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石炭取引交流会 - 日中経済協会

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石炭取引交流会 - 日中経済協会
日中長期貿易協議委員会 石炭取引交流会
報
告
書
開催日時:2012年12月18日(火)
14:00~18:10
開催場所:北京・中国中煤能源集団有限公司 会議室
日中長期貿易協議委員会 石炭取引交流会
(中日长期贸易协议委员会 煤炭贸易交流会)
1.開催趣旨
本来、2012年中に中国杭州市で開催予定であった「第31回石炭関係総合
会議」は昨今の事情により延期したが、日中石炭関係者によるコミュニケーショ
ンの継続は重要であるとの双方の一致した認識により、今年度の石炭会議に代わ
るものとの位置づけで、ごく少数の関係者のみによる情報交換の場としての開催
した。
2.開催日時:2012年12月18日(火) 14:00~18:10
3.開催場所:北京・中国中煤能源集団有限公司 会議室
4.参加者〔敬称略〕
【中国側】呉
軍 中国中煤能源集団有限公司銷售公司 総経理《本団中国側代表》
吉 暁 旭 商務部亜州司 三等書記官
王
晨 神華香港国際貿易有限公司 輸出部副経理
李 貴 明 大同煤礦集団煤炭運銷総公司 副総経理
薄 志 安 山西焦煤煤炭銷售総公司輸出公司 業務経理
薛 文 旭 山西焦煤煤炭銷售総公司輸出公司
張
紅 淮北礦業股份有限公司煤炭運銷分公司 副総工程師
瀋
忱 北京昊華能源股份有限公司 運銷部副部長
朴 昌 国 中国中煤能源集団有限公司 駐日本代表事務所代表
王 佩 軍 中国中煤能源集団有限公司 駐日本代表事務所
許
尭 中国煤炭進出口公司 営銷部副経理
沙
明 中国中煤能源集団有限公司 進出口部経理
文
軍 中国中煤能源集団有限公司 進出口部副経理
韓
爽 中国中煤能源集団有限公司 進出口部進出口経理
【日本側】稲葉 健次 日中長期貿易協議委員会 事務局長《本団日本側代表》
一般財団法人日中経済協会 専務理事
谷水 一雄 新日鐵住金株式会社 原料第一部長
木伏 正克 太平洋セメント株式会社 資材部長
田中 浩介 電気事業連合会 企画部副長
宗井 克明 石炭資源開発株式会社 事業部中国グループグループ長
-1-
山本 栄子 石炭資源開発株式会社 事業部中国グループ副長《通訳》
吉田 泰優 石炭資源開発株式会社 事業部中国グループ主任
葛西
敦 日中長期貿易協議委員会 事務局
一般財団法人日中経済協会 事業開発部兼業務部参与
【現地参加】松岡 豊人 東京電力株式会社 北京事務所長
石 小 華 東京電力株式会社 北京事務所
大沼 秀雄 出光能源諮詢(北京)有限公司 副総経理
吉井 文吾 一般財団法人日中経済協会 北京事務所所長代理
邵 程 亮 一般財団法人日中経済協会 北京事務所秘書《通訳》
-2-
5.議事録
呉軍総経理:まず、中国側からの出席者をご紹介いたします。
商務部アジア司の吉さん、神華集団の王晨さん、山西焦煤の薄志安さん、薛文旭さ
ん、淮北礦業の張紅さん、北京昊華能源の瀋忱さん、大同煤礦集団の李貴明さんは渋滞
で少し遅れて到着します。中煤集団駐日首席代表の朴昌国、王佩軍、販売公司の沙明、
文軍、韓爽、中煤進出口公司の許尭、私は販売公司の呉軍です。では日本側のほうを
お願いいたします。
稲葉事務局長:本日はこうした、長期貿易の下における『石炭取引交流会』を、呉軍
先生を初めとして中煤の皆さまのご尽力で開催されたことを大変ありがたく、うれし
く思います。
それでは日本側の参加者をご紹介いたします。
新日鐵住金原料第一部長の谷水さんです。太平洋セメント資材部部長の木伏さんで
す。電気事業連合会企画部副長の田中さんです。石炭資源開発中国グループ長の宗井
さんです。同じく石炭資源開発中国グループ副長の山本さんです。石炭資源開発中国
グループ主任の吉田さんです。また、北京に駐在されている方も参加されておりまし
て、東京電力北京事務所長の松岡さんです。東京電力北京事務所の石さん。出光能源
諮詢(北京)有限公司副総経理の大沼さんです。あとは私ども事務局のものですが、葛
西、吉井、通訳をしている邵です。私は日中経済協会専務理事で長期貿易委員会では
事務局長を務めております稲葉です。
呉軍:ありがとうございました。
本日の会議は6つの議題があります。どうでしょうか、もしぴったりこなければ調
整することも可能です。1つ目は中国側代表による挨拶、2つ目は稲葉事務局長から
日本側ご挨拶、3つ目が中国側企業代表からの現状報告、10分間の休憩を挟み、4
つ目が日本側の代表の皆さんからのご発言、5つ目が意見交流、6つ目が双方代表に
よる総括。こんな感じでどうでしょうか?
稲葉:今の呉軍さんがおっしゃったような形でよろしいと思いますが、確認ですが、
日本側の発言があった後「交流」とおっしゃいましたが、そこは意見交換とか質疑応
答というふうに考えてよろしいですね?
呉軍:けっこうです。
中日長期貿易協議委員会石炭貿易交流会での講演
(中国中煤能源集団有限公司銷售公司総経理 呉 軍)
皆さん、こんにちは。
先ず北京での日中長期貿易協議委員会石炭貿易交流会への皆様のご参加を歓迎申し
-3-
上げます。今年秋に杭州で開催が予定されていた第31回日中石炭関係総合会議は予
定通りの開催ができませんでしたが、毎年一回の総合会議の重要性と連続性を考慮し、
私たちは皆さまをここにお迎えし、今年の日中長期貿易協議委員会プロジェクト下で
の石炭貿易について有意義な交流を行うことにいたしました。
次に私は中国側を代表して、業界が関心を寄せる問題について、簡潔にお話し申し
上げます。
2012年以来、国際的な政治経済環境は複雑で変化が多く、国内の経済発展が直
面する困難が増加しています。ますます激しくなるヨーロッパの債務危機と引き続く
世界経済の低迷の影響を受け、中国経済の成長速度は多少緩まり、経済への下押し圧
力は増大し、2012年のGDPの成長速度は7.7%と予測されます。経済の成長
速度はある程度落ちていますが、経済の成長速度、物価と雇用の三大関係は全体的に
調和し、経済成長の下げ幅は四半期ごとに縮まり、第一、二、三次産業の構造だけで
はなく、内需と外需の構造も良い方向に向って転換し、経済運営は全体的には緩慢な
中の安定、安定の中の前進、構造改善の特徴が現れています。わが国の経済成長速度
は今年第3四半期に底を打ち、第4四半期には小幅な反発に入り、年間経済成長の各
種目標を全面的に達成できると予測され、しかも2013年の経済成長速度は今年を
上回り、8%ほどに戻ると見込まれます。
2013年の政策環境で影響の比較的大きな要素は発電用石炭価格の改革で、国は
2013年に石炭の生産と運営は「重点契約を廃止し、発電用石炭価格一本化を実行」
する改革と連携させることをほぼ明らかにしており、具体的には連携の中で、今後は
石炭企業の一部重点業界への販売量を規定せず、また相応の価格関与措置をも自由化
することで、これは石炭企業が市場内の主体的役割を発揮することに役立ちますが、
また供給・需要企業が生産と運営の連携を必要とする中で数量と価格決定に多くの不
確定性をもたらします。
輸出入環境から見ると、国の「両高一資」(高エネルギー消費、高排出及び資源関連)
類の製品輸出制限の基本政策の緩和はあり得ず、石炭の輸出入政策もあまり大きな調
整はないでしょう。それ以外に、国は石炭資源税に対する改革はすでに長期にわたっ
て調査研究を行い、まだ正式に推進されてはいませんが、改革の歩みは一度も停止し
たことがありません。しかし当面、マクロ経済情勢が比較的低迷している状況の下で
は、国の石炭資源税改革の推進は非常に慎重になると予想されます。
マクロ経済の成長速度は減速し、主な業界の石炭需要増加速度が落ち、石炭の供給
量が増加し、石炭の輸入量が引き続き一定規模を維持しているマクロ環境の下で、加
えて発電用石炭の市場化改革など、2013年の石炭市場は非常に不確実性があると
予測されます。第一には石炭の供給が需要を上回るプレッシャーが増大し、買い手市
場の環境の下で生産企業は厳しい試練に直面するでしょう。第二には生産と運営の連
携が必要な中で供給者と需要者双方の来年の石炭市場に対する判断におそらく比較的
大きな不一致が生じ、長期貿易協議委員会取決め価格については相反する予想すら現
-4-
れ、発電用石炭の価格交渉では非常に膠着した困難な状況がもたらされるでしょう。
現在の市場の状況から見ると、国が何度も電力価格を引き上げ、石炭市場システム
が次第に完備され、市場の石炭と重点契約の石炭価格の価格差が大幅に縮小するマク
ロ的な背景の下で、発電用石炭価格の完全な市場化を実施する各条件がすでに熟しつ
つあります。発展改革委員会は契約石炭価格決定方式に対して改革を行い、石炭価格
の決定権を市場に引き渡すでしょう。現在の市場の石炭と契約石炭の価格差はすでに
非常に微小で、改革後の「長期貿易協議委員会取り決め石炭価格」の変動幅もあまり
大きくならないと予想されます。
2012年から、国内のマクロ経済は深刻に低迷し、それにより粘結炭市場ニーズ
の妨げとなり、粘結炭価格の変動は比較的激しくなっています。10月以来のコーク
ス用石炭市場は比較的活発で、港湾の石炭価格もある程度上昇しています。しかし全
体的に見ると、供給不足は短期の石炭価格形成の支えにしかなりません。短期的な効
果が終わった後の粘結炭価格の動きは依然として鉄鋼業界の需要が続くか否かで決定
されるでしょう。現在の状況から見ると、国内の鉄鋼業界の低迷した運行の態勢に実
質的な転換が現れるのは難しく、今後のコークス用石炭価格の動きは楽観を許しませ
ん。
2003年から、中国の石炭工業は10年の高速成長期を経て、中国国内の価格は
ずっと高値で進行して来ましたが、国際石炭市場はこれより相対的に安定していまし
た。国内外の価格が深刻に逆転する状況の下で、石炭輸出は大幅に萎縮し、2011
年の輸出はわずか1,188万トンで、今年の輸出量は900万トンのレベルと予想
されます。逆に2007年からは、中国の石炭輸入量の大幅な増加が業界の普遍的な
注目を集めています。2011年の輸入量は1.82億トンで、今年は10ヵ月間で
すでに2.25億トンを輸入しました。現在の情勢から見ると、中国のマクロ経済の
成長速度は依然として減速しており、国際石炭価格はすでに先行して下落しています。
11月下旬までに、目安となるBJ指数価格は86ドルほどまで下がり、前年同時期と
比べてすでに30ドル近く下がりました。一方、世界の主要な経済大国を横並びに比
較すると、中国経済は依然として比較的力強く、2014年以前に国内の鉄道輸送力
が依然として逼迫していること、沿海地区の石炭需要に依然として増加傾向が現れて
いることを考慮すると、石炭輸入量の安定を保つことが比較的現実的な選択でしょう。
中国の石炭輸入増加の推進力は国内の供給不足ではなく、国内外の市場に存在する
比較的大きな価格差で、中国のユーザーは更に低コストの供給を求め、国内外の販売
価格差の変化が輸入規模を決定付けています。ここからは、中国の石炭市場は国際石
炭市場の重要な構成部分であり、国際石炭市場と非常に密接な関係を持っていること
が容易に見てとれます。国際市場価格が中国の石炭輸出入数量を決定付け、中国の石
炭輸出入数量が国際市場の需給関係に影響し、同時に中国国内の石炭価格も国際石炭
市場の価格レベルに影響して、二つの市場の価格にはリンク効果が存在します。国際
市場は中国市場の影響力をますます多く感じています。
-5-
日中LT石炭貿易は現在まですでに30年余りの道のりを歩み、LT石炭貿易の「長
期・安定」の主旨は過去の貿易の中で双方いずれにも利点をもたらし、中国の石炭供
給企業と日本のユーザーの共通の利益に合致していました。しかし客観的状況が次第
に転換するに従って、取引の双方が更に市場に接近し、これも市場の法則が現在の石
炭貿易でますます重要な役割を果たしており、双方にメリットのある貿易こそが更に
安定し、長期にわたることができるということを証明しています。したがって、私は
日中双方のLT石炭貿易の窓口組織として、更に効果的な協議メカニズムを作り上げ、
常に意見を交換し、問題解決の手段と方法を絶えず求め、日中LT石炭貿易の健全な
発展の推進に努力するよう希望しております。
日中長期貿易協議委員会石炭貿易交流会での挨拶
(日中長期貿易協議委員会事務局長 稲葉健次)
尊敬する呉軍先生、ご臨席の皆様。
日本側参加者を代表し、一言ご挨拶申し上げます。
「日中石炭関係総合会議」は、申し上げるまでもなく、日中長期貿易協定の枠組み
の下、1981年より両国の安定した石炭取引実現のため開催されてきた、歴史ある
会合です。
本年は、第31回会議を浙江省杭州市で開催する予定でありましたが、日中関係の
かつてない困難な局面の中、延期を余儀なくされました。
しかし、本日ここに、両国の関係者が一堂に会し、石炭取引に関して情報と意見交
換を行う交流会を開催する運びとなったことは、大変意義深いことと考えております。
中煤能源集団有限公司はじめ、会合の実現にあたりご尽力下さった皆様に、感謝申し
上げます。
日中経済協会は先月、今日の事態の中で、
「日中友好の大局に立ち不正常な事態の早
期打開を」と題する緊急提言を発表し、
「求同存異」を基本とし、事態の早急な改善を
日中両国政府に呼びかけたところです。日中両国の先人が築いた信頼と友好の関係を
壊してはならないとの基本認識は、本日ここに集まったわれわれ一同共有しているも
のと確信します。本日の交流会が、来年の第31回総合会議開催の重要な一歩となる
ことを願っております。
さて、世界のエネルギー動向に目を向けますと、米国に始まったシェールガス革命、
福島原発事故を契機とした再生可能エネルギーをはじめとするエネルギーの多様化や
原子力依存からの脱却の動きは、今後の世界のエネルギー情勢を大きく変化させる可
能性があります。
とはいえ、中国をはじめとする新興国が牽引する世界のエネルギー需要増加におい
て、石炭への依存は依然として大きく、日本エネルギー経済研究所の推計では、石炭
需要は2010年の50億トンが2035年には70億トンへと拡大する、とされて
います。
最近中国が発表した「エネルギー発展12-5計画」では、石炭を含む多様な資源
-6-
の探鉱・開発強化とともに、エネルギーの効率的、クリーンな利用の推進が強調され
ており、民間セクターの参入を睨んだ改革と規制緩和も提起されています。より効率
的で低公害の石炭燃焼技術の開発・導入普及が、今後の石炭産業の持続可能な発展の
鍵となっております。
日本では福島原発事故を契機に、エネルギー政策の見直しが国民的な議論を呼ぶ中
で、石炭については、環境により配慮した世界最先端の利用技術の実用化と普及が注
目されています。
こうした情勢下において、日中石炭取引は、資源の安定的供給の枠組みに留まらず、
両国間でよりクリーンで高効率な石炭の利用技術の普及を進める、大きな契機となる
ものと存じます。
日中長期貿易の枠組みにおいても、日本の省エネ等技術交流促進部会が中国商務部
との間で、汚水・汚泥の処理や循環経済促進などのテーマに関して、日中両国政府と
日中経済協会が主催し、これまで7回開催されている「日中省エネルギー・環境総合
フォーラム」を活用しながら、協力プロジェクト創出に努めております。
来年は日中平和友好条約締結35周年にあたります。日中双方で発足する新政権が、
信頼関係を再構築し、事態の早急な改善のための対話を進めることを期待します。
最後に、本日の交流会が、安定した石炭取引を実現し、日中長期貿易に活力を与え
る新たな協力の可能性を探るよい機会となり、また、来年の「第31回日中石炭関係
総合会議」開催の重要な契機となることを願い、ご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。
中日長期貿易協議委員会石炭貿易交流会での発言概要
(神華香港国際貿易有限公司輸出部副経理 王 晨)
今年の石炭市場はマクロ経済の低迷、石炭需要の全体的低調、同時に輸入石炭の激
増、水力発電の増加、劣悪な天候が頻発する影響を受け、全体的な販売に軟調状態が
現れましたが、この間小幅な安定回帰の局面も出現しました。最近、国が経済刺激政
策と石炭生産制限指導政策を打ち出しましたが、経済政策効果が現れるにはまだ静観
が必要で、生産制限政策の影響はまだ明らかではありません。集団公司が年初に下し
た販売グループの各任務指標は、相応の調整と審査削減が行われていませんが、販売
グループの全従業員が市場のプレッシャーに耐え、販売任務を比較的良好に達成しま
した。
第1~3四半期の販売統計数量は4.5億トンで、年間では6.2億トンの達成が
見込まれます。
神東鉱区の生産は今年1.5億トンの達成が見込まれ、そのうちLT銘柄である楡
家梁鉱山の生産量は1,600万トンです。今年は市場ニーズに対応するため、一部
の炭鉱が生産調整を行いました。例えば大柳塔炭鉱は今年9月に大柳塔炭鉱洗炭工場
の改造をおこない、大柳塔炭鉱と活鶏兎炭鉱が一ヵ所の洗炭工場を共用することはな
-7-
くなりました。現在、大柳塔炭鉱は粒度200mmの洗浄優良塊炭の生産が可能となり
ました。
神東鉱区の2013年度の生産計画は1.9億トンで、楡家梁は1,700万トン、
大柳塔は1,900万トンとなっています。
香港公司は2011年5月正式に設立され、主な業務内容は石炭の輸出入で、同時
に第三国貿易、通過貿易及び化学製品の輸出入などの業務分野にも携わっています。
旧輸送販売公司の輸出業務は香港公司が代わって行なっています。
国際市場の需要低迷の影響を受け、国際価格下落の幅とスピードは国内販売よりは
るかに大きく、今年の国際市場価格と国内市場価格の非常に深刻な逆転状況をもたら
しました。これに加えて輸出関税の影響が今年の輸出情勢を極めて困難にしています。
多数のユーザーが数量を減らし、日中長期貿易協議委員会では成約さえされていませ
ん。
香港公司の輸出数量330万トン、輸入2,440万トン。日本向け輸出は168
万トン、韓国向けは108万トン、台湾向けは50万トンです。黄驊港からの海運量
は188万トン、天津港からの海運量は142万トンあります。
長期にわたって、神華は日中LT貿易の枠組みを非常に重視し、日中LT貿易の健
全な発展に大きな期待を寄せて来ました。当社としては非常に遺憾なことに本年度の
LTは成約できませんでしたが、今後、LTがある程度回復し、日中石炭貿易の重要
な橋渡しの役割を引き続き発揮するよう心から希望いたします。
当社は一貫して輸出市場を重視し、国外ユーザーの選択を尊重しています。来年の
輸出数量計画は今年と一致していますが、ユーザーと市場に対する考え方が一致する
前提の下では、適切な時機に輸出数量を増加することも可能です。
『中日長期貿易石炭貿易交流会での発言』
(大同煤礦集団煤炭運銷総公司副総経理 李貴明)
大同煤礦集団は1980年代にLTのメンバーとして参加し、重要な石炭供給者と
なりました。大同炭はローアッシュ、ローサルファ、高熱量の石炭で、供給が安定し
ており、ユーザーから好評を得、双方は長期的・友好的な取引関係を築いてきました。
2010年の輸出は93万4900トン、2011年が27万1300トン、20
12年には14万3400トンとなっています。
今年の国内契約改革としては、市場に出回る石炭と重点契約用の石炭を一緒にし、
価格のメカニズムを変更し、格差解消しました。現在、石炭各社とも政府が決めたル
ールに従い、契約交渉を行なっています。
国内市場は今年下半期初めの下落状態から持ちなおし、今は安定し、価格は少しず
つ回復傾向にあります。
-8-
現在、秦皇島の船積み価格は640元前後となっています。来年の市場価格も安定
的に推移するものと思われ、今年の国内価格交渉も、市場価格のレベルに基づき交渉
を行っているところです。
国際市場価格は中国国内市場価格を下回っており、これにより、輸入炭が増加し輸
出量が減少しています。このため、石炭輸出は不確定性を増しています。
大同煤礦の生産状況は、2012年の生産は1億3千万トン、2013年の生産計
画では1億5千万トンとなっています。
LTに対する販売原則と提言を述べさせていただきます。
国内市場価格が国際市場価格を上回っていることにより、基本的な販売の原則とし
ては、価格の高いマーケットに販売したいと思っています。しかし、日本とは友好的
協力関係があり、二つのマーケットの条件が近いレベルであれば、日本向けを優先的
に確保したいと考えています。これによってLT貿易の健全な発展に貢献できるもの
と思います。
『山西焦煤集団有限責任公司紹介』
(山西焦煤銷售総公司輸出公司業務経理 薄志安)
山西焦煤集団有限責任公司(以下「山西焦煤」)は、国家計画の大型石炭拠点基幹企
業14社の一つで、中国最大のコークス用炭生産企業、コークス用炭市場の主なサプ
ライヤーであり、石炭生産量が全国で2番目の1億トン、売上高が1千億元を超える
「双億(2つの億)」レベルの石炭企業です。
山西焦煤は2001年10月に創立された山西省の国有独資企業で、本社は太原市
にあり、傘下には西山煤電、汾西礦業、霍州煤電、華晋焦煤、山西焦化、販売総公司、
国際発展、国際貿易、投資公司、財務公司、公益事業公司、道路物流公司、日照公司、
愛鋼公司、交通エネルギー投資公司など15社の子会社と支社を設け、山西西山煤電
股份公司と山西焦化股份公司の2社のA株上場企業を所有しています。
山西焦煤は石炭、コークス化、発電、物流・貿易、機器製造を主な業務とし、材料、
民用爆発物、建築、炭層ガス、省エネと環境保護、金融投資、文化・観光、不動産な
どの関連補助産業を兼業として経営しています。
当社には六大主力生産と建設鉱区があり、主な鉱山と工場は太原、晋中、臨汾、運
城、呂梁、長治、忻州の7地級市29県に分布しています。
現在、99ヵ所の炭鉱の生産能力は年間1.59億トンで、28ヵ所の選炭工場は、
選炭能力は年間9,385万トン、5ヵ所のコークス工場の生産能力は年間1,06
0万トン、8ヵ所の石炭火力発電所の発電出力は3,368MW、9ヵ所の炭層ガス
及び余剰ガス・余熱発電所の発電出力は189.5MW、製造方面の年産値は100
億元以上になります。
山西焦煤の主要な製品には粘結炭、コークス用炭、1/3粘結炭、リーン炭、ガス
-9-
ファットコール、貧炭など多くの炭種があり、そのうち強粘結炭とコークス用炭はい
ずれも世界の希少資源であり、ローアッシュ、ローサルファ、低燐で、粘結性が強く、
コークス化が良好等の特長を持ち、大製鉄所の大溶鉱炉に不可欠な材料です。現在、
当社は宝鋼、首鋼、鞍鋼な複数の大グループ大企業と緊密な戦略協力パートナー関係
を結んでおり、また日本、韓国にも輸出しています。
2011年、山西焦煤は原炭生産量1.1億トンを達成し、優良炭の生産量4,6
18万トン、コークス859万トン、発電量は115億kWh、売上高は1,254
億元、利益は47.46億元、納税額は156億元で、在職従業員は約20万人とな
っています。当社は「中国企業上位500社」第76位で、
「全国石炭企業上位100
社」の第6位と「全国石炭企業生産量上位50社」の第3位に位置しています。
2012年に入って、山西焦煤は「安全生産、危機対応、転換と飛躍、マナーを守
った建設」の4つの重要事項について発展を加速し、上半期の原炭生産量5,869
万トン、良質炭生産量2,386万トン、コークス生産量400万トン、発電量95
億kWh、売上高780億元、利益28.53億元、資産総額1,749億元を達成
し、安定した健全な発展態勢を維持しています。
「石炭を基礎に、多様化した発展」を堅持し、全力を挙げて世界企業上位500社
と国家クラスのマナー遵守企業の地位を実現し、億トン級の近代的で国際化されたエ
ネルギー化学工業大型グループを創り上げます。
「第12次五ヵ年計画」末までに、原
炭生産量2億トン突破、発電出力1,000万kw以上、コークス生産能力2,00
0万トン以上、売上高3,000億元以上、資産総額2,500億元以上、課税前利
益総額350億元の達成を目指します。
『淮北礦業集団紹介』
(淮北礦業股份有限公司煤炭運銷分公司副総工程師 張 紅)
淮北礦業集団は1958年に創立され、石炭採掘、炭塩化学工業、物流を主とする
国有大型企業で、国の「第12次五ヵ年計画」で重点的に建設する14ヵ所の大規模
石炭生産拠点の一つです。淮北鉱区は江蘇・山東・河南・安徽4省に接する要衝をあ
り、黄海と淮海の後背地に横たわり、北は山東省に接し、南は江蘇省北部に連なり、
総面積は9,600㎢。安徽省の淮北、宿州、亳州、滁州の4市と4つの地級市にま
たがり、京滬(北京-上海)、京九(北京-香港九龍)、隴海(江蘇省連雲港-甘粛省蘭州)
鉄道が通り、連霍(江蘇省連雲港-新疆ホルゴス)、京福(北京-福州)高速道路が合流
し、水上輸送路は大きな河と海に通じ、500km余りの専用鉄道がそれぞれの鉱区を
縦横に走っています。
淮北礦業集団の所有資産総額は約800億元、保有石炭埋蔵量は100億トン余り
で、コークス用炭、粘結炭、リーン炭などの希少炭種が総埋蔵量の85%以上を占め、
低硫黄分、低灰分、超低燐、高エネルギーで粘結性が強く、コークス化性能に優れた
「グリーン石炭」です。2012年1~11月に、3,675万トンの原炭を生産、
うちコークス製造用優良炭の生産量が1,070万トン、石炭の販売量は2,615
- 10 -
万トン、総売上高は454億元、石炭売上高は190億元である。淮北礦業集団の年
間原炭生産量は4,000万トンで、うちコークス製造用優良炭生産量は1,160
万トン、会社の売上高は500億元以上、うち石炭売上高は205億元と見込んでい
ます。
「第12次五ヵ年計画」期間に、会社は石炭に依存し、石炭を伸ばし、石炭を超越
するという科学的発展路線の堅持し、
「第12次五ヵ年計画」末期までに、経済規模を
「第11次五ヵ年計画」末期を基礎にさら倍増させ、
「88841」を達成する計画で
す。すなわち全社の石炭生産規模を8,000万トン、売上高800億元以上、従業
員1人当たり年収8万元超、臨渙、定遠、南坪、渦北など4大サイクル工業団地の建
設、一流のチーム、一流の管理、一流の文化、一流のイメージを持つ現代的一流企業
に育成し、資産規模、売上高が共に一千億元の大型エネルギー化学工業グループを創
り上げるというものです。
『北京昊華能源股份有限公司の発展状況』
(北京昊華能源股份有限公司運銷部副部長 瀋 忱)
北京昊華能源股份有限公司は2002年末に創立され、その親会社である北京京煤
集団公司聯合金石投資公司と中国中煤能源集団有限公司、中国首鋼集団、中国五鉱集
団公司、煤炭科学研究総院が共同出資して組織し設立された株式制企業で、2010
年3月に上海で株式上場しました。
当社は主に石炭の採掘、洗鉱と加工、輸出、販売などの業務を行っており、石炭生
産拠点は北京と内モンゴルに2ヵ所あります。北京地区では現在、3つの生産炭鉱、
2つの営業部を設置しています。良質無煙炭の年産は500万トンで、年間に200
万トン近くの石炭を輸出し、国内の五大無煙炭生産拠点と最大の無煙炭輸出企業の一
つとなっています。内モンゴル地区では、当社は北京鉱区の生産の安定を基礎に、
「科
学的な向上、理性的な拡張」という発展戦略の下、西部の重点石炭開発区において良
質な石炭資源の開発に力を入れ、石炭の主要業務を絶えず強く大きくし、会社の生産
と経営の規模を拡大しています。現在、当社はすでに内モンゴルのオルドス市に年産
600万トンの総合機械化大型炭鉱を建設し、すでにオルドス市の塔然高勒鉱区紅慶
梁鉱山を買収しました。
当社の主な製品は「京局潔」クリーン環境保護良質無煙炭で、超低硫黄分、超低リ
ン、低窒素、中低灰分、高エネルギー、高安定性という特徴を持ち、冶金、電力、化
学工業、建築材料などの業界で幅広く利用され、東北、華北、中南地区と北京、天津
の2直轄市での売れ行きが良好です。国内の取引先には首鋼集団、鞍(山)本(渓)鋼鉄
集団、河北鋼鉄集団、中国鋁業(アルミ)山東分公司、天津碱業などがあり、また、主
な輸出先は日本、韓国、台湾の鉄鋼ユーザーで、国内外の鉄鋼ユーザーとは3~5年
の長期契約を締結しています。
「第12次五ヵ年計画」期間の昊華能源の戦略的発展目標は、
「第12次五ヵ年計画」
末に、石炭の年産2,000万トン、年間売上高100億元(営業収入120億元)、
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従業員1人当たり年収10万元、安全面のパフォーマンスを全国の先進企業レベルに
達することです。また「大石炭」産業チェーンを構築し、石炭化学工業プロジェクト
の産業化を実現し、石炭資源の優位性を産業関連性の優位性に転換することです。
『鉄鋼業の現状と原料炭需給』
(新日鐵住金株式会社原料第一部長 谷水一雄)
日本鉄鋼業は中国の持続的な高成長により、2009年以降リーマンショックから
回復、昨年は大地震やタイの洪水等重なる天災の影響を受けて減産となったものの、
本年度前半までは自動車産業の予想以上の生産販売回復という好材料もあり、生産面
では比較的高いレベルを実現することができました。
しかし昨年後半以来の中国を始めとする新興国経済のスローダウンと欧州景気の低
迷により、世界経済はここにきて後退局面入りとなり、鉄鋼需要の伸び率鈍化が顕著
になってきました。一方でアジアでの鉄鋼供給能力拡張によって需給ギャップが拡大、
特にアジア鉄鋼市場での競争激化により鉄鋼製品市況は大きく低迷することとなり世
界中の鉄鋼会社の損益が大幅に悪化し、中でも日本鉄鋼業は継続する円高も加わり直
接間接に大きなダメージを受けており、下期に入って以降大幅な減産を余儀なくされ
ております。
上記の鉄鋼設備の供給過剰による鉄鋼市況の低迷は、当面続く危機的な構造問題と
の認識であり、各社とも喫緊の経営課題として国際競争力の再構築に取り組んでいる
ところです。更に日本は人口高齢化や需要業界の海外進出により、国内内需の伸びが
期待できないため、今後も一定の成長が見込まれる新興国市場でどう展開していくか
が成長戦略のポイントとなるでしょう。
過去10年は、中国のWTO加盟後の高成長によりあらゆる資源の需給がひっ迫し
価格が高騰、原料炭では最大の産出国である中国が輸出国から輸入国に変わり輸入が
増える中で、豪州クイーンズランド州の洪水が重なり価格が急騰、2011年前半に
は330ドルという異常なレベルとなりました。
その後2年間は炭鉱やインフラの拡張開発も少しずつ進み、ストライキ他の供給面
のネックが少しずつ解消されていく中で、ここにきて上述の需要のスローダウンが重
なりました。新日鐵でも稼働率が85%となりました。
夏場以降は中国の輸入も減少し、需給は緩和され、価格も足元では大きく下落(4Q
MBP165ドル)し、2011年ピークの半分となりました。(参考:原料炭需給推
移、価格推移)
ただ足下の価格レベルでは豪州の炭鉱の大半が赤字といわれており、一部では既に
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操業中止や人員削減によるシフトダウン、またインフラも含め拡張や新規開発の延期
や中止など供給を見直す動きが急速に拡がっており、今後の需給への影響を注視して
います。背景にあるのは、ここ数年顕著な豪州炭の生産コスト上昇であり、買い手と
して競争力の点で大きな課題であると認識しています。
日本と欧州の原料炭需要が低迷する中で、今後もマーケット動向のキーになるのは
やはり中国とインドの動向ですが、どちらもなかなか予測するのが難しいところです。
特に中国には大きな国内炭市場があり、輸入は国内価格と国際価格の関係に敏感に反
応し大きく増えたり減ったりする特徴があります。中国鉄鋼生産に見合った原料炭が
国内で安定的に供給されることが望ましいと思います。
原料炭供給ソースとしては、カナダが10年前に再編淘汰され中国が輸入国になっ
て以降、オーストラリアへの一極集中となりました。ただそれによる物理的リスクや
商業的リスクも経験しました。現在ではアメリカ炭が復活し、最近ではモザンビーク
炭の開発も大きく進みつつあるように、あらためてソース分散の必要性を認識してい
ます。
厳しい経営環境を生き残るべく、10月1日に新日鐵と住金が経営統合しました。
8つの製鉄所で粗鋼生産が4,500万トン。現在統合効果の最大発揮でコスト合理
化を追求しているところです。購入数量としては鉄鉱石7,000トン、石炭3,5
00万トンです。
高炉コークス関係の特記としては、RARの低減、CRの低減、PCIの増加、コ
ークス強度の低下、非粘炭の使用増を実施しています。
世界の原料炭需給に与える中国のインパクトは大きいものがあります。供給力整備
やコスト競争力強化により需給安定に努めていただくと共に、国内優先はわかります
が、機会が許す範囲で将来の輸出の可能性についても協議を絶やさずに続けていけれ
ばと考えます。
『セメント業界の現状と石炭需給』
(太平洋セメント株式会社資材部長 木伏正克)
太平洋セメントの木伏です。先ず本日の日中LT関係者の交流の場に出席して中国
の友人の方々とお会いできましたことをたいへん喜ばしく光栄に思っております。こ
の場が日中相互理解をさらに深めることを願っております。
それでは、日本のセメント業界を代表致しまして、業界の現状に関し、ご報告させ
ていただきます。
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業界がこれまで辿ってきた経緯を見ると、1990年のバブル期には8,600万
トンの需要がありましたが、その後の政府方針で公共投資を削減した結果、2010
には最低の4,170万トンとなりました。
2011年度のセメント国内需要は対前年2.5%増の4,265万トンとなりま
した。背景として、首都圏を中心に再開発やマンション建築など、民間需要の回復が
続いたことによります。
今年度上期のセメント国内需要は対前年5.9%増の2,134万トンとなりまし
た。
背景として、官需、民需共に堅調に推移し、東日本大震災の復旧工事が増えたため
です。上期の前期は震災による落込みから大幅なプラスとなりましたが、下期につい
ては小幅なプラスに落着くと予測されます。
2012年度のセメント国内需要は4,400万トン以上、前年比103.2%と
見通しています。引き続き再開発やマンション建築など民需が堅調に推移すること、
東日本大震災の復旧や公共工事などが増えることが予測されているためです。本格的
な復興によっては、さらに上振れする可能性があります。この先4~5年はこのペー
スを希望しています。
2011年度の石炭消費について報告させていただきます。
日本のセメント工場で使用される石炭の輸入国の内訳をみますと、多い順に①ロシ
ア320万9千トン、構成比40.5%、②豪州294万トン、構成比37.1%、
③インドネシア111万7千トン、構成比14.1%、そして中国が25万8千トン、
構成比3.3%で4位となっております。特に貴国の石炭をセメント業界は2006
年度まで毎年300万トン以上も使用していたことに比べますと、大幅な減少であり、
大変残念なことと考えております。
セメント業界より是非お願いしたいことは、取引には国際競争力のある価格と品質
が不可欠であるということです。私たちはこれらの点が充分に実現されるなら数年前
の数量が再び達成されることも可能と考えています。
2012年度のLT一般炭契約は、残念ながら纏まりませんでした。
しかしながら、LT30年の歴史の重みと中日両国の信頼は強固なものであり、過去
幾度も課題を乗り越えて参りました。この機会を通じて、更に中日両国の相互理解と
信頼の強化を深め、LTの意義を再認識及び更に発展を遂げる新たなスタートの年に
出来たらと存じます。
太平洋セメントのトピックスとしては、現在中国国内に大連、南京、秦皇島の3ヵ
所に合弁工場がありますが、先週金曜日に公表いたしましたが、新たにもう1ヵ所、
新疆ウイグル自治区に新しい工場を建設することになっております。
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最後になりましたが、本会議が中日両国の友好関係の促進に寄与することをご期待
申し上げますと共に、ご臨席のみなさまの益々のご健勝とご多幸を祈念致しまして、
ご挨拶並びに業界説明に代えさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。
『電力需給と電力用一般炭需要動向』
(電気事業連合会企画部副長 田中浩介)
ただいまご紹介いただきました電気事業連合会の田中でございます。私からは、電
力需給と電力用一般炭需要動向などについて、ご説明させていただきます。
ご説明を始める前に、日中間での諸事情により、本年の杭州での総合会議開催が見
送られる難しい状況の中、代わりに本日このように、日中の石炭関係者が緊密な情報
交換ができる会議の場を提供いただき、改めて感謝申し上げます。
はじめに、昨年3月の東日本大震災の津波により被災した東北及び関東地方の太平
洋沿岸の石炭火力発電所の復旧状況について報告致します。
津波により被災した石炭火力は、各社の総力を挙げた復旧作業により順次運転を再
開しております。中でも、18メートルにも及ぶ津波により、最も被害が大きかった
東北電力殿の原町火力については去る11月初旬には2号機が試運転を開始、1号機
についても12月下旬の発電再開を予定しており、今年度中にはすべての石炭火力発
電所は概ね震災前の状況に復旧する見通しです。
続いて、最近の電力需給についてご説明致します。
昨年2011年度の電力需要は、東日本大震災の影響に加え、お客さまの節電の取
組みによる影響により、前年度比5.1%減の8,598億kWhとなり、2年ぶり
に前年実績を下回りました。
また、電源別の発電電力量構成比については、火力が78.9%、原子力が10.
7%、水力他が10.4%と、原子力の停止を受け、火力の比率が大きく上昇しまし
た。ちなみに2010年の構成比は火力、原子力、水力他がそれぞれ62%、29%、
10.2%でした。
更に火力発電の78.9%の詳細内訳を見ると、LNGが39.5%、石炭が25.
0%、石油等が14.4%となり、LNG、石油の比率が上昇しております。石炭の
消費量については、震災により石炭火力が停止したこと等により、電力10社プラス
電源開発の合計で前年比3.1%の減の6,993万トンとなりました。
一方、足元2012年度の電力需要につきましては、お客さまの節電の取組みの継
続等を背景に、上期実績で4,223億kWhと、ほぼ前年並となりました。また、
発電電力量では原子力の比率が1.2%と、大幅に減少した2011年度から更に減
少した結果、火力の比率は9割近くに達しております。この火力発電量の増加を受け、
電力10社計の火力発電用燃料消費量は、石油は92.0%増(684万キロリットル
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増)と大幅な増加、LNGが11.2%増(277万トン増)となっており、ベース電源
である石炭の上期消費量については、電力10社プラス電源開発で3.7%(124万
トン増)の3,444万トンとなっています。
次に、電力需給の今後の見通しについて申し上げます。
震災以降、全国に50機ある原子力発電所のうち、定期検査後に再稼働されたのは
関西電力の大飯3・4号の2機のみであり、他の原子力発電所の再稼働は未だ不透明
なままです。そのため、本年度の電力供給計画に基づく将来の電力需要や発電電力量
の構成など電力需給に関する見通しが立っておらず、昨年同様に、先々の見通しを説
明できる状況にはありません。
また、その需給見通しの前提となる「エネルギー基本計画」など日本のエネルギー・
地球環境政策の動向についても、福島第一原子力発電所事故を契機に、原発依存度の
低減に向けて抜本的な見直しが行われているところであります。
今年の9月に民主党政権が、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あら
ゆる政策資源を投入するという「革新的エネルギー・環境戦略」を発表しました。し
かしながら、我々電力事業者を始めとして産業界は、この戦略は我が国のエネルギー
政策にあまりに多くの課題を残すものであると考えており、現実的なエネルギー政策
となるよう見直しを強く要望しているところです。
今月16日の「衆議院議員総選挙」の結果を受け、新しい「エネルギー基本計画」
の策定に向けてこれまで議論をしていた政策の方向性にも見直し等の影響が出ると考
えており、我々としてもその動向を注視しております。
今まで申し上げた通り、我が国のエネルギーを巡る状況は不透明ですが、資源の少
ない日本にとって、石炭は電力供給のベースを担うエネルギー・セキュリティ上、欠
かすことが出来ない重要な存在であることは変わりません。中でも中国炭は高品位で
近距離にあるという優位性がありますが、LTに基づく一般炭引取量は年々減少し、
今年度は現時点まで契約数量がゼロという状態となっており、大変残念に感じており
ます。
第7次LTの後半2年間の基本数量を決める期限を来年9月に迎えるわけですが、
我々電力としては、競争力のある価格による安定したLT取引を強く期待しておりま
すので、中国側の皆様には引き続きご支援、ご協力をいただきたく、よろしくお願い
申し上げます。
以上で私の報告を終わります。
『一般炭ユーザーからの要望』
(石炭資源開発株式会社事業部中国グループ長 宗井克明)
石炭資源開発の宗井でございます。日本側LT一般炭ユーザーを代表して、私から
LT取引に関しての要望をお伝え致します。
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始めに、LT取引への中国政府の協力・支援についての要望を述べさせて頂きます。
中国石炭関係者および中国政府の協力の下、LT取引は30年以上の長きにわたり
継続して参りました。しかしながら、2012年度に関しましては、取引開始以来初
めてとなる一般炭取引数量がゼロという状況にございます。今後の取引回復のために
も、長く日中友好の象徴であったLTを優先的にお取り扱い頂きたく、中国政府関係
者のご協力、ご支援を期待しております。
具体的には、昨年の第30回日中石炭関係総合会議の中でもお伝えいたしましたが、
輸出課税につきまして特段のご配慮をお願いいたします。日本側は調達ソースの分散
化・供給の安定性・経済性をLTの意義と考えておりますが、輸出課税により、LT
炭価格が国際市況から大きく乖離し、LT取引上の大きな障壁となっております。
LTの意義を踏まえ、輸出課税の適用除外、或いは緩和措置等につきまして政府関
係者へ働きかけいただきますようお願い致します。
続いて、価格に関しての要望を申しあげます。日本のユーザーは、ここ数年石炭調
達ソースの中国からのシフトを進めて参りました。これは、LT炭価格の国際競争力
が大幅に低下してきたことが原因です。
そして現在、ご存知のとおり、日本の電力会社は、未曽有の厳しい経営状況に立た
されております。電力会社の総コストのかなりの割合を占める燃料コストについては、
社内外から徹底した削減努力が求められているところです。国際競争力の無い燃料が
検討の俎上に載せられることはありません。
こうした状況の下、今後のLT取引の回復に向けては、豪州・インドネシア・ロシ
アなどの石炭と価格競争力の面で遜色のないレベルとすることが必要と考えておりま
す。
日本側は、30数年に亘って築き上げた確固たる日中間の信頼関係に裏打ちされた
LT炭を大事な近距離ソースとして考えており、国際競争力が回復されれば、引き取
りを再開できると考えております。LT取引回復に向けての、中国側のご理解、ご努
力を期待しております。
3点目に、品位・品質についての要望でございます。
原子力発電所がほとんど稼働していない中で、石炭火力発電所の安全運転は電力を
安定供給する上で必要不可欠であり、石炭品位や異物に対しての意識が高まっていま
す。
2011年度の品位につきましては、石炭の受入設備への固着によって作業に支障
を来したという事例があり、日中共同研究という位置付けで石炭の品位分析を行いま
した。今回の分析では、石炭固着の原因特定には至りませんでしたが、引き続き日中
相互で協力の上、固着性の原因追究やその他石炭品質の向上に取り組んでいきたいと
考えております。
2011年度の異物混入に関しましては、設備損傷につながりかねない鋭利な大型
鉄片や大型岩石、塊炭の混入、作業員の安全を脅かす雷管の混入の事例がありました。
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軽微なトラブルであっても、電力供給に大きな影響を及ぼすことから、適切な品質管
理と異物混入対策の徹底を改めて要望致します。
稲葉:日本側からの発言は以上でございます。それぞれの業界の現状を踏まえてお話
申し上げました。
原料炭につきましては、昨年から今年にかけての価格の大幅な変動を踏まえまして、
需給の安定が何よりも大切である、特に中国の鉄鋼生産に見合った原料炭が、国内で
安定供給されることが望ましい、という発言しました。
また一般炭につきましては、それぞれのユーザーからお話を申し上げましたが、何
よりも国際的に競争力のある価格での供給、また品位に問題のない石炭の供給をお願
いしたい、ということを申し上げました。
また、輸出課税の適用除外あるいは緩和措置などにつきまして、中国側のご協力・
ご支援をお願いしたいということも申し上げました。
いずれにしましても来年、2013年度は第7次LTの3年目に当たる、たいへん
大切な節目の年に当たりますので、中国側の皆さまには長期的な視点にたっての協力
をお願い申し上げたい、ということを最後の締めくくりとして申し上げたいと思いま
す。
【質疑応答】
呉軍:あと20分ぐらいありますが。もし皆さんから何かご質問があれば。
中Q:1つめは日本のエネルギー政策について。福島原発の事故後、日本政府として
のエネルギー政策に変更はあったでしょうか?また、今後の原子力発電所に対する態
度の変化、火力用石炭の需給に変化はありましたでしょうか?
2つめはクリーンコールに関してですが、高効率利用技術は日本がトップレベルに
ありますが、最近の新しい技術、将来的な発展方向はどのようなものでしょうか?
田中:政府のエネルギー戦略の今後の見通しについて、先程も申し上げたとおり、正
直、まだ明確な方向性は見えていないと思います。
選挙で勝った自民党のエネルギー戦略として、公約で掲げられていたのは、まず当
面3年間は再生可能エネルギーを最大限導入するということ、それと省エネを最大限
図るということです。
原子力については再稼動の可否を3年以内に結論を出すと言われています。従って、
この3年の間に再稼動される原子力の見通しが出てくるのではないかと思います。そ
して向こう10年間で、将来にわたって持続可能な電源構成のベストミックスを確立
する、というのが自民党の政策です。
従ってこの3年間の議論の中で、もう少し具体的な姿が見えてくるものと思います。
いずれにしても、震災前では原子力発電の比率を5割にすると目標が掲げられてい
たものからは、当然のことながら大幅に減少していくということになるかと思います。
その分、再生可能エネルギーに加え火力発電が再度注目を浴びています。
その中で一番注目を浴びているのはLNGかと思いますが、石炭火力についても発
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電コストが安いという部分で、今後、導入されていく可能性が高まってくるものと思
われます。それらを後押しする動きとして、政府の中でも石炭火力の環境アセスメン
トの迅速化が検討されています。
クリーンコールテクノロジーについては専門家ではありませんが、分かる限りでコ
メントさせていただきます。
日本におけるクリーンコールテクノロジーと言うと、IGCC(石油ガス化複合発
電)の研究開発と、CCS(炭素貯留化)が挙げられると思います。
最近の動きとして、IGCCは実証プラントとして稼動していた「クリーンコール
パワー」という発電所が2013年度から商用運転をする状況に変わってきています。
そういう意味で、IGCCは実証試験で商用化が可能という判断になり、商用運転に
切り替えられた、と申し上げられるかと思います。
もうひとつのCCSは大きな動きがあるわけではありませんが、北海道の苫小牧地
域で、2015年の実証試験開始に向け準備が進んでいるという状況です。具体的な
話が決まっているわけではありませんが、2015年から3年程度を目途に実証試験
をすることなっています。
稲葉:日本側の質問よろしいでしょうか?
宗井:JCDから2点、輸出税に関する件について意見を申し上げたいのと、もう1
点が中国国内の石炭改革についての質問です。
まず輸出税の件ですが、導入された2008年は中国国内の需要が供給に追いつか
ない、深刻な状況だったと思います。それは北京オリンピック開催と四川大地震から
の復興ということがあったのが大きかったと思います。現在は供給が追いつかない状
況にはないと思いますし、輸入も2億トン程度に拡大されています。さらに日本、韓
国、台湾が中国炭をたくさん買うといっても、中国に大きなインパクトを与えるほど
の量を輸入するとは思えません。というのは、日本の一般炭輸入は全部合わせても1
億トン程度だからです。意見として申し上げたいのは、輸出税については先程申し上
げた通り、適用除外とか緩和措置などをご検討いただいてもそんなに大きな影響はな
いのではないかと思います。
2点目ですが、国家発展改革委員会は「市場に任せる」とのことですが、ほんとう
に、文字通り石炭価格には携わらないということなのでしょうか?
中A(商務部・吉暁旭)
:国策の「三頭の馬車」として輸出、投資、内需拡大が挙げら
ますが、中国経済発展施策として、今後は内需拡大を中心に行ないます。輸出税は政
府が決めますが、特定の国に対して特定の品目の関税を調整するのは難しいことです。
とはいえ、中国側LT事務局としては、両国の友好の歴史に貢献してきたLTを重視
しており、いろいろな方法で石炭の競争力回復に尽くしたいと思います。中国経済を
注視していくと同時に、また世界経済の回復と、中国炭の世界市場での価格の一本化、
安定化によるバランスの取れた価格になっていくことに注目しています。
中A(大同煤礦・李貴明)
:内外価格の一本化について、石炭価格を一本化していくた
め、参考となる基準は秦皇島(環渤海)での取引価格にしていきます。また、現状の中
国国内価格から見ると国内での需要はまだまだ大きいものがあります。中国は今まで
の「輸出国」から今では「輸入国」になっています。今年の予測では、輸入量を2億
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8,000万トンと見込んでいます。これによる世界市場へ及ぼす影響は非常に大き
なものとなるでしょう。発改委はよほど重大な影響が市場に及ぼしそうなときには介
入しますが、よほど重大な異変がない限り市場に介入することはありません。今年の
価格も売買双方の協議によって市場価格が決まっています。以上のような状況の中で
は、中国側からすれば,LT取引も国内市場価格を参考にしてほしいと思います。こ
うすることで、LTの発展に貢献していくことになると思います。
呉軍:もともと電力用炭の二重価格に関してはその主な原因は政府がコントロールし
ていたことにあります。重点契約に対して発改委が介入していたのは電力料金を抑え
るのが目的。今は重点、市場両方の石炭価格が接近しており、価格一本化の条件が整
ってきています。今後1~2年は市場の大きな変化はないと見ており、発改委もこの
体制を維持していきます。
ほかにご質問は?
稲葉:こちらからは特にございません。
呉軍:皆さんまだまだ交流したいことがあるかと思いますが、今日の主な交流はここ
までとしたいと思います。また後ほど(食事をとりながら)引き続き交流したいと思い
ます。では、本日の会議について、稲葉事務局長からまとめをお願いいたします。
【総括】
稲葉:本日はこうした交流会議を開催していただき、誠にありがとうございました。
たいへん実りある意見・情報交換ができたと考えております。
といいますのも世界経済が非常に動いておりますし、また中国がこれまでの高度の
10%を超える成長から7~8%の安定成長に移ってきている、その経済環境は大き
く変わってきた、ということがひとつあるからです。また、中国における改革の波が、
この石炭の分野にも及んでおりまして、今ご説明があったようなことで、価格に関す
る政策について、中国のお考えが聞けたということもたいへんよかったと思います。
今の日中の経済情勢の下で、総合会議を開催できずにこうした交流会議になったわ
けですが、たいへん意味のある会議だったと思います。
また、一般炭・原料炭それぞれのユーザーの立場からお話を申し上げたように、残
念ながら今年のLTの下での取引は、一般炭はゼロですし、原料炭は非常に少ない量
となっております。
この関連で、原料炭の関係では中国国内における需給の安定を、ぜひ早く図ってほ
しい、という要望をさせていただきました。
また一般炭の方では、これは原料炭も同じだと思いますが、国際的に競争力のある
価格での供給、また、品質・品位に問題のない石炭の供給ということをお願い申し上
げました。
「国際的に競争力のある価格」というのは、輸出税、これはぜひ緩和してほしいの
ですが、もしこれが存続するとすれば、その効果も含めた上で競争力のある価格を設
定してほしい、ということになります。
来年は第7次取り決めの半ばにあたります3年目となりまして、まさに長期貿易が
その真価を問われる年が来年ではないかと思っております。いずれにしても日中双方
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は、こういう日中間の石炭取引に関する情報交流・情報交換が何よりも大切だという
ことでは完全に一致しております。ぜひ来年に向けてこうした情報交流・交換をもっ
と強めていき、協力を深めていき、先程申し上げたように、ユーザーの要望に沿った
形で来年の石炭取引が復活し、意味ある形で実現しますようにお願い申し上げます。
最後に、呉軍総経理をはじめとして中煤の皆様、関係各社の皆様、この会議を主催
し、また参加していただき、心より御礼を申し上げます。
呉軍:旅のお疲れの中にもかかわらずご発言いただいた日本側の代表の皆さんに感謝
いたします。
本日午後の交流は時間はそれほど長くありませんでしたが、多くの考えを提言して
いただきました。
ただいま稲葉事務局長の総括でもお話いただきましたが、現在直面している困難、
特に今年はLTにとって歴史上もっとも困難な年でした。
その原因については多くは語りませんが、特に、今日この場に参加している中国側
の参加各社は、LTのこの体制を維持していくことを重視しています。問題、困難は
多く存在しますが一時的なものだと思います。お互いが努力し、対策を考え困難を克
服したいと思います。
いま日本側から出された二つの問題、つまり『国際的競争力のある価格』と『安定
した品位』は、LT取引をさらに増加させるための核心的な要素であると思います。
価格の面に関して、一つは輸出税の問題ですが、既に商務部の吉さんから回答した
とおりですが、これは本日参加の中国側全員で努力して解決を呼びかけたいと思いま
す。ただ、私たちは決定権を握っていないので、大きな声で呼びかけていくしか方法
はありません。
国際的マーケットとの価格差の問題については、本年、国内価格が大幅に下落して
おり、国際価格との差が縮まっていくと思います。将来的な中国経済の安定的発展の
前提となるのは市場の安定化です。
特に今日参加している中国側企業には、国内外の二つの市場を、国内外ぞれぞれの
2本の足で支えていくよう考えてほしいと思います。
この2年間、ここにいる各企業は非常に大きなプレッシャーにさらされています。
今後、国内外の市場価格差はさらに縮まっていくものと予想され、それによりLTの
石炭貿易の数量も拡大していくものと自信を持っております。
品質の問題について、中日双方は何度も技術交流を実施してきました。それにより、
中国側の各社とも加工能力が向上し、品質も徐々に向上し各社とも努力してきました。
数年前のピーク時には生産量も多く、会社も経営が良好な会社も少なくありませんで
した。兖州煤業の「3つのゼロ(管理上の欠陥がゼロ、製品に混入している雑物がゼロ、
ユーザーからのクレームがゼロ)」などはその例です。もちろんその前提となるのは貿
易数量の回復です。
あらためて皆さまのご出席に感謝申し上げます。われわれは同じひとつの方向に向
かって、共に努力し、共に推進していきたいと思います。
ありがとうございました。
-了-
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