に関する意見 1
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教育を巡っての諸問題の原因が、なぜそうなっているかというつっこんだ論究がない。
県政や教育行政への検証が全くなされておらず、原因のほとんどを子ども本人、親、家庭、教職員に置いている。
家庭、学校については全面的に否定的な評価を列挙し、積極面を評価しようとしていない。
子どもの「規範意識の欠如」を家庭に一面的に押し付けているのはあまりにも酷である。
企業が労働者・家庭に与えているマイナス面は無視し、肯定的な評価を一方的に下している。
若者のボランティア活動への参加や社会問題への関心が高まっている。子どもや若者の一面的な評価は慎むべきである。
7 子どもたちは幼児期から、親の所得格差や学歴の差などにより二極化していることを、まず、現状として認識すべきである。
8 大人もがまんできない人が相当増えており、このような社会ではわがままな子どもが増えるのは当然のことと思う。
9 競争社会の中で親自身がゆとりがなくなっている。この解消をなくしては、ゆったりと子どもの話を聞くことはできないのではないか。
10 個性とわがままをはき違えている子どもが多い。それは親とメディアを中心とする社会の責任でもある。
11 自由や権利をはき違えたという前に、自由や権利について正しく教えているのか疑問である。
12 全般的に過保護の家庭が多く、各保護者の自覚が必要。
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13 学校が地域コミュニティーの中心になる新しい位置付けや施策が進んでいることが述べれられていない。
14 教員の過密な勤務実態やサービス残業によって支えられている異常な実態が明らかにされていない。(事務的雑用を減らし、生徒と向き合える時間を確保)
15 少人数学級が、近隣他県の取組に比べて遅れていることが述べられていない。(小・中・高で速やかに実施する)
16 授業時間の削減等による「ゆとり教育」が子どもの学力に差を生じている。
17 子どもの基礎学力の低下原因が深く究明されていない。
18 学力低下論によって、無意味に反復を強いられるような学習が、勉強嫌いにさせたり、社会的問題から子どもたちを遠ざけてきた。
19 創意工夫の余地が狭められたり、教員集団の相互援助的関係や同僚性を奪われたことが、意欲低下や力量形成を阻害している。
20 高校入試制度のありようがもたらす問題に全く触れられていない。(合格数を競う教育、自己中心的な意識の増幅、学校間格差の拡大、不本意入学等)
③ 「いじめ・不登校・非行など問題行動への対応」に関する意見 1 いじめ、不登校、ひきこもり、非行を総合的に捉えるとともに、競争と管理のシステム、現行の教育システムに深いメスを入れる必要がある。
2 「イマジネーションの不在」が深刻な問題。自分を客観的に見る力、相手を思いやる力を付けさせることが重要だと思う。
3 社会のルール、我慢、人の痛みを知る、という教育をしっかりと行うべき。先生には強い意志と信念をもって教壇に立ってほしい。
4 本当に子どもに真剣に向き合ってもらえる先生に残ってほしい。判定の際には児童生徒や父兄の意見を取り入れてほしい。
5 不登校や退学の経験をした生徒がまたやり直せるシステムを考えてほしい。
④ 「学校のきまりを守らせる仕組みづくり」に関する意見
1 子どもの規範意識の問題は、家庭だけの問題ではなく、社会全体が反省して子どもたちの手本になるようにしなければいけない。
2 昔の道徳教育に変わる人間教育が必要。
3 社会のルール、我慢、人の痛みを知る、という教育を小さな頃からしっかりと行うべき。先生には強い意志と信念をもって教壇に立ってほしい。
4 規則違反に対して、毅然とした態度で指導できない教師は不適格教師ではないのか。
5 児童生徒自身の規範遵守の状態や生活態度を学校での評価として、学業成績以上に内申に反映されるという強い姿勢が必要。
6 ほめる教育は子どもに力を与える。成績表の生活面の評価を学習面同様に評価したら、自信を持ち、学校が好きになる子どもが増える。
7 規範意識をしっかり身に付けさせるためにも、学校教育の中で子どもたちに自分たちの権利をしっかり教え、身に付けさせてほしい。
8 管理主義的な教育をより一層推進しようとするもの。自分たちの決まりは自分たちで作り上げていくという民主主義の観点が欠落している。
9 不必要な校則などの細かな管理によって、子どもの自主性は育たず、「独り立ち」にマイナスになっている。
10 学校の規則には親子とも納得していないような規則もある。生徒が反発するような規則は見直すべきではないか。
11 「学校のきまり」については、子どもの権利条約の条文に従って当事者である子どもたちも一緒に考えてつくるようにしてほしい。
12 自主的な活動が重視されれば、子どもたちは自然に「学校は自分たちのもの」と思い、大事にするようになる。
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13 しっかりした規範意識を持つためには、人間の尊厳に対する確固とした信念や、自由や権利に対する深い理解こそが必要。
14 多様な価値観を持った子どもに一方的な価値観を押し付けても難しい。情報を見極める力、自尊感情を育てていくなどの視点が大切。
15 規範意識の回復は、共同することが必要な社会や学校・学級・地域の再生と、子どもたちが規範について納得しながら作り出していくことが必要。
⑤ 「適切な人間関係を築く力の育成」に関する意見
1 学童保育や幼児∼中高生まで利用できるような、多様な児童館のようなものを設置する必要がある。
2 10代後半の若者たちに、仲間と共に新しい課題に挑戦したり、新しい可能性を発明する活動場所を社会的に確保することを追求する。
3 適切な人間関係を築くのに一番有効で今の子どもに不足しているのは、仲間同士の遊びである。
4 今の子どもに最も不足しているのは、他者との関わりである。学校や家庭だけでは不可能なので地域ぐるみで多世代交流の仕組みづくりが必要。
5 家族の代わりとなりうる地域コミュニティの形成が必要。幅広い年齢層との触れ合い、多くの人の目が幼児に届く社会の実現を望む。
⑥ 「親への教育(親育て)」に関する意見
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家庭のあり方まで行政が口を出すべきではない。行政は、各家庭が安心して生活できるような環境を整えるのが仕事である。
規範主義・しつけ重視の「型から入る教育」が、全面的に展開されている。
「親育て」に違和感がある。この時期に最も必要なのは「子育て支援」である。「親育て」は子どもができる前からの課題として捉えるべき。
親が会社での長時間勤務や単身赴任のために子どもとの時間が確保できないことなどがあるため、企業の長時間勤務などを規制することも必要。
父親が子育てに関わるのが当然だという社会全体の雰囲気づくりや、父親が子育てに関わる時間を取りやすい職場の環境づくりが必要。
6 女性の社会進出によって、育児に専念する時間が減っているので、両親が子育ての時間が取れるように制度を改めていく必要がある。
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「親育て」を行うには、地域社会づくりが先決である。当たり前のことを当たり前に実行することからだと思う。
子どもを育てる自覚と能力のない大人(親)が子どもをつくるため、虐待などの問題が発生する。大人に対する教育が不可欠。
親同士を結びつける取組はいいと思う。ただ、それが規範意識をしっかり身に付けさせることが目的だったら悲しい。
基本的なしつけは家庭の責任であり、学校に求めるのは本末転倒。家庭と学校との役割分担を明確にするべき。
核家族が多く、子育て中の母親は一人で悩んでいることが多いので、そうした母親を社会が支える仕組みを作ることも大切。
12 親が「しつけ」を「学ぶ」のではなく、親子が深くかかわり、子育てを学び合える活動を行政として支える必要がある。
13 愛知県が、厚生労働省、文部科学省といった縦割りの壁を打ち破った子育て支援策を推進することを期待する。
14 子どもの育ちという視点で見ると、乳幼児期からの継続した取組が大切だと思う。
⑦ 「学習指導体制の充実強化」に関する意見 1 教科書勉強にだけ学校の時間を削るのではなく、せっかく始まった総合的な学習の時間を有効に活用してほしい。
2 なぜ学ぶことが必要なのかを子どもに示すことが、子どもの意欲にとって大切だと思う。
3 教育課程の編成を学校ごとに工夫し、生徒の理解に合わせた教科課程の編成が求められる。
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教育内容の見直し。(英語を10年程度勉強した大卒者が外国人と全く会話もできない人が多い)
教員の事務的雑用を減少し、生徒と向き合える時間を確保する。
一人一人の子どもたちに目が行き届くよう、30人学級など1クラスの生徒数を減らす。そのために教員を増やす。
子どもの基礎的な学力が低下しているという指摘には同感。行政は条件整備として30人学級を推進すべき。
8 学校の施設や設備などを改善、充実する。教育予算を十分確保し、電気代や紙代節約など学校現場が四苦八苦しなければならないような状況を改善する。
9 先生の能力は当然であるが、やる気の有無に差があるため、先生に対する徹底した教育が必要。
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本当に子どもに真剣に向き合ってもらえる先生に残ってほしい。判定の際には児童生徒や父兄の意見を取り入れてほしい。
「学校の努力に報いる仕組みをつくる」は、学校ごとの独自の取組みを抑制したりしかねない。
教員評価が教員の処遇に結びつく制度は、教師間の協力・共同を破壊し、子どもの教育にとってマイナス。
民間の積極的な役割を軽視するものではないが、民間に任せれば改善するとの論には賛同できない。
⑧ 「学習意欲・目的意識を持つことができる高校教育」に関する意見
1 全ての児童生徒が進学していくという現状が適切な進路とはいえない。状態に合わせてバイパスを作っていくことも必要。
2 高等学校(普通科)の教育内容の見直し。(大学入試のみを目標とした予備校化傾向が強い)
3 入試制度を改善する。受験競争や塾通いなど、子どもに過度な競争や緊張を強いる複合選抜をやめる。
⑨ 「社会で役立つことの大切さを実感させる取組」に関する意見
1 就業体験や職業実習及び教育全般に企業・団体の積極的な協力が必要。
2 総合的な学習の時間の参画は、基本的に学校・教師・子ども・父母が中心になるべき。そのもとで、企業や大学、NPOがサポートに入るべき。
3 大人の働く姿を見せるのは必要だが、慎重を要する。(子どもに見せたくない親や友だちに見せたくない子どもがいる)
4 社会で役立つことの大切さと厳しさとあるが、子どもには厳しさではなく、喜びを実感させるべき。喜びは意欲を引き出す。
5 奉仕活動や家庭での手伝いを点数化しないでほしい。
6 零細・小企業の教育機能を認識し、企業主に対して商工会議所等の一層の協力活動を期待したい。
7 学んだこと、成長したことを社会で生かすよう条件の整備に行政,企業はつとめる。
⑩ 「教育委員会の機能強化」に関する意見 1 教育委員会の職員を校長に登用すれば、素人の民間人よりも知識があるし現場の苦労も分かってもらえるので良いのではないか。
2 責任を保護者、学校の教員に押し付けるだけでなく、教育行政の率直な自己点検が必要である。
⑪ 「愛知の特色・将来方向を踏まえた時代変化に対応する人づくり」に関する意見
1 これから始まる人口減少社会においては、地域の社会経済の活性化に役立つ人材の育成が必要。
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2 結果の平等ではなく、機会の公平を基本とし、才能や個性を伸ばす教育が求められるのではないか。優れたリーダーの育成を期待する。
⑫ その他の意見
1 小学校から大学までの教育の内容とシステムの抜本的な見直しが必要。(諸外国との比較、検討)
2 学校をもっと開かれたものにして父母や地域の住民と一緒に子育て、教育を進めていくことが大切。小中学校だけでなく高校も地域に開くこと。
3 学校整備再編計画の見直し、高校教育、障害児教育の充実について一切触れられていない。
4 ADHDなどの発達障害を持った児童生徒への支援を主体とした「適性学級」を増設することが必要。
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多くの保護者や教職員から尊敬される管理職が登用され、先生たちを引っ張ってほしい。
知事部局の各部署に教員や校長を配置することも含めたシステムを構築すれば、世間の動きに鈍い教員や校長の意識も改革される。
人間育成、人格形成には、十分に社会経験を積んだ者が教師として指導しなければならない。社会人からのセカンドキャリア採用が必要。
部活動は、団結力や忍耐力を付けるためには授業以上の効果があると思う。子どもの気持ちも配慮して顧問を決めてほしい。
21世紀を担う若い世代に、大人の叡智を結集して、生きていく素晴らしさをメッセージとして伝えるような提言を期待している。
10 事務局主導の運営であり、委員による自由な意見交換が保障されていない。
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