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サウジアラビアの政治・経済・文化 -サウジアラビアとは—
サウジアラビアの政治・経済・文化 -サウジアラビアとは― 福田安志 目次 • • • • • • 中東・北アフリカ地域とGCC諸国 サウジアラビアの国際的な位置 建国過程と経済の発展 政治 経済 文化 中東・北アフリカ地域 • 広大で多様な地域 政治体制・・君主制8か国、共和制 経済・・豊かな国と途上国 • • • • 産油国が多い イスラームの影響力の強い地域 アラブ諸国が多い 政情が不安定な地域 中東(中東・北アフリカ、MENA): アラブ主要18カ国+イラン、トルコ、イスラエル 出所:福田作成 GCC諸国(湾岸協力会議)・・6カ国 サウジアラビア、クウェート、バハレーン、 カタル、 アラブ首長国連邦、オマーン バハレーン カタル ジ ェ ッ ダ 出所:福田作成 GCC・・安定と発展に寄与 • GCC=湾岸協力会議(GCC諸国) • 君主制(アラブ首長国連邦は大統領)、 産油国、アラブ諸国、イスラーム諸国 • 親米欧諸国 • 共通項が多い・・協力関係が進む 経済協力、安全保障 • 地域の安定と経済発展に大きく寄与 • 米軍の存在・・安全保障に寄与 サウジアラビア・・国際的な位置 • 世界最大の原油の安定供給国 • イスラーム諸国の中心的な国 聖地・メッカ・メディナの存在 • アラブ諸国の中心の一つ • アメリカ・西側先進国との強い友好関係 • 日本との関係は良好 植民地支配などの負の歴史はない 日本の経済発展・科学技術を尊敬 アジアも重視したサウジの対外政策 建国過程と経済の発展 • 18世紀半ばに成立のサウード朝が起源 (サウード家とワッハーブ派の協力) • 1902年にサウード朝再興、発展 (部族社会を統一し、王朝国家へ) • 1932年にサウジアラビア王国建国、現在へ • 1938年に原油生産の開始、経済発展へ • 1970年代半ば以降、飛躍的な経済発展 • 2000年代、経済発展と多角化の推進 政治の仕組み • サウード家のアラビア王国・・建国の経緯 • 国王中心の政治 権威主義的ではない マジュリスの伝統 サウード家の役割 国民との意思疎通 • 国王の下で安定した政治が続く 経済の発展 アラブの部族的社会での長老的存在 2聖地(メッカ、メディナ)の守護職 サウジアラビア 政治と政策決定の仕組 アブドッラー国王 国家元首、 首相兼任、立法権持つ 国軍最高司令官 2聖地(メッカ、メディナ)の守護者 各最高評議会 閣議 諮問評議会 (議会の役割) 各省庁・行政機構 各州知事 (13州) 作成:福田安志 出所:サウジ国営通信 政治の現状 • 安定しており、大きな変化はない • 「アラブの春」(シリアやエジプトなど)の影響 サウジ・・経済好調もあり、政治は安定 • 治安・・安全が確保されている テロは起きていない • 内政上の課題 政治、社会の改革を徐々に進める 経済の多角化、地方開発、雇用機会創出 石油中心のこれまでの経済 • 産油国で石油が中心 • 経済で財政の果たす役割が大きい • 石油収入の増加で経済が拡大・躍進 • 2003年以降財政黒字が続く(2009年を除く) • 多額の累積財政剰余金を持つ 原油価格下落の場合、剰余金を取り崩す 石油収入と経済 国庫 石油会社 石油収入 財政支出 ドル 石油の輸出 代金 (公務員給与、 インフラ建設など) 消費財・資本財 の輸入 国内経済 (消費経済中心) お金の流れ 作成:福田安志 経済の発展・変化と方向性 • 経済の多角化を進めている 石油化学産業などの発展 民間の製造業も徐々に発展 非石油分野の輸出が増加 • 工業団地・経済都市が工業化に寄与 • 規制緩和・外資の誘致 WTO加盟を契機に制度・環境の整備 • 人材育成・教育制度の整備・拡充 • 民間部門の発展 経済の現状・・良好 • 成長率 2010年=4.4%、11年=8.6%、12年=5.1% 13年=3.5%、14年=5.1% (出所:EIU) • 話題が豊富 4月・・サウジ電力会社、10年間で800億ドル投資 8月・・SABICの新規プロジェクト、総額217億ドル 4月・・Sadara社20億ドルのスクーク発行 (AramcoとDow Chemicalの合弁) 経済の統計・・参考 • 一人当りGDP=$30,884(12年) • 原油生産量=1,005万b/d (8月) (最大生産能力1,250 b/d ) • 一人当り石油収入=$16,200(12年) • インフレ率=3.7% (7月) • (出所:EIU、Reuters、SAMA) サウジ企業の収益状況・・参考 -ミクロの事例- • 2013年第1四半期の収益状況 増益は12社、平均で10.3%増加 減益・損失は8社 • 2013年第2四半期の収益状況 増益は18社、平均で13.2%増加 減益・損失は4社 • 企業収益は向上 文化 • アラブとイスラームが文化の基層 • アラブ文化 アラビア語が国語 アラブ発祥の地、アラビア語と歴史を共有 • イスラーム・・聖地メッカ・メディナの存在 文化に強い影響 メッカ巡礼、イスラームの国際機関の存在 • 国際関係にも影響、メディアでの影響力 • 経済・社会・教育の発展とともに新しい文化も