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学校法人 桜美林学園 桜美林大学 導入事例

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学校法人 桜美林学園 桜美林大学 導入事例
学校法人 桜美林学園 桜美林大学
タブレット端末約500台を一斉配付
教育現場・ビジネスシーンでの
活用の可能性を学生と共に切り拓く
導入の狙い
ビジネスに応用できるITスキルの習得
学生の問題発見・改善能力の向上
教育手法の多角化
導入システム
iPad 525台
『スマートデバイス導入支援サービス』
導入効果
学生および教員のITスキル向上
学生の情報リテラシーに対する意識
付け
学内の情報システムサービス体制の
拡充
広く総合的に、深く専門的に学べる多様な教育体制を提供。国際舞台で活躍できる人材を育成している
学校法人 桜美林学園 桜美林大学は、キリスト教精神を基盤に建学された4年制大
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
学校法人 桜美林学園 桜美林大学
学。幅広い教養を涵養する「リベラルアーツ」と、実務に直結するスキルを養う「プ
ロフェッショナルアーツ」を教育の2本柱とし、多彩な教育を提供している。同大学
●業種:教育
のビジネスマネジメント学群では、学生時代からビジネスシーンに対応するITスキ
●事業内容:リベラルアーツ学群、ビジネ
ルを身につけさせるべく、2012年度以降の新入学生と教員に向けて525台もの
スマネジメント学群、健康福祉学群、芸
術文化学群
●学 生 数:9 , 0 3 9 名
(大学院生含む、
iPadを配付。授業や課外での積極的な利用を促進し、学生と教職員が一丸となっ
て、教育現場におけるスマートデバイスのより良い活用法を模索している。
2012年5月現在)
●教 員 数:8 7 1 名( 非 常 勤 講 師 含 む 、
2012年5月現在)
525台ものスマートデバイスを学生・教員向けに導
入した学校法人 桜美林学園 桜美林大学
2013年1月取材
上の提携校で、例年約500名もの学
学生と教員に約500台もの
タブレット端末を一斉配付
を利用した短期語学研修、インターン
学校法人 桜美林学園が運営する桜
シップやボランティア・プログラムなど
美林大学は、キリスト教精神に基づく
を実践。海外からの留学生の受け入れ
教養豊かな識見の高い人材を育てる
も活発だ。
ことを目的として、1966年に設立さ
同大学では、従来の学部制では変
れた4年制大学だ。
化のめまぐるしい社会で真に役立つ
外国語教育と国際交流に力を入れ、
知識やスキルの習得が難しいと考え、
20を超す国と地域にある100校以
2005年から学群制を採用し、2007
1
生が長期・短期の留学、春期・夏期休暇
学校法人 桜美林学園 桜美林大学
年には現行の四つの学群が完成。幅
クトを与え、不測の障害を回避するに
広 い 教 養を涵 養する「リベラルアー
はどういった環境を整備しなければな
ツ」と、実務に直結するビジネススキ
らないのか。また、学生への配付はど
ルを養う「プロフェッショナルアーツ」
のような方法で行い、初期設定はどう
を教育の2本柱とし、リベラルアーツ
させるのかなど、解決すべき課題は
学群、ビジネスマネジメント学群、健
山積みでした」と、情報システムセン
康福祉学群、芸術文化学群で、多彩な
ター 部長を務める品川 昭氏は当時
教育を提供している。
を振り返る。
入学定員400名のビジネスマネジ
メント学群は、経営や管理を軸にビジ
ント学類と、航空関連分野で活躍でき
支援サービスを利用することで
導入時の諸課題を克服
る人材を育成するアビエーションマネ
ビジネスマネジメント学群の新入生
ジメント学類からなる。このビジネス
約480名と教員約45名に、2012年
マネジメント学群では、実践的なビジ
春学期のオリエンテーション時期を目
ネススキルを身につける一助とするべ
途にiPadを配付するという方針を決
く、2012年度以降に入学する新1年
定した。しかし、ネットワークにかかる
ネスを多角的に学ぶビジネスマネジメ
生全員を対象に、
アップル社のタブレッ
負荷の問題が想定しにくいうえ、それ
ト端末『iPad』を配付する計画を立案
ほどの台数がいちどきに調達可能な
した。
のかという疑問もあった。さらには当
その目的について同学群長 教授
時、iPadの新機種が発売される可能
(会計学)の長濱 昭夫氏は、
「スマー
性があったことなどから、計画は必ず
トデバイスが新たな情報ツールとして
しもスムーズには進捗しなかった。
ビジネス現場にも急速に普及しつつあ
「そんな状況下で導入のご相談を
りますが、どのような局面でどう活用
したのが大塚商会さんでした。教育・
できるのかについては、未知数の部分
研 究 機 関に各 種ソリューションを提
もあります。そこで、先進的な情報機
供し、なおかつアップル社製品のリセ
器を学生のうちから使いこなせるよう
ラーとしても実績があり信頼が置け
になると共に、そのデバイスで何がで
るところといえば、大塚商会さんをお
きるのか、あるいは何ができないのか
いてほかにありませんでした」と品川
を、自ら試行錯誤して探求してほしい
氏は言う。
と考えました」
と説明する。
大塚商会の担当者がキャンパスを
学内の情報環境を管理する情報シ
訪れて仔細に調査したところ、既存の
ステムセンターは2011年の秋にこ
学内ネットワークインフラに大きな影
の発案を受け、翌春の実現に向けての
響を与えずに導入することは可能と分
なすべきことを検討した。
かった。しかし、現行の無線LAN環境
「これほど多くの学生に、同じ種類
では初期設定時のアクティベーション
の情報機器をいちどきに提供するの
が実施できないことが判明した。そこ
は初の試みです。iPadの一斉導入が
で大塚商会は、
『スマートデバイス導
通信ネットワークにどのようなインパ
入支援サービス』を提案。Apple IDを
2
ビジネスマネジメント学群長
教授
(会計学)
長濱 昭夫氏
「iPadの導入は、大塚商会さんのサポート
なくして実現できませんでした。今後も活用
法などに関し、
ビジネス現場の事例を踏まえ
た実践的なアドバイスを受けられることに期
待しています」
情報システムセンター 部長 品川 昭氏
「私たちは先端機器などの導入を巡る苦労
談に触れる機会があまりありません。導入
過程でどんな問題に直面し、それをどう解決
したかを知ることも参考になるので、大塚
商会さんにはそうした事例も豊富に提供し
ていただきたいですね」
情報システムセンター
テクノロジ・グループ 担当係長 劉 宇氏
「iPadのような革新的な機器を使いこなせ
るかどうかはユーザ次第ですが、多くの導
入実績を持つ大塚商会さんには、学生に
も我々にも役立つヒントを頂きたいと思いま
す」
取得するために必要な利用者の情報
Wi-Fi設定などを大塚商会側で事前登
授業やプレゼンテーションなど
デバイス活用の機会は多彩
録することでその問題をクリアできる
特 定 の 授 業 で 用 いる場 合 以 外 、
とアドバイスした。
iPadの使用について大学は原則とし
こうして525台のi P a dの導入が
て干渉しなかった。スマートデバイス
正 式に決 定 。まずは教 員 向けの 5 0
でどんなことができるのか、あるいは
台を4 月上 旬に配 付すると共に、情
できないのか、その活用法やメリット・
報技術に明るい数名の教員やスタッ
デメリットを、学生自身に検証させるこ
フからなるサポートチームを学群内
とが目的だからだ。
に立ち上げ、i P a dの操作法などに関
「学群指定のアプリの導入には、デ
する学生からの相談に対応できる体
バイスと共に配付したiTunesカード
や初期パスワード、ネットワーク上の
ビジネスマネジメント学群
ビジネスマネジメント学類 1年生 渡辺 愛理さん
「プライベートではiPadを活用しているので
すが、ビジネスシーンでも応用できるスキル
を高めるために、授業で使う機会をもっと増
やしてもらえると嬉しいです」
勢を構築した。
(一定額がチャージ済み)を利用。そ
学生への配付は5月上旬に学内で2
れ以外のアプリのインストールは学生
日間に分けて行い、無線L A N環境に
個人の決済としました。また、配付後
アクセスすることで学生自身に利用可
のデバイスは学生の自己管理です」と
能な状態に設定させた。配付には教員
情報システムセンター テクノロジ・グ
や情報システムセンターの職員、大塚
ループ 担当係長の劉 宇氏は説明す
商会のスタッフが立ち会い、登録作業
る。その背景には、情報・通信機器を
の支援にあたった。また、大塚商会が
扱う際に不可欠な自己管理意識を養
ビジネスマネジメント学群
アビエーションマネジメント学類 1年生 用意した専用のマニュアルも活用され
わせる狙いがある。
たという。
学生たちに大学の内外でデバイス
大滝 陽平さん
「登録の手順が書かれたマニュアル
を自由に活用させる一方、授業の一環
を見ながらユーザI Dなどを入力した
としてi P a dを用いた取り組みも行っ
ら、すぐに使えるようになりました」
と、
た。例えば、春学期にはクラスごとに
ビジネスマネジメント学群 ビジネスマ
iPadで校内を撮影し、キャンパスに潜
ネジメント学類 1年生の渡辺 愛理さ
むさまざまな問題をリストアップしたう
んは登録時の様子を語る。
えで、その改善策を検討するという試
「登録後の操作に関する疑問はま
みを行った。学年末には「iPad活用事
ず学生自らが試行錯誤し、それでも
例発表会」を開催。学生が発案した活
解決できない問題については、学生
用法を、プレゼンテーション用アプリ
同士→教員→情報システムセンター
を使ってまとめ、チーム対抗のプレゼ
の順序で相談する流れを取り決めま
ンテーション大会を開催した。
した」と長濱氏は説明する。問題解決
「チームごとに発表の準備に着手し
「会計学関連の授業では印刷した資料を
参照することが多いので、iPadで閲覧でき
るデータとして配付されるようになれば便利
ですね」
能力の養成を重視するビジネスマネ
たのは、発表会の3週間ほど前。先生
ビジネスマネジメント学群
アビエーションマネジメント学類 1年生 ジメント学群においては、i P a dを使
による審査も行われるので、モチベー
根本 あすかさん
いこなせるようになるプロセスそれ
ションが高まりました」と振り返るの
自体を重要な教育機会と位置付けた
は、ビジネスマネジメント学群 アビ
のである。
エーションマネジメント学類 1年生の
「iPadを使って受ける授業では、クラスのみ
んなが一斉にアクセスすると接続しづらくな
ることがあります。ネットワーク環境がもっと
快適になるとありがたいですね」
大滝 陽平さん。同 1年生の根本 あす
3
学校法人 桜美林学園 桜美林大学
かさんは「この大会を通して、タブレッ
導入2年目とな
ト端 末を扱うスキ ルやプレゼンテー
る2 0 1 3 年 度に
ション能力が向上したことを実感して
は、出版社と協力
います。こうした機会をもっと増やして
してiPadで閲覧で
ほしいですね」と、この取り組みの意
きるオリジナルの
義を語る。ちなみに大滝さんと根本さ
電子教材を開発す
ん、前出の渡辺さんは、いずれも発表
るプ ラン も あ る 。
会の優勝チームのメンバーだ。
教育現場でのス
導入から1年近くが経過した現在、
マートデバイスの
桜美林大学のキャンパスでは学業・プ
活用法はほかにも
ライベートを問わず、多くの学生がさ
無 数 に 考 えら れ 、
まざまなシーンでiPadを活用する姿
学生と教職員の双方が活発にアイデ
が見られるという。
アを出し合うことが重要だと長濱氏は
学年末に開催されたiPad活用事例発表会の様子。チー
ム別に個性溢れる発表が行われた
強調する。
「そもそもタブレット端末という個人
トライ&エラーを経験しながら
より良い活用法を発見する
に依拠するメディアを大学という組織
スマートデバイスが学究活動や学
はトライ&エラーが不可欠。学生たち
生生活の向上に寄与することが実証
がiPadの活用法を試行錯誤するのと
される一方、授業で用いられるなどし
同様に大学もさまざまな運用法を模
てアクセスが集中した際の帯域不足
索することになりますが、そのプロセ
による通信障害など、解決すべき課
ス自体が教育の拡充につながるはず
題も多数見つかっている。また、デバ
だと信じています」と、品川氏と劉氏
イスの紛失やI D・パスワードの漏洩、
は語る。
未成年のクレジットカード管理の問題
ビジネスマネジメント学群の取り組
などについても、情 報リテラシー の
みは、まだ緒に就いたばかりだ。この先
観点から危機意識を高めておくこと
駆的な試みが教育現場にいかなる収
が必要だ。
穫をもたらすのか、大いに注目される。
で導入するわけですから、その応用に
ビジネスマネジメント学 群と情 報
システムセンターは、新しい 試 みに
課題が生じるのは必然と捉え、長期
的な視 野で考えている。
「導入初年
度は導入に伴う課題や可能性を広く
見出し、2年目には見つかった課題を
改善、同時に必修科目でのスマート
デバイスの 利 用 機 会を拡 大し、現 1
年生が3 年 生になる3年目から本格
的な運用に移行する――そんな見通
しでこの取り組みを推進しています」
学校法人 桜美林学園 桜美林大学のホームページ
http://www.obirin.ac.jp/
と長濱氏は語る。
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2013年5月に作成されました。
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