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Visual Studio Do-It-Yourself シリーズ 第 16 回 Chart

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Visual Studio Do-It-Yourself シリーズ 第 16 回 Chart
Visual Studio Do-It-Yourself シリーズ
第 16 回 Chart コントロール
著作権
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ASP.NET Do-It-Yourself 第 16 回は、ASP.NET 4 で新たに追加されたサーバー コントロールである Chart コ
ントロールについて学習します。Chart コントロールを利用することで、定型的なチャート画像を動的に生成で
きるようになります。以下は、Chart コントロールで対応している主なチャートの種類です。
・棒グラフ(積み上げ棒グラフ)
・円グラフ
・折れ線グラフ/階段グラフ/曲線グラフ
・レーダーチャート
・散布図/バブルチャート
・株価チャート
たとえば次の画面は Chart コントロールを利用して、データを棒グラフで表示している例です。今回、サンプ
ルとして作成するアプリケーションの実行結果です。
■データ ベースの準備
Chart コントロールはデータ バインド コントロールの一種です。つまり、GridView や ListView などのコン
トロールと同じく、データ ソース コントロールを経由することで、限りなくコーディングレスでデータベース
などの内容をチャート化することができます。
そこで今回も、第 5 回と同じく、まずデータ ソース コントロールを準備した後、Chart コントロールを使っ
たサンプルを作成していきます。利用するデータベースも、第 5 回同様、Northwind データベースです。あら
かじめローカルマシンにセットアップした上で、第 5 回の手順に従って、サーバー エクスプローラに
Northwind データベースへの接続を追加してください。
■データ ソース コントロールの準備
Chart コントロールとデータ ソース コントロールとを関連づける方法には、さまざまな方法があります。具体
的な手順については、第 4、5 回でもいくつか示していますので、合わせて参考にしてください。今回は、いく
つかある手順の中で、Chart コントロールのスマート タグ (タスク メニュー) からデータ ソースを関連づけ
る手順について見ていきます。
既存のプロジェクトに対して、新規に Chart.aspx という名前で Web フォームを作成したら、このページに
Chart コントロールをドラッグ&ドロップします。Chart コントロールは、ツール ボックスの [データ] タブ
に含まれています。
Chart コントロールを配置すると、コントロールの右肩にタスク メニューが表示されますので、[データ ソー
スの選択:] から <新しいデータソース...> を選択してください。
上の図のようなデータ ソース構成ウィザードが表示されますので、以下の表に従って、必要な情報を入力して
ください。データ ソース構成ウィザードの詳細については、第 4 回の内容を参照してください。
項目
設定値
データの種類
データベース
データソース ID
sds
データ接続の選択
(コンピュータ名)\sqlexpress.Northwind.dbo
接続文字列の名前
NorthConnect
カスタムステートメント
SELECT CategoryID, AVG(UnitPrice) AS AvgPrice, MAX(UnitPrice) AS MaxPrice,
MIN(UnitPrice) AS MinPrice FROM Products GROUP BY CategoryID
第 4 回では、ごくシンプルな SELECT 命令を作成しただけでしたので、テーブルを直接に選択しましたが、
今回のような集計を伴うような命令は自分で SELECT 命令を記述する必要があります。
上の画面で、
「カスタム SQL ステートメントまたはストアド プロシージャを指定する」を選択し、 [次へ] ボ
タンをクリックすると、以下のような [カスタム ステートメントまたはストアド プロシージャを定義する] 画
面が表示されます。[SQL ステートメント] 欄に、表のような SELECT 命令を入力してください。この SELECT
命令は、Products テーブルから CategoryID 列 (製品カテゴリ) の単位にグループ化し、UnitPrice 列 (単価)
の平均、最大値、最小値を求める、という意味です (最大値、最小値については、あとから利用します)。
自分で一から SQL 命令をタイプしたくないという場合には、ダイアログ右下から [クエリ ビルダー...] ボタ
ンをクリックすると、以下の図のようなクエリ ビルダーが起動します。クエリ ビルダーを利用すると、Access
ライクな操作で SQL 命令をより直感的に作成できます。
■Chart の基本情報を設定する
Chart コントロールにはさまざまなプロパティが用意されていますが、最低限設定しなければいけない情報は、
チャートの種類と、X、Y 軸にバインドするデータ メンバーです。これらの情報はプロパティ ウィンドウから
も設定できますが、タスク メニューを利用すれば、より手軽です。
Chart コントロールを選択し、右肩の [>] アイコンをクリックすると、タスク メニューが開きますので、そ
れぞれ以下のように必要な情報を設定してください。
項目
設定値
グラフの種類
Column(棒グラフ)
X 値メンバー
CategoryID
Y 値メンバー
AvgPrice
これで、Chart コントロールは分類 (CategoryID 列) を X 軸に、平均単価 (AvgPrice 列) を Y 軸に割り当
てた棒グラフを生成します。プロジェクトを実行すると、冒頭の図のように、Products テーブルの内容が棒グ
ラフとして表示されることが確認できます。
■さまざまな種類のチャートを確認する
先ほどのタスク メニューから [グラフの種類] を変更することで、表示するチャートの種類を自由に変更でき
ます。たとえば、折れ線グラフを表示するならば、 [グラフの種類] に "Line" を選択するだけです。以下は、
その実行結果です。
ただし、チャートによっては Y 軸に対して複数のメンバーをバインドする必要があるものもありますので、注
意してください。たとえば、範囲グラフ (Range) では、範囲の上限、下限を表すメンバーをあらかじめ決めて
おく必要があります。タスク メニューから、以下の表のように値を変更してください。
項目
設定値
グラフの種類
Range(範囲グラフ)
X 値メンバー
CategoryID(※変更なし)
Y 値メンバー
MaxPrice、MinPrice
複数のメンバーを適用するチャートを選択した場合、[Y 値メンバー] は以下の図のようにチェック ボックスで
複数のメンバーが選択できるようになります。
この状態でサンプルを実行すると、以下の図のように単価の上限、下限をそれぞれの境界値として範囲グラフが
確認できます。
■複合グラフを作成する
ひとつのチャート エリアに複数のチャートを描画することもできます。このようなチャートのことを複合グラ
フと言います。
たとえば、最初に作成した棒グラフに、単価の最大値を表す折れ線グラフを追加してみましょう。これには、プ
ロパティ ウィンドウから Series プロパティを選択し、その右端の [...] ボタンをクリックします。
表示された [Series コレクション エディター] ダイアログは、Chart コントロールの中でチャートそのもの
(系列) を表す Series オブジェクトを設定するためのダイアログです。既に "Series1" という名前で Series
オブジェクトが存在しますが、これはタスク メニューから作成済みの棒グラフを表すものです。
チャートを追加するには、ダイアログ左下の [追加] ボタンをクリックしてください。"Series2" という名前の
Series オブジェクトが追加されますので、右のプロパティ シートから以下の表のように必要な情報を入力して
ください。
プロパティ
概要
設定値
ChartType
チャートの種類
Line
XValueMember
X 軸に関連付ける列
CategoryID
YValueMembers
Y 軸に関連付ける列
MaxPrice
[Series コレクション エディター] ダイアログを閉じて、サンプルを実行してみましょう。以下の図のように平
均単価が棒グラフで、最高価格が折れ線グラフで、それぞれひとつのチャートに表示されていることが確認でき
ます。
■Chart コントロールのその他の設定
その他、チャートを描画する際に欠かせないタイトルや軸、凡例について、それぞれ基本的な設定の手順を見て
おきましょう。
●タイトルを追加する
タイトルを追加するには、プロパティ ウィンドウから Titles プロパティを設定します。
Titles プロパティ右端の […] ボタンをクリックすると、[Title コレクション エディター] ダイアログが起動
しますので、ダイアログ左下の [追加] ボタンで Title オブジェクトを追加した上で、ダイアログ右のプロパテ
ィ シートから表の要領で必要な情報を入力してください。
プロパティ
概要
設定値
DockedToChartArea
特定のチャート領域にタイトルをドッキングさせるか
NotSet
Docking
タイトルの表示位置(Position プロパティが Auto の場合のみ有効)
Top
Text
タイトルを表すテキスト
製品価格
Chart コントロールでは、ひとつのコントロールでチャートの描画領域(チャート エリア)を持つことができ
ま す 。 デ フ ォ ル ト で タ イ ト ル は Chart コ ン ト ロ ー ル 全 体 の タ イ ト ル と し て 関 連 づ け ら れ ま す が 、
DockedToChartArea プロパティを設定することで、特定のチャート エリアにタイトルを関連付けることがで
きます。以下は、それぞれ DockedToChartArea プロパティを NotSet (未設定) に設定した場合 (左)、
ChartArea1 に設定した場合 (右) の結果です。ChartArea1 は、Chart コントロールにデフォルトで用意され
ているチャート エリアです。
●凡例を設定する
凡例は、Legends プロパティから設定できます。
Legends プロパティ右端の […] ボタンをクリックすると、[Legend コレクション エディター] ダイアログ
が起動しますので、ダイアログ左下の [追加] ボタンで Legend1 という名前の Legend オブジェクトを追加
します。これでチャート画像に凡例が追加されました。
しかし、この状態では凡例には意味のない Series1、Series2 のような名前が表示されているだけですので、系
列単位の名前を設定する必要があります。これには、先ほども利用した [Series コレクション エディター] ダ
イアログから行います。今ある Series オブジェクト Series1、Series2 の Name プロパティに対して、それ
ぞれ「平均価格」
「最高価格」と設定します。
これで凡例にも対応する系列の名前が表示されるようになります。
●軸を設定する
軸を設定するには、プロパティ ウィンドウの ChartAreas プロパティ右端の […] ボタンから [ChartArea コ
レクション エディター] ダイアログを開きます。[ChartArea コレクション エディター] ダイアログは、チャ
ート エリアに関する情報を設定するためのダイアログで、たとえばチャート エリアの背景色や軸、3D 表示の
設定などを行えます (デフォルトでは ChartArea1 という名前で、ひとつだけチャート エリアが設定されてい
るはずです)。
ここでは軸の設定を行いたいので、 ダイアログ左から ChartArea1 を選択した状態で、右のプロパティ シー
トから Axes プロパティ右端の […] ボタンをクリックしてください。
[Axis コレクション エディター] ダイアログが開きます。このダイアログでは、X axis、Y (Value) axis とい
う標準の X 軸、Y 軸と、Secondary X axis、Secondary Y axis という予備の X 軸、Y 軸が既に用意されて
います。予備の X 軸、Y 軸は複合グラフで異なる単位のチャートを描画したい場合に利用するもので、今回は
使用しません。今回は最低限、標準の X 軸、Y 軸に対して、以下のような設定を行っておきます。
Axis
プロパティ
設定値
X axis
Title
製品分類
Y (Value) axis
Title
価格
ScaleBreakStyle - (Enabled)
True
ScaleBreakStyle – Enabled サブプロパティは、スケール区切りを有効にするかどうかを決定します。この機
能を有効にすることで、一部の値が大きい (小さい) 場合にも軸の一部を省略できますので、限られた描画領域
を有効に利用できます。以下が、設定後の実行結果です。
■まとめ
今回は、ASP.NET 4 で追加された Chart コントロールの基本的な使い方について紹介しました。Chart コント
ロールはとてもリッチなコントロールでもあり、目的に応じて、実にさまざまな表現を実装できます。本稿の内
容を手掛かりに、自分でもあまたある Chart コントロールの諸機能に触れてみてください。
次回は QueryExtender コントロールについて学習します。
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