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倒産発生日の天気 雨が降るほど倒産は増える 気象庁の気象データ
東京商工リサーチ 最大級のアンラッキーデー 倒産件数が平均の3倍以上 倒産発生日で「5日」、「水曜」、「仏滅」の3つの悪条件が重なったのは、2000年1月以降、次の 4回あった。2002年6月5日、2003年3月5日、2006年4月5日、2008年3月5日の倒産件数は、いずれもそ の年の1日当たりの平均件数を3倍以上も上回り、「最大級のアンラッキーデー」だった。 やはり悪条件がこれほど重なると、目に見えないパワーが蓄積されるのかも知れない。 なお、倒産発生日が「13日の金曜日」は合計29日あったが、倒産件数が100件を上回ったのは2007 年4月13日(101件)だけ。同年の1日当たり平均件数は38.6件で、3倍に届かない。 「5日」、「水曜」、「仏滅」の倒産件数 件数(件) 倒産件数 倒産平均件数 倍率 6 件数/年間1日平均 250 5 4.85 200 3.69 150 4 3.61 3.36 3 216 100 189 2 144 134 50 1 52.29 44.53 36.29 42.87 2002年6月 2003年3月 2006年4月 2008年3月 0 0 倒産発生日の天気 雨が降るほど倒産は増える 気象庁の気象データ(降水量、降雪、平均気温)と倒産の平均発生件数(倒産件数/日数、以下1日 平均)をクロス集計で分析した。 降水量別では、「降水量なし」は1日平均37.9件だった。これを基準にすると「10mm未満」は38.3 件に増加、「50mm以上」は41.6件にまで跳ね上がる。これから見る限り、雨量が増えるほど倒産発生 率は高まる。降雪別では、「なし」は1日平均38.2件だったが、「あり」は35.2件と減少し、雪の日 は倒産が少なかった。気温別では、最多は「10℃以上20℃未満」の1日平均38.6件で、快適な過ごし やすい日に倒産が増える。一方、「5℃未満」は32.6件、「30℃以上」は36.4件だった。倒産は雪が 降るような寒い日は少ないが、快適な気温で増え、雨が多いほど増える傾向がみられた。 倒産天気(降水量、地点:東京) 降水量合計 日数 倒産天気(平均気温、地点:東京) 倒産件数 なし 2,866 108,672 10mm未満 2,371 50mm未満 640 50mm以上 108 4,497 1日平均 気温 日数 倒産件数 1日平均 5℃未満 314 10,238 32.61 90,968 38.37 10℃未満 1,338 51,512 38.50 24,650 38.52 20℃未満 2,083 80,485 38.64 41.64 30℃未満 2,101 81,116 38.61 30℃以上 149 5,436 36.48 倒産天気(降雪、地点:東京) 降雪 日数 37.92 倒産件数 1日平均 なし 5,910 226,141 38.26 あり 75 2,646 35.28 倒産企業の設立月日 「1日」が最多 倒産企業のうち、設立月日(企業誕生日)が判明した12万7,348件を分析。最も倒産が多い設立日 は4月1日で2,362件(構成比1.85%)だった。年度初めの設立企業が多く、比率的に倒産も多い結果 となった。次いで、6月1日の1,655件(同1.29%)、5月1日の1,579件(同1.23%)など「1日」設立 企業が多かった。 一方、1月2日、4月29日、11月23日、12月31日に設立された企業倒産はそれぞれ1件のみ。これから 起業を目指す人は、運を天に任せるなら倒産が少ない設立日を選ぶことも大切かも知れない。 -2- 東京商工リサーチ 設立月日別倒産件数 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 設立月日 4月1日 6月1日 5月1日 7月1日 10月1日 9月1日 8月1日 11月1日 3月1日 12月1日 件数 2,362 1,655 1,579 1,546 1,485 1,347 1,303 1,135 1,127 957 設立月日(倒産件数各月上位5日) 順位 1 2 3 4 5 順位 1 2 3 4 5 1月 2月 3月 4月 5月 6月 設立日 件数 設立日 件数 設立日 件数 設立日 件数 設立日 件数 設立日 件数 5 446 1 938 1 1,127 1 2,362 1 1,579 1 1,655 4 396 2 501 3 569 2 772 2 675 2 493 21 372 10 461 25 557 3 576 8 444 11 429 18 360 22 426 28 525 8 565 12 436 5 418 8 359 8 420 30 469 10 557 20 428 20 403 7月 8月 9月 10月 11月 12月 設立日 件数 設立日 件数 設立日 件数 設立日 件数 設立日 件数 設立日 件数 1 1,546 1 1,303 1 1,347 1 1,485 1 1,135 1 957 2 554 8 549 2 403 2 542 2 430 21 508 7 528 2 449 21 386 16 397 15 383 12 478 3 462 3 343 3 367 22 390 21 361 20 461 25 370 10 327 11 361 5 379 11 320 25 457 倒産発生の月日 最多は6月5日、最少は1月2日 22万8,787件の倒産発生日は、6月5日が最も多かった。今年(2016年)6月5日は日曜だったため、 目立った倒産はなかった。次いで、12月5日、3月5日、2月5日、9月5日の順で、「5日」が上位を独占 した。 一方、正月や祝日は金融機関が休みでもあり、1月2日はゼロだった。次いで、5月4日(みどりの 日)と11月3日(文化の日)が各2件だった。うるう年の2月29日は264件で、全体では15番目の少なさ だったが、4年に1度しかないことを考慮すると比較的、倒産は多いとも言える。なお、裁判所は休日 でも法的手続きを申請できるため、休日・祭日に関係なく倒産は起こりうる。 倒産発生日別倒産件数 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 倒産月日 6月5日 12月5日 3月5日 2月5日 9月5日 7月5日 4月5日 11月6日 10月5日 8月5日 件数 1,593 1,541 1,539 1,517 1,461 1,454 1,403 1,351 1,323 1,313 倒産発生月日(倒産件数各月上位5日) 順位 1 2 3 4 5 順位 1 2 3 4 5 1月 2月 3月 4月 5月 6月 倒産日 件数 倒産日 件数 倒産日 件数 倒産日 件数 倒産日 件数 倒産日 件数 9 984 5 1,517 5 1,539 5 1,403 7 1,183 5 1,593 7 966 28 937 3 937 3 890 8 1,130 30 858 10 934 3 929 31 899 10 845 10 1,129 3 856 31 864 25 886 30 893 4 836 9 1,001 6 851 30 794 10 862 4 885 25 817 1 828 4 738 7月 8月 9月 10月 11月 12月 倒産日 件数 倒産日 件数 倒産日 件数 倒産日 件数 倒産日 件数 倒産日 件数 5 1,454 5 1,313 5 1,461 5 1,323 6 1,351 5 1,541 3 930 3 1,026 30 937 3 1,098 5 1,083 26 938 4 848 6 782 3 860 4 934 7 880 3 846 10 848 31 761 10 837 31 900 30 795 4 817 31 847 4 722 4 826 30 829 10 706 25 774 ◇ ◇ ◇ 2000年1月1日以降に倒産した22万8,787社の分析で、倒産は曜日や日にち、六曜、お天気により 意外に偏って発生することがわかった。 最も倒産しやすいのは「5日」、「水曜」、「仏滅」の3つのキーワードが重なった日で、その日は 該当年の平均件数の3倍以上の倒産が発生する「最大級のアンラッキーデー」である。数年に一度の 「最大級のアンラッキーデー」が次に襲来するのは、ちょうど1年後の2017年7月5日だ…。 2016年上半期(1-6月)の企業倒産件数は4,273件(前年同期比6.4%減)と沈静化が続いている。 これは金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じ、複合的な政策支援策で下支え効果を生んでい ることが背景にある。この結果、2016年上半期の1日当たりの倒産件数は23.47件(4,273件/182日) と低水準になった。 「アンラッキーデー」がわかれば、事前に注意することは可能だ。だが、企業の課題はそれぞれの 企業しか解決できない。技術開発力や競争力の強化など、経営体質の強化に日々努め、成長をたどる ことも可能だが、経済のグローバル化の中で中小企業はどこで躓くか誰もわからない。そんな時は予 想天気図を眺めながら、「アンラッキーデー」の厄除けで乗り切ることが気分転換になるかも。 -3-