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18-1.国家予算
18-1 国家予算 1 ページ 18-2 租税・社会保障負担 3 1818-1.国家予算 2007 年予算案では、国家予算全体で 416 億ユーロの財政赤字が見込まれている。歳出総額 は約 2,680 億ユーロで、そのうち 390 億ユーロが公的債務管理、1,190 億ユーロが人件費であ る。 マーストリヒト条約定義による 2006 年の財政赤字高は、前年より 53 億ユーロ縮小して 455 億ユーロとなった。GDP 比では 2005 年の 3.0%から 2006 年には 2.5%に縮小している。税収 が伸びたことが、財政改善の主な原因である。一方、地方財政は悪化が続いている。国民負 担率は、0.4%上昇して 44.2%となった。2006 年末の政府債務残高は 1 兆 1,142 億ユーロとな り、政府債務残高の GDP 比は 2.5 ポイント下がって 63.7%となった。 2006 年の財政赤字 GDP 比は 2.5%で、安定成長協定に定められた 3.0%の枠よりかなり低い レベルになった。これは 2001 年以来の好結果である。歳入の伸び(+4.6%)が歳出の伸び (+3.8%)を上回ったためで、2006 年の歳入は GDP の 50.8%に達している。一方、歳出の 伸びは GDP の名目伸び率をやや下回り、2005 年の GDP 比 53.7%から 2006 年には 53.4%とな った。 中央行政機関では財政が改善している。国の行政機関では 2005 年から 2006 年の間に 50 億 ユーロの赤字削減を実現し(2005 年 524 億ユーロから 2006 年 475 億ユーロ)、また中央行政 諸機関1では黒字高が 43 億ユーロ増えている。一方、地方の公共財政は赤字が 12 億ユーロ増 えて 46 億ユーロに達した。 EU では、全体的に財政赤字および政府債務残高が減少している。EU 全体の政府債務残高 は 0.8 ポイント縮小して GDP 比 61.7%となった。ユーロ圏では、2005 年末の 70.5%から 1 中央行政諸機関は国からの税金割当または補助金で運営されている行政機関で、私的機関を含む 69.0%に減っている。ルクセンブルク、ハンガリー、イタリア、イギリスでは 2006 年中に政 府債務残高の GDP 比が上昇し、一方マルタ、スウェーデン、ブルガリア、デンマークでは GDP 比で 5 ポイント以上下がっている。ドイツの政府債務残高は 453 億ユーロ増えたが、 GDP 比は 67.9%を維持している。 国家予算の内訳* (IMF 関連、債務返済、減免税分を除く、単位:10 億ユーロ) 一般会計 特別会計*** 確定予算 暫定予算 金額 *4 年度 歳出** 歳入 収支 歳出 歳入 収支 収支 収支 1985 年 161.4 137.9 -23.6 1.7 1.7 0.1 -23.5 -0.8 -24.3 1990 年 195.4 180.7 -14.7 2.0 2.2 0.2 -14.5 -0.4 -14.9 1995 年 243.4 197.1 -46.3 6.1 6.4 0.3 -46.0 -3.2 -49.2 2000 年 262.3 233.0 -29.3 5.5 5.9 0.3 -29.0 -0.1 -29.0 2005 年 296.7 251.5 -45.2 11.4 0.4 -44.8 1.3 -43.5 11.1 *決算法**払い戻し、減税は除く***確定理*4 IMF は除く 1818-2.租税 社会保障負担 2006 年の税の純収入額は、2,628 億ユーロに修正された。2007 年については、2,672 億ユー ロの税収が見込まれている。2006 年には国民負担(租税と実質社会保障負担)が増加して、 国民負担率は 2005 年の GDP 比 43.8%から 44.2%になった。国民負担の増加は、主に課税基 礎が拡大されたことによるもので、また二義的ではあるが新しい政策の影響もある。国税収 入の一部が社会保障会計へ振り替られたため、国民負担のうち国の収入分(GDP の 15.3%) は 0.9 ポイント減少した。しかしながら、国税が大幅に伸びたために振替による減少分がある 程度相殺されている。法人税については、フランスの大企業グループの業績が好調だったこ とから 17%以上の伸びとなった。個人消費が活発だったために、付加価値税(TVA)の収入 は約 4%伸びている。所得税については、動産および不動産の評価額上昇と年金受給額増加 によって課税基礎がそれぞれ+16%、+27%、+6.5%拡大したことなどから税収が約 6%伸 びている。 社会保障の保険料増収は、給与総額の拡大と保険料率改定によるものである。また、口座 開設から 10 年以上経過した住宅貯蓄の利息に対する課税制度の改定によっても、社会保障の 収入が増えている。 EU27 カ国では、2005 年には税収(租税、社会保険料)が GDP の 40.8%を占めている (2004 年 40.4%)。国によって税収の GDP 比は大きく違っている。2005 年データではスウ ェーデン(52.1%)の GDP 比が最も高く、次にデンマーク(51.2%)、ベルギー(47.7%)、 フランス(45.8%)が続いている。逆に低いのは、ルーマニア(28.8%)、リトアニア (29.2%)、スロヴァキア(29.5%)、ラトヴィア(29.6%)である。2005 年には、加盟国の うち 19 カ国で 2004 年に比べ税収の GDP 比が拡大、6 カ国では縮小し、またドイツとギリシ ャでは変化がなかった。拡大の幅が最も大きかったのはキプロス(2004 年 34.1%から 2005 年 36.2%)、マルタ(36.2%から 37.7%)、ポーランド(32.7%から 34.2%)である。逆に縮小 幅が大きかったのはオーストリアだった(44.4%から 43.6%)。 公共財政の純収入額 (単位 :10 臆ユーロ) 2006 年 * 2007 年 ** 2007**/06*年(%) 所得税 58.2 57.1 -1.9 法人税*** 43.7 46.1 5.5 石油製品内税 19.3 18.8 -2.5 付加価値税*** 127.4 133.5 4.8 その他税収 14.3 11.7 -18.2 税金純収入 262.8 267.2 1.7 24.6 26.8 9.3 -65.9 -68.1 3.3 地方公共団体 -48.1 -49.4 2.7 EU 連合 -17.8 -18.7 5.1 純収入総額 221.5 225.9 2.0 税金外純収入 税金からの搾取 *2006 年財政法による*2007 年財政法案による***実績額、払い戻しの純収入 国家一般予算における租税収入総額の内訳* (単位:%) 直接税 所得税 その他の直接税 法人税 動産所得税 給与税 その他直接税 間接税 登録税・印紙税・ 有価証券取引税 TIPP 関税 TVA たばこ税 その他間接税 租税収入合計 (10 憶ユーロ) *決算法 1995 年 2000 年 2005 年 37.8 40.9 38.5 19.5 18.0 16.5 3.4 2.8 1.2 9.9 15.2 15.5 1.0 0.6 0.7 2.9 2.6 2.8 1.1 1.8 1.7 62.2 59.1 61.5 5.3 4.9 6.1 9.4 0.8 8.2 0.6 5.5 0.7 43.9 2.7 45.0 0.2 47.6 0.4 0.2 0.3 1.2 232.3 296.2 341.0 EU 諸国における税収状況* (2005 年 :%/PIB) スウェーデン 52,1 47,7 45,8 ベルギー フランス イタリア 40,8 40,8 40,2 39,2 38,6 36,7 36,4 36,3 34,8 34,2 32,2 28,8 UE27カ国 ドイツ オランダ イギリス ギリシャ スペイン ポルトガル ブルガリア ポーランド アイルランド ルーマニア 0 10 *任意または強制の社会保障費を含む 20 30 40 50 60