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資料5 渡邉委員提出資料(PDF形式:488KB)
資料5 認定こども園制度の在り方に関する検討会提案 ゆうゆうのもり幼保園 渡辺英則 1.認定こども園の意義 ①見えない認定こども園のあるべき姿 利用者とはだれか。子どもを育てるための施設なのか、それとも子どもを預かればいい 施設なのか。子育て支援とは何をすればよいのか。 認定こども園がすべての就学前児童を対象とする包括的な教育、養護、保育制度の構築 をめざすならば、それは子どものための施設でなければならない。 子どもが思う存分遊べる場として 規制改革会議中間とりまとめより 幼保一元化の実現に向けて ○大改革により一気に幼保一元化を実現する。現行の幼稚園、保育所と統合し、一元化さ れた行政・予算の下、すべての就学前児童を対象とする包括的な教育、養護・保育制度を 構築する。親の就労形態等にかかわらず、利用者が直接申込み、契約でき、利用時間・サ ービス内容も柔軟に選択できる施設とする。 ○認定こども園という枠の中だけで試行的に幼保一元化を実現し、あるべき姿(真の幼保 一元化)への足掛かりとするという制度改革もあり得る。 中教審・教育振興基本計画について−「教育立国」の実現に向けて− ○都市化,少子化の進展や経済的な豊かさの実現など社会が成熟化する中で,家庭や地域 の 教育力の問題や,個人が明確な目的意識を持ったり,何かに意欲的に取り組んだりす ることが以前よりも難しくなりつつあることが指摘されるようになっている。こうした状 況の中で,近年,教育をめぐって,子どもの学ぶ意欲や学力・体力の低下,問題行動など 多くの面で課題が指摘されている。 -1- ○このような状況は,経済性や利便性といった単一の価値観を過剰に追求する風潮や,人 間関係の希薄化,自分さえ良ければ良いという履き違えた「個人主義」の広がりなどがあ いまって生じてきたものと見ることもできる。しかしながら,経済などの一面的な豊かさ の追求のみによっては真に豊かな社会を実現することはできない。 ○我が国社会を公正で活力あるものとして持続的に発展させるためには,我々の意識や社 会の様々なシステムにおいて,社会・経済的な持続可能性とともに,人として他と調和し て共に生きることの喜びや,そのために求められる倫理なども含めた価値を重視していく ことが求められている 文科省幼稚園教育要領説明資料から−幼稚園教育における課題等− 近年子どもの育ちが変化している ・基本的な生活習慣の欠如 ・食生活の乱れ ・自制心や規範意識の希薄化 ・運動能力の低下 ・コミュニケーション能力の不足 ・小学校生活にうまく適応できない ②認定こども園をきっかけに乳幼児期の生活全体を見直すべき ・幼保の子どもが一緒に生活するならば、最低1日4時間は子どもの生活としてそれを保 証すべき 施設で生活するのは子ども 子どもの生活そのものが脅かされている ・親の多様なニーズに振り回されない 保育時間、保育日数がバラバラで本当にいいのか 生活リズムの乱れが成長に大きく影響 「早寝、早起き、朝ご飯」運動の意味 ・乳幼児期に多様な生活ができない貧しい環境 公園ではのびのび遊ぶのも不可能 子どもに対して厳しい地域社会 多様な経験は、地域や家庭で保証されてきたが、それができないなら多様な人との出 会いから 保育ボランティア、おやつボランティア、小学生ボランティア 子どもとかかわることで生活面での豊かさを感じる保護者の存在 -2- 保育は保護者の支えがないと できないことが多い ③認定こども園と子育て支援 ・今の子育て支援 母親に一人の時間を保証するのが中心 ・子育てに参加する楽しさ、子育てがおもしろいということを発信する場こそが子どもの 施設 ・保護者が他者に開かれていく経験の場として 親が親になっていく場として ・園を中心に新たな地域の創造 ・自分の子のことから地域の子どもたちへ 認定こども園は子育ての楽しさを伝える施設 子育て支援を支援する ゆうゆうのもり幼保園年長保護者からの手紙(抜粋) 子どもだけなく私たち自身も、三年間のクラス委員としての活動や、おやじの会のイベ ント参加を通して貴重な体験をさせて頂きました。お仕事をされていたり、いろいろな立 場の保護者の方々と意見交換し、どうしたら子ども達が喜んでくれるだろうかと考えなが ら行事の準備をしたり、園庭キャンプや虫取りなど父親の得意分野の遊びをすることによ り自然に親しんだり、親子の絆が深まったりと、母親ひとりではなくみんなで子育てをす ることの大事さを強く感じました。 2.認定こども園の課題 ・制度面での課題 幼保連携型の制度の問題 ア)二つの園が独立型ならばそれほど混乱はない 幼稚園と保育園をそれぞれ独立して行うならば解消できることはたくさんある。 ただし、この発想は、認定こども園本来の主旨には合わない可能性が大 やっぱり、幼保は別々の方がいいという結論になる。 -3- イ)幼保一緒の保育を行おうとする場合 ○指導計画、保育課程の作成の難しさ ・幼稚園の保護者も保育園の保護者も納得する年間計画作成の難しさ 行事の問題 保護者会、遠足、お泊まり会、運動会・・・。 代休をどうするか 土曜日に仕事の人もいる 行事の前後にも子どもを預けたい親がいる 誕生会の持ち方 保育参観、保育参加の持ち方 身体測定、避難訓練等の調整 幼稚園の保育が午前か午後かで給食数が異なる 出席日数、欠席の考え方 ・1日の保育の組み立て方の難しさ 保育室の問題 光の時間と風の時間の場所を分ける 幼稚園の保護者が迎えに来る中で、長時間いる子への配慮 (残される気持ちにしない、「お帰り」とか「夏休み」という言葉を避ける) 光の時間と風の時間とでは、保育は違うのか同じなのか 幼稚園教育要領と保育所保育指針をどう保育に反映させるのか 午睡の場所、仕方(特に3歳以上にどこまで必要か) 保護者との連携の問題 光と風の職員とで話し合いの時間がとれず、保護者にどの ように保育の様子を伝えるかも課題 保育者の働く時間はどうしても長くなる傾向になる ○保育者・職員の配置の難しさ ・根本的に違う幼稚園と保育園の保育者の働き方 8時間子どもと一緒にいるという保育園保育者 乳児、光の時間、風の時間という3つの働き方の中で連携する時間もとれない 園全体の動きをだれがどう調整するか 園長、主任の動きが複雑 乳児の職員、風の時間の職員、給食の職員のローテーションを決める必要がある 風の時間 ボランティアやアルバイトの募集・管理が煩雑 ・乳児(0∼2歳児の保育) 働き方、話し合いが幼児とまったく違う 話し合いは月2回、金曜日の7時30分過ぎから ・風の時間の保育の難しさ 午前と午後の保育をどう組み立てるか 長期休暇中、代休、開校記念日等、小学校が休みの時の職員配置の問題 ○研修会への参加 幼稚園と保育園の参加の仕方が違う 新規採用研修や教員免許更新は幼稚園教諭だけ 毎月他園の保育者たちと話し合うような研修会への参加は、原則保育園職員はで きない ○職員の待遇の違い 社会福祉法人と学校法人では、社会保険や退職金も異なる -4- ウ)保護者への対応 ○ゆうゆうのもりでは、同じ保育を行っていても、所属によって保育料が大きく異なる (幼稚園児・幼稚園児の預かり保育利用児・保育園児) このことに対する説明責任がでてくる ○園の保育に対する説明も必要 幼稚園的な行事、長期休暇中の保育への理解 父母の会(保護者会)活動への参加 バザーへの参加 年長になると就労の有無にかかわらず一緒にという意識が 園行事のお手伝い サークル活動、父母の会活動 特におやじの会の存在 就労の保護者有志で行う夏のキャンプ ○3歳への進級をめぐって 保育料、教材費等への説明責任 (預かってもらえればいいという保護者への対応) 幼稚園の保護者が入ってくるということへの理解 エ)入園説明の煩雑さ ○保育園直接入所の煩雑さ 入所希望者に個別に説明する必要がある 幼保園についての説明が必要 入園手続きの問題 選考基準の決め方 保育料の違い、教材費の違い 幼稚園に比較して詳細な個人情報を受け取る責任 兄弟枠の取り扱いが難しい ○幼稚園園児募集も保育園直接入所とほぼ同時に行っていかなければならない煩雑さ ゆうゆうのもり幼保園の園児数 -5- ゆうゆうのもり幼保園の保育の流れ -6-