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資料を見る - 地(知)の拠点大学による地方創生推進事業

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目 次
「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」キックオフシンポジウム
〜地域の未来創生に向けた“愛”ある愛媛の魅力発見プロジェクト〜
●調 印 式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
●開 会 挨 拶
・愛媛大学学長 大橋 裕一 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
・愛媛県知事 中村 時広 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
●COC+事業概要説明
・愛媛大学理事・副学長 仁科 弘重 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
●COC+参加大学の挨拶(抱負)
・今治明徳短期大学学長 野口 学 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
・聖カタリナ大学・聖カタリナ大学短期大学部学長 ホビノ・サンミゲル ・・・・・・・・・・・・・ 8
・松山東雲女子大学・松山東雲短期大学学長 棟方 信彦 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
●特別講演Ⅰ
「地方創生に思うこと」 稲葉 隆一(愛媛大学経営協議会委員、大一ガス株式会社代表取締役社長)・・・・・・・・・・・・・ 11
●特別講演Ⅱ
「道草のすすめ−“急がば回れ”の人創り−」 中谷 恭治(株式会社ユイ・システム工房代表取締役社長)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
●閉 会 挨 拶
・愛媛大学理事・副学長 弓削 俊洋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
●資 料 集
・愛媛大学地域共創コンソーシアム規程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
・愛媛大学地域共創コンソーシアム会議規程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
・愛媛大学地域共創コンソーシアムCOC+協議会規程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
・平成27年度大学教育再生戦略推進費「地(知)の拠点大学による地方創生
推進事業(COC+)」の実施に関する連携協定書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
・平成27年度大学教育再生戦略推進費「地(知)の拠点大学による地方創生
推進事業(COC+)」に係る愛媛県内就職・定住の促進プログラムに関する協定書 ・・・・・ 35
・平成27年度大学教育再生戦略推進費「地(知)の拠点大学による地方創生
推進事業(COC+)」に係る愛媛県内就職・定住の促進プログラムにおける学生の
単位互換に関する覚書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
・愛媛大学地域共創コンソーシアムCOC+外部評価委員会規程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
・愛媛大学地域共創コンソーシアムCOC+内部評価委員会規程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
・COC+事業概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
・COC+事業キックオフシンポジウムアンケート結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43
調 印 式
◯司会 本日はお忙しい中、調印式、キックオフシンポジウムにご臨席くださり誠にありが
とうございます。
さて、調印式、キックオフシンポジウムの開催にあたり、お願いがございます。本シンポ
ジウムでは、適宜、写真撮影いたします。後日、各大学の広報等に使用いたしますので、あ
らかじめご了承ください。また、携帯電話は電源をお切りいただくか、マナーモードに設定
くださるようご確認願います。
お待たせいたしました。ただいまより、
「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC
+)」調印式を執り行います。皆様、本日はご多忙のところ、ご参加いただき誠にありがとう
ございます。私は進行役のCOC+推進コーディネーターの赤間と申します。よろしくお願い
いたします。
まず、本日調印いただく皆様方をご紹介いたします。今治明徳短期大学学長野口学様、聖
カタリナ大学・聖カタリナ大学短期大学部学長ホビノ・サンミゲル様、松山東雲女子大学・
松山東雲短期大学学長棟方信彦様、愛媛大学学長大橋裕一、以上でございます。
なお、本日、愛媛県知事はご公務のため、ご欠席でございます。知事には、事前に協定書
へご署名いただいております。本日は、愛媛県企画振興部長門田泰広様に代理出席いただい
ております。
それでは、「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」の実施に関する連携協定書の調
印を行います。この協定は、愛媛県と愛媛大学、今治明徳短期大学、聖カタリナ大学、聖カ
タリナ大学短期大学部、松山東雲女子大学及び松山東雲短期大学の6大学が連携し、平成27
年度に採択された文部科学省による大学教育再生戦略推進費「地(知)の拠点大学による地
方創生推進事業(COC+)」、事業名、「地域の未来創生に向けた“愛”ある愛媛の魅力発見
プロジェクト」を維持、推進していくことを目的としています。
それでは、皆様、協定書にご署名をお願いいたします。
ありがとうございます。また、本日は、「平成27年度地(知)の拠点大学による地方創生推
進事業に係る愛媛県内就職・定住の促進プログラムに関する協定書」の調印、及び「平成27
年度地(知)の拠点大学による地方創生推進事業に係る愛媛県内就職・定住の促進プログラ
ムにおける学生の単位互換に関する覚書」の調印を行いましたことをあわせてご報告いたし
ます。
ただいまを持ちまして、「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」の実施に関する連
携協定締結が終了いたしました。ここで、調印を記念いたしまして、写真撮影を行います。
それでは、協定書をお持ちの上、ご起立ください。
はい。ありがとうございます。恐れいります。もう1つ注文がございます。5人で手を重
ね合い、今後の決意表明を込めて、握手をお願いできたらと思います。協定書はお預かりい
たします。
ありがとうございました。舞台下のお席へお戻りください。
以上を持ちまして、「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」調印式は滞りなく終了
いたしました。それでは、シンポジウムの準備を行いますので、少々お待ちください。
− −
1
開会挨拶
愛媛大学学長 大 橋 裕 一
ただいまより、「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」キックオフシンポジウム、
「地
域の未来創生に向けた“愛”ある愛媛の魅力発見プロジェクト」を開催いたします。開催に
あたり、愛媛大学長大橋裕一よりご挨拶申し上げます。
◯大橋 皆様、こんにちは。ご紹介いただきました愛媛大学の大橋です。本COC+キックオ
フシンポジウムの開催にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
本日は、大変お忙しい中、愛媛県の門田企画振興部長をはじめ、県内各界を代表されます大
勢の皆さまに参加いただきありがとうございました。聞くところによりますと200名を超えて
いるようです。皆さまの温かいご支援に厚く御礼を申し上げます。また、同じくご多用の中、
特別講演をお引き受けいただきました大一ガス社長の稲葉隆一様、そしてユイ・システム工房
社長の中谷恭治様に心より感謝を申し上げます。
さて、先ほどの調印式でも紹介がありましたように、このたび愛媛県と県内の6つの大学及
び短期大学の連携により、
「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」
、いわゆるCOC+
事業に取り組むこととなりました。この事業の目的は、県内の大学が強力なスクラムを組み、
学長のリーダーシップのもと、愛媛県をはじめとする地方公共団体や県内の金融機関、あるい
は企業、NPO法人などと連携し、地域が求める人材を養成していくとともに、学生にとって魅
力ある雇用を創出し、愛媛県内の学生の就職率を高めていくことにあります。結果として、若
者の県外流出を食い止め、地域経済の縮小に歯止めをかけ、地域の活性化に少しでも寄与でき
ればと考えています。
具体的な数値目標ですが、5年後に、現在40%である愛媛県内への就職率の10%アップを目
指しています。この数値は、実は我々にとってかなり高い設定なのですが、この目標に少しで
も近づくことが、愛媛県の活性化につながっていくものと信じております。
そのために、愛媛県内において「就職・定住の促進プログラム」と称する教育カリキュラム
を展開し、企業インターンシップなどを通じて、学生のキャリア形成支援を推進していきたい
と思います。同時に、県内の地域サテライトを強化する中で、地域志向の教育プログラムの充
実、地域密着型あるいは協働型の拠点構築を図っていく所存です。
言うまでもなく、地域創生の中心となるのは「人」そのものです。地域の未来を担う有為の
人材を養成していくために、県内6大学によるCOC+事業を通じて、新たな雇用の創出と若者
の定着という好循環を生みだすことができるよう精一杯努力したいと思います。
本シンポジウムはその大事な出発点です。
「明るく元気な愛媛県を創り出していく」ことを
合言葉に、各大学の教育力、そして研究力を結集させていくことを決意表明し、結びとさせて
いただきます。皆様、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
− −
2
愛媛県知事 中 村 時 広
◯司会 ありがとうございました。続きまして、愛媛県知事中村時広様からご挨拶をいただ
きます。本日はご公務のためご欠席でございますので、愛媛県企画振興部長門田泰広様より
ご挨拶をいただきます。
◯門田 皆さん、こんにちは。愛媛県の企画振興部長の門田でございます。本日、COC+事
業のキックオフシンポジウムがこのように多くの方々のご参加を得て、盛大に開催されます
こと、心からお喜びを申し上げます。
愛媛県におきましても、昨年の10月に地方創生に向けた総合戦略を策定して、大学をはじめ、
関係機関と一体で、愛媛の地方創生に取り組んでいくことにしております。このCOC+事業
は今後の愛媛の地方創生を進めていくにあたって、本当に有意義な事業であるということで、
実は私も大学と一緒に、文部科学省の厳しい事業採択に向けた取り組みに関わらせていただ
きました。そういったことからも、本日のこのキックオフシンポジウムが開催されますこと、
非常に感慨深いものがございますし、また非常に心強く感じているところでございます。
本日は、知事の出席がかないませんが、知事からメッセージを預かってまいっております
ので、ここでご披露をさせていただきます。
このたび愛媛大学を中心とする、本県の大学・短期大学が、文部科学省の平成27年
度地(知)の拠点大学による地方創生推進事業に採択されましたことを、誠に嬉しく
存じますとともに、本日、今後5年間にわたる本事業のスタートを記念するシンポジ
ウムが盛大に開催されますことを、心からお喜び申し上げます。
皆様方には、日頃から、地域の活性化をはじめ、県政の各般にわたり格別の御理解
と御協力を賜っており、厚くお礼申し上げます。
さて、県では、少子高齢化をふまえた人口減少対策を最重要課題の一つに位置づけ
ており、昨年10月に策定した総合戦略に基づき、県独自の取り組みに加え、市町や教
育機関、企業をはじめとする機関・団体との連携・協働のもと、産業人材の養成や雇
用の場の確保、移住・定住の促進、交流人口の拡大といった社会減対策、独身男女へ
の出会いの場の提供や、子育て支援の充実等の自然減対策など、様々な施策を展開し
ていくこととしています。
とりわけ、地域の「知の拠点」である大学・短期大学とは、地域産業を支える人材
の育成・サポートや、地元就職の促進など、多様な分野で協働を図って参りたいと考
えております。
こうした中、このCOC+事業は、経済団体、企業、金融機関、NPOの方々が、事業
共同機関として参画し、正に産学官民が一体となって、魅力ある就職先の創出・開拓や、
地域が求める人材をはぐくむための教育カリキュラムの改革等により、地方創生の要
となる「ひと」の集積に努めるとともに、県内学生の入学率アップや、県内就職率の
大幅な向上を目標とされるなど、大変心強く存じます。
県といたしましては、今後とも、県内大学・短期大学の皆様方と連携を深めながら、
若者の地元定着の促進や、本県経済の活性化等に、全力を尽くして参る所存ですので、
一層のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
終わりに、本シンポジウムが実り多いものになりますことを祈念いたしますととも
に、愛媛大学をはじめ、今治明徳短期大学、聖カタリナ大学・同短期大学部、並びに
松山東雲女子大学・同短期大学のますますの御発展と、皆様方の御健勝、御活躍を心
からお祈り申し上げまして、挨拶といたします。
平成28年2月8日 愛媛県知事 中 村 時 広
知事からのメッセージをご披露をさせていただきました。
− −
3
COC+事業概要説明
愛媛大学理事・副学長 仁 科 弘 重
◯司会 門田様、どうもありがとうございました。愛媛大学理事・副学長仁科弘重が「地(知)
の拠点大学による地方創生推進事業」を紹介いたします。
◯仁科 ご紹介いただきました仁科です。愛媛大学で社会連携を担当しております理事・副
学長です。COC+事業の事業責任者です。
今日、ご参集の皆さん方は、たぶんご関心を持っていただいていると思いますので、若干、
復習的になってしまうかもしれませんけれども、COC+事業に関して、COC事業を含めて若
干ご説明させていただきます。
最初の資料は、現在、愛媛大学をはじめとして、国立大学法人がおかれている状況等につ
いて、説明させていただくものです。ミッションの再定義というのは、2~3年前に、すべ
ての国立大学法人のすべての学部が文部科学省からの指示で受審しました。これは、各学部
が今までどういうことをやってきたかということの再確認と、強みの再確認、さらにこれか
らどう伸ばしていくかということの確認の作業でした。このミッションの再定義ということ
は、国立大学法人にとって非常に重要なプロセスでございました。
その後、文部科学省のほうからも国立大学改革プランとか、様々なものが出てまいりまして、
現在、法人化してから12年目、2期目中期目標期間の最終年度にあたり、来年度から第3期
中期目標期間に入ります。ということで、第3期中期目標期間において、どのような大学を
目指すのか?文部科学省は、3つのカテゴリーで、様々な国立大学法人を支援すると言われ
ています。もちろん、そのうちの1つのカテゴリーには、どの分野においても、世界的レベ
ルの研究を行うという、たぶん、旧帝大を前提としたようなカテゴリーがありますけれども、
多くの地方大学は、3つ目のカテゴリーである地域中核機能を果たすというカテゴリーを選
んでいます。愛媛大学も、このカテゴリーを選んで、その枠組みの中で、支援を受けていく
ことになります。
これに合わせて、現在、大学のビジョンと戦略、取組を策定するようにということが言わ
れています。愛媛大学は3つの戦略を掲げています。
戦略1に関しましては、地域の持続的発展を支える人材育成の推進ということでありまし
て、もちろん、その取組の1つとして新学部のことも書いてありますが、それ以外に、この
シンポジウムのテーマであるCOC+の考え方、COC及びCOC+の考え方に基づいて、地域で
活躍できる人材を育成するということが取組の1つとして掲げてあります。
戦略の2の部分は、地域産業のイノベーションの創出ということです。それに関しましては、
取組1として、地域密着型センターによる地域産業のイノベーションということで、これは
皆さん方ご存知のように、南予水産研究センターとか、紙産業イノベーションセンターのよ
うな地域産業に密着しているセンターの強化ということを考えています。そして、それ加えて、
COC事業、COC+事業を通して、地域創生に貢献するための新たな人材育成、地域活性化セ
ンターを設置するということで、これが戦略2になります。
戦略3は研究推進に関わっています。詳細は省略いたします。
COC+事業に関しましては、この資料は文部省作成のものからです。基本的には、COC事
− −
4
業は、学生に地域のことをよく知ってもらう、教えるということ、また、地域の皆さん方には、
大学のことをよく知ってもらうということが目的です。現在、COC事業として、愛媛大学が
連携協定を締結させていただいている10の市町でCOC公開講座を開催しております。現在、
8回目まで終わりまして、あと2回を残す段階まできています。このように、大学として地
域に対してどういうことができるかということに関して、我々COC事業として、情報発信し
ているところです。
COC+事業に関しましては、国の地方創生の考え方により沿った形、より具体化している
形になっていまして、先ほども出てきましたけれども、卒業生の地域への地元就職率のアッ
プということが明確に求められています。愛媛大学を中心として、今回、6大学で申請させ
ていただきまして、採択されましたけれども、6大学で県内への就職率を10%アップすると
いう、非常に高めのハードルを設定させていただいています。基本的には県内からの人口の
流出を防ぐということが大きな目標となっています。
COC事業においては、地域志向型の教育研究、社会貢献を行うということで、
「えひめ学」、
それからリカレント教育、そして各地域にサテライトセンターを設置しています。「えひめ学」
は、平成27年度に関しましては、愛媛大学の全ての学生に対して、1年次に必修科目として
開講しており、多くの市町の首長さん、それから、企業や企業団体の方にもご講義いただき
まして、私ども大学の教員だけでは教え切れないような地元との関係の中で、自らを考えて
いくような授業を展開しています。
今回採択されたCOC+事業によって、新たに以下の3つの要素が加わってきます。1つ目
は、キャリア形成科目の開講です。6大学で互換単位協定を結びます。単に愛媛のことを知っ
てもらうというCOC事業だけではなくて、具体的にどういう会社があって、自分の将来設計
をその会社の中でどう描けるかというところまで踏み込んだキャリア形成科目を実施するこ
とになります。
2つ目は、実際に会社に行き、働いてみて、自分がそこで働くということに関して、なる
べく動議づけをしたいということで、インターンシップ等の科目を開講することによって、
さらに就職支援につなげていきたいと思っています。
3つ目は、大学で持っているイノベーションの力、研究の力、技術開発の力を利用するこ
とによって、各地域において、今まで、たとえば南予水産研究センター、紙産業イノベーショ
ンセンターのようなものを新たに設置する。またはそうした産業に特化したセンターでない
ほうが良い地域というのもありますので、そういう地域においては、その地域の様々な課題
に対応できるような、愛媛大学としては新たなタイプとなる地域センターというのも、これ
から設置する予定にしています。
そのようなことを全てあわせて、地域の雇用の創出、そして、学生の動議づけを経まして、
この事業の最終年度になる平成31年度に県内就職率の10%のアップということを目標にして
おります。
それから、ここに既存の愛媛大学の6学部に、4月から社会共創学部ができます。社会共
創学部はやはり基本的には地域の中で学生を鍛えて、教育するということですので、結果と
して多くの卒業生が地域に就職する可能性もありますし、また、私ども愛媛大学としても、
それを大いに期待しているところであります。
− −
5
これは、現在、今回、6つの大学、愛媛大学含めて6つの大学でこの事業を行うわけです
けれども、それぞれのところで様々な大学が授業を開講いたしますが、全部の科目を準備す
るというのはなかなか大変だということがありまして、このCOC+事業の1つの柱としては、
eラーニングのコンテンツを作ることを目標にしています。全て、基本的にはそれは人が学生
に直接話しかけるほうが理想的かもしれませんけれども、また、それを全てやってしまいま
すと、後々の事業の継続性というのが経費的にも非常に困難だということがありまして、む
しろeラーニングコンテンツ化していくということが1つのポイントになっています。その部
分にある程度の予算も投入しまして、文部科学省事業の終了後の継続性というものを担保す
るような形にしています。
このプレシンポに先立って開催したCOC+事業の協議会が、具体的にこのCOC事業を動か
していく部分になります。様々な金融機関、NPO、経済団体、企業等、民間等です。やはり
インターンシップとか、学外に出ていく事業に関しては、大学だけではできません。団体、
企業、金融機関等のインターンシップ等を通じて、学生に就職の動議づけをしていただきま
して、多くの学生が地元に残るようにしていただければと思います。
そして、最後に、大きな枠組みが愛媛大学地域共創コンソーシアムになります。これは、
COC事業、COC+事業の実施、また、新学部の設置に向けて、設置したものです。この大き
な枠組みの中で、市町、経済団体、企業、NPO、民間等のご協力を得て、オール愛媛でこの
COC事業、COC+事業を実施させていただきたいと考えております。
以上で、紹介を終わりますけれども、より多くの、全ての愛媛に関する様々な企業、団体
等にご協力いただきまして、10%という数値目標を達成していきたいと思います。6大学一
致して頑張りたいと思いますので、今日、ご参画の、ご参加いただいている皆様方には、様々
な面でご支援いただきたいと思います。お願いばかりで申し訳ありませんが、これで事業の
紹介とさせていただきます。ありがとうございました。
− −
6
COC+参加大学の挨拶(抱負)
今治明徳短期大学学長 野 口 学
◯司会 「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」参加大学の各学長より、ご挨拶並び
に今後の抱負についてお話いただきます。今治明徳短期大学学長野口学様、よろしくお願い
いたします。
◯野口 失礼します。参加校の今治明徳短期大学でございます。よろしくお願いいたします。
今治明徳短期大学は平成26年度に「地(知)の拠点整備事業(COC事業)」に採択され、現
在、その事業を進めているところでございます。事業テーマは、「しまなみの生活と文化を守
り育てる人づくり・つながりづくり」であります。これをテーマに今治市と連携して、現在、
COC事業を進めております。
COC事業はCOC+事業と連動しております。このたび、COC+事業に参画させていただく
ことで、今治明徳短期大学が進めておりますCOC事業がより活性化するのではないかと期待
しております。
今治明徳短期大学は養成校でございます。学生のほとんどは、就職、仕事に直結する資格
免許を取得いたします。卒業後は、その資格取得を活かし県内の介護福祉、児童福祉、幼児
教育、それから、調理、栄養、食物といった専門性の高い分野に就職しております。
そういうこともありまして、県内就職率には高いものがございます。
今回、COC+事業に参画させていただきます。養成校にとりましても、非常に意味のある
ことでございます。養成校ですので、人材育成といいますか、これにかなり力を入れておる
わけであります。養成校としての人材育成能力をよりアップさせていくチャンスにしたいと
考えております。
具体的に言いますと、今治明徳短期大学では、2つの点をこれから力を入れて取り組んでい
きたいなと思っております。1つは、先ほどご説明ありましたようにカリキュラム、養成カリ
キュラムにつきまして、地域課題を取り入れた地域志向の養成カリキュラムの構築をまず考
えております。
それからもう1点は、キャリア形成教育、キャリア形成のための事業の充実、強化を図りた
いと思っております。この2点、さしあたって重点を置いて取り組んでいきたいと思っており
ます。
これから、養成校としての力量が問われるわけなんですけれども、学生のキャリア意識の
高揚といいますか、キャリア形成を図って、地域が求める人材、地域の課題に応えることの
できる人材育成に、今治明徳短期大学も全学をあげて取り組んでいきたいと思っております。
私どもの大学が対象とするエリアは、今治市、それから東予地域になろうかと思います。
何分、今治は、地理的に遠隔でございますので、愛媛大学さん、また、参加校さんと情報交
換を密にし、連携を深め、この事業に参画、協力させていただいたらと思っております。
よろしくご支援のほどお願いいたします。
簡単ですが、挨拶とさせていただきます。
− −
7
聖カタリナ大学・聖カタリナ大学短期大学部学長 ホビノ・サンミゲル
◯司会 野口学長、どうもありがとうございました。続きまして、聖カタリナ大学・聖カタ
リナ大学短期大学部学長ホビノ・サンミゲル様、よろしくお願いいたします。
◯サンミゲル 皆さん、こんにちは。まず、このたび愛媛大学の尽力のおかげで、このプロジェ
クトに参加できることを感謝したいと思います。
私たちの大学は、学部、それから短期大学部、設置基準としては2つの大学ですが建学精
神はひとつで同じです。私たちの大学は、地域の大学として成り立っていると思います。地
域のために、人材を形成したりして、または地域に守られて、これから、存在を図っていき
たいと思います。
今回、このプロジェクトに参加して、私たちの場合は、就職の面では、大学と短期大学部
でほぼ100%の就職状況であり、ほとんどの学生は、地域に残って、地域のために貢献してい
ると思います。
ただ、今回、私たちの大学は、やはりこのプロジェクトに参加して、学生が住んでいる地
域社会の魅力、そしてニーズを発掘するための機会を与えることができると思います。それ
からまた、インターンシップなどを通して、社会人として、人生に最もふさわしい居場所を
見つけることができるのではないかと思います。
また、単位互換を通じて、他の大学や、短期大学の学生同士との交流もでき、地域の知識
を深めることができると思います。
本学は、社会の健康を目指しております。健康であることは、やはり幸福ですね。地域の
発展と幸せのために、貢献して健康社会の実現を目指しております。元気な地域、元気な企
業などを目指しております。COC(Center of Community)の最後のCはCommunityのCです。
私たちの大学は他の大学と1つになって、そのモーター、エンジンになりたいと思います。
最近、私たちの大学は、学部を人間健康福祉学部にしました。健康を基盤とし、社会福祉
学科、人間社会学科、健康スポーツ学科をとおして、元気な人材を社会に送りたいと思います。
ぜひ、皆様の力と知恵が必要だと思いますので、よろしくお願いします。
− −
8
松山東雲女子大学・松山東雲短期大学学長 棟 方 信 彦
◯司会 サンミゲル学長、ありがとうございました。それでは、最後に松山東雲女子大学・
松山東雲短期大学学長棟方信彦様、よろしくお願いいたします。
◯棟方 皆さん、こんにちは。調印式とシンポジウムに際しまして、一言ご挨拶、それから
抱負を述べよということですので、常日頃考えておりますことを前提にしながら、少しお話
をさせていただきたいと思います。
まず最初に、このプロジェクトが成立し、これから恐らく円滑に動いていく上で、愛媛大
学さん、それから、先輩格である今治明徳さんのお力に寄るところが大きいと思っております。
特に文科省のプロジェクトの申請にあたりましては、人材、時間をはじめ、愛媛大学さんの
ご貢献は大変大きいというふうに思い、感謝しております。
実は、単独でCOCにエントリーをしたかったんです。ところが、年が改まったら、COCで
はなく、COC+に変わっておりましたので、迷うことなくこれに参画をさせていただくとい
うようなことになった経過がございます。そんなことで、意欲的に、全学的に取り組んでま
いりたいというふうに考えております。
実は、私、10年前まで民間企業に勤めておりました。さらにそれから10年ほど遡って、20
年ほど前に、会社の中で、我々は一体どのような生業であるんだろうかということを、会社
の若い人間たちと考える機会がありました。我々の日常というのは、どういう日常かという
と、社内においては会議室で何人かの人間と共に、ホワイトボードを前に、あるいはスクリー
ンを前に、いろんなものを映し出したり、ディスカッションをしたり、データを見たり、そ
んなことをしながら、なんか新しい価値を見出していくということに、日常を費やしており
ました。
これを宇宙から見た時に、私が所属しておりました企業を含め、恐らく多くの日本の企業は、
学校のように見えるんではないかというふうに思い至った次第です。つまり、企業、あるい
はその他の組織もそうかもわかりませんが、教育モデルをその中に宿しているんではないか
な、というふうなことをふと思ったことがございます。
その後大学にまいりまして、今の学生たちの気風とか好みを見てまいりますと、極めて実
学志向であるというふうに感じております。これはそれぞれ、専攻や学科、教育の分野によっ
て違うと思いますけれども、総じて実学志向が強いというふうな気がしております。この企業、
組織が、社会の中で教育的なスタイルを持っていることと、学生の側が実学を求めていると
いうのは、これはぜひ接点を作るべきの話ではなかろうかというふうに、常々思っておりま
した。
ご案内のように、企業にとって必要なことは2つある。有名なピーター・ドラッカーとい
う経営学者がそのように申しておりますが、その2つはイノベーションとマーケティング、
この2つでございます。私の見るところ、イノベーションというのは、変化に対する対応力
ということが使命であります。一方、社会に対する適応というのがマーケティングというこ
とになろうかと思います。
そんなことから、私どもは、今やこの地域で唯一の女性の学園でございます。少子化の中で、
女性に求められる社会的な役割。それから、高齢化の中で、女性であっても、生涯を通じて
− −
9
学びながら社会の中で貢献をしていくこと。そのことが強く求められている時代になってき
たと思います。
そんなことから、私どもはこのCOC+の中で、私たちの個性として、女性の生涯に少しこ
だわってみたいということで、テーマとしては、「女性のワークライフバランス」いうような
形の独自のテーマを少し追求させていただきながら、6大学の一メンバーとして、そういっ
た個性を中心に貢献をしてまいりたいと考えております。
それぞれの学校が、異なっている、多様である、個性的であるということが、大変大切な
ことだと思っております。これからの世の中は、イノベーション、理科系だけではなくて、
文化系、社会科学系、全て社会の中でイノベーションが必要になってくると思いますけれども、
それの苗床は、多様な立場や、多様な知の掛けあわせであり、多様性の中にこそ、この創造
性が生まれるというような願いと夢を持っておりますので、そんな機会として、このプロジェ
クトを私どもは活用させていただき、一方では貢献させていただきたい、そういうふうな抱
負を考えております。
プロジェクトは長丁場になりますけれども、関係の皆様、産業界の皆様もよろしくお願い
したいと思います。私自身は、これはもうこれから外すことができない、このプロジェクト
が終わった後も、学生や学校、あるいはこの地域の協働の中で推進していかなければいけな
いテーマだというふうに思っておりますので、息の長いお付き合いをぜひさせていただきた
いというふうに願っております。
本日はどうもありがとうございました。
◯司会 棟方学長、ありがとうございました。本日の調印式、及びキックオフシンポジウム
の開催にあたり、祝電を頂戴しております。伊予銀行頭取大塚様、愛媛銀行頭取本田様、愛
媛信用金庫理事長弓山様でございます。失礼ではございますが、お名前のみご披露申し上げ
ました。ありがとうございました。
− −
10
特別講演Ⅰ 「地方創生に思うこと」
愛媛大学経営協議会委員、大一ガス株式会社代表取締役社長
稲 葉 隆 一
◯司会 引き続きまして、特別講演に移ります。愛媛大学経営協議会委員、大一ガス株式会
社代表取締役社長稲葉隆一様に、「地方創生に思うこと」と題してご講演いただきます。稲葉
様は、生活エネルギー、住宅設備機器、食品、リース、保険などの事業を通じて、総合生活
提案型企業を推進する会社の先頭に立っておられます。主な経歴につきましては、配付資料
をご参照願います。
では、稲葉様、よろしくお願いいたします。
◯稲葉 ご紹介いただきました稲葉と申します。短い時間ですけど、おつきあいください。
まず申し上げたいのは、われわれが地域創生を語る場合、地域の現状を知るということが
まず第一義的に求められるのではないかということです。
かつて寺山修司さんが、「書を捨てて町に出よ」というふうなことを言われました。私は
「書を読んで、海外に出よ」ということを敢えて申し上げたい。
海外を実際を見てくると、やはり地域のいいところ、悪いところが見えてくるんですね。
私も、2014年11月にミャンマーに行きました。今、樋口さんという愛媛県出身の大使さんい
らっしゃる。もし行かれたら友好的にいろいろご案内いただけると思います。いい機会だと
思います。15年にはベトナムとカンボジア、シンガポールへ行ってきました。その時に、東
南アジアの国々でどんなことが起きているのかということを感じたことをちょっと申し上げ
たいと思います。
かつて、日本が欧米に学んだように、東南アジアの各国は、非常に活発な動きをしてるん
ですね。今の現状の最上のモデル、プラスアルファでまちづくりをどんどんしていっていま
す。ですから、かつて日本がやったようなモデルは既に古くなっている。東南アジアの人た
ちにとっては、かつてのビジネス、かつてのプランというふうな位置づけのような気がしま
した。われわれ自身が、今や、学ばなくてはいけないような面も多々見受けられたように思
います。
今、世の中の変化の速度が非常に速いと思います。かつて、十年一昔という言葉がありま
した。もう少し経ちますと、ドッグイヤーということが盛んに言われました。最近は、これ
らの言葉は死語になってしまいました。十年一昔ではなしに、一年一昔です。1年経つと、
企業、あるいは経営を取り巻く状況は、もうどんどん変化している。ですから、そういった
変化のスピードにどうやって対応できるかが、今の現実の企業のあり方なんですね。
今の企業のビジネスモデルは、もうほとんどの企業が通用しなくなっているといって過言
ではないんです。なんらかの方法で、やはり今の現実に対応できるような施策を講じていか
なければ、今現在のビジネスそのものがもうどんどんどんどん縮小化していくというふうな
流れになっていくということだと思います。
私はかつて、京都で開かれた経済同友会の全国大会に参加する機会がありました。その時
の京都の経済人のテーマ、全国大会のメインテーマが、「伝統は革新の連続なり」という言葉
で、一面の大きな垂れ幕として掲げられていました。私はびっくりしました。伝統の地、京
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都で、伝統は革新の連続なんだと。革新を連続することが、我々京都人の伝統なんだという
こと、その時の京都のワタベウェディングの渡部さん、あるいは堀場製作所の堀場さんと話
し合う機会がありまして、私はもうびっくりしましたということを素直に申し上げました。
イノベーション、革新の連続ということがなければ、伝統すらも守れないし、企業すらも守
れないんだという状況になっているということをやっぱり周知していく必要があるというふ
うに思います。
さらに、一方通行も時には反対から歩いてみることが必要だというふうな気がします。一
方通行というのは、常に一方向からしか見てません。ですから、本当にそのものがどういう
ふうなものなのかわからないんですね。たまにはその方向を変えて、逆方向から歩いてみる。
今まで丸かったと思ったものが、実は三角だったかもしれないんですね。ですから、やはり
物事を見るためには、多面的な見方をしないとだめだと思います。一方通行もたまには反対
から通ってみないと物事の本質はわからないということをよく感じることがあります。
ですから、われわれも県内の様々な魅力というものは、むしろ県外の人に聞くほうが、よ
り的確な指摘が受けられるのではないかなというふうな気がします。大都会で住んでいる人
たちが、愛媛を見た時に、自然、海、山をどのぐらい魅力に感じるかわかりません。しかし、
われわれはそれは常日頃見てるもんですから、感動は薄いんですね。非常にそういった面では、
学ぶことが多々ありますよ。ですから、われわれは多面的に物を見ていかないと、判断を間
違えるといったことが起きてしまう気がしております。一方通行も時には反対から歩いてみ
る。本質的なものを求めると、いうことが必要というふうに思います。
次に地方再生と魅力づくりという点について、ちょっとお話をさせていただきたい。先ほ
ど申し上げたように、地域の魅力を知るということは大事なんですが、我々の目指す方向と
しては、ミニ東京やミニ大阪、いらないんですね。我々のオリジナリティをどう作るかとい
うことがポイントだというふうに思います。
よく、雇用があると人が集まって、雇用がないから地域の活性化ができないという意見が
ありますが、私はこれには反対といいますか、あまり賛成しかねるんですね。どうしてかと
言いますと、企業は、その地域で利益が生めなければ、すぐに移転させてしまうんですね。
ですから、そういったものに頼った雇用の創出というのは、むしろおかしいんではないかと。
本来持ってる土地の魅力、その人たち、その地域の人たちの魅力、そういったものが原点となっ
て、企業が寄ってくる。そういうような形が創出できないと、やはり活性化というのは難し
いんではないのかなというふうな気がしております。
人は、理屈とか利益だけでは動くものではないというふうにも思います。人は感性によっ
ても動きます。感性というのはどういうことかというと、やはり、心、気持ち、感情、感動
ですね。こういったものによって、人は動いていきます。ですから、常に我々はそれを意識
して、感性に訴え、感動を生み出すようなあり方をどうやって演出できるのかということが
非常に大事だと。理屈や利益だけで物事を進めていっても、なかなかうまくいかないんでは
ないのかなというふうな気がよくします。
スポーツでもそうですね。スポーツはなんであれだけ人が寄るのか。感動です。自分にで
きないことを観てその素晴らしさに感動します。美術館はなんであんなに人を呼ぶのか。感
動です。自分に描けないもの、自分が感じたことのないものを、美術館は感じさせてくれます。
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そういったものが、人を寄せていくんですね。ですから、やはり感動というのは、やっぱり
人を寄せる、人が集まる、大きな原点の1つだというふうに私は思います。決して理屈や利
益だけで人は動かないということを、敢えて申し上げておきたいなと思います。
かつて、私が経済同友会メンバーのひとりとして各地を訪れました。そこで、様々な方と
お話したことを、ちょっとご披露させていただきます。
まず、札幌市のYOSAKOIソーラン、これはYOSAKOIソーランっていう祭りが、1991年に
初めて作られた祭りなんですね。この祭りに、今や200万人の人が札幌に押しかけます。本場
のよさこい祭りは今100万人ですね。ですから、歴史の浅い札幌のYOSAKOIソーランが200
万人も人を寄せるのはなぜなのかということが疑問としてありました。
実行委員会等々にいろいろお話を聞いた時に、このYOSAKOIソーランを始めたのは、実
は学生だったんですね。北海道大学の学生さんが、YOSAKOIソーランを始めたんだと。そ
れに、他の民間がついて、最後に行政がついてきて、今の祭りになりましたということを聞
きました。やはり、学生の力って、非常に大きいものがあります。これを始められた方は、今、
参議院議員になってらっしゃるという話も聞きましたけれども。それぐらい政治力もあった
のかもしれませんが、学生さんの始めた祭りが、今や日本で有数の祭りになってるというこ
とですね。決して官公庁が始めた祭りではないんですね。
次に、伊勢市におかげ横丁というのがあります。おかげ横丁は、伊勢神宮の参道ですから、
今、年間660万人ぐらいその参道を通るらしいんですね。このおかげ横丁を作った赤福の濱田
さんにお話を聞く機会がありました。どういうふうにおかげ横丁って作られたんですかいう
ふうにお伺いしたことがございました。この時に、濱田さんが語っていたのは、おかげ横丁
というのは、県外資本の店は一切認めてません。県外資本というのは、儲からなければすぐ
もう退席というのか、移動してしまいます。ですから、おかげ横丁のまちづくりは一切県内
資本だけで作るようにいうことで進めてきました。いうことをお聞きしました。
これも私にとってはショックなんですね。やはり、県内資本だけで創ったまちづくりが、
今や660万人からの人通りのあるような、有数のまちに作り上げられているんですね。ですか
ら、そういった観点を見習うべきかなというふうな気がします。
次に湯布院町。湯布院という町は、道後と並び称される、あるいは、日本でも有数の温泉
ですね。これも実は歴史がそう古くないんですね。実は、湯布院の玉の湯というところがあ
ります。玉の湯の溝口さんにお話を聞きました。この時も、溝口さんは、淡々と様々なこと
を語られたんで、私も非常に勉強になりました。「本当にしなびた温泉地をどうやってやはり
人の来てくれるような温泉地にしようかということで、私と亀の井別荘の中谷さん2人で、
ヨーロッパへ旅に出たんですね。約1年ぐらい、目的のない旅をしました。で、それで帰っ
て来て、いろんな考えで作ったのが、今の湯布院町の原型なんです。その時に言われて印象
深かったのは、私が今振り返ってみると、一番よかったと思う点は、まちづくりで行政が参
画しなかった点です」というふうに言われたんですね。これは私はびっくりしました。やは
り民間の知恵と言いますか、民間の肌で感じることを実際に実行していくということが大事
なことなのだと思います。それを将来的に行政が、やはり見えるところ、見えないところでバッ
クアップしていくという姿勢が、いい形として現れたのが湯布院町だろうと。それを溝口さ
ん、玉の湯の今、会長さんでしょうかね。今、娘さんが社長をされて、地域の観光協会の会
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長やられてらっしゃいます。
次に、長崎市のランタン祭りがあります。これも経済同友会でスタッフを集めていきました。
長崎市行って感動しました。なんで感動したかと言いますと、特急列車が長崎駅に着くと、
ブラスバンドが始まるんです。小中学生だったか、私は確か日曜日のような気がしますけれ
ども、ブラスバンドが始まって、駅降りますとね。本当に心から歓迎いたしますというよう
な形で、ブラスバンドの演奏がどんどん始まっていく。これは、恐らく特急列車降りられた
方は、みんな感動したと思うんですね。おー、我々のためにブラスバンド演奏してくれてる。
で長崎市の担当者の方に話を聞きました。どうやって長崎市は人を寄せるんですか。どう
やったら、人に来ていただけるんですかということを話しました。そうしましたら、
「いやね、
長崎という町は祭りを絶やさないんですよ」ということを言われてました。調べてみますと、
長崎という町は、確かにもう日常茶飯事、祭り、祭り、祭りなんですね。これもすごいなと。
そのエネルギーはどこにあるのかなと思いましたけれども、実際そうなんですね。
やはり、民間が一体となって、先ほど私が経験したような、駅に降りたら学校のブラスバ
ンドが歓迎をするための演奏を始める。非常に心のある、特に接待をしてるわけですよ。で
すから、長崎というところは、人が寄るんですね。決してランタン祭りだけじゃありません。
たまたまこの時に、中村愛媛県知事(当時松山市長)さんとばったり会いました。長崎市で、
どうしたんですかということで、お互いにびっくりしたのを覚えてますけど。中村さんも、
ランタン祭りを恐らく見に来たんだと思います。やはり、よそにないようななんかプラスな
んですよね。それがやはり人を寄せ付けるというふうに思います。
ここで、画像に出ているルーブル美術館は、年間1,000万人の人が来ます。1,000万人ですね。
最近フランスはテロがありましたので、若干、その流れは、今わかりませんけど。美術館に人、
1,000万人の人が行くということはこれもすごいなと。こういった現実を知るっていうことは、
やはり芸術というものは人を寄せる力があるというふうに思います。
モンサンミッシェル、これも古城ですよね。昔のヨーロッパのお城ですよね。それも、今、
350万もの人を寄せるんですね。そのうち50万人が日本人だといいますから、日本の宣伝って
いうのはすごいと思いますけれども。あそこのモンサンミッシェルの島の入口に、小さな宿
があるんですけどね。そこのオムレツが有名なんです。日本人はみんなそこでオムレツ食べ
るんですよ。大した味じゃないんですけど、行って食べてきましたといった語り草ができる
ということだと思うんですけれども。なんかそういったものも大事にしていくといったこと
が、やっぱりヨーロッパにはあるんですよね。
ここで、赤道直下では、立派な毛皮も売れませんよということを敢えて申し上げたいんで
すね。やはり赤道直下の暑いところで、毛皮はどんなに立派でも売れません。今、ニーズとシー
ズという言葉があります。お客様の要望、あるいはこちらからの技術、ノウハウといったも
のを融合させたものが市場というものを生み出す。でも、私はそうじゃないと思うんです。
お客様は、あくまでも自分が満足する。顧客満足がなければ、どんな素晴らしいものも買い
ませんよね。だから、我々が求めるものは、ニーズでもシーズでもなく、顧客満足ですよ。
お客さんをどう満足させたらいいかということが、絶対命題です。そういったことが、市場
を作っていくということを、我々は認識する必要があると思います。
ここも行政関係の方おられるのでちょっと言いにくいんですけど、「愛媛県には愛がある」
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という言葉があります。決して私はそれをよくないとは言いません。ですけど、愛があって
もものは動きません。やはりそこに求められるのは顧客満足ですね。お客様が満足してくれ
たら、宣伝しなくてもお客様のほうからいらっしゃる。そういったものをどう作ることがで
きるかが、やはり県産品、あるいは県の産業を生み出す、育成するための大きなポイントが
あるような気がします。ニーズ、シーズ、もちろん大事ですね。ですけど、そこがあるのも
最終的にはやっぱりお客様の満足、顧客満足がなければ、どんな立派な毛皮でも売れません
よということを敢えて申し上げたいというふうに思います。赤道直下にはどんな立派な毛皮
も売れません。
3番目に取り上げたのが長期的なビジョンの大事さについてです。やっぱり単年度計画で
何もできません、恐らく。ですから、長期的な確固たるビジョンが必要です。将来どうした
いのかというビジョンなしに、それぞれの単年度、あるいは中期、長期の計画、できるわけ
がないんですね。ですから、やっぱり将来のあるべき姿というものを確固として捉えていく
ことが、まず第一でしょう。そこから生まれてくるのが年度計画であると思います。
通常、企業は、いろんな捉え方がありますけど、単年度計画、中期3年計画、長期7年計
画が一般的だと思います。こういう年度を設定して、やはり数字的目標を持つわけですね。
年間目標と数字的目標を。数字的目標を持って、やっていくということが大事だというふう
に思います。
そこで、やる気という言葉を敢えて書きました。やる気というのはどういうことかと言う
と、やはり、どんなテーマを抱えても、やる気がなければ何もできないということを敢えて
申し上げたいんですね。
日本電産の永守さんという方がいらっしゃいます。日本電産という会社は、創業から45年
で1兆円企業になりました。ゼロから始めて、45年で1兆円企業になるんですね。非常に今、
注目されている企業の1つ。これは、小型の精密モーターを中心に、世界中に展開している
会社ですね。この方がこう言われているんですね。ものごとは、「すぐやる、必ずやる、でき
るまでやる」。これが大事ですよ。いうことを永守さんはことあるごとに言ってます。
すぐやる、必ずやる、できるまでやる。ですから、こういったことが、やっぱり企業とし
ては、方向づけられて、今、懸命にそういった方向に動いているんですね。企業にはそういっ
たいわゆるニーズがあります。そういったニーズに応えられる人材がどのくらい出てくるか。
今の企業は、新卒を採るという方向よりも、即戦力を求めるといった方向があるんですね。
ですから、即戦力に上回るような新しい人材をどうやって供給できるのかということもテー
マになっています。これは私、やり方だと思います。そのあたりを工夫してやっていかなけ
ればだめだろうなと。
最初に申し上げたように、今の社会環境を取り巻くスピードが速いために、企業は同じこ
とをやっていたんでは、もう、長く存在することできなくなっています。ですから、常に挑
戦の連続という形が、やっぱり求められているんですね。ですから、そこに人材を供給する
側にとっては、大きなヒントがあるような気がします。
そして、目標の数字は、大きい方がいいと思うんですね。3年計画、5年計画、7年計画
で大きな目標を持って、挫折するかもしれません。それでも、目標を持たないでやるよりは
絶対にいいです。数字的目標が、よしんば挫折しても、それに至る様々な創意工夫が必ずど
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こかで花を咲かせるというふうな気がします。
われわれは地方の魅力というものを、改めて見直す必要があるんですね。我々が、規模だ
とか、あるいは大きなものに目を奪われるよりも、むしろ質と内容でどう勝負できるかとい
うことを、真剣になって模索する時期が来てるというふうに思います。それもやりように
よっては、かなりできるような気がします。
それと、今、全体的にチームの責任、あるいは部門の責任ではものごとはならないという
ふうなことが言われ始めました。どういうことかと言いますと、チームの責任となると、も
う誰々さんが悪いからできない、こういう理由でできなくなる。部門の責任になると、あの
部署ができないからできない。もういくらでも他に責任を持っていくわけですね。ですから、
今は個人ですね。個人目標の設定と個人の責任の明確化、これが求められている。で、それ
に至る様々な創意工夫が新しいものを生み出し、社会そのものを変えていくといった考え方
が私は正しいような気がします。
チーム、部門で全体的な成果、責任を曖昧にするよりは、個人、個人、様々な目標、様々
な責任を負いながら、創意工夫してということが大事だというふうな気がします。
ここで、産官学民としました。今までいろいろお話をしてきましたけど、確かに産業界、
あるいは行政、あるいは大学を含むシンクタンクに民でする市民、学生を含む市民の力が必
要だというふうに私は思います。今、高齢者社会を迎えて、ボランティアをどう使ったらい
いかということを、念頭に置く必要があると思うんですね。ボランティアというのは非常に
大きな能力を持っているんですね。そういう方たちをどういかに有効に使えるかということ
も、これからの社会形成の上で、大きな要因だというふうに私は思います。若者が中心になっ
て、ベテランがそれを育てていく。そんな社会ができれば、おそらく様々な目標を持っても
やっていけるのではないかなというふうな気がしております。
以上普段考えていることを足早に申し述べさせていただきました。ご参考になることがあ
れば、幸いです。他に学び、自分たちの財産を見つめ直して、それを掘り下げながら、常に
新しいものを生み出し続けるといった形で、これからも地域社会に貢献していきたいと思っ
ております。ご清聴ありがとうございました。
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特別講演Ⅱ 「道草のすすめ−“急がば回れ”の人創り−」
株式会社ユイ・システム工房代表取締役社長
中 谷 恭 治
◯司会 稲葉様、どうもありがとうございました。続きまして、株式会社ユイ・システム工
房代表取締役社長中谷恭治様に、「道草のすすめ−
“急がば回れ”の人創り−」と題してご講
演いただきます。会社名のユイは英語のユース、ユニーク、イノベーションの頭文字を組み
合わせ、また“結ぶ”の漢字「結」を意味していると仄聞しております。中谷様の主な経歴
につきましては、配付資料をご参照願います。では、中谷様、よろしくお願いいたします。
◯中谷 中谷でございます。ちょっと風邪を引いておりまして、元々悪い声がますます悪く
なっておりますけれど、お許しください。
お手元に資料を2枚ものでご用意をさせていただいています。今日はこのシンポジウムの
最後を飾らせていただくということで、紅白歌合戦でいうと北島三郎ということになります
ね。大変光栄に思っております。30分ですけれども、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。
基本的に、私が今考えていること、社員たちに伝えていることを中心にお話をさせていた
だきます。投影される資料は、お手元の資料より、かなり量があります。出し惜しみしてい
るわけではないのですが、30分という時間内でやるために端折っております。
資料の見方としては、この左のこのマーク、これは会社のマークで心臓を意味するマーク
なんです。心臓の右心房、左心房がある、動脈が走っているマークです。このマークがある
投影されているページはお手元にございます。マークのないページはお手元にはないという
ことでご了承ください。
まず、私の紹介から始めさせていただきます。平成2年に株式会社ユイ・システム工房を
創業いたしました。当時、コンピュータやソフトウェアといっても、あまり馴染みがない時
代で、大型コンピュータといえば大きなビルぐらいのサイズだった時代です。今は、テレビ
ゲームやコンピュータゲームと同等以下の能力がビル1棟ぐらいの感じでした。ですから、
起業した当初は、お客様の方から「こういうことしたいのだけれども、いくら掛かるの?」
という本当にいい時代でした。今はもうお客さんの方から「予算が100万しかないけどでき
る?」という時代になりました。先ほど稲葉社長も言われましたけれど、時代がまるっきり
変わっております。ただ、おかげさまで変化しながら26年継続して経営をしております。
こちらは、今、けっこう今テレビに出ている夏井いつきさんという俳人の女性です。20年
前にITのプロと俳句のプロの雑誌を作りましょう、と勢いで会社を始めて、毎月、この月刊
誌を発行しています。最近、彼女も東京のテレビにもよく出ています。その会社もようやく
利益が出てきたような気配です。
次は、私のニコニコした顔が出ました。おもちゃを4万点持っている変わった男と会社を
始めました。若藤さんという男でなんでも鑑定団に出たこともある男です。彼と一緒におも
ちゃのレンタル業の会社を作りました。ITでデータベース管理をして、おもちゃを貸し出し、
レンタル代をいただくという商売を一昨年からスタートしています。
それとこの四国のグルメ大集合。これは「四国IT協同組合」の事業です。詳しくは後ほど
グローバルの中で説明をさせてもらいます。私も時折海外へ行きますが、愛媛から来ました、
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と言っても誰も知りません。そこで、日本の地図を見せて、四国を指して「この島の左の上
のほうに住んでいます」と説明します。四国と台湾なんかは、島同士ということで、非常に
親近感を抱いていただいています。県の方がいらっしゃる時に言うのも何なんのですが、近
い将来道州制にしなければいけない、と私は強く思っています。なかなか行政は二の足を踏
んでいらっしゃるようですけれども、民間レベル、四国というレベルで活動しよう、という
ふうに私が声掛けますと、いろんな同志が四国で集まってきています。
しかし、人と人が顔を合わせると、いろんな考え方がでてきます。四国だけでも、香川、
徳島、高知、愛媛と、隣り合ってはいますが、食べているもの、考え方が全く違う。非常に
おもしろく刺激的なお付き合いができています。
それから、これはもう結成7年になりますが、農業も夢の一つです。このユイファームは、
私の夢なのです。農業生産法人を仲間と一緒に設立をしまして食べ物を作っております。ま
あ買っても安いものばかりしか作ってはないのですが。このIT業界って定年が早いのですね。
頭脳労働なので定年が早い。そんな環境の中で、じゃあ、国が示す65歳まで働けるのかとい
うと難しいと思います。でも、人によっては55歳が限界、60歳が限界だという時に、じゃあ、
農業の方で自分のペースで75歳80歳まで働ける道はないのかなということです。今、社員に
も週末行かせています。真夏は当然、早朝と夕刻だけの作業です。昼間寝ていてもいいので
す。自分のペースでいいのです。それで、元気で80歳90歳まで明るく元気で動けるし働ける。
これに四国の風土がぴったりなのですね。春夏秋冬が、はっきりあるし、種をまいたり植え
たりすれば育って一年中何か収穫できます。昔は士農工商の時代も農家が尊敬され、お米イ
コールお金の時代がありました。給料は当然下がりますが、給料の代わりに畑で作ったもの
を持って帰ってもらう。ですから、私は庭がある方は、皆さん自分の庭でのものづくりをす
るという時代になればいいなという夢を持って、ユイファームをしております。
また、私は6次産業化プランナーというのをやっています。現在、農林水産省の発表では、
67歳が限界年齢だそうです。ということは、5年後どうなるのでしょうか? 10年後はどう
なるのでしょうか? 今作ってくれている方がいるから、私たちは米もみかんも食べること
ができていますが、作ってくれる人がいなくなったらどうなりますか。全部食料を輸入しま
すか。ということに、すごく怖さを感じています。まさしく農業は国益ですね。
それと、私たちは本当にGDP世界第3位の国民ですか? GDP3位の国と言いながら、お
昼ごはんは、どうでしょう。たとえば350円の牛丼とか、ワンコイン500円のランチを食べて
らっしゃる方が多いと思います。私も時々海外に行きます。じゃあ、アメリカへ行き、お昼
ごはんを食べます。ジャンクやファーストフードなどいろんなものをピックアップして食べ
ます。最低10ドルは掛かりますよね、普通に。チップなどもいりますね。でも、日本はどう
ですか?お昼ごはんになかなか10ドルは使いませんよね。なおかつ、私たちは「この野菜は
安心安全なんか?どこで獲れた物なの?」と贅沢三昧、文句を言いながら500円しか払わない。
結局、このしわ寄せが、農家さんにいっています。汗を流して作ってくれているから、私た
ちは安心安全なものが食べることができているということをもう1回思い出して、そこにぜ
ひお金を落としてください。
今、6次産業とか言いながら、1次産業、2次産業、3次産業の活性化の流れです。そして、
2次産業、3次産業の経営はそれなりに良くなっています。ただ、一番汗を流してリスクを
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抱えている一次産業の農家さんのところには、出荷100円だったネギは100円のままです。で
すから、本来そこの一番汗を流している方にお金がいくというようなことをしなければ、後
継者は生まれてきません。ということで、私たちはこのユイファームというものを立ち上げ、
今、実証実験から将来の夢へとやっているところです。そこで、四国の組合につながってい
きました。
私が社員たちにいつも言っているのは、人生は1回しかないと。「人生お一人様一回限り」
という言葉です。今しかできないことをしっかりやっていこうと、社員に伝えています。そ
して、今はあまり時代にそぐわず聞くことも少なくなりましたが、うちの会社は終身雇用を
目指しています。ただし、年功序列ではないよ、と。いくらいてもだめな人はそれ以上給与
もポストも上がらない。新しく入ってきても、すごい人は給与もポストも上がる。というこ
とで、終身雇用だけれども、年功序列ではない、というふうな組織づくりをずっとしており
ます。
次にノウハウで今回のCOC+のテーマが、新卒の方をそのまま地元に定着させたいという
目的とお聞きしました。グローバルな観点からちょっと考えてみたいと思います。本当にグ
ローバルと言いながら、グローバルになっているのでしょうか。言葉は、グローバルと唱え
られていますが。海外へ行きますと、あなたどこの国の人、なに人ですかと聞くと馬鹿にさ
れます。グローバルの時代に国籍は関係ないでしょ、と怒られたりします。でも、私はまず
それを聞いてしまうわけなのです。
先ほど申し上げた四国という観点で考えてみます。多くの外国人の方は、北海道は知って
います。東京、大阪も知っています。でも、四国は知りません。四国を知ってもらう、ここ
からスタートで話を始めます。具体的に、四国の偉い先生方の前で釈迦に説法なのですが、
四国はこういう人口、それからGDPの構成になっています。ちょっとデータが古いのですが
お許しください。
改めて四国の文字には国という文字があるので国として四国を見ると、13兆円を超える
GDPがあります。これを1ドル120円の計算でやってみると、こんな数字になります。それ
をIMFの統計データに当てはめてみると、四国は、フィリピンやハンガリーとか、このあた
りの国々に匹敵するGDPがあるのです。私、これには、びっくりしました。すごいなあ四国
です。海外行こうが、東京行こうが、四国でまとまることによる強さが出せるのではないか
ということで、四国でいろんな組織を立ち上げています。これが四国IT協同組合や四国IT農
援隊です。
これは、去年、1年前のニューヨーク・タイムズに載った記事ですが、今、世界で行くべ
き場所52箇所という記事です。京都でもなく、奈良でもなく、四国が紹介されました。これ
はすごいことだと私は思っているのです。次は、去年の10月、愛媛県のお力もお借りいたし
まして、台湾で野球をしてきました。台湾の上場企業と以前よりITの仕事でお付き合いさせ
ていただいておりますが、その台湾の企業チームが台湾ナンバーワンになり四国アイランド
リーグと試合をするか、という話になり、野球だけではおもしろくないので、ちょっと愛媛
県や四国の物産・特産品の紹介もさせてもらえないかということで、DVDやポスターで愛媛
県の紹介や愛媛県の食べ物、四国の食べ物を持って行って試食会をしました。愛媛と徳島の
四国アイランドリーグのチームが行き計4試合をしました。日本の四国チームは、全敗でし
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た。ちょっとかっこ悪かったです。私は、四国の2チームは、プロなので、せめて2勝2敗
でこらえてやるか、交流やし、と思っていたのですが。こんな感じで四国と台湾は、島同志
でお付き合いをしています。
今の若者たちの話をさせてもらいますけど、いつの時代も、若い奴はあかんなと、いうの
が口癖ですね。私は逆に、今の若い人は気の毒だと思っています。テレビのニュースを見て
も新聞を読んでも明るい話がありますか? GDPは中国に抜かれました、日本人の学生は海
外に行きません、とか暗い話ばっかりなのです。だから、私は、逆に今の若者、学生が気の
毒でしょうがないのです。私の子どもの頃の話です。もう相当前になりますけど。いろんな
雑誌で、高層ビルの間に宙に浮いた交差するチューブの道路があって、その中を車が走って
いる画がありました。また、トランシーバーのような腕時計で歩きながら腕時計と話してい
る人、宇宙ステーションで人が暮らしている、というような1枚ものの絵があったのです。
それを見て私は「未来はこうなるんか」とすごくワクワクして、興味を持って勉強した記憶
があります。
今の若い人に、そういう未来のワクワクを与えてあげていない、これは私たちの大人の責
任じゃないかなと思うんですよね。国が出す何とか白書とかいう難しいものとかあるのでしょ
うが、やっぱり小学校5年生、6年生が1枚でわかるような漫画のようなもので明るい未来
を示してやっていない私たち大人の責任ではないかと思っています。今巷であふれる暗い
ニュースの中で、希望を持て、夢を持てっていっても、なかなか持てるものじゃないという
のが、私の今の思いです。
また、週休二日制で幼稚園から土曜日は休みですよね。必ず土曜日は休みなのです。日本
は世界一休みが多いのです。ですから、大人になって必要とされても土曜日は勉強や仕事を
しようか、という気持ちになかなかになれません。私らの子どもの頃は、土曜日は半ドンで
した。土曜日の午前中は学校で授業、昼から校庭でドッジボールするとか友だちの家に集
まってゲームしたり、会社に入ってからも、昼から麻雀したり花見の場所取りとかでした。
そういうのがあって、けっこう土曜日の昼からコミュニケーションがとれたという記憶があ
ります。
なおかつ、今の時代は、極端に言うと競争は悪でみんな仲良く0歳から22歳まで褒めて育
てましょう、という教育じゃないですか。褒められて、褒められて育てられて22歳でいきな
り社会に放り出すわけですよね。社会に出て褒められること、まずないですよね。世は戦場
です。ちょっと言葉が過激ですが、私は生きることは戦場と思っています。だから、鍛えら
れる時間も機会もないままいきなり戦場に放り出される若者に対して、私は気の毒としか言
いようがないですね。
私が求める人材のキーワードの1つとして、雑草になれ、という言葉を若い人には言って
います。雑草は、大きく綺麗な花は咲かないのですが、踏まれても、踏まれてもまた生えて
くる。なんやこいつ、まだ生えとるか、また生えとるか、というしぶとさが、私は大好きな
のです。私自身もそういう人になりたいと思っています。
もう1つは道草、今日のテーマです。道草。私自身は、全然エリートでもなんでもなくて、
レールを外れて寄り道ばっかり、道草ばっかりくってきた人間なのです。これが今となって
みるとよかったですね。歩きながらちょっと楽しそうやから道草くっていこうかな。こっち
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も面白そうやな。ちょっとね。ちょっと道草していこう、とやってきた結果、今ほかの人が
できなかった経験ができてすごくよかったと思っています。この道草をやっぱり若い人に経
験して欲しい。強い人間になりたい、それが私の座右の銘です。私自身が弱いので常に強い
人間になりたいとずっとずっと思って生きています。
それとこのものさしです。たとえば、私は今このボールペンを使っています。これは500円
ぐらいだと思います。中谷が使っている500円のボールペンを見て、皆さん、それぞれ高いと
か安いとか思われるでしょう。なんや中谷は、500円の使とんるんか。わしはいつも10万円の
外国ブランドを使とるよ。中谷はチンケな奴やな、と思う方がいらっしゃる。一方、イベン
トでもらった100円のボールペンを使っている方からすると500円か、高級やね、という方も
いらっしゃる。
つまり、500円のボールペンの価値がひとそれぞれ違う。それぞれの生い立ちや経験で。不
思議ですね。これも、後で出てきますが、ある人は、愛媛はよいとこや、故郷愛媛が一番や、
という。じゃあ、どこと比べて愛媛が一番よいと感じるの、と聞くと比べるもの、つまりも
のさしを持ち合わせてないままの言葉のようです。若い人で県外へ出たこともないのに、地
元が一番いい、と言う人がいます。じゃあ、どこと比べているのでしょうか。1回、故郷か
ら外へ出て首都圏や海外で暮らした人は、やっぱり四国はいいですね、愛媛が一番ですね、
と感じてもおかしくありません。しかし、どこにも行ったことない人が言うのです。平気で。
これ、おかしいですよね。この種類、材質、サイズ違うものさしをいかに多く持たすか、と
いうのを私どもの会社の教育のテーマとしています。
また、昨今は求人に非常に困っております。私どもは、名もない小さな会社なので、内定
は出したものの辞退される方がけっこういらっしゃる。私は考えました。内定を10年有効に
したらどうなるか。これは、法律的にはなんの根拠もないのです。たとえば、内定を出した
ものの本人が辞退される。内定が出されたということは、一度はお見合いが成立したわけです。
おまえ、ええな。そうかうちの会社へ来てくれるかと。その方も来たいと。ところが、いろ
んな事情があり東京の大手に決まりました、と悲しい連絡があるわけです。本来、中小企業
経営者の中谷の本音を言いますと、それでいいのです。たとえば22歳で東京の大手企業行っ
てもらいましょう。ただ、30歳手前で故郷へ帰りたいという思いが生まれたり、どうしても
帰らないといけない状況になったり。人それぞれの事情が違ってきます。
その時に、一番行きにくい会社って内定蹴った会社ですよね。実際にうちの会社と一時期
はお見合いが成立して、相思相愛だったのに、自分がふった手前、ふったところへは一番行
きにくい。これ、おかしいでしょう。だから、うちの会社は内定辞退者に対して、そうか、
よかったな。おめでとう。どうぞ行ってらっしゃい。ただし、うちは内定10年有効やから、
いつでも帰ってこいと。何の問題もございませんよ、という形で送り出します。で、実際に、
30歳手前でうちへ戻って来た方もいます。中小零細企業であるので、こういう工夫をしてお
ります。
それと最近はやっぱり親ですね。親をいかにファンにしておくかが大事ですね。うちは小
さな会社なので、毎年の採用は数人です。その新規採用の方には、入社までの間に、ご本人
とご両親で揃って会社へ来てもらっています。ご本人と親御さんに来てもらって、一緒に昼
食を取りながら、本人の生い立ちとか、子どもの時の出来事とか、出来る限り、可能な限り
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お聞きします。そうすれば、本人の社会性や性格もわかりますし、親御さんのお人柄つまり
本人が育った家庭環境がわかりますね。それと、この会社はこういう仕事をしている、とい
うのを親御さんに見てもらって説明もします。なぜ親か、というと、今の子どもさん、親の
言うことをとてもよく聞くのです。親が今の会社を辞めろと言うと、辞めるのです。ですから、
親御さんをファンにして頑張れ、と言って励ましてもらえる場を作ろうとしています。もし、
内定辞退をされて東京行っても、親御さんとお付き合いをしていると、親御さんは子どもの
故郷へ帰りたいというサインを察すると故郷の情報を流してくれます。当然、子供は就職し
てすぐは、東京へ行っても、5年先10年先のこと考える余裕はなく仕事一生懸命されています。
親御さんがちょこちょこそういう気になる会社の情報を与えることによって、故郷へ帰る気
にさせる、きっかけを作る役割ができると思います。
時は流れて8年、さっきも申しましたが、親がちょっと病気になったから寂しいから帰っ
てこないか、と故郷から便りを出す。東京で暮らした結果、ものさしが増えて、やっぱり故
郷はええね、愛媛はええね、と。帰りたい日が来るのです。必ず。その時に地元のよき情報
の源泉として、ここに大学があるべきだと、私は考えております。
ですから、COC+の目的、卒業してすぐの学生さんを地元に留めようというお考えを否定
はしませんが、中小企業の経営者中谷の本音も1つの考え方としてお聞きください。考え方
として、1回外へ出でてもらい強く鍛えてもらって、いずれ来る故郷へ帰りたいな、という
機会に自分の母校の大学に欲しい情報がある。先生、僕はこんな技術を身に付けてきたんや
けど、地元にこの技術の情報はありますか、この技術を必要としている企業はありますか、
この技術が使える企業はありますか、などの情報を大学に問い合わせる。大学は、情報は提
供するが、それ以降は本人の自己責任でやってもらう。また、出身大学の先輩がいる企業の
紹介や先輩を紹介して、先輩から直接話を聞く機会を与えてあげる。面倒見のいい大学、一
生付き合える大学の理想です。
うちの会社の企業説明会で私が壇上から説明しても、今の学生さんたちは信用してくれま
せん。やっぱり実際にその企業で働いている方の声が本当のことで学生さんはそれを信じる
のです。ですから、何度も言いますけれども、故郷から外へ出て修業して強くなって故郷へ
帰るストーリー。これが、私が言う「急がばまわれ」という1つの意味なのです。
それで、中小企業経営者中谷の本音として、それこそ基本的な社会性や高い技術スキルや
人脈を培い心も鍛え上げて、なおかつお客様を持って帰ってくれたら、それにこしたことは
ないのです。贅沢ですが、1つの考え方として、大学にお願いできたらと思います。
そこでやっぱり鍵になるのが親ですね。本人は故郷以外で暮らしているので、故郷の情報
が入りません。そこで、常日頃、大学から親にいろいろ情報を提供して、あんたが気にしとっ
た会社の記事が新聞に載っとったよ、と本人へ提供してあげるような仕組みができれば非常
にいいと思います。
まさに今もうちの会社も求人していますが、やっぱり学生さんの一本釣り方式ではないと
集まらないのですよ。何百万も掛けて、リクナビとマイナビとか費用をかけることができる
企業はいいですが、私どもはなかなかそういう規模ではございません。大学の先生の推薦や
紹介、また先輩からの後輩へのアプローチという形が非常に有効です。関係者がいらっしゃ
らないことを願って言いますが、実は有名なリクルートさん。リクルートさんは、自分のと
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ころのリクナビは求人に使っていません。あれはあくまでも営業の商品で、自社はリクナビ
を使って求人はしてないそうです。これは、リクルートの方からお聞きしました。やっぱり
今の人の採り方は、一本釣りで、狙いを定めて口説き落とす方式じゃないと善き人材は採れ
ないと感じております。それでも辞退する方はいらっしゃいますが。
内定辞退はしますが、故郷から戦場へ出て、強くなって故郷へ帰ってきてくれる。帰って
きてもらう。大学は卒業生が頼れる地元情報の集積基地となる。大学と地元の企業がうまく
付き合いながら企業の善悪情報がすべてある。ただ、最後に決断するのは本人ですから、大
学に責任が及ばないように本人の自己責任で完結する形にしておかないといけませんね。
それから、今、地元の大学で、とても魅力的だと思っているのは、働きながら学べるとい
う環境です。私どもの会社からも働きながら1人愛媛大学の大学院を一昨年卒業させました。
今現在、1人愛媛大学大学院のほうへ通わせています。働きながら勉強しているのです。最
初の1人が働きながら卒業することができたのを見届けて後輩が追随しました。とてもいい
形で、今、2人目が大学院で学んでいます。これは地元ならではできるとても良い仕組みで、
なかなか都会にいるとできないことではないでしょうか。やっぱり週末は、家族と家でご飯
を食べたい。畑がある、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒にという方が多いので、当然、
移動時間も短く地元の大学のキャンパスで勉強することができる。それから、今、サテライ
ト授業もできますよね。自宅でも会社でも勉強したい意欲のある人にチャンスはいくらでも
あります。
私が、海外の大学へ行ってびっくりするのは、日本の学生みたいに教室の中に18歳から22
歳の学生が少ないことです。私どもの社員も、数年に一度、アメリカの大学で数か月授業を
受けさせますが、クラスの年齢幅が広く人種、国籍も様々です。見たところ18歳から40歳く
らいだったです。当然、自分のお金と自分の時間で勉強していますから、休講なんかになっ
たら、金を返せという騒ぎになります。日本では絶対考えられない光景です。休講になって
喜ぶ学生は日本だけかもしれません。授業も真剣勝負で宿題もたくさんあります。アルバイ
トなんかする時間はありません。自分たちの仕事は学ぶことと自覚しています。だから、先
生の遅刻や休講やくだらない授業に対して、金返してくれ、私の時間を無駄させるな、とい
う光景に出会いました。で、私たちもそうなのです。仕事をしながら、大学院へ学びに行か
せています。当然、会社も授業料の補填もしていますし、本人のやるべき仕事をほかの社員
が応援します。大学院だけで仕事をゼロにしているわけではない。ですから、土曜日に出て
きて、もしくは授業終わって、夜、仕事したりしています。この一生懸命の姿がやっぱり心
を打ちます。人間は感動で動くと私は考えております。
だから、せっかくいろんな大学さんが集まっているこの組織であれば、この働きながら学
べるという、18歳から22歳じゃないですよ。働きながら学ぶという仕組みを地元大学の利点
として是非採用してほしいと思います。
これは、余録になりますが、社員にいつも言っていることです。人は生まれながらにして、
不平等である、と。これと逆のことを言っている偉い人がいますよね。福沢なんとか先生が、
人は生まれながら平等だ、と言っているんです。私は、ちょっと意味が違うかもしれません
けど、人って生まれた瞬間からに不平等だと思うのですよ。生まれた瞬間に、私みたいなち
んちくりんなコンプレックスばっかりの人間に生まれる人もいるし、お金持ちで頭もすこぶ
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るいい、スポーツ万能でスタイルもいい、ハンサム、美人に生まれる人もいます。自分では
生まれる国も話す言語も時代も何も選べないのですね。ただ、平等ということが頭にあると、
人を恨みます。何や、あいつかっこええな、俺はダメな人間。頭悪いし、音痴やし、なんで?
なんでこんなに貧乏な家に生まれたんやとか、お母さんが亡くなっていないとか、人口50人
の山奥の村に生まれて不幸とか、あいつは金持ちでええな。元々不平等です、生まれた瞬間。
恨んでもしょうがない。というふうに教えています。
これも同じく、努力は報われる、という言葉がありますけど、これも社員に、努力は報わ
れないこともあるというふうに伝えています。世の中には、いくら努力しても、報われない
こといっぱいあるのです。運も作用しますしね。その言葉が心にあって、命を落としたりと
か、失望なんかしたりする人もいるのです。絶対報われないでしょ。こんなことわざの嘘や
へそ曲がりの私の思いや考え方を社員たちに伝えています。説きながら、社員と語り合うと
いうような毎日です。
このあたりから、私の好きな言葉なのですが、大きな耳、小さな口、やさしい目。昔々な
んかの絵本で目にして書き留めました。私のオリジナルではございません。絵本の中に出て
くるのですが、大きな耳は、人の話を聞こう。小さな口は、口は慎もう。優しい目は、いつ
も穏やかで笑って。私ができてないので、恥ずかしい限りですが、できていない私の姿勢で
社員と接するということをしております。いや心がけています。
次はもう有名な言葉なのですが、自分が源泉。右の道を行ったのは自分が選んだよ。食堂
に入って、ラーメンを食ベるかうどんを食べるか迷いラーメン選んだ。すべて自分の決断で
す。言い訳をしないということです。自分が源泉、という言葉をしょっちゅう社員に言って
います。
ということで、急がば回れの人創り、ということで、ちょっとCOC+の思想とは離れるか
もしれません。でも、1つの考え方として、一度、外を見てごらん。稲葉社長のように、海
外もいいと思うのです。海外を見て、いっぱいものさしを持った上で、やっぱりええなと、
故郷はええなと。で、いろんな幸せがあります。親と暮らす幸せ、友だちと語り合う幸せ、
それを感じるためにも、一度外へ出るということは、私の理想です。
ということで時間もまいりましたので、私の話を終わらせていただきます。それから、最
後に、ありがとうございます。これは私が子どもの時、親から言われていたのですが、この
言葉は10文字なんですよ。ですから、子どもの時に、風呂入って百数えろと言われると、私
はありがとうございます、で10カウントです。これを10回言うと100なのですね。考え方の1
つの発想なのですが、このありがとうございます。10文字なので、数字数えるときに使って
ください。以上でございます。ありがとうございます。
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閉会挨拶
愛媛大学理事・副学長 弓 削 俊 洋
◯司会 中谷様、ありがとうございました。では、最後に愛媛大学理事副学長弓削俊洋より
閉会のご挨拶を申し上げます。
◯弓削 本日はお忙しい中、たくさんの方にお越しいただきましてありがとうございます。
ご講演いただきました稲葉社長、中谷社長には、非常に刺激にとんだお話をお聞かせいた
だきお礼申し上げます。
稲葉社長のお話の中で、数値目標が大切だということが強調されておりましたけれども、
本事業におきましても、いくつかの数値目標を掲げております。その中核を成すのは、愛媛
県内への就職率の10%アップということでございます。これは、6大学の平均でございます
ので、愛媛大学にとっては、もう少し数値が上がって、教育・就職支援を管轄する私にとっ
ては、かなり大きなハードルとなります。
ただ、掲げている以上は、大学として全力を尽くしていかねばなりません。そのためには、
たとえば、愛媛県への就職に誘う科目の新設も含めた教育プログラムの改革、さらには、中
谷社長が言及された、保護者の理解を得るための保護者対象の説明会の開催、あるいは卒業
生に対する就職のケアといったことにも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
また、この数値目標を達成するためには、愛媛県や各市町、さらには企業、NPO、学校など、
愛媛県内の様々な分野において、雇用の創出に取り組んでいただく必要がございます。
わたしたち大学も一生懸命がんばっていきますので、産官学民一体となって、魅力と感動
に溢れる愛媛にしていくために、皆様のご理解、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいた
します。
◯司会 以上を持ちまして、「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」「地域の未来創
生に向けた“愛”ある愛媛の魅力発見プロジェクト」キックオフシンポジウムを終了いたし
ます。本日はありがとうございました。
なお、ご参加くださった皆さんにアンケート用紙をお配りしております。ご協力をお願い
いたします。ご記入いただいた用紙は、出口付近の回収ボックスへご投函くださるようお願
いいたします。
このあと、午後5時30分より、南館4階エメラルドルームにおきまして、情報交換会を開
催いたします。お申し込みされている皆様は、係員が誘導いたします。
本日はご出席くださり、誠にありがとうございました。閉会といたします。
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COC+事業キックオフシンポジウムアンケート結果
平成28年2月8日(月)
問1.あなたの年齢を教えてください。
70代
1人
60代
18人
20代
8人
30代
14人
50代
33人
40代
27人
問2.あなたの所属機関を教えてください。
その他
5人
行政機関
25人
企業
34人
経済団体
7人
教育機関
30人
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問3.本日のシンポジウムはどのようにしてお知りになりましたか。
その他
5人
無回答 2人
マスコミ 1人
チラシ
11人
友人・知人の紹介
大学からの紹介
81人
問4.特別講演Ⅰはいかがでしたか。
あまり良くなかった 2人
無回答 1人
まあまあ
良かった
16人
かなり良かった
30人
良かった
52人
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44
1人
問5.特別講演Ⅱはいかがでしたか。
あまり良くなかった 1人
無回答 1人
まあまあ
良かった
18人
かなり良かった
35人
良かった
46人
問6.本日のシンポジウム全体はいかがでしたか。
無回答 1人
まあまあ
良かった
19人
かなり良かった
20人
良かった
61人
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問7.今後、このようなシンポジウムや講演会が開催されるとき、また参加して
みたいですか。
参加したくない 6人
無回答 4人
参加してみたい
91人
問8.愛媛大学のCOC+事業に興味はありますか。
無回答
30人
興味があり、
企画に参加したい
63人
あまり興味がない
8人
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