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平成19年度 フロンティア研究センター活動報告書

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平成19年度 フロンティア研究センター活動報告書
はじめに
フロンティア研究センターの前身である、フロンティア創造共同研究センターは、新
分野の開拓及び次世代の新産業創出を目標に、平成 10 年 4 月に設立されました。産学
官の連携に基づく共同研究を大学主導で計画的に推進し、かつ、高い創造力と起業家精
神を有する優れた人材を育成するという同センター設立の理念は、グローバル化の進展
の著しい今日において、ますますその重要性が増してきました。実際、同センターでは、
設立から約 10 年の間、学内外の支援を得て、組織及び施設の拡充や環境整備が進めら
れてきました。共同研究機能では、生命系、情報系、物質系、環境系の 4 分野において
多彩な成果を上げてきましたが、既に任務を終了したプロジェクトもあります。研究・
情報交流機能では、本学の産学連携の一元的窓口である産学連携推進本部の活動に同機
能の教員が積極的に参画するとともに、同センターに蓄積された産学連携の知識と経験
を同本部に引き継ぐことも行ってきました。
一方、平成 16 年には国立大学が法人化され、共同研究の実施や研究成果の普及が大
学の業務として明確に位置づけられ、産学官連携による活動の自由度も増してきました。
これらの状況のもとで平成 19 年 11 月には、従来、東工大の学内に併置されていた、
「フロンティア創造共同研究センター」と「総合研究館」、「インキュベーションセン
ター」、「ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー」という 4 つの組織が統合され、知の
活用および産学官連携の全学的・戦略的推進を図ることを目的として、フロンティア研
究センターが設立されました。
誕生後間もないフロンティア研究センターですが、科学技術立国を標榜するわが国に
あって、設立の主旨に沿った活動を一層推進し、国民の負託に応えて参りたいと考えて
おります。関係各位におかれましては、引き続き本センターの活動にご支援、ご協力を
賜りますようお願い申し上げます。
平成 20 年 9 月
フロンティア研究センター
センター長
大町 達夫
目 次
はじめに
I.
II.
平成19年度センター概要
目的・業務・組織・施設
3
運営委員会開催記録
6
委員・職員名簿
8
共同研究部門活動報告
生命系
情報系
物質系
環境系
岡畑プロジェクト
13
田川プロジェクト
25
岩井プロジェクト
29
腰原プロジェクト
37
細野プロジェクト
45
秦
プロジェクト
57
吉川プロジェクト
63
■ 終了プロジェクト
III.
その後の動き
生命系
清尾プロジェクト
71
環境系
吉田プロジェクト
77
その他の活動
■東工大新技術展示コーナーの企画・運営
85
<資料1>
関連イベント概要
88
<資料2>
新聞・雑誌掲載記事クリッピング
89
<資料3>
東京工業大学
フロンティア研究センター規則
92
Ⅰ.平成19年度センター概要
平成 19 年度センター概要
フロンティア研究センターは、従来東京工業大学にあった「フロンティア創造共同研究センター」「総
合研究館」「インキュベーションセンター」「ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー」という4つの研究
組織を核として平成 19 年 11 月に設立された。この研究組織統合の目的は東工大における「知の活用、及
び産学連携」の全学的・戦略的推進を図ることにある。
目 的
業 務
新分野の開拓及び次世代の新産業創出を目標に、
産・学・官の連携に基づく共同の研究を東工大主
導で計画的に推進し、独創的な研究開発を推進す
るとともに、高い創造力と起業家精神を有する優
れた人材を育成する。
・産・学・官の連携に基づく共同研究の実施
・ベンチャー・ビジネスの萌芽ともなるべき独創
的な研究開発のための施設の提供
・ベンチャー企業を計画する者、設立後間もない
ベンチャー企業のうち、東工大の研究成果又は
人的資源等を活用するものに対する施設の提供
・大型の外部資金等を獲得した教員への施設の提
供
・大学院学生の自由な発想・創造性を育成する教
育研究活動
・この他必要な事業
基本コンセプト
フロンティア研究センター
Frontier Research Center
「産・学・官の連携に基づく共同研究」
「高い想像力と企業家精神を有する優れた人材育成」
「高い創造力と起業家精神を有する優れた人材育成」
の拠点として・・・
研究・
情報交流部門
(フロンティア創造共同研究センター)
共同研究部門
インキュベーション
部門
(インキュベーションセンター)
統合
ベンチャー・
ビジネス・ラボラトリー
部門
(ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー)
総合研究部門
(総合研究館)
5部門による全学的・戦略的な組織運営
3
組 織
本センターは、5つの部門よりなっている。
【共同研究部門】
各部局からの「流動教員(原則)」を置き、新
分野の開拓及び次世代の新産業創出を目標とした
産学官連携に基づく共同研究体制を本学主導で計
画的に推進する部門
【研究・情報交流部門】
産学連携推進本部との密接な協力関係のもと、
プロジェクト・フォーメーション、技術移転、ベ
ンチャー支援などの研究・活動する部門
【ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門】
VBL設立の趣旨に沿う研究プロジェクトに対
し研究スペースを提供、若手研究者のVBL推進
研究を実施する部門
【インキュべーション部門】
ベンチャー企業を計画する者又は設立間もない
ベンチャー企業にスペースを提供し運営する部門
【総合研究部門】
大型の外部研究資金などを獲得した教員が特別
に必要とする研究スペースを提供し運営する部門
組織図
すずかけ台地区
共同研究部門
副センター長
研究・情報交流部門
総合研究部門
センター長
ベンチャー・ビジネス・
ラボラトリー部門
運営委員会
副センター長
分科会 ※1
インキュベーション部門
大岡山地区
※1・・・分科会は、
1.共同研究部門、研究・情報交流部門及び総合研究部門分科会
2.ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門及びインキュベーション部門分科会
3.情報発信分科会
4.プロジェクト選考分科会
以上、4分科会に分かれ運営。
4
施 設
フロンティア創造共同研究センター棟
総合研究館
【建物概要】
構造規模:鉄筋コンクリート 7 階
延床面積:7,687 ㎡
【フロアー構成】
(平成 20 年 3 月末現在)
■1階
研究業務課事務室
研究展示室
■2階
センター長室
財団法人理工学振興会(東工大TLO)
会議室・分科会調整室
ネットワーク機器室
学生支援センターキャリアアドバイザー室
■3階
秦 プロジェクト
岡畑プロジェクト
■4階
田川プロジェクト
■5階
細野プロジェクト
■6階
吉川プロジェクト
細野プロジェクト
■7階
岩井プロジェクト
VBL棟(大岡山キャンパス)
■
腰原プロジェクト
【建物概要】
構造規模:鉄筋コンクリート地下1階地上4階
延床面積:6,634.58㎡
(別館)
構造規模:鉄筋コンクリート 2 階
延床面積:440 ㎡
ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー棟
【建物概要】
構造規模:鉄筋コンクリート 4 階
延床面積:2,000 ㎡
インキュベーションセンター
【建物概要】
構造規模:鉄筋コンクリート4階
延床面積:998㎡
フロンティア創造共同研究センター棟
ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー棟
(インキュベーション部門内設)
総 合 研 究
館
5
平成19年度運営委員会開催記録
フロンティア創造共同研究センター
第1回
平成19年4月27日
1.審議事項
(1)副委員長の選出について
(2)フロンティア創造共同研究センターの教員ポス
トの取扱いについて
(3)助教再任審査委員会の設置について
(4)共同研究機能生命系分野准教授選考委員会の設
置について
(5)研究・情報交流機能連携協力推進系分野客員教
授選考結果について
(6)分科会の構成員変更について
2.報告事項
(1)研究生(第7種)の研究期間延長について
(2)東京工業大学特別研究員称号付与について
(3)平成19年度以降の教員組織等の整備に関する
職名の変更について
3.その他
(1)平成19年度運営委員会開催日程について
第2回
平成19年9月14日
1.審議事項
(1)平成19年度新規プロジェクトの選定について
(2)共同研究機能生命系分野准教授選考結果につい
て
(3)研究・情報交流機能連携協力推進系分野客員教
授又は准教授選考委員会の設置について
(4)共同研究機能環境系分野教授選考委員会の設置
について
2.報告事項
(1)フロンティア研究センター(仮称)の設置につ
いて
フロンティア研究センター
第1回
第2回
平成20年1月17日
1.報告事項
(1)教育研究評議会・部局長等会議報告
(2)総合研究館の耐震工事について
(3)シーラカンスの解剖イベント報告について
(4)総合研究館別館の使用について
(5)「グローバルCOEプログラム」実施に伴うフ
ロンティア研究センター施設の使用について
2.審議事項
(1)東京工業大学フロンティア研究センター共同研
究部門及び研究・情報交流部門教員会議に関す
る申合せの訂正(案)について
(2)フロンティア研究センター施設の施設使用料の
改訂について
(3)東工大新技術展示コーナーの拡張について
(4)総合研究部門研究プロジェクトの募集について
3.その他
(1)研究生の入学について
(2)客員研究員の受入について
(3)VBL棟(103~105,204~206号室)の世界文明
センターへの有料貸与について
(4)VBL棟の改修工事について
(5)VBLのプロジェクト募集について
(6)助教の配置換について
(7)次回会議開催日について
平成19年11月13日
1.報告事項
(1)フロンティア研究センターの発足について
(2)部局長等会議・教育研究評議会報告
2.審議事項
(1)副委員長の選出について
(2)各分科会の設置について
(3)フロンティア研究センターの内規等について
(4)研究・情報交流機能連携協力推進系分野客員教
授又は准教授選考結果について
(5)研究プロジェクトの募集について
6
(6)総合研究館別館の使用について
(7)「グローバルCOEプログラム」実施に伴うフ
ロンティア研究センター施設の使用について
(8)英文名称について
(9)平成20年度授業日程について
(10)会議開催日について
(11)助教の配置換について
3.その他
(1)研究生の退学について
(2)客員研究員の受入について
第3回
平成20年2月12日
1.報告事項
(1)教育研究評議会・部局長等会議報告
(2)東工大新技術展示コーナーの修正予算について
(3)総合研究館研究プロジェクトの応募について
(4)平成20年度VBL研究プロジェクト公募につ
いて
(5)インキュベーションセンター棟利用者の募集に
ついて
2.審議事項
(1)フロンティア研究センター施設の施設使用料の
改定案について
(2)フロンティア創造共同研究センター棟及び総合
研究館の英文名称変更について
(3)客員教員の雇用(継続)について
(4)情報発信分科会WG及びプロジェクト選考部会
の設置について
(5)フロンティア研究センターの看板作成について
3.その他
(1)研究生の入学について
(2)総合研究館1Fロビーへのピアノ設置について
(3)フロンティア研究センターの発足に伴うホーム
ページ作成について
(4)総合研究館館長線の廃止について
(5)福田峰之衆議院議員の本センター見学について
(6)文部科学省文教施設企画部整備計画室によるフ
ロンティア創造共同研究センター棟のヒアリ
ングについて
(7)文部科学省研究振興局基礎基盤研究課ナノテク
ノロジー・材料開発推進室長による視察につい
て
(8)次回の運営委員会の開催日について
第3回
平成20年3月14日
1.報告事項
(1)教育研究評議会・部局長等会議報告
(2)平成20年度フロンティア研究センター共同研
究部門研究プロジェクトの募集について
(3)ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーシンポジ
ウムの開催について
2.審議事項
(1)フロンティア研究センターの施設使用料の支払
方法について
(2)平成20年度総合研究部門新規研究プロジェク
トの選定について
(3)フロンティア研究センターの発足に伴うパンフ
レット作成について
3.その他
(1)研究生の退学について
(2)客員研究員の受入について
(3)3月8日の停電に伴う事故について
(4)センター長及び委員の交代について
(5)次年度運営委員会の開催日について
7
平成19年度委員・職員名簿(平成 20 年 3 月 31 日現在)
委員名簿
【プロジェクト選考分科会】
大学院総合理工学研究科
●運営委員会
*委員長
フロンティア研究センター長
* 上羽
貞行
同
副センター長
藤井
信生
同
副センター長
教授
*
武男
小杉
幸夫
大学院総合理工学研究科
大町
達夫
上羽
貞行
小杉
幸夫
岡村
哲至
教授
<オブザーバー>
フロンティア研究センター長
小杉
幸夫
【情報発信分科会WG】
同
教授
細野
秀雄
フロンティア研究センター 副センター長
同
教授
吉川
邦夫
大学院総合理工学研究科
同
教授
国吉
浩
産学連携推進本部
コーディネーター
林
日野出洋文
産学連携推進本部
特任准教授
坂田
大学院理工学研究科工学系
教授
大学院総合理工学研究科
教授
岡村
大学院生命理工学研究科
教授
半田
宏
大学院総合理工学研究科
教授
大町
達夫
大学院総合理工学研究科
教授
大坂
武男
哲至
研究協力部長
堀江
重雄
すずかけ台地区事務部長
末石
健
<幹事>
●運営委員会分科会
*主査
【共同研究部門、研究・情報交流部門及び総合研究
部門分科会】
フロンティア研究センター長
上羽
貞行
同
副センター長
藤井
信生
同
副センター長
* 小杉
幸夫
大学院理工学研究科工学系
教授
日野出洋文
大学院総合理工学研究科
教授
岡村
大学院生命理工学研究科
教授
半田
宏
大学院総合理工学研究科
教授
大坂
武男
哲至
【ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門及び
インキュベーション部門分科会】
フロンティア研究センター 副センター長
* 藤井
信生
大学院理工学研究科理学系
教授
村井
隆文
大学院理工学研究科工学系
教授
荒木
純道
大学院理工学研究科工学系
教授
鈴村
暁男
大学院生命理工学研究科
教授
三原
久和
大学院情報理工学研究科
教授
亀井
宏行
8
大坂
フロンティア研究センター 副センター長
教授
*
ゆう子
淳一
職員名簿
センター長
上羽
貞行
副センター長
藤井
信生
副センター長
小杉
幸夫
教授
岡畑
惠雄
教授
腰原
伸也
【共同研究部門】
教授
岩井
洋
教授
細野
秀雄
教授(H19.4.1~)
吉川
邦夫
准教授
秦
誠一
准教授(H19.10.1~)
田川
陽一
客員教授
服部
健雄
客員教授
平野
正浩
客員准教授
篠原
康郎
助教
Parhat Ahmet
助教
松石
聡
助教
稲津
晃司
教授(大学院生命理工学研究科)
半田
宏
教授(大学院総合理工学研究科)
石原
宏
教授
国吉
浩
客員教授(H19.7.1~)
Michael Nobel
客員教授(H19.12.1~)
倉田
<学内兼務>
【研究・情報交流部門】
健児
【総合研究部門】
【ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門】
【インキュベーション部門】
<担当事務体制>
研究協力部研究業務課
研究協力部産学連携課
<学内協力体制>
産学連携推進本部
すずかけ台地区事務部
9
10
Ⅱ.共同研究部門
活動報告
生命系
岡畑プロジェクト
<生体分子間相互作用の定量的評価>
プロジェクトリーダー
岡畑 惠雄 教授
研究期間
平成15年度~平成19年度
研究費総額
約 4 億円
研究資金ソース
科学技術振興事業団 戦略的基礎研究(CREST)
、
NEDO 産業技術研究助成事業 NEDO 糖鎖エンジニアリングプロジェクト、
文科省科学研究補助金、東京工業大学と民間との共同研究
■ 研究内容
ヒトゲノムの解析が終わり、ポストゲノム時代にはゲノムから作られる多くのタンパク質の構造と機能
解析が重要な研究ターゲットになっている。生体内での反応を分子レベルで理解するためには、DNA 鎖
への塩基配列特異的なタンパク質(転写因子)や酵素の結合、タンパク質-タンパク質間相互作用、細胞
膜表面レセプター(糖鎖やペプチド鎖)へのたんぱく質やシグナル分子の結合などの生体分子間相互作用
を精密に定量的に測定できる装置の開発は必須である。
これらの相互作用は、これまでゲル電気泳動法、放射性元素標識法、蛍光ラベル化法、などの古典的で
定性的な手法に頼ってきた。我々は生体分子間相互作用を高感度で定量的に検出する方法として水晶発振
子マイクロバランス法を用いて、水中や緩衝溶液中で振動数の経時的変化から微量な生体分子の結合量や
その結合過程がナノグラムレベルで定量できる装置を開発した。
本プロジェクトでは、生体内で起こる種々の分子間相互作用を解明、制御し、新分野を構築することを
目的に、水晶発振子マイクロバランス法を高機能化、マルチ化、ミクロ化し、プロテオームやガン化機構
の解明にむけて実用化する。
■ 新産業創造・新分野開拓の可能性
本プロジェクトで開発される多機能マルチ型水晶発振子バイオセンサは、DNA-タンパク質、タンパク質
-タンパク質間、レセプター薬物間などの種々の相互作用を高感度に定量的に効率よく検出できるので、遺
伝子診断、創薬、ゲノム医療などの幅広い産業分野で利用でき、バイオテクノロジーの新分野を開拓する
事が期待される。
■ 研究参加者
【学外】 篠原康郎 客員准教授(北海道大学大学院理学研究科教授)、東京大学大学院新領域研究科、東京
大学大学院薬学研究科、愛知医科大学、生化学工業㈱、㈱京セラ、㈱)SMC、㈱アルバック、㈱
イニシアム
【学内】 大学院生命理工学研究科 森俊明准教授、川崎剛美助教、古澤宏幸助教、高橋俊太郎COE助教、
吉嶺浩司研究員など
13
■■■
平成19年度主要トピックス
■■■
1.膜タンパク質の固定化とシグナル分子の結合
生体内のタンパク質の 40%は生体膜上にあると言われ、様々な認識や反応が行われている。膜タンパク
質上でおこる認識や反応を解析するためには基板上に脂質膜内に固定化された膜タンパク質を構築するこ
とが必要である。そのためには水晶発振子の金基板上を利用する方法が適している。
膜タンパク質としては、細菌 Streptomyces lividans 由来の K+イオンチャネルタンパク質である KcsA
を選んだ。KcsA は図1に示すように、158 個のアミノ酸からなる
2本の膜貫通型αヘリックスの4量体から構成され、内部にカリ
ウムイオンが通る穴が存在する。KcsA は細菌由来であるので、164
番目のリジンをアスパラギン酸に変えた R64D にはサソリ毒由来
の Agitoxin2 ペプチドがチャネルブロッカーとして結合することが
知られている。
<膜タンパク質の基板上への固定化>
膜タンパクを基板上に固定化する方法としてリボソームに再構成
して基板上に吸着させる方法が知られているが、この方法では、膜
タンパクの固定化量が少ない、膜タンパクの配向が制御できない、
などの欠点がある。本研究では図2に示すように、KcsA のC末端側
図1
膜タンパク質としての KcsA
イオンチャネルと R64D 変
異体へのチャネルブロッ
カーAgitoxin2 の結合の
模式図
に遺伝子操作によりシステインを導入し、大腸菌で発現した。界面
活性剤で可溶化した KcsA の C 末端の SH 基をビオチン化試薬(PEO-Iodoacetyl Biotin)でビオチン化し、
アビジンを固定化した QCM 基板上に固定化した。これを基板上で混合ミセル法を用いてリン脂質膜
(DOPE と DOPC)と置換した。これらの操作を QCM 法で重さの変化として追跡し、KcsA の固定化量と
脂質膜で置換されたかどうかを確認した。ほかにも、ビオチン化脂質を一部導入したときには脂質膜の表
面がアビジンで1層覆われること、蛍光脂質を導入したときには基盤全体が蛍光で光ることから、KcsA の
周りが脂質膜で置き換わったことを確認した。
図2 QCM 基板上への膜タンパク質 KcsA の固定化と脂質膜置換による膜タンパク質の再構成の模式図
<KcsA への Agitoxin2 ペプチドの結合過程の解析>
QCM 基板上に脂質二分子膜と共に固定化した Agitoxin2 チャネルブロッカーペプチドの結合は KcsA タ
ンパク質に対してペプチドの分子量が小さいこともあって、これまで使っていた装置(AFFINIX Q4, ノイ
ズレベル±1 Hz、ドリフト±10 Hz/h)では精度良く測定出来なかった。そのために、後述するように、外部
からのノイズを避けるためにフローセル化し、温度を± 0.001 ℃、ノイズレベルを±0.05 Hz、ドリフトを
14
0.5 Hz/h に低下した装置を作製した(図3)。
図3 高感度フローセル型 QCM 装置の模式図
測定結果を図4に示した。
Wild type(WT)の細菌由来の
KcsA にはサソリ毒の Agitoxin2
はほとんど結合しないが、変異
を入れた R64D 体を脂質膜に可
溶 化 し た 系 で は Agitoxin2 は
KcsA に対して1:1で結合した。
一方、R64D を界面活性剤で可溶
化しただけの系では Agitoxin2
は過剰に結合した。これは界面
活性剤で可溶化しただけでは
KcsA は変性しやすく、Agitoxin2
が非特異吸着してしまうためで
ある。振動数変化のカーブ
フィッティングから求めた結合
のパラメーターは kon = 2.7 x 104
図4 QCM 上に固定化した WT の KcsA、脂質膜に固定化した R64D の
KcsA、界面活性剤に可溶化した R64D-KcsA への Agitoxin2 の
結合挙動(50 mM Tris-HCl pH 8.0, 50 µM EDTA, 100 mM NaCl,
50 mM KCl, 0.1% DDM, 25 ℃, Flow Rate 25 mL/min)
M-1 s-1、koff = 5.7 x 10-4 s-1、Ka= 4.4
x 106 M-1 であった。類似の測定
値がないので得られた値を直接比較することは出来ないが、Ka= 106 M-1 という結合定数はチャネルブロッ
カーの結合定数としては妥当な値である。
2.リボソームでの翻訳過程の定量化
<目的>
mRNA の遺伝情報に基づきタンパク質に翻訳される過程は、近年リボソームの X 線結晶解析がなされた
ことにより急速に進み、無細胞翻訳系などに実用化されつつある。しかし、分子レベルでのメカニズムな
どまだまだ解明しなければならない課題は多い。例えば、翻訳が開始されるためには開始複合体が形成さ
れなければならないが、その過程すら不明な点が多い。図5に示すように、教科書的には 70S リボソーム
は開始因子 IF3 の作用により 30S リボソームと 50S リボソームに解離し、SD 配列を認識できる 30S が最
初に mRNA に結合し、ついで 50S リボソームや fMet-tRNAi が結合して開始複合体が作製されると提唱さ
15
図5 mRNA にリボソームが開始因子(IF1, IF2, IF3)や fMet-tRNA と共に結合して開始複合
体が形成される過程の予想図
れている。リボソームは RNA とタンパク質の巨大な複合体であり、質量も大きく QCM 法で測定するには
適したターゲットである。
<実験方法>
リ ボ ソ ー ム が 特 異 的 に 結 合 す る Shine-Dalgalno
(SD)配列と tRNAi が結合する AUG 開始コドンを
持つ mRNA を cDAN から逆転写により作製した。3
‘末端にビオチンを導入し、アビジン固定化 QCM 上
に固定化した。70S、50S、30S リボソームを添加し
た時の振動数変化を測定した。
<結果と考察>
図6にmRNA 固定化 QCM へのリボソームの結合
挙動を示した。SD 配列を認識できる 30S リボソーム
は mRNA に結合するが、50S リボソームにはほとん
ど結合しない。しかしこれまで結合しないと考えら
れていた 70S リボソームが予想外にも mRNA に解離
することなく結合することがわかった。結合過程の
振動数変化から結合速度定数( kon)、解離速度定数
(koff)、結合定数(ka)を求めて表1にまとめた。50S
リボソームは mRNA にほとんど結合しないが、70S
は 30S と同じような結合定数と結合・解離速度定数
で結合することがわかった(表1の Run 1-3)。また
70S は SD や AUG 開始コドンを持たない mRNA や、
SD 配列を anti-SD の DAN でブロックしたmRNA に
もほとんど結合しないので SD 配列に特異的な結合
であることがわかる(Run 4 と 5)
。mRNA の 5‘末端
図6 (A)mRNA 固定化 QCM への(a)70S、
(b)30S、(c)50S リボソームの結合挙
動と(B)(a)70S、(b)30S リボソー
ムの飽和結合挙動(10 mM HEPES-KOH,
pH 7.3, 100 mM NH4Cl, 5 mM MgCl2,
0.5 mM CaCl2, 25 °C)
を anti-UTR でブロックした mRNA には 70S が結合で
きないことから、70 リボソームは 5’末端から滑り
ながら mRNA に結合するのではなく、横方向から結合すると考えられる。AUG 開始コドンを認識する
fMet-tRNAi 共存下では 70S リボソームの結合定数(Ka)は2倍ほど上昇したが、AUG を UUG に置き換え
た mRNA への Ka は 1/3 に低下した(Run 7 と 8)。リボソームの片方を架橋して解離しないようにした 70S
は SD 配列を持つ mRNA には結合できなかった(Run 9)。しかし、AUG 開始コドンを 5‘末端に持つ mRNA
16
表1 種々の mRNA へのリボソームの結合パラメーターa
には結合速度は遅くなるが、結合することがわかった(Run 10)。
これらの結果は、70S リボソームは解離することなく mRNA の SD 配列に横から結合して、開始複合体
を形成できることを示している。これまで、70S は一度 30S と 50S に解離してから mRNA に結合すると考
えられていたが、こういう通常の経路のほかにも解離しないでそのまま mRNA に結合する経路もあり得る
のではないかと言うことがわかった。
3.生体分子の粘弾性と水和の評価
<目的>
これまでの研究では水晶発振子を発振回路を用いて強制発振させ、物質が吸着したときの重量増加を
振動数減少として検出していた。これとは別に水晶発振子をネットワークアナライザーに接続して周波数
を掃引すると共振周波数がコンダクタンスの最大値(Fs)として表れる(図7)。基板上に弾性体が吸着
するとピークトップが低波数側にシフトし、このシフト量は発振回路での振動数変化と対応する。一方、
基板上に粘性体が吸着すると振動エネルギーが粘性体に伝わりにくいためにエネルギー散逸が起こり、
ピークはブロード化して低波数側にシフトする。エネルギー散逸の程度は D = (F2-F1)/Fs のピークの広がり
の度合いで表される。
タンパク質や DNA 鎖のような生体分子を QCM 基板上に固定化すれば、生体分子の水和により空気中
に比べて大きな振動数減少(ΔF)と、生体分子の柔らかさのためにエネルギー損失(ΔD)が大きくな
ることが予測される。すなわち水中で種々の生体分子が基板上に結合したときのΔF 値とΔD 値を測定す
れば、生体分子の水和の度合いと柔らかさが予測できる。
17
図7
ネットワークアナライザーを用いたエネルギー散逸(ΔD)測定法の原理図
図7 ネットワークアナライザーを用いたエネルギー散逸(ΔD)測定法の原理図
<実験方法>
図8に示すように、QCM の振動数 F とエネルギー損失値
D を、空気中、水中に浸けた時、物質が結合した時、吸気中
に取り出して乾燥した時に測定し、空気中で物質が結合した
ときの振動数変化ΔFair、水中で結合したときの振動数変化Δ
Fwater とエネルギー損失値ΔDwater を求めた。
<結果と考察>
QCM 基板上にポリスチレン高分子(PS)、BSA タンパク質、
二本鎖 DNA の固定化量を変化させたときの結果を図9にま
とめた。PS はΔFair に対するΔFwater の変化量は同じ、すなわ
ちΔFwater/ΔFair の傾きは1であり、空気中と水中での振動数
変化は同じであり、疎水的な膜なので水和していないことが
わかる。また、単位質量あたりのエネルギー損失値ΔDwater/
ΔFair はほとんど0であり、PS は硬い膜であることがわかる。
図8
QCM 基板上に物質が結合したとき
の空気中での振動数変化(ΔFair)、
水中での振動数変化(ΔFwater )と
エネルギー損失値(ΔDwater)の測
定方法
また、タンパク質である BSA を固定したときは、ΔFwater/Δ
図9
18
QCM 基板上にポリスチレン(PS)、BSA タンパク質、二本鎖 DNA を固定化量(ΔFair)
を変化させて結合したときの(左)ΔFwater と(右)ΔDwater の変化の度合い
Fair=2.5 であり、空気中に比べて 2.5 倍も水中で振動数変化が大きく、これは自重の[(ΔFwater/ΔFair)−1]
=1.5 倍も水和していることを表している。ΔDwater/ΔFair=1.6 x 10-6 と少しエネルギー損失があるが、この
エネルギー損失は水和水を振っているためである。一方、DAN 鎖を固定化したときは、ΔFwater/ΔFair=6.3
と共にΔDwater/ΔFair=19 x 10-6 も非常に大きくなり、DNA 鎖は柔らかくて水和していることがわかった。
種々の生体高分子を QCM 基板上に固定化し、ΔFwater/ΔFair とΔDwater/ΔFair を求め、水和量[(ΔFwater/Δ
Fair)−1]に対してエネルギー損失量ΔDwater/ΔFair をプロットし、図 10 にまとめた。ポリスチレン(1.
PS)や金ナノ粒子(2.AuNP)は原点付近にプロットされ、水和していなくて、エネルギー損失のない
硬い物質であることがよくわかる。ポリジメチルシロキサン(3.PDMS)は疎水的なゴムであり、水和
はしていないが、少しエネルギー損失のある柔らかい膜であることがわかる。
図 10
種々の生体高分子の水和量とエネルギー損失の相関関係。図中の直線は硬い膜のエネルギー
損失がその水和量だけでおこると考えたときの理論式から求めたもの
ニュートラアビジン(4)、グルコースオキシダーゼ(5)、ミオシン(6)、ビオチン化カルモジュリ
ン(7.Bio−Calmodulin)
、ビオチン化 BSA(8. Bio-BSA)は一本の直線上にプロットされた。この直線
は、硬い膜が水和したときにそのエネルギー損失が水和水を振動させるときのみにおこると仮定した理論
式である。すなわち、タンパク質は各々水和量は多少異なるが、エネルギー損失のない硬い物質であるこ
とがわかる。一方、ポリエチレングリコール鎖(10,11.PEG)、DNA 鎖(12.ssDNA、13.d
sDNA)、プルラン糖鎖(14−17)は直線から右側に大きく外れ(エネルギー損失が大きくなり)
、そ
の度合いは分子量(長さ)と共に大きくなった。すなわち、DNA 鎖や糖鎖のようにひも状の分子は柔ら
かく、水中で振動させたときにはエネルギー損失も大きく、水和量も多いことがわかった。
ΔF 値とΔD 値を同時に測定することにより基板上の物質の水和量やそれに伴う分子の硬さ・柔らかさ
が予測できることがわかった。この事を利用すれば、分子のコンフォメーション変化が予測できる。図 11
の左側には、ミオグロビンの pH を低下させたときのαヘリックスが壊れてランダムコイル状になるとき
の水和量とエネルギー損失値の可逆的な変化を示した。ミオグロビンはランダムコイル化することにより
硬いコンフォメーション(直線上のプロット)から右上方向、すなわち水和量が増大しエネルギー損失も
19
図 11
(左)タンパク質のコンフォメーション変化(変性)と(右)DNA 鎖の伸縮に対する水和
量とエネルギー損失値の変化
増大(柔らかくなる)する事がわかる。BSA の SS 結合をヨード酢酸と反応させて SS 結合を切断すると
BSA は完全に変性し、直線上のプロットから大きく右上に外れる。
DNA 鎖はスペルミジンなどのオリゴカチオンが結合すると収縮するといわれている。図 11 右に示すよ
うに DNA にスペルミジンを加えるとそのプロットはタンパク質の直線上に乗るように変化した。すなわ
ち DNA 鎖は伸びた構造をしているがオリゴカチオンが結合する事により収縮し、脱水和して硬い構造に
なり、結果的にはタンパク質と同じくらい硬くなることがわかる。二本鎖の dsDNA の方が一本鎖の ssDNA
より伸びた構造をしており、収縮しても dsDNA の方が少し柔らかい構造になることもわかった。
4.多機能で高感度な水晶発振子装置の開発
酵素反応を動的に追跡したり、膜タンパク質上に小さなシグナル分子が結合するのを追跡したり、
mRNA 上へのリボソームや開始因子の結合を観察したりするためには、高感度で安定な測定装置が必要で
ある。
<装置の高感度化とフロー装
置化>
我々はこれまで、図 12 に示
すように手作りの第1世代の
装置、製品化した第2世代の装
置(AFFINIX Q、セル容量8
mL)、セル容量を 0.5 mL にし
て4チャネル化した第3世代
の装置(AFFUINIX Q4)を開
発してきた。いずれも水晶発振
子を固定化したセルにサンプ
ル溶液をインジェクションす
20
図 12
これまでのバッチ式 QCM 装置の開発の経緯
るバッチ式であり、測定時間が長くとれる、装置化が簡単である、などの長所を持つ反面、濃いサンプル
溶液が必要、セルがオープンであるので外部からの影響を受けやすいなどの欠点がある。しかし、AFFINIX
Q でも DNA 鎖へのタンパク質、酵素、リボソームのような比較的大きな分子の結合であれば十分に測定
できた。一方、レセプタータンパク質への低分子薬物の結合などの測定をするためには、10 倍以上の高感
度化が望まれる。
セルと発振回路周辺の温度制御を±0.1℃から±0.001℃に
精度を上げ、発振回路を光カップラーで外部ノイズから遮断
し、セル容量が 10μL の微少フローセル化することで、従来
のバッチ式の AFIINIX Q4 のノイズレベル±1 Hz、ドリフ
ト巾 7 Hz/h が、ノイズレベル±0.05
Hz、ドリフト巾 0.5
Hz/h に大幅に向上した。3.2で述べた KcsA イオンチャネ
ルへのチャネルブロッカーペプチチド Agitoxin2 の結合は、
バッチ式の AFFINIX Q4 では正確に求められなかったが、新
しく開発したフロー式で初めて正確に測定できるようになっ
た。高感度化(実際は低ノイズ化)する事により、これまで
測定が困難であった大きなタンパク質レセプターへの低分子
シグナル分子の結合が測定でき、創薬化学に大きく貢献する
ことが期待できる。
現在は、図 13 に示すようなフローセルをマイクロ流路に組
み込んだ装置を開発中である。
図 13
マイクロ流路化フローセル装置の
試作機
21
■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■
■ 研究業績 (平成 19 年 1 月-12 月)
Solutions, T. Kawasaki, S. Horie, K. Asaoka, Y. Manaka, Y.
Yonamine and Y. Okahata, Chem. Lett., 36, 1048-1049
(2007).
研究論文
1.
Hydration and Energy Dissipation Measurements of
Biomolecules on a Piezoelectric Quartz Oscillator by
Admittance Analyses, T. Ozeki, M. Morita, H.
Yoshimine, H. Furusawa, and Y. Okahata, Anal. Chem.,
79, 79-88 (2007).
2.
Enzyme Reactions on a 27 MHz Quartz-Crystal
Microbalance, Y. Okahata, T. Mori, H. Furusawa, and T.
Nihira, Piezoelectric Sensors 、 Springer Series on
Chemical Sensors and Biosensors、Springer Verlag、
p.341-369 (2007).
3.
4.
5.
6.
Kinetic Analyses of Divalent Cations-dependent EcoRV
Digestions on a DNA-immobilized Quartz Crystal
Microbalance, S. Takahashi, H. Matsuno, H. Furusawa,
and Y. Okahata, Anal. Biochem., 361, 210-217 (2007).
IgG Binding Kinetics to Oligo B Protein A Domains on
Lipid Layers Immobilized on a 27 MHz Quartz-Crystal
Microbalance, H. Mitomo, H. Shigematsu, E. Kobatake,
H. Furusawa, and Y. Okahata, J. Mol. Rec., 20, 83-89
(2007).
Monitoring of EcoRV Digestions on a DNA-immobilized
Quartz Crystal Microbalance, S. Takahashi, H. Matsuno,
H. Furusawa, and Y. Okahata, Chem. Lett., 36, 230-231
(2007).
Direct Monitoring of Both Phosphorolysis and
Elongation of Amylopectin Catalyzed by Phosphorylase
on a 27-MHz Quartz-Crystal Microbalance, A.
Murakawa, T. Mori, and Y. Okahata, Chem. Lett., 36,
312-313 (2007).
7.
Kinetic analysis of the effects of translation enhancers in
translation initiation, S. Takahashi, H. Furusawa, Y.
Shimizu, T. Ueda, and Y. Okahata, Nucleic Acids Res.
Sympo., No. 51, 45-46 (2007).
8.
Nanometer-scale Immobilization of Polysaccharide on
Hydrophobic Polymer
Plates
in
Supercritical
Fluoroform/Water Emulsions, T. Mori, Y. Sekine, M.
Hasegawa, and Y. Okahata, Biomacromolecules, 8,
2815-2820 (2007).
9.
環境ホルモン物質を簡便・迅速に検出するバイオセ
ンサーの開発, 足立 良富、形見 武男、古澤 宏幸、
岡畑 恵雄, 岐阜県生物工学研究所研究報告, 1, 1-7
(2007).
10. Photochromism and Chirality
Propagation of
Chromene Amphiphile Aggregates in Aqueous Ethanol
22
11. Simultaneous Anomalous Reflection and Quartz-Crystal
Microbalance Measurements of Proteins Bindings on a
Gold Surface, Y. Manaka, Y. Kudo, H. Yoshimine, T.
Kawasaki, K. Kajikawa, and Y. Okahata, Chem.
Commun., 3574-3576 (2007).
12. 高分子科学のブレークスルー 合成二分子膜(1977
年:国武豊喜), 岡畑 恵雄, 高分子, 56, 24-2(2007).
13. 水晶発振子を用いた生体分子の水和と粘弾性の定
量化, 岡畑 恵雄、古澤 宏幸, 表面科学, 28, 606-609
(2007).
14. Hydration and Viscocity of polymer Brushes on QCM,
Yoshio Okahata, 高分子, 56, 12 月号, p. 974(2007).
著書
1.
DNA 配向化二次元フィルムの作成と機能化, 岡畑
恵雄、川崎 剛美, 自己組織化ナノマテリアル ーフ
ロントランナー85 人が語るナノテクノロジーの潮
流、国武 豊喜監修、p. 202-208、フロンティア出版
(2007).
2.
水晶発振子を用いた生体分子の水和と粘弾性の定
量化, 岡畑 恵雄、古澤 宏幸, バイオプロセスハン
ドブック, NTS 刊, p.389-400(2007).
3.
DNAセンサ, 岡畑 恵雄,「バイオセンサ・ケミカ
ルセンサ事典」、軽部征夫監修、テクノシステム, p.
226-235(2007).
4.
水晶発振子マイクロバランス法, 古澤 宏幸、岡畑
恵雄, 分子間相互作用解析ハンドブック, 磯部 俊
明、中山 敬一、伊藤 隆司編、p.137-143, 羊土社
(2007).
国際会議
1.
○高橋 俊太郎、古澤 宏幸、
(東大院新領域)清水 義
宏、上田 卓也、岡畑 恵雄, タンパク質合成開始時
における翻訳エンハンサーの効果の動力学解析, 第
5 回国際核酸化学シンポジウム, 東京大学, 2007 年
11 月 20-22 日.
2.
Y. Okahata, H. Furusawa, T. Sekine, Hydration and
Energy Dissipation of Polymer Brushes on a 27-MHz
Quartz-Crystal Microbalance, 2007 Japan-Australia
Symposium, 信州大学(松本), 2007 年 9 月 22 日.
3.
4.
○磯部 英美、高橋 俊太郎、古澤 宏幸、
(東大院新
領域)清水 義宏、上田 卓也、岡畑 恵雄, 水晶発振
子に固定化された翻訳開始因子上での開始複合体
形成過程の観察, 第 30 回日本分子生物学会・第 80
会日本生化学会(BMB2007), 横浜パシヒコ, 2007
年 12 月 11-15 日.
○古澤 宏幸、高野 広樹、岡畑 恵雄, 水晶発振子を
用いたプロテアーゼの ES 複合体直接観察と動力学
解析, 第 30 回日本分子生物学会・第 80 会日本生化
学会(BMB2007), 横浜パシヒコ, 2007 年 12 月 11-15
日.
5.
○高橋 俊太郎、古澤 宏幸、
(東大院新領域)清水 義
宏、上田 卓也、岡畑 恵雄, mRNA 上の SD 配列への
70S リボソーム直接結合の観察, 第 30 回日本分子生
物学会・第 80 会日本生化学会(BMB2007), 横浜
パシヒコ, 2007 年 12 月 11-15 日.
6.
○森 俊明、大塚達郎、豊田百々子、岡畑 恵雄, 水
晶発振子を用いた糖結合性タンパク質のアフィニ
ティーに及ぼす糖鎖密度効果, 第 30 回日本分子生
物学会・第 80 会日本生化学会(BMB2007), 横浜
パシヒコ, 2007 年 12 月 11-15 日.
国内会議(招待講演)
1.
岡畑 恵雄, 水晶発振子マイクロバランス上でのサ
ポーテッドメンブランの構築と膜タンパク質の機
能評価, 第1回 サポーテッドメンブランワーク
ショップ, 蒲郡温泉, 2007 年 11 月 16-17 日.
2.
岡畑 恵雄, サケ精子由来の DNA から機能性フィル
ムを作る, JST シーズ新技術説明会, JST ホール, 2007
年 10 月 18 日.
3.
4.
5.
6.
7.
岡畑 恵雄, DNAの配向化フィルムと電子材料へ
の応用, 豊かな社会を創造する科学技術シンポジウ
ム, 大阪国際交流センター, 2007 年 9 月 27-28 日.
岡畑 恵雄, 振動現象を利用した生体分子の水和と
粘弾性の評価, 第1回 分子科学討論会, 東北大学
川内北キャンパス, 2007 年 9 月 17-20 日.
岡畑 恵雄, 生体内反応を重さで測る ー水晶発振
子センサの開発とからめてー, 電子情報技術部会
MEMS-WG 講演会, キャンパスプラザ京都, 2007 年
7 月 25 日.
岡畑 恵雄, 生体内反応を重さで測る, 化学生命工
学専攻懇話会, 東大工学部14号館, 2007 年 6 月 28
日.
岡畑 恵雄, DNA配向化フィルムを用いた電子材
料・有機 EL 素子, ナノ・バイオによる新電子材料
研究委員会, 三井業際研究所, 2007 年 6 月 14 日.
8.
岡畑 恵雄, DNA配向化フィルムを用いた電子材
料・有機 EL 素子, 07ー1 高分子エレクトロニクス
研究会, 上智大学, 2007 年 6 月 8 日.
9.
○岡畑 恵雄, 生体分子間相互作用を連続的に検出
するための多機能型水晶発振子マルチセンサの設
計と開発, CREST 終了シンポジウム, コクヨホール
(品川), 2007 年 3 月 14 日.
10. ○岡畑 恵雄, 生体内反応を重さで測る, SORST
ジョイントシンポジウム(6) 超微量物質の同定
/認識の化学, コクヨホール(品川), 2007 年 1 月
30 日.
11. 岡畑 恵雄, QCM の原理と装置開発, イニシアム
QCM 研究会セミナー, ホテルパシフィック東京,
2007 年 12 月 21 日.
■
研究費の取得状況(平成 19 年度)
科学研究費補助金
(主な研究資金として)
<基盤A>
光電変換機能を持つ DNA フィルム
平成 18 年度~平成 20 年度
平成 19 年度 1,670 万円
<萌芽>
生体高分子の振動工学による酵素活性制御
平成 18 年度~平成 19 年度
平成 19 年度 250 万円
政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として)
<科技団戦略的基礎>
生体分子間相互作用を連続的に検出するための多機能
型水晶発振子マルチセンサの設計と開発
平成 13 年度~平成 19 年度
平成 19 年度
2,250 万円
受託研究(上記を除く)
1件
250 万円
<科技団戦略的基礎>
生体分子間相互作用を検出するための水晶発振子マル
チセンサの開発
平成 13 年度~平成 19 年度
平成 19 年度
250 万円
奨学寄附金
2件
360 万円
23
■
研究室の在籍者(平成 19 年度中)
学部学生
大学院修士課程在籍者
大学院博士課程在籍者
研究生
受託研究員
民間等共同研究員
その他ポスドク等
■
6
8
7
1
2
1
2
海外渡航の回数(平成 19 年度)
3回
■
学会役員(平成 19 年度)
・日本化学会
■
生体機能関連化学部会
21 世紀COEプログラムへの参加状況(平成 19 年度)
生命系フロンティア
24
部会長
生命系
田川プロジェクト
<ES 細胞由来肝組織による高性能肝臓モデルの開発と
薬物代謝計測システムへの応用>
プロジェクトリーダー
田川 陽一 准教授
研究期間
平成19年度~平成21年度
研究費総額
約 55,000,000 円(直接経費のみ)
研究資金ソース
科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 さきがけ研究、科学研究費 基盤研究(B)
■ 研究内容
人工肝臓装置の研究開発は既に90年の歴史がある。しかし、いまだに実用化のめどは立っていない。
これまでに人工肝臓が成功しない理由は、肝臓の特異的機能を持っている肝実質細胞のみを培養するこ
とにある。肝実質細胞単独では増殖が不可能であり、さらに肝機能の維持が不可能であるからである。
In vitro における肝実質細胞の生存や機能維持には、非実質細胞(内皮細胞やクッパー細胞など)の
存在と秩序ある組織構築が重要であると考えている。
そこで、本プロジェクトでは、以下のことを目標とする。
① 【肝初代培養肝組織チップ】島津製作所とセラジックスとの共同研究により、肝組織培養による
薬物代謝試験が可能となる‘マルチ流路マイクロ培養装置’を開発する。
② 【マウス ES 細胞由来肝組織チップ】①による肝組織チップを応用して、マウス胚性幹細胞(ES
細胞)細胞由来肝組織を培養し、動物実験代替システムとしての薬物代謝システムを開発する。
分化に対して万能性であるES細胞は、肝実質細胞のみならず内皮細胞・星細胞といった非実質
細胞も同時に分化できる能力を有している。さらに、肝臓の発生学(肝オルガノジェネシス)的
知見に着目し、ES細胞からそれぞれの細胞種(肝実質細胞と内皮細胞などの非実質細胞)へ分
化させ、肝組織を再構築することも可能であると考えた。我々は、マウスES細胞を用いて肝実
質細胞のみではなく、類洞内皮細胞などの非実質細胞を有する‘肝組織’を創製し、しかも、in vivo
の肝臓に近い機能を持った分化誘導系の開発に成功しているので、その技術と①の技術を合わせ
て、動物実験の代替システムとしてマウスES細胞由来肝組織チップの開発を目指す。
③ 【ヒト ES 細胞由来肝組織チップ】この我々が確立したマウスES細胞を用いたアプローチを応用
して、ヒトES細胞から肝実質細胞だけでなく類洞内皮細胞や星細胞などの非実質細胞を有する
‘in vitro ヒト肝組織’の分化誘導系を開発する。さらに、マルチ流路マイクロ培養装置を応用
して、ヒトES細胞由来 in vitro 肝組織を利用した‘マルチ流路肝組織マイクロ培養装置’を開
発し、個体(試験管レベルではなくて、個体の肝臓に近い)レベルの薬物代謝試験の測定システ
ムの開発を目指す。特に、日本人のES細胞を用いて、日本人の肝臓に対応するヒト肝組織マイ
クロ培養装置による日本人のための薬物動態試験が期待される。
25
従来の肝細胞チップ
我々の提唱する肝組織チップ
(肝臓チップ)
内皮細胞
200 µm
肝細胞
■ 新産業創造・新分野開拓の可能性
創薬には欠かせない薬物動態試験も動物実験とヒト肝ミクロゾームによる試験のみで大きな進歩がない。
近年、創薬の迅速化や臨床試験に近い薬物動態試験の必要性が高まり、in vitroヒト肝組織培養システム
の開発が望まれている。また、ヨーロッパを中心に動物実験代替システムへの移行は急がれている。よっ
て、我々のプロジェクトの成果は薬物スクリーニングのための動物実験代替システムや前臨床試験として
応用できる。
ヒト体細胞
マウスES細胞
≒
肝組織チップ
マウス肝組織
動物実験
代替システム
26
≒
ヒト肝組織
・動物実験のプレ実験
・臨床試験のプレ実験
■ 研究参加者
【学外】 (株)島津製作所 民生品部 開発課 課長
藤山陽一
(有)セラジックス 代表取締役 後藤光昭
信州大学医学部外科学講座 教授 宮川眞一
北里大学大学院医療系研究科 教授 安達栄治郎
【学内】
大学院生命理工学研究科 大学院生 小林俊介、三田村圭祐、玉井美保
生命理工学部 卒論生 相川博明、奥山久嗣、リュウ
■■■
平成19年度主要トピックス
ジェヨン
■■■
平成 19 年度では、肝類洞様組織の構築とそれを利用したスモールスケールの一方向流れ式培養チップの
開発に重点を置いた。
1. 我々が作出した赤色蛍光タンパク質遺伝子導入トランスジェニックマウスから肝実質細胞を調製し、
肝実質細胞のほぼ 100%が赤色蛍光を呈することを確認した。
2. ヒト臍帯静脈内皮細胞と肺がん上皮細胞の融合細胞株に緑色蛍光タンパク質遺伝子を導入した細胞
株 GH7 を樹立し、ほぼ 100%が緑色蛍光を呈することを確認した。
3. 緑色蛍光 GH7 をマウス癌細胞から抽出バイオマテリアル上で培養することにより、GH7 細胞がネッ
トワーク構造を形成し、毛細血管(肝類洞)に対応する管腔構造を形成することを見出した。
4. 赤色蛍光肝実質細胞を播種すると、これらの細胞は管腔 GH7 に移動して肝臓の類洞構造に近い組織
形成が認められた。さらに、非常に肝機能も高いことがわかった。
5. 株式会社島津製作所と共同でスモールスケールの一方向流れ式培養チップを開発し、再構成肝類洞様
組織を培養し、高肝機能の達成に成功した。
27
■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■
■
研究業績(平成 19 年 1 月-12 月)
研究論文
1.
Hoshiba, T., H. Nagahara, C. S. Cho, Y. Tagawa, and T.
Akaike:
Primary
hepatocyte
survival
on
non-integrin-recognizable matrices without the activation
of Akt signaling. Biomaterials 28:1093-1104, 2007
■
科学研究費補助金
しい概念の高性能肝臓モデルの開発
平成 18 年度~20 年度
平成 19 年度
田川陽一 トランスジェニック動物作製のための
遺伝子導入法、 再生医療 6:134-139(2007)
国際会議
1.
2.
Mitamura, K., et al., Donor and recipient cells in m
icee can be visualized and clearrly discriminated by
using Breen-Red fluorescent system :TOIN Internatio
nal Symposiumon Biomedical Engineering 2007
Liver Model Derived from Embryonic Stem Cells :T
agawa, Y., 1st International symposium on cancer the
rrapy and regenerative medicine
原田伊知郎、他3名 サイトカイン固定化型マイク
ロビーズによる細胞への局所刺激誘導と細胞の動
的挙動解析:第 72 回 インターフェロン・サイト
カイン学会 2007 年
2.
田川陽一 ES細胞を用いた in vitrro 肝組織構築に
おけるバイオマテリアルへの期待:第 29 回日本バ
イオマテリアル学会
3.
小林俊介、他6名 管化内皮細胞培養システムを用
いた肝実質細胞との共培養における肝機能の解析:
第 29 回日本バイオマテリアル学会
4.
小林俊介、他6名 管化内皮細胞共培養システムを
用いた肝実質細胞との共培養における肝機能の解
析:第 30 回日本分子生物学会および第 80 回日本生
化学学会 合同大会
5.
6.
7.
28
三田村圭祐、他6名 Grreen-Red 蛍光システムを用
いたES細胞由来テラトーマにおける組織形成の
解析:第7回日本再生医療学会総会
小林俊介、他4名 肝実質細胞―管化内皮細胞共培
養法の確立とその肝機能解析:第7回日本再生医療
学会総会
岳暁珊 他 6 名 固定化N-カドヘリンモデルによ
るP19細胞の分化制御:第7回日本再生医療学会
総会
494 万円
政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として)
<日本科学技術振興機構
さきがけ>
ES細胞由来肝組織装置による薬物動態計測システム
平成 18 年度~21 年度
平成 19 年度
1426.7 万円
奨学寄附金
2件
115 万円
共同研究(上記を除く)
2件
国内会議
1.
(主な研究資金として)
<基盤研究 B>
発生学的知見に基づいたES細胞由来肝組織による新
著書
1.
研究費の取得状況(平成 19 年度)
50 万円
■ 研究室の在籍者(平成 19 年度中)
学部学生
大学院修士課程在籍者
大学院博士課程在籍者
研究生
受託研究員
民間等共同研究員
その他ポスドク等
■
3
2
1
0
0
0
0
特許(平成 19 年度)
出願
1件
■
海外渡航の回数(平成 19 年度)
1回
■
学会役員(平成 19 年度)
・日本インターフェロン・サイトカイン学会
平成 19 年
編集委員
情報系
岩井プロジェクト
<Si ナノデバイス集積化技術の研究>
プロジェクトリーダー
岩井 洋 教授
平成14年度~平成19年度
研究期間
研究資金ソース 科学技術振興調整費 先導的研究等の推進「Nano-CMOS 超低消費電力デバイス技術」
、
民間等との共同研究、受託研究 等
■ 研究内容
シリコンデバイスは高度な計算を行い動作や情報を制御する中枢部品としてあらゆる機器に用いられる
ようになっているが、今後の超高齢化社会で予想される若年労働人口不足、老人介護人手不足などの状況
のもとでは、シリコンデバイスの発展によって人間の知性、感性の機能を代行する機器が出現することが
大いに期待されている。これを実現する為には桁違いに高性能な機器の実現が必要であると考えられてお
り、先ずはハードとしてのシリコンデバイスの発展が今後も継続していくことが重要である。
本プロジェクトではこのような状況に鑑みて、来るべきナノ時代を前提とした超高性能・超低消費電力
シリコンナノデバイス研究を世界に先駆けて行い、今後 5-10 年後に予想される超低消費電力・超高速情
報通信時代の基盤技術において世界の主導権を取ることを目標とする。10 nm 以下の領域に入ると現状の
延長のデバイスでは動作限界に近づくことも予想され、現状技術を究極まで追究すると共に、新構造・新
材料・新動作など今までとは違う独創的なコンセプトで研究を行うことが重要となる。本プロジェクトは
その目的達成に最も重要と考えられる各要素技術の研究開発を行う独立した産学連携を中心としたいくつ
かのサブプロジェクトから形成される。そのサブプロジェクトの期間やメンバーの変更、さらには新設・
終了まで極めてフレキシブルに行って、状況の推移に迅速に対応することを原則とする。また途中からの
学内外からのメンバーやサブプロジェクトの新規参入も大いに歓迎する。
■ 新産業創造・新分野開拓の可能性
本プロジェクトにより、今までとは桁違いの超高性能や超低消費電力のデバイスやそれを用いたウエア
ラブル端末などの新たな巨大市場への道が拓ける。また高誘電率金属酸化薄膜などの新材料やナノデバイ
スなどの新構造素子など今までには無い新研究分野が開拓される。これらを差別化技術として用いれば、
日本の技術開発優位性を保ち、産業の空洞化を抑制できる。
■ 研究参加者
【学外】半導体理工学センター、松下電器産業㈱、株式会社アルバック
等
【学内】大学院総合理工学研究科 石原宏教授、青柳克信教授、前島英雄教授、浅田雅洋教授、
筒井一生准教授、大見俊一郎准教授
精密工学研究所
益一哉教授
29
■■■
平成19年度主要トピックス
■■■
1.次世代ゲート絶縁膜への応用
EOT<1nm を実現する次世代ゲート絶縁膜として La 系酸化物に注目し、堆積条件、熱処理温度、ガス雰
囲気などのプロセスの最適化を行い、SiO2 を介さない直接接合のゲートスタックを実現し、EOT=0.5nm の
トランジスタの動作に成功した。EOT と共に見られる移動度劣化の要因はゲート電極によるクーロン散乱
であることを実証し、異種材料によるクーロン散乱源の抑制を可能とする設計指針を打ち出した。
3.0E-03
Vg = 0
Vg = 0.2
2.5E-03
Vg = 0.4
L/W=2.5/50μm
Ids (A)
Vg = 0.6
Vg = 0.8
2.0E-03
Vg = 1
Vg = 1.2
1.5E-03
1.0E-03
5.0E-04
0.0E+00
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
Vd (V)
図 1 La2O3 ゲート絶縁膜を用いた EOT=0.5nm の MOSFET 動作
2.次世代極浅拡散層形成用プラズマドーピング技術とそのメカニズム解明
次世代極浅拡散層形成用の As のプラズマドーピング技術を用いて形成した n+層の深さ方向の結合状態
に関する調査を行った。オゾンによる表面の酸化とフッ化水素酸によるエッチングを反復して行い、その
度ごとに XPS 測定を行った。その結果、エッチングを行うにつれて全 As 信号のピークが下がること確認
したが、42.6 eV におけるピークが相対的に増加している結果を得た。深さに結合状態の違う As が分布し
ていることを強く示唆する結果を得た。
図 2 PD によって形成した n+層の深さ方向結合状態
30
3.メタルショットキー障壁の変調
次世代のナノ CMOS で寄生抵抗を下げる目的に必要不可欠である NiSi の研究を行い、ショットキー障
壁を変調させる研究を行っている。低い仕事関数である Er を Ni 界面に挿入することで Ni の仕事関数を実
Schottky Barrier Height (eV)
効的に 0.1eV ほど変調することに成功した。
Ni/P-Si
Ni/Er(3.6nm)/P-Si
Ni/Er(1.8nm)/P-Si
Ni/Er(0.9nm)/P-Si
Er/P-Si
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
200 300
400 500 600 700 800
Temperature (℃ )
図 3 Er を界面に挿入したダイオードの熱処理によるショットキー障壁の変化
4.Si ナノワイヤ FET に向けたプロセス探索
究極にスケーリングされたナノワイヤFETの性能を評価するためにナノワイヤの作製の条件だしを行
った。Si と SiO2 のエッチング選択比や酸化条件を変えることで、図4のようなナノワイヤを得ることがで
きた。
20nm
図4 作製したSiナノワイヤのSEM写真
31
■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■
■
研究業績
(平成 19 年 1 月-12 月)
6.
Distinguished Lecture:Hiroshi Iwai, "Nano-CMOS and
High-k/metal Gate Technology" Feb.6, 2007, UMC,
Taiwang
7.
Invited Talk :Hiroshi Iwai, "Future of Silicon Integrated
Circuit Technology" The 2007 Nano and Giga
Challenges Conference, pp.97, Mar. 14 2007, Phoesnix,
U.S.A.
8.
T. Shiozawa, K. Nagahiro, K. Tsutsui, P. Ahmet, K.
Kakushima, and H. Iwai, "Improvement of Thermal
Stability of Ni Silicide by Al Interlayer Deposition", The
ECS ISTC 2007, Mar. 20, 2007, pp.43-47, Shnghai,
China
9.
Y. Kobayashi, K.Tsutsui, K.Kakushima, V. Hariharan, V.
R. Rao, P.Ahmet, H.Iwai “Parasitic Effects Depending
on Shape of Spacer Region on FinFETs” ECS 211th
Meeting, Vol.6 No.4 pp.83-87, May 8 2007, Chicago,
U.S.A.
研究論文
1.
2.
3.
4.
Banani Sen, Hei Wong, J.Molina, H. Iwai, J.A.Ng,
K.Kakushima, C.K.Sarkar “Trapping Characteristics of
lanthanum oxide gate dielectric film explored from
temperature
dependent
current-voltage
and
capacitance-voltage
measurements”
Solid-State
Electronics 51(2007), pp.475-480
J.Song, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, N.Sugii,
T.Hattori, H.Iwai “Characteristics of Ultrathin
Lanthanum Oxide Films on Germanium Substrate:
Comparison with Those on Silicon Substrate” Japanese
Journal of Applied Physics, Vol.46, No.16, 2007
pp.L376-L378
E.Miranda, H.Iwai “ Postbreakdown Conduction in
Ultrathin La2O3 Gate Dieclectrics”, IEEE Transactions
on Device and Materials Reliability, Vol.7, No.2,
pp.333-339, June 2007
Yusuke Kobayashi, C. Raghunathan Manoj, Kazuo
Tsutsui,Venkanarayan Hariharan, Kuniyuki Kakushima,
V.Ramgopal Rao, Parhat Ahmet and Hiroshi Iwai
“Parasitic Effects in Multi-Gate MOSFETs” IEICE
TRANS. ELECTRON., Vol.E90-C, No.10 October 2007
pp.2051-2056
国際会議
1.
Distinguished Lecture: Hiroshi iwai, “Miniaturization of
Semiconductor Devices for Integrated Circuits” IEEE
EDS Mini-Colloquium on Microelectronics & VLSI,
pp.5-8, Jan. 3 2007, Bhubaneswar, India
2.
Distinguished Lecture: Hiroshi iwai, “Past and future of
Si integrated circuit technology” Jan. 9, 11 2007,
Kashgar Pedagogical Institute , Kashgar & Hotan
Pedagogical College, Hotan, China
3.
Distinguished Lecture: Hiroshi iwai, “Past and future of
Si integrated circuit technology” Jan.11 2007, Hotan
Pedagogical College, Hotan, China
4.
5.
32
Distinguished Lecture: Hiroshi iwai, “Past and future of
Si integrated circuit technology” Jan.16 2007, Xinjian
University, Urumuqi, China
Distinguished Lecture:Hiroshi Iwai, "Nano-CMOS
Technology and Its Beyond" Feb. 5 , 2007 , National
Chiao Tung University, Taiwang
10. Distinguished Lecture: Hiroshi iwai, "Future of Nano
CMOS Technology”, WIMNACT/MQ 1 & IEDST, June
4, 2007,Tsinghua University, Beijing, China
11. J. Song, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, T.
Hattori, H. Iwai, “Improvement of interfacial properties
with interfacial layer in La2O3/Ge Structure", INFOS2007,
Microelectronic Engineering, pp.2336-2339,June20-23
2007, Glyfada Athens Greece
12. S. Sato, K. Tachi , K. Kakushima , P. Ahmet , K. Tsutsui ,
N. Sugii , T. Hattori , and H. Iwai “Thermal-Stability
Improvement of LaON Thin Film Formed Using
Nitrogen
Radicals",INFOS2007,
Microelectronic
Engineering, pp.1894-1897,June20-23 2007, Glyfada
Athens Greece
13. T. Kawanago, K. Tachi , J. Song , K. Kakushima, P.
Ahmet, K. Tsutsui , N. Sugii , T. Hattori H. Iwai,
“Electrical Characterization of Directly Deposited La-Sc
Oxides Complex for Gate Insulator Application",
INFOS2007, Microelectronic Engineering, pp.2235-2238,
June20-23 2007, Glyfada Athens Greece
14. Invited Talk :Hiroshi Iwai, "Future of Silicon Integrated
Circuit Technology", Second International Conference
on Industrial and Information systems, 8-11 Aug. 2007,
University of Paradeniya, Sri Lanka
15. Koichi Okamoto,Manabu Adachi, Kuniyuki Kakushima,
Parhat Ahmet, Nobuyuki Sugii, Kazuo Tsutsui, Takeo
Hattori, Hiroshi Iwai “Effective Control of Flat-band
Voltage in HfO2 Gate Dielectric with La2O3
Incorporation” ESSDERC 2007, 11-13 September 2007,
Munich, Germany
16. Y.C.Ong,D.S.Ang,S.J.O’Shea,K.L.Pey,T.Kawanago,K.K
akushima,H.Iwai “Characterization of the Sc2O3/ La2O3
High-k
Gate
Stack
by
STM”
SSDM
TSUKUBA2007,19-21 September 2007, Tsukuba,Japan
物理学会学術講演会 No.02 pp.857(2007 年 3 月)青
山学院大学
5.
両角康宏、小林勇介、名取研二、角嶋邦之、パール
ハット・アヘメト、筒井一生、服部健雄、杉井信之、
岩井洋“RT モデルによる MOSFET パラメーターに
おけるバリスティック伝導性の調査”春季第 54 回
応用物理学会学術講演会 No.02 pp.947(2007 年 3 月)
青山学院大学
18. K.Tsutsui,
K.Nagahiro,
T.Shiozawa,
P.Ahmet,
K.Kakushima, H.Iwai “Improvement of Thermal
Stability of Ni Silcide by Additive Metals with Specific
Introduction Processes” ECS 212th Meeting, Vol.11
No.6 pp.207-213, Oct. 7– Oct.12, 2007, Washington,
USA
6.
川那子高暢、椎野康洋、角嶋邦之、パールハット・
アヘメト、筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋
“希土類複合酸化物(La-Sc-O)を用いた High-k ゲー
ト絶縁膜の作製と電気特性評価”春季第 54 回応用
物理学会学術講演会 No.02 pp.857(2007 年 3 月)青
山学院大学
19. K.Tachi, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, N. Sugii, T.
Hattori, H.Iwai “Improvement of Interface of
W/La2O3/Si MOS Structure Using Al Capping Layer”
ECS 212th Meeting, Vol.11 No.4 pp.191-198, Oct. 7–
Oct.12, 2007, Washington, USA
7.
佐藤創志、舘喜一、角嶋邦之、パールハット・アヘ
メト、筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋“in situ
ラジカル窒化 LaOxNy 膜の耐熱性に関する検討” 春
季第 54 回応用物理学会学術講演会 No.02 pp.859
(2007 年 3 月)青山学院大学
20. M.Adachi, K.Okamoto, K.Kakushima, P.Ahmet,
K.Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori, H.Iwai “Control of Flat
Band Voltage by Partial Incorporation of La2O3 or
Sc2O3 into MfO2
in Metal/MfO2/SiO2/Si MOS
Capacitors” ECS 212th Meeting, Vol.11 No.4
pp.157-167, Oct. 7– Oct.12, 2007, Washington, USA
8.
椎野泰洋、角嶋邦之、パールハット・アヘメト、筒
井一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋“La2O3/Sc2O3
積層ゲート絶縁膜による耐熱性向上に関する検討
(2)” 春季第 54 回応用物理学会学術講演会 No.02
pp.859(2007 年 3 月)青山学院大学
9.
大石善久、角嶋邦之、パールハット・アヘメト、筒
井一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋“Ni シリサイ
ドショットキー障壁の熱処理依存症”春季第 54 回
応用物理学会学術講演会 No.02 pp.896(2007 年 3 月)
青山学院大学
17. Keynote Speech:H. Iwai “"Gate stack technology for
next 25 years", 4th International Symposium on
Advanced Gate Stack Technology, 26 September 2007,
Dallas, Texas, USA
21. Distinguished Lecture: H.Iwai, “Future Gate Stack
Technology” Mini-Colloquium at IBM East Fishkill,
December 7, 2007, New York, USA
国内会議
1.
2.
3.
4.
塩澤崇史、永廣侯治、パールハット・アヘメト、角
嶋邦之、筒井一生、岩井洋 “AI 層界面挿入による
N+-Si 基板上 Ni シリサイドの耐熱性向上” 春季第
54 回応用物理学会学術講演会 No.02 pp.895(2007 年
3 月)青山学院大学
永廣侯治、塩澤崇史、パールハット・アヘメト、角
嶋邦之、筒井一生、岩井洋 “AI を用いた PSMD(モ
ノシリサイド形成後金属添加)法による NiSi の耐熱
性向上” 春季第 54 回応用物理学会学術講演会
No.02 pp.895(2007 年 3 月)青山学院大学
宋在烈、角嶋邦之、パールハット・アヘメト、筒井
一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋“La2O3/Ge 構造
における界面層成長による界面特性改善” 春季第
54 回応用物理学会学術講演会 No.02 pp.861(2007
年 3 月)青山学院大学
舘喜一、角嶋邦之、パールハット・アヘメト、筒井
一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋“W/La2O3/Si
構造における酸化膜電荷の評価”春季第 54 回応用
10. 足立学、角嶋邦之、パールハット・アヘメト、筒井
一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋“La2O3/Metal
ゲートスタック構造での金属の実効仕事関数”春季
第 54 回応用物理学会学術講演会 No.02 pp.856(2007
年 3 月)青山学院大学
11. 小林勇介、筒井一生、角嶋邦之、V. Hariharan, V. R. Rao,
パールハット・アヘメト , 岩井洋“FinFET の Spacer
領域形状変化のデバイス特性への影響”春季第 54
回応用物理学会学術講演会 No.02 pp.924(2007 年 3
月)青山学院大学
12. 竹永祥則、松田徹、野平博司、椎野泰洋、角嶋邦之、
パールハット・アヘメト、筒井一生、服部健雄、岩
井洋 “LaOx/ScOx/Si 界面組成遷移層の化学結合
状態の熱処理温度依存性” 春季第 54 回応用物理学
会学術講演会 No.02 pp.859(2007 年 3 月)青山学院
大学
13. 大毛利健治、吉川英樹、パールハット・アヘメト、
角嶋邦之、山部紀久夫、小林啓介、知京豊裕、岩井
洋“硬 X 線を用いたメタルゲート/High-k 絶縁膜
ゲートスタック構造の非破壊観察”春季第 54 回応
33
用物理学会学術講演会 No.02 pp.851(2007 年 3 月)
青山学院大学
14. 山田啓作、知京豊裕、白石賢二、遠藤哲郎、角嶋邦
之、パールハット・アヘメト、岩井洋“ナノスケー
ルメモリーの将来展望とその重要性”第 35 回薄膜・
表面物理セミナー pp.1(2007 年 7 月)早稲田大学
小野記念講堂
15. 宋在烈, 角嶋邦之, パールハット・アヘメト, 筒井一
生, 杉井信之, 服部健雄, 岩井洋“La2O3/Ge MIS 構
造における微量 Si 界面層導入による電気特性の変
化”秋季第 68 回応用物理学会学術講演会(2007 年
9 月)北海道工業大学
16. 幸田みゆき, 川那子高暢, 角嶋邦之, パールハッ
ト・アヘメト, 筒井一生, 杉井信之, 服部健雄, 岩井
洋“Sc2O3 ゲート絶縁膜のリーク電流機構の解析”
秋季第 68 回応用物理学会学術講演会(2007 年 9 月)
北海道工業大学
17. 岡本晃一、足立学、角嶋邦之、パールハット・アヘ
メ ト 、 杉 井信之 、 筒 井 一生、 服 部 健 雄、岩井洋
“HfO2/Si 界面への La2O3 サブモノレイヤー添加に
よる電気特性の変化”秋季第 68 回応用物理学会学
術講演会(2007 年 9 月)北海道工業大学
18. 藤澤宏樹, 舘喜一, 角嶋邦之,パールハット・アヘ
メト, 筒井一生, 杉井信之, 服部健雄, 岩井洋“Al
キャップ層が W/La2O3/Si MOS 構造の電気特性に及
ぼす影響”秋季第 68 回応用物理学会学術講演会
(2007 年 9 月)北海道工業大学
19. 日野雅文, 角嶋邦之,パールハット アヘメト,筒井
一生,杉井信之,服部健雄,岩井洋“HfO2/ La2O3
のゲート絶縁膜を用いた Si-MOSFET の電気特性”
秋季第 68 回応用物理学会学術講演会(2007 年 9 月)
北海道工業大学
20. 上村英之,足立学, 角嶋邦之,パールハット アヘメ
ト,筒井一生,杉井信之,服部健雄,岩井洋“HfO2/SiO2
界面への Sc2O3 添加によるフラットバンド電圧シ
フト”秋季第 68 回応用物理学会学術講演会(2007
年 9 月)北海道工業大学
21. 渡邉将光,松田徹,小林勇介,佐藤創志, 野平博司,
池永英司,金成国,岡下勝巳,佐々木雄一郎,パー
ルハット・アヘメト,角嶋邦之,水野文二,服部健
雄,筒井一生,岩井洋“極浅高濃度ボロンドーピン
グ層における正孔移動度深さ分布”秋季第 68 回応
用物理学会学術講演会(2007 年 9 月)北海道工業大
学
22. 小林勇介, 角嶋邦之, パールハット・アヘメト, V. R.
ラオ, 筒井一生, 岩井洋“ダブルゲート型およびプ
レーナー型 MOSFET における構造バラつきの影響
の比較検討”秋季第 68 回応用物理学会学術講演会
(2007 年 9 月)北海道工業大学
34
23. 岩井洋“次世代異種新材料複合 MOSFET 集積化技
術”STARC シンポジウム 2007(2007 年 9 月)大阪,
千里阪急ホテル
24. 舘喜一, 角嶋邦之, パールハット アヘメト, 筒井一
生, 杉井信之, 服部健雄, 岩井洋 “高性能 MOSFET
実現のための La2O3 ゲート絶縁膜/Si 直接接合界面特
性改善技術”STARC シンポジウム 2007(2007 年 9
月)大阪, 千里阪急ホテル
25. 宋在烈, 角嶋邦之, パールハット アヘメト, 筒井一
生, 杉井信之, 服部健雄, 岩井洋“La2O3/Ge MOS
構造における Ge 表面処理による電気特性の改善”
STARC シンポジウム 2007(2007 年 9 月)大阪, 千
里阪急ホテル
26. 川那子高暢、舘喜一、宋在烈、角嶋邦之、パールハッ
ト・アヘメト、筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩
井 洋“希土類複合酸化膜(LaScOx)を用いた High-k
ゲート絶縁膜の作製とデバイスへの応用”
STARC シンポジウム 2007(2007 年 9 月)大阪, 千
里阪急ホテル
■
研究費の取得状況(平成 19 年度)
科学研究費補助金
(主な研究資金として)
<特定領域>
3次元構造 MOSFET のロバストネス
平成 18 年度~21 年度
平成 19 年度
11,400,000 円
政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として)
<経済産業省>
ナノエレクトロニクス半導体新材料・新構造技術開発―
うち新材料・新構造ナノ電子デバイス
平成 19 年度~23 年度
平成 19 年度
50,000,000 円
受託研究(上記を除く)
1件
19,999,000 円
共同研究(上記を除く)
3件
23,475,000 円
奨学寄附金
3件
2,480,000 円
■ 研究室の在籍者(平成 19 年度中)
■
学部学生
1(1)
大学院修士課程在籍者
11
大学院博士課程在籍者
8(2)
研究生
0
受託研究員
0
民間等共同研究員
2
その他ポスドク等
0
(内留学生人数)
■
BCTM 岩井
・IEEE
■
岩井
洋
超低消費電力・超高速情報通信用ナノデバイス集積回
平成 19 年 8 月
洋
平成 19 年 10 月
山崎貞一賞
■
21 世紀 COE プログラムへの参加状況(平成 19 年度)
1.
拠点のプログラム名称:フォトニクスナノデバイス
集積工学
用 務 地:アメリカ ニューヨーク、ワシントン DC
メキシコ
用 務 先:IBM、WOFE(会議名)
出張日程:平成 19 年 12 月 6 日~18 日
2.
拠点のプログラム名称:フォトニクスナノデバイス
集積工学
用 務 地:インド ボンベイ
用 務 先:インド工科大学ボンベイ校 客員教授
出張日程:平成 19 年 12 月 26 日~平成 20 年 1 月
22 日
3.
拠点のプログラム名称:フォトニクスナノデバイス
集積工学
用 務 地:インド カルカッタ、シッキム
用 務 先:Jadavpur 大学、WIMNACT(会議名)
出張日程:平成 20 年 2 月 28 日~3 月 9 日
海外渡航の回数(平成 19 年度)
11 回
■
学会役員(平成 19 年度)
・IEEE
■
Senior Past President 平成 20 年 1 月から 2 年間
政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 19 年度)
・科学技術振興機構
月まで
イノベーション研究推進体への参加状況(平成 19 年度)
路の研究
・第7回財団法人材料科学技術振興財団
岩井 洋 平成 19 年 11 年
■
1. 共同研究グループ便り 岩井研究グループ; STARC
ニュース, (株)半導体理工学研究センター(2007
年 10 月 P12-13)
受賞、褒賞(平成 19 年度)
・応用物理学会フェロー
記事(平成 19 年度)
領域アドバイザー
・半導体ロードマップ諮問委員会
年 3 月まで
平成 20 年 3
諮問委員
平成 20
・電気学会 高度ワイヤレスユビキタス社会を支える超
高速デバイス・回路技術調査専門委員会 委員 平成
19 年 9 月まで
・財団法人新機能素子研究開発協会「情報分野とエネル
ギーの融合懇談会 委員 平成 20 年 3 月まで
・東北大学大学院工学研究科マイクロシステム融合研究
開発拠点 諮問委員 平成 21 年 3 月まで
・NEDO 技術委員 エネルギー使用合理化技術戦略的開
発先導研究民生系 A 技術委員会 委員 平成 21 年 3
月まで
・More Moore More than Moore における化合物半導体電子
デバイス調査専門委員会 委員 平成 21 年 9 月まで
・2050年における省エネルギー社会の実現に向けた電気
エネルギー有効利用に関わるエレクトロニクス技術
の調査委員会 委員 平成20年3月まで
・独立行政法人物質・材料研究機構「環境・エネルギー材
料研究展」88 委員会 委員 平成 20 年 6 月末日まで
35
36
情報系
腰原プロジェクト
<非平衡超高速光電デバイス材料の開発と評価>
プロジェクトリーダー
腰原 伸也 教授
研究期間
平成17年度~平成20年度
研究費総額
約12億円
研究資金ソース
科学技術振興機構(ERATO プロジェクト等)
■ 研究内容
現代高度情報化技術を支えている電子システムは、電子機能部分には無機半導体材料が、コンデンサー
には誘電体が、情報記憶材料には磁性体やガラス材料が、電力流路には超伝導体など、その役割に応じた
種々の電子、光電子機能を有する材料によって構成されている。しかしこれらの既存材料においては、い
ずれも均一で静的な構造を舞台とする電子状態(基底状態)により規定される枠組みが、材料の基本性質
を決定している。この既成概念を乗り越えて、高効率、動的かつ超高速に応答する新規な光電的機能材料
の可能性を切り開くためには、固体内の電子状態や磁気的(スピン)状態さらにはその空間的分布が、結
晶のメゾスコピックな動的構造変化(非平衡状態)と協同的に強く結合した材料(非平衡強相関材料)を
開拓することが必要不可欠である。
本研究が指向する非平衡強相関物質は、動的な結晶構造変化を積極的に利用する物である。この研究か
らは、光による磁性体、誘電体のスイッチングを、高感度かつ THz 領域の応答速度で達成できる全く新規
な光デバイス材料の創成が期待できる。実際学術的視点で報告してきた、光誘起磁性(光制御型磁石)、
光誘起強誘電体(コンデンサーの光制御)は、今日のスピントロニクス等の、応用も含めた新分野として
展開しつつある。本プロジェクトでは、この研究を発展させ、従来の材料を大きく凌駕する高感度を有し
つつ、フェムト秒(1000 フェムト秒=1ピコ秒は、1THz の振動1周期に対応)領域で誘電関数、スピン
状態等が変化する物質とそのデバイス応用探求を行う。またこの種の材料開発にとって必須の、超高速動
的観測が可能な X 線観測技術の開発も、併せて実施する。
■ 新産業創造・新分野開拓の可能性
本研究からは、静的半導体構造への電荷ドーピングという従来のデバイスの枠組みとは大きく異なる、
動的構造という新原理に基づくデバイスの登場が期待できる。申請者が本学教官(宗片教授)と共同で実
例を世界で初めて報告してきた、
「半導体光磁石」などはその一例である。また開発中の超高速動的 X 線
観測技術も、現在の構造科学や、X 線並びにその周辺産業の枠組みを大きく変革する可能性を持っている。
■ 研究参加者
国内:京都大学、大阪市立大学、東京工業大学応セラ研、高エネルギー・加速器研究機構、物質材料研
究機構
国外:レンヌ第一大学(University of Rennes 1)、ベルサイユ大学(University of Versailles)、エコール・
ポリテクニーク(Ecole Polytechnique)、ヨーロッパ放射光施設(ESRF: European Synchrotron
37
Radiation Facility)、オックスフォード大学(Oxford University)、ローレンスバークレー国立研究
所(LBNL: Ernest Orlando Lawrence Berkeley National Laboratory)、ブラツワフ工科大学(Technical
University of Wroclaw, Poland)
■■■
平成19年度主要トピックス
■■■
イノベーション研究の主題ともなっている、100 ピコ秒(ps)動的構造解析装置が完成し、その本格利
用研究を開始した。非平衡強相関材料開発に向けた基礎物性研究にとどまらず、以下に紹介するように、
X 線吸収を用いた溶液中の化学反応の追跡、物質の超高圧効果、破壊過程や、タンパク質内部での生理活
性小分子の能動的変形輸送など幅広い成果が得られつつあり、論文(一部は新聞科学面等)において装置
の紹介もかねて掲載された。またこの装置への期待を反映し、多くの国際共同研究が開始された。
1. X線を用いた電子—格子—スピン強結合系での光誘起効果の観測
巨大磁気抵抗を示す強相関物質 Nd0.5Sr0.5MnO3 薄膜の時間分解X線回折実験を行い、光照射後に格子定
数の変化と超格子反射のX線回折点の強度減少を観測し光刺激による電荷秩序状態の融解を観測する事が
出来た。半値幅議論から明らかに温度による相転移と異なるデータが示され、光誘起された相は独特の構
造を持つ事が明らかとなった。実験データからは光で超格子反射の強度減少は結晶全体に及ぶ電荷と格子
が結合した長距離相関が失われ、短距離秩序が生成されたと考える事が出来る。現在、詳細な解析を実施
中である。
2.溶液中光反応に伴う構造変化の動的観測
溶媒中の遷移金属含有ポルフィリンの光反応(光電荷分離と配位子構造変化)は、光合成の中心のモデ
ルとして基礎科学的な注目を、また近年では色素増感太陽電池、可視応答光触媒として実用面でも関心を
集めている。これらの物質では、光励起による電荷分布の変化と構造変化、特に遷移金属の配位構造の変
化がどのように連携しているかを解明することが、より高効率の光エネルギー変換材料を設計する上で重
要な指針を与える。そこで我々は,最も標準的な物質の一つである NiTPP 等に関して、動的 X 線吸収分光
を用いて、動的配位構造変化の観測を行った。
ピペリジン溶媒中の NiTPP は6配位状態が支配
的であるが、光励起によって生成された光励起状
態は項間交差によって数百ピコ秒の間に配位子が
二分子解離し、その結果4配位状態が生成される。
過去に報告された過渡吸収測定によると、この光
励起配位子解離過程は光励起後、数十 ps から数
ns で起こることが示唆されている。一方、6配位
から4配位へと Ni の配位状態が変化すると、Ni
K-edge の X 線吸収スペクトルでは Ni の中心対称
性が低下するために、四極子遷移成分であるプリ
エッジ構造が劇的に変化することが期待でき、ま
た同時に Ni の局所的電子状態変化に伴う 1s→4p
遷移による吸収端の変化も予測される。実際、我々
38
図1 NiTP(1mM)K 吸収端近傍の時間分解XAFS 差分スペクトル
の測定で、期待通りの X 線吸収変化とそのダイナミクスが観測され、実際に室温、溶媒中の分子の光反応
による構造変化、さらにはスピン状態変化の追跡が 100ps のタイムスケールで可能であることが実証され
た(図1)
。また一連の物質に関して得られたデータから、光誘起スピン状態変化の安定化の為に必要な構
造変化の知見も得られた。
3.CdS 単結晶の衝撃圧縮
強いパルスレーザー光を結晶に照射すると、表面で吸収されたレーザー光のエネルギーにより衝撃波が
発生することは良く知られている。レーザーのエネルギーを大きくしてゆくと、ついには結晶が破壊され
てしまう。単結晶の圧縮・破壊という一度きりしか起こらない現象(衝撃圧縮過程)を、たった1発の短
パルス X 線を用いて時間分解能 100 ピコ秒で瞬間撮影することに世界で初めて成功した(図2、3)。こ
の結果は朝日新聞を初めとして様々な新聞で取り上げられた。なおこの研究は本学応用セラミックス研の
近藤教授、中村准教授のグループと共同研究で行われた。
図2:レーザー衝撃波圧縮実験の実験配置と回折強度変化測定例
39
4. 蛋白分子内での光誘起構造変化による分子輸送機構
これまで、シカゴ大学の Moffat グループとの共同研究として、
室温条件下での一酸化炭素結合型ヘム蛋白質の時間分解結晶構
造解析を試みていたが、これとは別に、低温条件下で、一酸化炭
素結合型ミオグロビン単結晶にパルスレーザーを照射し、その光
誘起構造変化のダイナミクスを追跡する実験を 2007 年度より開
始した。低温条件下でパルスレーザー励起した今回の測定では、
これまでに別のグループによって行われた、低温条件下で CW レ
ーザーをミオグロビン結晶に照射する測定結果とは異なり、光解
図4:レーザー照射前後の原子位
離した CO がゆっくりと蛋白質分子内を協同的な構造変形と伴に
置と電子密度。シアン:照射前、
移動し、測定温度に依存した平衡状態へと進んでゆく様子が明ら
マジェンタ:照射後
かとなった(図4)
。
40
■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■
■
研究業績 (平成 19 年 1 月-12 月)
研究論文
1.
D.Fu, H.Taniguchi, T.Taniyama, M.Itoh and S.Koshihara,
“Origin of Giant Dielectric Response in Nonferroelectric
CaCu3Ti4O12 : Inhomogeneous Conduction Nature
Probed by Atomic Force Microscopy” Chemistry of
Materials 20, 1694-1698 (2007)
2.
S.Nozawa, S.Adachi, J.Takahashi, R.Tazaki, L.Guerin,
M.Daimon, A.Tomita, T.Sato, M.Chollet, E.Collet,
H.Cailleau, S.Yamamoto, K.Tsuchiya, T.Shioya, H.
Sasaki, T.Mori, K.Ichiyanagi, H.Sawa, H.Kawata and S.
Koshihara “Developing 100 ps-resolved X-ray structural
analysis capabilities on beamline NW14A at the Photon
Factory Advanced Ring” Journal of Synchrotron
Radiation. 14, 313–319 (2007)
3.
4.
5.
J.Itatani, M.Rini, A.Cavalleri, K.Onda, T.Ishikawa,
S.Koshihara, X.Shao, H.Yamochi, G.Saito and R.W.
Shoenlein “Ultrafast Gigantic Photo-response in
(EDO-TTF)2PF6 initiated by 10-fs laser pulses”
Ultrafast Phenomena XV Proceedings of the 15th
International Conference,Springer Series in Chemical
Physics , Vol. 88. Corkum, P.; Jonas, D.; Miller, D.;
Weiner, A.M. (Eds.)
K.Ichiyanagi, S.Adachi, S.Nozawa, Y.Hironaka and K.G..
Nakamura, T.Sato, A.Tomita and S.Koshihara
“Shock-induced lattice deformation of CdS single crystal
by nanosecond time-resolved Laue diffraction” Appl.
Phys. Lett. 91, 231918 (2007)
M.Chollet,
S.Koshihara,
L.Guerin,
T.Ishikawa,
K.Matsuda, T.Hasegawa, H.Yamochi, G.Saito, R.Tazaki
and S.Adachi “Gigantic and Ultrafast Photoresponse in
Molecular Charge Ordering System” in "Multifunctional
Conducting Moleular Materials", ed. by G.Saito, F.Wudl,
R.C.Haddon, K.Tanigaki, T.Enoki, H.E.Katz, and
M.Maesato, Royal Sosiety of Chemistry 173-180(2007)
6.
T.Ishikawa, M.Kurita, S.Koshihara, M.Takesada and M.
Itoh “High Carrier Mobility Coupled With Quantum
Paraelectric Fluctuation” Ferroelectrics 346, 10-15(2007)
7.
S.Takamatsu, T.Ishikawa, S.Koshihara and N.Ishikawa
“Significant Increase of the Barrier Energy for
Magnetization Reversal of a Single-4f-Ionic Single-Molecule
Magnet by a Longitudinal Contraction of the
Coordination Space” Inorganic Chemistry; 46,
7250-7252(2007)
国際会議
1.
S.Adachi, S.Nozawa, R.Tazaki, L.Guerin, M.Chollet,
K.Ichiyanagi, T.Sato, A.Tomita, J.Itatani, M.Daimon,
H.Sawa, H.Kawata, E.Collet, J.Hebert, M.Buron-Le
Cointe, H.Cailleau, M.Gembicky, P.Coppens, V.Srajer,
R.Pahl, K.Moffat and S.Koshihara “100-Picosecond
Resolved Laue Diffraction at the Photon Factory
Advanced Ring” International Workshop on Advance
Laue Diffraction in Frontier Science, 23-27 Jan.2007,
Grenoble, France
2.
S. Koshihara, S. Adachi, S. Nozawa, R. Tazaki, L.
Guérin, M. Chollet, K. Ichiyanagi, T. Sato, A Tomita, J.
Itatani, M. Daimon, H. Sawa, H. Kawata, E. Collet, J.
Hébert, M. Buron-Le Cointe & H. Cailleau
“Time-Resolved Diffraction as a Tool for Photo-Induced
Phase Transition Research” International Workshop on
Advance Laue Diffraction in Frontier Science,
23-27 Jan.2007, Grenoble, France
3.
J. Itatani, M. Rini, A. Cavalleri, K. Onda, T. Ishikawa, S.
Koshihara, X. Shao, H. Yamochi, G. Saito, and R. W.
Schoenlein “Ultrafast Gigantic Photo-Response in
Organic Salt (EDO-TTF)2PF6 Initiated by 20-fs Laser
Pulses” The Frontiers in Optics 2007/Laser Science
XXIII conferences, , 16–20 Sep 2007, Fairmont Hotel,
San Jose, California, USA
4.
S. Koshihara, S. Adachi, S. Nozawa, R. Tazaki, L.
Guérin, M. Chollet, K. Ichiyanagi, T. Sato, A. Tomita, J.
Itatani, M. Daimon, H. Sawa, H. Kawata, E. Collet, J.
Hébert, M. B.-Le Cointe and H. Cailleau “Time-resolved
diffraction as a tool for the study of photo-induced
cooperative response” 2007 CERC International
Symposium Akihabara Convention Center, 22-25 May
2007, Japan
5.
K.Onda, S.Ogihara, T.Ishikawa, Y.Okimoto, X. Shao,
H.Yamochi, G.Saito and S.Koshihara “Ultrafast
Photo-induced Phase Transition in Organic Charge
Transfer Comple x (EDO-TTF)2PF6” International
symposium on Molecular Science of Ultrafast Electronic
Dynamics in Sendai, 18-19 May 2007, Japan
6.
S. Koshihara “Time-resolved Crystallography can really
contribute for the materials science of PIPT phenomena”
Pre-conference PIPT Meeting in Wroclaw, 21-24 Jun
2007, Poland
7.
M.Pitak, M.Gembicky, M.Messerschmidt, P.Coppens,
SAdachi and S.Koshihara “Small Molecule Laue
Diffraction for Time Resolved Experiments” 2007
Meeting of American Crystallographic Association,
21-26 Jul 2007, Salt Lake City
41
8.
K.Onda, S.Ogihara, T.Ishikawa, Y.Okimoto, X.Shao,
H.Yamochi, G.Saito and S.Koshihara “Nature of
Photo-induced Phase and Coherent Phonon in Organic
Conductor
(EDO-TTF)2PF6”
12th
International
Conference on Vibrations at Surfaces, Erice, 20-26 Jul
2007, Italy
国内会議
1.
符徳勝、余野建定、有馬陽介、谷口博基、谷山智康、
伊藤満、腰原伸也“非強誘電体材料における巨大誘電
応答の起源” 第 45 回セラミックス基礎科学討論会
2007 年 1 月 22-23 日, 仙台市
2.
符徳勝、伊藤満、腰原伸也” (Ba,Ca)TiO3 の結晶作製
及び相図” 日本物理学会2007年春季大会、2007
年 3 月 18-21 日, 鹿児島大学
3.
符徳勝、伊藤満、腰原伸也” (Ba,Ca)TiO3 における巨
大な歪効果” 日本物理学会2007年春季大会、
2007 年 3 月 18-21 日, 鹿児島大学
4.
11. T.Ishikawa, R.Nakajima, N.Fukazawa, Y.Okimoto,
K.Onda and S.Koshihara “Ultrafast Photo-Induced Phase
Switching in Charge Transfer Salts:Pd(dmit)2”
EUROMAT2007, 10-13 Sep 2007, Germany
富田文菜、佐藤篤志、M. Chollet、田崎遼子、足立伸
一、野澤俊介、一柳光平、大門正博、河田洋、澤博、
L. Guerin, E. Collet, P. Rabiller, 腰原伸也” 放射光を
用いた単結晶 TTF-CA の電子密度解析 2” 日本物理
学会2007年春季大会、2007 年 3 月 18-21 日, 鹿
児島大学
5.
12. X.F.Shao, H.Yamochi, Y.Nakano, Y.Yoshida, M.Sakata,
M.Maesato, T.Murata, A.Otsuka, G.Saito and
S.Koshihara “Structures and Physical Properties of the
mono-methyl Substituted EDO-TTF Cation Radical
Salts” the 9th Japan-China Joint Meeting, Beijing in
China, 27-30 Oct 2007, Chaina
荻原将、恩田健、石川忠彦、沖本洋一、Xiangfeng Shao,
矢持秀起、斉藤軍治、腰原伸也” (EDO-TTF)2PF6 の
光誘起相転移現象の励起波長依存性” 日本物理学会
2007年春季大会、2007 年 3 月 18-21 日, 鹿児島
大学
6.
深澤直人、中島良平、三井主成、石川忠彦、恩田健、
沖本洋一、腰原伸也、田村雅史、加藤礼三” Pd(dmit)2
塩の電荷分離相における光誘起相転移の探索” 日本
物理学会2007年春季大会、2007 年 3 月 18-21 日,
鹿児島大学
7.
Sugata Ray, Priya Maafedevau, Carlos Seiti Kuroda, 符
徳勝、腰原伸也、込谷剛、谷山智康、伊藤満” 強誘
電体をマトリックスとする新しい希釈磁性体単結
晶 Fe ドープ h-BaTiO3” 日本物理学会2007年春
季大会、2007 年 3 月 18-21 日, 鹿児島大学
8.
清水荘雄、符徳勝、Sugata Ray, 谷口博基、谷山智康、
腰原伸也、松尾陽太郎、伊藤満” 強誘電体をマトリッ
クスとする 新しい希釈磁性体単結晶 Fe-ドープ
c-(Ba,Ca)TiO3” 日本物理学会2007年春季大会、
2007 年 3 月 18-21 日, 鹿児島大学
9.
L.Guerin, S.Nozawa, M.Cholle, A.Tomita , J.Hebert,
M.Buron-Le Cointe, K.Ichiyanagi, T.Sato, S.Adachi,
E.Collet and S.Koshihara ”Structural investigation of
photoinduced processes in TTF-CA : from precursor
phenomena to the macroscopic photoinduced phase” 日
本物理学会2007年春季大会、2007 年 3 月 18-21
日, 鹿児島大学
9.
E.Collet, M.Buron, L.Guerin, J.Hebert, H. Cailleau,
S.Adachi and S.Koshihara “Photoinduced transition of
TTF-CA: Picosecond diffuse scattering investigations”
24th European Crystallgraphic meeting, 22-27 Aug 2007,
Marrakech
10. K.Ichiyanagi, T.Sato, S.Nozawa, A.Tomita, Y.Hironaka,
K.Nakamura, S.Adachi and S.Koshihara “Laser-induced
uniaxial compression of CdS crystal along c-axis studied
by single-shot sub nanosecond time-resolved Laue
diffraction” Gordon Research Conference X-ray Physics,
Colby-Sawyer College, 5-11 Aug 2007, NH USA
13. S.Adachi, S.Nozawa, R.Tazaki, T.Sato, A.Tomita,
M.Chollet, L.Guerin, K.Ichiyanagi, H.Ichikawa,
M.Daimon, H.Sawa, H.Kawata, and S.Koshihara
“100-ps time resolved X-ray experiments with daily
single bunch mode: Current status of beam line NW14A
at the Photon Factory Advanced Ring” The 8th
Conference of the Asian Crystallographic Association,
6-7 Nov 2007, Taiwan
14. S.Koshihara “Switching of the charge ordered stste in
1/4 filled system and development of time-resolved
X-ray study in KEK-AR” International meeting
Japan-France Core-to-Core Project GDR International
France-Japon, 10-11 Dec 2007, Rennes
15. 邵向鋒、中野義明、矢持秀起、坂田雅文、吉田幸大、
前里光彦、村田剛志、大塚晃弘、斎藤軍治、腰原伸
也” 強電子相関半導体-半導体転移物質、
(MeEDO-TTF)2PF6” The 9th China-Japan Joint
Symposium on Conduction and Photo-conduction in
Organic Solidsand Related Phenomena 27-29 Oct 2007、
Beiging
42
10. M.CholletA, R.Tazaki, A.Tomita, S.Nozawa, T.Sato,
K.Ichiyanagi, L.Guerin, M.Daimon, H.Sawa, H.Kawata,
S.Adachi, A.Ota, H.Yamochi, G.Saito and S.Koshihara”
Electron density analysis of (EDO-TTF)2PF6 in Metal
and Insulator phases” 日本物理学会2007年春季
大会、2007 年 3 月 18-21 日, 鹿児島大学
起相転移現象” 特定研究「分子性導体」
、2007 年 7 月
19-20 日, 東京大学武田ホール
11. 田村美恵子、沖本洋一、恩田健、森田陽明、石川忠
彦、等々力直之、京免徹、伊藤満、佐藤篤志、野澤
俊介、一柳光平、富田文菜、Laurent Guerin、Chollet
Matthieu、足立伸一、腰原伸也 ”Pr1/2Ca1/2CoO3 の
フェトム秒時間分解反射測定” 日本物理学会2007
年春季大会、2007 年 3 月 18-21 日, 鹿児島大学
21. 武貞正樹、二本松寛司、小野寺彰、秋重幸邦、八木
駿郎、腰原伸也 ”Ni-deped KTaO3 における低振動ラ
マン散乱スペクトルの光誘起効果” 第62回年次大
会、2007 年 9 月 21-24 日, 北海道大学
12. 飯田敬、田久保耕、孫珍永、溝川貴司、石川忠彦、
腰原伸也、武貞正樹、伊藤満” 紫外光励起下の SrTiO3
の光電子分光Ⅱ” 日本物理学会2007年春季大会、
2007 年 3 月 18-21 日, 鹿児島大学
13. X.Shao,
Y.Nakano,
H.Yamochi,
G.Saito
and
S.Koshihara ” Structures and physical properties of the
mono-substituted EDO-TTF cation radical salts
(4-Methy-EDO-TTF の陽イオンラジカル塩の構造
と物性)」” 日本化学会第78春季年会、2007 年 3
月 25-28 日、大阪府関西大学千里山キャンパス
14. 腰原伸也 ”光誘起構造相転移ダイナミクスの研究-
超高速レーザー分光と動的 X 線観測技術と物質開
発の3人4脚-” 平成 19 年度第 2 回懇談会、 2007
年 4 月 27 日、東京工業大学すずかけ台キャンパス
15. 深澤直人、中島良平、三井主成、石川忠彦、恩田健、
沖本洋一、腰原伸也、田村雅史、加藤礼三 ”有機導
体 Et2Me2Sb[Pd(dmit)2]2 における光誘起相転移現象
の探索” 平成 19 年度第 2 回懇談会、2007 年 4 月 27
日、東京工業大学すずかけ台キャンパス
16. S.Ogihara, K.Onda, T.Ishikawa, Y.Okimoto, X.Shao,
H.Yamochi, G.Saito and S.Koshihara ”Excitation photon
energy dependence of the photo-induced phase transition
in (EDO-TTF)2PF6” 平成 19 年度第 2 回懇談会、2007
年 4 月 27 日、東京工業大学すずかけ台キャンパス
17. 恩田健、荻原将、石川忠彦、沖本洋一、X.Shao、矢
持秀起、斉藤軍治、腰原伸也 ”電荷移動型有機伝導
体における光励起ダイナミクス” 第 23 回化学反応
討論会、2007 年 6 月 13-15 日, 神戸大学百年記念館
18. 腰原伸也 ”量子ビーム観測技術の進展がもたらす新
しい物質科学の展開” 第9回分子ダイナミック分光
ワークショップ~生体・人工系の量子状態ダイナミ
クス-量子情報の制御と可視化~、2007 年 7 月 5-6
日, 浜松ホトニクス(浜松名鉄ホテル)
19. 荻原将、恩田健、石川忠彦、沖本洋一、邵向鋒、矢
持秀起、斉藤軍治、腰原伸也 ”(EDO-TTF2)PF6 にお
ける光誘起相転移の励起光依存性” 特定研究「分子
性導体」、2007 年 7 月 19-20 日, 東京大学武田ホール
20. 深澤直人、松原圭孝、中島良平、石川忠彦、恩田健、
沖本洋一、腰原伸也、田村雅史、加藤礼三 ”遷移金
属錯体 Et_2_Me_2_Sb[Pd(dmit)_2_]_2_における光誘
22. 符徳勝、伊藤満、腰原伸也 ”(Ba,Ca)TiO3 単結晶の誘
電応答及び分極反転” 第62回年次大会、2007 年 9
月 21-24 日, 北海道大学
23. 小杉太一、常行真司、符徳勝、伊藤満、腰原伸也
“Ba1-xCaxTiO3 単結晶の第一原理計算” 第62回年
次大会、2007 年 9 月 21-24 日, 北海道大学
24. 深澤直人、松原圭孝、中島良平、石川忠彦、恩田健、
沖本洋一、腰原伸也、田村雅史、加藤礼三” 遷移金
属錯体 Et2Me2Sb[Pd(dmit)2]2 の Dimer-Mott 絶縁体相
における光誘起相転移現象の探索” 第62回年次大
会、2007 年 9 月 21-24 日, 北海道大学
25. 荻原将、恩田健、石川忠彦、沖本洋一、邵向鋒、矢
持秀起、斉藤軍治、腰原伸也 ”(EDO-TTF)2PF6 の高光
子密度励起下での光誘起相転移とその制御” 第62
回年次大会、2007 年 9 月 21-24 日, 北海道大学
26. 遠藤匡人、沖本洋一、恩田健、石川忠彦、腰原伸也、
有馬孝尚 ”GdBaCo2O6-δ結晶のフェトム秒時間分
解反射測定” 第62回年次大会、2007 年 9 月 21-24
日, 北海道大学
27. 真木祥千子、市川広彦、足立伸一、澤博、腰原伸也、
木田紀行、榎本真哉、小島憲道 ”電荷移動相転移を
示す鉄混合原子価錯体の低温構造” 第62回年次大
会、2007 年 9 月 21-24 日, 北海道大学
28. 腰原伸也 ”分子の励起状態と構造ダイナミクスが生
み出す新しい機能物質” 第一回分子科学討論会、2007
年 9 月 18-20 日, 東北大学川内キャンパス(仙台)
29. 恩田健、荻原将、石川忠彦、沖本洋一、X.Shao、矢
持秀起、斉藤軍治、腰原伸也 ”有機伝導体
(EDO-TTF)2PF6 の光誘起ダイナミクスとその制御”
第一回分子科学討論会、2007 年 9 月 17-20 日, 東北
大学川内キャンパス(仙台)
30. 一柳光平、佐藤篤志、野澤俊介、富田文菜、弘中陽
一郎、中村一隆、足立伸一、腰原伸也 ”時間分解ラ
ウエX線回折を用いた CdS 単結晶のレーザー誘起
弾性変形の観測” 第 48 回高圧討論会、2007 年 11 月
20-22 日, 倉吉パークスクエア(鳥取県倉吉市)
31. 邵向鋒、中野義明、矢持秀起、坂田雅文、吉田幸大、
前里光彦、村田剛志、大塚晃弘、斎藤軍治、腰原伸
也 ”強電子相関半導体-半導体転移物質、
(MeEDO-TTF)2PF6” 超伝導が拓く物性科学の最前線
-4特定領域合同研究会、2007 年 12 月 7-9 日, 首都
大学東京
43
■
研究費の取得状況
科学研究費補助金
(平成 19 年度)
(主な研究資金として)
<萌芽研究>
強電子–格子結合系における光誘起力学特性変化の探索
平成 18 年度~20 年度
平成 19 年度
130 万円
■
記事(平成 19 年度)
1. 「原子配列破壊過程を観測」 日経産業新聞
12 月 14 日
2007 年
2. 「「壊れる瞬間」強力 X 線は見た」 朝日新聞(科学欄)
2007 年 12 月 21 日
3. 「原子レベルで崩壊観察」 高知新聞(科学欄)2008 年
1 月 21 日
政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として)
4. 「結晶の崩壊 原子レベルで過程解明」 福井新聞
(科学欄)2008 年 1 月 23 日
<戦略的創造研究推進事業(総括実施型)ERATO>
腰原非平衡ダイナミクスプロジェクト
平成 15 年度~20 年度
平成 19 年度
■
16700 万円
「動的構造解析法による非平衡ナノダイナミクスの
研究」領域代表者
奨学寄附金
2件
イノベーション研究推進体への参加状況(平成 19 年度)
115 万円
■
21 世紀 COE プログラムへの参加状況(平成 19 年度)
■ 研究室の在籍者(平成 19 年度中)
学部学生
大学院修士課程在籍者
大学院博士課程在籍者
研究生
受託研究員
民間等共同研究員
その他ポスドク等
■
6
6(2)
2
0
0
2(1)
0
(内留学生人数)
海外渡航の回数(平成 19 年度)
2回
■
政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 19 年度)
・文部科学省 X 線自由電子レーザー利用推進協議会 委員
2007 年 4 月-2008 年 3 月
・文部科学省科学技術・学術審議会専門委員 2007 年 2 月-
2008 年 1 月
・日本学術振興会科学研究費委員会 専門委員 2007 年 1 月
-2007 年 12 月
・高エネルギー加速器研究機構
2008 年 3 月
客員教授 2007 年 5 月-
・化学技術戦略推進機構研究推進委員会 委員 2005 年 7 月
-2007 年 6 月
・財)国際高等研究所 「電子系の新しい機能」プロジェ
クトメンバー2007 年 4 月—2008 年 3 月
44
化学系グローバル COE「新たな分子化学創発を目指す
教育研究拠点」事業推進担当者
物質系
細野プロジェクト
<透明酸化物の機能開拓と応用展開>
プロジェクトリーダー
細野 秀雄 教授
研究期間
平成16年度~平成21年度
研究費総額
約15億円
研究資金ソース 科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業継続研究(ERATO-SORST)
、文部科学省科
学研究費、文部科学省 21 世紀 COE プログラム、東京工業大学と民間との共同研究
■ 研究内容
透明酸化物は資源的に豊富で、かつ、環境調和性に優れている。しかしながら、これまで電子が主役を
演じるアクティブな機能は、殆ど知られていなかった。JST-ERATO「細野透明電子活性プロジェクト」で
は、透明性を活かした光・電子・化学機能の探索をおこなってきた。その結果、教科書類に典型的な絶縁
体と記載されている物質の電子伝導体化、20 年来の課題であった室温・空気中で安定なエレクトライド(電
子が陰イオンとして働くイオン結晶)、多結晶シリコン並みの性能をもつ透明トランジスタ、最高の電気伝
導率を持つ透明 p 型半導体などを実現することができた。そして、これらの成果はいずれも結晶構造中に
内包されたナノ構造に起因することを明らかにした。
そこで、本プロジェクトでは、化合物半導体にはみられない酸化物の特徴である、多様な結晶構造やア
モルファス構造中に内包されるサブナノ空間や層状構造などの低次元構造を、量子ドットや多重量子井戸
などの量子構造や不安定化学種を安定化させる反応容器などとして積極的に活用することで、透明酸化物
を舞台としたユニークな機能の探索および冷電子放出や高性能透明トランジスタなどの光・電子デバイス
や触媒など応用を睨んだ展開をおこなう。これまでに取得した約 60 の基本的な特許(出願中を含む。海外
出願 15)を背景に、実用化に意欲をもつ民間企業を強力に巻き込みプロジェクトを推進する。
■ 新産業創造・新分野開拓の可能性
透明酸化物という資源的に無尽蔵で、かつ環境調和性に優れている伝統的物質を使って、透明半導体な
どの機能材料を実現していくことは、資源・環境という厳しい制約が課されるこれからの材料研究の方向
だと考える。ユビキタス元素を使って新機能を実現するには新しい視点と手法が不可欠であり、基礎的探
索研究と応用展開を一体として推進することで、セラミックスの新しいフロンティアを開拓する。
■ 研究参加者
【学外】ロンドン大学、ラトビア大学、九州工業大学、名古屋大学、山梨大学+民間企業
45
■■■
平成19年度主要トピックス
■■■
1. セメント構成成分 C12A7 が絶縁体―金属転移、金属―超伝導の発見
石灰(カルシウムと酸素の化合物。化学式 CaO)と酸化アルミニウム(アルミニウムと酸素の化合物。
Al2O3)は、教科書類にも記載されているように、電気を流さない代表的な絶縁体である。これらの複合酸
化物である 12CaO・7Al2O3(以下 C12A7)も良質な絶縁体であり、また、アルミナセメントの構成成分と
して広く使用されている。C12A7 結晶はナノポーラス構造をとり(図1)、直径 0.5nm 籠の中に、酸素イ
オンが包接されている。研究グループでは、これまでに、籠中の酸素イオンをすべて電子で置き換えるこ
とにより、室温・大気中で安定な、C12A7 エレクトライド(エレクトライド:電子が負イオンとして振舞
うエキゾチックな化合物)を実現し、室温付近では、金属的な電気伝導を示すことを見出してきた。今回、
C12A7 エレクトライドが、低温(約 0.4K)において、電気抵抗がゼロとなる超電導状態に転移することを
発見した。
今回の発見は、ありふれた元素からできた、電気を全く通さないと信じられてきた物質でも、ナノの構
造をうまく利用すれば、超電導体に変えることが出来ることを示したものである。同時に、エレクトライ
ド化合物では、初めての超電導の発見であり、新規な超伝導体化合物の探索に、新しい化合物群を提示し
たと言えよう。
C12A7 エレクトライドでは、電子は、籠の電子状態から作られる伝導帯(電子の通り道)を流れている。
すなわち、従来の超電導金属とは異なり、結晶中のナノ空間を流れる s 電子(球状電荷分布をもつ電子)
による超電導であり、今回の発見が超電導発生機構の解明に新たな知見を与えるものと期待される。
これらの成果は、NHK ニュース、NHK
サイエンスゼロ、朝日、読売、毎日、日経新聞、日経産業新
聞(元旦特集)、ニュートンなど多くのメディアで報道され、第 3 期科学技術政策として開始された「元素
戦略」の象徴的成果とみなされている。
セメント原料C12A7のトピックス
(~1907 アルミナセメントの研究)
1962年 結晶構造の確認
(絶縁体)
J. Jeevaratnam et al., Nature 194, 764 - 765 (1962).
1986年 超酸化物イオンラジカルO2-の生成
H.Hosono et al. Inorg.Chem.26,1192-96(1986)
1988年 高い酸素イオン伝導性
M. Lacerda et al., Nature 332, 525 - 526 (1988).
2002年 光誘起電子伝導体化
(半導体)
K. Hayashi et al., Nature 419, 462 - 465 (2002).
2003年 安定なエレクトライドに変換
S. Matsuishi et al., Science 301, 626 - 629 (2003).
2007年 絶縁体-金属転移
(金属的伝導体)
S. W. Kim et al., Nano Letters 7, 1138 - 1143 (2007).
2007年 超電導転移
M. Miyakawa et al., JACS (2007).
(超伝導体)
図 1. C12A7 の研究の進展。2007 年には金属化と超伝導体化に成功した。
46
2.透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)の応用研究が世界的に広がる
1996 年に当研究グループは、移動度が 10cm2(Vs)-1>と際立って大きいなど、結晶半導体にちかい電子輸
送特性を有する透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)とその物質設計指針を発表した。2004 年にはこ
れをチャネル層に利用し、室温でプラスチック基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を作製し、アモルファ
スシリコン TFT の 10 倍の移動度を実現した。TAOS は 2005 年のアモルファス半導体国際会議(ICANS-21)
からセッションとして取り上げられ、昨年 8 月の ICANS-22(2007)には、総発表論文数の 15%(90 件)
を占めるまでに急成長した。また、TAOS-TFT は有機 EL、大型 LCD や電子ペーパの駆動用バックプレー
ンとして産業界の高い関心を呼び、2007 年の SID、IMID、IDW などでセッションが相次いで設けられ、
内外の大手企業によってパネルの試作が相次いで発表され、産業化に向けた動きが急ピッチで進行してい
る。特に、a-In2O3-Ga2O3-ZnO(a-IGZO)は、移動度、安定性、プロセスの容易さなどに優れていることから、
この分野の代表的な存在になりつつある。有機 EL だけでなく、大型 LCD のバックプレーン用としても真
剣に応用の検討が開始された。
このような急展開は、日経マイクロデバイス 8 月号特集「透明回路」、日刊工業新聞 特集 「透明酸化物
エレクトニクス」、日経マイクロデバイス「透明酸化物アモルファス TFT はホームラン発明」、韓国 CBC
ワールドサテライトなどで紹介された。
300%
280%
260%
240%
220%
Semiconcutor
TFT
TFT and Transparent
TFT and Transparent and Amorphous
200%
180%
160%
140%
120%
100%
2000
図1
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
TFT関連特許の米国特許動向推移
2000 年の年間米国特許数を 100 とした時の、TFT、TFT and Transparent、TFT and Transparent and Amorphous
の相対的推移を示した。半導体関係の特許が 1.4 倍程度なのに、透明 TFT 関連は 2.5 倍程度と急増してい
る(特許庁 大嶋洋一氏調べ)
3.鉄系高温超伝導化合物の発見
本プロジェクトは新系統の高温超伝導物質(鉄を主成分とするオキシニクタイド化合物 LaOFeAs)を発
見した。強磁性は超伝導と相性が悪く、磁石の代表である鉄は、超伝導体の探索には避けるのが常識であっ
たので、「常識を覆す発見」といわれている。
(1)超伝導は、ある温度(転移温度)以下で、電気抵抗がゼロになる現象で、超低損失送電、強磁場発
生、電子素子内配線などへの応用が期待され、その実現のために転移温度が高い超伝導物質の探索研究が
47
精力的に進められている。
(2)1911 年にオンネスが初めて超伝導現象を発見して以来、金属系の超伝導物質として、Nb3Sn などが
開発され実用化されてきました。これらの金属系超伝導物質としては、2001 年に秋光らによって発見され
た MgB2 の 39K が最高の転移温度。これに対して、1986 年にベドノルツとミューラーが発見した銅酸化物
の系統は、発見当初の転移温度が約 30K で、その後 10 年間精力的に材料探索が続けられた結果、130K ま
で上昇した。
(3)今回発見された新高温超伝導物質は、上記金属系超伝導物質、銅酸化物系超伝導物質とは異なる第
3の新しい超伝導物質系であり、新規超伝導物質としては 30K を越える高い転移温度が特徴といえる。
LaOFeAs は、電気絶縁性である LaO 層と金属的伝導を示す FeAs 層が交互に積層された結晶構造を持つ層
状化合物です。純粋な LaOFeAs は、低温にしても電気抵抗がゼロとならず、超伝導は示さない。しかし、
同化合物にフッ素イオンを添加することで超伝導を示すようになる。転移温度はフッ素イオン添加量に依
存し、フッ素イオン濃度が 11 原子%の時、転移温度は 32K にまで上昇します。さらに、ごく最近の予察
的な実験データでは、転移温度が 45K 程度まで上昇することが示唆されています。また、同じ結晶構造を
持つ数多くの類型化合物群が存在することから、物質定数の最適化が可能で、更なる高温化が期待される。
本成果は、TBS ニュース、朝日、読売、毎日、日経などのメディアをはじめ、Physics Today, Physics World,
Nature, Science, ニュートン、パリティー、化学など内外の科学雑誌に紹介された。
銅(Cu)系
鉄(Fe)系
ランタン
酸素 / フッ素
原子のイオン化
ランタン: La3+
酸素: O2−
フッ素: F1−
鉄
酸素
電子
ヒ素
(As)
La3+(O2−,F−)- FeAs
金属層へ 負電荷の供給
(電子ドープ)
ランタン / バリウム
ランタン: La3+
バリウム: Ba2+
正孔
(La3+,Ba2+)2O2−
– CuO2−2
2
正電荷の供給
(正孔ドープ)
図2.LaOFeAs系超伝導体と銅系酸化物超伝導体の構造
48
銅
■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■
■
Kono, Hiroshi Yanagi, and Hideo Hosono: Journal of
the Japan Society of Powder and Powder Metallurgy,
54,636-644(2007)
研究業績 (平成 19 年 1 月-12 月)
研究論文
1.
Optoelectronic properties and electronic structure of
YcuOSe;Kazushige Ueda, Kouhei Takafuji, Hiroshi
Yanagi, Toshio Kamiya, Hideo Hosono, Hidenori
Hiramatsu, Masahiro Hirano and Noriaki Hamada: J.
Appl. Phys., 102, 113714-1 - 113714-6, (2007)
2.
Apparent bipolarity and Seebeck sign inversion in a
layered semiconductor: LaZnOP; K. Kayanuma, H.
Hiramatsu, M. Hirano, R. Kawamura, H. Yanagi, T.
Kamiya, and H. Hosono: Phys. Rev. B, 76, 195325,
(2007)
3.
4.
5.
Giant thermoelectric Seebeck coefficient of a
two-dimensional electron gas in SrTiO3; HIROMICHI
OHTA, SUNGWNG KIM, YORIKO MUNE,
TERUYASU MIZOGUCHI, KENJI NOMURA,
SHINGO OHTA, TAKASHI NOMURA, YUKI
NAKANISHI, YUICHI IKUHARA, MASAHIRO
HIRANO, HIDEO HOSONO AND KUNIHITO
KOUMOTO: Nature Mater., 6, 129-134, (2007).
Work Function of a Room-Temperature, Stable Electride
[Ca24Al28O64]4+(e–)4; Yoshitake Toda, Hiroshi Yanagi,
Eiji Ikenaga, Jung Jin Kim, Masaaki Kobata, Sigenori
Ueda, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, Keisuke
Kobayashi, and Hideo Hosono: Adv. Mater., 19,
3564-3569, (2007).
Circuits using uniform TFTs based on amorphous
In–Ga–Zn–O; Ryo Hayashi, Masato Ofuji, Nobuyuki
Kaji, Kenji Takahashi, Katsumi Abe, Hisato Yabuta,
Masafumi Sano, Hideya Kumomi, Kenji Nomura, Toshio
Kamiya, Masahiro Hirano, Hideo Hosono: Journal of the
SID, 15/11, 915-921, (2007)
9.
Room Temperature-Stable Electride as a Synthetic
Organic Reagent: Application to Pinacol Coupling
Reaction in Aqueous Media; Haritha Buchammagari,
Yoshitake Toda, Masahiro Hirano, Hideo Hosono,
Daisuke Takeuchi, and Kohtaro Osakada: Organic
Letters, 9,4287-4289(2007)
10. Nickel-Based Oxyphosphide Superconductor with a
Layered Crystal Structure, LaNiOP; Takumi Watanabe,
Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Yoichi Kamihara,
Hidenori Hiramatsu, Masahiro Hirano, and Hideo
Hosono: Inorg. Chem., 46, 7719-7721, (2007)
11. Ultraviolet absorption of hydrogen related species in
glassy silica; L.Skuja, K. Kajihara, M. Hirano, H.
Hosono: Physics and Chemistry of Glasses, 48, 103-106,
(2007)
12. Novel room temperature stable electride 12SrO‧7Al2O3
thin films: fabrication, optical and electron transport
properties; M Miyakawa, N. Ueda, T. Kamiya, M.
Hirano, and H. Hosono: Journal of the Ceramic Society
of Japan ,115, 568 (2007)
13. Detection
of
Infrared
Silent
Proton
in
Hydrogen-Reduced Tungsten Phosphate Glasses by
Thermal Desorption; Hiromasa Tawarayama, Shouichi
Sugata,Hiroyuki Inoue, Hideo Hosono, and Hiroshi
Kawazoe: Chem. Mater. 19, 4385-4386(2007)
14. Diffusion of nitrogen molecules in amorphous SiO2;
Koichi Kajihara, Masahiro Hirano, Yasuyuki Takimoto,
Linards Skuja, and Hideo Hosono: Applied Physics
Letters, 91, 071904-6, (2007)
6.
Temperature Dependence of the Chemical Potential in
NaxCoO2: Implications for the Large Thermoelectric
Power; Yukiaki ISHIDA, Hiromichi OHTA, Atsushi
FUJIMORI, and Hideo HOSONO: Journal of the
Physical Society of Japan, 76[10], October,
103709(2007)
15. Heavy hole doping of epitaxial thin films of a widegap
p-type semiconductor, LaCuOSe, and analysis of the
effective mass; Hidenori Hiramatsu, Kazushige Ueda,
Hiromichi Ohta, Masahiro Hirano, Maiko Kikuchi,
Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, and Hideo Hosono:
Appl. Phys. Lett., 91, 012104, (2007)
7.
Vibrational Dynamics and Oxygen Diffusion in a
Nanoporous Oxide Ion Conductor 12CaOâ7Al2O3
Studied by 18O Labeling and icro-Raman Spectroscopy;
Koichi Kajihara, Satoru Matsuishi, Katsuro Hayashi,
Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: J. Phys. Chem. C
2007, 111, 14855-14861(2007)
16. Fabrication of room temperature-stable 12CaO·7Al2O3
electride: A review; Sung-Wng Kim A Satoru Matsuishi,
Masashi Miyakawa, Katsuro Hayashi, Masahiro Hirano,
Hideo Hosono: J Mater Sci: Mater Electron, 18, S5-14,
(2007).
8.
Preparation of Semiconductive La-Doped BaSnO3 by a
Polymerized Complex Method and the Thermoelectric
Properties; Masahiro Yasukawa, Kaoru Ikeuchi, Toshio
17. Anion Incorporation-induced Cage Deformation in
12CaO ‧ 7Al2O3 Crystal; Takatoshi Nomura, Katsuro
Hayashi, Yoshiki Kubota, Toshio Kamiya, Masahiro
Hirano, Masaki Takata, and Hideo Hosono: Chemistry
49
Letters, 36, 902-903 (2007)
18. Combinatorial approach to thin-film transistors using
multicomponent semiconductor channels: An application
to amorphous oxide semiconductors in In-Ga-Zn-O
system; Tatsuya Iwasaki, Naho Itagaki, Tohru Den,
Hideya Kumomi, Kenji Nomura, Toshio Kamiya, and
Hideo Hosono: Appl. Phys. Lett., 90, 242114, (2007)
19. Superconductivity
in
an
Inorganic
Electride
12CaO·7Al2O3:e-; M. Miyakawa, S.W. Kim, M. Hirano,
Y. Kohama, H. Kawaji, T. Atake, H. Ikegami, K. Kono,
H. Hosono: J. Am. Chem. Soc.; (Communication), 129,
7270-7271, (2007)
20. Photoelectron Spectroscopic Study of C12A7:e- and
Alq3 Interface: The Formation of a Low
Electron-Injection Barrier; Ki-Beom Kim, Maiko
Kikuchi, Masashi Miyakawa, Hiroshi Yanagi, Toshio
Kamiya,Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: J. Phys.
Chem. C, 111, 8403-8406, (2007)
21. Epitaxial film growth, optical, electrical, and magnetic
properties of layered oxide In3FeTi2O10; Youichi Ogo,
Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Kenji Nomura,
Masahiro Hirano, Hideo Hosono: JOURNAL OF
APPLIED PHYSICS, 101, 103714, (2007)
22. Metallic State in a Lime-Alumina Compound with
Nanoporous Structure; Sung Wng Kim, Satoru Matsuishi,
Takatoshi Nomura, Yoshiki Kubota,Masaki Takata,
Katsuro Hayashi, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and
Hideo Hosono: Nano Letters, 7, 1138-1143, (2007).
23. Recent progress in transparent oxide semiconductors:
Materials and device application; Hideo Hosono: Thin
Solid Films, 615, 6000-6014, (2007)
24. High electron doping to a wide band gap semiconductor
12CaO·7Al2O3 thin film; Masashi Miyakawa, Masahiro
Hirano,Toshio Kamiya,and Hideo Hosono: Applied
Physics Letters, 90, 182105, (2007)
25. Active anion manipulation for emergence of active
functions in the nanoporous crystal 12CaO·7Al2O3: a
case study of abundant element strategy,; Hideo Hosono,
Katsuro Hayashi, Masahiro Hirano: J. Mater. Sci., 42,
1872-1883, (2007)
26. Fast Thin-Film Transistor Circuits Based on Amorphous
Oxide Semiconductor; Masato Ofuji, Katsumi Abe,
Hisae Shimizu, Nobuyuki Kaji, Ryo Hayashi, Masafumi
Sano, Hideya Kumomi, Kenji Nomura, Toshio Kamiya,
and Hideo Hosono: IEEE ELECTRON DEVICE
LETTERS, 28, 273-275, (2007)
27. Transparent Conducting Oxides for Photovoltaics;
E.Fortunato, D.Ginley, H.Hosono, and D.Paine: MRS
50
Bull, 32, 242-247, (2007).
28. Fluorine laser-induced silicon hydride SiH groups in
silica; Linards Skuja, Koichi Kajihara, Masahiro Hirano,
and Hideo Hosono: J. Non-Cryst. Solids, 353, 526-529,
(2007)
29. Reactivity of SiCl and SiF groups in SiO2 glass with
mobile interstitial O2 and H2O molecules; Koichi
Kajihara, Masahiro Hirano, Linards Skuja, Hideo
Hosono: J. Non-Cryst. Solids, 353, 514-517, (2007)
30. Nanoporous Crystal 12CaO·7Al2O3: A Playground for
Studies of Ultraviolet Optical Absorption of Negative
Ions; K. HAYASHI, P. V. SUSHKO, D. M. RAMO, A. L.
SHLUGER, S. WATAUCHI, I. TANAKA, S.
MATSUISHI, M. HIRANO, and H. HOSONO: J. Phys.
Chem. B, 111, 1946-1956, (2007)
31. From Insulator to Electride:A Theoretical Model of
Nanoporous Oxide 12CaO·7Al2O3; Peter V. Sushko,
Alexander L. Shluger, Masahiro Hirano, and Hideo
Hosono: J. Am. Chem. Soc., 129, 942-951, (2007).
32. Giant thermoelectric Seebeck coefficient of a
two-dimensional electron gas in SrTiO3; H. OHTA, S.
KIM, Y. MUNE, T. MIZOGUCHI, K. NOMURA, S.
OHTA, T. NOMURA, Y. NAKANISHI, Y. IKUHARA,
M. HIRANO, HI. HOSONO, and K. KOUMOTO:
Nature Mater., 6, 129, (2007).
33. Formation of Intrinsic Point Defects in Fluorine-doped
Synthetic SiO2 Glass by 60Co gamma-ray Irradiation;
Koichi Kajihara, Masahiro Hirano, Linards Skuja, and
Hideo Hosono: Chem. Lett., 36, 266-267, (2007).
34. Local coordination structure and electronic structure of
the large electron mobility amorphous oxide
semiconductor In-Ga-Zn-O: Experiment and ab initio
calculations; Kenji Nomura, Toshio Kamiya, Hiromichi
Ohta, Tomoya Uruga, Masahiro Hirano, and Hideo
Hosono: Phys. Rev. B, 75, 035212, (2007)
35. Phosphorus co-doping effect on photoluminescence in
Ce3+-doped SiO2 glasses: The formation of unique ligand
field by P-co-doping; Akira Saitoh,Shuhei Murata,
Satoru Matsuishi, Masanori Oto, Taisuke Miura,
Masahiro Hirano, Hideo Hosono: J. Luminescence,
122-123, 355-358, (2007)
36. Development of latent images due to transient free
carrier electrons by femtosecond laser pulses and its
application to grating shape trimming; Ken-ichi
Kawamura, Takukazu Otsuka, Masahiro Hirano, Toshio
Kamiya, and Hideo Hosono: Appl. Phys. Lett., 90,
011107, (2007).
37. Structural and photo-induced properties of Eu2+-doped
Ca2ZnSi2O7: A red phosphor for white light generation
by blue ray excitation; Hayato Kamioka, Takashi
Yamaguchi, Masahiro Hirano, Toshio Kamiya, Hideo
Hosono: J. Luminescence, 122-123, 339-341, (2007).
38. Electron emission characteristics of hydrogen doped
12CaO‧7Al2O3 electride for PDP; S. Webster, M.Ono, S.
Ito, H. Kajiyama, T shinoda, and H. Hosono: The 14th
International Display Workshop (IDW'07), 795-798,
(2007)
39. Electrode Materials for Low Electron / Hole Injection
Barrier Formation in OLED;H. Hosono, K.Kim,
H.Yanagi,T.Kamiya, H.Hiramatsu and M.Hirano: Proc.
The 14th International Display Workshop (IDW'07) (Dec.
5-7, 2007, Sapporo Convention Center, Sapporo, Japan),
OLED3-4, (2007)
40. Amorphous In-Ga-Zn-O based TFTs and Circuits; K.
Abe, H. Kumomi, K. Nomura, T. Kamiya, M. Hirano,
and H. Hosono: Proc. The 14th International Display
Workshop (IDW'07) (Dec. 5-7, 2007, Sapporo
Convention Center, Sapporo, Japan), (2007)
41. Transparent Amorphous Oxide Semiconductors for
High Performance TFT; Hideo Hosono: Proceedings of
SID'07, 1830-1833, (2007)
報告
半導体として注目されているのか; 神谷利夫, 野村
研二, 細野秀雄: Materials Integration(2007 年 3 月号、
株式会社ティー・アイ・シィー), 20, 40-46,(2007).
10. 酸化物半導体を利用した透明薄膜トランジスタ; 細
野秀雄, 神谷利夫:電子情報通信学会誌, 90, 232-238,
(2007).
11. 透明導電性酸化物の現状と将来展望; 細野秀雄:セラ
ミックス, 42, 2-6,(2007).
12. 室温で安定なエレクトライドの発見:特性と電子構
造; 松石聡, 細野秀雄:日本結晶学会誌, 49, 171-178,
(2007).
13. ユビキタス元素戦略ー現代の錬金術を目指す; 細野
秀雄: 化学と工業, 61, 28,(2008)
14. シリカガラス; 細野秀雄:工業材料, 56, 60-61,(2008).
15. セメントが超電導に; 平野正浩、宮川仁、金聖雄、
細野秀雄:機能材料, 28, 63-66,(2008).
16. ナノ構造を利用したセメント鉱物 C12A7 の金属化:
高透光性導電体薄膜の作製と停止後と関数を利用し
た電子注入電極への応用; 宮川仁, 金起範, 神谷利
夫, 平野正浩, 細野秀雄:表面科学, 29, 2-9,(2008).
17. フレキシブルディスプレイ用無機半導体の急展開-
透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)-; 細野秀
雄:月間ディスプレイ('08 2 月号), 59-63,(2008).
1.
研究室訪問「透明酸化物機能材料のフロンティア開
拓」細野秀雄:蔵前ジャーナル, N0.1004, 39-44,
(2007)
2.
セメントを透明半導体、金属、そして超電導体に変
えるー材料ユビキタス元素戦略の挑戦;細野秀雄: 未
来材料, 7, 84-89,(2007).
3.
セメントを金属に変えることに成功; 細野秀雄: セ
ラミックス, 42, 84-89,(2007).
19. 酸化物半導体の薄膜トランジスタへの応用; 野村研
二,神谷利夫,太田裕道,平野正浩,細野秀雄: 機
能材料(2008 年 3 月号), 28, 42-53,(2008)
4.
材料ユビキタス元素戦略の行方;細野秀雄: Ceramic
Data Book, 35, 67-70(2007)
著書
5.
O- イ オ ン を 高 濃 度 に 包 接 す る セ ラ ミ ッ ク ス
12CaO·7Al2O3(C12A7); 細野秀雄,林克郎:触媒, 49,
314-320,(2007).
18. ワイドギャップ p 型半導体 LaCuOSe の高濃度正孔
ドーピングと発光デバイス応用; 平松秀典,神谷利
夫,平野正浩,細野秀雄:機能材料(2008 年 3 月号),
28, 34-41,(2008).
1.
ガラスの辞典; 細野秀雄: (作花済夫編、朝倉書店),
シリカガラスの章(2007)
2.
酸化物薄膜トランジスタ: 透明結晶 TFT からフレキ
シブルアモルファス TFT まで; 神谷利夫、野村研二、
細野秀雄: 「低温ポリシリコン薄膜トランジスタの
開発」(シーエムシー出版, 2007/2/24), 243-264,
(2007).
無機半導体:a-Si の 10 倍の移動と低コストを実現す
る透明 TFT 向け無機半導体; 細野秀雄: FDP2007, 日
経マイクロデバイス, 214-226,(2007).
6.
セメントを金属に変身させる; 細野秀雄: マテリア
ルステージ, 8, 113-115,(2007)
7.
透明材料のフェムト秒レーザーナノ加工による機能
性付与と加工メカニズム; 河村賢一、平野正浩、神
谷利夫、細野秀雄: 光アライアンス, 18, 38,(2007).
3.
Functionalities of a Nanoporous Crystal 12CaO·7Al2O3
Originating from the Incorporation of Active Anions;
Katsuro Hayashi, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono:
Bull. Chem. Soc. Jpn., 80, 872-884, (2007).
国際会議(招待講演のみ)
8.
9.
なぜアモルファス酸化物がフレキシブルデバイス用
1.
Masahiro Hirano and Hideo Hosono: Cultivation of
Electronic Functions in Transparent Oxides; 10th
International Conference and Exhibition of the European
51
Ceramic Society (Berlin, Germany, June 17-21, 2007),
(2007).
2.
3.
Hideo Hosono: Introduction of Frontier Collaborative
Research Center; 2007 Korea-Japan Workshop on
Nanomaterials for IT (Dec. 27-28, 2007, Sungkyunkwan
University), (2007).
K. Abe, H. Kumomi, K. Nomura, T. Kamiya, M. Hirano,
and H. Hosono: Amorphous In-Ga-Zn-O based TFTs and
Circuits; The 14th International Display Workshop
(IDW'07) (Dec. 5-7, 2007, Sapporo Convention Center,
Sapporo, Japan), AMD9-2, (2007).
4.
Hideo Hosono: Superconducting cement:ceramics
renaissance through nanotechnology; Symposium of Bio
and Material COE Frontier (Yukohama, Nov.28), (2007).
5.
Toshio Kamiya, Kenji Nomura and Hideo Hosono: The
Present Status of Amorphous Oxide Semiconductors:
Carrier Transport, Electronic Structure, and Device
Applications; International 21st Century COE
Symposium on Atomistic Fabrication Technology (Osaka
University, Oct. 15-17, 2007), (2007).
6.
Hideo Hosono: Unique metallic state realized in
refractory oxide 12CaO.7Al2O3 with nano-porous crystal
structure; 2nd NIMS Japan-France Workshop on
Nanotechnology (Strausburg, October 23, 2007), (2007).
7.
Hideo Hosono: Transparent Amorphous Oxide
Semiconductors; Materials Design Concept and Device
Applications; The 34th International Conference on
Compound Semiconductors (October 17, 2007, Kyoto),
(2007). 基調講演
8.
Kazuhisa Kurashige, Shunsuke Ueda, Yoshitake Toda,
Satoru Matsuishi, Katsuro Hayashi, Masahiro Hirano,
and Hideo Hosono: Growth of 12CaO·7Al2O3 Single
Crystal; 5th International Symposium on Transparent
Oxide Thin Films for Electronics and Optics (TOEO-5,
Shonan, Japan, May 21-22, 2007) 21aO02, (2007).
9.
Toshio Kamiya: Amorphous Oxide Semiconductor:
Advantages, Applications, and The Present Status; 2007
Int. Conf. Solid State Devices and Materials (SSDM'07)
Rump Session "Oxide Electronics -Status and Outlook-"
(Epocal Tsukuba, 9/19-21, 2007), (2007).
10. Hideo Hosono: Transparent Amorphous Oxide
Semiconductors for High Performace Flexible TFTs;
KAIST-EMDEC Seminar (Seoul, August 14, 2007) ,
(2007).
11. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, and Hideo Hosono:
Oxide Semiconductors for Low-T TFTs: Fabrication,
Transport properties, electronic structures and device
characteristics; 2007 The Fourteenth Internaiontla
52
Workshop on Active-Matrix Flatpanel Displays and
Devices -TFT Technologies and Related Materials- (July
11-13, 2007, Awaji Yumebutai International Confernece
Center, Hyogo, Japan), (2007).
12. Masahiro Hirano and Hideo Hosono: Cutivation of
electronic function in transparent oxides; 10th
inteernational Conference and Exhibition of the
European Ceramics Society, (2007).
13. Masahiro Hirano and Hideo Hosono: New frontier in
oxides and related compounds; Materiais 2007, (Porto,
Portugal, August, 2007) (2007). 基調講演
14. H. Hosono, T. Kamiya, and K. Nomura: Recent
Advances in TAOS-TFT; 7th International Meeting on
Information Display (Daegu, Korea, August 30, 2007),
(2007).
15. Toshio Kamiya, Kenji Nomura and Hideo Hosono:
Recent progress in amorphous oxide semiconductor:
From structure, carrier transport to TFT performance;
Oxide TFT Workshop (ETRI, DaeJong, Korea,
2007/6/21), (2007).
16. Hidenori Hiramatsu, Kazushige Ueda, Hiromichi Ohta,
Toshio Kamiya, Masahiro Hirano and Hideo Hosono:
Transparent
p-Type
Semiconductors:
Layered
Oxychalcogenides; 10th International Conference and
Exhibition of the European Ceramic Society (Berlin,
Germany, June 17-21, 2007), (2007).
17. Sung Wng Kim, Satoru Matsuishi, Katsuro Hayashi,
Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono:
Metal-Insulator Transition in a Lime-Alumina
Compound with Nanoporous Structure; Joint Conf. 1st
Int. Conf. on the Sci. and Technol. for Adv. Ceramics
(STAC) and 2nd Int. Conf. on Joining Technology for
New Metallic Glasses and Inorg. Mater. (JTMC)
(STAC-JTMC, Shonan, Japan 23-25, May, 2007),
24ApO04, (2007).
18. Hidenori Hiramatsu, Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya,
Masahiro Hirano, Noriaki Matsunami and Hideo
Hosono:
Carrier
transport
properties
of
copper-containing chalcogenide thin films deposited at
room temperature; 5th International Symposium on
Transparent Oxide Thin Films for Electronics and Optics
(TOEO-5, Shonan, Japan, May 21-22, 2007) 21pO03,
(2007).
19. H. Kumomi, K. Nomura, T. Kamiya, H. Hirano, and H.
Hosono: Uniformity and integrated circuits of
amorphous oxide channel TFTs; European Mater. Res.
Soc. Symp. Spring Meeting (E-MRS2007, Strasbourg,
France, May 28 - June 1, 2007) I-6-6, (2007).
20. H. Hosono: Function Cultivation in Transparent Oxide
道工業大学, 手稲, 2007 年 9 月 4 日~9 月 8 日)
6p-ZV-4,(2007).
Utilizing built-in nanostructure; ICYS-ICMR Summer
School (July 23, Tsukuba), (2007).
21. H. Hosono: RT-stable electrides for display applications;
International Display Manufacturing Conference &
Exhibition (Taipei, July 3-6, 2007), (2007).
22. H. Hosono: New Type Oxide Semiconductors; 14th
International Symposiumon Intercalation Compounds
(June, 12-15, Seoul, Korea) (Plenary Talk), (2007)
基調講演
23. H. Hosono, K.Nomura and T. Kamiya: Transparent
Amorphous Oxide Semiconductors for High Performance
TFT's; SID 2007 International Sumposium (Ling Beech,
CA, USA. May, 21-25, 2007), (2007).
24. Hideo Hosono, Toshio Kamiya, Hiroshi Yanagi: Room
temperature stable electride and its application to the
cathod in OLED; Asia Display 2007 International
Conference (March 12-16,Shanghai, 2007), (2007).
25. Hideo Hosono: Electron in Glass: transparent amorphous
oxide semiconductors and room temperature stable
electride glass-ceramics; International Workshop on
Scientific Challenges for New Functionality in Glass
(Washington DC, April 15-17, 2007), (2007).
26. Hideo Hosono: Room temperature stable electride :
synthesis, properties, electronic structure, and
application; The 5th International Symposium on
exploring new science by bridging particle-matter
hierarchy (Sendai, Feb. 14-15, 2007), (2007).
27. Hideo Hosono: Frontier of Recent Progress in
Transparent Oxide Semiconductors: New Materials and
Device Application; The 31st International Cocoa Beach
Conference & Expositrion on Advanced Ceramics and
Compsoites (Florida, Jan.20-26, 2007), (2007).
国内会議(招待講演のみ)
6.
細野秀雄: 材料ユビキタス元素戦略:セメントを超伝
導体に変身させる; 産業技術連携推進会議 ナノテ
クノロジー・材料部会セラミックス分科会 総会(9
月 7 日, 名古屋),(2007).
7.
細野秀雄: 機能材料としての透明酸化物のフロン
ティア開拓; JST 第 7 回 SORST シンポジウム(6 月
20 日、コクヨホール, 東京),(2007). 基調講演
8.
細野秀雄: TAOS-TFT とその可能性; 電子協 ナノ
エレクトロニクス技術分科会 第 1 回委員会(8 月
2 日, 機械振興会館, 東京),(2007).
9.
細野秀雄: C12A7 エレクトライド、
LaFeOP 超電導; 第
2 回新超電導物質探索調査委員会(ISTEC, 7 月 28 日,
東京),(2007).
10. 細野秀雄: セメントを金属に変身させる; 高分子同
友会研究会(東京, 7 月 3 日),(2007).
11. 細野秀雄: ナノ構造をセメントを金属に変身させる;
ナノテクビジネス協議会(7 月 4 日、東京), (2007).
12. 細野秀雄: 透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)
を活性層とする高性能で曲がるトランジスタ; 東北
大金研研究会「有機トランジスタの学理と応用」
(6/28),(2007).
13. 細野秀雄: 有機 EL 用バックプレーンとしての TAOS
の 可 能 性 ; Electronic Journal 157th Technical
Symposium(コクヨホール、6 月 27 日),(2007).
14. 細野秀雄: 透明アモルファス酸化物半導体とその
TFT 応用; 第 26 回電子材料シンポジウム(大津, 7
月 5 日),(2007).
15. 細野秀雄: 透明酸化物の特徴を活かした機能開拓;
176 回ニューセラミックス懇話会& 156 回センシン
グ技術応用研究会(京都、5 月 15 日),(2007).
1.
細野秀雄: 透明で電気の流れるセラミックス; 富山県
とことん科学セミナー(富山、12 月 15 日), (2007).
16. 細野秀雄: 材料ユビキタス元素戦略; エコマテリア
(2007)
,
.
ルフォーラム 2007 度総会(東京、5 月 17 日)
2.
細野秀雄: 材料ユビキタス元素戦略:物質科学の挑戦;
日本化学会 第一回産学連携フォーラム(12 月 12
日、化学会館),(2007).
3.
細野秀雄: 材料ユビキタス元素戦略; 日本セラミッ
クス協会第 26 回エレクトロニクスセミナー(東大
先端研、11 月 30 日),(2007).
17. 細野秀雄: C12A7+活性アニオン=電子機能材料; 日
本セラミックス協会 年会特別企画「元素戦略」 国
家プロジェクト“元素戦略” (東京、3 月 21 日),
(2007).
4.
5.
細野秀雄: 透明アモルファス酸化物へのドーピング
と欠陥; 第 34 回アモルファスセミナー(蔵王, 9 月
27-29 日),(2007).
細野秀雄: 酸化物の構造の乱れと光・電子物性; 2007
年秋季 第 68 回応用物理学会学術講演講演会(北海
18. 細野秀雄: 材料科学は元素戦略で何ができるか; パ
ネルディスカッション、NIMS 元素戦略シンポジウ
ム(東京、3 月 2 日),(2007).
19. 神谷利夫,細野秀雄: ワイドギャップ酸化物の特徴を
活かした光電子デバイスと電子構造; テクノ・シンポ
ジウム名大
「酸化物の科学の新しい展開」
(2007/3/7, 名
古屋大学ベンチャービジネスラボラトリー)(
, 2007).
53
20. 細野秀雄: 透明電子活性材料:研究の動機と経緯; 愛
知県若手研究者奨励事業第1回「わかしゃち奨励賞」
優秀賞発表会、
(2 月 23 日, 名古屋),(2007).基調
講演
■ 研究室の在籍者(平成 19 年度中)
21. 細野秀雄: 透明電子活性酸化物:セラミックスの新し
いフロンティア; 3大学3研究所連携プロジェクト
公開討論会「金属ガラス・無機材料新接合技術と先
進材料創製」(3 月 9 日, 千里, 大阪),(2007).
22. 細野秀雄: 材料ユビキタス元素戦略; 元素戦略/希少
金属代替材料開発 府省連携シンポジウム(2 月 16
日, 東大),(2007).
23. 細野秀雄: ありふれた元素の底力:持続社会のための
新材料; 日本化学会年会(3 月 27 日、関西大学),
(2007). 細野秀雄: 透明アモルファス酸化物半導
体:物質設計、電子輸送、デバイス応用; 日本学術振
興会 第 147 委員会(2 月 27 日、弘済会館)(
, 2007).
■
特許(平成 19 年度)
出願
5件
■
24. 細野秀雄: 透明酸化物半導体:最近の進歩; 日本学術
振興会 第 131 委員会(2 月 2 日、アジュール竹芝),
(2007).
25. 細野秀雄: 活性アニオンを活用した透明酸化物の機
能開拓; 学術創成研究「活性アニオンを活用した透
明酸化物の機能開拓」中間報告(日本学術振興会 第
166 委員会、1 月 19 日、青学会館),(2007).
海外渡航の回数(平成 19 年度)
13 回
■
学会役員(平成 19 年度)
・E-MRS オーガナイザー
・TOEO-5
■
研究費の取得状況
科学研究費補助金
(平成 19 年度)
(主な研究資金として)
<文部科学省科学研究費補助金
学術創成研究費>
2
9
7
0
0
7
6
学部学生
大学院修士課程在籍者
大学院博士課程在籍者
研究生
受託研究員
民間等共同研究員
その他ポスドク等
オーガナイザー
・22nd ICANS
・ICOPMA-2
平成 19 年秋季大会
平成 19 年度
国際プログラム委員
国際プログラム委員
・日本セラミックス協会
理事
平成 19 年度
平成 19 年度
平成 19 年度~
ナノ構造と活性アニオンを活用した透明酸化物の機能開
拓
平成 16 年度~20 年度
平成 19 年度
85,000,000 円
政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として)
<科学技術振興機構
ERATO-SORST
戦略的創造研究継続研究
細野透明電子活性プロジェクト>
ナノ構造を利用した透明酸化物機能開拓と応用展開
平成 16 年度~21 年度
平成 19 年度
29,749,800 円
共同研究(上記を除く)
4件
4,778,000 円
54
政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 19 年度)
・科学技術振興機構 ERATO-SORST 透明電子活性プロ
ジェクト代表研究者 平成 16 年~平成 21 年
・日本学術振興会 第 166 委員会幹事・運営委員
18 年~平成 22 年
平成
・文部科学省 科学技術動向研究センター 平成 19 年度
・科学技術振興機構 連携会員:審議会
会・専門委員 平成 19 年度
基礎研究部
・科学技術振興機構:CREST・領域アドバイザー
18 年~平成 22 年
平成
・日本学術振興会:グローバル COE・プログラム専門委
員 平成 19 年度
奨学寄附金
8件
■
7,900,000 円
・日本学術振興会
18 年~
科学研究賞委員会・専門委員
平成
・日本学術振興会
魅力ある大学院教育イニシアティブ
委員会
平成 18 年~平成 20 年
・文部科学省 元素戦略プロジェクト選考委員会・委員
長 平成 19 年度
・NEDO 技術委員
平成 17 年~
・内閣府 総合科学技術会議ナノテク材料プロジェクト
チームメンバー 平成 17 年~
・日本学述会議
■
連携会員
平成 18 年~
記事(平成 19 年度)
15. 希少金属の代役求む; 朝日新聞(2007/5/4 朝刊),
(2007).
16. IDW'06 にみる PDP 保護膜のニューテクノロジー MgO
ベースの新材料や MgO マルチレイヤーに注目 Mg を
ドープした C12A7 の適用にも現実味が; E Express
(2007 年 2 月 15 日号), 16-19,(2007).
17. セメントを触媒に;平成 19 年 12 月 17 日(月)日経
産業新聞
18. 高校生 科学とことん セラミックスの性質学ぶ;
平成 19 年 11 月 15 日(土)北日本新聞・富山新聞
1. 細野秀雄: 研究室訪問「透明酸化物機能材料のフロン
ティア開拓」; 蔵前ジャーナル, 1004, 39-44,(2007).
19. 曲がる高性能透明トランジスタ;平成 19 年 10 月 24
日(土)韓国 HBC ワールドサラライド
2. 【インタビュー】セメント原料のかごに電子を入れ
ユニークな素材にする現代の錬金術; 商工ジャーナル、
33(12)50-53(2007)
20. セメントに電気が流れた:現代の錬金術?;平成 19
年 10 月 24 日(土)NHK教育テレビ サイエンス
ZERO 出演
3. 「透明電子活性材料:研究の動機と経緯」細野秀雄氏
基調講演; 科学技術交流 NEWS, 13, 7,(2007).
21. 希少貴金属問題「メモリー、アルミで代替研究」文
部科学省の元素戦略プロジェクトのテーマ「アルミ
陽極酸化膜を用いた次世代不揮発性メモリの開発」
が紹介;平成 19 年 8 月 21 日(火)日経産業新聞
4. 細野秀雄(東大 藤森研+ ERATO-SORST): 発電の
しくみ 熱伝材料で解明; 日経産業新聞 (2007/11/2),
(2007).
22. ありふれた材料を高機能に;平成 19 年 7 月 15 日(日)
日経新聞
5. 細野秀雄: ありふれた物質から新しい機能を生み出す
という発想; NIMS NOW スペシャルインタビュー,
(2007).
23. セメントを超伝導体化;平成 19 年 6 月 22 日(金)
科学新聞
6. 最新! J 科学 No.30「金属セメント」; 論座(2007
年 9 月号), 54, 12-13,(2007).
24. セメント成分が超伝導化;平成 19 年 6 月 13 日(水)
NHK ニュース
7. 特集「透明回路」; 日経エレクトニクス(8 月 27 日
号),(2007).
25. セメント原料の超電導に成功;平成 19 年 6 月 13 日
(水)
asahi.com/ 朝日新聞/ 日経新聞/ 日経産業新聞
8. 石ころのナノテク 酸化物が半導体に; 日刊工業新聞
(9 月 3 日),(2007).
26. あの瞬間「セメントが金属になる」;平成 19 年 6 月
11 日(月)読売新聞
9. ナノテクと素材科学(セメント素材の超電導化)大
学院・大学・通信教育で学べることがわかる; 日経キャ
リアマガジン 日経 HR, 54,(2007).
27. セメント→金属に変身;平成 19 年 6 月 10 日(日)
しんぶん赤旗
10. Tokyo Institute of Technology and Riken make
superconducting C12A7; Superconductor Week, 21, 5,
(2007).
11. インタビュー ありふれた材料の価値を高める; M&
E(2007 年 6 月号), 30-31,(2007).
12. 特集 金属高騰に勝つ:期待高まる新材料; 日経もの
づくり(2007 年 7 月号), 71,(2007).
13. あの瞬間 セメントが金属になる; 読売新聞(夕刊,
2007 年 6 月 11 日),(2007).
14. セメントが金属に変わる?; ニュートン(2007 年 7
月号 P-13),(2007).
28. 「希少金属の代役求む」
「元素危機」回避へ国家戦略
-ありふれた元素から新機能-;平成 19 年 5 月 4 日
(金)朝日新聞
29. セメント材料から液晶ディスプレイ? -通電に成
功-;平成 19 年 4 月 13 日(金)asahi.com/ 朝日新聞・
夕刊
30. セメント成分を金属に;平成 19 年 4 月 11 日(水)
朝日新聞/ 毎日新聞/ 日刊工業新聞/ 日経新聞/
日経産業新聞
31. 高効率の熱電変換材料;平成 19 年 1 月 22 日(月)
朝日新聞/ 毎日新聞/ 日刊工業新聞/ 日経新聞/
日経産業新聞
32. 「ありふれた酸化物を使って巨大な熱起電力を発
55
見」
;平成 19 年 1 月 21 日(日)
「Nature Materials」
(電
子版)論文掲載
33. Superconducting cement;Nature Mater., 6, 624, (2007)
34. 特集「透明回路」
;日経エレクトニクス(8 月 27 日号)
35. 「小さな小さな大発見」-日本のナノテクノロジー・
材料分野ナビゲーター;内閣府総合科学技術戦略会
議
■
イノベーション研究推進体への参加状況(平成 19 年度)
ナノ構造制御による量子機能材料の創製と酸化物エレク
トロニクスへの展開:伊藤満、山内尚雄、細野秀雄、川
路均、神谷利夫、松本祐司、谷山智康
■
21 世紀 COE プログラムへの参加状況(平成 19 年度)
グローバルCOE:材料イノベーションのための教育研究
拠点
■
関連イベントへの協力・参加状況(平成 19 年度)
1. 高校生とことん科学セミナー
開催日:平成 19 年 11 月 15 日
主
催:富山県人つくり財団
会
場:大山研究センター
講
演:細野秀雄、大学院生
2. 「開発・製品企画者のための革新的環境調和型無機
材料開発の最前線」~エネルギー・エレクトロニク
ス・グリーンケミストリーにおける基礎と応用~
開催日:平成 19 年 11 月 27 日~11 月 30 日
主
催:(財)神奈川科学技術アカデミー
会
場:かながわサイエンスパーク(KSP)
講
演(オーガナイザー):
細野秀雄「材料ユビキタス元素戦略・今が
チャンスの材料研究」
56
物質系
秦プロジェクト
<新しい薄膜金属ガラスのコンビナトリアル創成と産業応用展開>
プロジェクトリーダー
秦 誠一 准教授
研究期間
平成17年度~平成20年度
研究費総額
約 1 億円
研究資金ソース
NEDO 大学発事業創出実用化研究開発事業、NEDO 産業技術研究助成事業、
文科省科学研究補助金、東京工業大学と民間との共同研究
■ 研究内容
目的に応じた新材料と、その加工方法を迅速に見出すことは、21 世紀の日本の国際産業競争力を維持、
向上させるために重要である。本プロジェクトは、薄膜金属ガラスという新材料の組成探索、用途別の組
成最適化から、その加工方法、産業応用展開までを一貫して高速、並列に行うことを目的とする。薄膜金
属ガラスは、過冷却液体域と呼ばれる温度領域において、水飴状に軟化する新しいアモルファス合金であ
る。我々は、薄膜金属ガラスを用いた立体的な MEMS の製作に世界で始めて成功し、その過冷却液体域
を利用した微細成形法の基礎的な特許を取得している。
この薄膜金属ガラスを、より使いやすい材料とするために、用途に応じた組成最適化や、新規組成の探
索を迅速に進める必要がある。そこで、組み合わせによる多数のサンプル群の一括生成と、その高速評価
を特徴とするコンビナトリアル手法を利用する。新しいコンビナトリアル薄膜合成法として、コンビナト
リアルアークプラズマ蒸着(CAPD)法を開発した。さらに、CAPD に対応した高速評価法や、加工プロ
セス条件の探索にもコンビナトリアル手法を適用する。
具体的には、マイクロプローブ等に適用可能な低電気抵抗薄膜金属ガラス、各種マイクロアクチュエー
タ用の高弾性・高強度薄膜金属ガラス、ガラスレンズ成形金型に適用可能な耐熱・耐蝕性薄膜金属ガラス
などの探索とその微細加工法を開発する。
■ 新産業創造・新分野開拓の可能性
本プロジェクトにより、薄膜金属ガラスを用いた立体的な MEMS や、回折格子を有するガラスレンズ
成形金型など従来の材料、加工法では実現困難な部品や製品を実用化することができる。さらに、コンビ
ナトリアル成膜装置、高スループット評価装置など、新しいコンビナトリアル産業の創出が期待できる。
■ 研究参加者
【学外】 (株)アドバンテスト、(株)アルバック、オリンパス(株)、コニカミノルタオプト(株)、
松下電工(株)、日本信号(株)、(株)富士通研究所、キヤノン(株)
【学内】 精密工学研究所下河邉明教授、益一哉教授、吉田和弘准教授、進士忠彦准教授、桜井淳平助教、
総合理工学研究科佐藤海二准教授、応用セラミックス研究所松本祐司准教授
57
■■■
平成19年度主要トピックス
■■■
1.高機能光学素子金型用の新しい薄膜金属ガラスの創成と実用化
(ファンド:共同研究費)
(背景)ブルーレイディスク、HD-DVD など小型で高機能な光学素子として、回折格子付きの非球面レ
ンズが必要とされている。プラスチックレンズでは、射出成形により、このような高機能レンズが実現さ
れているが、屈折率など光学特性に優れるガラスレンズでは、超硬合金など従来の金型材料が、いずれも
難加工材であり、シングルポイントダイヤモンド切削加工(Single-point diamond machining: SPDM)による
超精密切削加工が不可能であるために、未だ実用には至っていない。
そこで、本研究では、結晶粒が存在しないために、本質的に超精密切削加工が可能であるアモルファス
合金を、金型材料として適用することを検討した。回折格子付の非球面ガラスレンズなどの成形用金型(以
下,高機能光学素子金型)に適用可能なアモルファス合金への要求としては、①金型ブランク材上に 50 μm
以上の膜厚で成膜可能、②大気中でガラス成形(成形温度約 723 K 以上)を行っても結晶化、酸化やガラ
スとの融着を生じない、③SPDM による超精密加工(表面粗さ 30 nm Rmax 以下)が可能、④少なくとも
引張強度がステンレスと同等(0.6 GPa)以上、などを挙げることができる。
(成果)本研究グループでは、上記条件を満足する材料を探索する手法として、組成の異なる材料サン
プル群を一度に大量に製作・評価するコンビナトリアル探索を適用した。金属材料、特にアモルファス合
金のコンビナトリアル探索用に開発した、コンビナトリアルアークプラズマ蒸着(Combinatorial Arc Plasma
Deposition: CAPD)を使用し、背景で述べた①~④の条件を満たす Pt 基のアモルファス合金として、
Pt51Hf20Zr17Ni12 アモルファス合金を発見した。発見された Pt51Hf20Zr17Ni12 アモルファス合金は、結晶化開始温
度(Tx)973 K 以上であり、大気中で 723 K に加熱しても酸化、結晶化することなく、引張強度 0.87 GPa
を示した。
今年度は、さらなる引張強度、切削性の向上を目指し、探索を続けた。その結果、Pt50Zr36Ni14 を発見した。
Pt51Hf20Zr17Ni12 と、Pt50Zr36Ni14 との比較を表1に示す。本アモルファス合金をスパッタにて成膜し、SPDM に
よる超精密加工により、高機能光学素子成形金型の製作とガラスレンズの成形に成功した(図1)。今後
は、金型としての耐久性を実機にて実証すると共に、希少元素である Pt を除外した Pt フリーの新合金の
探索を、CAPD を用いて行う。
表1
ガラスレンズ金型用アモルファス合金
組成
Tx
引張強度
切削性
Pt50Zr36Ni14
985 K
2.12 GPa
Ra 2.5 nm
Pt51Hf20Zr17Ni12
992 K
0.87 GPa
Ra 5.0 nm
図1 切削加工により製作した回折格子
(左:Pt51Hf20Zr17Ni12,右:Pt50Zr36Ni14)
58
2.新しいコンビナトリアル探索法とその応用
(ファンド:科研費)
(背景)多数の合金系で発見されている金属ガラスは、組成の選択幅が広く、アモルファス合金である
ため、通常の多結晶合金のように結晶粒の成長や析出などを制御する必要が無い。従って本質的に、物性
の選択性が高い。しかし、要求に適した物性を有する組成を従来の手法で探査するのは、膨大な時間、費
用が必要となってしまう。そこで、近年提案されているコンビナトリアル手法(組み合わせによる多数の
サンプル群を用いた材料探索)を取り入れることで、新しい薄膜金属ガラスや薄膜アモルファス合金の効
率的探索を試みている。
(成果)新しいコンビナトリアル探索法とその応用として、①本研究グループが開発し、特許申請を行
った、蒸着源としてアークプラズマガン(APG)を採用したコンビナトリアルアークプラズマ蒸着
(Combinatorial arc plasma deposition: CAPD)とその改良、②CAPDを使用して成膜した組成傾斜膜を、格
子状に分割してサンプル群化した薄膜ライブラリと、そのサンプルの各種物性値を測定するコンビナトリ
アル評価法の開発、③新しい機能、物性を持つ薄膜金属ガラス、薄膜アモルファス合金の開発を行ってい
る。
本年度は、アモルファス合金の重要な物性である、結晶化開始温度(Tx)について、薄膜ライブラリ上
で測定可能な方法の検討を行った。通常、結晶化開始温度は示差走査熱量計(DSC)を利用して測定され
るが、薄膜ライブラリ上のサンプルでは、サンブルが微小なため測定が不可能である。そこで新しい測定
法として、サーモグラフィを用い、サンプルの結晶化前後の電気抵抗率の変化を、放射率の変化として測
定する方法を考案した。図2に実験装置を、図3に測定結果を示す。測定の結果、2種類のPtSi系薄膜ア
モルファス合金を用いて、実証実験を行った。本方法により、従来のDSCでは測定不可能な微小サンプル
でも、DSC測定による結果と、8 K以内の差で結晶化開始温度を測定することができた。
図2 サーモグラフィを用いた
コンビナトリアルTx測定装置
図3 本方法とDSC測定結果の比較
59
■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■
■
研究業績 (平成 19 年 1 月-12 月)
2.
M. Abe, S. Hata, R. Yamauchi, J. Sakurai and A.
Shimokohbe: Combinatorial Searching for Pt-Zr-Ni Thin
Film Amorphous Alloys for Glass Lens Mold, Proc. of
2007 MRS Fall Meeting A6.14 CD-ROM (2007.11,
Boston, MA, USA), (Poster)
3.
Y. Aono, S. Hata, J. Sakurai, R. Yamauchi, H. Tachikawa
and A. Shimokohbe: Basic Research on Combinatorial
Evaluation Method for Coefficient of Thermal
Expansion, Proc. of 2007 MRS Fall Meeting A6.8
CD-ROM (2007.11, Boston, MA, USA), (Poster)
4.
J. Sakurai, S. Hata and A. Shimokohbe: Characteristics
of Thin Film Metallic Glasses for MEMS and Precise
Part, Proceedings of Second TIT-BIT Joint Workshop on
Mechanical Engineering, CD-ROM (2007. 8. 16-18,
Tokyo), (Oral)
5.
Seiichi Hata, Ryusuke Yamauchi, Junpei Sakurai and
Akira Shimokohbe: Behavior of joining interface
between thin film metallic glass and silicon nitride at
heating, Abstracts in1st International Conference on
Science and Technology for Advanced Ceramics (STAC)
and 2nd International Conference on Joining Technology
for New Metallic Glasses and Inorganic Materials
(JTMC), pp. 56 (2007. 5. 23-25, Kanagawa), (Poster)
6.
R. Tanabe, S. Hata, A. Shimokohbe: A Disposable
Concept Laminated MEMS Hematology Chip,
Conference Proceedings of 7th International Conference
of the European Society for Precision Engineering and
Nanotechnology, Bremen, Germany, 2007, Vol. 1, pp.
45-48.(Oral)
研究論文
1.
2.
Seiichi Hata, Junpei Sakurai, Ryusuke Yamauchi and
Akira Shimokohbe, Search for Novel Amorphous Alloys
with High Crystallization Temperature by Combinatorial
Arc Plasma Deposition, Applied Surface Science, 254,
[3] 738-742 (2007)
3.
Junpei Sakurai, Seiichi Hata, Ryusuke Yamauchi and
Akira Shimokohbe, Combinatorial Arc Plasma
Deposition Search for Ru-based Thin Film Metallic
Glass, Applied Surface Science, 254, [3] 720-724 (2007)
4.
Rikiya Tanabe, Seiichi Hata and Akira Shimokohbe, A
Hemoglobin and Volum Measurement Sensor for Point
of Care Testing Analyzer using MEMS Process, IEEJ
Transactions on Sensors and Micromachines, 127, [5]
267-271 (2007)
Junpei Sakurai Seiichi Hata, Ryusuke Yamauchi and
Akira Shimokohbe, Searching for Novel Ru-Based Thin
Film Metallic Glass by Combinatorial Arc Plasma
Deposition, Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 46, No. 4A, 2007,
pp. 1590-1595
報告
1.
誠一:アモルファス合金による微細構造・MEMS
秦
の実現,㈶マイクロマシンセンター・第13回
マイ
クロナノ先端技術交流会 2007.11.9
2.
秦
誠一:マイクロ・ナノ加工技術ロードマップ,
日本機械学会
創立110周年記念事業 JSME技術ロ
ードマップ公表・パネルシンポジウム 2007.10.26
3.
秦
国内会議
1.
桜井淳平・秦 誠一・山内隆介・下河辺 明:高機
能ガラスレンズ金型材料の探索I-白金族基非晶質
合金の探索-,2007年度精密工学会秋季大会学術講
演会講演論文集,241-242(2007.9.12-14 旭川)
2.
山内隆介・秦 誠一・桜井淳平・下河辺 明:高機
能ガラスレンズ金型材料の探索II-機械的特性,切
削特性の改善-,2007年度精密工学会秋季大会学術
講演会講演論文集,243-244(2007.9.12-14 旭川)
3.
Sun Dongming・Wang Sheng・Hata Seiichi・Shimokohbe
Akira: Research on the driving mechanism for a new
type of ultrasonic linear microactuator, Proc. Autumn
meeting of JSPE, 747-748 (2007. 9. 12-14 Asahikawa)
4.
Wang Sheng・Sun Dongming・Hata Seiichi・Shimokohbe
Akira: Design and simulation of cylindrical ultrasonic
linear microactuator, Proc. Autumn meeting of JSPE,
749-750 (2007. 9. 12-14 Asahikawa)
誠一:技術ロードマップ:マイクロ・ナノ加工
技術から,日本機械学会2007年度年次大会特別企画
2007.9.11
4.
秦
誠一:新しいアモルファス合金薄膜のコンビナ
トリアル創成,ケミカルエンジニアリング,52, [1],
7-12(2007)
国際会議
1.
60
J. Sakurai, S. Hata, R. Yamauchi, H. Tachikawa and A.
Shimokohbe: Combinatorial Searching for Nobel
Metal-based Amorphous Alloy Thin Films for Glass
Lens Mold, Proc. of 2007 MRS Fall Meeting A1.6
CD-ROM (2007.11, Boston, MA, USA), (Oral)
5.
6.
青野祐子・秦 誠一・桜井淳平・山内隆介・下河辺
明:MEMS材料のコンビナトリアル評価 ―線膨張係
数と縦弾性係数の同時評価法―,2007年度精密工学
会 秋 季 大 会 学 術 講 演 会 講 演 論 文 集 , 829-830
(2007.9.12-14 旭川)
知京豊裕・桜井淳平・秦 誠一・松本祐司・大毛利
健治・柳生進二郎・吉武道子・渡部平司・山田啓作・
下河邉 明:次世代メタルゲート材料としてのアモ
ルファス合金の探査,2007年春季第54回応用物理学
関連連合講演会講演予稿集No.2.902(2007.3.27-30
東京)
共同研究(上記を除く)
4件
12,033,800 円
奨学寄附金
1件
5,000 千円
■ 研究室の在籍者(平成 19 年度中)
学部学生
大学院修士課程在籍者
大学院博士課程在籍者
研究生
受託研究員
民間等共同研究員
その他ポスドク等
0
3
2(1)
0
0
2
1(1)
(内留学生人数)
7.
秦 誠一・藤田敏充・山内隆介・桜井淳平・下河辺
明:合金カソードを用いたコンビナトリアルアーク
プラズマ蒸着法の基礎的研究,2007年春季第54回応
用 物 理 学 関 連 連 合 講 演 会 講 演 予 稿 集 No.2 . 698
(2007.3.27-30 東京)
8.
田邊力也・秦 誠一・下河辺 明:MEMSプロセス
を応用した, 積層型血球分析チップの製作,2007年
度 精 密 工 学会春 季 大 会 学術講 演 会 講 演論文集 ,
1113-1114(2007.3.20-22 東京)
■
木村友治・秦 誠一・桜井淳平・下河辺 明:バイ
メタルカンチレバーのプロセス条件のコンビナト
リアル探索法,2007年度精密工学会春季大会学術講
演会講演論文集,403-404(2007.3.20-22 東京)
公開
「コンビナトリアルマテリアル用評価基板」
発明者
秦誠一,山内隆介,櫻井淳平,下河邉明
出願人
国立大学法人東京工業大学
公開番号
特開 2006-308443
公開日
平成 18 年 11 月 9 日(2006.11.9)
9.
10. 秦 誠一・山内隆介・桜井淳平・下河邉 明:薄膜
金属ガラスと窒化シリコン接合界面の加熱時挙動,
3大学3研究所連携プロジェクト公開討論会講演
概要,111-112(2007.3.9 大阪)
■
研究費の取得状況(平成 19 年度)
科学研究費補助金
(主な研究資金として)
<基盤 B>
高機能金型材料の創成とそのナノ加工
平成 19 年度~20 年度
平成 19 年度
6,370 千円
<萌芽研究>
集積化薄膜ライブラリによるコンビナトリアル材料評価
平成 19 年度~20 年度
平成 19 年度
1,800 千円
政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として)
<文部科学省
全国共同利用附置研究所連携事業>
金属ガラス・無機材料接合技術開発拠点
平成 17 年度~21 年度
平成 19 年度
5,000 千円
特許(平成 19 年度)
出願
2件
※特記事項:内 1 件は,出願前譲渡済
「ガラス転移温度測定装置、及びガラス転移温度測定方法」
発明者
秦誠一,櫻井淳平,下河邉明
出願人
財団法人理工学振興会
公開番号
特開 2006-329954
公開日
平成 18 年 12 月 7 日(2006.12.7)
「熱特性測定装置、及び熱特性測定方法」
発明者
秦誠一,櫻井淳平,山内隆介,下河邉明
出願人
財団法人理工学振興会
公開番号
特開 2006-329955
公開日
平成 18 年 12 月 7 日(2006.12.7)
「Mo 系耐熱アモルファス合金」
発明者
櫻井淳平,秦誠一,下河邉明
出願人
財団法人理工学振興会
公開番号
特開 2006-348333
公開日
平成 18 年 12 月 28 日(2006.12.28)
登録
「複合部材の製造方法及び複合部材」
発明者
高橋誠也,秦誠一
出願人
オリンパス株式会社,井上明久
登録番号
特許第 3862799 号
登録日
平成 18 年 10 月 6 日(2006.10.6)
61
■
海外渡航の回数(平成 19 年度)
2. 第 18 回マイクロマシン展
1回
開催日:平成 19 年 7 月 25 日~7 月 27 日
■
学会役員(平成 19 年度)
・ 日本塑性加工学会 マイクロ加工研究委員 2001 年 8 月~
・精 密 工 学 会 ME M S 商 業 化 技 術 専 門 委 員 会 委 員
2003 年 3 月~
・電気学会 論文委員会(E グループ)幹事 2005 年 4 月
1 日~
・日本機械学会 第 85 期 M&P 部門 運営委員 2007 年
4 月 1 日~2008 年 3 月 31 日
・ 日本機械学会第 85 期 M&P 部門 第6技術委員会
(将来計画)委員 2007 年 4 月 1 日~2008 年 3 月 31 日
・日本機械学会第 85 期 M&P 部門 広報委員会幹事
2007 年 4 月 1 日~2008 年 3 月 31 日
・日本機械学会産学連携センター技術ロードマップ委員
2007 年 4 月 1 日~2008 年 3 月 31 日
・精密工学会 2007 年度校閲委員会協力委員 2007 年 4 月
1 日~2008 年 3 月 31 日
■
政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 19 年度)
・NEDO ビアレビューア
■
2002 年~
記事(平成 19 年度)
1. 「マイクロ・ナノ加工技術ロードマップ」解説記事
日刊工業新聞(2007 年 10 月 26 日)第 2 部 5 面
■
イノベーション研究推進体への参加状況(平成 19 年度)
コンビナトリアル科学研究推進体
代表者:高橋孝志
(理工学研究科)
■
関連イベントへの協力・参加状況(平成 19 年度)
1. セミコ・ジャパン 2007
開催日:平成 19 年 12 月 5 日~12 月 7 日
主
催:SEMI(Semiconductor Equipment and Materials
International)
会
場:幕張メッセ
ブース展示:「積層型 MEMS 血球分析チップ」
62
主
催:(財)マイクロマシンセンター
会
場:東京ビックサイト
ブース展示:「積層型 MEMS 血球分析チップ」
環境系
吉川プロジェクト
<廃棄物・バイオマスの革新的エネルギー資源化技術の総合的開発>
プロジェクトリーダー
吉川 邦夫 教授
研究期間
平成19年度~平成23年度
研究費総額
約12億円~20億円
研究資金ソース 科学研究費補助金、民間企業との共同研究、NEDO バイオマスフィールド実証事業、
資源エネルギー庁補助事業など
■ 研究内容
これまで、バイオマスを含む廃棄物のエネルギー資源としての利用は、焼却に伴う熱利用及び焼却熱で
生成される蒸気による発電が主であった。本プロジェクトは、プロジェクトリーダーがこれまで多数の企
業と共同で開発してきた様々な技術を組み合わせて、廃棄物やバイオマス等の未利用資源を付加価値の高
いエネルギー資源(固体燃料、ガス燃料、液体燃料、水素、電力)に転換する総合的な技術開発を行い、
その成果を国内外のフィールドに展開していくことを目的とする。研究開発を行う技術の具体的な内容は
以下の通りであり、大学内で実施する基礎研究と学外のフィールドで実施する実証研究によって構成され
る。
・固体燃料製造技術:未利用資源は形状や発熱量、含水率が様々であり、それらを水蒸気加熱処理技術に
よって、石炭に相当する発熱量を有する乾燥された均一な粉末状固体燃料に変換する。この燃料はセメ
ントキルン等で直接燃料として利用したり、後述するガス燃料製造の原料として利用する。
・ガス燃料製造技術:固体燃料の熱分解・改質ガス化技術を用いて、発熱量が天然ガスの 1/10~1/3 程度
の中・低カロリーの燃料ガスを製造する。
・液体燃料製造技術:廃プラスチックについては油化還元技術、廃食油や植物油については乾式アルカリ
触媒バイオディーゼル製造技術を用いてガソリン及び軽油相当の燃料油を製造する。
・水素製造技術:触媒水蒸気改質技術を用いた廃プラスチックからの水素製造及び、高温水蒸気ガス化技
術を用いたバイオマス・廃プラスチックからの水素製造を行う。
・発電技術:ガス燃料製造技術によって生成される中・低カロリーの燃料ガスで駆動可能な内燃エンジン
(混焼ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ロータリーエンジン)及び外燃エンジン(スターリングエ
ンジン)の総合的な技術実証を行う。
■ 新産業創造・新分野開拓の可能性
本プロジェクトは、産官学が一体となって、5年間で革新的で経済性のある未利用資源のエネルギー資
源化技術の研究開発及び実証を進めることによって、従来の廃棄物処理産業とは異なる、新たな環境産業
63
を創出することをめざす。その特長は、これまで費用負担を要する負の事業であった廃棄物処理を、利益
を生む廃棄物からのエネルギー生産事業に切り替えることで、民間資金を主体として、地球温暖化防止お
よび循環型社会構築を効果的に推進できることにある。
■ 研究参加者
【学外】
(株)東電通、
(株)新興プランテック、東洋システム(株)、中国電力(株)
、太平洋セメント(株)
、
(株)
資源循環技術研究所、
(株)奥村組、
(株)ヴォルテックス、北斗興業(株)
、
(株)ケミカルオート、クリー
ンメカニカル(株)、ケアサイクル(株)、Shenzhen Eco-Solution Technology Corporation(中国)、青
島荏原環境設備有限公司(中国)、韓国機械研究院(韓国)
【学内】
吉川 邦夫(教授)、波岡 知昭(講師)、赤坂 太司(社会人博士4年)、諸橋 由昭(社会人博士3年)、Ganchimeg
Jambaldorj(博士3年、モンゴル)、朴 英秀(博士2年、韓国)
、梅木 健太郎(博士1年)、Phuphuakrat Thana
(博士1年、タイ)、Marisamy Muthuraman(博士1年、インド)
、向田 裕志(修士2年)、青木 香代子(修士
2年)、高橋 充(修士2年)
、中川 琢磨(修士2年)、奈良 知幸(修士2年)
、山根 亮輔(修士1年)
、金子 祐
大(修士1年)
、坂本 真輔(修士1年)、山本 剛史(修士1年)
、澈楽木格(修士1年、中国)、黒岩 伸太郎(学
部4年)、Pandji Prawisudha(研究生、インドネシア)
、栁田 浩太郎(民間等共同研究員)
■■■
1.
平成19年度主要トピックス
■■■
高温水蒸気を用いた未利用資源からの水素
リッチガス製造に関する研究
平成 15 年度より 5 年間にわたって実施された、
中国電力(株)との共同研究の最終年度の研究とし
て、島根県松江市に設置されたパイロットプラント
(図1)で、以下の成果が得られた。
・ ガス化炉出口において、木屑の場合、1200K 以
上の水蒸気温度では温度上昇に伴い水素濃度
が減少し、水蒸気比の増加に伴い水素濃度は増
加した。一方でプラスチック混合試料の場合、
水蒸気温度が上昇すると水素濃度は増加した。
最終的に水素濃度が 50%近いガス化ガスが生
成された。
・ 部分燃焼反応による改質では、タール濃度が大
幅に減少した。しかし、ガス化炉出口に比べて
水素生成量が減少した。
・ シフトコンバータを導入することで、水素生成
量が増加し、一酸化炭素生成量が減少した。
以上で所定の研究成果が得られ、プロジェクトは
終了した。
64
図1 高温水蒸気ガス化実証プラント
(島根県松江市)
2.
水蒸気加熱技術を用いた下水汚泥からの燃料
及び肥料製造に関する研究
北斗興業(株)との共同研究として、同社が保有
する、医療廃棄物処理用の水蒸気加熱処理プラント
(図2)を借りて、下水汚泥の処理実験を行い、処
理生成物を機械的に脱水して得られる脱離液の液
肥としての利用可能性及び脱水残渣の固体燃料と
しての利用可能性を検討した。また、Shenzhen
Eco-Solution Technology Corporation との共同研
究の一環として、中国科学院広州エネルギー変換研
究所のオートクレーブ装置(図3)を借りて、中国
の下水汚泥を用いた、水蒸気加熱処理実験を行った。
その結果、以下のことがわかった。
・ 処理温度を上げるほど、生成物の脱水特性が向
上し、この傾向は、日本の下水汚泥でも中国の
下水汚泥でも同様であったが、工業系汚泥を含
む場合、脱水特性向上割合が低下する。
・ 下水汚泥の場合、水蒸気加熱処理条件 473K 近
傍、保持時間 60 分では、固体分の約半分が可
溶化し、液体側に移行する。
図3
・ 水蒸気加熱処理プロセスで生成した脱離液は、
窒素メインの有機入り複合液肥として利用で
きる可能性がある。
・ シャレーを使った発芽試験において、水蒸気加
熱処理プロセスで発生した脱離液で 正常に発
芽した。
・ 脱水残渣は、乾燥特性に優れ、石炭の 2/3 程度
の発熱量を有しており、固体燃料としての利用
が可能である。
・ 通常の乾燥処理に比べて、水蒸気加熱処理を行
うことによって 2/3 程度の所要エネルギーで固
体燃料を製造することができる。
3.
オートクレーブ装置(広州エネルギー変換研
究所)
鶏糞ガス化発電に関する実証研究
5年間に及ぶ(株)新興プランテックとの共同研
究の最後の年度として、同社が NEDO バイオマス
フィールド実証事業の一環として、岐阜県瑞浪市の
養鶏場内に建設した鶏糞ガス化発電プラント(図
4)の長期連続運転を行い、以下の成果が得られた。
・ ガス化・改質部の 90 日間連続運転に成功し、
タールや煤塵に起因する閉塞などの問題は生
じなかった。
・ 木質燃料に比べて、灰分が多く発熱量が低いた
めにガス化が困難と思われた鶏糞でも、
3.3-4.2MJ/Nm3 の発熱量を有する改質ガスが安
定して生成され、改質炉内でのタールや有害窒
素成分のほぼ完全な分解に成功した。
・ 混焼ディーゼルエンジンを 55 日間、メンテナ
ンスを行わずに生成された改質ガスで運転で
き、生成ガスの発熱量が変動しても、ほぼ一定
の 50kW の発電出力と 30%の発電効率が得られ
ることを実証した。
・ 冷ガス効率 70%以上、炭素転換率 95%以上、発
電端効率 20%以上という、所定のプラント効率
が得られることを実証した。
図2
水蒸気加熱商用プラント(北斗興業)
以上の研究成果に基づいて、平成 20 年度より同
プラントの商用運転が開始される見込みであり、成
功裏に(株)新興プランテックとの共同研究は終了
した。
65
図4
4.
鶏糞ガス化発電設備(岐阜県瑞浪市)
図5
エマルジョン燃焼基礎実験装置(愛媛県西条
市)
図6
小型ボイラでのエマルジョン燃焼試験(愛媛
県西条市)
図7
中型ボイラでのエマルジョン燃焼試験(中国
青島市)
エマルジョン燃焼ボイラの実用化に関する研
究
A 重油に 10~30%の水をエマルジョン化して加
えて、ボイラ燃料として利用する技術の実用化をめ
ざして、クリーンメカニカル(株)と青島荏原環境
設備有限公司と共同研究を実施した。最初にクリー
ンメカニカル(株)の西条工場に基礎燃焼実験装置
(図5)を設置してエマルジョン燃料の基礎的な燃
焼特性を調べ、その結果に基づいて、同社が保有す
る小型ボイラ(図6)で実証試験を行い、それに引
き続いて、青島荏原環境設備有限公司が保有する中
型ボイラ(図7)を用いて実証実験を行った。その
結果、以下のことがわかった。
・ エマルジョン燃料は、窒素酸化物及び煤塵の排
出抑制に効果がある。
・ エマルジョン燃料には、燃料節約効果があり、
その効果は、各ボイラごとに空燃比及び燃料中
の含水率を最適化することによって最大化す
ることができる。
・ 乳化剤を用いなくても安定したエマルジョン
燃料の燃焼が可能である。
・ 既設のボイラに改造なしにエマルジョン燃料
の導入が可能であることから、今後、急速な普
及が期待される。
本共同研究の成果として、乳化剤を不要とするエ
マルジョン燃料の生成方法とその利用方法に関す
る特許を2件、クリーンメカニカル
(株)
と出願し、
平成 20 年度には、同社は製品の販売を開始する見
込みであることから、特許収入が入ることが期待さ
れる。
66
■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■
■
Sludge by the Hydrothermal Treatment and the Press
Filter”, Proc. Twenty-sixth Annual International
Conference on Incineration and Thermal Treatment
Technologies, Phoenix, AZ, USA, May 2007
研究業績 (平成 19 年 1 月-12 月)
研究論文
1.
孫永一、佐藤雅之、波岡知昭、吉川邦夫、「小型廃
棄物ガス化発電システムの燃料ガス中に含有され
る軽質タールの計測に関する研究」、日本機械学会
論文集(B 編)、73 巻 730 号、pp.1399-1405、2007
2.
Yin Wang, Kunio Yoshikawa, Tomoaki Namioka and
Yoshiharu Hashimoto, “Performance Optimization of
Two-stage Gasification System for Woody Biomass”,
Fuel Processing Technology, Vol.88, pp.243-250, 2007
3.
村上恵一、土谷亮輔、波岡知昭、吉川邦夫、「スタ
ーリングエンジンの発電特性に及ぼす燃料ガスの
発熱量の影響」、日本機械学会論文集(B 編)、73 巻
728 号、pp.1142-1149、2007
4.
4.
Kunio Yoshikawa, “R&D on Hydrogen Rich Gas
Production from Solid Wastes Using High-temperature
Steam”, Proc. 5th International Energy Conversion
Engineering Conference, St.Louis, Missouri, USA, June
2007
5.
Yeongsu Park, Kayoko Aoki, Tomoaki Namioka and
Kunio Yoshikawa, “Catalytic Steam Reforming of Waste
Plastics for Production of Hydrogen”, Proc. International
Symposium on EcoTopia Science 07, Nagoya,
November 2007
6.
Ganchimeg Jambaldorj, Mitsuru Takahashi and Kunio
Yoshikawa, “Liquid Fertilizer Production from Sewage
Sludge by Hydrothermal Treatment”, Proc. International
Symposium on EcoTopia Science 07, Nagoya,
November 2007
7.
Hiroshi Mukaida, Phuphuakrat Thana, Tomoaki
Namioka and Kunio Yoshikawa, “Performance
Evaluation of Adsorbents for Tar Removal in Biomass
Gasification Processes”, Proc. 3rd KIMM-TITech Joint
Workshop, Gyoung-Ju, Korea, November 2007
8.
Mitsuru Takahashi, Ganchimeg Jambaldorj and Kunio
Yoshikawa, “Liquid Fertilizer Production from Sewage
Sludge by Hydrothermal Treatment”, Proc. 3rd
KIMM-TITech Joint Workshop, Gyoung-Ju, Korea,
November 2007
9.
Tomoyuki Nara, Kentarou Umeki, Kunio Yoshikawa and
Takahiro Nakamura, “High Temperature Steam
Gasification System for Solid Wastes -Effect of
Operating Conditions on the Quality of the Produced
Gas-“, Proc. 3rd KIMM-TITech Joint Workshop,
Gyoung-Ju, Korea, November 2007
梅木健太郎、孫永一、波岡知昭、吉川邦夫、「廃棄
物の高温水蒸気ガス化による高水素濃度ガス生成
に関する基礎的研究」、日本機械学会論文集(B 編)、
73 巻 725 号、pp.321-327、2007
報告
1.
吉川邦夫、「大学研究室めぐり 東京工業大学フロ
ンティア創造共同研究センター 吉川研究室 -
熱技術が創る循環型社会-」、工業加熱、44 巻 5 号、
pp. 69-79、2007
2.
吉川邦夫、「廃棄物・バイオマスのエネルギー資源
化技術の研究開発と事業化」、機械の研究、59 巻 12
号、pp.1207-1214、2007
著書
1.
吉川邦夫、「触媒水蒸気改質法を用いた廃プラスチ
ックからの小規模な水素製造」、水素利用技術集成
Vol.3、株式会社エヌ・ティー・エス、2007
国際会議
1.
Kunio Yoshikawa, “Use of Non-Incineration Based
Waste-to-Energy Technologies in Developed and
Developing Countries”, Proc. Twenty-sixth Annual
International Conference on Incineration and Thermal
Treatment Technologies, Phoenix, AZ, USA, May 2007
(基調講演)
2.
Kentarou Umeki, Tomoyuki Nara and Kunio Yoshikawa,
“Performance of Solid Waste Gasification System with
High Temperature Steam”, Proc. Twenty-sixth Annual
International Conference on Incineration and Thermal
Treatment Technologies, Phoenix, AZ, USA, May 2007
3.
Yoshiaki Morohashi, Ryousuke Yamane and Kunio
Yoshikawa, “High Efficiency Dehydration of Sewage
10. Kayoko Aoki, Yeongsu Park, Shinsuke Sakamoto,
Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Kinetic Study
of Steam Reforming of N-nonane by Ru Based Catalyst”,
Proc. 3rd KIMM-TITech Joint Workshop, Gyoung-Ju,
Korea, November 2007
11. Takuma Nakagawa, Chelemuge, Kunio Yoshikawa and
Noriaki Kato, “A Research on Emulsified Fuel for
Industrial Boilers”, Proc. 3rd KIMM-TITech Joint
Workshop, Gyoung-Ju, Korea, November 2007
12. Kentarou Umeki, Tomoaki Namioka and Kunio
Yoshikawa, “Mass Loss Characteristics of Woody
Biomass Pyrolysis under Various Atmosphere”, Proc. 3rd
67
KIMM-TITech Joint Workshop, Gyoung-Ju, Korea,
November 2007
■ 研究室の在籍者(平成 19 年度中)
学部学生
大学院修士課程在籍者
大学院博士課程在籍者
研究生
受託研究員
民間等共同研究員
その他ポスドク等
国内会議
1.
奈良知幸、梅木健太郎、吉川邦夫、中村孝洋、「高
温水蒸気ガス化プロセスによる水素リッチガス製
造の実証試験」、第 16 回日本エネルギー学会大会講
演要旨集、pp.124-125、福岡、2007
2.
山根亮輔、諸橋由昭、波岡知昭、吉川邦夫、「水蒸
気加熱処理を用いた下水汚泥の脱水特性に関する
研究」、第 16 回日本エネルギー学会大会講演要旨集、
pp.180-181、福岡、2007
3.
4.
特許(平成 19 年度)
原勉、新宮宏明、椎原勝彦、中川琢磨、吉川邦夫、
「鶏糞を用いた小規模分散型のガス化発電設備の
エネルギー特性」、第 16 回日本エネルギー学会大会
講演要旨集、pp.162-163、福岡、2007
出願
青木香代子、堀田昌紀、波岡知昭、吉川邦夫、「廃
プラスチックの触媒改質特性に及ぼす燃料種の影
響に関する研究」、第 16 回日本エネルギー学会大会
講演要旨集、pp.106-107、福岡、2007
登録
5.
梅木健太郎、奈良知幸、吉川邦夫、平野義男、「廃
棄物の高温水蒸気ガス化システムに関する研究開
発」
、第 12 回動力・エネルギー技術シンポジウム講
演論文集、pp.309-310、東京、2007
6.
中川琢磨、波岡知昭、吉川邦夫、「バイオマスガス
化発電用各種エンジン発電機の性能比較」、第 12 回
動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集、
pp.311-314、東京、2007
7.
吉川邦夫、「高温水蒸気を用いた廃棄物からの水素
リッチガス製造システムの研究開発」
、第 44 回日本
伝熱シンポジウム講演論文集、Vol.II、pp. 375-376、
長崎、2007
■
■
研究費の取得状況(平成 19 年度)
科学研究費補助金
1
10(1)
7(4)
1(1)
0
1
0
(内留学生人数)
4件
「水蒸気改質方法及び水蒸気改質装置」
発明者
吉川邦夫・嶋田隆文・五島忠八
出願人
独立行政法人科学技術振興機構
三菱重工業株式会社
登録番号 特許第 3939459 号
登録日
2007 年 4 月 6 日
「ペブル床ガス化炉の運転方法」
発明者
出願人
登録番号
登録日
吉川邦夫・氣駕尚志・吉高恵美
独立行政法人科学技術振興機構
株式会社IHI
特許第 3974019 号
2007 年 6 月 22 日
「固形燃料ガス化装置」
発明者
出願人
登録番号
登録日
吉川邦夫・鈴木就実
独立行政法人科学技術振興機構
特許第 3973840 号
2007 年 6 月 22 日
(主な研究資金として)
「湿潤燃料ガス化システム及びガス化方法」
<基盤研究(B)>
触媒改質を用いた廃プラスチックからの小規模な水素
製造の実証研究
平成 19 年度~20 年度
平成 19 年度
12,480 千円(間接経費含む)
共同研究(上記を除く)
13 件
26,154 千円(間接経費含む)
奨学寄附金
2件
68
発明者
吉川邦夫
出願人
独立行政法人科学技術振興機構
登録番号 特許第 4033610 号
登録日
2007 年 11 月 2 日
1,500 千円
「有形燃料のガス化装置及びガス化方法」
発明者
出願人
吉川邦夫・保田力・坂井勝・石井徹
独立行政法人科学技術振興機構
株式会社NFKホールディングス
株式会社IHI
登録番号 特許第 4037599 号
登録日
2007 年 11 月 9 日
■
受賞、褒賞(平成 19 年度)
・日本機械学会フェロー認定 吉川邦夫 2008 年 3 月 25 日
■
海外渡航の回数(平成 19 年度)
21 回
■
政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 19 年度)
・日高市バイオマス等未活用エネルギー事業調査委員会
委員 委員長 2007 年 11 月 1 日-2008 年 3 月 31 日
■
記事(平成 19 年度)
1. 「エマルジョン燃料 燃焼特性を解析研究 クリー
ンメカニカルと東工大」日刊工業新聞(2007 年 9 月
11 日)31 面
69
70
■ 終了プロジェクトその後の動き
生命系
清尾プロジェクト
<機能性人工核酸の創出のための基盤研究>
プロジェクトリーダー
清尾 康志 准教授
研究期間
平成14年度~平成18年度
研究費総額
約5億円
研究資金ソース
民間企業との共同研究、文部科学省科学研究費、
JST CREST、NEDO産業技術助成事業
■ 研究内容
近年の目覚ましいゲノムテクノロジーの進展に伴い、その成果を産業化する試みが盛んである。また基
礎科学の分野でも DNA マイクロアレイや DNA チップなどの、高速・大量遺伝子解析技術は生物中の多数
の遺伝子のネットワーク解析や遺伝子情報発現のリアルタイム解析も可能にし、生命科学の新領域を開拓
しつづけている。
ゲノムテクノロジーは生物学、分子生物学、生化学、有機化学、光化学、情報科学、エレクトロニクス
等、幅広い分野の技術から構成される複合テクノロジーである。これらの技術基盤が総合的にレベルアッ
プすることがゲノムテクノロジーの一層の進歩に重要である。
本プロジェクトはこれらの技術基盤に有機化学的な視点からアプローチし、新しい発想に基づく人工
DNA、人工 RNA の創製を通して、今後のゲノムテクロノジーの発展に寄与することを目的とする。天然
型 DNA に代わって、高度かつ周到にデザインされた新機能人工核酸を用いることで、これまで不可能で
あった様々なゲノムテクノロジーの実現が可能になることが期待される。
Various Approach Toward Genome Technology
(ゲノムテクノロジーへの多様なアプローチ)
Electronics
Biology
(生物学)
(エレクトロニクス)
Molecular
Biology
(分子生物学)
Information
Science
Biochemistry
(情報科学)
(生化学)
GENOME TECHNOLOGY
(ゲノムテクノロジー)
This Project’s Approach
Organic Chemistry(有機化学)
Molecular Design(分子設計)
Chemical Synthesis(物質創製)
Nucleic Acids Chemistry(核酸化学)
71
本プロジェクトでは DNA の構成構単位であるヌクレオシドまで遡って、その化学構造を原子サイズの
レベルでデザインし、超高感度・超高精度ハイブリダイゼーション等の新機能を付与した新機能人工核酸
の創製を目指して行なった。
本プロジェクトの成果は高精度遺伝子解析システム、遺伝子修復技術などのバイオテクノロジー、ゲノ
ム医療分野での幅広い応用開発が期待される。
■ 新産業創造・新分野開拓の可能性
本プロジェクトで創製される新機能人工核酸は遺伝子解析、遺伝子診断、遺伝子修復技術等の新素材と
してバイオテクノロジー、ゲノム医療、ゲノム創薬等幅広い産業分野への応用が期待される。
■ 研究参加者
【学内】 大学院生命理工学研究科 関根 光雄 教授
Possible Chemical Modification and Functionalization of DNA
(DNAを化学的手法で機能化する)
Terminus: Reporter group; Nuclear transporter
B
O
(末端修飾:核移行性の制御。リポーターグループ)
O
Backbone
(バックボーン)
Nucleobase
O
O
P
B
O
(塩基部位)
Hybridization stability,
specificity, kinetics
ハイブリダイゼーション
の制御
O
-O
強力、高選択的、迅速
O
Creation of New Artificial Oligonucleotides
Having Useful Functions(機能性人工核酸の創製)
72
■■■
平成19年度主要トピックス
■■■
1. 酸を用いない短工程DNA化学合成法の開発
合成 DNA は遺伝子検出プローブ、ゲノム合成、核酸医薬、ナノテクノロジーのための分子素子など様々
な用途に利用されている。現在の DNA 化学合成法は1)ヌクレオチド残基の伸長、2)キャップ化、3)
酸化、4)酸による脱保護の4工程からなる。しかし、デオキシアデノシンなどのプリンヌクレオシドは
第4工程の酸処理に対して不安定で、長鎖 DNA を化学合成する場合にはデオキシアデノシンのデプリネー
ションなどが問題となる。今回、脱保護の工程で酸を用いない新しい DNA 合成ユニットを開発し効率的
な新規 DNA 合成法を開発した。合成ユニットとしては 5'水酸基に酸化的条件下除去可能な MMtrS 基を有
するものを設計し、DNA の合成を検討した。その結果最長30量体のオリゴヌクレオチドを合成すること
に成功した。この方法は酸を全く用いない穏和な条件で DNA を合成できるほか、従来4工程で行われて
いた DNA 合成を3工程で行うこともでき、短工程の DNA 合成として今後の応用が期待される。
MMTrS基
B
H3CO
S O
O
O
P
OCE
N(i-Pr)2
Miyuki, Shiraishi, Eri Utagawa, Akihiro Ohkubo, Mitsuo Sekine, Kohji Seio.Nucleic Acids Symp. Ser.. 2007, 129-130..
2. 高精度名塩基識別能を有する実用的な人工核酸の開発
人工核酸を用いた核酸医薬や遺伝子検出プローブを開発のためには、その性質や機能を化学構造から予
測するための手法が必要である。すでに高精度な人工核酸塩基のひとつとして、2-N-acetyl-3-deazaguanine
(a2c3G)の開発を達成している。しかし、a2c3G はその基本骨格である 3-デアザグアニンの化学合成に多
工程を必要とし人工核酸プローブの実用面からは問題があった。そこでより合成の簡便な誘導体の開発を
検討した結果、天然型グアノシンの2位のアミノ基にカルバモイル基(-C(=O)NH2)を導入した 2-N-カルバモ
イルグアニン(cmG)が a2c3G と究めて類似した高い塩基対形成能と優れた塩基選択性を示すことが明らか
となった。今後 cmG は様々な DNA プローブ、RNA プローブの新素材としてマイクロアレイや PCR、核
酸医薬などの分野での応用が期待される。
O
O
N
NH
N
HO
O
HO
N
NH
O
N
HO
O
OCH3
HO
N
NH
H N
CH3
2-N-acetyl-2'-O-methyl-3-deazaguanosine
NH
OCH3
O
H
2-N-carbamoyl-2'-O-methyl-guanosine
Takeshi Sasami, Yoko Odawara, Akihiro Ohkubo, Mitsuo Sekine, Kohji Seio. Tetrahedron Lett. 2007, 48, 5325-5329.
73
3. 新規ピリミドインドール骨格を有する蛍光核酸の開発
蛍光ヌクレオシドは核酸のハイブリダイゼーションや高次構造解析に有用である。これま
O
R
N
でに、デオキシシチジンから誘導されるピロロピリミジン骨格を有する蛍光核酸
NH
(dChPP)の開発に成功し、その SNPs 解析などへの利用を報告してきた。今回あら
N
N
HO
O
O
HO
dCPPI誘導体
R = H, CN, OCH3, NMe2, SO2CH3
たに、dChPP の環構造をさらに拡大したピリミドピリミドインドール型の蛍光ヌ
クレオシド(dCPPI)を種々開発し、その性質を評価した。dCPPI は化学的にも安定で
あり、様々な置換基をインドール環に導入することで蛍光特性のファインチュー
ニングが可能であり、長波長領域に蛍光を有する蛍光核酸として、ハイブリダイ
ゼーション検出などにおける有用性が示唆された。
74
■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■
■
研究業績
(平成 19 年 1 月-12 月)
研究論文
1.
Mizuta, M.; Seio, K.; Miyata, K.; Ohkubo, A.; Taguchi,
H.; Sekine, M. A Pyrimidopyrimidoindole Nucleoside
(dCPPI): Photophysical Properties and Thermal Stability
of the Modified DNA Duplexes. Nucleosides,
Nucleotides, Nucleic Acids 2007, 26, 1335-1338.
2.
Seio, K.; Terada, T.; Mizuta, M.; Ohkubo, A.; Taguchi,
H.; Sekine, M. Synthesis and hybridization properties of
oligodeoxynucleotides with long-chain linkers. Helv.
Chim. Acta 2007, 90, 1946-1965.
3.
Saneyoshi, H. Okamoto, I. Masaki, Y. Ohkubo, A. Seio,
K. Sekine, M. Facile synthesis of 2'-O-cyanoethyluridine
by ring-opening reaction of 2,2'-anhydrouridine with
cyanoethyl trimethylsilyl ether in the presence of
BF3/Et2O.
Tetrahedron Lett. 2007, 48, 8554-8557.
4.
Saneyoshi, H.; Ando, K.; Seio, K.; Sekine, M..
Chemical synthesis of RNA via 2'-O-cyanoethylated
intermediates. Tetrahedron 2007, 63, 11195-11203.
5.
Utagawa, E.; Ohkubo, A.; Sekine, M.; Seio, K..
Synthesis of Branched Oligonucleotides with Three
Different Sequences Using an Oxidatively Removable
Tritylthio Group. J. Org. Chem. 2007, 72, 8259-8266.
6.
7.
Sasami, T.; Odawara, Y.; Ohkubo, A.; Sekine, M.; Seio,
K.
Synthesis and hybridization properties of
oligodeoxynucleotides
incorporating
2-N-carbamoylguanine derivatives as guanine analogs.
Tetrahedron Lett. 2007, 48, 5325-5329.
Mizuta, M.; Seio, K.; Miyata, K.; Sekine, M.
Fluorescent
Pyrimidopyrimidoindole
Nucleosides:
Control of Photophysical Characterizations by
Substituent Effects.
J. Org. Chem. 2007, 72,
5046-5055.
8.
Karwowski, B.; Seio, K.; Sekine, M. Chemical
properties of 4,5-di(ethoxycarbonyl)-1,3-dioxolan-2-yl
(DECDO) as a hydroxyl protecting group of the
2'-hydroxyl function in ribonucleosides. J. Het. Chem.
2007, 44, 329-336.
9.
Seio, K.; Sasami, T.; Ohkubo, A.; Ando, K.; Sekine, M..
Highly Selective Recognition of Cytosine over Uracil
and
Adenine
by
a
Guanine
Analogue,
2-N-Acetyl-3-deazaguanine, in 2'-O-Methyl-RNA/RNA
and DNA Duplexes. J. Am. Chem. Soc. 2007, 129,
1026-1027.
10. Miyata, K.; Mineo, R.; Tamamushi, R.; Mizuta, M.;
Ohkubo, A.; Taguchi, H.; Seio, K.; Santa, T.; Sekine, M..
Synthesis and Fluorescent Properties of Bi- and
Tricyclic 4-N-Carbamoyldeoxycytidine Derivatives. J.
Org. Chem. 2007,72, 102-108.
国内会議
1.
Takaku, Y.; Mizuta, M.; Ohkubo, A.; Sekine, M.; Seio, K.
Recognition of target chain-length by use of
oligonucleotides having bulky substituents at the
terminal bases. Nucleic Acids Symp. Ser. 2007, 283-284.
Tokyo, Japan.
2.
Sumino, M.; Itaru, O.; Ohkubo, A.; Taguchi, H.; Seio, K.;
Sekine, M. Synthesis and properties of oligodeoxynucleotides
incorporating 5-carboxydeoxycytidine. Nucleic Acids Symp.
Ser. 2007, 165-166. Tokyo, Japan.
3.
Ohkubo, Akihiro; Kasuya, Rintaro; Miyata, Kenichi;
Taguchi, Haruhiko; Seio, Kohji; Sekine, Mitsuo.
Development of a new method for the synthesis of
oligodeoxynucleotides by use of carbamoyl-type
protecting groups. Nucleic Acids Symp. Ser. 2007,
131-132. Tokyo, Japan.
4.
Shiralshi, M.; Utagawa, E.; Ohkubo, A.; Sekine, M.;
Seio, K. Short-step chemical synthesis of DNA by use of
MMTrS group for protection of 5'-hydroxyl group.
Nucleic Acids Symp. Ser. 2007, 129-130. Tokyo, Japan.
5.
Mizuta, M.; Banba, J.; Kanamori, T.; Ohkubo, A.; Sekine,
M.; Seio, K. Recognition of triplex forming
oligodeoxynucleotides incorporating abasic sites by
5-arylcytosine residues in duplex DNAs. Nucleic Acids
Symp. Ser. 2007, 25-26. Tokyo, Japan.
6.
蛍光性ピリミドピリミドインドールの合成とその
光物性 水田 昌宏・宮田 健一・清尾 康志・大
窪 章寛・関根 光雄 日本化学会第87春季年会
7.
4-チオシュードイソシチジンの合成と三重鎖形成能
の評価 曹 詩麒・岡本 到・田口 晴彦・大窪 章
寛・清尾 康志・関根 光雄 日本化学会第87春季
年会
8.
2-N-カルバモイル,2-アミノアデノシンの合成と性
質 岡本 到・原川 太郎・清尾 康志・関根 光
雄 日本化学会第87春季年会
9.
5-カルボキシシチジン誘導体の合成と性質 住野
正憲・岡本 到・田口 晴彦・清尾 康志・関根 光
雄 日本化学会第87春季年会
10. MMTrS基を5´水酸基の保護基として用いるDNA化
75
学合成法 宇田川 英里・白石 幸季・清尾
志・関根 光雄 日本化学会第87春季年会
康
11. 末端塩基に嵩高い修飾を有するオリゴヌクレオチ
ドの合成と二本鎖形成能 清尾 康志・高久 悠
介・水田 昌宏・大窪 章寛・関根 光雄 日本化
学会第87春季年会
12. HOBt類縁体によるP(III)-N結合切断反応を用いた新
規核酸合成法の開発 大窪 章寛・田口 晴彦・清
尾 康志・関根 光雄 日本化学会第87春季年会
13. 核酸N-オキシドを含むDNAオリゴマーの合成とそ
の性質 角田 浩佑・大窪 章寛・田口 晴彦・清
尾 康志・関根 光雄 日本化学会第87春季年会
14. 4-チオシュードウリジンの新規合成法 岡本 到・田
中 博人・清尾 康志・関根 光雄 日本化学会第
87春季年会
15. 酸化還元型縮合剤による亜リン酸エステルからの
リン酸ジエステル構築のNMR解析 俵田 隆哉・清
尾 康志・関根 光雄 日本化学会第87春季年会
16. 3-デアザグアノシン誘導体を含む2'-O-メチルRNA/RNA
二重鎖の安定性の計算化学的評価 佐々見 武志・
俵田 隆哉・清尾 康志・関根 光雄 日本化学会
第87春季年会
24. 2'末端に極性をもった官能基を導入した修飾核酸の
合成と性質 山田 剛史・實吉 尚郎・大窪 章
寛・清尾 康志・関根 光雄 第17回アンチセンス
シンポジウム 石川
25. N6-ピレニルメチルカルバモイルアデニンを含む
新規オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーショ
ンと蛍光特性 清尾 康志・水田 昌宏・田崎
香・玉木 継吾・大窪 章寛・関根 光雄 第17回
アンチセンスシンポジウム 石川
26. 末端塩基に修飾を施したオリゴヌクレオチドの鎖
長識別能 高久 悠介・水田 昌宏・宮崎 一也・
大窪 章寛・関根 光雄・清尾 康志 第17回アン
チセンスシンポジウム 石川
27. 分子動力学とab initio法による3-デアザグアノシン誘
導体を含むRNA二重鎖の熱的安定性の評価 佐々見
武志・俵田 隆哉・大窪 章寛・清尾 康志・関根
光雄 第21回分子シミュレーション討論会 石川
28. 2'-O-カルバモイルウリジンを含む2'-OMe-RNA/RNA
ハイブリッドのMDシミュレーション 俵田 隆
哉・芹沢 昌史・ 佐々見 武志・伊勢 美沙子・
大窪 章寛・清尾 康志・関根 光雄 第21回分子
シミュレーション討論会 石川
■
17. Tsoc基の核酸合成への応用研究 宮下 拓平・大窪
章寛・清尾 康志・関根 光雄 日本化学会第87春
季年会
18. 種々の5-アリールデオキシシチジンを含むオリゴヌ
ク レ オ チ ドの合 成 と そ の三重 鎖 形 成 清尾 康
志・番場 淳一・水田 昌宏・大窪 章寛・関根 光
雄 日本化学会第87春季年会
19. (N-メチルカルバモイル)エチル基を2'水酸基にもつ
修飾RNAの合成と性質 実吉 尚郎・山田 剛史・清
尾 康志・関根 光雄 日本化学会第87春季年会
20. 活性ホスファイト法に利用可能な新規シリルリンカ
ーの開発 大窪 章寛・野間 靖弘・田口 晴彦・
清尾 康志・関根 光雄 日本化学会第87春季年会
21. 2-N-カルバモイルグアニンを含むオリゴデオキシヌ
クレオチドの塩基識別能の評価 佐々見 武志・小
田原 洋子・大窪 章寛・清尾 康志・関根 光雄
日本化学会第87春季年会
22. デオキシシチジンを分岐ユニットとして用いる新
規分岐DNA合成法の開発 宇田川 英里・清野 俊
也・白石 幸季・清尾 康志・大窪 章寛・関根 光
雄 日本化学会第87春季年会
23. 2'-O-アリールリボヌクレオチド誘導体の合成と変
換反応 田口 晴彦・大枝 祐介・成田 岳史・清
尾 康志・関根 光雄 日本化学会第87春季年会
76
研究費の取得状況(平成 19 年度)
政府系競争的資金による助成
(主な研究資金として)
<NEDO 産業技術助成事業>
small RNA の選択的・網羅的検出を指向した人工 RNA プ
ローブの開発
平成 17 年度~19 年度
平成 19 年度
1040 万円
受託研究(上記を除く)
1件
■
897 万円
研究室の在籍者(平成 19 年度中)
学部学生
大学院修士課程在籍者
大学院博士課程在籍者
研究生
受託研究員
民間等共同研究員
その他ポスドク等
■
特許(平成 19 年度)
出願
2件
4
5
1
0
0
0
1
■ 終了プロジェクトその後の動き
環境系
吉田プロジェクト
<アイソトポマーの計測・解析法開発>
プロジェクトリーダー
吉田 尚弘 教授
研究期間
平成14年度~平成18年度
研究費総額
約4億円
研究資金ソース
科学技術振興機構 基礎的研究発展推進事業
など
■ 研究内容
本研究は、主に安定同位体の組み合わせで一分子種に多種存在するアイソトポマー(同位体分子種)の
自然存在比を、分子種ごとに元素・分子内位置を識別して、精密に計測し、その物質の本来もつ豊富な質
的情報を定量化する新しい方法論の創出を目指している。平成 8 年度から 13 年度の 5 年間、科学技術振興
事業団の戦略的基礎研究を行い、新しい質量分析法と、赤外レーザー分光計測法を開発した。本研究は継
続展開する同事業団の基礎的発展研究をコアとするプロジェクトである。
分析法の更なる発展展開を行うとともに、開発した分子レベルのアイソトポマー解析評価法を地球温暖
化ガスなどの環境物質に適用し、その物質のサイクルを正確に記述する。国内外のネットワーク共同研究
機関とともに地球規模での観測を継続し、自然起源、工業・農業起源を分類し、それらの寄与を定量的に
解析し、現象解明を行う。人為起源アイソトポマーが自然起源と大きく異なり、排出削減の技術革新によ
るアイソトポマー組成の変化が予想されるので、現象解明の高精度化には人為起源のデータアーカイブが
必要である。産業界の方々に試料提供など今後もさらにご参加いただく過程で、国内産業活動の進んだ環
境低負荷技術の確認とともに、国外との冷静な比較が可能になると期待される。
京都議定書の客観的評価に有効な指標を与え、具体的な排出削減目標の策定提言を行える程度に高精度
な評価法として国際的に認識されるよう情報発信し、適正な外部評価を受ける。
これらの活動を通じて、アイソトポマーが、地球温暖化ガスなどの環境物質の履歴解明に役立つ新指標
となる一方で、普遍的な分子レベルでの物質解析法であるので、食品分析や診断薬応用などを含む広い分
野への応用展開が期待される。
URL
http://nylab.chemenv.titech.ac.jp/
■ 新産業構造・新分野開拓の可能性
本研究で提案しているのはアイソトポマー(同位体分
子種)の解析という、新しいコンセプトの分子レベル物
質解析法である。この方法論の展開で新たな計測技術と
解析技術が開発され、新技術分野となることが予想され
る。開発された計測・解析法を駆使することで、環境計
測・解析の新指標となる一方で、分子レベル解析法であ
るため、食品分析や診断薬応用など、広い分野への応用
展開が期待される。
77
■ 研究参加者
【学外】 慶應義塾大学、京都大学、名古屋大学、東北大
学、東京大学、東京農工大学、北海道大学、東
京都立大学、国立極地研究所、国立環境研究所、
総合地球環境学研究所、宇宙科学研究所、農業
環境技術研究所、地球環境産業技術研究機構、
海洋科学技術センター、日本自動車研究所、電
力中央研究所、日立製作所・アンリツ・東京ガ
ス・その他の企業、および国際原子力機関、欧
州連合共同研究センター、英国草地環境研究所、
ゲッチンゲン大学、米国大気海洋局、ハワイ大
学、ミシガン州立大学、ペンシルバニア州立大
学、カリフォルニア大学、その他の国内外ネッ
トワーク共同研究機関
【学内】大学院総合理工学研究科
環境理工学創造専攻
化学環境学専攻
大学院理工学研究科
地球惑星科学専攻
化学専攻
物質科学専攻
大学院生命理工学研究科
生体システム専攻
生物プロセス専攻
■■■
z
平成19年度主要トピックス
■■■
2006 年 8 月米国 UCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)において、JST に加えて、IAEA(国際
原子力機関)
、EC(ヨーロッパ連合)
、東工大 21 世紀 COE、UCSD の共催で開催した第 3 回国際アイ
ソトポマー会議に引き続き、2008 年 10 月に第 4 回国際アイソトポマー会議を開催することが決まっ
た。2001 年横浜で開催した第 1 回以来 3 回ぶりに、日本で開催することとなったので、十分な期間で
準備を開始した。
z
赤外線半導体レーザーを光源として、差周波を発生させることで、13CH4 と 12CH4 のアイソトポマーの
自然存在度の高確度・高精度計測に適した 3.3μ帯の吸収線の組合せを発見し、純ガスの自然存在度
の計測に応用した。
78
z
地球規模の分子ごとのボックスモデルを構築し、主要な窒素変質過程の全てを取り込んだモデルとし
て改良を加えて、地球温暖化ガスであるとともにオゾン層の消長に大きく関与する一酸化二窒素
(N2O)の地球科学的循環をシミュレートした。
z
ハワイ大学と共同研究を行って、大規模な湧昇域として知られている東部熱帯太平洋およびカリフォ
ルニア湾において、微生物による硝化(アンモニウム酸化)と脱窒(硝酸還元)が N2O の循環に果た
す役割をアイソトポマーにより解析し、脱窒がより重要な役割を果たすことを見い出した。
z
南米チリのコンセプシオン大学との共同研究を行って、中央および東部亜熱帯南太平洋域において、
N2O の分布とアイソトポマー組成からその起源を推定した。
z
フランス、ドイツ、スイス、日本の国際共同研究を行って、東南極域の EPICA ドーム C およびドー
ムふじの氷床コア解析から一次元氷床流動をモデル化し,解析した。
z
これまで微少量試料での計測が困難であった水試料について、自動平衡装置を利用したマイクロリッ
トル量の試料の水素及び酸素同位体比の計測を可能とした。
z
溶液中に含まれるミリモル量のエタノールの水素、炭素、酸素の安定同位体の自然存在度の計測法を
開発した。
z
南米パタゴニア氷河の高地アイスコアについて、雪氷藻類などを用いた解析を行って、正味の堆積速
度を見積もることに成功した。
z
西部北太平洋と東部インド洋の洋上大気中に微量に含まれるエタンとプロパンの炭素安定同位体比
の観測を行った。それらは大気の輸送過程の良い指標となることを発見した。
79
■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■
■
研究業績 (平成 19 年 1 月-12 月)
process, Journal of Atmospheric Chemistry, 56(3),
293-314, DOI: 10.1007/s10874-006-9057-3, 2007.
研究論文
1.
K. Anzai, H. Sasada, and N. Yoshida, Best Pair of 3.3-μ
m Band Transitions for Isotopomer Abundance Ratio
Measurements of 13CH4 to 12CH4, Jpn J. Appl. Phys., 46
1717-1721, 2007
報告
1.
Naohiro Yoshida, Isotopomer ratios of methane,
inorganic and organic carbon, biomarkers, and nitrous
oxide reveal their origin and processes in the
environment from Archean to present., Annual Report of
the Research Center for the Evolving Earth and Planets
2006, 9- 12, 2007.
2.
M. Sorai, N. Yoshida, and M. Ishikawa, Biogeochemical
simulation of nitrous oxide cycle based on the major
nitrogen processes, J. Geophys. Res., 112, G01006,
doi:10.1029/2005JG000109, 2007.
3.
H. Yamagishi, M. B. Westley, B. N. Popp, S. Toyoda, N.
Yoshida, S. Watanabe, K. Koba and Y., Yamanaka, Role
of nitrification and denitrification on the nitrous oxide
cycle in the eastern, tropical North Pacific and Gulf of
California, JGR-Biogeosciences, 112, G02015, doi:
10.1029/2006JG000227, 2007.
2.
Naohiro Yoshida, Material cycle analysis through
chemical, biogeochemical, glaciological, and geological
studies for the better understanding of the global change
in the Earth’s history., Annual Report of the Research
Center for the Evolving Earth and Planets 2006, 77- 80,
2007.
4.
J. Charpentier, L. Farias, N. Yoshida, N. Boontanon, and
P. Raimbault, Nitrous oxide distribution and its origin in
the central and eastern South Pacific Subtropical Gyre,
Biogeosciences Discussions 4, 1673–1702, 2007.
3.
吉田尚弘、アイソトポマーによる温暖化気体ソー
ス・シンクの定量的評価、戦略的創造研究推進事業
発展研究(SORST)平成 18 年度終了課題研究終了
報告書、(独)科学技術振興機構、CD/ROM、2007.
5.
F. Parrenin, G. Dreyfus, G. Durand, S. Fujita, O.
Gagliardini, F. Gillet, J. Jouzel, K. Kawamura, N.
Lhomme, V. Masson-Delmotte, C. Ritz, J. Schwander, H.
Shoji, R. Uemura, O. Watanabe, and N. Yoshida, 1-D-ice
flow modelling at EPICA Dome C and Dome Fuji, East
Antarctica, Clim. Past, 3, 243–259, 2007.
国際会議
6.
R. Uemura, Y. Matsui, H. Motoyama, N.Yoshida,
Deuterium and Oxygen-18 Determination of Microliter
Quantities of a Water Sample Using an Automated
Equilibrator,
Rapid
communications
in
Mass
Spectrometry, 21, 1431-1437, DOI 10.1002/rcm2977,
2007.
7.
K. Yamada, N. Yoshida, G. Calderone, and C. Guillou
Determination of hydrogen, carbon and oxygen isotope
ratios of ethanol in aqueous solution at millimole levels,
Rapid communications in Mass Spectrometry, 21,
1431-1437, DOI 10.1002/rcm2977, 2007.
8.
S. Kohshima, N. Takeuchi, J. Uetake, T. Shiraiwa, R.
Uemura, N. Yoshida, S. Matoba, & MA. Godoi,
Estimation of net accumulation rate at a Patagonian
glacier by ice core analyses using snow algae., Global
and Planetary Change, 59, 236-244, 2007.
9.
80
H. Nara, S. Toyoda, and N. Yoshida, Measurements of
stable carbon isotopic composition of ethane and
propane over the western North Pacific and eastern
Indian Ocean: a useful indicator of atmospheric transport
1.
Y. Ueno, K. Takai, S. Nakagawa, and N. Yoshida,
Quadruple sulfur isotope analysis (32S/33S/34S/36S) of
the deep-sea Iheya North hydrothermal field, mid
Okinawa Trough back arc basin, Inter Ridge Theoretical
Institute, Woods Hole, USA. 2007.9.
2.
A. Makabe, K. Koba, S. Toyoda, N. Yoshida,
Isotopomeric Signature of Nitrous Oxide Discharged
from Lake Biwa in Japan and a Polluted River in
Mongolia, Eos Trans. AGU, 88(52), Fall Meet. Suppl.,
Abstract B41G-037, Moscone Center West, San
Francisco, 2007.12. 13.
3.
S. Danielache, N. Yoshida, Y. Ueno, C. Eskebjerg,
M.S.Johnson, Ancient Atmospheres: High Precision UV
Spectroscopy of 32S/ 33S/ 34S and 36S Sulfer Dioxide, 8th
Informal Conference on Atmospheric and Molecular
Science, LO-Skolen Confenrence Center, Helsingǿr,
Denmark, 2007.6.9.-10.
4.
S. Danielache, M.S.Johnson, S. Nanbu, M.M.L.Grage, C.
Mclinden, N. Yoshida, 32S/ 33S/ 34S and 36S Kinetic
Fractionation Effects in the Reaction of OCS with OH
Radical, 8th Informal Conference on Atmospheric and
Molecular Science, LO-Skolen Confenrence Center,
Helsingǿr, Denmark, 2007.6.9.-10.
5.
S. Toyoda, A. Fujiwara, N. Yoshida, Isotopomer analysis
of N2O produced during waste water treatment, 2007
AGU Fall Meeting, Moscone Center West, SanFrancisco,
13, Dec. , 2007.
国内会議
1.
豊田 栄、吉田尚弘、青木周司、中澤高清、石戸谷
重之、菅原 敏、本田秀之、飯嶋一征、井筒直樹、
山上隆正、三陸上空成層圏大気中の N2O アイソトポ
マー比高度分布とその変動、大気球シンポジウム要
旨集、89-91、相模原、2007 年 1 月
2.
石戸谷重之、菅原 敏、森本真司、青木周司、中澤
高清、本田秀之、豊田 栄、橋田 元、町田敏暢、
川村賢二、井筒直樹、並木道義、飯島一征、山内 恭、
山上隆正、成層圏で初めて見出された大気成分の重
力分離、大気球シンポジウム要旨集、92-95、相模原、
2007 年 1 月.
3.
4.
5.
6.
7.
中澤高清、青木周司、本田秀之、豊田 栄、森本真
司、菅原 敏、石戸谷重之、吉田尚弘、中村俊夫、
蒲生俊敬、角皆 潤、成層圏大気クライオサンプリ
ング実験の計画と準備状況、大気球シンポジウム要
旨集、96-98、相模原、2007 年 1 月
丸山智弘、豊田 栄、吉田 磨、吉田尚弘、アイソ
トポマー比を用いた南極海における N2O の動態解
析、 2007 年度日本海洋学会春季大会要旨集 p.132、
東京海洋大学品川キャンパス、2007 年 3 月
吉田 磨、ナリン・ブンタノン、藤井彩子、山田桂
大、渡邉修一、吉田尚弘、炭素安定同位体比による
北太平洋のメタン生成・消費過程および大気海洋フ
ラックス、みらいシンポジウム, ブルーアース 2007、
パシフィコ横浜、2007 年 3 月
吉 田 尚 弘 、惑星 地 球 環 境生命 を 貫 く 物質循環 と
フィールド科学としての包容力、日本地球惑星科学
連合 2007 年大会、幕張メッセ、2007 年 5 月 22 日
眞壁明子、木庭啓介、由水千景、小川奈々子、陀安
一郎、KIM Chulgoo、大河内直彦、豊田 栄、吉田
尚弘、永田 俊、安定同位対比から見た琵琶湖にお
ける一酸化二窒素の生成機構、日本陸水学会第 72
回水戸大会、講演要旨集 254 ページ、茨城大学水戸
キャンパス、2007 年 9 月 11 日
定同位体比、日本生態学会大会講演要旨集、松山大
学、ESJ54、274、2007 年 3 月 21 日
11. 眞壁明子、木庭啓介、陀安一郎、高津文人、伊藤雅
之、由水千景、小川奈々子、大河内直彦、豊田 栄、
吉田尚弘、永田 俊、モンゴル下水流入河川におけ
る硝化・脱窒の日変化~アイソトポマー比による解
析~、第 54 回日本生態学会大会講演要旨集、270、
2007 年 3 月
12. 眞壁明子、木庭啓介、由水千影、小川奈々子、大河
内直彦、豊田 栄、吉田尚弘、永田 俊、安定同位
体からみた琵琶湖堆積物における窒素循環、日本地
球惑星科学連合 2007 年大会、幕張メッセ、2007 年
5 月 19 日
13. 豊田 栄、吉田尚弘、町田敏暢、遠嶋康徳、高橋善
幸、対流圏大気中 N2O のアイソトポマー比の分布と
経年変動、日本地球惑星科学連合 2007 年大会、幕
張メッセ、2007 年 5 月 21 日
14. 山田圭大、林田茉莉子、豊田 栄、吉田尚弘、数百
ppm レベルの大気水素の迅速同位体比測定、日本地
球惑星科学連合 2007 年大会、幕張メッセ、2007 年
5 月 21 日
15. 鈴木希実、木庭啓介、山田桂大、吉田尚弘、北極圏
における植生の違いが与えるメタン放出量および
メタン同位対比の違い、日本地球惑星科学連合 2007
年大会、幕張メッセ、2007 年 5 月 21 日
16. 矢野 翠、豊田 栄、木庭啓介、秋山博子、早川 敦、
須藤重人、西村誠一、八木一行、吉田尚弘、施肥さ
れた農耕土壌から放出される N2O のアイソトポ
マー比、日本地球化学会 2007 年年会、岡山大学、
2007 年 9 月 19 日
17. 深澤 真、豊田 栄、前田高輝、長田 隆、白石 誠、
吉田尚弘、牛ふん堆肥化過程で発生する N2O のアイ
ソトポマー比、日本地球化学会 2007 年年会、岡山
大学、2007 年 9 月 19 日
18. 林田茉莉子、山田桂大、豊田 栄、吉田尚弘、バイ
オマス燃焼起源水素ガスの安定同位体特性、日本地
球化学会 2007 年年会、岡山大学、2007 年 9 月 20 日
8.
河野恒平、吉田 磨、山田桂大、渡邊修一、若土正
暁、吉田尚弘、安定同位対比を用いたオホーツク海
おける溶存メタンの解析、2007 年度日本海洋学会秋
季大会、p.132、琉球大学、2007 年 9 月 26 日
19. 多田敦志、上野雄一郎、高井 研、吉田尚弘、培養
実験による硫黄還元菌の四種硫黄同位体分別効果
の決定、日本地球化学会 2007 年年会、岡山大学、
2007 年 9 月 20 日
9.
鶴岡 昴(Global Edge RA)、上野雄一郎、小宮 剛、
吉田尚弘、丸山茂徳 [優秀発表賞] 、30 億年前の岩
石の四種硫黄同位体分析、質量分析学会同位体比部
会、札幌、2007 年 10 月
20. 宮袋智弘、豊田 栄、吉田 磨、渡辺修一、吉田尚
弘、アイソトポマー比を用いた南極海における N2O
の動態解析、第 30 回極域生物シンポジウム、国立
極地研究所、2007 年 11 月 16 日
10. 鈴木希実、木庭啓介、松井洋平、保原 達、Gaius R
Shaver、Anne Giblin、山田桂大、吉田尚弘、アラス
カウェットセッジにおけるメタン放出量とその安
81
■
・文部科学省
研究費の取得状況(平成 19 年度)
・国立極地研究所
(主な研究資金として)
科学研究費補助金
科学技術政策研究所
<基盤研究 A>
氷床コア研究委員会
・京都大学生存圏研究所
「培養実験によるガス放出微生物過程の生元素アイソ
トポマー」
平成 19 年度~21 年度
平成 19 年度
26,390,000 円
科学技術動向委員
運営委員会
委員
委員
・独立行政法人 海洋研究開発機構
評価委員会 委員
地球シミュレータ
・独立行政法人
推進委員
国際科学技術協力
科学技術振興機構
受託研究(上記を除く)
2件
5,265,000 円
■
共同研究(上記を除く)
2件
「地球
3,500,000 円
■
2
12(1)
5(1)
1(1)
0
0
1
(内留学生人数)
特許(平成 19 年度)
出願
1件
■
海外渡航の回数(平成 19 年度)
1回
■
学会役員(平成 19 年度)
・American Geophysical Union
Editor of Geophysical
Research Letters 2004 年 12 月より継続中
・ European Geosciences Union Editor of Atmospheric
Chemistry and Physics 2001 年 10 月より継続中
■
政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 19 年度)
・日本学術会議
連携会員
・独立行政法人 地球環境産業技術研究機構
分科会 委員長
82
人の住む惑星ができるまで」
環境解析グループリーダー
■ 研究室の在籍者(平成 19 年度中)
学部学生
大学院修士課程在籍者
大学院博士課程在籍者
研究生
受託研究員
民間等共同研究員
その他ポスドク等
21 世紀 COE プログラムへの参加状況(平成 19 年度)
技術評価
Ⅲ.その他の活動
■
東工大新技術展示コーナーの企画・運営
東工大から生まれ社会に役立てられている数々の技術の中から、特に最近の技術及びそれらの技術移
転例や研究成果を広く一般に紹介するために「東工大新技術」コーナーを常設し、平成 15 年 10 月から公
開している。このコーナーは、学内の産学連携推進本部及び財団法人理工学振興会と協力して運営されて
おり、平成 19 年度は、9 テーマの展示を新しくスタートし、全 18 ブース・23 パネルを展示した。更に、
展示室来訪者に東工大新技術をわかりやすく解説する目的で、日本語・英語での音声ガイドを作成し、活
用している。また、オープンキャンパス、すずかけ祭、学術・研究公開等のイベントに積極的に参加する
とともに、各種団体見学の受入などを行った。なお、テーマ一覧は表のとおり。当センターホームページ
でも展示内容を公開している。
URL http://www.fcrc.titech.ac.jp/tenji.htm
平成19年度の主な見学者・受入団体
<>は関連の見学先
福島成蹊高等学校「大学見学」<すずかけ台キャンパス>
南つくし野「すずかけクラブ」
韓国全南大学学生<細野研究室>
福田峰之衆議院議員視察<すずかけ台キャンパス>
文部科学省文教施設企画部整備計画室ケーススタディヒアリング
83
東工大新技術コーナー
● ブース展示テーマ一覧
分類
エネルギー・
環境
バ イ オ
材
情
開館時間
フロンティア研究センター
(2007年10月24日現在)
展示タイトル
研究室
クリーンエネルギーシステム(燃料電池)
東工大クリーンエネルギー
開発グループ
超高層免震建築物の高密度地震観測
都市地震工学センター
大気圧プラズマによる廃棄物処理
総合理工学研究科
渡辺研究室
ゲノム創薬における肝臓解毒性の予測
生命理工学研究科
石川研究室
脳波解析による感性解析と脳機能計測
東工大発ベンチャー
(株)脳機能研究所
微生物でつくる環境低負荷型プラスティック
生命理工学研究科
福居研究室
透明電子活性セラミック材料:現代の錬金術
フロンティア創造共同研究センター
細野研究室
高蛍光性ポリイミドの耐熱性発光材料への展開
理工学研究科
安藤研究室
分子機能材料の設計と開発
資源化学研究所
彌田・中川研究室
本当の軟骨・骨に代わるやさしい材料
理工学研究科
田中研究室
明瞭な会話を可能とする補聴器の無線接続による
バリアフリー会話システム
精密工学研究所
上羽研究室
筋電信号を用いたヒューマンインタフェース
精密工学研究所
小池研究室
嗅覚ディスプレー
理工学研究科
中本研究室
両眼像の違いによる空間認識
理工学研究科
金子研究室
補助人工心臓用コンパクト磁気軸受
精密工学研究所
精機デバイス部門
重量がれきのこじ開け機能を有するレスキューロボット
理工学研究科
塚越研究室
料
報
機能機械
ロボットの両眼運動制御
- 眼球運動神経系に基づいた高適応性視覚システム-
共創型歩行介助ロボット~Walk-Mate~
84
平日 10:00-17:00
精密工学研究所
張研究室
総合理工学研究科
三宅研究室
● パネル 展示テーマ一覧
分類
エ ネルギー ・
環境
バ イ オ
材
情
料
報
機 能 機械
( 2007 年1 0月24日現在)
展示タイトル
研究室
3D-CAD 対応型 屋外 熱環境 シ ミュレ ーションツ ール
梅干野・村上研究室
磁気エ ネルギ ー回生電 流ス イッ チの 応用
嶋田研究室
小型廃 棄物 ガス化 発電シ ス テム
吉川研究室
無 水N a2S n の新 合成 法 -省 燃費 タイヤ への応 用-
高田研究室
水 晶発振 子マ イクロバ ランス 法
岡畑研究室
感圧 塗料(光 学酵 素センサー)
大倉・蒲池研究室
局 在表 面プ ラズ モン を利用 した光 ファイバ バイオセンサ
梶川研究室
新しい微生物 を活 用した環 境浄 化
正田研究室
再 生医療 における細 胞マ トリッ クス工 学
赤池研究室
“ガラス 細工 ので きる金 属”の三 次元 微細加 工
下河辺・進士研究室
高加 工性 ダイ アモ ンド 状炭素 膜コーテ ィング
大竹研究室
ナノクラスター ポリ酸 - 多様 な構 造とその応用 ー
山瀬研究室
高効 率ア ンモ ニア 合成 用ル テニウム触媒
秋鹿研究室
窒 化ア ルミニウムの表 面改 質技術
福山研究室
境界 要素法 による腐 食解 析シ ステ ム
天谷研究室
次 世代 CAD/C AE
萩原研究室
文 化財を 守る考 古探 査技術
亀井研究室
ヒューマ ンイン ターフェ イスとバーチャルリ ア リテ ィー
佐藤研究室
マ イクロス ケール熱移 動の 新しい評価法
橋本研究室
気 体の 等温化 技術 と流 体計 測制御
香川・川嶋研究室
迅速 X線結晶 構造 解析装 置の 開発
大橋・植草研究室
コン ビナトリ アル ナノ薄膜 形成 技術
鯉沼・松本研究室
極 限作 業ロボッ ト
広瀬・米田研究室
85
<資料1>
関連イベント概要
平成 19 年度フロンティア研究センター関連イベント一覧
年
月
日
平成 19 年 11 月 28 日
イベント名
「東工大バイオ・材料系 COE フロンティアシンポジ
ウム」生命・環境・エネルギー研究のイノベーショ
ンに向けて ~Dr.Michael Nobel を迎えて~
主催:フロンティア研究センター
会場:東工大すずかけホール
平成 19 年 12 月 22 日
「生きた化石」シーラカンス解剖の様子を一般公開
―最先端の科学技術でシーラカンスの謎に挑む!―
会場:フロンティア創造共同研究センター棟
平成 20 年 3 月 21 日
2007 年度東京工業大学フロンティア研究センターベ
ンチャー・ビジネス・ラボラトリー・シンポジウム
主催:フロンティア研究センター
後援:財団法人理工学振興会
会場:百年記念館 3F フェライト会議室
86
備
講師:
Dr.Michael Nobel
細野秀雄 教授
濡木 理 教授
石川智久 教授
考
(フロンティア研究センター)
(フロンティア研究センター)
(生命理工学研究科)
(生命理工学研究科)
イベント内容
1.解剖映像の大型モニターによる同時配信
(上野輝彌博士の解説あり)
2.説明会の開催
3.シーラカンス冷凍標本実物の展示
4.解剖終了後の現場見学
開会の辞:
副センター長
藤井
信生
2007 年度ベンチャービジネス推進研究発表:
熊谷 圭祐 (理工学研究科)
斉藤 一哉 (理工学研究科)
尹 鍾晧
(精密工学研究所)
金 演鎬
(総合理工学研究科)
坂井 航索 (理工学研究科)
松本 英俊 (理工学研究科)
野崎 智洋 (理工学研究科)
吉岡 朋彦 (理工学研究科)
坂井 太郎 (生命理工学研究科)
大木 洋司 (応用セラミックス研究所)
松田 和浩 (総合理工学研究科)
高山 潤也 (理工学研究科)
松村 将太郎(総合理工学研究科)
三好 健文 (総合理工学研究科)
<資料2>
新聞・雑誌掲載記事クリッピング
87
88
89
90
91
<資料3>
東京工業大学フロンティア研究センター規則
平成 19 年 10 月 12 日
規則第 55 号
(趣旨)
第1条
この規則は,東京工業大学学則(平成16年学則第1号。以下「学則」という。) 第10条第2項
の規定に基づき,東京工業大学フロンティア研究センター(以下「センター」という。)の組織及び運
営等に関し必要な事項を定めるものとする。
(目的)
第2条 センターは,新分野の開拓及び次世代の新産業創出を目標に,産学連携に基づく共同の研究を
東京工業大学(以下「本学」という。)主導で計画的に推進し,独創的な研究開発を支援するととも
に,高い創造力と起業家精神を有する優れた人材を育成することを目的とする。
(業務)
第3条 センターにおいては,次の各号に掲げる業務を行う。
一 産学連携に基づく共同研究の実施
二 ベンチャー・ビジネスの萌芽ともなるべき独創的な研究開発のための施設の提供
三
ベンチャー企業を計画する者又は設立後間もないベンチャー企業(株式会社にあっては株式公開前
の企業に限る。)のうち,本学の研究成果又は人的資源等を活用するものに対する施設の提供
四
大型の外部研究資金等を獲得した教員であって,特別にスペースを必要とする者に対する施設の提供
五
その他センター長が適当と認める施設の提供
六
大学院学生の自由な発想・創造性を育成する教育研究活動
七 前各号に掲げるもののほか,前条に定める目的を達成するために必要な業務
(部門)
第4条 センターに,次の部門を置く。
一 共同研究部門
二 研究・情報交流部門
三
ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門
四 インキュベーション部門
五 総合研究部門
(組織)
第5条 センターに,次の職員を置く。
一 センター長
二 副センター長
三
2
92
教授,准教授,講師又は助教
前項に定めるもののほか,次の職員を置くことができる。
一 教授,准教授,講師又は助教に相当する者(以下「非常勤教員」という。)
二 研究員
三
教育研究支援員
四
その他必要な職員
(センター長)
第6条 センター長は,本学の専任教授をもって充てる。
2
センター長は,センターの業務を総括する。
(センター長の選考及び任期)
第7条 センター長は,学長が選考する。
2 センター長の選考は,次のいずれかに該当する場合に行う。
一 センター長の任期が満了するとき。
二 センター長が辞任を申し出たとき。
三 センター長が欠員になったとき。
3
センター長の選考は,前項第1号に該当する場合には,任期満了の日の1か月前までに,同項第2号
又は第3号に該当する場合には,速やかにこれを行う。
4
センター長の任期は,2年とし,重任,再任を妨げない。
5
センター長が任期満了前に辞任し,又は欠員となった場合の後任者の任期は,前任者の残任期間とす
る。
(副センター長)
第8条 副センター長は2人とし,本学の専任教授をもって充てる。
2 副センター長はセンター長の業務を補佐する。
3
副センター長の担当は,次のとおりとする。
一 副センター長(大岡山地区担当)
二 副センター長(すずかけ台地区担当)
(副センター長の選考及び任期)
第9条 副センター長は,センター長の推薦に基づき学長が選考する。
2 副センター長の選考時期等については,第7条第2項から第5項までの規定を準用する。
(教員選考)
第10条 センターの専任教員の選考は,第12条に規定する運営委員会の議に基づき,学長がこれを行う。
2
教員選考の基準等実施上の細目は, 国立大学法人東京工業大学教員選考規則(平成16年規則第25
号)による。
(非常勤教員選考)
第11条 非常勤教員の選考等に関しては,国立大学法人東京工業大学非常勤教員等の選考及び賃金等に
関する規則(平成16年規則第28号。以下「選考及び賃金等規則」という。)によるものとする。ただ
し,共同研究部門に所属する教員が共同研究又は受託研究(以下「共同研究等」という。)の研究代
表者である共同研究等において,非常勤教員のうち,教授,准教授又は講師に相当する者(客員教員
93
を除く。次項において同じ。)を選考するときは,選考及び賃金等規則第2章の規定にかかわらず,
共同研究等の研究代表者,理事・副学長(研究担当),センター長及び当該研究代表者の所属する地
区担当の副センター長の協議を踏まえ,センター長が行う。
2
非常勤教員のうち,教授,准教授又は講師に相当する者に,国立大学法人東京工業大学非常勤教員等
の称号の付与に関する規則(平成16年規則第30号。以下 「称号付与規則」という。)の定めるところ
により,それぞれ,特任教授,特任准教授又は特任講師と,助教に相当する者に助教(フロンティア研
究)と称させることができるものとする。この場合において,前項ただし書きを適用する者の称号の付
与に関しては,称号付与規則第3条中「教授会又はセンター運営委員会 等の議」とあるのは,「共同
研究等の研究代表者,理事・副学長(研究担当),センター長及び当該研究代表者の所属する地区担当
の副センター長の協議」と読み替えるものとする。
(運営委員会)
第12条 センターに,学則第15条第2項の規定に基づき運営委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2
委員会は,センターの運営に関する基本的な方策その他研究又は教育に関する次に掲げる事項につい
て審議する。
一 センターの運営に関する基本的な方策
二 研究教育推進に関する具体的な方策
三 その他委員会が必要と認めた事項
3 前項に掲げる事項のほか,国立大学法人東京工業大学教員の採用及び研修等に関する規則(平成16年
規則第13号)の規定によりその権限に属させられた事項を行う。
(委員会の組織)
第13条 委員会は,次に掲げる者をもって組織する。
一 センター長
二 副センター長
三 企画室企画員のうち企画室長が推薦する者1人
四 教育推進室教育企画員のうち教育推進室長が推薦する者1人
五 研究戦略室研究企画員のうち研究戦略室長が推薦する者1人
六
2
その他学長の指名する者若干人
前項第3号から第6号までに掲げる委員の任期は,2年とし,重任,再任を妨げない。ただし,補欠
による委員の任期は,前任者の残任期間とする。
(委員の運営)
第14条 委員会に,委員長及び副委員長を置く。
2
委員長は,センター長をもって充て,副委員長は,副センター長のうち委員長が指名する者をもって
充てる。
3 委員長は,委員会の議長となり,委員会を主宰する。
4 副委員長は,委員長を補佐し,議長に事故があるときは,その職務を代行する。
(意見の聴取)
94
第15条
委員会は,必要があると認めたときは,委員以外の者の出席を求め,その意見を聴く
ことができる。
(定足数)
第16条 委員会は,委員の過半数が出席しなければ,議事を開き,議決をすることができない。
2
出張者及び長期病休者は,前項の委員の数に加えない。
(議決)
第17条
委員会の議事は,出席した委員の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するとこ
ろによる。
(分科会)
第18条
2
委員会は,専門的事項を審議するため,分科会を置くことができる。
分科会の設置及び組織等については,委員会が定める。
(幹事)
第19条
委員会に幹事を置き,研究協力部長及びすずかけ台地区事務部長をもって充てる。
(事務)
第20条
センターの事務は,すずかけ台地区事務部及び産学連携推進本部の協力を得て,研究協力部に
おいて処理する。
(雑則)
第21条
この規則に定めるもののほか,必要な事項は別に定める。
(施設利用料)
第22条
2
センターの施設利用は,原則として有料とする。
施設利用料は,別に定める。
附則
1 この規則は,平成19年11月1日から施行する。
2 この規則の施行後,最初にセンター長となる者の任期は,第7条第4項の規定にかかわらず,平成21年
3月31日までとする。
3 この規則の施行後,最初に副センター長となる者の任期は,第9条第2項の規定にかかわらず,平成21
年3月31日までとする。
4
この規則の施行の前日において,第6項で廃止されることとなる規則等に基づく職員,予算その他許
可権限は,センターに継承するものとする。
5
この規則に基づき,最初に第13条第1項第6号に掲げる委員となる者の任期は,同条第2項の規定に
かかわらず,約半数の委員は平成20年3月31日までとし,残りの委員は平成21年3月31日までとする。
6 この規則施行の際,次に掲げる規則等は,廃止する。
一 東京工業大学フロンティア創造共同研究センター規則(平成16年規則第87号)
二 東京工業大学総合研究館規則(平成16年規則第144号)
三 東京工業大学総合研究館運営細則(平成16年細則第36号)
95
四 東京工業大学総合研究館会議室等使用内規(平成16年4月1日学長裁定)
五 東京工業大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー規則(平成16年規則第149号)
六 東京工業大学インキュベーションセンター規則(平成16年規則第154号)
七 東京工業大学インキュベーションセンター利用細則(平成16年細則第39号)
96
本報告書掲載の新聞・雑誌記事については、
すべて転載許可を得てあります。
東京工業大学フロンティア研究センター
平成19年度活動報告書
平成20年9月
編集・発行
東京工業大学フロンティア研究センター
〒226-8503
TEL
神奈川県横浜市緑区長津田町4259番地
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FAX 045-924-5973
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(すずかけ台地区事務部総務課総務グループ)
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