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三洋電機のIT パートナーとしての役割を担うとともに

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三洋電機のIT パートナーとしての役割を担うとともに
エンタープライズIT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
特 集 IP時代のリーディング・プレーヤーを目指す
NTTデータ三洋システムの取組み
インタビュー
三洋電機の IT パートナーとしての役割を担うとともに、
自立化に向けた取組みを加速
開発及び運用技術、ネットワーク技術、組込みソフト技術、3D 技術など、独自の強みを活かし事業拡大を目指す NTT データ三洋シ
ステム。NTT データの先進 IT 技術、ソリューションと三洋電機グループの IT 化で培ったノウハウを融合し、ビジネスを展開してい
る同社の取組みについて、菊田道夫社長にうかがった。
2003 年 1 月、NTT データと
三洋電機の資本提携により発足
システムの企画・設計・開発・業務
運用と ICT インフラの維持管理・運
用、データセンターのビジネスを行
―はじめに、貴社の概要と主な事業
う「アウトソーシング事業」を展開
分野についてお聞かせください。
しています。この他、製造業をはじ
菊田
私ども NTT データ三洋シス
めとしたお客様向けに様々なソリュ
テムは、2003 年1月に NTT データ
ーションを提供する「ソリューショ
と三洋電機の資本提携により新たに
ンビジネス事業」、組込みソフトウ
出発した会社です。もともとは三洋
ェアの開発を行う「組込み事業」、
電機の情報システムを一元的に担っ
高速大容量のバックボーンをベース
ていた情報システム部門が独立した
にブロードバンドのインターネット
会社で、ネットワークの領域、デー
環境を提供する「SANNET(ISP 事
タセンターの運用、基幹系システム
業)」、独自の 3D 技術を駆使し、三
の開発・構築・運用、さらには製造
次元で物を立体表示して見せる「ビ
㈱ NTT データ三洋システム
代表取締役社長
物の中に組み込まれる組込みソフト
ジュアルソリューション事業」の合
菊田 道夫氏
ウェアの開発を得意としていまし
わせて5つの分野を軸に事業展開し
た。こういった強みに、NTT デー
ています。また、三洋電機はグロー
ンシステムと同じくらいのステップ
タのシステム構築力や先進的なソリ
バルな企業ですから、私どもも上海
数のソフトウェアが携帯電話の中に
ューション、また人的な支援が加わ
に 100 %出資の現地法人を設立し、
組み込まれているといわれていま
ったことにより、他の SI 事業者か
システム的な支援と、ソフトウェア
す。携帯電話をはじめとする三洋電
らみると羨ましくなるような幅広い
開発を行っています。
機グループ製品への組込みソフトを
分野に対する弾を持っていると思い
長年開発し続けてきたノウハウ・実
組込みソフト事業に注力−戦略子
会社「NTT データ アウラ」設立
績を活かすとともに、コスト競争力、
し、1つ1つの分野が手薄になる危
―昨年、組込みソフト開発専門の子
年 4 月、組込みソフト事業の戦略的
険性があります。そのため、どの分
会社を設立されましたね…。
分社を行い、100 %出資の子会社
野に力を入れていくのかを絞って、
菊田
携帯電話、家電製品、自動
「NTT データ アウラ」を設立しま
メリハリをつけていくことが重要で
車をはじめ様々な製品の中にはソフ
した。現在は、組込みソフト開発事
す。現在は、私どもの特徴・強みを
トウェアが組み込まれています。一
業に加え、携帯電話のハードウェア
活かし、三洋電機グループ向けには、
説によると、以前の銀行系オンライ
と携帯キャリアのサービスメニュー
ます。しかし、得意分野が広がりす
ぎると、限りある資本・人材が拡散
48
品質・開発力をさらに強化すべく昨
ビジネスコミュニケーション
2007 Vol.44 No.2
エンタープライズIT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
●インタビュー
の両方に精通しているという特徴を
三洋電機
三洋電機
活かしたモバイルソリューション事
NTTデータ
業も行っています。また、昨年、中
NTTデータ三洋システム
国において半導体、デジタル機器、
自動車の車載機器の組込みソフトの
アウトソーシング事業
ISP事業
ソリューション
ビジネス事業
組込事業
ビジュアル
ソリューション事業
開発拠点として、上海・現地法人の
分公司を深
に開設しました。今
NTTデータ アウラ
中国・上海現地法人
後、国内との連携も含め、活躍が大
いに期待できると思っています。た
組込みソフト開発事業
恩梯梯数据三洋系統集成(上海)有限公司
モバイルソリューション事業
だ、組込みソフトは製品の競争力確
NTT データ三洋システムの概要
保に大きな役割を果たすものであ
り、それだけに、ソフトの品質確保
業務改革・意識改革に注力してお
ています。次に、三洋電機グループ
は重要なポイントになります。また、
り、この成果は、まだ充分とは言え
のITパートナーとして、積極的に行
新しい領域に参入していくために
ませんが、順次出てきていると思い
動していきたいと考えています。ま
は、まず、小規模な領域で信頼を得
ます。親会社を含めて事業環境が厳
た、NTTデータとの関係については、
ていくことが、組込みソフトの事業
しい中、2006 年度は 2005 年度並み
今後は「ある領域に関しては任せて
では、特に重要だと考えています。
の売上規模を確保できそうですし、
もらえる」だけの力をつけていきた
前向きに頑張っていると自己評価し
いと思います。さらに、運用技術、
ています。
ネットワーク技術、3D技術、組込み
―三洋電機グループと、それ以外で
ソフト開発技術といった他社にはな
― NTT データ三洋システムとして新
の売上比率はどれくらいですか。
い強みを持っています。こういった
出発して今年で4年目ですが、特にど
菊田 だいたい売上の 4 分の 3 ぐら
強みを武器としてブラッシュアップ
のような点に注力されていますか。
いが三洋電機グループの関係になり
し、NTTデータグループの中でもユ
菊田
ます。
ニークなポジションを確立し、三洋
依存体質から自立体質への転換
に向け業務と意識の改革を図る
親会社の NTT データと三洋
電機、さらに子会社の NTT データ
アウラ、そして中国現地法人という
フォーメーションで、それぞれの強
電機グループ以外のビジネスも拡大
武器を明確にし、それをブラッシュ
アップするための投資を実施
していきたいと考えています。
―具体的な経営目標は…。
みを活かしたシナジーによって新し
―最後に、今後のビジネス展開に向
菊田
い領域を作り出していくという点で
けた抱負をお聞かせください。
な事業の発展に向け、内部の基盤を
は非常に恵まれた環境にあると思い
菊田
まず一つは、我々の武器は
充実させることを主眼に取り組んで
ます。2005 年4月に社長に就任し
何かということを明確にし、いかに
いきます。競争力を高めるために必
て以来、対話会や社内報などを通じ
その武器をブラッシュアップしてい
要となる投資を積極的に行い、自ら
て社員に向けて「依存体質から自立
くかが重要です。これは 2007 年度
を強くしていく年にしていきたいと
体質へ転換しよう」と言い続けてい
だけではなく、2007 年度以降を見
考えています。
ます。これは会社としてもそうです
据え、我々が本当に何を強みにして
―本日は有難うございました。
し、個々の社員が自律的に仕事を行
事業展開していくかを考え、人材や
うことも意味しています。このため
設備への投資が必要であれば、思い
に、開発・運用の技術力の向上及び
切った投資を行っていきたいと考え
ビジネスコミュニケーション
2007 Vol.44 No.2
2007 年度は、今後の継続的
(聞き手・構成:編集長 河西義人)
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