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第2章 再生可能エネルギーアドバイザリーボードによる復興 まちづくりの

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第2章 再生可能エネルギーアドバイザリーボードによる復興 まちづくりの
第2章
再生可能エネルギーアドバイザリーボードによる復興
まちづくりの支援
2−1
被災自治体復興計画のスクリーニング調査
本調査では、岩手県・宮城県・福島県の東日本大震災の沿岸部の被災地を調査対象とし
て、被災自治体の復興計画における再生可能エネルギーを活用した取り組みの位置づけと、
具体的なプロジェクトについて調査を行った。その内容は以下の通りである。
1)調査対象と調査方法
Ø 東日本大震災の津波被災地域における再生可能エネルギーを活用したまちづくりの現
在の検討状況について、各自治体における復興計画の最新情報と新聞記事による公開
情報をもとに、本アドバイザリーボードにおける検討のために整理を行った。
l
調査対象: 岩手・宮城・福島の3県の太平洋沿岸の自治体
(岩手 12 市町村、宮城 15 市町村、福島 5 市町村)
※福島については、警戒区域内に含まれている自治体は除外。ただ
し富岡町については再生可能エネルギーを活用した取り組みが既
に始まっていたため、例外的に取り上げた。
l
調査方法: 復興計画については各自治体のホームページ、具体的な進捗状況に
ついては日本経済新聞社「日経テレコン」による新聞記事検索を通
じて調査
2)復興計画における再生可能エネルギーを活用した取り組みの 類型化
Ø 岩手・宮城・福島の太平洋沿岸自治体の復興計画における再生可能エネルギーを活用
した取り組みを見ると、以下の5種類にパターン化することができる。
【個別の土地・施設レベルの取り組み】
(1)公共施設等における非常用電源としての導入
学校・病院・公民館などの公共施設や避難拠点施設において、系統電源網から遮断され
ても、各施設が持つ再生可能エネルギーのみで自立できることを目指す非常用電源として
の導入が多くの自治体で計画に盛り込まれている。この形態は、多数の人口規模を抱える
大都市から小規模な農村まで総じて高いニーズを有する。
9
(2)災害公営住宅等におけるエネルギー源としての導入
2番目に多い形態としては、新たに整備される災害公営住宅に、太陽光パネルなどの新
たなエネルギーシステムを導入しようとする形態である。
(3)被災した土地の有効活用のための導入
3番目に多い形態としては、被災により従来と同様の活用が困難となった土地を有効活
用するために、メガソーラーなどの再生可能エネルギー機器を設置し、そこから売電収入
を得ることで少しでも土地の有効活用を図ろうとする取り組みである。
【地域レベルの取り組み】
(4)産業振興のツールとしての導入
被災地において、新たな雇用の確保のために、再生可能エネルギーのプロジェクトを通
じて、地域にこれまでなかった新しい産業を興すことを意図した形態であり、地域の資源
を有効活用したバイオマスのプロジェクトが多い。東松島市のように、被災して廃校にな
った小学校を利用し、これから普及が見込まれる太陽光発電のための「施行技術訓練校」
を誘致したケースもある。
(5)まちづくりのツールとしての導入
(4)のように産業だけでなく、省エネなどの環境と調和したまちづくりの実現、ある
いは環境に関する教育の場の提供といった目的で、再生可能エネルギーの導入に積極的に
取り組む自治体もある。このようなケースの場合、再生可能エネルギーを導入したまちづ
くりの実現そのものが地域のブランドを高め、復興に寄与していくという考え方をとって
おり、主に仙台・石巻などの大都市の自治体に多く見られる。
10
岩手・宮城・福島3県の自治体復興計画における再生可能エネルギー関連プロジェクトとその進捗状況
市町村名
岩手県
洋野町
18,874 人
(2012 年
5 月)
復興計画のタイプ
洋野町震災復興計画
(2011 年 7 月)
エネルギー
太陽光・風
力・畜産バイ
オマス
復興計画の概要
進捗状況
■ウニの里と地域産業の復興
・大規模畜産農家等への再生可能エネルギ
ー発電設備導入促進
■災害に強いまちづくり
・全避難所・公共施設等への非常用電源整
備
・太陽光・風力等の再生可能エネルギー利
活用の調査研究
・家庭用PV設置補助制度の検討
久慈市
37,669 人
(2012 年
5 月)
久慈市復興計画
(2011 年 7 月)
太陽光・洋上
風力・波力・
海洋温度差・
小水力・揚
水・畜産バイ
オマス
■再生可能エネルギー等活用プロジェクト
・PV設置支援(住宅・工場に補助)
・太陽光、陸上風力、洋上風力、波力、海
洋温度差、小水力、揚水発電の導入可能性
検討
・畜産バイオマス発電、熱利用、燃料製造
の導入検討
・廃棄物発電、熱利用等の導入検討
普代村
2,994 人
(2012 年
5 月)
普代村災害復興計画
(2011 年 9 月)
小水力、その
他再生可能エ
ネルギー(公
共施設向け)、
節電対策
・東光電気工事が、種市地区に地元企業数社と SPC を設立し、
共同でメガソーラーの建設を計画。最大出力は 10,000kw 規模
で事業費は約 35 億円。今夏に着工し、2013 年末の運転開始を
目指す。1kwh あたり 40 円の買い取りの場合、初期投資費用は
9年で回収できる。土地は町有地と工業団地を活用。変電所を
町内に1箇所新設し、送電線は地下に整備。
・経済産業省のスマートコミュニティ構想普及支援事業に採択
され、再生可能エネルギーや船舶の逆潮、電鉄のインフラを活
用したスマートコミュニティを検討(久慈市・野田村と共同)
・海洋工学と都市再生や建築家など、海と陸の専門家が分野融
合・領域横断的に連携して、
「津波防災に強い、低炭素型都市・
地域」の実現を震災復興の中で目指す『東大生産技術研究所海
洋エネルギー&東北再生(OETR)連携研究グループ』が、
風力発電候補地として洋野町に注目している。
・緑の分権改革被災地復興モデル実証に採択され、地中熱を活
用したヒートポンプシステムによるいちごのハウス栽培を行
い、観光農園として通年栽培を目指している。
・岩手大、岩手県立大、久慈市、洋野町地元5漁協の組合長に
よる「いわて沿岸北部海洋再生可能エネルギー研究会」を通じ、
洋上ウィンドファームを中心とした、沿岸地域における再エネ
活用を検討。
・また環境省の「再生可能エネルギー事業のための緊急検討委
託業務(平成 23 年度補正予算)
」を活用して、NPO法人仕事
人倶楽部、竹中土木、三菱総合研究所、四電エンジニアリング
が、久慈市内をフィールドとした風力発電の実現可能性調査を
実施している。
・経済産業省のスマートコミュニティ構想普及支援事業に採択
され、再生可能エネルギーや船舶の逆潮、電鉄のインフラを活
用したスマートコミュニティを検討(洋野町・野田村と共同)
(特に進捗を示す公開情報はない)
野田村
野田村東日本大震災
津波復興計画
4,632 人
(2010 年 (2011 年 11 月)
国勢調査)
田野畑村
3,843 人
(2010 年
国勢調査)
東日本大震災田野畑
村震災復興計画【復
興基本計画】
(2011 年 9 月)
岩泉町
10,804 人
(2010 年
国勢調査)
宮古市
58,359 人
(2012 年
6 月)
岩泉町震災復興計画
(2011 年 9 月)
宮古市東日本大震災
復興計画基本計画
(2011 年 11 月)
■災害に強いまちづくり
・庁舎、避難所等における新エネルギー施
設の導入
・普代ダムを利用した小水力発電エネルギ
ー利活用
・震災後の電力不足に係る節電・省エネル
ギー推進
太陽光や蓄電 ■地域防災計画・避難場所の整備
池等の非常用 ・役場庁舎等公共施設・避難場所等に、太
陽光発電システム等の新エネルギー利用シ
電源の公共施
ステムの導入を推進する。また、災害非常
設への導入
時の電源確保に向けて蓄電池や非常用電源
などの災害に対応できる設備の導入を検討
する。
太陽光、風力、 ■新たな集落の形成
潮力、小水力、 ・自然環境に負荷をかけない集落形成
・自然エネルギーの活用など
水産加工バイ
■被災地の土地活用
オマス、木質 ・自然エネルギー(太陽光、風力、小水力)
バイオマス
の研究活用
・水産資源の二次産物によるバイオマス研
究活用
■防災対策の強化
・太陽光、木質バイオマス等を活用した非
常時エネルギーシステムの導入
■住宅の再建
・非常用電源としての太陽エネルギー・木
質バイオマスエネルギー等の設置推進
■農林業の復興
・民有林の間伐促進と間伐材の有効利用
■教育・人材育成の充実
・クリーンエネルギーを通じた環境教育を
実践
太陽光、風力 ■防災体制の強化(防災設備の復旧・強化)
・自然エネルギーを利用した自家発電シス
テム導入助成(加工業 BCP を含む)
・新エネルギーモデル地区の構築
太陽光・風
力・波力・小
水力・木質バ
イオマス
■災害に強いまちづくりの推進
・災害時等において必要なエネルギーの安
定供給と地域におけるエネルギーの適切な
マネジメントのため、太陽光・風力・波力・
小水力などの再生可能エネルギー導入可能
性を調査
・各家庭における太陽光発電システムやバ
イオマス燃料の導入を促進
11
(特に進捗を示す公開情報はない)
・経済産業省のスマートコミュニティ構想普及支援事業に採択
され、再生可能エネルギーや船舶の逆潮、電鉄のインフラを活
用したスマートコミュニティを検討(久慈市・野田村と共同)
(特に進捗を示す公開情報はない)
(特に進捗を示す公開情報はない)
・宮古市は経済産業省の「スマートコミュニティ導入促進事業
費補助金」に採択され、現在、
(株)エネット、
(株)エヌ・テ
ィ・ティ・データ、日本国土開発(株)と共同でスマートコミ
ュニティマスタープランの策定が進められている。構想として
は、豊富な日照時間を活かしたメガソーラー、林野資源を活用
したバイオマス発電、山間部の河川を利用した小水力発電など
の独立分散型のエネルギー製造設備を構築し、NTTデータが
発電やエネルギー供給設備のネットワーク化を担う。また、帝
人は熱源を利用した植物工場を提案し、コンビニへの野菜供給
も視野に入れた大規模園芸施設も視野に入れて検討している。
・また八千代エンジニアリングが、太陽光パネル供給のサンエ
ジソンジャパン・EMS 構築のJCサービスなどと共同で、宮
古市内の遊休地や病院に計 2,500kw のメガソーラーを導入し、
売電と病院などでの非常用電源として活用するための調査を
実施している。
市町村名
岩手県
山田町
17,315 人
(2012 年
6 月)
宮城県
復興計画のタイプ
山田町復興計画
(2011 年 12 月)
エネルギー
太陽光・木質
バイオマス
大槌町
13,150 人
(2012 年
5 月)
大槌町東日本大震災
復興計画
(2011 年 12 月)
実施計画
(2012 年 5 月)
スマートコミ
ュニティ全般
釜石市
37,617 人
(2012 年
4 月)
釜石市復興まちづく
り基本計画
(2011 年 12 月)
スマートコミ
ュニティ全般
大船渡市
39,351 人
(2012 年
5 月)
大船渡市復興計画
(2011 年 10 月)
再生可能エネ
ルギーの活用
による先駆的
な医療・福
祉・生活支援
サービス産業
の展開
陸前高田
市
21,246 人
(2011 年
10 月)
陸前高田市震災復興
計画
(2011 年 12 月)
太陽光・植物
工場
気仙沼市
69,368 人
(2012 年
6 月)
気仙沼市復興計画
(2011 年 10 月)
太陽光・風
力・バイオマ
ス・蓄電池・
公用車のEV
化
復興計画の概要
進捗状況
■非常時における安定的な供給・処理施設
の整備促進
・主要な防災拠点及び避難所(防災倉庫)
における非常用発電設備の整備
・医療・介護・福祉施設における非常用発
電設備の整備促進
■再生可能エネルギーの導入促進
・メガソーラーの設置箇所の情報提供
・公共施設等における太陽光パネルの設置
促進
・住宅用太陽光発電施設の導入に対する補
助嵩上げ
■収益性の高い農林業の実現
・木質バイオマスに関連する事業の導入検
討
■ICT(情報通信技術)や再生可能エネ
ルギーの活用
○災害に強い情報システムの構築
・自治体クラウド導入による災害に強い町
民データの管理
○スマートエネルギータウンの推進(スマ
ートタウンおおつちプロジェクト)
・スマートエネルギータウン計画調査事業
(主体は民間企業を想定)
・スマートエネルギータウン推進事業(主
体は町)
・再生可能エネルギー導入推進事業(主体
は町・国)※メガソーラーの誘致などを想
定
■創造的エネルギー対策の推進
・エネルギーの安定供給や災害時の一次確
保に向け、太陽光・風力・木質バイオマス
(林地残材や災害廃棄物)等の再生可能エ
ネルギーやLNGの利活用など、エネルギ
ーの多様化によるまちづくりを目指した釜
石版スマートコミュニティを推進し、地域
独自にエネルギーを生産・活用できる拠点
形成に努める。
(特に進捗を示す公開情報はない)
■ライフラインや交通・物流機能の強化
○再生可能エネルギー導入促進事業
・再生可能エネルギーの活用による地産地
消型エネルギー産業を復興の基礎とした、
先駆的な医療・福祉や生活支援サービスの
展開による超高齢化社会に適した地域づく
りを推進(
「環境未来都市」の構築に向けて
気仙管内の市長や企業と連携して調査を実
施)
。
■第5重点プロジェクト:
高田沖地区・太陽光発電所誘致等の推進
・メガソーラー等の太陽光発電所の誘致
・新交通としての電気バスの導入
・公共施設等への太陽光発電設備の普及
■第6重点プロジェクト:
・太陽光型植物工場の企業誘致
・大規模施設園芸団地の整備
■再生可能エネルギーの導入と環境未来都
市
○公共施設CO2排出削減対策
・再生可能エネルギーや省エネ機器導入に
よるCO2の排出削減
○新エネルギー設備導入支援
・太陽光や水力・風力関連設備を導入する
民間への補助
○太陽光発電導入促進
・住宅や事業所への太陽光パネル導入補助
○集団移転地エコタウン化
・太陽光・蓄電池などを導入した集団移転
地の整備
12
・大槌町と秋田市は、IT技術などの活用で持続発展可能な街
を目指す「あきたスマートシティ・プロジェクト」の一環とし
て開発されている秋田市の公共施設における電力やガスなど
の消費量を、コンピューターを使ってリアルタイムで把握する
システムについて、共同利用をしていくことに合意。
・また大槌町では、平成 23 年度スマートコミュニティ構想普
及支援事業の一環として、凸版印刷(株)・日本IBMが大規
模発電と家・集落単位での小規模発電を組み合わせたスマート
エネルギータウン計画調査を実施した。
・釜石市は経済産業省の「スマートコミュニティ導入促進事業
費補助金」に採択され、現在、新日鉄エンジニアリング(株)
、
東北電力(株)と共同でスマートコミュニティマスタープラン
の策定が進められている。構想としては、釜石駅前を中心とし
た鈴子地区において、平常時のエネルギー有効活用と災害時の
需給管理機能を兼ね備えたエネルギー管理システムを導入す
る。エネルギー供給設備には釜石に豊富な森林資源を活用した
バイオマス発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーを中
心に、様々な電源を検討していくこととしている。
・また釜石市は、総務省の緑の分権改革事業の一環として、
「小
水力発電により電動アシスト自転車タクシーを実施し、被災し
た高齢者の足を確保する等、復興に資する新たな公共交通を構
築」する提案で採択されていた。2012 年 4 月にこの地域エネ
ルギー活用モデル調査業務の公募型プロポーザルを実施した
結果、パシフィックコンサルタンツを最優秀提案者に特定され
2300 万円で契約が決定。業務内容として、再生可能エネルギ
ーを活用した新交通手段の事業モデルの検討や実証調査のほ
か、小水力発電や分散型電源、木質バイオマス事業化、再生可
能エネルギー活用のための支援策を検討する。
・さらに、海洋工学と都市再生や建築家など、海と陸の専門家
が分野融合・領域横断的に連携して、「津波防災に強い、低炭
素型都市・地域」の実現を震災復興の中で目指す『東大生産技
術研究所海洋エネルギー&東北再生(OETR)連携研究グル
ープ』が、波力発電候補地として釜石市に注目している。波力
について釜石市に着目する最大の理由は、波力が年間で最も強
まる冬が終わった後の3月にほとんど波力がない時期がある
ことだという。常時波力が強ければ、建設やメンテナンスもま
まならないためである。この構想には釜石市も協力している。
・大船渡市・陸前高田市・住田町と連携して、内閣府の「環境
未来都市」に応募をしたところ、採択が決まった。「環境未来
都市」構想の中で、大船渡市は「リチウムイオン電池工場の誘
致」と「水産加工場の復興におけるエネルギー活用」「メガソ
ーラー」の導入等を、陸前高田市は「大規模施設園芸団地・植
物工場団地」「メガソーラー」を具体的なプロジェクトとして
掲げている。このプロジェクトでは伊藤忠テクノソリューショ
ンズ(CTC)が旗振り役となっている。同社が展開するサー
ビス「エプリズム」は、太陽光・風力発電の予測技術や最適化
シミュレーション技術などを活用している。地図画面上で住宅
や商業施設などの電力需要施設と、太陽光・風力発電などの供
給施設を仮想的に配置した上で、気象予測に基づく日々の発電
量を予測しながら、地域内の電力需要量のピーク時間や再生可
能エネルギーの発電量、電力自給率、最適な蓄電池の導入量な
どを推計している。
・気仙沼市は経済産業省の「スマートコミュニティ導入促進事
業費補助金」に採択され、現在、荏原環境プラント(株)、ス
マートシティ規格(株)
、
(株)阿部長焦点、
(株)カナエ、
(株)
カネカシーフーズ、気仙沼水産加工業協同組合、サンリク東洋
(株)
、
(株)高順焦点、高橋水産(株)
、
(株)八葉水産、
(株)
マルフジと共同でスマートコミュニティマスタープランの策
定が進められている。具体的には、赤岩港地区の水産加工団地
を実証実験の対象に、①地域全体のエネルギー需給最適化によ
るコスト低減,CO2削減,エネルギーセキュリティ向上等を
図るためのデータ収集と分析、②太陽光発電等の分散型電源や
バッテリー,BEMS等の省・蓄エネ機器を水産加工各社の特
性に適合させて導入するための調査、③上記を踏まえたマスタ
ープラン策定を行っていくこととしている。
市町村名
宮城県
気仙沼市
69,368 人
(2012 年
6月
復興計画のタイプ
気仙沼市復興計画
(2011 年 10 月)
エネルギー
太陽光・風
力・バイオマ
ス・蓄電池・
公用車のEV
化
復興計画の概要
進捗状況
○エコタウン・環境未来都市(スマートシ
ティ)構想策定
・再生可能エネルギーを活用したまちづく
りプランの策定
○船舶用陸電施設の整備
・気仙沼漁港内の船舶への電気供給施設の
復旧
・環境省の「再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業
務(平成 23 年度補正予算)
」を活用して、三菱 UFJ リサーチ
&コンサルティング(株)が、気仙沼市内をフィールドとした
太陽光発電の実現可能性踏査を実施している。
・また気仙沼市では、総務省の緑の分権改革事業の一環として、
「住民が週末を利用して運び出した間伐材をチップ化し、市内
宿泊施設等に供給。間伐材を収集した住民に対して地域通貨を
発行し、その資金の一部に住民等から募ったファンドを活用す
る」という事業が採択された。このほか、木質バイオマスにつ
いては環境省や農林水産省の補助事業に応募し、既に採択され
た案件も生まれている。
・また「スマートコミュニティ構想普及支援事業」にも採択さ
れ、東北大学を中心としたチームが、高台移転先の住宅地を
DC/AC ハイブリッドグリッドを導入するという提案を行って
いた。
・南三陸町では総務省の緑の分権改革事業の一環として、「放
置されている間伐材を活用し、ペレットを製造。このペレット
をハウス栽培や公共施設等の熱源に活用する」という事業が採
択された。
・また中外炉工業が 2012 年秋に、宮城県南三陸町で震災がれ
きから分別した木チップを燃料に使うバイオマスガス化発電
システムの設置も決定。一日当たり15トンを処理することで
330キロワットを発電し現地で貢献する予定である。
(特に進捗を示す公開情報はない)
南三陸町
17,666 人
(2012 年
2月
南三陸町震災復興 太陽光・太陽
熱・木質バイ
計画
(2011 年 12 月) オマス
■エコタウンへの挑戦
・送配電網のスマートグリッド化
・自然エネルギーによる地域熱供給の導入
・公共施設や復興住宅における再生可能エ
ネルギーの導入促進
女川町
8,246 人
(2012 年
5 月)
女川町復興計画
(2011 年 9 月)
石巻市
152,037 人
(2012 年
4 月)
石巻市震災復興基 太陽光、藻類
バイオマス、
本計画
(2011 年 12 月) コジェネレー
ション
■自立型エネルギーの整備
・新たに形成される居住区や離半島部の集
落への自立型エネルギー(風力発電・太陽
光発電・廃棄物熱利用)の確保
・公共施設等への新エネルギーの導入
・地場産業や資源を活かす企業誘致等の検
討(自立型エネルギー・自然エネルギー導
入に資する産業など)
■新エネルギー等の活用
○新エネルギー等の活用による環境に配慮
した災害に強いまちづくりの推進
・石巻復興協働プロジェクト協議会の設置
・スマートコミュニティ推進事業(太陽光、
バイオマス(微細藻類等)
、コジェネレーシ
ョン)
■被災農林業への再建支援
○林業・木材産業の復旧・復興支援
・バイオマスエネルギー活用事業
■新エネルギー等関連産業の集積
○エネルギー関連企業の誘致
・マリンバイオマス推進事業(微細藻類の
機能性物質を活用した医薬品、バイオマス
燃料等を生産する企業等を誘致)
・新エネルギー等に関連する研究機関や発
電施設等の誘致
■重点プロジェクト∼石巻さきがけプロジ
ェクト
・スマートコミュニティ推進事業
・植物工場推進事業
・マリンバイオマス推進事業
東松島市
40,431 人
(2012 年
5 月)
東松島市復興まち 太陽光、風力、 ■防災・減災による災害に強いまちづくり
づくり計画
木質バイオマ ○エネルギー、食糧等の自給力向上
・防災拠点施設をはじめとした公共施設へ
(2011 年 12 月) ス、藻類バイ
の再生可能エネルギーの導入
オマス
・集落・地域レベルのエネルギー自給
太陽光・風
力・廃棄物熱
利用
・自立分散型エネルギー施設を活用した無
線LAN機能の強化
○企業誘致の促進と企業雇用の確保
・食品・エネルギー関連企業誘致と大学・
研究機関等との事業連携
■持続可能な地域経済・社会を創るまちづ
くり
○再生可能エネルギー産業の創出とエネル
ギーシステムの確立
・メガソーラー発電、風力発電、バイオマ
ス発電等の誘致による新産業創出
・藻類培養プラント誘致事業
○公共施設への再生可能エネルギーシステ
ムの導入
・災害時にも対応可能なソーラー発電等シ
ステムの整備
○再生可能エネルギー導入促進地域の指定
・スマートシティの構築
・家庭導入の促進
・省エネ住宅推進事業
○民間事業者の進出推進
13
・資源循環型の復興モデル都市づくりに向け、産学官でつくる
「石巻復興協働プロジェクト協議会」を立ち上げ、2011 年 10
月に初会合を実施した。協議会には日本IBMや大手電機メー
カー、住宅会社、商社のほか、石巻ガスや東北電力、地元の漁
協、農協など約25の企業・団体と大学が参加している。テー
マは新エネルギーを活用した新市街地の整備や効率的な地域
エネルギーシステムの構築、次世代型の水産業・農業の実現、
医療・介護・福祉などを扱う4つのワーキンググループを設置
し、必要に応じて国の補助事業も活用しながら、産学官で検討
した各種アイディアの実現を図ろうとしている。
・また石巻市は経済産業省の「スマートコミュニティ導入促進
事業費補助金」に採択され、現在、
(株)東芝、東北電力(株)
と共同でスマートコミュニティマスタープランの策定が進め
られている。具体的には、石巻市の「エコ・セーフティタウン
構想」に基づき、地域のエネルギー管理を行うEMS(エネル
ギーマネジメントシステム)の開発や、太陽光発電システムや
蓄電池の設置などにより、災害時にも電気が使える「安全・安
心で環境にやさしいまち」の実現を目指したスマートコミュニ
ティ構築に関する計画づくりを検討している。
・民間による取り組みとしては、1つめは電気設備工事の東光
電気工事が、宮城県石巻市の地元建設会社である丸本組(石巻
市)や日立製作所との共同出資で、事業主体となるサン・エナ
ジー石巻を設立し、石巻市の牡鹿半島に1万キロワット規模の
メガソーラーを建設する。太陽光発電所は 2012 年 8 月に完成
し、7月に導入される国の再生可能エネルギーの全量買い取り
制度を活用して、東北電力に売却される予定である。2つめは
エックス都市研究所が、環境省の「平成23年度再生可能エネ
ルギー事業のための緊急検討委託業務」に風力発電の事業を提
案の上で採択され、現在、風況調査などを実施している。
・東松島市は内閣府の「環境未来都市構想」に採択され、現在、
協議会を立ち上げ、「超高齢化」「安心・安全」「環境・エネル
ギー」の3つのテーマごとに分科会を設置して、具体的なアイ
ディアの実現方策を検討している。
・また東松島市と仙台高等専門学校は、仮設住宅周辺に太陽
光・風力・蓄電池を持つ「スマートハイブリッドデバイス」を
設置し、災害時でも系統から独立して電力供給が可能な設備の
実証実験を行っている。また、仮設住宅の環境改善に向けて、
室内にセンサーを設置し温度情報などを収集し、熱中症の予防
や結露対策などに使うほか、エネルギーの効率利用に向けたシ
ステム開発や単身世帯の孤独死防止などにデータを幅広く活
用する取り組みも展開している。温度、湿度と照度を計りイン
ターネット上に情報を蓄積し、遠隔地からデータを監視する。
天気予報を参考に気温が上がる前に空調を起動させエネルギ
ー効率を高めるなど、新たなシステムも開発する方針である。
・さらに「環境未来都市」のモデル事業として、再生可能エネ
ルギーを組み合わせた「ハイブリッド」発電装置の実証実験に
乗り出す。発電装置は災害時の避難所に指定している市民セン
ターなど10カ所に設置し、防災機能の強化を図る。発電装置
は小型風車による風力発電機(出力約1キロワット)と、パネ
ル2枚の太陽光発電機(出力約130ワット)の機能を併せ持
つ。約5キロワットの蓄電も可能で、100ワット電灯で48
時間連続して使用できる。市は発電装置導入に伴い災害発生時
の指定避難所で、情報収集のためのテレビやラジオ、携帯電話
など向けに必要最低限の電力を確保できるとしている。 発電
装置は早ければ8月にも設置される見通し。市は将来的に防災
無線も搭載するなど機能を拡充する方針だ。
市町村名
宮城県
東松島市
40,431 人
(2012 年
5 月)
復興計画のタイプ
東松島市復興まち
づくり計画
(2011 年 12 月)
エネルギー
太陽光、風力、木
質バイオマス、藻
類バイオマス
復興計画の概要
松島町
15,220 人
(2012 年 4
月)
松島町震災復興計
画
(2011 年 12 月)
太陽光
利府町
35,345 人
(2012 年 5
月)
利府町震災復興計
画
(2011 年 12 月)
自然エネルギー
全般
塩竃市
56,563 人
(2012 年 4
月)
七ヶ浜町
20,123 人
(2012 年 5
月)
塩竈市震災復興計
画
(2011 年 12 月)
バイオマス
■安全・安心の復旧・復興と創造的なまち
づくり(都市基盤の復興)
○環境に配慮した住宅地づくりの推進
・災害に強いまちづくりモデルの構築
:環境配慮型住宅の復興支援
○再生可能エネルギーの導入促進
・新エネルギー設備の導入(太陽光等の公
共施設や住宅への導入)
■町民の命と生活を守る防災まちづくり
(生活の復興)
○ライフラインの機能強化
・災害時用電源の確保
・新エネルギー設備の導入
■環境に配慮したまちづくり
・避難施設として利用される公共施設への
自然エネルギーの導入
・新たに開発が行われる市街地への自然エ
ネルギーの導入
・公共施設の省エネルギー化
■災害に強いまちづくりの推進
・地域特性を活かしたバイオマスエネルギ
ーの導入などを通じたバックアップ体制の
構築
多賀城市
61,939 人
(2012 年 5
月)
多賀城市震災復興
計画
(2011 年 12 月)
仙台市
仙台市復興計画
(2011 年 11 月)
1,057,659 人
※宮城野区
189,861 人
※若林区
131,785 人
(2012 年 6
月)
七ヶ浜町震災復興 太陽光
計画基本計画
(2011 年 8 月)
七ヶ浜町震災復興
計画 前期基本計
画
[2011-2015]
(2011 年 11 月)
■リーディングプロジェクト
○分散型地域エネルギー自立都市プロジェ
クト
■自然と調和した持続可能なまちづくり
・復興する住宅において、太陽光などのク
リーンエネルギーの積極的な導入の推進
や、街路灯に LED を導入するなど、街や
地域での活用を促進し、エコタウンを実現
■未来を創る子どもたちの学びの場の提供
・七ヶ浜中学校の改築に際して、地域に開
かれた学校づくりを目指し、地域の防災拠
点としての役割と機能の充実を図る。また、
自然エネルギーを取り入れたエコスクール
や復興のシンボルとして広く発信しうる学
校づくりを目指す。
■既存産業の再興促進と立地支援の強化
○エネルギー循環型都市に向けた環境整備
・災害発生時にもエネルギー供給が可能な
自立型の循環型都市の形成(ガス事業所・
石油精製所・下せ水処理場などの活用)
進捗状況
・東日本大震災で大きな津波被害を受けた宮城県東松島市が、
被災して廃校になった小学校を利用し、太陽光発電機の施工技
術訓練校を誘致したことが、分かった。震災後の街づくりで需
要が増えている太陽光パネルの設置・修理の技術者を養成し、
地元の雇用創出にもつなげる取り組み。市民向けの無料講座も
開き、6月26日の開校を予定する。廃校になった市立浜市小
学校に開設するのは、一般財団法人「太陽光発電工事専門校」
。
東松島校は埼玉県と大阪府に続き3校目となる。体育館に模擬
屋根を設置し実習を行うほか、教室で理論を学ぶ。開校時に施
工業者10人を受け入れ、市民または市内で働く人向けに、5
人分の無料講座も設ける。
(特に進捗を示す公開情報はない)
(特に進捗を示す公開情報はない)
(特に進捗を示す公開情報はない)
・東北電力が七ヶ浜町の仙台火力発電所の敷地内にメガソーラ
ーを活用した「仙台太陽光発電所」を整備し、2012 年 5 月か
ら稼働を開始。1年間に一般家庭 600 世帯分の電力量にあたる
210 万 kwh を発電できる。
・多賀城市は、大規模災害時の被害軽減を図る「減災産業」を
集積し、新技術や製品の研究開発拠点となる「市減災リサーチ
パーク(仮称)」を設置する構想を固めた。構想によると、拠
点は同市のソニー仙台テクノロジーセンター敷地内で、みやぎ
産業振興機構が運営するインキュベーション施設「みやぎ復興
パーク」に置く。市は、減災産業企業に対して、月額10万円
を上限にみやぎ復興パークの賃料を補助するほか、復興特区に
よる税制特例や優遇措置を講じる。事業化を経済的に支援し、
将来的には市内での大規模展開を促す。あらゆる自然災害に備
え、住民の安全安心を確保する技術、製品を生み出す事業活動
が、減災産業と位置付けられる。具体的には、市は津波の減衰
技術や再生可能エネルギー活用技術、情報制御システム、災害
時の医療資機材などの開発を想定。既に地元産食材を使った高
栄養価非常食の開発製造など数社への助成を検討している。市
は来年度にも「減災リサーチパーク構想推進協議会」を発足さ
せる計画で、地元企業や大学との連携も模索する。
・東日本大震災で発生したがれきを燃料に使うバイオマス発電
の支援対象として、製材業者など民間事業者が岩手県宮古市と
宮城県の気仙沼、石巻、多賀城の三市に建設する計四施設を決
定した。計画では、四施設の合計で年間二十万トンを燃やし、
一万六千キロワット(一般家庭約三万戸分に相当)を発電する。
・東部の沿岸地区の住民の集団移転先の受け皿として、震災前
太陽光・太陽熱・ 【100 万人の復興プロジェクト】
からの区画整理事業地区である宮城野区田子西地区や若林区
■
「持続的なエネルギー供給を可能にする」
ガスコジェネ・燃
荒井東地区が有力な候補となっており、この両地区を「エコモ
省エネ・新エネプロジェクト
料電池
・エコモデルタウン:災害時における再生 デルタウン」にする構想が検討されている。具体的には、両地
可能エネルギーや天然ガスを含めたエネル 区にスマートコミュニティ関連技術を導入したまちづくりを
ギー構成の最適化、平時においても高いエ 展開し、ここで開発したモデルを市内全体に展開していく方向
ネルギー効率と経済性を両立するモデル的 で検討が進められている。田子西地区には国際航業・NTT・
取り組み、スマートメーターの導入やそれ 北洲など、荒井東地区には日立・NTTなどが参画して、「モ
らの機器とICTを活用した各種サービス デルタウン」の検討を行っている。
・石油系の炭化水素を作る藻類「オーランチオキトリウム」を
開発
・次世代エネルギー研究・開発拠点づくり: 発見した筑波大大学院生命環境科学研究科の渡辺信教授の研
大規模太陽光発電事業やバイオマス発電事 究グループが、下水道処理施設「南蒲生浄化センター」(宮城
業等の誘致の促進、藻類バイオマスの研 野区)を活用した藻類バイオマスによる石油生産の実証プラン
トを設置し、実証実験を行っていく。
究・開発支援など
【暮らしと地域の再生】
■「省エネ・新エネルギー」対応型まちづ
くり
・集中型電源から分散型・多重化電源への
移行、V2G・V2Hによるエネルギーマ
ネジメントシステムの導入可能性検討
−
14
市町村名
宮城県
仙台市
1,057,659 人
※宮城野区
189,861 人
※若林区
131,785 人
復興計画のタイプ
仙台市復興計画
(2011 年 11 月)
エネルギー
太陽光・太陽
熱・ガスコジ
ェネ・燃料電
池
(2012 年 6
月)
復興計画の概要
進捗状況
・エネルギー効率の向上:再生可能エネル
ギー・都市ガスコジェネレーションシステ
ム・燃料電池などの分散型電源の導入促進、
蓄電・蓄熱技術等の併用促進
■東北の復興を牽引する「交流・活力創出」
まちづくり
・農地再生のための基盤整備と新たな土地
利用:農業用途に用いる太陽光や太陽熱を
はじめとする再生可能エネルギーの積極的
な活用推進
・エネルギー供給基地としての再生:東部
地域を中心に大規模太陽光発電事業等の環
境負荷の少ない再生可能エネルギーの積極
的な活用促進
・エネルギー・環境分野の産業集積促進:
産学官連携を中心としたエネルギー・環境
技術やソリューションの開発促進、省エネ
ルギー・環境配慮型ライフスタイルの発信、
研究実証フィールドの提供、規制緩和や特
区認定等の要請など
・防災力の強化による企業集積:自立的な
エネルギー供給を可能とする商業街区や工
業街区の形成、エネルギー供給の多系統化
の推進など
・商店街の社会的機能の強化:自家発電装
置や蓄電装置等の設置促進
■魅力ある市街地の形成
・賢いエネルギー活用の促進
・また、仙台市と日本 IBM やシャープ、カゴメなど約 20 社は、
東日本大震災の被災農地に大規模太陽光発電所(メガソーラー)
を建設、その電力で 2012 年秋に国内最大級の水耕栽培・食品
加工の事業を始める検討に入っている。参加企業は日本 IBM、
シャープ、カゴメ、三井物産、伊藤忠商事、東北電力、セブン
イレブンジャパン、ヨークベニマルや地元の農業生産法人など
で、仙台市内の沿岸部、若林区で津波の被害を受けた農地で新
事業を始める。
名取市
72,324 人
(2012 年 5
月)
名取市震災復興計 ―
画
(2011 年 10 月)
岩沼市
43,785 人
(2012 年 5
月)
岩沼市震災復興計 太陽光
画グランドデザイ
ン/マスタープラ
ン
(2011 年 8 月)
■自然エネルギーを活用した先進モデル都
市
・太陽光をはじめとする自然エネルギー活
用した自然共生都市として、スマートグリ
ッドを活用したモデルタウンを構築する。
亘理町
34,037 人
(2012 年 5
月)
亘理町震災復興計 太陽光
画
(2011 年 12 月)
山元町
14,123 人
(2012 年 4
月)
亘理町震災復興計 太陽光・風力
発電
画
(2011 年 12 月)
■復興未来プロジェクト
○ひかり・エコ創生プロジェクト
・再生可能エネルギー(メガソーラーなど)
の導入によるエコタウンの推進・再生可能
エネルギー産業の誘致
■「安全」と「安心」を確保するまちづく
り
・防災・減災システムの整備:避難所等へ
の太陽光などの再生可能エネルギーによる
電源確保
■「暮らしやすさ」と「にぎわい」のまち
づくり
・環境・リサイクルの推進:災害廃棄物の
リサイクル等による活用
■「なりわい」と「にぎわい」のまちづく
り
・農林業の復興:農業用施設等への再生可
能エネルギーを含めた自家発電施設の整備
・企業誘致の推進:再生可能エネルギーや
メガソーラーを誘致し、クリーンエネルギ
ーを利用推進
■環境に配慮し、自然エネルギーを活用し
たまち
・災害廃棄物のリサイクルの促進
・復興住宅、災害公営住宅、公共施設への
住宅用太陽光発電とエネルギー管理システ
ムの導入
・再生可能エネルギー発電設備(メガソー
ラー・風力等)の導入
15
・ミサワインターナショナルは、太陽光発電システム(PV)
による売電で建築費の約80%をまかなう平屋戸建て「SMA
RT HABITA ZERO・YEN(スマート・ハビタ・
ゼロ・エン)」と、ゼロエネルギーの2階建て戸建てSMAR
T HABITA ZERO・ENE(スマート・ハビタ・ゼ
ロ・エネ)」を3月1日から発売する。販売目標は両商品で1
2年度に 1000 棟。価格は「ゼロ・エン」がPV27.6kw搭載、
延床面積 30 坪で 2800 万円。
「ゼロ・エネ」は 9.66kw、40.5
坪で 2800 万円。いずれも災害時の復旧を考えてインフラを単
純化するためオール電化とホームエネルギーマネジメントシ
ステムを採用。PVはカナディアン・ソーラー製で出力は35
年保証。「ゼロ・エン」は平屋建てで切妻屋根両面にPVパネ
ルを設置。売電価格が1∼10年までkw/h当たり 40、2011
∼2025 年まで 20 円、2026∼2035 年まで14円と仮定し、35
年間で建築費の約 8 割に当たる 2118 万 6480 円の売電収入を
得る。
・3月から宮城県名取市で両商品によるスマートシティ開発を
米国の住宅会社FYKと合同で行う。戸建て分譲700戸、賃
貸住宅800戸の整備を行う方針。メガソーラー整備や電気自
動車(EV)のシェアリングやEVバス運行も行う。
・岩沼市は、復興計画を具体化した「復興整備計画」において
既存工業ゾーンの隣接地に雇用を創出するため、新たに工業系
開発を検討するほか、農業的土地利用並びに再生可能エネルギ
ーの導入及び医療関連産業の集積を図っていく方針を示した。
3 月に大規模太陽光発電施設(メガソーラー)を誘致するため、
事業者選定に向けプロポーザル手続きを開始し、複数の企業グ
ループを指名の上で、4月下旬以降に優先交渉権者を絞り込み
契約する予定で、2013 年の稼働を見込んでいる。
・また岩沼市は「環境未来都市」にも応募し、採択が決定した。
現在は個別のプロジェクトの具体化を検討している段階であ
る。
(特に進捗を示す公開情報はない)
・山元町は経済産業省の「スマートコミュニティ導入促進事業
費補助金」に採択され、現在、
(株)NTT東日本、
(株)エネ
ットと共同でスマートコミュニティマスタープランの策定が
進められている。具体的には、「山元町コンパクトシティ型ス
マートコミュニティ事業」として、新駅を中核とした再開発、
及び基幹産業であるいちごなどの農園集約を進めていく山元
町の復興計画と連動して、機能集積型インフラ整備(コンパク
トシティ)の特徴を最大限活かしたICT活用型エネルギー基
盤を構築し、「安心安全」「産業振興」「コミュニティ再創生」
などを実現するコンパクトシティ型スマートコミュニティ構
築を行っていく。
市町村名
宮城県
山元町
14,123 人
(2012 年 4
月)
復興計画のタイプ エネルギー
亘理町震災復興計 太陽光・風力
発電
画
(2011 年 12 月)
福島県
新地町
8,017 人
(2012 年 6
月)
新地町復興計画
(2012 年 1 月)
太陽光・木質
バイオマス
相馬市
36,511 人
(2012 年 6
月)
相馬市復興計画
Ver. 1.2
(2012 年 3 月)
太陽光
南相馬市
65,348 人
(2012 年 6
月)
南相馬市復興計画
(2011 年 12 月)
バイオマス・
太陽光・風力
富岡町
15,839 人
(2012 年 1
月)
富岡町災害復興ビ バイオマス・
太陽光
ジョン
(2011 年 12 月)
復興計画の概要
進捗状況
・また、仙台市の亀山鉄工所とスマートソーラーインターナシ
ョナル等のものづくり企業と、山元町の渡辺イチゴ農園が連駅
して、農業分野ではまだほとんど例がない太陽光や地熱を活用
し、低コストで高収益を上げる施設栽培システムの開発・実証
研究を山元町で展開する。
■再生可能エネルギー活用事業(重点事業) (特に進捗を示す公開情報はない)
・太陽光やバイオマスなど多様な自然再生
エネルギーを活用し、火力発電とのベスト
ミックスによる低酸素・省エネルギーによ
る「ハイブリッドな発電のまち」を推進
・再生可能エネルギーによる電力の水耕栽
培、植物工場など新たな農業や水産業など
への利用推進とエネルギーの地産地消やス
マートグリットによる社会実験の実施
・小中学校への防災機能を備えた太陽光発
電及び蓄電池の整備によるエコ環境教育の
推進
・メガソーラー整備運営事業の実施:沿岸
部の平地をエネルギーパークとして整備。
1万 kW(面積約 25ha で全町の一般家庭 1
年分の約70%)を発電し売電する事業を、
民間企業と共同で運営。
・バイオマス発電事業の実施:町内外の森
林資源を活用し、木質バイオマスエネルギ
ーとして発電。町と町内事業者との共同で、
木質ペレットの製造と木質バイオマス発電
事業所の運営を行う。
■再生可能エネルギー生産の整備
・相馬市では、総務省の緑の分権改革事業の一環として、「沿
岸漁業の休業により当面仕入れが困難な原材料や一次加工品
○災害公営住宅へのソーラー搭載
・新しく建設する災害公営住宅への太陽光 を神奈川県小田原市の協力を得て入手し、これを加工して特産
品として販売。併せて太陽光発電による電力等を、特産品を販
発電の導入
・今後、復旧・再建する公共施設における 売する直売所で活用する事業」が採択された。
・東北電力が1MWh のメガソーラーの建設に着手した。2015
再生可能エネルギーの活用検討
○住宅用太陽光発電システム設置のための 年からの稼働を目指す。
補助
・市民が自らの意思で設置する太陽光発電
導入に対して一部の費用を補助
○被災地有効活用のための再生可能エネル
ギー活用策の検討
・津波被災地の市有地化とメガソーラー等
のための事業地の提供
・再生可能エネルギーを利用した農業・水
産業等の生産・加工事業、その製品等の流
通・販売、相馬市の防災機能の充実
■経済復興
・復興にあたり 2011 年 5 月ごろに経済発展ビジョンを策定す
○新たな産業の創出∼再生可能エネルギー るとともに、産業復興のための各事業の運営・経営を担うパー
基地の設立と関連産業の誘致、放射線研究 トナー企業を募集。再生可能エネルギー分野で 39 社がパート
産業の誘致、特区制度による新規参入支援 ナーとして登録。今後は国の補助事業等を活用しながら 39 社
・エネルギーの地産地消地域“自家発電の のパートナー企業とともにプロジェクトの推進を図っていく。
まち”を目指し、バイオマス発電・太陽光 ・また、奥野翔設計グループと安藤建設グループによる2件の
発電・風力発電などの「再生可能エネルギ 「スマートコミュニティ構想普及支援事業」の採択が決まっ
ー基地」を形成するため、関係する機関や た。前者は、工場跡地の都市開発を通じたエネルギー地産地消
企業等の誘致を推進。
型のエコタウンの形成、後者は工業団地における再生可能エネ
○安定経営を目指した複合経営の促進(E ルギーを導入したエネルギー管理システムの開発に取り組む
DEN計画)
予定である。
・植物工場や花卉工場などを活用した農産 ・「環境未来都市」に応募し、採択が決定した。この構想の中
物の生産、大規模化や複合化などによる農 で「EDEN計画」「スマートシティによるエネルギー循環型
業経営の強化、加工・販売、エネルギー供 都市」などを推進していく。
給などを一体的に行う複合経営の促進によ ・民間企業によるプロジェクトとしては、福島復興ソーラー(東
り、農林水産業の再興・地域産業の活性化・ 京)が 2012 年 5 月に、南相馬市に出力500キロワットの太
通年雇用の実現を目指す。
陽光発電所を建設し、新設の植物工場に電気を供給する計画を
■原子力災害の克服
発表した。2013 年 4 月の稼働を予定している。発電所の敷地
○「復興モデル」の世界発信
は約1ヘクタールで面積約1.5ヘクタールの野菜工場の中に
・全市のエネルギーを再生可能エネルギー 建てる。発電量の5分の1を工場に提供し、残りを売電する。
で賄う“自家発電のまち”を目指し、各家 ・東北電力の原町火力発電所の敷地内に、1MWh のメガソーラ
庭や企業が積極的に導入するように支援制 ーを設置する計画が震災前からあった。震災で計画が中断して
度や意識啓発に取り組む。
いたものの、2013 年 10 月に建設に着工し、2015 年 1 月より
○環境未来都市構想の推進
運転を行う見込みとなった。
・国が提唱する環境未来都市構想に取り組
み、
「スマートシティによるエネルギー循環
型都市」
「誰もが暮らしやすい世代循環のま
ち」
「EDEN計画を核とした循環型地域産
業の創造」を目指したまちづくりを推進。
■新たな産業興しによる町の活力の再生
・富岡町では、総務省の緑の分権改革事業の一環として、「と
・廃炉や除染に関する技術や経験の蓄積を うもろこしや菜種の栽培により農地の除塩・除染効果の検証、
活かした産業や人材を育成するとともに、 栽培したとうもろこし、菜種の活用方策(発電、堆肥化、エタ
製造業や自然・再生可能エネルギー関連の ノール化)の比較調査」が採択された。
企業誘致・育成や研究機関の誘致に取り組
むことで、これまでの原発に依存した産業
構造を改善し、新たな産業基盤を形成。
・ソーラー発電施設の整備等による線量の
高い場所の有効利用と税制優遇措置や特区
の導入
・充実した送電網等の地の利を活かすこと
により、製造業や自然・再生可能エネルギ
ー関連の企業誘致・育成や研究機関の誘致
16
市町村名
福島県
いわき市
330,773 人
(2012 年 6
月)
復興計画のタイプ
いわき市復興事業
計画(第一次)
(2012 年 1 月)
エネルギー
洋上風力・太
陽光・太陽
熱・木質バイ
オマス等
復興計画の概要
進捗状況
■経済・産業の再生・創造
○新たな産業の集積等
・洋上風力発電導入に向けた調査研究:関
連産業の集積、地域産業の参入等に関する
調査・研究を実施
・個人家庭及び事業所への再生可能エネル
ギー機器設置の補助:太陽光・太陽熱・木
質ペレットストーブの普及支援
・環境・エネルギー関連産業の創出支援:
いわき環境・エネルギー関連産業ネットワ
ーク組織の立ち上げと自然環境や地域資源
を活かした環境・エネルギー分野のビジネ
スへの意欲的な取組みに対し、その事業化
に向けた技術開発や市場調査、販路開拓な
どの体系的な支援
■再生可能エネルギーを核とした産業振興
プロジェクト(重点施策)
・継続的な雇用の確保・創出を図る観
点から、太陽光、洋上風力、木質バイオマ
スなど、再生可能エネルギー関連を核とし、
併せて比較的、環境への負荷の少ない石炭
ガス化複合施設(IGCC)やLNG火力
発電の導入可能性も視野に入れながら、関
連産業の振興に向けて取り組む。
・国等が推進するスマートコミュニティ実
証実験などを踏まえた調査研究に取り組
む。
・2011 年 12 月に、いわき沖での洋上風力発電導入を見据え、
市内企業も含めた「環境・エネルギー関連産業ネットワーク設
立会議」を立ち上げた。今後、スマートグリッド関連技術の勉
強会を通じた、関連企業のネットワーク化にこれから取り組ん
でいく。洋上風力発電の一連の構想が実現すると、7000k
W機なら143基が福島沖に並ぶ計算になる。丸紅によると、
さらに大型の1万kW機の採用も検討中で、投資総額は最低で
も5000億円に達する見通しである。特にいわき市小名浜や
相馬市などの港湾近くの造船所において、風車製造の拠点を展
開できる期待が高まっている。1基の浮体に必要な鋼材はおよ
そ5000tで貨物船に匹敵し、部品点数は1万∼2万点と自
動車に匹敵する。こうした拠点を中心に産業が集積することに
なると、年間4000人の雇用と500億円の経済効果が見込
まれる。
17
2−2
被災自治体によるスマートコミュニティマスタープランの策定
平成 23 年度 3 次補正予算「スマートコミュニティ導入促進事業」により、被災地におけ
るスマートコミュニティ構築に向けた動きが開始された。
。
「スマートコミュニティ導入促進事業」では、最初に、スマートコミュニティマスタープ
ラン策定事業により、各地のマスタープランづくりが行われ、策定されたマスタープランの
うち、
「次世代エネルギー・社会システム協議会」での評価を受けて、認定されたプラに基
づき導入されるシステム及び機器、
プロジェクトマネジメントに必要な費用を補助するもの
である。
スマートコミュニティ導入促進事業の概要
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
平成 24 年 12 月に開催された次世代エネルギー・社会システム協議会では、
岩手県宮古市・
岩手県北上市・宮城県気仙沼市・宮城県石巻市・宮城県大衡村・宮城県山元町・福島県会津
若松市の7地域のマスタープランが認定された。ここでは、これらの7地域において策定さ
れたスマートコミュニティマスタープランの概要を紹介する。
18
スマートコミュニティ導入促進事業によって策定されたスマートコミュニティマスタープランの概要
主な対象地区
市内全域
コンセプト
Ø 最適な需給バランスを実現した再生可
能エネルギーの地産地消モデルの構築
Ø 持続可能な事業性の高いビジネスモデ
ルの構築
Ø 対災害性の向上
Ø 土地力の回復・向上
北上市
市内公共施設
(本庁舎、オフ
ィスアルカディ
ア北上など)
気仙沼市
赤岩港「エコ水
産加工団地(仮
称)」
Ø 既存建物施設へ段階的に再生可能エネ
ルギーを分散配置し、市関連施設で使
用する電力の再生可能エネルギー比率
を高めると共に、面的に災害に強い街
づくりを行う。
Ø まずは本庁舎の使用電力の 20%以上
を分散電源で担うため、太陽光発電・
蓄電池を導入するとともに、職員を対
象としたデマンドレスポンスを実施。
Ø 三陸を代表する水産加工業者の集積
地、気仙沼市赤岩港地区のスマート化
事業
Ø 最先端の環境技術/サービスの導入で
未来志向の創造的な産業復興を実現す
る
Ø 成果を「気仙沼モデル」として国内外
の水産都市スマート化のモデルケース
として水平展開を行う
宮古市
主なプロジェクト
Ø 地域エネルギーマネジメントシステム
(CEMS)
Ø ビルエネルギーマネジメントシステム
(BEMS)
Ø ESCO 型サービス
Ø 発電設備
Ø 植物工場
Ø コジェネレーション
Ø カーシェアリング
Ø 給電設備
Ø 蓄電設備
Ø メガソーラー整備運営事業
Ø 市庁舎エネルギーマネジメント事業
Ø ソーラーパーク整備・運営事業
Ø 防災拠点機能強化事業
Ø オフィスアルカディア北上
太陽光発電等・運営事業
Ø CEMS 整備・運営事業
主な導入設備
Ø 太陽光
Ø バイオマス
Ø 小水力
Ø コジェネレー
ション
Ø 蓄電池
Ø 電気自動車
Ø EMS
Ø
Ø
Ø
太陽光
蓄電池
電気自動車
Ø 省エネ関連ソリューションの導入によるデマ
ンドレスポンス
Ø 電気事業会社の設立等による自律型エネルギ
ーの実現
Ø CO2 削減によるインセンティブを活用した
環境価値の活用
Ø
太陽光などの
分散型電源
蓄電池
EMS
Ø
Ø
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料より NRI 作成
19
スマートコミュニティ導入促進事業によって策定されたスマートコミュニティマスタープランの概要
大衡村
石巻市
主な対象地区
第二仙台北部中
核工業団地を中
心とした地域
コンセプト
Ø トヨタの工場を核として、工業団地
及び地域コミュニティーにおける
エネルギーの「セキュリティ向上」
、
「環境性の向上」、
「経済性の確保」
を総合的にマネジメント
Ø 安全・安心・安価・安定的なエネル
ギーを確保するとともに、地域産業
振興・地域活性化に貢献
主な導入設備
Ø 太陽光
Ø バイオマス
Ø 小水力
Ø コジェネレーシ
ョン
Ø 蓄電池
Ø 電気自動車
Ø EMS
中心市街地
新蛇田地区
新渡波地区
北上地区 など
Ø
Ø
Ø
Ø
Ø
太陽光
電気自動車
蓄電池
EMS
Ø
Ø
Ø
Ø
太陽光
蓄電池
電気自動車
EMS
Ø
Ø
Ø
Ø
Ø
太陽光
バイオマス
蓄電池
電気自動車
EMS
Ø
山元町
会津若松
市
生活エリア
産業エリア
沿岸エリア
Ø
市内全域
(※太陽光・バ
イオマスの事業
については事業
者を選定中)
Ø
Ø
Ø
Ø
Ø
主なプロジェクト
Ø F-グリッド CEMS によるエネルギーマネジメン
ト
Ø 排熱の有効利用
Ø エネルギー・設備管理の見える化と省エネ改善
提案
Ø F-グリッド CEMS と連携したエネルギーの見え
る化による意識啓発
Ø 非常時における電源供給
Ø PHV の充放電と CEMS との連携
「安全・安心」かつ「環境に優しい」 Ø 低炭素なエコタウン、災害時にも灯りと情報が
途切れないまちづくり
生活ができるコミュニティである
『世界最先端のエコ・セーフティタ Ø 災害公営住宅を中心としたモデル地区での展
ウンの実現』
開、行政サービスの拡充
再生可能エネルギーを利用した効 Ø CEMS を活用した省エネ促進支援サービス
率的で災害に強い生活を実現する
Ø 医療・介護や行政情報との連携を通じた生活支
援サービス
安心・安全が高い価値を持つ住民生 Ø エネルギー供給・マネジメント事業(沿岸地域
活や住みよいまちの実現
メガソーラー発電/地域新電力による電力供
給)
産業振興や雇用確保への貢献
持続可能な地域社会を可能とする Ø 生活支援サービス事業(高齢者見守り/災害情
取組
報伝達/EV 巡回バス)
Ø 産業支援サービス事業(農業の AI 化/夏秋いち
ご農家向け PV 土地借り/6 次産業化支援)
再生可能エネルギーの飛躍的推進 Ø エネルギーコントロールセンター構築事業
による新たな社会づくり
Ø バイオマス資源を活用した熱供給によるまちづ
くり
新たな時代をリードする産業の創
出
Ø 太陽光発電/蓄電池の導入促進と地域防災対策
との連動
地域経済活力再生のための取組み
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料より NRI 作成
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1)宮古市
■スマートコミュニティの目的とコンセプト
宮古市のスマートコミュニティマスタープランは、その位置付けとして①復興計画に掲げ
る目標の実現に向けた具体策、②全国への展開が可能な汎用性の高いモデル、の2つを掲げ
ている。特に②の全国への展開が可能な汎用性の高いモデルについては、宮古市が高齢化率
が高く、集落が点在している中山間地域の典型的な地方都市であることから、「宮古市版ス
マートコミュニティモデル」が他の地域への展開が可能であると捉えている。
宮古市版スマートコミュニティマスタープランの位置づけ
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
「宮古市版スマートコミュニティ」のコンセプトとしては、「最適な需給バランスを実現
した再生可能エネルギーの地産地消モデルの構築」
「持続可能な事業性の高いビジネスモデ
ルの構築」
「対災害性の向上」
「土地力の回復・向上」の4つを掲げ、これらの目的を実現す
るために必要な事業の具体化を図っている。
宮古市版スマートコミュニティのコンセプト
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
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■スマートコミュニティ構築のための取り組み
「宮古市版スマートコミュニティ」の具体的な個別事業は、①地域エネルギーマネジメン
トシステム(CEMS)
、②ビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)
、③ESCO 型サービス、
④発電設備、⑤植物工場、⑥コジェネレーション、⑦カーシェアリング、⑧給電設備、⑨蓄
電設備の9つである。これらの事業を市内各地でモデル的に取り組み、その実証成果を横展
開していくことを目指している。
宮古市版スマートコミュニティの全体概要
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
個別事業の中でも、とりわけ注目される取り組みが「植物工場」である。これは CEMS と
連携したコージェネレーション設備を活用した「太陽光利用型植物工場」において、農業法
人と連携して付加価値が高く、
輸入割合の高いパプリカの生産・販売を手がける事業である。
植物工場プロジェクトの概要
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
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■事業の実施体制
宮古市版スマートコミュニティの事業構築体制としては、事業別に SPC(事業目的会社)
を設立するとともに、
各事業の統制をはかるために SPC 全体を統括する組織体を別途設立す
る。この組織が、宮古市や市内でスマートコミュニティ事業のノウハウ共有と横展開を図る
ための協議会である「スマートコミュニティコンソーシアム(仮称)
」と連携をしながら、
事業を推進していくことを目指している。
宮古市版スマートコミュニティの事業構築体制
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
2)北上市
■スマートコミュニティの目的とコンセプト
北上市のスマートコミュニティは、既存建物・施設へ段階的に再生可能エネルギーを分散
配置し、市関連施設で使用する電力の再生可能エネルギー比率を高めるとともに、面的に災
害に強い街づくりを行うことを目的としている。
北上市のスマートコミュニティにおける目標と事業概要
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
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■スマートコミュニティ構築のための取り組みと事業実施体制
具体的な取り組みとしては、
「メガソーラー整備・運営事業」
「市庁舎エネルギーマネジメ
ント事業」
「ソーラーパーク整備・運営事業」
「防災拠点機能強化事業」の4つについては北
上市が、
「オフィスアルカディア北上での太陽光発電等運営事業」については(株)北上オ
フィスプラザが所有・運営を行う。
また、これらの再生可能エネルギーを制御する「CEMS 整備・運営事業」については、北
上市が所有し、
(株)NTT ファシリティーズが運営する。
北上市のスマートコミュニティにおける事業実施体制
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
市内の行政庁舎やオフィスアルカディアに設置される太陽光・蓄電池・電気自動車などを
CEMS で制御しながら、ピークカットや災害対応電源として活用していく内容となっている。
北上市の設備構築及び接続イメージ
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
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導入する CEMS の特徴としては、以下の4点が挙げられる。1つめは給電制御パターンを
「再生可能エネルギー優先パターン」と「コスト優先パターン」に切り替えが可能な点、2
つめは無瞬断で防災負荷へ供給が可能な点、3つめは分散電源の拡張性が高く、後から分散
電源を接続させることが容易な点である。
導入する CEMS の特徴
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
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3)気仙沼市
■スマートコミュニティの目的とコンセプト
気仙沼市のスマートコミュニティは、
三陸を代表する水産加工業者の集積地である気仙沼
市赤岩港地区の水産加工団地をモデルにして行われた。最先端の環境技術・サービスの導入
によって、未来志向の創造的な産業復興を実現するとともに、これらの「気仙沼モデル」を
国内外の水産都市スマート化のモデルケースとして、横展開していくことを目指している。
気仙沼市のスマートコミュニティの事業概要・目的
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
気仙沼市のスマートコミュニティのコンセプト
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
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■スマートコミュニティ構築のための取り組み
本事業では、参画する水産加工業者のニーズや制約条件を踏まえながら、個別に EMS と再
生可能エネルギー機器を導入することで電気代・CO2 削減を目指すA案「デマンドレスポン
ス」
、水産加工団地内の電力供給を担う電気事業会社を立ち上げて供給を行うB案「自律型
エネルギー供給」
、ESCO事業などの活用を通じて環境価値を活用することでインセンテ
ィブを付与するC案「環境価値活用」の3つの中から検討を行っている。
気仙沼市のスマートコミュニティ構築のための取り組み
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
デマンドレスポンス案では、各工場の電力需要に合わせて、太陽光発電・蓄電池・FEMS
等を導入するとともに、上位の CEMS で電力料金を最小化するように需要抑制制御を行うシ
ステムを導入していく。
デマンドレスポンス案のシステムイメージ
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
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自律型エネルギー案では、マイクログリッドを敷設し、地域全体の省エネ/低 CO2、電気
代削減効果の最大化を図るシステムとなっている。
自律型エネルギー案のシステムイメージ
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
また今後のシステム導入については、
「デマンドレスポンスシステム⇒自律型エネルギー
システム」という段階を踏みながら、推進をしていく予定である。
各システムの導入ステップ
(出所)経済産業省「第 15 回次世代エネルギー・社会システム協議会」配布資料
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