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市民公開講座質疑応答集 - 国立がん研究センター

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市民公開講座質疑応答集 - 国立がん研究センター
∼ 市民公開講座質疑応答集 ∼
CCC 市 民 公 開 講 座 CCC
「がんを抱えても最期まで安心して過ごせるまちづくり」
主催:国立がんセンター
共催:財団法人日本対がん協会
後援:千葉県、柏市
日 時:平成 18 年 10 月 28 日 ( 土 ) 15:00-17:15(開場:14:00)
至つくば
場 所:国立がんセンター東病院臨床開発センター講堂
至取手
至土浦
至取手
国立がんセンター東病院
200m
十余二工業団地交差点
柏インターチェンジ
定 員:200 名(事前受付)
至野田
対 象:一般市民及びがんに携わる医療福祉関係者
※駐車場(有料)もございますが、できるだけ公共の交通機関をご利用ください。
交通手段:
(地図参照)
柏の葉
キャンパス
500m
常
磐
自
動
車
道
入口
東大
柏
キャンパス
千葉大
農場
至
千
葉
・
柏
県立柏
西高校
西
口
J
R
常
磐
線
田
野
武
東
申込方法:・氏名、参加人数、参加証郵送先をご記入の上、
ハガキ、E メール、FAX でお申し込みください。
10 月 20 日(金)必着です。
柏
駅
豊四季団地
柏の葉公園
線
N
税 関
研修所
国
道
6
号
線
至野田
初石
江戸川台
至東京
流山
豊四季
おおたかの森
至秋葉原
至東京
至船橋
東武野田線
至東京
・当日までに参加証を郵送いたします。申し込みのご連絡には必ず参加証郵送先をご記
入ください。また、参加証は当日ご持参ください。
・電話での申し込みは受け付けておりません。
プ ロ グ ラ ム
15:00
15:10
16:10
挨 拶
千葉県、柏市
第1部
司会:垣添忠生(国立がんセンター総長)
1.望ましいがん医療とは
演者/竹中文良(ジャパンウエルネス代表)
2.市民からの要望
演者/水野治太郎(生と死を考える会副会長、麗澤大学教授) 1 6 : 4 0
--17:40
3.在宅緩和ケア医として
演者/大岩孝司(さくさべ坂通り診療所所長)
第2部
司会:竜 崇正(千葉県がんセンター長)
4.国の取り組み:がん対策基本法
演者/外口 崇(厚生労働省健康局長)
5.がんセンターの取り組み:がん患者家族総合支援センター構想
演者/内富庸介(国立がんセンター東病院臨床開発センター精神腫瘍学開発部長)
総合討論 司会:垣添忠生、竜 崇正
指定討論社:小沼宗心(柏市医師会長)
パネリスト:竹中文良、水野治太郎、大岩孝司、外口 崇、内富庸介
問い合わせ・申し込み先/国立がんセンター東病院市民公開講座係 住所:〒277-8577 千葉県柏市柏の葉 6-5-1
TEL:04-7133-1111 FAX:04-7134-7026 E メール:[email protected]
̶ 国立がんセンター東病院 ̶
はじめに
平成18年10月28日に国立がんセンター東病院臨床開発センター講堂にて、市民公
開講座「がんを抱えても最期まで安心して過ごせるまちづくり」が開催されました。
事前申し込みの方、当日参加の方をあわせて、
146名の方々にご参加いただきました。
今回の市民公開講座はがんセンター東病院としても初めての試みのため、
不備も多々
あったにもかかわらず、多くの方々にご参加いただけたことに深く感謝しておりま
す。
当日は時間の制約があり、参加者の皆様からのご質問をお受けする時間が取れま
せんでした。そこで、質問用紙にご記入いただいた質問に対して、各講師に回答を
寄せていただき、本質疑応答集として皆様のもとに郵送させていただいております。
参加者の皆様からいただいたご質問はすべて講師に渡しておりますが、一部、書字
が不明瞭だったり、内容が重複したりしている質問については、講師が質問に加筆、
削除した部分もございます。ご了承下さいますようお願いいたします。
皆様からいただきましたアンケートから、医療連携、在宅医療、緩和医療、心の
ケアなどに対するご要望、ご期待が強くあることがわかりました。国立がんセンター
としましては、市民の皆様との意見交換を通じてよりよい地域がん医療体制を作り
上げていきたいと考えております。今後とも何卒ご支援の程お願いいたします。
国立がんセンター 総長
垣添忠生
国立がんセンター東病院 院長
吉田茂昭
国立がんセンター東病院支持療法チーム
精神腫瘍学開発部
内富庸介
精神腫瘍科
秋月伸哉
緩和医療科
木下寛也
患者・家族支援相談室
−1−
坂本はと恵
プログラム
15:00
挨拶:岩下豊久(千葉県知事代理:千葉県健康福祉部次長)
15:05
挨拶:本多晃(柏市長)
15:10
第一部 司会:垣添忠生(国立がんセンター総長)
1.望ましいがん医療とは
竹中文良(ジャパンウェルネス代表)
2.市民からの要望
水野治太郎(生と死を考える会副会長、麗澤大学教授)
3.在宅緩和ケア医として
大岩孝司(さくさべ坂通り診療所所長)
16:00−16:10 16:10
<休憩>
第二部 司会:竜 崇正(千葉県がんセンター長)
4.国の取り組み:がん対策基本法
外口 崇(厚生労働省健康局長)
5.がんセンターの取り組み:患者家族総合支援センター構想
内富庸介(国立がんセンター東病院臨床開発センター
精神腫瘍学開発部長)
16:40
総合討論 司会:垣添忠生、竜 崇正
−17:00
指定討論者:小沼宗心(柏市医師会長)
17:00
挨拶:垣添忠生(国立がんセンター総長)
−2−
市民公開講座質疑応答集
望ましいがん医療とは
講師 竹中 文良 先生
∼ 講 師 紹 介 ∼
現 職
日本赤十字社看護大学客員教授
特定非営利活動法人ジャパン・ウェルネス理事長
医学博士
経 歴
1931年生まれ。56年日本医科大学卒業、日本赤十字社中央病院外科入局。
70年、日本赤十字医療救護班長としてアフリカ・ビアフラ紛争後のナイジェ
リアにおける救援活動に3か月間参加。86年、日本赤十字社医療センター外
科部長、96年、日本赤十字看護大学教授を経て、2001年より日本赤十字看護大
学客員教授。2001年5月、がん患者と家族をサポートする特定非営利活動法
人ジャパン・ウェルネスを設立、現在理事長。2006年10月、多くのがん患者
とご家族に対する心のケアにつとめる功績により第54回菊池寛賞を受賞。
専 門
外科、消化器
著 書
「医者が癌にかかったとき」(文藝春秋)、「がんの常識」
(講談社文庫)他
Q:ジャパン・ウェルネスに入会するにはどのような手続きが必要ですか?
A:毎週木曜日の午後に入会説明会を行っています。まず、それに参加いただき、
−3−
ジャパン・ウェルネスのプログラムをご理解いただいた上で、ご入会いただけ
ればと思います。入会するには入会申込書を記載いただき、入会金2000円と年
会費5000円をお支払いいただきます。なお、事務局にお問い合わせをいただけ
ましたら、ご案内の郵送も致します。
Q:会員の仕事、やることなどは?
A:会員には、患者さんとご家族が入会できる正会員とがん患者さんの心のサポー
トに関心があり、活動を支援していこうとの思いの方々が入会する賛助会員(個
人/企業)とがあります。正会員は、患者さん同士の話し合う場であるサポー
トグループ、リラクセーション(坐禅、自律訓練法、ハーブ・アロマテラピー、
ストレス・マネジメント、ヨーガ)
、複数の医師によるセカンドオピニオン、そ
の他、セミナーや旅行、クリスマスパーティなどに参加できます。賛助会員は、
個人の場合、年会費1口1万円からとなります。企業の場合、年会費1口5万
円からとなります。賛助会員でもリラクセーション(坐禅、自律訓練法、ハーブ・
アロマテラピー、ストレス・マネジメント、ヨーガ)やセミナーに参加いただ
けます。また、賛助会員ご自身あるいはお身内にがんに関する相談を希望され
る場合、セカンドオピニオンを受けていただけます。
Q:がんの恐怖̶病気の知識̶明日への希望(死の受容)ジャパン・ウェルネスに
おいてどのように気持ちが変化していくのかをもう少し詳細に教えてください。
A:多くの患者さんが、最初は1人でお越しになれない方が多く、ご夫婦で、友人
や肉親を同伴してお越しになられます。サポートグループに参加されても、た
だ他の参加者の方々のお話をお聞きになるだけで、サポートグループの様子を
ジッと観察されています。でも、3∼4回とサポートグループへの参加の回を重
ねると、すっかり元気になられ、頻回に発言され、笑顔を見受けられるように
なります。それは、おそらく同じ“がん”と向き合う他の患者さん達の影響だ
と思います。
−4−
市民公開講座質疑応答集
Q:ジャパン・ウェルネスでの活動は①サポートグループ、②リラクセーション。
③セカンドオピニオンなどありますが、いずれにしても病気に対して救いを求
めるものです。同病相憐れむ、傷を舐め合う、これらを統一できる力はすばら
しいですね。しかし医師として仕事上、治らないことを前提に話ができない。
これが Neck なのです。
A:私たちのところにも、もう治る治療法はないことを主治医から話されている患
者さんが多くいらっしゃいます。でも、それを前提にしますと、
「それでは緩和
ケアしかないですね」となります。私たちが最も気を遣うのは、この状況をご
存知の上でお越しになられた方々が何を求めていらっしゃったのか?というこ
とについてです。そして、私たちは、時間をかけてそれを伺うことから始めて
います。 話題が思いがけない方向に展開することもありますし、あまり患者さ
んのお役に立てないこともありますが、それは私たちの限界だと考えておりま
す。
Q:80歳を越えるがん患者(肺がん)について、特別な治療は何も行っていません。
このような高齢ながん患者について一言お願いします。
A:超高齢の方々にどのように対応していくかは難しい課題ですが、年齢だけでは
決められないところもあります。ご本人の健康状態、意志、家庭の状況、ご家
族の意向を合わせて考える必要がありそうです。 80歳を超える肺がん患者さん
の場合ならば、そのまま
という選択が良いと私も
思います。でも、ご本人
とご家族の意志で90歳を
超えても根治手術に踏み
切られた方も数名いらっ
しゃいます。
−5−
がんでも安心できる町 ̶ 人々の間に“共苦共歓”を ̶
講師 水野 治太郎 先生
∼ 講 師 紹 介 ∼
現 職
麗澤大学外国語学部教授、千葉県東葛地区・生と死を考える会代表
経 歴
1938年名古屋生まれ。早稲田大学大学院法学研究科修了。米国レッドラン
ズ大学ジョンストンセンター客員研究員を経て、現在、麗澤大学外国語学部教
授。学部では「ボランティア論」「比較文化概説」を担当。大学院では「比較
福祉研究」、
東京女子医大大学院看護学研究科で「人間学」を担当。コミュニティ
カレッジでは「死生学とスピリチュアル・ケア」担当。
専 門
外科、消化器
著 書
「ケアの人間学」
「弱さにふれる教育」
「大人のいのちの教育」他
Q:
「生と死を考える会」への参加方法、いつ開かれているのか。もう少し詳しく教
えてください。
A:東葛「生と死を考える会」への入会は、行事があるときに参加してくだされば、
入会手続き・活動内容の紹介をします。11月の行事は、
18日(土)午後2時から「メ
モリアル・サービス」(亡くなった人への追悼供養の礼拝)を行います。野田市
の清水公園内にある「金乗院」(こんじょういん)真言宗豊山派の寺院。参加費
−6−
市民公開講座質疑応答集
500円。
12月行事は、財団法人モラロジー研究所主催の「生と死を考えるセミナー」
で代替しています。なお1月行事は、1月13日(土)午後2時、麗澤大学校舎 A
棟1408教室。
「生と死を考える会」事務局:04−7173−3465
(麗澤大学・竹内教授研究室)
「生と死を考えるセミナー」問い合わせ先:04−7173−3191
Q:北小金での「痛みの分かち合い」への参加方法について教えてください。
A:毎月原則として第二土曜日・午後2時から4時(8月・12月は除く)常磐線「北
小金駅」南口徒歩7分「東漸寺談話室」で開催しています。参加申し込みは、
上記事務局宛に電話予約してください。 12月はお休み。1月のみ第三土曜日の
20日に開催。
「痛みの分かち合い」には名乗る必要もありませんし、個人の秘密
を外部に漏らすことはありません。 泣くことを許されている唯一の場所という
役割を果たしています。(駐車場は少しありますが、なるべく徒歩でお越しくだ
さい)
Q:生と死については人により考え方がいろいろと思う。先生自身はどのような考
えでしょうか。
A:私自身の死生観をお尋ねと理解しました。私は地球上に「いのち」が誕生して
40億年経過し、そのいのちを全生物が今日に至るまで分かち合っていることに、
深い感慨をもっています。さらに地球上の生き物すべて共生することが何より
も重要なことと考えます。これは宇宙的生命観ともいえるでしょう。その一つ
のいのちの種を大切に育てはぐくんでいる人間一人ひとりが、己の生命の完遂
に向かって誠実に努力する。それを互いに支援すること。人生の完成のために
援助し合うホスピス運動の思想に共鳴しています。その誠実な努力の延長には
「尊厳死」
への要望が当然にはいると考えます。ことに意識のない植物状態が数ヶ
月経過したときには、栄養補給をしないで安からに死なせてもらいたいと願っ
−7−
ています。但し、水は補給してもらいたいと思います。また、積極的・意図的
に生命を終わらせる安楽死までは容認できません。
Q:がんの延命治療は必要でしょうか。患者の考え方次第では、延命の要望も大切
だと思います。
A:すべての治療行為は大切です。但し、回復の見込みがまったく立たない状況で
の延命措置については、医療者も患者自身も苦悩します。やれることはすべて
やり終えたその先に、静かな時間をもって家族との最後のお別れをすることは
重要な課題と考えます。大事なことはいのちを賭けての医療者・家族との真剣
な対話です。それなくしては、安らかな死も訪れません。年齢が若い人の死の
場合には、ともすれば最期まで戦うことになりがちですが、しかし若い世代の
人ほど、大切な家族との
静かな別れの時間をもつ
ことが課題となるでしょ
う。遺族ケアに従事して
いて、別れの時間の持て
た人とそうでない人の間
には大きな違いがあるこ
とを学びました。遺族に
も配慮が必要です。
Q:患者さんの命に寄り添うことについてどのように? 一言よろしくお願いしま
す。
A:ご質問の意味を「患者さんの命に寄り添って」共に生きる姿勢のあり方につい
てお尋ねと理解しました。対象をターミナルの患者さんに絞れば、通常の激励
のことばである「がんばれ」は使えません。「よくこれまで苦しい中を乗り切っ
てこられましたね」と満足感を引き出すこと、それまでの努力への評価が必要
−8−
市民公開講座質疑応答集
だと思います。また家族へのねぎらいや患者の感謝の気持ちを代弁することも
大切な課題でしょう。あの世への移行についての不安や残された家族の行く末
など、患者の心配の種は尽きません。しかし、いま生きてここに在ることの深
い感謝の気持ちが沸いてくれば、それらの不安は自ずから解消するはずです。
スピリチュアル・ケアの大切さが叫ばれますが、特別な対応をするというよりは、
患者の気持ちを第一に考え、希望をもって生き抜くこと、それが人生の完成に
なることを悟ってもらえるようにすることです。人間の尊厳や人問として生き
る輝きはターミナル期の患者が、弱さをさらけ出しているその瞬間にこそ訪れ
ます。人として生きる深い意味がそこに隠されていると考えます。
−9−
在宅緩和ケア
講師 大岩 孝司 先生
∼ 講 師 紹 介 ∼
現 職
医療法人修生会 さくさべ坂診療所所長
経 歴
1947年東京都生まれ。1972年千葉大医学部卒。千葉大学肺癌研究施設第一
臨床部門(外科部門)、千葉県松戸市立福祉医療センター東松戸病院診療局長
を経て、2001年千葉市に訪問医療専門の診療所(さくさべ坂通り診療所)を
開設。終末期がん患者を対象に、訪問診療を専門とした診療を行っている。
専 門
呼吸器外科、在宅緩和ケア
Q:理学療法士の仕事をしており、在宅リハにとても興味があり、いずれ行ってみ
たいのですが、ターミナルの方の在宅でのリハビリの必要性はありますか?あ
るとすれば、どのような内容のことが必要であると思われますか?
A:リハビリテーションが必要とされるのは多くの場合死亡前1ヶ月前後です。そ
のような厳しい状況でも必要性は大いにあると考えていますが、基本的な視点
が高齢者のそれとは違います。
1)脳梗塞などの高齢者の在宅の場合は機能維持および向上です。がんの患者
さんが理学療法を必要とする時は機能低下がまさに進行しているまっただ中
にあって、機能低下の防止はかなり困難で、残っている機能をうまく活用す
− 10 −
市民公開講座質疑応答集
ることに目標を置く必要があります。機能低下の速度はきわめて速く、一日
一日状況が変化をしますので、そのことを視野に入れたあるいはその都度そ
の都度の適切な対応が要請されます。言葉で言えば「リハビリテーション」
の「リ」は不要です。
2)がんの患者さんは医療・ケアスタッフあるいは福祉用具と関わることそれ
自体が、喪失感をつまり死が近づいてきたことを実感させることになるので、
ご本人の意思に基づいたプランニングにするなど十分な配慮が必要です。
3)リハビリが必要な状況の患者さんの多くは死をより身近なものに感じ始め
ており、病的ではなくてもうつ的な傾向が強まります。従ってたとえ専門職
種であっても患者さんとコミュニケーションをとることは必ずしも容易では
ありません。
結論的に言えば、必要性は大いにあるのですが、患者さんと実際に関わる
ためには在宅緩和医療・ケアの実践プログラムを共有し、同一のチームとし
て機能することが必要です。在宅緩和医療・ケアの患者さんの状況・心理状
態を良く理解・認識した理学療法士が、医師・看護師などのケアスタッフに
高い水準の技術指導することの方が現実的ではないかと考えています。
Q:先生の患者さんは死の受容をしている
ようですが、その点どのようなサポー
トをしているのでしょうか?
A:全ての患者さんが死を受容しているわ
けではありません。ただ死に関わる話
を含めて、患者さんからの話題につい
ては事実に基づいてきちんと話をする
ようにしています。その時に悩んでい
ること、困っていることを具体的な問
題として捉えることが大切です。
− 11 −
たとえば「死ぬのが怖い」といわれると、ケアスタッフも、ご家族もどう応
えて良いかわからなくて黙るしかなかったり、「そうですよね、怖いですよね」
と相槌を打つ事で終わりにしてしまうことがあります。それをもう一歩踏み込
んでどうして?何が怖いの?かを良く聞くと、
「死ぬ事自身は仕方がないと思っ
ているけど、がんは最後にすごく痛くなるし、七転八倒の苦しみがあると聞い
ているので、それを考えるだけで怖くなる」という具体的な話になります。具
体的な疑問や心配事に対して必要な情報提供をしていくことで多くは問題解決
に結びつきます。つまり「七転八倒の痛みは絶対にないですよ、痛み苦しみを
ゼロにするという約束はできませんが、そのことであなたが考えているような
辛い思いは絶対にしませんよ」と伝えると、殆どの患者さんが、笑顔で「ああ
良かった、これで安心できる」と話をされます。
大変ですけれどご本人ときちんと話をし、向き合うということが基本と考え
ています。
Q:初診で末期がんの方に出会った場合、どう対処し、アプローチしていけばよい
でしょうか。
A:医療・ケアスタッフの方からの質問として、私どものスタンスについてお答え
します。
特別な患者さんという思いで接することはありません。私たちの力が及ぶ限
り、療養のお手伝いをすると言うことを伝えるだけです。“末期がん”の患者さ
んは辛い状態にいるだけではなく、多くの混乱があります。初めはその辛さ、
混乱に対して気持ちはよくわかりますよというメッセージを伝えながら、考え
方の整理ができるようにお手伝いをするようにしています。
第一には、患者さんが生活面・精神面・身体面などの側面から、困っている
こと・辛いこと・心配なこと・不安なことについて具体的に話を聞いて問題を
明確にします。その上で必要な情報を提供し、対応策を相談します。つまり抱
えている問題を可能な限り相談者の味方になって解決しますよというメッセー
− 12 −
市民公開講座質疑応答集
ジを受け取って貰うことが出発点です。
第二番目として忘れてはいけないことは、がんの治療のことです。末期がん
の患者さんは診断・治療の結果が思わしくない訳ですから、治療の結果や治療
者の対応に不満を抱えていることが少なくありません。多くの混乱、後悔の念
を持っていることが少なくありません。結果として状況に満足できず、諦めき
れずに最後までがんの治療を求めることもありますから、この問題についても
頭に置いた対応が必要です。がんの治療の基本的な考え方、そして今まで受け
てきたがんの治療・受診した病院の選択が正しいものであったと言うことを実
感して貰うこと、つまり後悔の念をできるだけ薄めることが大変大事になると
考えています。
以上の2点を中心に相談することが、療養していく上での出発点になると考
えています。
Q:先生の所で診て頂く為にはどのように申し込めばよろしいのでしょうか
A:お電話(043−284−5172)をいただき、面談の日を決めることが始めです。患
者さんが最後まで家にいたいという意志がはっきりしていれば、来院はご家族
だけ良いです。まだ決めかねていたり、直接話をして決めたいという時は勿論
ご本人とおいでいただきます。
なお現在の診療範囲は緑区を除いた千葉市内(若葉区、中央区、稲毛区、美
浜区、花見川区)に限らせていただいています。
Q:在宅ケアが広まらない理由として、やはり末期がんに対する誤解が大きいので
はないかと思いました(私も今日まで誤解していました)。この大きな誤解をな
くしていくためには、どのようにしたらいいと思われますか?
Q:ご講演の終わりごろに在宅ケアが広まらない理由に示された①受け皿、医療の
提供の問題が大きく存在しているので誤解されている。さらに②在宅の患者と
家族の痛みや突然起こるかもしれない不安が大きい。これを柏在住の市民がど
− 13 −
う解決できるでしょうか。システムの問題、改善できることは?
A:誤解という言葉を使いましたが、より正確には一つの側面だけをみて普遍的な
捉え方をしているという概念を固定させないで、もう一歩踏み込んで考えて欲
しいと言うことです。そうすることで在宅緩和医療・ケアそのものの目標設定
を現実的で、より質の高いものにできるからです。つまり、一般的に言われて
いる認識とは異なったこのような内容の医療・ケアがある、受けることがきる
という事実を一人でも多くの人が知ることです。そのためには在宅緩和医療・
ケアの理念と目標およびその実情を患者、市民、医療・ケアの関係者に地道に
理解して貰う他はありません。今回の公開講演会もその一つです。このような
ことを通して一人でも多くの人に伝えていきたいと考えています。その時に大
きな力になるのは患者さん自身とご家族(遺族)の生の声です。実際に経験した、
あるいは経験を積み重ねている人たちが力を合わせて伝えていけるような方法
を模索していくつもりです。柏市民としても自らの願いを込めてこれらの問題
解決のために力を蓄え、具現して欲しいと思います。実際に医療・ケアを受け
る市民の要請・声を医療・ケア側さらには行政に届けることが重要であると思
います。
医療・ケアを提供する側としては医師会、訪問看護ステーションを中心とし
た連携のためのシステム作り、在宅緩和医療・ケアの実践プログラムの策定な
どが重要課題であると考えています。
受け皿、つまり在宅緩和医療・ケアを積極的に担う医療機関、訪問看護ステー
ションについて言えば、地域差はあるもののその絶対数が圧倒的に少ないこと
は事実です。しかし最近は在宅診療を主な診療業務としている医療機関が増え
ていますので、このような医療機関と従来型(外来診療を主としているところ)
の医療機関そして病院との連携あるいはアドバイザーシステムが機能できれば
問題の一端を解決することになるのではないではないかと考えています。この
ように考え得る方法の中で現実的に実行できることから一つ一つ積み重ねてい
くことです。
− 14 −
市民公開講座質疑応答集
Q:介護保険の改正で方法、方向は示されているが進度が低い。たとえば「在宅療
養支援診療所」は鍵になると思うが、そのための具体的対応策を伺いたい。(受
け皿対策の推進母体は?医療連携体制のあり方も)
Q:24時間勤務が大変で、地区に2−3箇所あればよいと思いますか?個人の診療所
の拡大は困難ですが、いかがでしょうか。
A:きちんとした理念、プログラムを持った医療機関ということが前提ですが、地
区に2−3カ所有れば大丈夫というのは賛成です。言われるとおり24時間のカ
バーを個人の診療所に求めるのは困難で、工夫が必要です。医療ケアを提供す
る側のシステム作りと同時に、患者・市民の側の理解が必要です。
この問題を考える前提として次のことを認識することが求められます。1)在
宅緩和医療・ケアは医師一人で提供するものではないし、行うことはできない
ということ。2)医師・看護師を中心にケアマネジャー、介護士、薬剤師などを
中心とした多職種のチームケアが基本になること。3)その中心的な職種には訪
問看護師が適していること。つまり医療機関だけに目を向けるのではなく、が
ん患者を看ることのできる訪問看護ステーションの存在にも目を向けたシステ
ム作りが必要です。
医療機関について言えば地域で24時間体制を目指す一つのあり方として、医
師会の夜間休祭日診の体制のような当番制の訪問版、あるいはアルバイト医の
活用がモデルになり得るかもしれませんし、考える方向の一つであると思いま
す。更にその機能の中心的あるいは補完するものとして訪問看護ステーション
の活用が重要で、このような協力体制を円滑に機能するためには、現実的で必
須の方法の一つと考えています。
以上のような考え方を具体化するために、在宅療養支援診療所同士で考え、
検討することができるシステム作りから始めたいと考えています。さらに市民、
行政、医師会、病院が理解協力し、支援する体制ができることが望まれます。
− 15 −
Q:とりくんでくれる医師は増えてくれるでしょうか?
A:増えることは確実ですが、どのような形で、どのくらいの数の医師が増えるか
が問題です。現実は考えている以上に切迫していますので、一人でも多くの医
師に積極的に関わって貰う方策を考える必要があります。現在私が考えている
具体的な方法として以下の二つをあげることができます。第一は在宅緩和医療・
ケアに取り組む医師の養成のシステムの構築です。在宅緩和医療・ケアに関心
のある医師の教育システムを実際に在宅緩和医療・ケアに関わっている医療・
ケアスタッフとがんセンターなどの専門性の高い医療機関が協力して構築する
こと。第二には病院医師の理解です。特に各病院の緩和ケアチームが患者宅に
訪問したり、地域の医療機関の支援をするなどして病院という枠を取り払って、
地域という視点で診療活動を広げることです。
ここで医師が増えるために最も重要なことは、在宅緩和医療・ケアが魅力的
な分野であることを知って貰うことにつきるということです。具体的には専門
性の高いやりがいのある仕事であること、患者・市民の期待が高い医療である
ことを一人でも多くの医師に理解して貰うことと同時に、過重な負担がかから
ないシステム作りが重要です。
そのためにも市民の理解と同時に医療と看護の連携がうまく機能する方向が
重要になります。
Q:家で患者を見ることは大変と思っていたのですが、大丈夫なのですか。
A:結論的には大丈夫ですが、大変ですし、決して楽ではありません。しかし、そ
の大変さは多くの人が考えているのと内容が違います。
適切なケアが行われていれば多くの患者さんは寝たきりの状態にはならない
ので、身体的な介護負担は考えているほどではなく、むしろ病院に通うより楽
であることが少なくありません。本当に大変なのは1)衰えていく患者、病状
が悪化していく患者を看ているのが、認め受け入れるのが大変ということ、2)
このような状況で何をして良いのかわからない、どう話しをしてよいのかわか
− 16 −
市民公開講座質疑応答集
らないということがあげられます。つまり辛い思いをしている患者に対して、
家族は何か役に立つことをしてあげたいのに、何もできないという辛さが、看
ている家族の身体的辛さにもつながっていくのです。このことに関して、ケア
チームの適切な関わりと、ご家族が現実を受け入れ、関わる視点を少し変える
ことができれば、肩に力を抜いて最後まで家族と貴重な時間を一緒に過ごすこ
とは十分に可能です。私たちはこのような考え方で、ご家族のケアも患者さん
本人に対するケアと同じ様に重要と考えています。
ある意味では人生の大切な時間と空間をご家族が一緒に過ごすとても貴重な
場面です。患者さんにとっても、ご家族にとっても大変ですけれども大きな喜び、
幸せな時を共有する事ができた/できるという認識を持てればと思います。
Q:在宅ホスピスケアと代替医療について、在宅で取り入れやすい代替医療等があ
れば、性別、年代、症状ごとにご教示下さい。
A:代替治療は何を示しているのかによってお答えが変わってきます。しかし私は
代替治療を積極的に取り入れているわけではないので、お答えは難しいです。
少なくともキノコの抽出物などの製品をがんの治療薬と同じように考えて使用
することには反対です。一般論としてしかお話しできませんが、大切なことは
まずご自身の病状及び治療の考え方をきちんと理解をして、疑問点が有れば主
治医あるいは専門医(緩和医療医を含む)に納得ができるまで話を聞き受け入
れることです。その上で精神・身体の調子をととのえるために、患者さんご自
身が代替治療を求めることは意義があると思います。
患者さんには「代替医療を積極的に勧めることはしないし、明らかにマイナ
スと言えるもの以外は強くやめるように話すこともしません。ご自分が納得で
きるようにすることは良いと思います。しかし高いものは絶対にやめましょう。」
とお話をしています。
− 17 −
がん対策基本法
講師 外口 崇 先生
∼ 講 師 紹 介 ∼
現 職
厚生労働省健康局長
経 歴
昭和27年千葉県生まれ。慶応義塾大学医学部大学院卒後、昭和58年に厚生
省入省。医薬安全局血液対策課長、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構
研究振興部長、老健局老人保健課長、大臣官房参事官(政策医療・医薬食品担
当)
、医薬食品局食品安全部長、厚生労働省大臣官房技術総括審議官を経て、
平成18年より厚生労働省健康局長に就任し、現在に至る。
Q:介護保険は65歳前に使えるのでしょうか?
A:被保険者は、
(1)
65歳以上の方(第1号被保険者)と、(2)40歳から64歳までの
方のうち医療保険に加入している方(第2号被保険者)です。
これらの被保険者の方が、
(1)入浴、排せつ、食事等の日常生活動作につい
て介護を必要とする状態(要介護状態)にある、あるいは、
(2)社会的支援を
要する状態であって要介護状態とならないために適切なサービスを受けること
が必要な状態(要支援状態)である場合に、保険給付の対象となります。
40歳から64歳までの方については、脳血管疾患、初老期における認知症など
政令で定める疾患(特定疾病)に伴って生じた要介護状態(要支援状態)に対
し保険給付を行います。なお、がん末期については、平成18年4月より特定疾
病に加えられています。
− 18 −
市民公開講座質疑応答集
Q:検診の受診率の向上や科学的根拠に基づく検診の実施について厚生労働省のお
考えを教えてください。
A:例えば、乳がん等については、ポスター等による広報活動、シンポジウム等に
よる普及啓発等を行い、がん検診の受診率向上を図っています。
科学的評価に基づく検診の実施については、がん検診に関する検討会において、
死亡率減少効果等の評価を行い、実施方法等を見直しています。
Q:間違えた情報を得意になって流しっぱなしのマスコミ、テレビ等の責任につい
て厚生労働省の認識はどうなのでしょうか。
A:メディアを通じた情報はどうしても取材する側の理解の範囲内で、その考えを
反映したものとなること、また、一口にがん患者といっても、その状況は様々
であるところマスコミによる報道は紙幅や放送時間の制限上詳細な情報を伝え
きれない面があるなどから、患者さんやご家族にがん医療についての誤った認
識をさせてしまうケースもあるようです。
厚生労働省では、がん対策についての正確な情報が国民の皆さまに十分に伝
わるよう、報道機関に対してがん対策に関する情報について丁寧な対応を行い、
できるだけ正しく理解されるよう努めてまいります。
また、適切な情報を皆さまに直接に提供できる体制の整備を進めていくこと
も重要だと認識しており、平成18年10月には国立がんセンターにがん対策情報
センターを設置したほ
か、各地のがん診療連携
拠点病院に相談支援セン
ターを設置し、個々の患
者さんの状況に応じたき
め細やかな相談支援を行
うこととしております。
− 19 −
さらに、健康食品の安全性や有効性についての情報についても、国立健康・
栄養研究所のホームページに公開しているところでもあります。
今後とも、がん医療に関する情報の丁寧な発信に努め、患者さんやご家族が
正確な情報に基づき納得して医療を受けることができるように取り組んでまい
ります。
− 20 −
市民公開講座質疑応答集
がんセンターの取り組み:がん患者家族総合支援センター構想
講師 内富 庸介 先生
∼ 講 師 紹 介 ∼
現 職
国立がんセンター 東病院臨床開発センター精神腫瘍学開発部長
日本サイコオンコロジー学会代表世話人
経 歴
1984年広島大学医学部卒業。国立呉病院・中国地方がんセンター精神科医
員。1991年、厚生省 HIV 留学制度により米国スロンケタリングがんセンター
記念病院精神科研修。広島大学医学部神経精神医学教室講師を経て、1995年か
ら国立がんセンター研究所支所精神腫瘍学研究部室長として同研究部の創設に
携わり、1996年に同部長、2005年に東病院臨床開発センター精神腫瘍学開発
部長に就任し、現在に至る。96年国際サイコオンコロジー学会から若手研究
者賞、
2006年 Bernard Fox 記念賞。
専 門
精神医学、精神腫瘍学
Q:東葛地区で在宅緩和ケアをしているところの情報を公開してほしい。
A:患者さんの状態、お住まいの地域、医療者側の都合など様々な条件によって、
一概に在宅緩和ケアができる、できないという返答が難しいため、公開された
情報はそれほど多くありません。千葉県では在宅緩和サービスを提供する医療
機関や事業所、その提供サービスの内容などを掲載した「在宅緩和ケアガイド
− 21 −
ブック」を作成しており、千葉県
健康増進課、文書館、健康福祉セ
ンター、市町村で閲覧できます。
また、
「在宅緩和ケア情報ホーム
ページ」を、千葉県のホームペー
ジや千葉県看護協会のホームペー
ジから見ることができます。電話
相談は千葉社会保険事務局保険課
医療係(043−207−8831)
、もしく
は千葉県疾病対策課がん・難病対
策 室(043−223−2662) が 行 っ て
います。医師会によっては在宅医療が可能な診療所のリストを公開していると
ころがありますので、お住まいの地区の医師会のホームページで調べたり問い
合わせをしてみてもいいでしょう。また、市民団体や患者会などによるホーム
ページ、出版物による情報も手に入ることがあります。
「在宅緩和ケア」「在宅
ケア」などでホームページを検索すると関連サイトを見つけることができます。
ただ、ご自身の個別の状況に応じた情報を手に入れるためには、一般に公開
されている情報だけではなく、現在治療を受けている病院のソーシャルワーカー
や看護師に相談することをお勧めします。身近な存在になってもらえるよう、
医療者とのコミュニケーションは重要です。十分な情報が得られない場合、国
立がんセンター東病院の患者家族相談室にご相談下さい。近隣地域の患者さん
のご相談にも応じています。
Q: 患者家族総合支援センターは、どの地域の人でもサービスを受けられますか?
柏市以外の地域でも同様の取り組みはありますか?
A:現時点で国立がんセンター東病院では、柏健康福祉センターと連携した地域が
ん医療体制作りを準備しています。柏健康福祉センターは柏市、我孫子市、流
− 22 −
市民公開講座質疑応答集
山市をカバーしていますので、計画はこの3市を中心に検討しています。ただ
し新しい試みのため、どの程度の規模の人員でどの程度の地域をカバーできる
かなど不明な点が多く、地域の範囲は今後の事業計画によって変更する可能性
があります。現段階ではまだまだ実験的な取り組みであることをご了承下さい。
柏以外の地域でも、今年度から「がん診療連携拠点病院」には相談支援センター
を置くことになりました。地域によって同様の取り組みをしています。
Q:国立がんセンター東病院の緩和ケア病棟に入院せず、一般病棟でも緩和ケアは
受けられますか?
A:もちろん受けられます。国立がんセンター東病院では「支持療法チーム」とい
う緩和医療科医師、精神腫瘍科医師、がん専門看護師、ソーシャルワーカー、
薬剤師、管理栄養士などからなる緩和ケアの専門家チームを組織し、一般病床
に入院中の患者さんにも、患者さんの要望に応じて緩和ケアを提供できる体制
をとっています。
Q:がんセンターと連携して診療を受けられる地域の病院、診療所の紹介はどのよ
うに受けられますか?どこに相談すればよいですか?
A:通常の医療連携(紹介状による情報の共有など)は、現在どの医療機関でも行
うことができます。がん患者家族総合支援センターの構想でお話した特殊な連
携は構想段階であり、まだ行っておりません
Q:実践はどんな風に市民に伝わるのでしょうか?
A:現時点で「がん患者家族総合支援センター構想」は構想段階であり、関係者か
らの情報を集めているところです。今後、支援センターで行う予定の業務の一
部を実験的に国立がんセンター東病院の中から、患者家族相談室や支持療法チー
ムの活動を通して段階的に実施していく予定です。
− 23 −
Q:痛みを伴わない抗がん剤はないのですか?
A:一部の抗がん剤の副作用として、手足のしびれ、痛みが出現することがありま
すが、一般的に抗がん剤の副作用として痛みはあまり生じません。ただ、抗が
ん剤治療を行うときに、がんそのものによる痛みがあることは珍しくありませ
ん。その際は、抗がん剤の治療と平行して痛みの治療を行うことができます。
アンケート集計結果
回収率
126/146(86%)
性別
男性 33% 女性 64%
年齢
∼20代(6%)
、30代(9%)
、40代(12%)、50代(25%)、60代(36%)、
70代(9%)、80代∼(1%)
職業背景
一般 64% 医療福祉職 21% 未記入 16%
今後市民公開講座に期待する内容
心のケア(59%)、在宅療養(57%)、緩和医療(48%)、家族関係(28%)、
リハビリテーション(11%)
* 未記入のアンケートがあるため足して100%にならないことがあります。
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問い合わせ先
国立がんセンター東病院市民公開講座係
住所:〒277-8577 千葉県柏市柏の葉6-5-1
電話:04-7134-7013 ファックス:04-7134-7026
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