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(4)ノルウェー

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(4)ノルウェー
(4)ノルウェー
ノルウェーは、歴史的にはノルウェー王家が 14 世紀に途絶えて以来、デンマーク、スウ
ェーデンの配下に長らくあって、独立国となったのは 20 世紀初頭(1905 年)である。国
土面積は日本と同じくらいだが、人口は約 500 万人と少なく国内市場は小さい。主要産業
である水産業は海外への強い競争力をもっている。食文化に眼を向けると、戦後、アメリ
カの経済的支援(マーシャルプラン)とともに進行した文化的アメリカナイズが、1960 年
代頃から顕著になったという。現在、その反動として、自国のアイデンティティの確立に
向けた活動がますます活発となってきている。
米国を始めとした海外のライフスタイルの浸透は、ノルウェー人の伝統的に質素な食生
活をも顕著に変えたという。1960 年代からのトレンドとして、ジャガイモから米・パスタ
への主食の変化、羊などの肉料理の増加など、栄養過多がむしろ問題視されている。国の
栄養指針では、もっと魚介類を摂取する必要があると勧告している。消費者調査でも、魚
メニューを食べるのは週に1~2回で、意外と食べられておらず、若い人はさらに少ない
という。国の指針では週に2~3回を奨励している。
ノルウェーの先端的漁業管理や養殖技術開発への国を上げての取組は広く知られている。
さらに、生産、加工、流通、消費者・海外市場というバリューチェーンとしての構築が、
産業の強化だけではなく、ノルウェーという国・国民のアイデンティティとプライドづく
りと重なっていると感じる。
その技術的基盤を水産・食品分野でのヨーロッパ最大級の研究機関である Nofima がサポ
ートし、生産者・国内消費者向けの食品の(現在は非水産食品分野に限定されているもの
の)品質認証を Matmerk が行い、ノルウェーないしは北欧の食品・メニューの、海外へ
の活発な普及活動を New Nordic Food というプロジェクトで進めている。これらは一例で
はあるが、そこに共通するのは、他の国ではないノルウェーという国のアイデンティティ
とプライドづくりへの明確な意志だと感じられる。
インタビュー先では、日本は数世紀以上に及ぶ食文化と伝統を持っている、そのプライ
ドとアイデンティティを昔から持っている。逆にそうした文化を持たないノルウェーが日
本に学びたいことが多い、という話を聞かされる。New Nordic Food がマニフェストで目
指している“ピュア、フレッシュ、シンプル”は、日本食そのものでもあるという。彼らは、
そうした日本食の素晴らしい面を北欧流に取り入れて、自国の新しい食産業・食文化づく
り、そしてノルウェー流のアイデンティティづくりの参考にしようとしている。
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< Nofima にて、Mr. Risvik へのインタビュー >
Einer Risvik
Nofima の Research Director で、味覚分
析や食品科学の専門家
New Nordic Food の中心的主導者でもあ
る
Ås にある Nofima の建物
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<Matmerk 社 CEO へのインタビュー>
CEO Ms.Sundqvist
会議室には最高ランクのマークが与えられた商品の全ての認定書が飾られている
東京でのイベント関係者
写真:在日デンマーク大使館
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