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月12日(木) rハノーファー市役所でのヒアリング」 目的:ドイツ環境首都賞
( 4) 4月12日( 木) r ハノーファー市役所でのヒアリング」 目的: ドイツ環境首都賞第2 i 立のハノーファーにおけるビオトープ・ネットワークづくりや再生可能エ , ネルギ一利用など、自然と共存した低エネルギーの持続可能なまちづくりの取り組み(レク と現場視察) を知る。 説明:ハノーファー市第一市長ハンス・モニンク、ホフ氏 ※ドイツでは任期 8年の大市長は政策の上で一番上に立つが、彼を代行する 3人の市長 がおり、モニングホフ氏は管理部の責任者であるとともに、今年で7年目となるドイツ唯 一の「環境と経済が一緒になった部門」を担当している。今年で在職 23年目 。 ( 挨拶) 『今日は皆さん本当にょうこそお越しくださいました。ハノーファ ーにお迎えできますことをとても喜んで、 おります。本来ですと、大 市長がこちらに参り、ご挨拶をするはずでしたが、本当に申し訳あ りません、 1つ重要な約束事があり来られませんので、私が皆様 にご挨拶したいと思います。 市は、日本とは本当にもう非常に長いことコンタクトをとっていま す。特に広島市とは姉妹都市となっています。 それでは、簡単に市役所のことについてお話しします。こちらの 建物は新市役所と言っております。古い方の旧市役所もあるので 5 0 0年代に建てられたもので、 す。こち すが、そちらの方の建物は 1 9 1 3年に建てられました。1 0 0年くらいしか経ってお らはまだ若く、 1 りません。 0 0 ハノーファーの特徴はふたつあります。ひとつ目は、すでに 1 年以上も前から市民の中には緑を育てようとし汚気持ちがありまし た。その緑があればこのまち自体の質も上がるという考えで、現 在も非常にまとまった緑のまちとしてハノーファーは生きており、 市の面積の約 50% が紛也となっております。 ふたつ目は自治体政策で、これはドイツでも珍しいものです。 1 9 5 0 1 9 8 8年まで、 社会党が政権を握っていましたが、 8 8年から現 在までは、緑の党と連立を組んでいます。この間、環境に関するプ ロジェクトは毎年進行しています。経済なくしての発展はありませ んが、環境に見合った経済をすすめています。その結果として、ある環境団体から生物多様性に おいて良いまちであるとの賞や、経済的発展においても環境にやさしい発展をしているとし汚賞を いただきました。 チエjレノブイリ原発事故があった直後にハノーファー市は、原発なしの電力供給を目指すことを決 めました。ハノーファー市の取り組みが皆さんのお役にたでればと思います。』 ※市役所ロビーにある 4つのハノーファー市街の模型。1番目は 中世時代のハノーファ一、 2番目は産業時代 ( 1 8 5 0年から 1 9 0 0 年代)、 3番目は 95% の衝が破壊された 1 9 4 0 4 5年 、 4番目 は現在。 12 内容:①ハノーファー市の概略、庭園都市としての特徴や自然や緑地保護の取り組みについて 説明 : ハノーファー市環境・都市緑地担当一一一一一一一一一一一一氏 -ハノーファーは自然保護に伝統を持っている。モットーは「庭園の 様な街」であり、自然保護、文化、人聞が共存する発展を目指して いる。 . 1 2 0 年前から緑の専門部署がある。緑化局、庭園局など。 ・何年も前から「街は庭の様にならなければならないJ と考え、市民 をどう誘導するかを考えてきた。数年前にエキスポがあり、その こ「庭の街ハノーファーJ とう題目で、 エキスポが行われた。 時l -部長の下で代行として{動いており、担当は「都市計画と建築」の分 野。同部には8 0 0人の職員が働いている。 -戦前の住宅地は人口密度が高かったので、戦後、市民のために ゆったりとした街をつくることにした。そのために住宅地の中に緑 を増やし、自由な空間を多くとっている。 役所として自由になるところは緑地、自然地として残すようにして いる。 -環境の質を良くすることは経済にとっても非常に大切な、良いことである。環境がよければ企業も そのまちに来てくれる。良い教育、良い幼稚園、そしてレクリエーションの場を作ることも大切に なってくる。 -近年ドイツでは外国人が増えている。企業で働くため、勉強のため、そして大学の研究のために 他国から来る人にも住みやすい街にしなければならない。 -街の面積の約50%が緑地だが、これには市民農園、個人の庭も含まれる。ハノーファーは市民 が1 0 分も歩けば緑があるとし、うつくりになっている。 ・アイレンリーデの森は、街の中にある森としてヨーロッパの中で、 も最大のもので、 ある。 ・ アイレンリーデの森は農耕地として使われてきたが、森をつくるために3 0年前から少しずつ植林 をしてきた。緑と緑をつなげる取り組みをしている。森をつくることは大切な取り組みであるため、 それを進めるべく努力をしている。 -市の総面積2 0 , 41 0 h aのうち、緑地面積( 森林、個人住宅、動物園、クラインガルテン、市街地の広 0 . 5%にあたる4, 1 8 7 h a が景観保存保護地域になって 場)は大きな割合を占めている。その中の2 いる。自然保護地域が2 1 6 h a、街路樹の数は4 2 0 万本にも上り、昆虫が好む植栽がなされている 0 ・アイレンリーデの森には、種の多様性がある。多くの動植物が生息しており、ビオトープがある。 また、サイクリング、スケート、散歩などレクリエーションにも利用されている。「街の中にありなが ら種の多様性に富む森」として、世界的にも知られている。 -市役所のある所や、マッシュ湖( 人口湖)は、戦前はすべて農耕地だった。ある時ライネ川の砂利、 砂などの採掘事業が始まったが、途中で放棄され、その後に水が残った。それを活用して、その 周辺を自然に戻すための木を植え、ビオトープをつくり、今日の生物多機性を活かしたつくりにと なった。当時の散歩道は現在も残っている。 -緑をつなげることが大切である。飛び石の様になっていると何にもならない 0 .水辺は生物多様性のために非常に大切である。 -市内に、グリーンリングと呼ばれるリング状の紛色がある。この緑の環をたどると運河、河畔、つ まり緑と水l こ行き着く。 .,、ノーファーには、 1 6箇所、総面積は3 0 0 h a もの公園がある。特に古いものとしてはバロック時代 から残るヘレンホイザーガーデンがある。フォン・アルデン・ガルテンは、 1 6 9 2 年以来一般公開さ れている。 13 -大規模庭園であるへレンハウゼンは、ハノーファ一国王が庭園として 1714年に造成したもので、 1763年から市民に開放されている。当時、王は広〈美しい庭をもっていたが、市民は密集したとこ ろに住んでいた。王は、そのような環境が病気や貧民窟の発生につながると考え、市民も自由を 満喫できる場所が大切だとして、自分の庭を開放した。 1 9 1 3 年造成)は、ライネ川をつかった自然的な庭である。 -新市役所前のマッシュ公園 ( 力ッテンフ、ルク地区公園は自然と文化が調和した公園である。銀行が多くの土地を建築のため に使ったことから、その開発相当の代償としてこの公園を造った。 2 0 1 0 年造成 ‘建設用地内の高度なテクノロジーを駆使した科学公園マリエンベルダーセンター ( 公園)には、企業誘致の場所、企業や研究機関などが入っている。 こはヒロシマ公園 ‘ハノーファー市は広島市とパートナーシップを結んでいるため、アルテ・ブルト l (元競馬場)がある。広島の原爆のようなことが二度とあってはならないとし可思いもこめられて いる。 -ビリー・スI~ーン公[董l は、私立財団が市に贈呈したもの。当時、石灰をとって焼いたあとの釜がそ のまま残っている。 ・ストッケンの市営墓地は都市内での緑地保護のために重要な場所である。 -リンデナーの丘の古い墓地では、現在、墓をつくらず森の中を自分の墓にしたいという人もおり、 散骨を行うこともある。 1年l こ1回青い花が咲く時期には、死者を弔うための祭りを行う。 ・夏は庖舗の前にプランターを置く。このプランターは樹木ごと市から貸し出しており、代金を払え ば手入れもされる。 ・農耕地として使われている所を再び湿地に戻そうという取り組みが行われている。そこには多く の動植物が入ってきている。 . 1 9 9 4 年以来、自然を守りながら農耕を行うプログラムがとられている。例えば、市の土地を借りて 農耕を行う際は、自然生態系に配慮した農耕を行うことが義務付けられている。 ・公私有林を問わず、無断で樹木を伐採してはならない法律(条例つ)がある。たとえ個人の庭で あっても許可証が必要となる。 ・市は、市民に自然を守ってもらえるように努力をしている。グリーンリングの印には交通標識と異 なる青色を用いて、分かりゃすい表示をするようにしている。 -クロンスペルクという新興住宅地には、土壌管理のため、土を遠くに運ばす、に済むよう、近場に 盛り上げて置いておくことのできる場所(丘)をつくった。 ・市民参加を促すため、自分の庭を公開するコンクールを開催し、個人宅の庭づくりを奨励してい 5 0人の参加者が自分の庭を公開している。 る。過去2回行われたこの取り組みでは、 1 ・樹木の里親制度を導入しており、 382人が里親になった。 -友好の園の森が市内に8 カ所あり、行事に伴って木を植えることができる。 ・子どもは、自然に触れ合うのが早いほど自然を愛好する気持ちが育まれる。学校だけでなく、市 でも環境教育の場を提供している。例えば、森の中の巣箱、昆虫箱(ホテル)づくりなどを実施し ている。 ・ブルグガルテン植物園には多種多様な植物が植えられ、市民に親しまれている。 E ・市民農園であるクラインガルテンは、自然体験の場として最適である。 300~500mの広さで約 2 0, 0 0 0区画あり、市が年間の使用料を取り貸し出している。 . r~割支生物センターJI こは教師、生物学者、庭師などが子どもたちを連れて勉強に来る。子どもた ちが森の中で遊んだり、レクリエーションしたりする場が設けられている。 ・子どもの森という7万 もの大きな森がある。ここでは、森づくりや管理などすべてが子どもに委 5 年ほどの間に何百人もの子どもが来て、徐々に ねられている。昔はただの荒れ'地だった所を 1 森に作り上げてきた。 ・自然を守る長年の幅広い取り組みが実り、 2007年にドイツ連邦政府と自然保護団体が実施した 「自然保護環境保護首都賞」で総合2位に輝いた。 m 1 4 -市民アンケートでは90%以上が喜んでハノーファーに暮らしたいと答えている。また、誘致する 企業からも好評を得ている。 Q.ハノーファー市の長きにわたる緑に関する歴史が今日の環境政策に結び付いていると思うが、 なぜ 100年も前から環境に対する意識が高かったのか? A この歴史は王家から始まっている。王が緑を残す意識をもっていた。また、王ばかりでなくその まわりに住んでいる貴族も意識が高く、それぞ、 れが競いあって、自分たちの庭をきれいにして いた。それが基本になっている。 Q.ドイツ全体で、環境を大事にしていこうという械室が盛り上がってし、ったのは、第二次世界大戦 の大打撃から奇跡の復興を成し遂げた短期間での経済成長によって、緑が失われたり環境破 壊が行われたりしたことがきっかけなのか? A 第二次世界大戦では街の 95%が爆撃を受け、大火事で家屋なども焼けてしまった。その経験 をもとにハノーファーでは、二度とこのようなことが起こらないようにと、緑を十分とった余裕あ る街づくりを目指し、経済の発展と緑の発展の両立が考えられてしりた。 内容:②市の生物多様性保全に向けた対策について 説明 : ハノーファー市景域プラン/ エコロジー担当 . 1 9 9 2年、リオデジャネイロで「生物の多様性に関する条約」にサイン をして以来、市は生物多様性を守ることに力を入れて来た。また、ド イツ圏内でも 2007年に圏内生物多様性法が策定された。 -ドイツ圏内の 1 6州が、生物多様性戦略について、独自の規定をつく っている。さらに、各自治体が独自の戦略を策定している。 -このようなことは政治的な枠がないとなかなかできないが、市はモニ ングホフ市長がイニシアチブをとりできあがった。 ・ハノーファー市は、 2009年から 2013年まで毎年 1 0万ユーロの予算 を立てている。 ・街中で生物多様性についての取り組みを進めることに対し、市民か ら、なぜそれを郊外で行わないのかと問われるが、郊外より街中の ほうが暖かく、種の多様性に適しているからである。 ・ハノーファーは多種多様な生態系があるが、周辺の衝はそうでもない。 ・生物多様性と人間の喜びを両立させることが、プログラムの基本になっている 0 ・河川の再生は 20年前から継続的に行ってきた。農耕地も徐々にやっている 0 ・種の多様性を高めるために、在来樹種の植林を進めている。 ・新しいプロジェクトの中で、は、動植物の保護のためにその生息空間を守ることが謡われている 0 ・長年かかるが、市は将来、保護すべき土地を全部買い取ろうと考えている。農家が土地を売る場 合には市が買い取る。 -財政上の問題があるが、新興住宅地ができ自然に侵害を与える場合、敷地内に鮒色を多くとる か、代償として他に緑地を設けるかが必要になる。代償措置の範囲としては、市・州・国・ EUなど 様々なレベルがある。 1 5 -自治体としての種多様性プログラムにおいては、ニーダーザクセン州にある 1 1 0種の絶滅危倶 植物を必ず保護する必要がある。 ・ニーダーサ。 クセン州における生態学的に貴重な場所のうち 2カ所がハノーファーにある。 ・作業員に、外来種の駆除や川・河畔、 鉄道、人の集まるところについて、書面で指導している。 その中にある特に注意が必要な 3つの外来植物の肉の一つが日本のイタドリである。 -保護対象には、植物だけでなく動物もある。それらが法の下に保護されているか、存在している か、どう保護するかを研究している。 ・子どもたちが自然保護に貢献することが非常に大きい。 -子どもたちへのパンフレットの作成、現地の案内、そして環境教育全体をしっかりと進めていくた めに、教師、保育士にさらなる教育を行っている。 -自然保護や環境教育を進めるためには重要なポイントがある。月日っている場所でも新しいもの を発見できる」ことが必要で、それらをネットワークすることが大切で、 ある。具体的には、近くの景 観を見て昔のことを想像できるようにする。自然を体験させる。古くからある種を認識させる等。 -柳の木は 3年l こ一度伐採するが、その際に切った木を篇づくりなどで利用している。 ・木の名前(種類) を当てる遊びをさせている。 -学校生物センターには古い植物が植えてある。所有権は市が持っているが、管理はボランティア 団体に任せている。集合住宅では庭を持たない人がいるが、そうした人々もこのセンターに古い 植物を植えている。生物多様性は人間・生物問での摩擦を起こしてはいけない。 Q 市街地は、郊外よりも比較的温かいため生物多様性に適しているとしヴが、本来はその温度 に適したところに育つべきではないか? A 中世からみて、淘汰による種の変化は 50年間あまりない。むしろ種の変化は農業の強化によ るものである。ハノーファーで、 は街中に残っている種が多かったため、それを残そうとしてい る。ちなみに、農業で、 使われる肥料が土壌を変えてしまっている。 内容: ③市による都市の気候保全・気候変動対策について 説明:ハノーファー市気候保護気候変動対策部担当 .1¥/ ーファーで‘行った「気候変動枠組条約」に対する取り組み は、日本において気候変動対策に取り組むきっかけをもたらし たが、一方で、気候変動対策は簡単ではないことが分かつた。 9 8 0年代、社会党と緑の党が多数派を占めて ・ハノーファーで、 は1 いたことが、気候変動対策に取り組む良いきっかけとなった。 つまり、当時の連立政権の公約として、原発廃止、 エネルギー効 果などをうたっていた . 1 9 9 0年代から気候変動対策に対し誘導するような社会的環境が できた。ガス、電気の事業団は、市が 75%の株をもっていた。 -特!こ事業団の持っている電力によって1¥/ーファー市の需要を カバーすることができた。それが脱原発につながっている。 530万ユーロ)があった。これは気候変動対 -市独自の奨励基金 ( 策のための基金である。 ¥ イス) を行って ・ 気候変動対策エージェンシーがあり、助言(アド1 1 6 いる 0 ・経済振興のための企業誘致もしている。対象は、気候変動対策に寄与する企業で、例えば太陽 光・風力発電関係の企業などである。また、大学とのコンタクトも非常に重要視している。 tだが、2 0 2 0年までに 2t削減する目標をもっ ・ハノーファー市民一人あたりの CO2年間排出量は 8 ている。 ・ハノーファ一市議会の目標は 40%削減である。ただし、市内だけで実現することは難しいので飛 行場も含めての目標値である。 ' 1 9 9 0年の排出量は 5 0 0万 tで、 あったが、 2 ∞ 万 tを減らすことを目標とした。 ' 2 0 0 9年にモニタリング調査を行った結果、 CO 減っていたが目標達成は難しい見通しで、 あ 2は 11% る。 パッシブ、 ハウスといって、建物自体で断熱をし、一年間で、 1 m あたり 15kw /hの削減効果がある 住宅がある。 ・ 市役所としても漸進的な取り組みをしており、古い住宅を壊して再度パッシプ、 ハウスに作り変えた 例がある。 ・エネルギーシステムを、コージェネ ( 熱電併給) や、木質ペレットに切り替えてきている。日常生活 でも無駄を無くす取組みを進めている。 E ( 5)fハノーファー市内の現場視察: ①低エネルギーシステムを導入した市立幼稚園 説明 : ・この施設は、 KπAという、幼稚園と保育所が一緒となったもので、市で はじめてのパッシブハウスの幼稚園・保育所で、 ある。2-6才まで 75 名の子どもたちがおり、 1グ、 ループ 25名で 3つのグループに分けられ ている。 '2005-2008年の 3年間をかけて建設された。全体面積は 1 , 8 0 0r 礼 子どもたちにとって大きい遊び場が必要だとしヴ考えで、敷地のうち約 1 , 500m を自由地として確保しているため、建物自体は 300m ほど。 延床面積は約 560 。 -各グループ用の部屋と、食事室や運動場などの各用途に応じた部屋 に加え、空気の調節を行う部屋がある。 -パッシフ、 ハウスの目的は、エネルギーコストが低くなることである。 消費電力は、一年間に 1mあたりわずか 15kwである。 パッシブハウスとして重要な要素が 3つある。1つ目は断熱材で、少な くとも 30cm幅にも及ぶものである。これが、壁、床、天井などに使わ れている。また、窓ガラスは 3枚のガラスを重ねたものになっている。 2つ目の要素は、太陽光を活用するためのソーラーパネルで、 ある。 そして 3つ目は、空気調整、つまり、外の事帰草な空気を引き込み暖か い空気を循環させ、それをまた家の外に排出するシステムである。 ・この建物内の空気は、壁や天井を通して出入りしている。外の幸胤草な 空気を換気装置で循環させているのである。このシステムは、 560m という広さに対してごく小さなものである。 窓ガラスは、子どもたちの安全のために割れないようになっている .空調の仕組みを子どもたちに見えるように作つである部屋もある。 m 2 0 1 7 ~ -断熱材の内部は、建物を支えるために石灰でできている。厚い断熱材の中には、通気のための 穴が通っている。 エネルギーの削減率が 80-90%にもなるとのことだが、冬場ではどのくらいになるのか? A.冬も80-90%節約できている。というのは、南向きになっているからだ。他のところではブライ ンドがある。夏の暑い時期は窓を開けて外の空気を入れれば涼しくなる。 Q Q.暖房はあるのか? 0 A 約2 0 Cの空気が循環するようにするシステムがヒーターの役割を担っている。子どもたちが 2 5人同じ部屋にいると部屋の中が暖かくなるので、時々窓を開けて換気を行う必要があるが、 通常はそのシステムによって20-250C Iこ保たれている。この換気装置は空気を循環させるも のであり、いわゆるクーラーやヒーターではない。また、子どもたちのオムツ交換の部屋や、 人の出入りがある玄関などには一般的なヒーターが付いている。 Q.太陽電池や太陽熱利用などのソーラーシステムがあるのか? A.そういったものはない。なぜならコストの問題や、子どもたちがお湯をあまり必蔓としないとい う状況のためである。 Q.パッシフ、ハウスの幼稚園・保育所は他にあるのか? A ある。新しく建物を建設する際にはパッシブハウスを建てることを市が奨励している。私立の 場合はその限りではないが、市が売り出す土地を用いる場合はパッシブハウスを建てること、 あるいは方角の問題でパッシブハウスにできない場所の場合、省エネ建築にすることが義務 づけられている。 Q.一般の住宅とパッシブハウスでは建設費用がどの程度違うのか? A パッシフ、ハウスの方が約 10% 高くなる。 Q.ランニングコストを考慮した上で 10-20年というスパンでみると、同程度になるのか? A.そういったことは考えられるが、エネルギーコストの相場が上がることで、パッシフハウスの 方が安くなるということもありうる。ハードは20-30年はもつが、エネルギーは将来どうなるの かまったく分からない要素である。 Q.企業が建てる場合も、個人で建てる場合のように銀行は低金利で融資を行ってくれるのか? A 気候のための基金があり、この幼稚園"保育所はそこから 7 5, 0 ∞ユーロの助成を受けている。 一般家庭の場合は6, 0 0 0 ユーロが支給される。また、建築会社がパッシブ、ハウスの住宅建設を 行った場合は、一戸あたり 6, 0 0 0 ユーロの支給ではなく、その半額ほどの助成金を受け取ること FW という銀行では、 5 万ユーロを低利子で借りることができる。 ができる。そして、前述の K Q.パッシブハウスの技術的に難しい点は何か? A 換気装置のフィl レターの交換などの手聞はあるが、それは一般的な住宅も同様である。 一般的な住宅に比べて特に手聞がかかるという点はない。 1 8 現場視察:②エキスポ2 0 0 0跡地クロムベルクのエコロジカル住宅 5 c mもの厚さの断熱材が ・住宅の天井、床、そして壁などに、約 2 入っている 0 ・窓は 3重になっている。この窓の層の中にはガスが入っており、 部屋の中に入った光が外に逃げないような仕組みとなっている。 これはパッシブハウスに必ず使われる窓で‘ある。 . 3重窓に対応した特別な窓枠にも断熱材が入っている。外側が 熱を逃がさないアルミニウム、そして内部が木材でできている 0 ・窓の近くにロウソクを近づけてもその炎が揺れないほど、気密性 が高く、室内は床暖房が不要なほど暖かく保たれる。今年の冬 に一16, 17 Cまで冷え込んだ時も、 I~、")シブハウスでは窓に近づ 0 いても寒くなかったようで、あるが、そこまでのレベルに達してい ないとパッシプ、ハウスとは言えない。 Q.熱を遮断するのは良いが、空気の心配はないのか? A 先に訪問した幼稚園と同様の設備が備わっている。それによ り、各部屋に屋上から来る綿総空気が供給されるようになっ ている。逆に、台所や浴室からは空気が排出される。また、空 気の量も、室内の人数に応じて調整できるようにしなければな らないという規定もある。 Q.外から供給される空気が冷たいといけないので、内部の熱を 逃がさないように交換をしているのか? A 内部の汚い空気は逃がして暖かい空気は外に出さないように、冷たい空気と暖かい空気を交 換する機械設備がある。そこで外部からの冷たい新鮮な空気を暖めて、室内に供給をしている。 この機械の内部は、蜂の巣のように小さい部屋に分かれており、暖かい空気や冷たい空気が、 それぞれ各部屋に入り、お互いに直接触れ合し、はしなくとも暖かくなって出てくる仕組みになっ ている。 一般の住宅をパッシブハウスにリフォームすることはできるのか? A 材料にもよるが、一般的には元の住宅を壊して完全に作り変えたほうが安くなる。リフォームで パッシブハウスにすることは難しく、せいぜい省エネ住宅レベルのものにしかならないだろう。 Q Q.パッシブハウスの世界的な普及についてどう考えるのか? A スペインのような気候のところではもちろん可能だろうが、北欧のように寒さの厳しいところで と厚くしたからとし、って完全に断熱できるわけではない。 は難しい。断熱材を60-70cm Q.最低温度と最高温度の想定は? 0 5 Cのようにどんなに寒いところで、あってもパッシブハウスを建てるメリット A.寒さについては、一2 0 はある。暑さ も30C程度であれば同様。 Q.外部から取り込んだ空気と室内の空気は、機械を使わずに循環させているのか? A.空気を供給する機械の中にプロペラが付いており、それが回っている。 このプロペラの電力消 費量はごくわずかである。 1 9 Q.Iもyシブハウスに住んでいて困ったことはないか? A 困ったことはある。野外との気温の差が大きいときや、友人の家を訪問する際に自宅との差に 驚くことがある。 Q.パッシフ、 ハウスに住もうと思った最大の理由は何か? A エネルギーコストが非常に低いということと、なせ. 自然を有効に利用しないのかと思ったことが その理由である。 Q.エネルギーコストはどのくらい違うのか? A.約80%減っている。毎月の支払が約35ユーロで、一年間では却Oユーロ程度しかかからな 、。 し 現場視察:③グリユーンリング、 -営林署に勤務しているのは 35人で、このクロンスペルク担当の 人は約 1 0人。 -営林署は森の管理だけでなく、景観の管理もしている。ベンチな どの備品の点検や、コミのチェック、道路の状態の確認などのパ トロールを行っている。 -利用を通じての管理を行っており、羊飼いに土地を貸している。 羊飼いは安く土地を借りてヒツジを養うことができる。そして市と しては低コストで、管理をしてもらうことができる。 七ツジ以外に、自然保護のために農耕地に牛などを放牧したりも している。 -クロンスペルクは、レクリエーションや住宅だけで、 なく、市内でも 強 く農業が進められている場所である。農業はハノーファー市に とって重要である。 ビオトープは、ネットワーク化させることが重要で、 ある。一つ一つ が飛び石的にあっても仕方がないので、それぞれのビオトープをつなげるために樹木を植えて いる。それによって、野鳥や虫などが生活のために移動することができる。 Q.ここで、 はサッカーを行っても良いのか ? A.柵が張つである場所はヒツジを放す場所なので、サッカーが禁止されている。柵が張られてい ない場所では、サッカーを行っても良い。 Q.禁止されている行為はあるのか? A ここは景観保全地帯とされているため、 4月 1日から 7月 1 5固までの聞は、犬を放すことが禁 止されている。それは、ここで営巣する鳥たちを守るためである。また、火の使用も禁止されて いる。 20 現場視察: ④アイレンリーデの森 0 0 h aもの広さがあり、街中の森とし ・アイレンリーデの森は、約 6 てはヨーロッパの中で、も最大のもとと言われている。約 1 0 0年前 は公園であった。 衝にあるその他の小さい森を合わせると、約 1 , 2 0 0 h aになる。 -湿った土地で、あり、周りには側溝などがある。それらが集まった 用水路は、以前セメントを張ったが水質が悪化したため、セメント を剥がし再自然化させた。 -管理は営林署が行っているが、ほぼ自然に任せているので「営 は行っていない。木の伐採は、人に怪我を与えるような場合 林J しか行わない。 -街中の森であるため晴乳類はいないが、植物や鳥類が多種存 在している。水鳥の脚に付着して運ばれてきた卵から生まれた 魚も生息している。釣りは、ドイツ圏内のルールで許可証がない とできないことになっている。 ・市民は森の中で、キノコ採りやハーフ、採りを楽しんでいる。売買目的でなく家庭用であれば自由 に採取をして良いことになっている。休日にそれらのハーブを利用した料理イベントが開催され ることもある。 -周辺の公共交通機関の線路を含めた周辺一帯が、エコロジカル・ネットワーク化されている。 Q.自然の中で事故や怪我が起こった場合、管理者が訴えられるリスクはないのか? A 森の中!こ行くというのは自らの意思で行うので、そこで転んで怪我をしたとしても訴えることは できない。ただし、折れた木の下敷きになり大怪我をしたなどという場合には、営林署に対して R 剖賞金を請求することができる。 Q.お手洗いが見当たらないが、利用者はどうしているのか?設置の要望はないのか? Q A 森の中にはお手洗いを設置していない。お手洗いを使いたい人は、森の中にあるヴ、 アl レトカフ ェと呼ばれるコーヒーショップで、 用を足している。これまでに、駐車場がほしいという要望はあ ったが、お手洗いの要望は一度もない。 2 1 ハノーファー市での視察に対しての所感・ 環境担当として第一人者のモニングホフ第一市長より緑を増やし育てる政策の説明を受け、 5 0 % の緑地があることを伺い、驚いた。 自治体政策としては、ドイツでも珍しく先進的だが、 7年前からは経済と環境分野をどうやってか け合せていくのか、常に挑戦していることを聞き「太い政策」の覚悟を感じた。 環境の質をはじめ環境教育の充実、レクレーションの場などを向上させ、住みやすい環境を整 備すると人や企業はやってくること。個人への庭の貸し出し、プランターの貸し出しなどは、帰属性 を高めるための有効な政策であること。自分の庭の伐採にも縛りがあること。これらの政策は、社 会党や緑の党の連立政権で長期的に継続してきたものであり、自然保護、多様性、文化、人問、 再生可能エネルギーなど、人は潤いある豊かな環境を望んでいることを理解し、それを第一義に した政策の断行で成功してきたことが分かった。横浜市政にも是非、取り入れていきたい。 ドイツの町並みを飛行機の窓からながめていると、日本と比べて自然の緑の多さに気づく。木を 植えても数年ではまとまった樹林地にならないので、都市計画や自然保護は数十年、百年単位で 考えていかなければならない。 今回訪れたハノーファー市は、文字通り「国家 100年の計」で、 100年以上前から市民の聞に緑 を育てようという気持ちがあり、一方で、行政の側も、緑があれば街自体の質も上がるという考え のもとで施策を進めてきたと聞く。結果、市の面積の約 50%が緑地となっている。そして、市民ア ンケートでも 90%以上が喜んでハノーファーに暮らしたいと答え、誘致する企業からも好評を得て いるそうである。 当然これまでのハノーファー市でも、相反する、「環境」と「経済」の施策をどのようにバランスよ く、両方を進めていくかとし、う葛藤もあったと思う。当初は、どちらかと言えば「環境」に力を入れて 年前から、「経済なくして町の発展はないJ との考えの下、「環境と経済が一緒にな いたようだが、 7 ったセクション」をつくり、この 2つを掛け合わせた施策を進めてきた。 そして、ある環境団体から、ハノーファーは生物多様性において非常に良いものをもっていると 賞を与えられたり、経済的発展も環境にも良い発展をしているとプレミアムをいただいたと聞い た。このことは成功事例として称賛すべきである。 ハノーファー市の説明を受ける中で、横浜市でもと思うが、当然ハノーファーの事例をそのまま 当てはめて、過去のものも取り戻すということまではすぐにできないかもしれない。 しかし、横浜市でもできることがあるのであれば、ソフト、ハード両方の菌から勧めていくべきで ある。まずは横浜市の行政機構を考えてみると、現状、鈴木伸哉副市長が、「温暖化対策本部」、 「環境創造局」、「資源循環局J という環境部門と、「建築局」、「都市整備局J 、「道路島、「港湾局J のハード部門を所管としており、環境部門とハード部門を同じ副市長が所管していることは、組織 歩進んでいると思う。次に、更にこれl ゴ経済局」も加えて、「環境を踏まえた経済・ 樹昔としては1 都市計画」を同ーの副市長の所管とすることを本格的にスタートし、「環境と低済施策を融合」して いくのだという方向性を体制面から示すことはどうだろうか。 次に、将来的な市役所内の機構改革で、「環境と経済が一緒になった」局を創設し、横浜市にお I t る「環境と経済施策の融合」の方向性をより明確に示すべきと考える。 日本では、まだまだ、環境省と経済産業省の相反する利害、産業界と環境団体の相反する利害 を見ても、簡単にはいかないと想像するが、国では政府が、地方では首長が中長期的な「環境と 経済施策の融合」の方針を示し、推進していくべきと考える。 22 2 0 2 2年までに原子力発電から撤退するドイツ。これだけの大きなエネルギー政策の転換である から、当然可能性を含め圏内外でいろいろと言われるが、私は野心的であるが現実的であるとも 思う。仮に 2 2年にすべてが達成できなくても、国がこういった方向性を示し、再生可能エネルギー への転換を推進していくのだという決意をしたことに敬意を表したい。日本でも国民の多くが、原発 からの即時撤退は無理にしても、段階的に原発依存を減らし、再生可能エネルギーに転換してい くことを望んでいる。再生可能エネルギーの転換への技術的な支援、税制も含めた政策誘導な ど、そのためのでき得る限りの手段を講じ、国民にその道筋を示して、説得していくべきである。 低エネルギーのための一つの方法として、ハノーファー市では、「パッシフ、ハウス」を視察した。 という意味で、南向きに家を建てて パッシブハウスと言っても聞き慣れないが、「太陽を受けよう J 太陽光線を獲得し、壁、床、天井など断熱材を少なくとも 300mにじ、窓を 3枚ガラスにする。そし て、電気使用量を年問、 1m あたり、 1 5 k w以下にすることが目的とされる。ハノーファー市内で導入 しているモデルとして、幼稚園と長屋住宅の 1軒を視察した。 グリューンリング、そして、ヨーロッパで街中の森で最大規模と言われる「アイレンリーヂの森J を視察した。 グリューンリンク、はサイクリング、散歩道として全長 80kmもあるとのこと。本来なら車の乗り入れ は許可されていないが、限られた時聞の中での視察のため、車でご案内いただいた。親切すぎる くらい様々な看板や標識のある日本の公園に比べ、グリューンリングには目立った標識などもな く、木の棒や石に青色をつけた道しるべが、道が分かれるところに自然にあるのが新鮮な感じが L . t : こ 。 また、犬を放してはいけないエリアが一部あると聞いた。犬のふんや、人聞につっかかったりす ると困るからだと思ったが、一番にかえってきた答えは、「産卵する鳥を守るため」と言われ、自然 地のありょうの日本との違いを感じる。自然地、公園が当たり前のように、日常生活のそばにあ り、当たり前に享受できるハノーファーの豊かさを実感する。 公園の管理について、日本での常識と比べてし、くつか聞いた。 1 .r 日本ではこういう大きな公園、森では、犯罪の温床になるから死角にならないように木を切れ という要望があったりするが、ここではないか ?Jとの質問に、「そんなに危険に見えますか?これ までに事件はありません。」とキョトンとされた。しかし、改めて考えると、暗くなってからは、子供も 女性も一人では歩かないのだろう。また、街中の森には、ホームレスが住み込んだりすることもあ ったが、グリューンリングにはないそうである。ここに住みついても、食事を得るのも不便で大変そ うなところからだと感じる。 2 広い公園を管理する営林署として、ごみの管理などを尋ねたが、興味深かったのは、ドイツで レのデポジッ卜帝] 1 を導入しているが、デポジット制導入後、公圏内に捨てられるペット はペットボトJ ボトルのゴミが、ほとんどなくなったとのことである。当然、持ってきた多くの人は自分で持ち帰る し、仮に捨てても誰かがそれを拾って換金するからとの説明に、当然と言えば当然だが、興味深 い話であった。 3 .最後にトイレの話も聞いた。 6 0 0 h a もあるアイレンリーデの森の中にトイレがあるのか尋ねたが、 トイレはないとのことである。トイレを公圏内に作ってくれという要望はないのか、と聞いたが、そ んな要望は 1度もないとのことである。公園近くの人なら、戻ってトイレに行けるが、急に用を足す ときはどこで足すのだろうか。自然に済ますのだろうか。いずれにしても、街中の公園だがトイレら しき建物のない自然のままの公園だったので、不親切かもしれないが私はこの方がいいと感じ た 。 ハノーファー市の取り組みは単に緑を回復することではなく、如何に自然を回復させるかつまり 生物多様性を実現するかにあった。市民が生物多様性について学ぶには、身近な所に学べるとこ 2 3 ろがあることが必要である。ドイツが環境先進国と言われるが、このような取り組みが基本的に定 着しているからなのだろうと感じた。 パッシブハウスや低エネルギー住宅を視察し、省エネに対する徹底した考え方、取り組みを知 ることができた。日本においても同様の取り組みが進んできているが、基本的な思想、発想の違 いを感じた。視察によると高断熱(主宅により暖房費が不要になっているということだが、日本の高 温多湿の住宅で実現できたならば、大変な省エネになることから日本での普及に期待したい。 ドイツでは、低エネルギーハウスは、エネルギーの約 50%削減、パッシブハウスは 80-90%削 減をできるとされているが、両施設とも確かにこれを達成している。日本にも、様々な省エネハウ スがあるが、パッシブハウスは、徹底して低エネルギーを実現しようとするドイツ人の気概を感じ るものである。 パッシブハウス導入のコストについて、視察した幼稚園では 1割増しとの説明だった。銀行から の低利子の助成もあるとのことで、のちのちのランニングコストを考えると、かなり魅力的なものに 感じる。しかし、日本で導入した際、ドイツとは違う気候条件や、エネルギー効果、建設コストなど、 どの程度のメリットと成果があるものなのか総合的に精査する必凄がある。 また、既存の住宅をパッシブハウスに転換できるのかどうかを尋ねてみたが、やはり使ってい る材料にもよるようで、古い家の場合は、 1度壊して新たに建て直した方が良いとのことである。 出発前に勉強会を開き、本市の環境未来都市構想について担当課から説明を受けた。中身は 時間をかけて練り上げられたものであり、その結果、国の支援事業にも選定された。 しかし、今回の視察を終えて、横浜市の構想においても都市の中の緑についての取り組みをも っとすすめるべきだと、強く感じた。閉じ、環境未来都市構想に採択された北九州市は、エネルギ ーと自然が1¥ランスよく計画されている。 海外の自治体は言うに及ばず、圏内の自治体ですら横浜に追いつき、追い越そうとしている。 横浜市内にエコロジカルなネットワークをつくるという視点が必要だと感じた。 環境(だけでなくすべての分野だが)施策において市民の理解と協力は必要だが、そのために は環境教育をどのように広げるかが課題である。説明の中で、「子どもたちが自然保護に貢献す ることが非常に大きい。」との発言があったが、これは、「子どもたちが自然保護のための大きな 戦力になってくれている」という意味と、「子どもたちがこうした活動をすることが、子どもたちの将 というふたつの意味があると思う。 来のために重要J 所有権は市が持っているが、管理はボランティア団体に任せている学校生物センターと言う施 設があり、地域在来の植物が植えてあるらしい。ここでは、子どもたちが学校の校外授業で活用す るだけでなく、集合住宅では庭を持たない地域の住民も、このセンターを利用できるそうだ。 4力所(約 4 6 0 h a )が指定されているが、 1 8区すべ 横浜でも、環境創造局の所管で市民の森が、 3 てにはない。このようなハード面での整備なくして、中身のある環境教育の充実は難しいだろう。 まずは、学校の敷地内にその地域の自然を再現した学校ビオトープを、すべての学校につくるくら いの目標を立てる必要があるのではないだろうか。 24