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情報通信審議会 情報通信政策部会 第2回 新事業創出戦略委員会

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情報通信審議会 情報通信政策部会 第2回 新事業創出戦略委員会
資料2-3
情報通信審議会 情報通信政策部会
第2回 新事業創出戦略委員会
ボストンコンサルティンググループ
秋池玲子
2011年2月23日
内容
1. グローバル市場を目指す意味
2. 国際競争力強化に向けて日本の抱える課題
3. 今後の方向性
/xxxx
1
1. グローバル市場を目指す意味
世界市場は2つの異なる領域に分かれている
•
•
•
•
•
GDP成長率 (PPP)1)
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
China
世界経済上の規模
労働力供給地
消費地
輸出国
研究開発基地
新興国
GDP成長率平均:
Size of GDP (2008, USD B, PPP)
RDE
5.5%
先進諸国
GDP成長率平均:
India
Indonesia
Philippines Mexico
Brazil
Malaysia
Thailand Russia
Canada
United States
Spain
Japan
Belgium
United Kingdom
Australia
Netherlands
Sweden
France
Italy
0
10
20
1.7%
30
Switzerland
40
Germany
50
製造業の労働力時間当たり単価 ($US、2008年)2)
1. Gross domestic product based on purchasing-power-parity (PPP) valuation of country GDP, projections made in Apr 09
2. Average cost of manufacturing labor per hour (pay and non-pay costs)
Source: IMF World Economic Outlook Apr 09; EIU Market Indicators and Forecast; BCG分析
/xxxx
2
中間層のいる都市は新興国を中心に今後も増えていく
(例示)中国においてマス富裕層1)人口が10万人を超える都市
2010年
2020年(予測)
Heilongjaing
Beijing Liaoning
Tianjin
Hebei
Shandong
Jiangsu
Shanghai
Sichuan Chongqing
Zhejiang
Hunan
Fujian
Guangdong
マス富裕層人口10万人以上の都市
Neimenggu
Jilin
Liaoning
Xinjiang
Beijing
Tianjin
Hebei
Ningxia
Shandong
Shanxi
Qinghai
Gansu
Henan
Jiangsu
Shanxi
Xizang
Anhui Shanghai
Sichuan Hubei Zhejiang
ChongqingJiangxi
Hunan
Guizhou
Fujian
Yunnan
Guangdong
Guangxi
Hainan
1. マス富裕層: 世帯年収10万元 (約140万円) 以上の世帯
Source: 人口統計、BCG分析
/xxxx
3
アジアを中心に、社会インフラは今後更に大きく伸びる
グローバル社会インフラ投資の動向 (1990~2020年)
東欧
(10億ドル)
4,000
西欧
(10億ドル)
3,000
4,000
2,000
3,000
1,499 1,593 1,702
2,000
2,155
1,000
100
165
’90
’00
261
407
(10億ドル)
1,000
北米
4,000
0
’10
アジア
’20
3,000
0
’90
’00
’10
中東
(10億ドル)
4,000
4,000
3,812
3,000
1,282
1,000
2,000
0
73
104
164
’90
’00
’10
278
’20
2,000
1,000
0
20
23
43
65
920
44
179
’00
1,000
742
インド
272
85 775
1,850
中国
’10
’20
’90
’00
’10
’20
’00
’10
オセアニア
3,000
2,000
2,000
1,000
81
160
’90
’00
’10
南米
4,000
3,000
73
’20
949
4,000
1,000
1,562
0
680
285
0
’90
1,042 1,043
(10億ドル)
(10億ドル)
3,000
38
’90
0
4,000
1,027 1,184
945
1,000
アフリカ
1,996
2,000
3,000
(10億ドル)
2,000
(10億ドル)
’20
125
142
210
342
’90
’00
’10
’20
0
’20
2020年の市場規模は50兆円以上と予想される
Note: 社会インフラ: 交通 (道路・橋・空港・鉄道)・公共衛生 (リサイクリング・治水・上下水道)・エネルギー (エネルギーネットワーク) ・非居住用建築物・居住用建築物
Source: Global Insight; BCG分析
/xxxx
4
環境を意識したインフラ整備には、情報通信やソフトウェア等の
プレーヤーの働きが不可欠
(例示)エネルギーマネジメント回りの状況
家庭
運輸
鉄道
ネット
ワーク
ガソリン車
プラット
フォーム
• システム
EV
アプリ
ケーション
• サービス
オール
電化
住宅
・・
産業
・・
グリーン
ビル
交通
システム
冷熱、照明、
セキュリティ 等
システム
ITS
ホーム・オフィスNW
DC
ネット
ワーク
日系以外の主要プレーヤー
• 地域、国、都市
グリーン
工場
/xxxx
情報通信網
• ユーザー系IT: Google、
マイクロソフト
• 企業系IT:
IBM、
アクセンチュア、
多数のベンチャー
・・・
送電制御
ACネットワーク
再生可能
エネルギー
• 不動産
ディベロッパ
ー
• 設計/デザイ
ン会社
蓄電
• 重電メーカー:
電力制御網
業務システム
発電
インフラ
アプリ
ケーション、
サービス
• 電力会社IT:
SAP
• 各分野のメーカ
ー:
自動車OEM、
住宅メーカー、
電機メーカー等
• 石油会社
原子力
GE、ABB、
シーメンス 等
• 電力会社
火力
その他
5
(例示)売上高1兆円以上で海外比率50%以上の日本企業
50%を達成しているのは約30社(2008年)で、まだ成長の余地はある
企業名
業種
売上高海外比率 (%)
0
商船三井
ヤマハ発動機
任天堂
川崎汽船
本田技研工業
日本郵船
三菱自動車工業
キヤノン
小松製作所
日産自動車
ソニー
ブリヂストン
マツダ
トヨタ自動車
スズキ
セイコーエプソン
富士重工業
ダイキン工業
いすゞ自動車
信越化学工業
旭硝子
三洋電機
京セラ
リコー
武田薬品工業
川崎重工業
シャープ
富士フイルムホールディングス
ジェイテクト
東芝
クボタ
海運
自動車
レジャー機器
海運
自動車
海運
自動車
電気機器
機械
自動車
電気機器
ゴム
自動車
自動車
自動車
電気機器
自動車
機械
自動車
化学
窯業
電気機器
電気機器
精密機器
医薬
造船
電気機器
化学
機械
電気機器
機械
20
40
50 60
80
100
90
89
88
87
86
85
80
79
78
76
76
76
76
74
68
67
65
63
63
62
61
60
58
55
55
55
54
53
52
51
50
全社
1.9
1.6
1.8
1.2
10.0
2.4
2.0
4.1
2.0
8.4
7.7
3.2
2.5
20.5
3.0
1.1
1.4
1.2
1.4
1.2
1.4
1.8
1.1
2.1
1.5
1.3
2.8
2.4
1.0
6.7
1.1
売上高
(兆円)
海外
1.7
1.4
1.6
1.1
8.6
2.1
1.6
3.2
1.6
6.4
5.9
2.4
1.9
15.1
2.0
0.8
0.9
0.8
0.9
0.7
0.9
1.1
0.7
1.2
0.8
0.7
1.5
1.3
0.5
3.4
0.6
Source: 有価証券報告書; BCG分析
/xxxx
6
2. 国際競争力強化に向けて日本の抱える課題
日本企業の抱える課題:大手を含む既存の企業
• 新興国中間層向けには新たな商品が必要だが、日本国内の市場が未だ無視で
きない大きさであるため経営資源配分が難しい
– 人材や開発費を新興国対応に大胆に配分することは足元の業績を考えると
やりにくい
• 得意なのは顧客のニーズに合わせた作りこみだが、価格が高くなってしまう
– プロダクトでなくソリューションを売ろうとする時に特に解が見つからなくなる
• 企業の中が部門に分かれていて「総合力」発揮が難しい
– 産業構造の転換の先手を取る組織構造やマインドの変更は容易ではない
– 新しい産業構造に対処するための横串組織が作られているが、事業部門と
しては実績を作っている最中であり、社内的にイニシアチブを取りにくい
• 新興国に進出すれば成功しそうだが、事業を管理する制度上は一層リスクが取
りにくくなる傾向がある
等
/xxxx
7
日本企業の抱える課題:ベンチャーも含む日本企業
• ベンチャー振興に不可欠な、資金面以外の育成環境や人材が不足している
– シリコンバレーには資金提供者だけでなく、ベンチャー専門の法律事務所、
会計事務所等もあって企業運営が容易になっている
– 要素技術やビジネスモデルを発案するだけでなく、事業を大きく伸ばす営業
人材、管理系人材や経営人材が不足している
• 受注・販売やアライアンス等の契約には改善余地が大きい
– 契約や事前合意の表現等があいまいで、結果的に不利益を被ることが少な
からずある
– 「モノからサービスへ」という流れが強まるにつれ、一層SLA(Service Level
Agreement)等、契約の作り方の巧拙が問われるようになるが、手法は未確
立である
• 日本独特の「商社」が担っている役割(情報収集、資金調達、与信、契約等)を、
商社が対応しきれない中堅、中小事業者が自ら行うのは困難である
/xxxx
8
3. 今後の方向性
今後の企業経営や制度設計の方向性
• 企業としては製品やサービス開発時に国内以外の市場も含めて検討する
– 製品スペック、サービス、プライシングで思い切った割り切りも必要(例:種類を極端に
少なくする、基本サービス以外はすべて有料 等)
– 特殊仕様を一般化するプロセスに投資する
• ルールを作る側に回ったり、知財で収益を得たりする発想を身につける・強化する
– 全体をコーディネートする立場を目指す(例:シンガポールKeppel社)
– 新規領域では競合に先がけて事業化を行い広く普及させることに注力し、標準を取る
ことを目指す
– 特区の活用
• プロダクトではなくソリューションを売る、は言葉としては定着したが、そのための環境整備
を今後は強化する
– 新事業を育成するための環境、制度
– 人材の活用、育成 等
/xxxx
9
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