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ROSEリポジトリいばらき (茨城大学学術情報リポジトリ) Title 蛋白質高レベル飼料の給与マウスにおける形態的異常卵 の排卵の可能性について Author(s) 田上, 末四郎 / 森, 照代 / 石倉, 秀樹 Citation 茨城大学農学部学術報告(33): 63-69 Issue Date URL 1985-10 http://hdl.handle.net/10109/4954 Rights このリポジトリに収録されているコンテンツの著作権は、それぞれの著作権者に帰属 します。引用、転載、複製等される場合は、著作権法を遵守してください。 お問合せ先 茨城大学学術企画部学術情報課(図書館) 情報支援係 http://www.lib.ibaraki.ac.jp/toiawase/toiawase.html 蛋白質高レベル飼料の給与マウスにおける 形態的異常卵の排卵の可能性について 田上末四郎・森 照代・石倉秀樹 らびに鯖管翫どは騨9)の鋤である.試験区分は, 蛋白質高レベル飼料(高蛋白飼料)を給与したマウス 1),2) に出現する排卵卵子の形態的異常卵 の中には,生存 対照飼料給与区(対照区)および高蛋白飼料給与区(高 卵のあることが艘さ縦3).r方,拶陳においては, 蛋白区)の2区とし,試験飼料の給与期間は,それぞれ 20日間および30日間の2段階とした。試験飼料を所定 高蛋白飼料の給与によってprogesterOReの合成能が 低下することも報告されている4! これらのことから, の期間給与した後,実験1においては,妊娠させた経験 のある雄iマウスを同居させ,その後10ヨ間内に膣栓の認 高蛋自飼料の給与によって発生する,マウスにおける胚 胎の損耗5)や豚における着床時に集中する高率な胚死 められたマウスについて膣栓確認Eの午前10∼11時に 6),7) 亡 などの原因には,progesteroneの合成能低下 解剖,また実験狂においては,10日間の膣垢検査によっ に由来する子宮環境のff H的な悪化によることが考えら て,その期闘内に発情前期(1期像)の認められたVウ れると共に,排卵時における異常卵中の生存卵が,生理 スについてその日の午前10∼11時に解剖し,それぞれ 機能を持続していたために着床し,その後に死亡の過程 卵巣を摘出して実験材料とした。実験mにおいては,実 を経ることが推測された。一般に,卵胞発育経過のなか 験1と同様の方法で解剖し,卵管を摘出して材料とした。 では,閉鎖は中卵胞では比較的少なく,また卵胞腔形成 摘出した材料は,直ちに10%中性ホルマリン液で固定し, 前後の大卵胞の段階で変性する卵胞数が特に多くなるこ 常法にしたがってパラフィン包埋,8Pt mの連続切片を とが知られている8)。そこで今回は,高蛋白飼料を給与 作成,ll[ E染色を施して光学顕微鏡により観察した。 した際の,特に形態的異常卵の発現時期を調べ,排卵直 各卵胞内の卵細胞ならびに卵管膨大部内の卵子とも, それらの形態については,石橋lo)∼12!D。。。。UE13),若 前のグラーフ卵胞内における異常卵の排卵の可能性を知 杉14)’15)およ:び豊田16)らの報告を参考にし,卵細胞・卵 る目的で,次期排卵予定の大卵胞およびグラーフ卵胞内 の卵細胞ならびに排卵直後の卵管膨大部内の卵子を,経 子の大きさ,卵形の異常,退行中の異常分割卵細胞・卵 時的に調査し,蛋白質標準レベル飼料(対照飼料)を給 子,閉鎖卵胞になりっっある卵胞中の卵細胞および閉鎖 与した場合のそれらと比較して検討を加えた。 卵胞中の卵細胞(染色体分散,多核形成,異常分割,萎 縮などの形態)などを異常卵として観察した。閉鎖卵胞 材料および方法 17) を参考に,退化過程および核の異常な卵 は利部・石橋 本試験は3っの実験からなる。すなわち,排卵直後の 細胞を有している卵胞,卵丘細胞ならびに穎粒層細胞の 卵巣内における次期排卵予定の卵胞(大卵胞)内卵細胞 相当部分が変性または消失している卵胞や同細胞に分裂 を観察する実験1,排卵直前の卵胞(グラーフ卵胞)内 像が認められない卵胞,周辺の顯粒層細胞に黄体化細胞 卵細胞を観察する実験ffおよび排卵直後の卵管膨大部内 が認められる卵胞などを基準として判定した。なお,大 における卵子を観察する実験皿で,いずれも組織学的観 卵胞は,発育過程においてわずかな卵胞腔が認められた 察によって検討したものである。 以後の卵胞で,大グラーフ卵胞に発育する以前のものを 18) の,マウスにおける卵 指し,PEDERSEN and PETERS 各実験とも,供試飼料,供試マウス,その飼育環境な 一 63 一 茨大農学術報告 第33号(1985) 胞の分類によるType 5b,6およ:び7の状態の卵胞とし 飼料の給与H数によって差が認められ,H数の延長によ た。形態的異常卵の出現率は,観察寒卵数に対する異常 って明らかに増加した。しかし,その他のグラーフ卵胞 卵検出数の100分率をArc−sin変換により補正して算 の数および大卵胞の数は,対照区ならびに高蛋白区とも, 出した。また,区間の差の検定にはt一検定を用いた。 飼料の給与日数による差は認め得なかった。 グラーフ卵胞の数は,高蛋白区では,排卵の直前およ 結果および考察 び直後の場合とも対照区に比較して明らかに少なく,特 実験1および豆で得られた,グラーフ卵胞,大卵胞な に排卵直後のマウスには,次期排卵が予期されるグラー らびに閉鎖卵胞の計数結果は第1表の通りである。また, フ卵胞の認められない個体があったにもかかわらず,排 これらのグラーフ卵胞内における形態的な正常ならびに 卵直前のマウスでは,排卵を予期し得る大きさのグラー 異常卵細胞の計数結果を第2表に,大卵胞内におけるそ 一般に,マウスでは,卵胞の発育は約16∼19日間 れらの計数結果を第3表に,そして実験mで得られた, を要するとされているが,排卵に関与する卵胞が最終的 卵管膨大部内のそれらの計数結果を第4表に示した。 第1表に示した通り,高蛋白区では,閉鎖卵胞の数は Tab夏e 1. フ卵胞がすべてのマウスに認められた。 19),20) に決定されるのは排卵の2∼3日前20/であり,同様にラ Average number of ovarian fol}icles in mice fed with high or standard protein level diets (Expt. I and ll) 1) Animal Feeding Expt. No. of mice used No. of Graafian follicles No. of vesicu}ar period Expt. Exam. (da ys) pre一 post− ovulation ovulation follicles 20 20 20 20 20 18 20 18 1 20 18 11 20 17 豆 15.3 ± 2.72) ︵∪7一 20 ︹﹂4U 20 20 (g’L−is’>V3) (V2’sVJig 53) aU︵ 20 ÷= 14.3±O.g2) 28.0±2.9?) 20 1 atretic follicles 2 3 5︶ group No. of 37.4±9.2 3) (10 一 20) (26 一 46) A 1 13.6± 5.4 33.3±6.4 6.5± 2.8 (10 一 16) (25 ’“ 42) (3・一9) 30 [ 1 14.4 ± 3.5 34.8± 8.0 (9∼エ8) (24−44) 7.2±2.0** 23.0±3.6 18. 2 ± 7. 6i * (0・一一10) (16−27) (11 一 26) 20 亘 10.1士2,2** * 31.0± 6.8 (8 ”v i7) (20 一 39 ) B 30 9.8± 2.7** (7一 13 ) 6.2±2.2** 27.0±8.8* 24.8 ± 7. 1** (O−9) (15一一37) (15 ’hv 33) 30.3± 6.3 (21 ・一・ 37) 1) A;Standard protein level diet(control, CP:25 %, DE:350.1 kcal/IOO g) B;High proteiR level diet(CP:60%,DE:350.1 kcal/100g). 2) Mean value±SD.. SignificaRtly different(*p〈O.05 and**p〈O.Ol) froin control (A) by t−Test. 3) Figures in parentheses are raRges. 一 64 一 田上ら:蛋白質高レベル飼料の給与マウスにおける形態的異常卵の排卵の可能性について 。トでの排卵に関与する550μm以上の卵胞は,発情周 期の休止期後半に増加することが知られている2発した った。この結果は,ラ。トに40%高蛋白飼料を30H間 給与して大卵胞が少なくなったとするISfflDA.23)の報告 がって,本試験の高蛋白区において,排卵の直前に計測 とはやや異なる。この成績の違いは,計数時の大卵胞の されたグラーフ卵胞の数がその直後に極端に少なくなる 規定による差と思われる。即ち,ISH DA.23)は,大卵胞 現象あるいは卵胞が認められなくなる現象は,高蛋白飼 の規定を500μm以上の大きさとしており,この卵胞の 大きさは,ラ。トでは次期排卵に関与する大きさの卵 の同居による発葡帰の現象22恥胎わせ考えると, 21),24’v28) 次期排卵のグラーフ卵胞の発育が,対照区のそれよりも フ卵胞に相当する卵胞で,グラーフ卵胞をも含めた数値 短かい期間に進展することを示唆しているものと考えら の比較と見なすことが出来る。したがって,次期排卵が れ,卵胞の発育に関与するホルモンの動態が鰐照区のそ 予期されるグラーフ卵胞を含めて比較すると,本試験の れとは異なる変化のあることが推測される。 大卵胞の数は,対照区に比較して高蛋白区が明らかに少 大卵胞の数は,対照区に比較して高蛋白区でやや少な なく,ISHIDA 23)と同様の結果となる。 い傾向にあったが,20日間給与の排卵直前の卵巣と30 閉鎖卵胞の数は,対照区に比較して高蛋白区で明らか 臼間給与の排卵直後の卵巣をのぞき,差は認められなか に増加し,ISHIDA23)の有意な差が認められなかった報 胞 料を摂取した時に現われる発情休止期の延長や雄マウス であり,本試験でのマウスにおけるグラー Table 2. Average number of morphoiogicai fioymal or abnormal ova within Graafian follicles in rnice fed with high or standard protein ievel diets (Expt. l and 1) Animali) Feeding Expt. period group (days) total P re 一 ovulation normal Post−ovulation abnormal total norma} 王 143 13.6±1.42) abRormai O.7 ± o.2 2) ( 4.9 )3) 20 皿 15.3 14.2±1.g2> i.1 ± o.32) ( 7.2 )3) A 13.6 13.0±O.9 1 O.6 ± O.2 ( 4.4 ) 30 14.4 13.5±L5 O.9 ± O.1 ( 6.3 ) 7.2 6.2±2.0** 1.0±O.4 1 (ユ3.9) 20 豆 10.1 7.2 ± 2.1** 2.9 ± O.9 ** ( 28.7 ) B 6.2 5.3±3.2** O.9±O.4 1 ( 14.5 ) 30 皿 9.8 6.6 ± 2.0** 3.2士1.1** ( 32.7 ) 19ん ︶︶ Refer to footnote 1) in Table 1・ Mean value±SD.. SignificaRtly different( **p〈O.Ol) from control (A) by t−Test. 3) Figures in parentheses are percentage of abRorma} ova for total ova. 一 65 一 茨大農学術報告 Table 3. 第33号(1985) Average Rumber of merphological norrnal or abnormal ova within vesicular follicles in mice fed with high or standard proteiR }evel diets (Expt. I and g) Animali) F eedin g No. of Expt. ova in follicles Incidence of ova period total ( days ) group 2.o ± e.22) 26.2 ± 6.4 ll.2 i: 3.3 3.8 ± O.3 25.5 ± 5.4 9.3 ± 3.7 1■R︶ −り乙 29.5 ± 5.3 474 り000 OO1 075 4﹁0 ︹ひ5 9乙◎σ 1豆 ︵︶∩︶ 1巫 30 B 9山つσ 20 26.0 ± 1.62) abRormality (%) −諮一⊥ り0殴4 1 30 abnormal 7︵︾ 2 り乙9σ A ∩︶4 87 3090σ00QJ17∩︵︶3U 1巫 2e normal 128 ± 6.0 ** 10.2 ± 4.8 ““ 15.3 ± 4.3 ** 15.7 ± 5.6 ** 11.4 ± 5.5 ** 15.6 ± 5.2 ** 13.6 ± 3.4 ** ** 16.7 ± 3.9 1) Refer to footnote 1) in Tab}e 1. ** 2) Mean va}ue ± SD.. SigfiificaRtly different ( p〈O.Ol) from control (A) by t−Test. Table 4. Average number of morphological norma} and abnormal ova ovu}ated within ampulla of uterin tube in mice fed wlth high or standard protein level diets (Expt. N) ARima至1) group Feeding No. of mice period used ( days ) Expt. Exam. 20 20 No. of total(RaRge) 2) 20 15.8 ± 1.7 IRcidence of ova abRormality ova Rormal abnorma l 2) 14.8 ± O.8 2) 1.0 ± O.4 6.3 13.8 ± O.7 1,1 ± O.3 7. 4 (%) ( 11 ・一一 20 ) A 30 20 20 20 20 14.9 ± 1.4 (11−18) ** iO.4 ± 2.4 ** 3.9 ihr 1.9 6.5 ± 1.8** ** 3.1 ± 2.9 6.3 ± 3.2** エ8 62.5 ( 5’一v15) B ** 30 20 9.4士1.8 16 67. 0 ( 5”v16) ︶︶ 蔭12 Refer to footnote 1) in Table L Mean value ± SD” Significantly ** p〈 O.Ol ) different ( by t−Test 一 66 一 from control (A) 田上ら 蛋自質高レベル飼料の給与マウスにおける形態的異常卵の排卵の可能性について 告とは異なる。一般に,マウス29)における閉鎖卵胞の出 現率は,ラ。ト25)・30)二様50%前後とされている。本 現の推移から,排卵後の卵子の退化によるものではなく, グラーフ卵胞内の異常卵細胞が排卵された結果によるも 試験での大卵胞以降の計測値による割合でみると,対照 のと思われ,異常卵細胞をもったグラーフ卵胞でも排卵 区の成績は約14∼15%と少ない成績であった。 利部・ することを示したものと考えられる。 石es 17)}ま,ラ.トでの22%という少ない出現率を得,そ 一般に,発育から排卵まで完了出来る卵胞の数,特に れに影響する要因として,閉鎖卵胞の判定と観察方法な グラーフ卵胞の数がFSHの分泌量で決定され,そのFSH らびに観察者による若干の差異をあげている。 が卵胞発育の後半過程において退化卵胞数を減少させる HIR、。FIELD and MmGLEY25)は1切片の二字層細胞に ことや,LHが排卵に重要な役割を果していること,ある 3e) 2個以上の,またM王YAMoTo et a1. は10個以上の いはFSHサージやLHサージが成熟卵胞中の卵細胞の成 核濃縮の存在を目安としており.,観察老によって判定基 熟分裂を再会することなど,卵胞ならびに卵細胞の発育 準の違いがある。本試験における対照区の低率な出現成 から排卵の過程には,下垂体からのGTB:分泌:量が大き 績も,大卵胞以降の計測値による割合であると同時に, く関与していることが知られている。したがって,高蛋 またこれらの要因によることが考えられる。 白飼料の給与によって発現するグラーフ卵胞数の減少, 卵胞内および卵管膨大部内における卵細胞・卵子の形 閉鎖卵胞数の増加ならびに形態的な異常卵数の増加など 態的な正常卵および異常卵の計数結果は第2表,第3表 の現象は,下垂体からのGTH:分泌量の変化や下垂体 ならびに第4表の通りである。 GTH分泌を支配する視床下部からの放出ホルモンの分 グラーフ卵胞および大卵胞内の卵細胞とも,正常卵細 泌量の変化に基づくものと考えられる。 胞の数は高蛋白区で有意に少なく,特に排卵直後に少な 以上のことから,高蛋自飼料を給与した際の形態的な かった。この結果は,ISHIDA23)の,高蛋白飼料を給与 異常卵の発現は,胞状,グラーフならびに閉鎖卵胞の出 したラ.トにおける1次・2次およびグラーフ卵胞内の 現頻度や卵管膨大部までの異常記数の推移を考慮すると, 正常卵細胞の数が有意に少なくなるという報告と同様で 胞状卵胞期以前からグラーフ卵胞期までに及んでいたこ あった。また,異常卵細胞の数は高蛋白区で多い傾向に と,グラーフ卵胞期に出現した異常卵は排卵された可能 あり,特に排卵直前のグラーフ卵胞および大卵胞内で有 性が高かったことなどが判明した。また,これらの発現 31),32) によれば,マウスにお 意に多かった。NAKAMURA は,下垂体の機能や視床下部の機能の変化が関与した結 ける卵細胞の退化は,発情前期および休止期への移行時 果によるものと考えられる。 に,より多く起こるとされている。本試験の結果,グラ 要 約 ーフ卵胞における異常卵細胞の出現率は,排卵直後より 直前に高く,この報告を裏付ける結果となっており,特 二三質高レベル飼料を給与した際に発現する形態的な に高蛋白区のそれは約2倍となった。しかし,大卵胞時 異常卵が排卵されるかどうかを知る弓的で,卵胞発育の の異常卵細胞の数は,グラーフ卵胞時のそれよりさらに 推移と共に内在する卵細胞の変化および卵管内卵子を経 多い出現数を示し,その出現率も高く,この傾向は高蛋 時的に組織学的手法で調べ,蛋二三標準レベル飼料を給 白区において強かった。このことは,高蛋白飼料の卵細 与した場合と比較した。供試飼料,供試マウス,その飼 胞への影響が,すでに発育卵胞時におよんでいることを 育囎や管理は鵬9)の鋤である。 示唆するものである。また,卵管膨大部内における卵子 高蛋白区と標準区を比較して得られた結果は以下の通 では,頬三三に比較して高蛋白区の異常卵の数が有意に り要約される。 多く,その出現率も高かった。この異常卵の出現は,グ 1)高蛋白区における大卵胞の数はやや少なくなる傾 ラーフ卵胞内の異常卵細胞の排卵直前と直後における出 向にあったが,グラーフ卵胞の数は有意に少なく,特に 一 67 一 茨大農学術報告 第33号(1985) 14)若杉昇:日畜会報,44,293(1973) 排卵直後では少なく,また閉鎖卵胞の数は有意に増加し た。 15)若杉昇:同上,50,63(1979) 2)高蛋白区における形態的な異常卵の数は,大卵胞 16)豊田裕:家畜繁殖誌,9(別輯12),)9(1973) では有意に多くその発生率も高かったが,グラーフ卵胞 17)利部聡・石橋功:同上,28,1(1982) では,排卵前に有意に多かったのに対し排卵後には少な 18) Pedersen, T. and H. Peters l J. Reprod. く,標準区との差を認めなかった。 Fert., 17, 555(1968) 3)高蛋白区における卵管膨大部内の形態的な異常卵 の数は有意に多く,かつ出現率も高かった。 19) PederseR, T. :ibid, 21, 81(197e) 20)豊:田裕:畜産大事典(内藤元男監修)エ版, 以上のことから,蛋白質高レベル飼料の給与によって 発現する形態的な異常卵は胞状卵胞期以前からグラーフ 卵胞期までに及び,グラーフ卵胞期に発現した異常卵は 排卵されたものと考えられる。 p.254(1978)養賢堂 2エ)M and1, A. M. and S.Zuckerman:J。 Endocrino1. 8, 341(1952) 22)田上末四郎:日計会報,51,56工(1980) 23) Ishida, K.:Tohoku Jour. Agri. Res., 文 献 8, 17 (1957) 1)田上末四郎・須藤和男:目畜会報,53,266(1982) 2) 田上末四郎・松本茂:茨大農学術報告,32,23 (1984) 24) Peppler, R. E. and G. S. Greenwald: Ame. 」.Anat., 127, 9(1970) 25) Hirshfield, A. N. and A. R. Midgley, 3)田上角四郎・森照代:同上,33,57(1985) JR. : Biol. Reprod., 19, 597 (1978−a) 26)橋爪一善・菅原七郎・竹内三郎:家畜繁殖誌, 4) Schultz, J.R., V. C. Speer, V. W. Hays aRd R.M. Melampy, J. Anim. Sci. 25, 157 21, 28(1975) (1966) 27)橋爪一善・菅原七郎・竹内三郎・正木淳二:同上, 5)田上末四郎・大和細宗子:茨大農学術報告,30, 29(1982) 6) Hafez, E. S.E.:L Anim. Sci. 17, 1212 Abstr. (1958) 7) Hafez, E. S. E.:J. Agr. Sci. 54, 170 (1960) 8)笹本修司:家畜繁殖学全書(望月公子編)初版, p.23(1984)朝倉書店 9)田上末四郎:茨大農学術報告,31,49(1983) 23, 148(1977) 28)石橋功・利部聡・黒鳥英俊:同上,25,31 (1979) 29) Jones, E. C.:The ageing ovary, Thesis, Univ. of Birmingham, 1959(cited from The Vertebrate Ovary, 533, Plenum Pub. Co. N. Y., 1978) 30) Miyamoto, H., G. Katsuura and T. Ishibashi :Jpn. 」. Zooteclt. Sci., 49, 808 10)石橋功:日立会報,30,212(1959) (1978) 11)石橋功:同上,32,291(1961) 31) Nakamura, T. :」. Fac. F ish. and Anima l 12)石橋功:千葉大園芸学部学術報告,9,1(1961) Husb., Hiroshima Univ., 1, 343 (1957) 13) Dofiahue, R. P. 1 」. Exp. Zoo}., 169, 237 32) Nakamura, T. :ibid, 3, 375(1961) (1968) 一 68 一 田上ら 蛋白質高レベル飼料の給与マウスにおける形態的異常卵の排卵の可能性について On the Ovulatien of Morphelogically Abitormai Ova in Mice fed with High ProteiR Level Diet SuEsmRo TAGAMI, TERuyo MoRI and HIDEKI lsHIKuRA The ovulation possibility of morphologically abnorrrial ova were histologicaly observed on the transition of follicular development, the number of abnormal egg cells within the ovarian follicles, and nUmber of abnormal ova within ampulla of uterine tube in mice. The experimental diet composition, feeding environments, feeding methods, experimen− tal mice were the same as in our previous report 9). The results are summarized as follows: 1) ln the group of mice fed with high protein diet (high protein group), the number of vesicular follicle tended to be smaller slightly and number of Graafian follicles remarkably and significantly than the group fed with standard protein level diets (control group). This tendency was remarkably observed in mice soon after ovulation. The number of atretic follicules was significantly increased in the high protein group more than in the control group. 2) ln the vesicular follicles, morphologically abnornf}al eggs in the experimental group were significantly more than in the control, while in the Graafian follicles also more before ovulation but the same number as the control group after ovulation. 3) The number’ of abnormal ova ovulated within ampulla of uterine tube, is remarkably increased and their rate shows a high level of occurence in the experimental group. Judging from the results mentioned above, it is concluded that the abnormal egg cells of rnice, fed with the diets of high level of protein, are produced before the stage of vesicular follicles and they turned into atresia. On the other hand, the abnormal eggs generated at the stage of Graafian follicles, must be ovulated away. (Sci. Rep. Fac. Agr. lbaraki Univ., No.33, 63 一一一 69, 1985) 一 69 一