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尾陰 由美子のちょっとひとこと 「次世代へのバトンリレー」 今年も 10 月
尾陰 由美子のちょっとひとこと 「次世代へのバトンリレー」 今年も 10 月 31 日に京都エルスポーツで『京都ウエルネスセッション』が開催されました。 今年で 6 回目となります。フィットネス業界が厳しい中、講習会や研修会なども増える中、なかなか集 客に苦慮するところですが、何とか無事に開催することができました。いつも思うことですが、何か新 しい取り組みをすることは、多くの人がワクワクして、その未知なる可能性や結果に期待を寄せますが、 それを変わりなく続けることは、非常に難しくエネルギーのいることです。今年で 6 回目の『京都ウエ ルネスセッション』も実行委員のメンバーが、フィットネスクラブの各店舗のスタッフということもあ り、日常の勤務にプラスアルファで業務を増やしての準備となりました。毎年準備の段階では、「来年 は、もう開催は難しいかな?大変だなぁ・・・」という思いを抱きながらも、終ってみればその年その 年の感動と感激があり、「来年は、もっとこうしてみよう!」という気持ちになるのが不思議なところ です。私もさまざまなセッションや講習会に講師として参加することがありますが、会社として現場の スタッフを巻き込んで、企画、準備、運営をおこなっているところは少ないように思います。 フィットネスクラブは、近年アルバイトスタッフが増えていることから、会社として大きなイベント に取り組みにくい、時間的な余裕がない、インストラクターへの還元事業より、お客様へのサービスを 充実させることに力が注がれている感があります。そんな中で、京都・滋賀を中心にフィットネスクラ ブを展開し、京都エルスポーツを運営する㈱スポーツフォーラムシーマックス(C-Max)では、社員や スタッフ、インストラクターへの思いや愛情を感じる会社といえるでしょう。 半年くらい前から、各店舗のプログラム担当者(23 歳から 36 歳)と本社スタッフ、アドバイザーの 私で構成される 10 名ほどの実行委員は、セッションのコンセプト、講師の選択、プログラムの内容を 決めていきます。そこには、インストラクターをお客様としておもてなしをしようという意識が常には たらいています。どうすればインストラクターの人たちに喜んでもらえるか?楽しんでもらえるか?や る気になってもらえるか?そんな視点からいろんなアイデアがあふれ出てきます。いつも忙しく、自分 の身体をいたわったり、コミュニケーションをとったり、非日常的な空間へのトリップが少ないのでは ないか?ということから、今年は開催日がハロウィーンということもあり、「収穫祭」をテーマにしま した。 会場設営面からは、講習会に来たというより、パーティー会場に来た雰囲気を作ろうと風船ゲートが 用意されたり、ハロウィーンのグッズやレプリカが用意されました。インストラクターのボディメンテ ナンス面から、ホットヨガ、アウフグース(熱波浴)、ジャイロトニックパーソナルトレーニングの体 験、水中パーソナル(アクアモーション)の体験、京都らしく生八橋の試食コーナーなどが用意されま した。 さまざまな情報や知識を収穫するという面からは、望月美佐緒氏、岡本正一氏、岩崎浩美氏、梅本道 代氏、そして実行委員から井上武弥氏と私尾陰由美子が各講座を担当しました。インストラクターとし てだけでなくさまざまな分野で多方面に活躍している講師陣ばかりであったことから、どの講座も参加 者の顔がきらきらと輝いていくのがよくわかりました。当然、それぞれの講座には、C-Max の若いスタ ッフたちも自身の勉強のために積極的に参加しています。仕事が忙しく、金銭的にも余裕のない若いス タッフたちが、大手のセッションや講習会で活躍している講師陣の最新のワークショップを受けられる わけですから、素直にテンションが上がっていくのがよくわかります。講座が終了して、会場を出てく るたびに高揚した顔、興奮した話し振りに私も思わず微笑んでしまいました。 京都ウエルネスセッションの素晴らしいところは、講習会の開催だけでなく、参加者と講師が集う懇 親会(今年は後夜祭ハロウィーンパーティー)が催されることです。有名な講師たちの素の表情や生の 言葉を聞きながら等身大でコミュニケーションがとれるのです。今年は、マイケルジャクソンのダンス から始まり、会食、歓談、講師への質問、ゲーム大会、ZUMBA パーティーと盛りだくさんで会場が 1 つになっておおいに盛り上がりました。このパーティーも実行委員のメンバーで運営されました。実行 委員の若いスタッフたちは、参加者の笑顔に勇気づけられ、自分たちのおもてなしを最後まで一生懸命 全うしました。 そんなスタッフを労う形で打ち上げがおこなわれましたが、ここでの出来事、体験がさらに彼らを成 長させたようです。すべての講師陣が残ってくださり、若いスタッフたちと膝を突き合わせながら会話 を楽しむ中で、緊張もようやくほぐれ各テーブルでいろんな話で盛り上がっていました。会社の上司や 仲間に聞けないこと、相談したけれど納得ができなかったことを、素直に講師陣にぶつけていました。 そんなあるテーブルのひとこまで、 「後輩スタッフの言葉遣いやサービスに対して、注意やアドバイス がうまくできない!どうすればいいか?」といった悩みを打ち明けていたスタッフに、ある講師がいい ました。「それは、絶対によくない。落ちているごみを拾わずに知らん顔をしているのと同じだよ!」 と・・・若いスタッフは、ドキンとしたそうです。また、あるスタッフは「自分のやりたいこと、夢が あるけれど、会社をやめてその道を目指したほうがいいのか?それとももう少し社員として、やりたく ない仕事を会社で続けたほうがいいのか?」ある講師が言いました。「役に立たない経験は、何もない よ。やりたくないと思っていることは、会社をやめて自由になると絶対に経験できない。社員だからこ そできる経験、自分が気付かない経験ができるよ。それは、いつか絶対に役に立つ。嫌なことから逃げ ているとずっと逃げ続けることになるよ。 」やはり質問をしたスタッフは、ハッとしたそうです。 こんな素敵なアドバイスをさりげなくしてくれる講師たち。それを真剣に受け止めた若いスタッフた ち。フィットネス業界の中で今もっとも必要なことは、先輩から後輩へのバトンリレー。キャリアを持 った人たちから、次世代を担う人たちへのアドバイスと経験の伝承のような気がします。 後日、彼ら若いスタッフたちは、 「何よりも打ち上げのときの講師の方々との会話が非常によかった」 と・・・一回りも二回りも成長したスタッフたちの笑顔が印象的でした。